05/02/18 19:54:40 sRZyYEGM
>>804
何の気もなく発令所へ入ると、モニターいっぱい位な大きな字で、【天麩羅ボス】と書いてある。
俺の顔を見てみんなわぁと笑った。俺は馬鹿々々しいから、【てんぷらを食っちゃおかしいか」と聞いた。
すると部下の一人が、「然し四杯は過ぎるぞな、もし」と言った。四杯食おうが五杯食おうが、俺の銭で
俺が食うのに文句があるもんかと、さっさとミィーティングを済まして控所に帰ってきた。
十分経って鉄工所に行くと【一つ天麩羅四杯也。但し笑う可からず】とモニターに書いてある。
さっきは別に腹も立たなかったが今度は癪に障った。冗談も度を越せばいたづらだ。
焼餅の黒焦(反対語は、焼餅は狐色)のようなもので、誰も誉め手はない。
田舎者は此呼吸が分からないから、どこ迄押していっても構わないという了見だろう。
一時間も歩くと見物する町もないような狭い都に住んで、外に何も芸がないから、天麩羅事件を
日露戦争のように触れちらかすんだろう。憐れな奴らだ。
巡査の時から、こんな教育されるから、いやにひねっこびた、植木鉢の楓見た様な小人ができるんだ。
無邪気なら一所に笑ってもいいが、こりゃなんだ。部下の癖に乙に毒気を持ってる。
「こんないたづらが面白いか、卑怯な冗談だ。君らは卑怯という意味を知ってるか」と言ったら、
「自分がしたことを笑われて怒るのが卑怯ぢゃろうがな、もし」と答えた奴がある。
やな奴だ。
わざわざアヌビス星から、こんな奴を教えにきたのかと思ったら情けなくなった。