06/05/13 10:42:45 zlLtpxqL0
“痴漢するほうが悪いのよ。”
一見どこにでもいる普通の女子大生に見える彼女はショッカーの改造人間 蠍女であった。
どうやら中年の男性は車内で彼女に痴漢を働いていたらしい。
それが彼女の怒りを買い、命を落とすことになったようだ。
「沙希おはよう!」
毎朝改札で待ち合わせをしている親友の由香里が声をかける。
「おはよう・・・」
「どうしたの、沙希?今日元気ないよ。何か会ったの?・・・」
「えっ?何でもないよ。ごめんね、朝から心配させちゃって。」
「ううん、何にもなくて良かった。でも何かあったらすぐ相談してよね。」
「うん。」
ふと目をやった売店の店先に並べられているスポーツ新聞には、
大手電器メーカーの役員が殺害されたという記事が書かれている。
“わたしが殺した人だ・・・”
脳改造によって殺人や拉致といった組織の犯罪行為に抵抗感など無くなっている彼女ではあるが、
長谷川沙希として生活を送っているときには、複雑な感情に襲われるようである。
“たくさん人を殺したり、連れ去っているわたしが普通に生活していていいの?・・・
いつか身近な人たちにも危害を加えたりしないかしら・・・”