僕にも『ウルトラマンタロウ』の話は書ける2at SFX
僕にも『ウルトラマンタロウ』の話は書ける2 - 暇つぶし2ch2:名無しより愛をこめて
05/02/02 18:25:44 PNzNtZiY
2

3:名無しより愛をこめて
05/02/02 18:42:00 VIKozQ/I
>>1さん感謝します
ネクサスのニセ最終回が難航しててすみません

4:1
05/02/02 19:17:29 gO4qv9zB
まずは自分から。
日本の童話から『うさぎとかめ 二人の友情』
  スピード怪獣エンジロン登場

健一の通う小学校に一人、足の不自由な子がいた。
名は亀田剛。剛は小さい頃交通事故に遭い、右足の神経が麻痺してしまったのだ。
松葉杖をつき歩く剛を常にからかう同級生。名は因幡(いなば)飛助。
学校一の俊足を誇る彼は、ノロマな剛が気に食わず、何かにつけて剛をいじめるのだった。

剛は飛助に松葉杖を捨てられ、怒りのあまり飛助を突き飛ばす。
飛助はカッとなり、そのまま二人で取っ組み合いを始めるのだった。
たまたま近くを通りかかった光太郎。喧嘩の仲裁に入る。捨て台詞をはき、逃げる飛助。
剛はポツリポツリと、飛助は本当はいい奴なんだ、と光太郎に説明する。
ただ周りから足の事でやさしく扱ってもらえる自分が気に入らないだけなんだ、と。
それを聞いた光太郎、ニッコリ笑いながら去っていく。

場面は変わってここは近所の廃ビル。
飛助は悪ガキグループに入っていた。ビルの中は悪ガキ軍団の今日の悪事の報告で盛り上がっていた。
明日は万引きをしようと盛り上がる悪ガキ軍団。しかし飛助は浮かない顔。
突然大きな地震が起き、廃ビルは倒壊する。命からがら逃げ出した悪ガキ達の前に、
長い眠りから目覚めたエンジロンがそびえ立っていた。

クモの子を散らすように逃げる悪ガキ達。飛助も逃げる。
しかし怪獣はなぜか飛助一人を狙って追いかけて来る。怪獣は追いかけっこが好きなのだ。
飛助と怪獣の、壮絶な追いかけっこが始まった。
足の速い飛助でも、流石に怪獣相手だと分が悪い。

徐々にその差は縮まり、後もう一歩で飛助は…もう駄目だ…飛助が諦めた瞬間、
怪獣にナパーム弾が命中する。ZATだ!
しかしZATの善戦空しく、怪獣は確実に飛助に迫る。

5:続き
05/02/02 19:18:21 gO4qv9zB
…息も切れ切れの飛助を手招きする剛。
飛助が追われていると知った剛は、ZATに救援を要請していたのだ。
そこには光太郎のラビットパンダが待機していた。
車に乗り、怪獣との差はみるみる開いていく。
飛助は自分の非を素直に剛に謝る。剛は、友達だからいいよ、と笑って答える。
二人の友情が戻ったのだ!うなずく光太郎。
しかし怪獣は体を丸め、転がりながらパンダに追いつく。
追突されたパンダから三人は放り出され、子供たちは気を失う。

光太郎はタロウに変身する。
タロウは怪獣とぐるぐる同じ場所で追いかけっこを始める。
何周も何周もするうちに、怪獣は目を回してきた。
倒れる怪獣、すかさずストリウム光線を撃つタロウ。爆発する怪獣。
戦いの後、剛に向かってリライブ光線を放ち去るタロウ。
剛が目覚めると、なんと足が動く!全身で喜ぶ剛。

数日後、光太郎は小学校へ来ていた。
そこには、悪ガキグループから抜けて改心した飛助と、元気に鬼ごっこをする剛の姿があった。

終わり

6:名無しより愛をこめて
05/02/02 19:28:07 kjbIguLe
次スレあるときは、タロウ以外も書きやすいスレタイにしよう
っていう話になってなかったっけ?とりあえず、>>1

7:1
05/02/02 19:40:47 gO4qv9zB
>>6
とりあえず、需要が上がって新しく総合SSスレが立つまでは
ここを使ってもらおうと思います。
ただ繰り返しますが、ここはタロウのスレですので、
あまり連続して書き込まれるとちょっと…ですね。

8:名無しより愛をこめて
05/02/02 19:45:05 75Ia/5oa
前スレ>>1です。

>>7
スレ立て、お疲れ様です

9:名無しより愛をこめて
05/02/03 22:02:01 pk2cNNS9
>>1
乙です。

10:名無しより愛をこめて
05/02/04 18:41:55 Kn5EUYC/
前スレミラー

僕にも『ウルトラマンタロウ』の話は書ける
URLリンク(ruku.qp.tc)

11:名無しより愛をこめて
05/02/04 23:09:09 dgjrl7Xy
>>1さんと>>10さん乙!

このスレ独特の雰囲気を伝えるには
前スレを見てもらうのが一番だと思っていたので
早速ミラーができたのはうれしいことです

前スレの「早見作品リスト」も転記しておくといいかなと
思ったのでちょっとやってみます。まずは「早見作品リスト」
そのもののレス番号だけ書きますね。

その1-その2:79-80, 124-125
その3:196
その4:225
その5:278,282
その6:353
その7:440
その8:785




12:早見1-2
05/02/04 23:15:55 dgjrl7Xy
「早見作品リスト(1~8+α)」転記します。別スレなのでアンカーは消した
形の引用になります。行間もちょっと詰めました

124 名前:名無しより愛をこめて 投稿日:04/05/22 (土) 13:03 ID:mdVX9PIJ
早見作品リスト

3 『ユニゴンの角』
13『怪獣太鼓が村祭に響く!』
34『マンモス怪獣! 東京出現』
36『やめろ!タロウが爆発する!』
45-46『大暴れ!怪獣野郎』
49『怪獣鯉のぼり!』
70-72『ウルトラの母の日』

125 名前:名無しより愛をこめて 投稿日:04/05/22 (土) 13:04 ID:mdVX9PIJ
早見作品リスト2

96『ウルトラの誓いはいつまでも・・』
106『蜃気楼は怪獣の巣!』
107『日本の童謡から 雨ふりの中で』
113-115『ウルトラの星が消えた!?』
     『ウルトラの兄弟達を救え!』
     『君もウルトラの国へ!』

13:早見3-5
05/02/04 23:20:47 dgjrl7Xy
続きです。引用に際し、リスト以外の情報や重複を削除してあります。

196 名前:名無しより愛をこめて 投稿日:04/06/04 (金) 09:17 ID:OqtGzDyD

早見作品リスト3
<タロウ>
156-157『夢の桃源郷へ!』 
171『日本の童謡から 怪獣蛍が出た!』 
185, 187『大ピンチ!!ナース少女タロウを救え!!』

<他のウルトラシリーズ>
150-151『地底に潜む侵略者』 
191-192『宇宙人の要求』

225 名前:名無しより愛をこめて 投稿日:04/06/06 (日) 22:30 ID:c63PS+ui
早見作品リスト4

200-201『山村に響く声』
204-205『日本の童謡から 怪獣のとこやさん』
217-218『熱血!ZATくん一直線』
222『宇宙人の陰謀!タロウ対セブン』 

278 名前:名無しより愛をこめて 投稿日:04/06/16 (水) 20:19 ID:ZldY1RSW
早見作品リスト5
229-230『ウルトラマンタロウ復活』 
237『朝比奈隊長危機一髪!』
247-249『その時ウルトラの父は』  
258-259『夜に泣く竜』
263-265『宇宙人の花嫁さん』  
267-270『東京大迷惑!うっかり宇宙人の宣伝怪獣』 
273-275『切り裂け!エース暗殺計画』

14:早見6-7
05/02/04 23:24:49 dgjrl7Xy
続きです。>>13の273-275はAの話でした。282の方のマトメでは
そうなっていたのですが前の版をコピーしてしまいました。

353 名前:名無しより愛をこめて 投稿日:04/06/27 (日) 21:46 ID:iC6piHOa
早見作品リスト6

<タロウ>
294-295『危険!変身宇宙人の挑戦』
328『くさい怪獣でていけ!』
344『恐怖!宇宙人の村』

<他のウルトラシリーズ>
287-289『炎の空中キック!』
302-311『宇宙パトロール隊、その名はMAC』
320-324『電磁波都市』
348-349『雨だ!風だ!運動会中止作戦』



440 名前:名無しより愛をこめて 投稿日:04/07/12 (月) 23:25 ID:F+3+60Id
早見作品リスト7

<タロウ>
361『2000年の恐怖!父子タッグがゆく!』
367-369『はぐれ戦士ファイタス!』
392-401『宇宙科学警備隊、その名はZAT』
427-430『銀河を越えてウルトラタッチ!』

<他のウルトラシリーズ>
363-365『3年B組の金髪先生』
405-406『富士に死す』

15:早見8(1)
05/02/04 23:38:36 dgjrl7Xy
すみません。>>11で早見作品リスト8が785だけみたいに書きましたが
785-790までたっぷり5レスありました。785-790さんのもとのスタイルを
変更して、補遺を補ったものを下記にあげます
----------
早見作品リスト8
 
<タロウ>
470「必殺!ウルトラダイナマイトパンチ」
478-479「オイルショックは怪獣の仕業」
482-484「ZAT基地凍結!雪男は宇宙人だった!!」
486「タロウ対金太郎」
491「えっ?美少女はZATと地球の敵!?」
494-496「友達はバルタン星人!?」
499-501「夏の夜空に怪獣の魂が流れる」
 
===185さんの3部作===
502-503「地獄の孤島の大決闘!!」(前編)
505-507「さらなる悲劇!東京に3大超獣現る!!」(中編・途中で別のレスが入ってます)
508-509「決着!タロウ対古代超獣」(後編)

511-512「悪魔の樹は天空を越えて」
529-530「ZATだよ、全員集合!!」
554-555「無敵!火山が怪獣に!」
559-561「出たぞ!ウルトラハッスル光線」
568-570「復讐!タロウが暗殺される!」
578-579「泣く子も黙る!?怪獣の子守唄」
584-587「誕生!凶悪ウルトキラー」
598「東京湾大ピンチ!ヒトデ怪獣現る!」

16:早見8(2)
05/02/04 23:40:51 dgjrl7Xy
607-608「ひかりをかえせ!」
621「タロウの弟がやってきた!」
630-631「バードン大逆襲!タロウ危機一髪!」
662-663「母の愛は恐怖の怨念!」
665-666「遠くて近い父と母」
673-676「完成!ウルトラダイナマイト」
680-688「激闘!怪獣大工場」
694-696「明日のゴールへ向かって走れ!」
699-701「対決!タロウvs光太郎」
707-708「ZATのケンちゃん」
713-715「マリつき宇宙人地球を狙う!」
 
===前後編===
727-729「ZAT壊滅か!?荒野の怪獣列島!」(前編)
734-737「反撃!怪獣+宇宙人vsZAT+タロウ」(後編)

<レオ>
752-754「超ウルトラ作戦第1号」
760-761「喜びは一つ 今燃える友情」
767-771「偽ウルトラマンレオ現る!!」

<dark fantasy>
650-651「現在(いま)の自分と…」
653-654「現在(いま)の自分と…」(修正版)

<ネクサス>
741-744

<クロスオーバー>
453-456(タイトル無し タロウ+セブン)
720-722「ダークマター戦役」

17:早見9)
05/02/05 00:00:22 KBMdnpEN
残りの分を作成しました。続編ものに関して勘違いがあったらすみません
----------------
<タロウ>
795-796「ケむたい!怪獣はタバコがお好き!!」 喫煙怪獣ヤニラ 登場
803-806「狙われた正月」  先端宇宙人タガン星人 先兵怪獣タガンキング

=======続き物=======
812-814「タロウが死んだ!無敵の異次元人を止めろ!」異次元人クロイス人 超越怪獣キングバトラス 登場
815-816「聞け!タロウ復活術!」
==================

=======続き物==========
848-850「そして生きていく・・・」自爆怪獣ダイナン 復習宇宙人リベン星人 登場
854-857「二年目の怪獣使い・前編」佐久間良、宇宙蛾獣ネオムルロア、『何者か』と怪獣・星人軍団 登場
868-876「二年目の怪獣使い・後編」
===================

883-887, 889『怪獣に勉強をさせるな!』ドリルゴン、ギョフリ星人登場
897-903「命あげます」蘇生怪人・リセット星人 登場

<レオ>
822-824ウルトラマンレオ第0話『ふるさとの爆発! 孤独の宇宙人ひとり』
マグマ星人、ブラック&レッドギラス、アストラ、メハジ星人、レッドキラー2代目登場

<ネクサス>
833-836 ネクサス最終章(1)-(4)

18:11
05/02/05 00:04:45 dgjrl7Xy
>>11-17
ドロナワな作業になってしまい失礼しました。欠落や間違いがあったらご指摘下さい。
同一作者さんの作品が分かるようにできた方がよかったかもしれません。
ちなみに、自分のお気に入りは529-530の「ZATだよ、全員集合!!」 です

19:名無しより愛をこめて
05/02/05 16:21:09 3ZAz9XOb
11さんありがと。こうして見てみると、圧巻ですなあ。
70話以上もあったとは・・・。

20:名無しより愛をこめて
05/02/05 20:57:06 pC35AJy6
『タイラントの復讐』
  ウルトラ六兄弟、暴君怪獣タイラント二代目 登場

N:タイラントを知ってるかい? タイラントは今までにウルトラ兄弟に倒された
怪獣達の怨念が集まって生まれた合体怪獣だ。 
 タロウに倒されたタイラントは、今日も復讐の機会を狙っているんだ…

ハヤタことウルトラマンは宇宙警備隊の任務から離れ、地球のフランスに来ていた。
科学特捜隊の頃からフランスを訪れていた彼は、一緒に休暇を取りに来た北斗星司ことエースに
フランスの観光案内をしていた。
地球に寄ったついでにと、光太郎に連絡を取るハヤタ。

「地球は何時来てもいい星だ。いつまでもこのまま居たい位だよ」とハヤタ
「兄さん達は働きづめですからね、しばらくゆっくり観光していってくださいよ」と光太郎
「エースもすっかり上機嫌だ。やはり地球に来てよかった…なんだ?地震か?」異常に気づくハヤタ。

「大変だ!凱旋門が・・・怪獣!…あれはタイラント!」ハヤタが叫ぶ!
「何だって!兄さん!本当ですか!兄さん!…もしもし!もしもし!」
「怪獣は俺たちが食い止める!心配するな。行くぞ!エース」電話が切れる。

光太郎は心配だった。二人とはいえ、相手はあのタイラントだ。勝てるかどうかわからない。
今すぐ飛んで行きたいが、ZATから緊急招集がかかっている。無視する訳にはいかない。

ZAT本部は、タイラントにZATパリ支部が壊滅させられた事で大混乱だった。
今すぐ救援に向かうべきだという、朝日奈隊長以下全隊員の要望を鮫島参謀は却下、
日本の防衛に専念する事を命じる。
「怪獣は神出鬼没だ。今フランスに行ってしまっては日本はガラ空きだ」と鮫島参謀。
どうする事もできず、やりきれない隊員達。

21:名無しより愛をこめて
05/02/05 20:58:24 pC35AJy6
パリ。死の町と化したここで、タイラントは二人の巨人の死骸を踏みつけ、勝利の咆哮を上げていた。
ユラユラとゆらめきながら消える怪獣…

北極。吹雪の吹く白銀の世界の中、ぽつんと赤い巨人がそびえ立っていた。
…ウルトラセブン。彼は最近の怪獣多発の原因を調べる為、磁極の調査を行っている最中だった。
そこへタイラントが強襲する。孤独な戦いが始まった。暫くは善戦するセブン。
寒さに弱いセブンはウルトラコンバータを付けている。タイラントはその事を知ってか、
執拗に右手を攻撃、遂にコンバータを破壊する。
みるみるエネルギーを失っていくセブン、タイラントは弱りきったセブンをいとも簡単にぶちのめし、
二度と動かない事を確認すると、また獲物を求めて姿を消す。

ZATは北極の小さな異変には気付く筈も無く、ただ闇雲にパトロールを強化するだけだった。

東京近郊のとある墓地、新マンこと郷秀樹はマンやAとは別行動で、坂田兄妹の命日の供養に来ていた。
墓前で神妙な面持ちで手を合わせる郷に、後ろから少女の声が話しかける。

「貴方は独りぼっちなの?」と少女。
「昔はそうだった。でも今は仲間と一緒で寂しくなんかはないよ」と郷
「あたしは独りぼっち・・・パパも、ママも・・・」と少女
「…友達はいないのかい?」郷。
「いっぱいいたわ…でもみんな殺されてしまった…」少女。

郷は何か異様な雰囲気を背中の少女に感じていたが、彼が振り返って後ろを確認した時には、
少女は消えていた。
帰り道、郷が光太郎に連絡しようとした途端、地面が揺れ、タイラントが現れた。

続く

22:名無しより愛をこめて
05/02/05 21:02:13 pC35AJy6
『みなしごに怪獣を見た』
 ウルトラ兄弟、暴君怪獣タイラント二代目 登場

タイラントと戦う新マン、劣勢に追い込まれている。
そこにZATが到着、新マンを援護するが効果は、無い。
光太郎はタロウに変身、新マンと息のあったコンビネーションを見せる。
タロウのスワローキックと新マンの流星キックが、タイラントの両手の武器を叩き折る。
流石に分が悪いと悟ったタイラントは、行きがけの駄賃にと、頭部の角を発射する。
バキシムのそれと似た一角ミサイルは、正確に新マンのカラータイマーを射抜く。
息も絶え絶えの新マン、最後の力で空にウルトラサインを出した直後、
新マンの目の光が消え、遂に動かなくなってしまった。
その隙にタイラントはまた、消えてしまった。

光太郎は焦っていた。兄さん達と連絡が取れない。自分はどうすれば…
タイラントは今度も現れるだろう、その時は自分独りで勝てるかどうか…
パトロールに出た光太郎は、頭から怪獣の事が離れなかった。

その時、目の前に少女が飛び出してきた!慌ててブレーキを踏む光太郎。
あわや、という距離で少女をかすめるラビットパンダ。少女はあの墓地にいた子だ。
そんなことを光太郎はつゆ知らず、気を失った少女を病院へと運ぶ。
少女の名前はかおり。事故で両親は無く、近くの施設に引き取られたとのことだった。
不思議な事に、かおりの両手は傷だらけだったが、光太郎は自分のせいだと思い、
毎日お見舞いに来ると約束した。

その夜、かおりの病室に不穏な気配が。タイラントの影がさおりに話しかける。

「両親に会いたければタロウに隙を作らせるのだ…」
「タロウを殺すの…?」尋ねるかおり。
「そうだ。奴は我々の敵だ。怨みを晴らさねばならない」タイラントは言う。
「・・・わかった。パパとママを生き返らせてくれるなら」
以前は連戦でエネルギーが尽きて敗れたタイラント、今回は活動時以外は少女の体に憑依し、
エネルギーを温存していたのだ。

23:名無しより愛をこめて
05/02/05 21:04:28 pC35AJy6
毎日見舞いに来て励ましてくれる光太郎のことを、かおりは好きになっていた。
しかしタイラントの命は守らねばならない。かおりは退院したら、白鳥家に連れて行って欲しいとせがむ。
勿論快諾する光太郎。かおりは胸が痛かった。

白鳥家でかおりは、これ以上無いという位手厚い歓迎を受け、両親が死んでからというもの孤独だった
かおりは、幸せを素直に噛み締めていた。
だが幸せは長くは続かない。タイラントが目覚めたのだ。
かおりは突然頭を押さえ、外に飛び出してしまう。
「来ないで!光太郎さん!あたし…」

と、同時にかおりはタイラントに変身巨大化、光太郎に迫る。
光太郎はかおりを案じて攻撃できない。逃げながら人気の無い空き地へ誘導する。
その時、宇宙からゾフィが現れた。ウルトラサインに気付いて救援に来たのだ。
ゾフィは光太郎に変身を促す。光太郎はやむなくタロウに変身する。
しかし迂闊に攻撃してはと、思うように攻撃できないタロウ。ゾフィの攻撃も効果は無い。
そんなタロウの心配をよそに、タイラントは今までに無い程の攻勢を見せる。
このままでは、二人ともやられる!タロウはタイラントに叫ぶ。
「かおりちゃん、聞こえるかい?どこにいるんだ?」
「タロウ!ここよ!ここにいるわ!」かおりの意識がタロウに話しかける

24:名無しより愛をこめて
05/02/05 21:07:57 pC35AJy6
かおりは最後の力を振り絞ってタイラントの活動を鈍らせる。
ゾフィが後ろから羽交い絞めにし、タロウはウルトラ眼光でタイラントをサーチする。
いた!腹の中だ!怪獣の腹のエネルギー吸収口の中に手を突っ込むタロウ。
臓物と一緒にかおりが出てきた。まだ息はある!
かおりという寄代を失ったタイラントは途端にパワーダウン。
兄弟のウルトラ殺法が怪獣の戦意を砕く!
最後はゾフィとのダブル光線で止め、豪快に爆発するタイラント。
またもタイラントの野望は砕かれた。
ゾフィは兄弟の死体を拾って帰っていった。また元気な姿で会えるだろう。

病室。かおりは、タイラントと強力にシンクロしていた所を、
無理矢理引き剥がされた為ショックで記憶を失っていた。
光太郎を見ても覚えていないのだという。両親のことも…
「かおりちゃんの強すぎる孤独感をタイラントは利用したんだ…」
これで良かったのかもしれない…光太郎は静かに病室を去っていった。

終わり

25:名無しより愛をこめて
05/02/06 01:08:14 B7tMVNxJ
タロウというよりセブンとかエースっぽいです。
タイラント、バルタンやヤプール並みの宿敵になっちゃうんでしょうか?

26:名無しより愛をこめて
05/02/06 02:16:01 O0Qbrap/
バルタンやヤプールでも良かったんですが、
圧倒的な強さを持つ怪獣ということでタイラントを使いました。
タロウは時々トラウマ話が入るので、暗い話もアリかなと。
次は明るい話に挑戦します。

27:名無しより愛をこめて
05/02/06 02:30:26 k8G+43pB
新マンはいつも劣勢だな

28:名無しより愛をこめて
05/02/11 01:51:19 k4ID6G95
「ZAT基地奪回作戦」反重力怪獣・ジオボーラ 登場

東京・霞ヶ関。そのど真ん中にそそり立っていたはずの、ZAT基地がない。
あの巨大な円盤状の基地本体がない。その下の銀色の支柱の間を、風が吹き抜けるのみ。
突如宇宙から襲来した怪獣に、奪われたのだ。怪獣が何故来たのか、自然に自分の意思でやってきたのか、
それとも侵略宇宙人に操られているのか、全く判明していない。怪獣は、空を歩いてきた。冗談ではない。
羽ばたいて揚力を得たりするでもなく、重量も相応にあるであろう巨大な体で普通に直立して、足場もなく
のこのこと歩いて降りてきたのだ。真っ直ぐZAT基地へ向けて。
街への被害を避けるためZATは航空兵器群で迎撃に出たが、銃撃が怪獣に届かない。途中で不自然に弾道が
それてしまう。更に、怪獣が手をさっと動かすと、異常な方向からGが掛かり、スカイホエールも
コンドルもスワローも失速、墜落。荒垣達は脱出せざるを得なかった。そして、ずんぐりした体に
突き出た腹にデベソ、大きな頭と目と口の間抜けな様相の怪獣・ジオボーラは、宙に浮いたまま、
それ自体には武器のないZAT基地を上から掴んで力ずくで支柱から引き抜き、軽々と担いで空の彼方へ
持ち去ってしまったのである。基地内の朝日奈隊長や森山隊員やオペレーター達や他の非戦闘要員も一緒に。
取り残された荒垣以下、南原と北島と上野、それに東光太郎が、悔しげに空を見上げる。
おっとり刀で駆け付けた鮫島参謀、「体裁が悪いから支柱はしまっとけ!」
ういーんと支柱が地下格納庫に収納されていった。

29:名無しより愛をこめて
05/02/11 01:53:29 k4ID6G95
朝日奈「まあ、アストロモンスとかオロン島の亀とかいたから、どう見ても飛びそうにないのに飛ぶこと自体は
今更なんだが」
森山「私達の航空兵器も人のこと言えないとは思いますが」
月。夕子とかモチロンとかが本編に顔を出す前の誰も居ない月に、ZAT基地は置かれていた。
更に、ジオボーラは通り魔的に空から各地を襲撃。東京タワー、大阪城、太陽の塔などを、引っこ抜いては
月へ持っていってしまう。月面に、盗まれてきた独特な形状の建造物群が並べられている。それでどうするのかと
いうと、ただ、並べられた建造物を一つ一つ興味深げに眺め、時に弄り回しているだけ。怯えるオペレーター達。
朝日奈「・・・こりゃ、あれだな」
森山「あれ、とは?」
朝日奈「カラスが光るものをかっぱらっていったり、犬が靴を盗んできて隠して貯め込むのと同じ」
森山「・・・ということは・・・単独犯ですか」
朝日奈「多分」

30:名無しより愛をこめて
05/02/11 01:56:04 k4ID6G95
基地そのものを盗まれて次の手が打てないZATの動向を、地球警備隊のスミス長官は静観していた。
すっかりスミスの腰巾着である鮫島も。
「宜しいのですか長官? 余り手をこまねき続けるのも、世論が・・・」
「ZATは我々に対して何かと反抗的デース。今回のコトに根を上げて泣き付いてきてから手を差し伸べても
遅くはアリマセーン、FUFUFU・・・」
「はあ、成る程・・・」
と、そこへ兵士の一人が駆け付けてきた。
「長官、大変です!」

ものの数分前の記録映像を見せられるスミスと鮫島。
ニューヨークに突如降り立ち、自由の女神像を引っこ抜いて持っていってしまったジオボーラの映像を・・・
スミス「・・・・・・・・・・
攻撃デーーーーース!!!!! 怪獣をヌッコロスDEAーーーーーTH!!!!!」
鮫島「・・・・・・・・・・」

31:名無しより愛をこめて
05/02/11 01:58:34 k4ID6G95
スミス長官のめちゃめちゃ個人的な激昂によって、月に陣取っている怪獣に対し「はげたかスパイナーR
マリア105ミサイル」による攻撃が決定した。
光太郎「そんな・・・それじゃ、ZAT基地も爆発に巻き込まれるじゃないですか! 隊長や森山隊員を
見殺しにするんですか!?」
荒垣「それだけじゃない! 怪獣が奪っていった各地の記念碑的建造物も破壊されるんですよ!」
地上に残されたZATの面々は抗議するが、
「怪獣のド畜生ー!! 世界の警察ナメルナデース!! サノバビーーーーーッチ!!」
スミスは聞く耳持たない。自由の女神も壊されることが都合よく脳内から払拭されてエキサイトし続けるのみ。
鮫島「諦めろ! スミス長官がそう言っておられるのだからそうなのだ!!」
南原「否、あんたには最初から聞いてませんから」

房総半島に急造されたミサイル基地から、はげたか(以下略)ミサイルは発射されてしまった。
だが、発射直後、基地の人員に変装して紛れ込んでいた荒垣達が見付かり、スミスと鮫島の下に連行されてきた。
「貴様等・・・何をした!?」
鮫島が問い詰めても、荒垣達は平然と笑っている。
「さあ、何でしょうね」
やがて、鮫島は気付いた。捕まった面子の中に、光太郎がいない。

32:名無しより愛をこめて
05/02/11 02:01:09 k4ID6G95
荒垣達は目を引き付ける囮で、本命は、その隙にミサイルの中に潜入した光太郎だった。強力なGが襲うが、
「何遍怪獣に直に組み付いて振り回されたと思ってるんだ! こんなもの、屁でもない!」
力ずくでミサイルの中枢に押し入り、信管を切る。
更に、光太郎の狙いは別にあった。ミサイルに便乗することで、ギリギリまで敵の陣に近付き、
「タロウーーーーー!!」
変身し、自身をミサイルの加速に乗せて飛び出し、月へ突撃。

つぴぴん つぴぴん つぴぴんっ ど が あ ッ
朝日奈「おお、ウルトラマンタロウ!」
到着するなり、タロウは例によって不意討ちのスワローキックを怪獣に叩き込む。
ZAT基地の前で戦いが続く。格闘戦では不利と見たジオボーラは、一旦間合いを取ると、招き猫のような構えをし、
手をくねくね動かし始める。
「タ・・・タアアッ!?」
ジオボーラの反重力波に捕まり、怪談鍋島騒動のように空中で振り回されて翻弄されるタロウ。
高速回転の後、月面に叩き付けられ、立ち上がれない。カラータイマーが鳴り始める。
森山「ああっ、タロウが!」
歩み寄ってくるジオボーラ・・・
と、その背に、突然の銃撃で火花が上がり、ジオボーラが仰け反って悲鳴を上げる。
飛来して攻撃を放ったのは、一機の宇宙戦闘機。その機種を見た朝日奈、
「あれは・・・宇宙ステーションV9所属の迎撃機!」

33:名無しより愛をこめて
05/02/11 02:03:55 k4ID6G95
通信が入る。
「朝日奈隊長、ご無事ですか!?」
「その声・・・西田か!」
「はい! 話を聞きつけて、遅れ馳せながら救援に上がりました!」
本編7話を最期に宇宙に転属になった、西田次郎隊員である。
「自分だけではありません!」
西田の機に続いて飛んでくる、地球警備隊の宇宙航空部隊の大編隊。
「彼らも救出に協力しにきてくれたんです!」
「・・・しかし、彼らはスミス長官旗下の部隊・・・大丈夫なのか? 後で処分の対象になりゃせんか?」
「構いやしません!」
部隊からも通信。
「例え所属が違おうと、我々の地球を守ろうとする思いは同じです!」
そして、部隊は一斉に怪獣に向けて攻撃を始めた。ジオボーラも反重力波で応戦するが、戦闘機の数が多すぎて
手が回らない。目を回し始める。その間に、西田機は倒れているタロウのほうに向かい、
「タロウ、立ち上がってくれ! ZAT基地を守ってくれ!」
発光弾を発射。眩しい閃光が巻き起こり、その光が、タロウのエネルギーを補充する。カラータイマーが青に戻り、
胸を張って立ち上がるタロウの勇姿は、かつて同じこの月面でペテロを相手にグロッキー状態から立ち上がった、
セブンのそれを思い起こさせた。

34:名無しより愛をこめて
05/02/11 02:07:40 k4ID6G95
苛立って咆哮した怪獣は、一際強力な反重力波を放って航空部隊を一掃しようとするが、
朝日奈「行け、森山君!」
森山「了解!!」
残り少ない燃料を振り絞ってロケットを噴射し、急速浮上したZAT基地の巨大な縁が、怪獣を突き飛ばす。
すかさずタロウはそこに駆け迫り、怪獣を抱え上げて空中高く投げ飛ばし、落ちてくる前に、
ぴきゅぴん びゅうううううう「ス ト リ ウ ム 光 線 !!」
虹色の必殺光線を放ち、ジオボーラを木っ端微塵に爆破した。

その頃。
タロウの離脱の反動で失速したはげたか(略)ミサイルは、くるくる回りながら房総の沖に戻ってきた。
「わーーーーー!?」
落下で高波が発生し、沿岸のミサイル基地がまともに煽りを食らい、皆押し流された。

静けさを取り戻した月に広がる、ちぐはぐな建造物群の一大パノラマ。
朝日奈「やれやれ。これ皆地球に戻さなきゃならんのか」
西田「いや、でもこれはこれで壮観でいい眺めですよ」
森山「まあ、西田隊員ったら」
明るい笑いが湧き起こる。
濡れ鼠になったスミス「笑い事じゃナイデース!! 早く自由の女神返すデース!!」
同じくびしょ濡れの荒垣達も、何時の間にか朝日奈と森山の後ろにぬけぬけと立っている光太郎も笑っていた。

35:名無しより愛をこめて
05/02/11 20:32:36 Jbcs3tlv
>>28-34
スラップスティックという感じでおもしろかったけど
ジオボーラは殺さなくともよかったかなとも思った

36:名無しより愛をこめて
05/02/13 17:39:14 fd4xNmfQ
保守

37:名無しより愛をこめて
05/02/14 01:10:09 yHptMft7
スミス長官はてっきりトータス親子の件で更迭されていたかと思っとりましたw

38:名無しより愛をこめて
05/02/15 18:48:44 tiZa9zo9
あの……落としものですよ?

         .∧__,,∧
        (´・ω・`)
         (つ夢と)
         `u―u´

  あなたのすぐ後ろに落ちていましたよ?

39:名無しより愛をこめて
05/02/19 15:08:41 ZM7i8WBS
『幽霊怪獣にご用心!』
 人魂怪獣ガイスト 登場

休日なんてものはZATには通用しない。そんな事はわかっていた筈なのに…
上野隊員は至極残念といった表情だ。
それもそのはず、せっかく取った休暇でデートをするつもりだった筈が、
スクランブルが入りお釈迦になってしまったのだから。
怪獣は退治できたものの、彼女は約束のすっぽかしに怒って、フラれてしまった。
いくら隊員達が励ましても、上野の心は晴れなかった。

ある日定期パトロールに光太郎、上野が出動すると、公園に見まごうばかりの美人がいた。
ハンドルを握っていた上野は彼女に一目ぼれ、よそ見で危うく電柱に激突する所だった。
いつか彼女とお喋り出来たらいいな…上野は毎日彼女の夢を見るようになる。

先にコンタクトを取ってきたのはその彼女からだった。
上野の下宿先に突然転がりこんできたのだ。しばらく置いてくれと懇願する謎の女。
…彼女の名前は珠子。彼女も上野に一目ぼれしたのだと言う。彼女は一切自分の過去を語ろうとはしなかった。
だが上野の為に家事全般をやると言うし、何より上野は舞い上がっていて、そんな些細な事は気にも留めなかった。

そんなラヴラヴの同居生活が一週間程続いた。
呆けた表情で作業する上野。本部では上野の問題行動が取りだたされていた。
真面目な上野がミスを連発するようになってきたのだ。今は軽いミスだが、このまま続いたら…
光太郎に勤務態度のあり方を説教されても、もう上野の耳には入らない。
「光太郎さんだって、かおりさんと休日楽しく過ごしてるんでしょう!?」
上野の不満を知っている光太郎は、それ以上追及することができなかった。

40:名無しより愛をこめて
05/02/19 15:09:22 ZM7i8WBS
怪獣出現!ZATが出撃する。町を破壊して暴れまわる怪獣にZATは集中攻撃をかける
…が、ミサイルが怪獣をすり抜けてしまうのだ。分析にかけると、怪獣は微粒子の集合体、
というか手早く言えば霊に近い存在である事が判明した。
闇雲に攻撃しても被害は食い止められない。ZAT特製の巨大掃除機の出番だ!
怪獣をグングン吸い込む掃除機。効いてる効いてる!あと一息だ!

…ところが、掃除機が目詰まりして、もう少しの所で赤ランプ!
掃除機、停止!爆発!ドリフのオチ状態の隊員達。
…結局、霊怪獣の一部が逃げてしまった。

本部。上野隊員が糾弾されている。
北島「今週のフィルター交換は上野の仕事だった筈だ!忘れてましたじゃ済まないぞ!」
南原「そうだそうだ!大体お前彼女が出来たんだかなんだか知らんが、弛み過ぎなんじゃないか?」
森山「仕事も満足に出来ない男なんて嫌われちゃうわよ。ね?光太郎さん?」
光太郎「ちょっとちょっと待ってくださいよ皆さん!確かに上野隊員はミスをしましたけど、
   何もそこまで言わなくたっていいんじゃないですか?怪獣だって退治できたんだし、いいじゃないですか」
荒垣「いや、怪獣はまた来る。一部が逃げてしまったからな。上野のミスは深刻だ…
   よって、一週間の休暇を命ずる。上野、しっかり自分を見つめなおせ」

上野がしょげ返りながら家に帰ると、息も絶え絶えの珠子がいた。
気が気でない上野だが、珠子は一緒にいてくれるだけで良いと治療を拒む。
翌日、翌々日と、上野の下宿先のアパート近辺で、意識不明の被害者が次々と何十人も発見された。
ZATが調査、あの怪獣と関連があると断定、非常警戒網が発令された。

41:名無しより愛をこめて
05/02/19 15:11:31 ZM7i8WBS
光太郎は心当たりがあった。上野の彼女だ!
アパートに向かう光太郎、それを妨害する上野。
光太郎「なぜ邪魔をする!彼女は怪獣なんだぞ!」
上野「違う!珠子は怪獣なんかじゃない!何かの間違いだ」
必死に食い下がる上野。
光太郎「次に怪獣が現れた時、町が破壊されてからじゃ遅いんだぞ!」
上野「僕が珠子が怪獣じゃないことを証明してみせる!」
光太郎「・・・わかった。彼女はお前にまかせる。証明してみせろ!」

こうして、二人の男の戦いが切って落とされた。
光太郎は必死に目を見開いて、部屋のみかんを見つめている。汗が…出ている。
上野は怪獣捜索に全力を挙げていた…が、この日は何の手がかりも掴めなかった。

ところ変わって司令室。怪獣がエネルギーを吸収したのだとすれば、復活は時間の問題だ。
光太郎は、もしまたあの怪獣が出現したら、掃除機が使えない以上
タロウとの共同作戦しかないと提案する。

つまり、タロウのウルトラ眼光で怪獣を物質に固定、そこにパンチ弾をぶち込んで破壊する、というものだ。
上野がホエールパンチ弾操作に志願。目が燃えている。荒垣は戦列復帰を許してくれた。
光太郎も、タロウなら絶対に協力してくれると太鼓判を押す。
こうして「睨めっこあっぷっぷ作戦」が発動した。

夜、自宅で寝ている珠子を見る上野。彼女が怪獣な筈が無い…上野は確信していた。
と、突然部屋が揺れだす…珠子を中心になにかエネルギーが渦巻いている…
それは段々と手型を成し足型を成し…怪獣へと変貌する!

42:名無しより愛をこめて
05/02/19 15:12:59 ZM7i8WBS
怪獣は無差別に暴れまわる。
ZATが到着、新開発の気化弾、火炎放射、あらゆる兵器が使用されたが決定打が無い。
上野は焦っていた。自分が不甲斐ないばっかりに罪の無い人々を…
上野「くそっ…タロウが来てくれたら…」

光太郎はタロウに変身する!
タロウは特訓の成果、"長持ちウルトラ眼光"を怪獣に照射する。
デェァアー…ヌゥーン、クッ…ヌゥエッ…イヤ゛ァアアァー!!
怪獣の体が固まった、今だ!
荒垣「睨めっこあっぷっぷ作戦、開始!」
上野「くそっ、くそっ…珠子のかたきぃ~!!」
パンチ弾が正確に怪獣にミートする。
怪獣は、ひび割れ、砕け、破片は宙を舞った…タロウは怪獣から飛び出した物体をキャッチするのを忘れなかった。
病院の被害者達も次々に目を覚ましていく。事件は解決したのだ。

まるで雪のような素晴らしい景色だが、それどころではない上野は泣きじゃくっていた。
「珠子…珠子…グスッ」
光太郎「上野、上野!諦めるのはまだ早いぞ!そら!」
光太郎の影から出てきたその人は…!
上野「なんだって……!珠子!珠子じゃないか!」
霊怪獣に取り憑かれたものの、珠子そのものは無事だったのだ。
上野「珠子…俺ダメな奴だ。君の事を最後まで信じてやれなかった。ごめんな。もっと強い男になるよ…」
珠子「上野さん…!いいの。ありがとう」
荒垣「珠子さん、コイツは浮かれやすいタイプでな、誰かさんがしっかり手綱を引いてやらんとすぐへこたれる。
   お前さんが傍でしっかり面倒を見てやってくれ」
珠子「…はいッ!上野さん!」
一同「アハハハハ…アハハハハ…」
手を繋ぎ抱き合う二人、周りで祝福する仲間達。
上野の春も、そう遠くはないだろう。

終わり

43:名無しより愛をこめて
05/02/20 05:50:08 sgAnZy33
>>39-42
いい話ですね

「押しかけ妻とラブラブで同居」って
「オトナになってから意味に気づいてハァハァ」のパターンですね
PTAに文句言われそうだけど(w

44:名無しより愛をこめて
05/02/22 06:46:47 a3NqF1UT
上野隊員が降板する時にこんな話あればよかったのにね

45:名無しより愛をこめて
05/02/25 22:21:41 2Bz1zcEC
      _   (⌒Y´ ̄ヽ  ∧_/( ̄)) ∧_∧
    γ´  `ヽ_`と.__   )( ・ ∩( 《 ( ・∀・)  ゴロン
     )) ,、 , ) <、_,.ノ  ヽ、.__,ノ  l  つ つ
    ((_/し∪V              .ヽ.__ノ!__)) ゴロン
  ∧__∧       ∧_∧          ∧_∧  
 (    )       ( ;´Д`)        (・∀・ ) コロコロしてやるぞ~。
 (    つ     (U_U )つ       (つ  と)
 .ヽ___ノj                     (⌒Y⌒)
    ∧__∧                . / ̄ヽ ̄
   (・    )           __    ( __  ) (  ゴロン
    と   ヽ ( ̄))∧_∧  /´ `Y⌒) VUVJ_)
    (__ト、__丿 〉 》∩ _) (   .__つ´
          ヽ、.__,ノ   ヽ、__,.>

46:ホシュのための戯れカキコ
05/02/28 02:08:51 HHvF5p76
ugのまったりしたノリは第二期ウルトラのタロウっぽいノリへの
オマージュではないだろうか?

47:名無しより愛をこめて
05/02/28 15:37:26 tVxx/Oh2
タロウだけだとちょっとネタ切れ気味なんで、近々他のウルトラマンネタを
投下します。ご容赦の程を。

取り合えずエースの予定。

48:名無しより愛をこめて
05/03/01 16:24:40 iGc05YFy
なんか住人少ない気が…
4、5人位しか読んでないような気がする…
前スレは活気があったのに

49:名無しより愛をこめて
05/03/02 00:10:38 T+wt+AF3
>>48
書かれる話の水準がどんどん上がって行ってるというか、皆色々凝り
始めてるんで、ペースが落ちてるんでしょう。気長に待ちましょう。

50:名無しより愛をこめて
05/03/04 10:35:27 N2+I/2+P
じゃあ保守しときますね

51:名無しより愛をこめて
05/03/06 23:57:17 tdtwvE+p
ちゃっちゃらー ちゃーらーらー ちゃっちゃらーらん♪
「悪意の魔像」金属生命体・シンパルス 登場

金属生命体が、20世紀も大詰めの地球に又も襲来した。太平洋某ポイントに飛来したヒューマンタイプの
メタリックな巨大モンスターをチームライトニングのファイター編隊が迎撃。手こずっていたところで、
ウルトラマンガイアが何処からともなく介入、ライトニングと連携して金属生命体を撃破した。
人目につかないところでガイアから元に戻った高山我夢は、思ったより手応えがなかったことに
一抹の不安を覚えていた。

「キターーーーーッ!!」
根源破滅教団の教祖か幹部かいまいちはっきりしない偉いらしい人・今田は叫んだ。
自分達も地球人類なのに今日も今日とて元気に地球の滅亡を願う新興宗教団体・根源破滅教団は、
東京湾岸の埋立地の地下に築いた集会所で、あるセレモニーを行っていた。ご本尊として発注していた
彼らの神の像が完成し、届けられたのだ。運び込まれ、台座に置かれた人間大くらいの怪しげな像を前に、教団は
こーんげーん(どんどん)はめーつー(どんどん)と盛り上がっていた。

52:名無しより愛をこめて
05/03/06 23:58:49 tdtwvE+p
ガイアの光線で爆破された金属生命体の破片は、GUARDの地上基地ジオベースにサンプルとして
持ち帰られ、分析されていた。我夢もアナライザーとして分析データを見せてもらうためにジオベースに赴いた。
「何か判りましたか?」
「それがですね・・・」
樋口チーフは、今回の金属生命体の組織構造がかつてのアパテーやアルギュロスと少し違った組成をしていると
述べた。具体的に言うと、超空間波動生命体のサンプルの組織構造にも似ているということらしい。
「超空間波動生命体というと・・・」
「ええ。アパテーに続いて我々と交戦した、メザードですね」
「メザード・・・地球人の精神世界を観測し、その構造を探っているのではないかと言われている・・・」
金属生命体も超空間波動生命体も未だ地球を襲う目的は不明だが、どちらも破滅招来体の尖兵である可能性は
高いと目されている。
強化ガラスの防壁越しにサンプルを見ながら、我夢は物憂げな想いに捉われていた。
(根源的破滅招来体・・・地球に破滅を齎すもの・・・何のために・・・?)
人類は滅ぶべき存在なんだよと事あるごとに嘯いてくる、藤宮博也の嘲笑が脳裏に蘇ってくる。
(そんなはずはない・・・そんなはずは・・・でも・・・それなら、何故地球は藤宮にアグルの力を・・・?)
不安な思いが募る中、ふと我に返ると・・・ガラスの向こうに、破片はなかった。
わひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!!!!
「わーーーーー!?」我夢は仰天した。
奇獣・ガンQが、破片の代わりにガラスの向こうで爆笑しながら身を揺すっていた。人間大のガンQが。

53:名無しより愛をこめて
05/03/07 00:00:31 aaETrBAl
「な、何故此処にこいつが!?」
「わ、判りません! 破片がいきなり形を変えて・・・!」樋口達も驚いている。
人間大ガンQはガラスを叩き割り、我夢達のいる部屋に歩み出してきた。
「・・・う・・・」
恐怖に捉われる我夢。既に自分の科学力で解明できないものへのトラウマは克服したはずだったが、血走った巨大な
一つ目の不気味な姿の奇獣に、ガイアとしてでなく生身の人間として向き合って直接相対していると・・・
体がすくんで・・・

銃声。
放たれた銃撃が奇獣を貫くと、奇獣は笑いながら倒れて停止し・・・黒焦げになったサンプルの破片に戻った。
もう動く様子はない。
「梶尾さん!」
我夢達が見回した先に、今しがたジェクターガンで人間大ガンQを撃ち倒した、ライトニングのリーダーの
梶尾克美がいた。
「おたおたすんな、我夢」
たしなめる梶尾。サンプル視察に当たって、念のため警護役として同行してきていたのを我夢は今頃思い出した。

54:名無しより愛をこめて
05/03/07 00:02:21 tdtwvE+p
「しかし、何故こんなことに・・・?」
炭化したサンプルを見下ろして呟く樋口と共に、我夢も考える。
「・・・待てよ・・・サンプルを見ていたとき、僕は敵に対しての不安な思いに捉われていた・・・
 樋口さん、この金属生命体には、超空間波動生命体の特徴も見られるって言いましたね」
「え? ええ、そうですが」
「そうか・・・新たにメザードの精神分析機能を備えたこいつは、僕の感情を読んで、僕が過去苦手意識を持った
敵のイメージを再現したんだ!」
「ということは・・・」
 樋口と梶尾も事態を理解した。そんな機能を持つ物質が地球に潜伏して出回ったら、もっと多くの人々の
イメージを吸収して、我夢が並行世界の地球に行ったときに遭遇したキングオブモンスと同じような事態に
なる危険性が・・・
 と、懸念した矢先、エリアルベースから緊急通信。
 サンプルとして回収された金属生命体のそれと同じ反応が、湾岸埋立地方面から検出されていると・・・
「しまった! 先に戦った奴は、別動して潜伏した金属生命体から目をそらすための囮だったんだ!」

 我夢は、反応のある地点へ急行。
 根源破滅教団集会所。
 ご本尊は、運び込まれた当初とは既に似ても似つかない、禍々しい異形の像になっていた。教団の人々各々が
抱いている『破滅を齎すもの』のイメージをごちゃ混ぜにして。
 しかし教団は、おお我らの祈りが天に届いて根源破滅様が顕現なされたのだとか、何も疑問を持たずに
有難がって更に祈りを捧げるだけ。我夢がやってきてその像は危険だから回収させてくれと言っても
耳を貸さない。
 信者達のテンションが最高潮に達すると共に、彼らの歪んだ祈りを自身の力とし、金属生命体・シンパルスは
集会所を破壊して巨大化した。その余波で、今田はキターーーーーと叫びながら吹っ飛ばされていった。

55:名無しより愛をこめて
05/03/07 00:04:14 tdtwvE+p
 暴れるシンパルスから、信者達は今になって悲鳴を上げて逃げていく。勝手なものである。
「何てことだ・・・」
 嘆きつつも、シンパルスをモバイルパソコンで分析しつつ我夢が対策を検討していると、
「驚くことはあるまい、我夢」
「!」
 声に振り向くと、何時の間にか現れた藤宮も、金属生命体を見上げていた。
「あの姿が地球人類の心の本質だというだけの話だ」
 我夢は、嘲った微笑を浮かべる藤宮に憤る。
「君は・・・この状況を既に知っていて何もせずに見ていたのか、藤宮!?」
「連中は滅びを望んでいた。滅びたいというなら放っておけばいい」
「・・・・・・」
 我夢は怒るが、しかし。
「・・・判った。じゃあ、もう君は何もするな」
「!」
 今この状況で藤宮に突っ掛かっても事態の解決にはならないことを、我夢は認識していた。
「嫌々しているのなら、最初から何もしなければいい。だが、僕はそんなのは御免だ」
 藤宮に背を向けて駆け出しつつ、懐からエスプレンダーを出してかざし、
「ガイアーーーーーッ!!」ぷりん すぽぽぽぽぽぽぽ ぱん ぱん ぱん
 赤い光を迸らせ、ガイアになる。

 べーーーーーんと大地の砂利を跳ね上げて着地したガイアは、シンパルスと戦い始めた。素早い立ち回りで
拳や蹴りを入れていく。シンパルスの放つ光線や、腕を変型させての武器攻撃も巧みに交わす。
 シンパルスは離れると、自分の構成物質で生み出した槍を続けざまに腕から飛ばした。これもガイアは
バック転で交わす。ガイアの周りの地に刺さった複数の槍は。
 ガイア=我夢が苦手意識を持つものを精神の波長を読んで分析し、又もその結果のコピーに変型。
「!?」
 それは・・・並び立つ、青いウルトラマン・アグルの軍団だった。

56:名無しより愛をこめて
05/03/07 00:06:04 aaETrBAl
 軍団はガイアを二重に包囲し、外周がアグルスラッシュをガイアに向けてちゅんちゅん狙い撃ち、
内周が一斉にアグルブレードをびゅんと伸ばして斬りかかって来る。回避しきれず、スラッシュが
ガイアの体表で連続炸裂。
「テュワーーーーーッ!?」

 KCBの報道陣として、田端とリンブンと玲子のトリオは遠方から現場を撮っていた。
田端「あの怪獣、あんな芸当を・・・」
リンブン「このままじゃガイアが危ないっすよ!」
玲子「・・・大丈夫よ」
リンブン「へ? 何でそんなこと言えるんすか、玲子さん」
玲子「何でもよ」

 今回の話は20~22話辺りの状況を前提に描いているので、未だガイアはV2やスプリームになれない。
ギリギリまで頑張ってギリギリまで踏ん張るのにも限界がある。ピンチのピンチのピンチの連続で、
ガイアの意識が遠のきそうになったとき。


57:名無しより愛をこめて
05/03/07 00:08:23 aaETrBAl
 ぶゅん
 光の軌跡が、外周のコピーアグルを一度に3、4体、後ろから刈り取った。
ガイア(・・・藤宮!!)

玲子(藤宮君!!)

 あーあーあーあーあーあーああーああーあーああーああーーーーー
 女性コーラスと共に、オリジナルのアグルブレードを構えた、オリジナルのアグルが立っていた。
アグル(俺はこんなんじゃない。不愉快な著作権侵害だ)
 ニセアグル軍団が一斉に振り返るが、アグルは怯まない。くいくいと挑発の手付きをしつつ、
アグル(こいつらは俺が始末する。とっとと元凶を倒せ、我夢)
 ガイアはテレパシーにテヤッと頷くと、シンパルスの姿を探す。
 ガイアをニセアグル軍団に任せて市街地に踏み入ろうとしていたシンパルスは、XIGのピースキャリーと、
それに指揮されるライトニングのファイターチームに阻まれていた。
堤チーフ「ウルトラマンを援護しろ! 怪獣を街に入れるな!」
梶尾「判ってます! ファイター2、ファイター3! 波状攻撃だ!」
北田、大河原「了解!!」
 ファイターが並び、入れ替わり立ち替わり砲撃。シンパルスは押されて後ずさる。
 そこへ突っ込んできたガイア、
「テュワーーーーー!!」
 シンパルスの脚を掴んで引き倒し、更にガイアホイップでぶんぶん振り回し、湾岸の更地に投げ飛ばす。
 よろよろと起き上がったところに、
「テュワーーーーーフゥゥゥゥーーーーー
 テュワーーーーーーーーーー!!」
 脳天幽体離脱光線とか言った方が判り易い、フォトンエッジがガイアの頭から延びて飛び、シンパルスを、
 どかどかどかーん
 どかどかどかーーーーーん
 どかどかどかどかどかーーーーーーーーーーん
 と、三段で遠ざかるショットで爆砕した。
 アグルもニセ軍団を単身で華麗に斬り捨て、消滅させていた。

58:名無しより愛をこめて
05/03/07 00:09:25 aaETrBAl
「企んだな、我夢」
 元の姿に戻った我夢に、藤宮は問うていた。
「何が?」
「ああいう突き放した言い方をすれば、逆に俺が挑発されて動くと計算しただろう。だが、もし俺が
本当に戦わなかったらどうするつもりだった?」
 我夢は、思いっ切り胡散臭い爽やかな笑顔を向け、
「信じてたさ。だって僕達は、同じ地球の仲間だから!」
「・・・そんなに根性悪かったか、お前?」
「藤宮君」
「!」
 振り向くと、玲子が駆け付けていた。
「やっぱり戦ってくれたんだね、藤宮君。何だかんだ言っても、貴方は皆のために・・・あ」
 流れ始める Lovin' You Lovin' Me と共に、藤宮は背を向けて去り始めた。待ってよ藤宮くーんと
玲子に追われ、歩みは段々小走りになっていく。それをはっはーんとにやけて見詰める我夢の視線に屈辱を覚えつつ、
「覚えていろ、我夢! 俺は必ず人間を全て地球から掃きだしてやる!!」

「こーんげーん」どんどん「はめーつー」どんどん
今田は包帯まみれになっても未だ懲りず、教団を扇動してしつこく布教活動をしていた。

59:名無しより愛をこめて
05/03/07 00:13:07 aaETrBAl
エースの予定だったのですが、何故かガイアになりました。
エースもプロットは出来てますので、暫くお待ち下さい。

60:名無しより愛をこめて
05/03/07 00:20:29 SV5imdZq
おもしろいです。
進行の端々がガイアっぽくて、映像をすぐ思い浮かべることができました。
擬音も効果的に使われていますね。

ところで、最近は主題歌をシナリオに盛り込むのが流行ってるんでしょうか?(笑)



61:名無しより愛をこめて
05/03/07 02:03:15 4fTzqbVY
>>51-59
すみません。話はけっこうよかったんだけど
文体、かなりきつかったです。こういう文体に合った
ストーリーなら抵抗無くついて行けたと思うんですが…

62:名無しより愛をこめて
05/03/07 14:52:01 fxEnij2b
>>61
うーむ、太田愛的ノリを狙ったというか、ずっとシリアスで通してるとテレが
出てくるんでつい・・・しかし、わかりました。今後は努力してみます。
直らなかったらごめんなさい。

63:名無しより愛をこめて
05/03/07 21:18:15 SV5imdZq
ウルトラマンレオ『マックステーション爆破指令!』
 宇宙エージェント ボム星人 登場

マグマ星人は地球侵略を諦めた訳では無かった。
ここはマグマ星。レオとMACに煮え湯を飲まされた彼はこのままでは済まさないと、
任務遂行率99%の宇宙エージェントを呼び出した。
「邪魔なレオとセブン率いるMACを皆殺しにしてくれ。成功すれば星3つをやろう。できるか?」
「セブンにはまた会いたいと思っていた。喜んでやりましょう」

ゲンはMAC日本支部に出張していた。
深夜動力室付近を歩いていたゲンは、不審な影を発見する。
格闘戦へともつれ込む二つの影。一方の影は素早いジャンプで軽々ともう一方の追撃をかわす。
応援を呼ぶゲン、駆けつける警備員。しかし怪人は少しも怯まない。
怪人の目が光ると…ゲンは肩に激痛を覚えた。肩口から出血している。見やると警備員が全て死んでいる!
逃げる怪人。肩を押さえながら追跡するゲン。

出口付近まで追い詰めた途端― 大爆発が起こり、ゲンは吹っ飛ばされた。
跡形も無く基地は消滅してしまったのだ。駐在していた隊員達は即死、
唯一の生存者ゲンは命に別状こそ無かったものの、全身打撲の重体を負った。

ダンは危機感を募らせていた。以前にも似たような手口でウルトラの星が被害に遭った。
「奴だ、奴に違いない…ボム星人だ!」
だとしたら次の標的はMAC本部!ダンは警戒を強めるように命令すると、ゲンの入院する病院へ向かった。

「ゲン、起きろ!特訓だ!」
尋常ではない隊長の様子にゲンは困惑する。ダンはお構いなしにゲンを連れ出す。
採石場のような荒野、無理矢理胴着に着替えさせられたゲンに向かいダンは極細ワイヤーで体中を縛る。
あまりの激痛に特訓の意味を問うゲン。

64:名無しより愛をこめて
05/03/07 21:19:15 SV5imdZq
ダンは語る。
以前ウルトラの星で爆弾テロが頻発した。ウルトラの父を狙った勇士司令部爆破事件の際、
爆弾を仕掛けようとするボム星人とセブンは交戦した。辛くも爆破未遂で星人を退けたものの、
仕事に誇りを持っている星人は自分を恨んでいるに違いない、と…
「自分は戦えない。ゲン、お前に全てを託す。星人は任務とあらば地球を破壊する事など少しも躊躇しない。
 奴を止めるんだ!奴はワイヤーを高速で絡みつかせ敵を八つ裂きにする。このワイヤーを断ち切らなければ勝利はない!
 力では切れん!ワイヤーに身をゆだねろ!そして気を集中しろ!切れるまで戻ってくるな!」

場面は変わりMAC本部。星人は既に進入に成功していた。セキュリティの甘さをほくそ笑む星人。
動力室に忍び込もうとするが、突然隊員達の一斉砲撃を浴びる。
分が悪いと悟った星人は格納庫へ逃げ込む。マッキー1号に隠れて追撃をかわそうとする星人。
そこに・・・潜んでいたダンが後ろから宇宙エージェントにしがみつく!
「かかったなボム星人。隊員達にわざとここまで誘導させたのだ。少しばかり付き合ってもらう。
 こちらダン!1号を自動で射出しろ!構うな!早くやれ!」
マッキー1号はダンと星人の二人だけを乗せて、地球に向かって射出された。

長い長い静寂。時折うめき声が殺風景な荒野にこだまする。ダンが去った後もゲンは頑張っていた。
顔からは生気が失せ、白かった筈の胴着は既に血で赤黒く染まっている。
何度も脱出を試したゲンには、もう殆ど力は残っていない。
しかし不思議とゲンは安らかな気持ちだった。目をつぶり、精神を集中させる。
体の力を抜き、ワイヤーを意識せずに自然体で大地に立つ・・・
瞬間、カッと目を見開き叫ぶゲン!「イヤーッ!」ワイヤーは・・・切れている!
「できたっ!」ゲンは、今迄の疲労をものともせず駆け出していた。

65:名無しより愛をこめて
05/03/07 21:19:57 SV5imdZq
マッキー1号の中では星人とダンの死闘が続いていた。
マックナイフや仕込み銃、マックガンを手当たり次第に使うダン、それを超鋼ワイヤーで弾き返す星人。
「セブンも変身できないとあってはただの脆い人間だな・・死ね!」
その時、地表に不時着するマッキー1号。
放り出されたダンは気絶、星人は苦し紛れに巨大化する。星人の足がダンを踏み潰そうとしたその時!

「レオ!」でででででーん、ででーん
間一髪、星人を足払いで倒し、ダンをすくい取るレオ。
「ゲン・・・間に合ったか・・・」満身創痍のダン。

最初こそ星人とレオは互角に戦っていたが、怪我と特訓で血を流し過ぎたレオが徐々に押されていく。
ブチかましでレオがふらついたのを星人は見逃さない。怪光を発すると超鋼ワイヤーを射出、
レオをがんじがらめにする。
苦しむレオ。「レオー!特訓を忘れたのかーっ!」ダンが叫ぶ!
我に返ったレオは精神を研ぎ澄ませ、イヤーッと気合一発、真っ赤に燃え上がる体でワイヤーをズタズタに切り裂く。
形勢逆転だ!レオは止めのシューティングビーム、レオキックのコンボで星人を葬り去る。
「セブン・・セブン・・・ウギャアァァアアァ!!」

遂に無敵の宇宙エージェントが敗れた。二人の師弟は見つめ合っている。
「隊長、捨て身の作戦だったんですね…」
「お前だけにつらい思いはさせん。無茶のせいでマッキー1号は暫く使えないだろうが、
 地球の平和の代わりなら、なに、安いもんだ」
夜空にウルトラサインが浮かぶ。
「ボムセイジンヲカクニンシタ。キョウダイゼンインデオウエンニ、ムカウ。ゾフィー」
…どうやら兄弟の応援は徒労に終わりそうだ。ダンとゲンはいつまでも笑っていた。

終わり

66:名無しより愛をこめて
05/03/07 22:11:49 2FieNu+u
マッキー1号がずっとMACステーションの上に嵌まりっぱなしだったのは、
このためだったんですね。

67:名無しより愛をこめて
05/03/12 23:50:01 r7xGEBr/
本編ではマッキー1号が全然活躍しないんで、退場の理由をでっち上げてみました。
極力レオっぽさを目指したのですが、いかがでしたでしょうか。
次はタロウを書きます。


68:名無しより愛をこめて
05/03/13 19:20:35 Qn0CrZK1
「ヤプールの聖地」変異超獣人・ヤコブ 登場

TAC本部。
北斗「梶さんが?」
竜「うむ」
31話を最後に公式上の「ウルトラマンA」から姿を消した梶研究員はどうなっていたのか。
これまで開発してきた対超獣兵器がさして功を奏しなかったせいかは判らないが、TAC付きの開発部からは
外されていた。しかし、彼はそこで消沈することなく、本部から離れて別のアプローチを行っていた。
23話において巨大ヤプールが倒されたにも拘らず超獣はその後も現れ続け、ヤプール絡みの事件も
ちょくちょく起き続けている。これらの問題の根本的な部分の解決のため、梶は研究スタッフを編成して
様々な資料を漁り、ヤプールの『起源』とでもいうべきものを探っていたのである。それが判れば、
色々な超獣事件への対応手段の幅も広がるかも知れない、と。
そして、彼が陣取っている研究所に、一度TAC全員で揃って来て欲しいとの連絡が入った。

人里離れた深い森の奥に建てられた研究所にやってきたTAC。それに呼応し、出てきた研究員達は・・・
出し抜けに、鈍器や銃などの武器を持って、TACを攻撃してきた。何かに取り付かれたような様は
尋常ではない。やむなく、山中隊員が麻酔弾に切り替えたタックガンで撃つが、研究員達には麻酔弾が効かない。
更に、彼らの姿がじわじわと変貌し、赤い硬質の皮膚で覆われた、昆虫のような悪鬼のような姿になった。
その姿は、巨大ヤプールのそれに酷似していた。
TACは遂に本格的に研究員だったもの達と交戦し始める。手こずりつつも大方を撃ち殺したと思ったとき、
撃ち漏らして隠れていた怪物の一人が、死角から美川隊員を襲った。
しかし、その一体も、遅れてやっと現れた梶の射撃で倒された。

69:名無しより愛をこめて
05/03/13 19:22:27 Qn0CrZK1
他の研究員達がいきなりおかしくなったため、梶は身の危険を感じて隠れていたのである。
更に話を聞くと、TACを呼んだのは梶ではなかった。このような事態になってどうしたものかと
困ってはいたが、この危険な場にTACをむざむざ呼ぶべきか迷っていたのだという。
となると、TACを呼んだのは誰なのか。
梶は、ひょっとしてと、一人の人物の名を挙げた。研究チーム内で梶と双璧をなしていた科学者で、
昔からの知人でもあった男、ヤコブ博士。そして、最初に挙動が不審になったのは、彼だという。

散発的に現れる怪物化した研究員を倒して、侵入していった研究所の最深部で、ヤコブは堂々と椅子に掛けて
待っていた。彼の姿も、半分怪物化していた。しかし、ヤコブは不気味に笑いながらも普通に応対し、TACを
呼んだのも自身だとあっさり認め、話し始めた。
ヤプールについてより詳しい情報を得るため、研究チームは、ヤプールの体組織のサンプル・・・ウルトラマン
エースが巨大ヤプールを爆破した際、その破片は地球のあちこちに降り注ぎ、推測ではそれらが数々の事後の
ヤプール関連事件を引き起こしていると思われる・・・そのサンプルを入手しようと各地を探っていた。
しかし、未だにサンプルは入手されていない。これまでの全てのケースで、手に入れようとする前に
様々な怨念に反応して発動し、超獣となって、結果撃破されて消滅してしまっている。どうしたものかと
思っていたとき、ヤコブは過去の文献からある事例を発見し、それについて詳しく調べていった。その結果、
導き出した結論。
「ヤプールなんていなかったんだよ、梶」
「・・・何ですって?」

70:名無しより愛をこめて
05/03/13 19:24:50 Qn0CrZK1
「正確には・・・地球人類と、ヤプールという種の、明確な境界線はなかったというべきか。ヤプールという
特別な種は存在しなかった、というべきか。
梶。今、正直に明かそう。私は、お前を憎んでいた」
「!?」
「私は、栄光あるTACの科学主任の座に着くことを願っていた。研究生時代からお前よりも優れた成績を
おさめていた私のほうが、その座につくことが当然と確信していた。だが、実際にはお前が主任として
選ばれた! 何故!?」
後で判るのだが、防衛軍上層部は、ヤコブの人格的な部分を問題視していたということである。
「実際、お前はヤプールの超獣に対する有効打を、此処に至るまで全く生み出していないではないか!」
「・・・それは・・・」
「私はこの屈辱を飲み込み、こんな地味で報われないポジションにつきながら、何時か見返してやることを
願い、怨念を腹に溜め込み続けていた・・・だが、それでよかったのだ。己の中で際限なく、怨念の力を
増大させていくだけでな」
「?」
「未だ判らんのか? ヤプールの体組織のサンプルなど必要なかったのだよ。怨念を途切れることなく
己の中で増大させ続ければ」
ヤコブの体が膨れ上がり、白衣が裂ける。
「人間は、ヤプールや超獣と同じものになれるのだ!!」

71:名無しより愛をこめて
05/03/13 19:27:18 Qn0CrZK1
TACが外へ逃げ出した研究所を突き破り、ヤコブは、赤く強張った巨大な体の怪物になって立ち上がった。
その状態で尚喚いてくる。
「埋もれていた過去の文献の中から、私は発見した! 他の恵まれたものに対して恨みを抱き続けた者が、
その末におぞましい怪物となった事例の数々を! ヤプールという別の種があるのではない! 人類自体が、
何時でもヤプールになれる因子を潜在させていたのだ!
誰の心にも、何時けだものとなって周りの者に牙を剥くか判らない醜いものが潜んでいる。そして、それは
こうして切っ掛けを与えてやるだけで」
ヤコブの手先から、赤い光として視認できる波が発振される。それを受けた周りの森の木々が、ヤコブと同じ
質感の針か刃物のようなオブジェと化した。
「こうして、同じように他の研究員達の負の感情も刺激してやり、本来の姿に戻してやったのさ」
「・・・そんな・・・そんな馬鹿な!」
叫ぶTACの面々。
「最早、真実は暴かれた。皆、仮面を被って窮屈な生き方をしていることはない。遠慮なく本当の自分を
曝け出せばいいのだ! 素晴らしい・・・この開放感! ははははは!」
ヤコブは、全身から赤い波を放ち始めた。森がじわじわと同化されて赤く変貌していく。

72:名無しより愛をこめて
05/03/13 19:29:51 Qn0CrZK1
TACは、取りあえず自分達が同化されることを避けるため、パンサーを飛ばして一旦森の外まで後退した。
しかし、いずれは森の外にも邪悪な力は到達するだろう。そして、最後には世界中に・・・
「何ということだ・・・ヤコブ博士・・・」
ショックを受けている梶に、竜隊長が言う。
「梶研究員。今我々のすべきことは何だ」
「!」
「ヤコブ博士の言ったことが本当なのかどうか、私には判らん。だが、みすみす彼の言ったことを
真に受けて、我々の大切な同胞達が人でないものにされていくのを、黙ってみているのが正しいことなのか」
「・・・・・・」
「今、我々のすべきことは何だ!」
「・・・・・・」
梶は、迷いを振り切り、北斗達もそれに呼応した。

一同を乗せたタックファルコンとタックアロー四機が飛来し、怪物となったヤコブと交戦を開始した。
しかし、銃撃は全く効かず、山中、今野、吉村のアローが、ヤコブの放った光線で次々と墜とされる。
そして、北斗の機にも光線がかすり、火を吹いて失速し始める・・・
「くそおッ・・・!」
死地にあっていきり立つ北斗の、両手のウルトラリングに光が走る。リングを合わせ、北斗は
ウルトラマンエースに変身した。

73:名無しより愛をこめて
05/03/13 19:31:40 Qn0CrZK1
登場したエースは、パンチレーザーやタイマーショットなどの光線で攻撃するが、それにもヤコブは
平然として笑っている。驚くエースに向かい、周りの赤い森から、硬質化した蔦が伸び、手足を拘束した。
もがくエースに、ヤコブが、同化パルスを発振し始める。
「フ・・・フンヌゥゥゥ・・・!!」
赤く禍々しい光に包まれ、苦しむエース。早くもカラータイマーが鳴り出す。
そのとき。
既に夜となり、星空を照らしていた月から、白く輝く光がエースに降り注いだ。
赤い光を打ち消していく。

北斗の精神世界。
「・・・夕子!?」
真っ白く白熱した光の中に漂う北斗の前に、今や月世界の住人である、白いローブを纏った夕子がいた。
「星司さん。貴方が信じる地球の人達を守って。立ち上がって。私のこの力も、長くは持たない!」
「・・・
判ってるぜ。任せておけ、夕子!」

気力を取り戻したエースは、捻った上半身を振り戻し、渾身のメタリウム光線を放射。
どちらにしても、パルスをこれ以上ばら撒かせないために一刻も早く倒さなければならなかった
ヤコブに叩き付けて跡形もなく爆砕し、一気にケリを付けた。

ヤコブの消滅と共に、赤い森も元の緑の森に戻った。森の一角にヤコブや研究員達の墓を立て、
今野がなんまんだぶつと一言拝む。
ヤコブが集めていた資料文献は、敢えて目を通されずにその場で処分されることになり、梶が自ら
タックガンで書類群を撃った。資料は燃え、灰になって消えていき、そして、TACも森を去った。

74:名無しより愛をこめて
05/03/13 19:32:48 Qn0CrZK1
エースネタ、投下します。ヤプールの起源が何だったのかは飽くまで仮説ですので、真に受けないよう。
世界中の人々と友達でありたい気持ちをなくさないようにしましょう。約束だぜ!

75:名無しより愛をこめて
05/03/14 02:21:38 PDNhDhnD
>>68-74
市川氏っぽいテーマとネーミング(wですね


76:名無しより愛をこめて
05/03/14 18:30:05 OB1rKAZo
>>68-74
ヤコブが、デビルマン(原作版)の雷沼教授みたいな
社会的発言力を持ってなくて良かったですなw

77:名無しより愛をこめて
05/03/14 20:58:13 Gl4QnM92
     ズルズル
  '⌒⌒丶   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ′从 从) < あげラーメン
 ヽゝ゚ ‐゚ν   \______
  (つ=||__
  ̄ ̄\≠/

     ズルズル
  '⌒⌒丶   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ′从 从) < あげラーメン
 ヽゝ゚ ‐゚ν   \______
  (つ=||__
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     ズルズル
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 ヽゝ゚ ‐゚ν   \______
  (つ=||__
  ̄ ̄\≠/

     ズルズル
  '⌒⌒丶   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ′从 从) < あげラーメン
 ヽゝ゚ ‐゚ν   \______
  (つ=||__
  ̄ ̄\≠/

78:名無しより愛をこめて
05/03/15 00:20:59 B/GOPWJ/
>>68-74
禿しくGJ!
別の方が言ってられますが、ホントに市川脚本なストーリーです。
エースという題材に実にあってますね。

エース後半でもこんな話が見たかったよ・・・





79:名無しより愛をこめて
05/03/15 13:25:33 FO01p1jV
全然関係ないけど『怪獣VOW』で紹介されてたヨコプロだかヤマプロだかの
いかがわしいパチモンカードに載ってる怪獣が「怪獣ヤコブ」とかいう名前で
パチモンのくせに市川ネーミングを分かってるなあ」と変に感心した

スレ違い失礼。(>>68-74はGJ!だと思います)

80:書いた下原正三
05/03/15 14:50:00 YJ02yCdM
>>79
ああ、そういえば記憶のかなたにそんなのが…意識してやったわけじゃなく、
キリストネタ臭い名前で語呂のいいのがないかと思って付けたんですが。

81:その1
05/03/17 03:30:41 PZGPrGvR
ウルトラマンネクサス「リコの涙!ガンバルクイナが怪獣に!?」

「孤門君、お茶飲む?」
「うわ、副隊長がお茶を入れてくれるなんて、真夏に雪でも降るのかな?」
「言ったわねえ」
「あはははは」
―明るく穏やかな照明のきいたフォートレス・フリーダム内は今日も
笑い声が絶えない。…だが、そのとき警戒警報が鳴り響く。さっと緊張する隊員たち。
「××地区にビースト振動波!」
「おい!あれ、お前の持っているマスコットに似てないか?」
たしかにそれは、容貌こそ恐ろしげな姿に変わっているものの
リコがつくってくれたガンバルクイナそっくりの姿をしていた。
と、基地の電話が鳴る。
「孤門君、リコさんから電話よ」
「もしもし、僕だけど」
「孤門君、大変、すぐ来て!お揃いで作ったガンバルクイナがビーストになっちゃったの!」
「隊長、僕はリコの話を聞きに行ってきます。ビーストの秘密が分かると思います。
すみませんがそれまで街の防衛の方をよろしくお願いします」
「うむ、怪我人一人出ないように万全の態勢で臨む。安心して行ってこい!」

別行動の孤門を見送り、出動するナイトレーダー。
だがビーストは頑丈でいくら攻撃してもびくともしない。
イラストレーターの指示が入る
「あのビーストの原型になったヤンバルクイナは暑い地方の鳥です。
だから寒さに弱いはずです。僕の発明した冷え冷えクーラーを
転送しますからそれを放射して下さい」
「よし!冷え冷え作戦開始だ」
「了解!」

82:その2
05/03/17 03:32:01 PZGPrGvR
一方孤門はいつもの動物園でリコと落ち合っていた。
「孤門君!なんだか意地悪そうな男がガンバルクイナをひったくって
変な光線を浴びせてあんな姿にしちゃったの!」
リコは涙目になっている。
「くそう。そんなことをするやつは一人しかいない!」
周囲を見回し、大きな声で叫ぶ孤門。
「出てこい!溝呂木!!」
物陰から現れる溝呂木。
「わはははは、どうかね私の今回の作戦は。
大好きなガンバルクイナが街を破壊するのを見て苦しむがいい」
「人の心をもてあそぶ貴様をオレは許さない!」
溝呂木につかみかかる孤門。だが難なくかわした溝呂木は
卑怯にもリコを人質に取ろうとする。だがそのとき、姫矢が現れてリコを救う。
「お前の好きにはさせん!さあ孤門君、リコさんを連れて逃げるんだ。
それからリコさん、あいつを元の姿にもどしてやってくれ。君ならきっとできる」
「ありがとう姫矢さん」「私がんばるわ」
二人が姿を消すと姫矢と溝呂木は変身。ウルトラマン同士のバトルが始まる。

83:その3
05/03/17 03:32:50 PZGPrGvR
一方、ナイトレーダーの冷え冷え作戦は思うように進んでいなかった。
「だめです。体温は相当低下しているのに動きをやめる気配がありません!」
「そうだわ!ガンバルクイナだけに、根性が違うのよ」
「あ、ウルトラマンネクサスだ!」
「ダークメフィストも出てきたぞ!」
ウルトラマン二人とガンバルクイナ、ナイトレーダーはメタフィールドに突入。
メタフィールド内ではダークメフィストとガンバルクイナの二体に襲われて
ウルトラマンがピンチ。そのとき、どこからか挿入歌「ガンバルクイナのうた」が
流れてくる。リコを同乗させた孤門のクロムチェスターがメタフィールドに突入し
リコの歌を流し始めたのだ。リコを思い出したガンバルクイナはダークファウストの
光線からウルトラマンをかばい翼をもがれ、元の人形に戻っていく。
だがそこでできた隙をついてウルトラマンはダークメフィストを攻撃する。
「ばかな。私のビースト化は完璧だったはず!」
「人間の愛情はお前などが思うよりもはるかに強いものなのだ!」
逃げ帰っていくダークメフィスト。

戦い終わって孤門とリコは動物園にいる。
「ごめんリコ。結局君のガンバルクイナを守れなかった」
「大丈夫よ孤門君、ほら!ウルトラマンが拾ってきてくれたのよ」
リコの手には翼をきれいに修理されたガンバルクイナがあった。

こうして溝呂木の卑劣なガンバルクイナ作戦は孤門たちとウルトラマンの
活躍で食い止められた。だが溝呂木は第二第三の卑劣な罠を仕掛けて来るに
違いない。負けるな孤門、戦えウルトラマンネクサス! (終)

84:81-83
05/03/17 03:36:42 PZGPrGvR
あ、しまった。タイトル一部変更します。
「リコの涙!ガンバルクイナが怪獣に!?」
→「リコの涙!ガンバルクイナがビーストに!?」

タロウの基準からしてもユルすぎる話だとは思うのですが
(ユルさの度合いで言えば「たのよう」のレベルですね)
タロウテイストのネクサスというのはどんなだろうとふと思い
初投稿してみました。

85:81-83
05/03/17 03:43:25 PZGPrGvR
あ、あと一箇所「ダークメフィスト」と書いたつもりが「ダークファウスト」に
なっていました。失礼しました

86:名無しより愛をこめて
05/03/17 08:48:45 ea/ZDkgx
>>84
ネクサスの方法論はあれでいいと思っていますが、
それはそれとして、爆笑しました。最高です。

87:名無しより愛をこめて
05/03/19 08:01:52 tpciFsWz
hoshu

88:名無しより愛をこめて
05/03/19 08:58:00 4YI02E6g
今、タロウの話(でも主役は客演の新マン)準備中。暫くお待ち下さい。

89:名無しより愛をこめて
05/03/21 14:00:49 ayLT8q0l
宇宙警備隊は、日夜宇宙の平和を乱す怪獣や宇宙人と戦い続けている。

かつて、「帰ってきたウルトラマン」通称・新マンに地球侵略を阻止されたゼラン星人が、復讐戦のため、円盤で
ウルトラの国に向けて大挙襲来した。
新マンが率先してこれを迎撃し、かつてバルダック星人の円盤軍や、更にバルダックの母星までも爆破した、
超大出力のスペシウム光線で、ゼラン円盤軍を又も跡形もなく全滅させた。

「どう思う?」
そんな日々、ウルトラの国の一角で、ゾフィー、初代ウルトラマン、ウルトラセブンの3人は密やかに語っていた。
新マンは、最近地球近辺の宙域に何者かの不穏な動きがあるとの情報により、エースと共に地球に向かっていて
同席していない。
「新マンは」先ず初マンが、
「決して戦士としてのポテンシャルは低くはない。今回の戦果を見ても明らかだ。光線で惑星をも爆破できる
ウルトラ戦士はそう多くはない」
「敵を凍らせるウルトラフロストを使えるのも、本来寒さに弱いウルトラマンとしては稀有だ。そんな例は、
後はタロウのウルトラフリーザーくらいしか見られない」
かつてガンダーの冷気で窮地に陥ったセブンも同意。
「それに、ウルトラブレスレットの補助とはいえ、スノーゴンにバラバラに引き裂かれたときも我々の助けなしに
その場で直ぐ蘇生した。これも珍しいケースだろう」
出る幕のなかったゾフィーの言。
「・・・だが」

90:名無しより愛をこめて
05/03/21 14:02:04 ayLT8q0l
回想。
ゼラン軍団をためらいなく全滅させた新マンを、率いられていた宇宙警備隊員達は、寒気を覚えながら見ていた。
「どうした、お前達」背を向けたまま新マンは問う。
「奴らの性質は、人間の子供に偽装して地球人を騙した手口からも明らかだ。殲滅したからと言って、
何を罪悪感を覚える必要がある」
「・・・ジャック隊長」
「ジャック言うな!!」「は、ははっ!!」
「今更取って付けた様にジャック言うな! もう新マンや帰りマンで結構だ!」
背中から俺に触るなオーラが立ち込めている。
「どうせ俺は駄目なウルトラ戦士さ」
「・・・それはウルトラまんが版の話では・・・」

初マン「・・・奴の戦いぶりは・・・痛々しいというか・・・」
セブン「地球勤務の時、我々にも増して色々あったからな。判らないでもないんだが」
ゾフィー「だが、何時もこの調子では宇宙警備隊全体の士気に影響しかねん」
と、
ぼあ~~~~~ん
「!? ウルトラの父!」
ドラの音と共に、雄々しく腕組みをしたウルトラの父が現れた。慌ててかしこまる三人。
父「それに関しては、私に考えがある。任せよ」

91:名無しより愛をこめて
05/03/21 14:04:09 ayLT8q0l
地球。
「よくきてくれました、兄さん達」
東光太郎は、東京郊外の森で、新マン=郷秀樹とエース=北斗星司を迎えていた。
不穏な動きが侵略者のものであると判明した際、共同戦線を張るため。
北斗「ZATの方はいいのか、お前」
光太郎「思い切って休暇を取りました。余り長引くと確かに不味いですが」
北斗「宇宙警備隊からの報告を待つしかないか・・・ところで、郷」
郷「?」
北斗「折角の機会なんだ。次郎君に会うとか、しないのか」
北斗も他のウルトラ兄弟同様、気を使っているのだが、
「お前だって、ダン少年に会うとかしないのか」
「・・・それは」
「正式地球勤務の時の最後の戦いで、お互い地球でのしがらみには決別しているはずだ。それに、次郎は
強い子だ。俺がいなくても上手くやって行ってる」

その辺は郷の見立て通り。>>96『ウルトラの誓いはいつまでも・・』に詳しい。
坂田次郎は一人でも、自分の登校区で見掛けたいじめや喧嘩の仲裁に積極的に割って入るほどに成長していた。
しかし、そういう生き方をしていれば、他の鼻っ柱の強い奴と衝突する事もある。
「お前か。最近ここらで生意気な真似をしてるって奴は」
河原の広場で、次郎はその鼻っ柱の強い奴にすごまれていた。だからと言って、おじけるほど次郎も
聞き分けは良くない。
話はこじれ、両者、一対一で拳を構えて掛かっていく・・・

92:名無しより愛をこめて
05/03/21 14:05:40 ayLT8q0l
その状況は、郷も知っているわけではないのでどうしようもないが。
硬い姿勢を崩さない郷に、どうしたものかと北斗と光太郎が視線を見交わしていると。
突然その場で、中空に眩しい光が輝いた。
見詰める三人の前で、光は結実し、等身大のウルトラ戦士の姿になった。
「銀十字部隊の・・・」
「ルミー、と申します」
ウルトラの母がリーダーを勤めている、救護部隊の女戦士だった。地球の三人に対し、援護のために
更に送られてきたという。
ルミーは、意味ありげな視線を一瞬郷に向けたが、何せ能面の様なウルトラ族の顔、伝わったかどうか。
光太郎「それは有難いが・・・ずっとその姿じゃ不味いだろう。兄さん達と同じように地球人の姿に
ならないと」
ルミー「そうですね」
ぱあああと光りながら、姿を変えていく。そして、地球人の女性の姿になったとき、その姿を見た
郷は凍り付いた。

回想。ウルトラの国。
ルミーは、ウルトラの父の前にかしづいて話を聞いていた。
「見聞きしていると思うが、他でもない、新マンのことだ」
「はい」
答えたルミーの身振りから、その意味するものを父は鋭く見抜いていた。新マンの宇宙警備隊の戦士としての
勇猛ぶりに彼女が好意を覚え、しかし敢えて伏せているのを。
「奴が地球で負って来た数々の心の傷は、未だに癒えていない。このまま戦わせ続けるのはどうかと思うのだ」
「はい・・・」
「そこで、そのことをお前に任せようと思うのだ。お前が新マンの側についてやって、奴の悲しみを
癒してやって欲しいのだ」
「は・・・しかし、今まで彼と大した面識もない私に、そのような役を務められるのかどうか・・・」
「それについては、取って置きのアイデアがある」
ふふふと父は含み笑い、「耳を貸せ」

93:名無しより愛をこめて
05/03/21 14:07:20 ayLT8q0l
「如何ですか?」
変身したルミーの姿は、ナックル星人の謀略の犠牲となってこの世を去った郷のかつての意中の人、
坂田アキそのものだった。

「そうだ。これで奴の心を掴めない訳があるまい。ふふふ、私は何と天才的な恋のエキスパート・・・」
近くの木陰から、父も地球人に偽装してこっそり見ていた。サンタクロースの格好で。
街の中でなかったのは幸運だった。
だが。
「・・・新マン!?」
郷はあからさまに不機嫌な表情を表し、乱暴な身振りで背を向け、その場から去っていった。
あっちゃ~と言う顔の北斗と光太郎。
父「・・・おかしいな。何がいけなかったのだ?」

ルミーは、父に言われたとおりにしただけだった。地球圏での活動にはこれまで全く関わっていなかった
彼女は、今一つ地球人の感覚が判っていなかった。
「・・・えーとね」北斗が説明。
「幾ら君がその姿になったところで、本物のアキさんはもう帰ってこないわけよ」
「!」
「ゾフィー兄さんとかの感覚で、蘇生させるという方法もなくはないが・・・それで、本当に解決に
なると思うか?」
「・・・それは・・・」
自分が郷にしたことを、おぼろげに認識してくるルミー。

94:名無しより愛をこめて
05/03/21 14:09:46 ayLT8q0l
「まあ、地球人というのは難しいよな。俺も色々あったんだが・・・だが、俺は未だいい。結果的に
断腸の思いで地球を去ることにはなっちまったが、何度裏切られても人を信じて欲しいというメッセージは、
地球の子供達にはきっと伝わっていると思う。それに、地球から去ったことで、結果的に夕子とちょくちょく
会うことが出来るようになった。その辺は、いいほうに考えるしかないさ」
光太郎「え? エース兄さん、ちょくちょく夕子さんと会ってるんですか?」
「おう。今はもう会わないようにする理由もないからな。
だが、新マン・・・否、郷の奴は、そうすることももう出来ない。どうにかしてやれないかと俺も
思ってるんだが・・・」
考えをめぐらせていた三人の下に、空からウルトラサインが届いた。地球近辺の怪しい動きについての
調査結果が出たのだ。かつて地球侵略を目論見、その企みを阻止された異星人が、復讐戦の準備を
進めており、そして、今再度侵攻を開始したのだ。その軍団の正体は。

光太郎達の下から離れた郷は、別の場所でウルトラサインを見て事態を知り、逸早く、地球に向かって侵攻していた
軍団の前に、新マンとなって単身立ちふさがっていた。
「生きていたのか。バルダック星人!!」

95:名無しより愛をこめて
05/03/21 14:13:24 ayLT8q0l
そう、かつて新マンが滅ぼしたはずの、バルダック星人。
「長かったぞ、帰ってきたウルトラマン。貴様に地球侵略の野望を阻止され、母星をも滅ぼされ・・・
だが、どうにか脱出して生き延びた我らは、屈辱と、それを晴らさんとする復讐心をバネに、戦力を蓄え続け、
今こうして戻ってきたのだ」
語るリーダー格を筆頭に、星人達は円盤に乗らず、宇宙でも生身で航行できるように自分達の体を半機械化
して飛んできていた。
「今度こそ地球を我々の力で氷の地獄にしてやる。だがその前に、恨み重なる貴様を血祭りに
あげてくれるわ!」
軍団は、一斉に新マンに襲い掛かってきた。
「そんな恨みは逆恨みだ! 先に手を出してきたのはお前らだろう!」
新マンも引く気はない。たった一人で、光線と体技とウルトラブレスレットをフルに使い、片っ端から
星人をなぎ倒していく。
「俺は今機嫌が悪いんだ! 掛かって来い! 又返り討ちにしてやるぜ!」
その姿は、正義と勇気の守護神のそれではない。単に腹が立って獣のように牙を剥いている・・・

「やめてください、新マン!」
「!?」
そこに、ルミーが再びウルトラマンとなって飛来した。
知らずに新マンを傷付けたことをルミーは悔いていた。なればこそ、新マンにこんな戦いをさせてはいけない、
そう思っていた。
「今の貴方は、宇宙の正義の旗印として、皆に手本を示さなければいけない人なんです! 憎しみで戦っては
駄目です!」
「・・・お前・・・」

96:名無しより愛をこめて
05/03/21 14:15:15 ayLT8q0l
だが、情緒も何もない改造バルダック星人は、容赦なくその隙を突いた。
「あっ!?」
改造バルダックのボスが素早く迫り、ルミーを背後から羽交い絞めにして新マンに突き付ける。
「抵抗するなよ。こいつの命がないぞ」
「・・・貴様・・・!」
「ははは、みすみす勝機を与えてくれるとはな! 兵士ども、襲え! 新マンを一思いに殺せ!」
配下達が勝鬨を上げ、動けない新マンに群がってくる。
新マンは、又も過去に捉われていた。
俺は、又も自分の周りの者を戦いに巻き込んでしまったのか。又みすみす恥を曝すのか・・・!?

「しっかりしろ、新マン!」
勇んで飛び出したルミーに遅れて駆け付けたエースとタロウが、襲ってきた軍団を光線で吹き飛ばした。
「! エース、タロウ!?」
二人は新マンの前に構え、続いて襲う敵軍を捌きつつ、
「新マン兄さん。僕達は、宇宙の皆に幸せであってほしい。勿論兄さんにも。そして、兄さん自身も
幸せであろうとしていて欲しいんです!」
「タロウ・・・」
「そういうことだ。雑魚は私とタロウの大いなる力でどうとでもしてやる。決めて見せろ、新マン!」
「・・・・・・」
メタリウム光線とストリウム光線が露払いを続ける中、新マンは、静かに前に踏み出した。

97:名無しより愛をこめて
05/03/21 14:17:47 ayLT8q0l
「見事だ、息子達よ。流石宇宙警備隊の筆頭だ」
ウルトラの父は無責任に言いながら、生暖かく戦況を見守りつつ、序でに自分に群がる軍団も
軽い手足の動きだけで弾き飛ばし続けていた。

ルミーを人質にしたのはいいが、自身の警護兵まで前に出してしまった改造バルダックのボス、
「な・・・ち、近寄るな! こいつがどうなってもいいのか」
「ルミー」
新マンはバルダックの言葉など聴いていない。ルミーにのみ語り掛ける。
「動くな。俺を信じろ」
その一言にやられたルミー、目をつぶって(ウルトラマンの目なので物理的にはつぶれないが)、
新マンの行動に身を委ねる。
迫ってくる新マン。
「おのれ、動くなと・・・!」
バルダックのボスは、そこまでしか言えなかった。
動きを止めているルミーを僅かの差ではずし、投げ放たれたウルトラランスが、バルダックのボスの
額を貫いていた。次第に自身の軍団が全滅していくのを知ることも出来ず、ボスは絶命していった。
無駄に縦に長い頭も改造すべきだった。

98:名無しより愛をこめて
05/03/21 14:20:49 ayLT8q0l
地球が又も守られたことを、地上の多くの人々は知るよしもない。只。
「はあ、はあ・・・やるじゃねえか、お前」
「お前こそな・・・」
河原で傷だらけになって倒れている二人の少年。しかし、お互い充実した笑みを浮かべている。
夕闇深く、夜空が輝き始める。
「へへへ・・・今夜は、ウルトラの星が何時にも増して奇麗に光ってやがら」
「!」顔を上げる次郎。
「お前にも、見えるのか」
「ああ・・・俺は、ウルトラ6番目の弟なんだぜ」
鼻っ柱の強い孤高の少年、梅津ダンは答えた。

 戦いすんで見上げる空に 一つ輝く僕の星
 遠く離れて地球に一人 あれが あれが 故郷だ

帰ってきたウルトラマンが過去の呪縛から解放されたのかは、皆さんの想像に任せる。

「ウルトラの星よ涼やかに」改造バルダック星人軍団 登場

99:名無しより愛をこめて
05/03/21 14:24:22 ayLT8q0l
訂正。
>>96『ウルトラの誓いはいつまでも・・』は、前スレの96でした。

100:100get
05/03/21 15:19:48 Y6+KWaTd
100get

101:名無しより愛をこめて
05/03/22 20:32:58 2mp0zpzG
>>89-98

新マンのキャラと設定を色々織り込んでいたりして
面白かったんですが、ちょっと気になる点が…

・少々長めで、シナリオやシノプシスというよりは
SSというべき長さになっているような気が

・また、長さだけではなくて、内容も当スレの通常のネタの流れから外れて
「単なるウルトラネタのSS」に近付いてしまっているような気も
でないとしても、「ウルトラファミリー」の設定を最大限に
活かしているという点に限ればたしかにタロウらしいのですが、
全体としてはタロウというよりマンガ版ウルトラのノリに近いのでは?
(内山絵でアキさんの顔の描き分けはしんどそうだななどと
余計な心配までしてしまった(w )

でも、最近なかなか新作出て来ないのでお疲れさま&次回作期待!
というのは伝えたいと思います。なんかうるさくて失礼しました

102:名無しより愛をこめて
05/03/22 21:32:00 kQZfjUOw
>>101
評価有難うございました。あー、やはり言われたかと…何せ物心ついた頃の
本放送であり、原点が新マンなもので、趣味に走って描き過ぎたとは
思います。今後気をつけて行きたいと思います。
後、長いのも気をつけたいんですが、中々難しいですね。

103:名無しより愛をこめて
05/03/24 01:55:58 pb5+LlUy
「エースが二人?にせものはどっちだ!」
 ウルトラマンA、超人ロボット 改造エースロボット、異次元超人 巨大ヤプール(再改造) 登場

ひなびたどこにでもあるトタン製の工場内で、数人の男達が車座になって祝杯を挙げていた。
車座の中心で酒を浴びているのはこの工場の社長である中村。周りを社員が取り囲んでいる。

零細工場の中村製作所(有)に、謎の黒スーツ男があるものを作って欲しいと、依頼を持ちかけてきたのはつい2ヶ月前。
もともと腕が立ち近所でも評判な工場であった中村製作所。
オイルショックの影響を直に受け、その日暮らしもままならぬ状況の中村製作所にとって、
莫大な代金を全て前払いで振り込み必要な材料全てを用意してきた依頼主は、まさに願ってもないとびきりの上客だった。

黒スーツ男から設計図を手渡された日から、中村を始め社員一同は死に物狂いで働いた。
長年の経験とカンで、苦労を重ねながらも前例がない人型ロボットを精確に作り上げた。
そして今日が完成の日、依頼主に品物を搬入した直後だった。

中村「会社も安泰だし、地球は救われるし・・・万々歳じゃねぇか、なあ?」
依頼主の男は地球防衛の為に、個人でロボットを持ちたいのだと依頼時に説明した。
中村と社員達はその言葉を信じ、ロボットを平和利用の為に、と苦心して作り上げた。

ところ変わって、ココはお馴染み異次元空間。前回コテンパンにタロウにやられた巨大ヤプールがぽつんと立っている。
ヤプール「タロウめ・・・顔の恨みを忘れんぞ!必ず地球を恐怖のどん底に落としいれてやる!
     このロボットを使ってな!ククク・・・ハハハハハ・・・」ヤプールの後ろにそびえる巨大な影。

104:2
05/03/24 01:56:46 pb5+LlUy
ZAT基地。光太郎はいつにも増して機嫌が良さそうだ。その理由を隊員達に聞かれて、
兄が久しぶりに遊びに来るんですと答える光太郎。そう、今日ははるばるM78星雲からエースが遊びに来るのだ。
「楽しみだなぁー。星司兄さんの好物は何だったかなぁー。そうだ、かおりさんに料理を手伝ってもらおう」

光太郎の接待プラン構想をかき消すように、サイレンが鳴り響く。
森山「東京K地区に異常電波を確認。直ちに調査を開始して下さい」
光太郎と南原が現場に飛ぶと、そこは廃工場の中。
用心深く構内を探索すると、突然銃撃が二人を遅う。南原が負傷し、応援を呼びに車へと引き返していく。
光太郎が追いかけると、黒づくめのスーツ男は光太郎の眼前でみるみるうちにヤプールへと変貌し、
右手のハサミから異次元空間を生成、中へ潜り込んで行く。
危険を承知で光太郎はタロウに変身、単身異次元空間へと飛び込んでいった。

タロウとヤプールは正面から組み合い力比べ。タロウの踏み込みをヤプールは両手を跳ね上げて押し返し、
間合いを取るべく火炎放射。ひるんだタロウに破壊光線を連射するヤプール。
ヤプール「フフフ、タロウ。早く私を倒さないと、地球が大変な事になるぞ・・・。見ろ」
異次元空間に突如スクリーンが現れる。そこに映し出されているのは・・・街を破壊するエースの姿が。動揺するタロウ。
ヤプール「以前ゴルゴダ星で開発したエースロボットの改造型だ。前のとは比べ物にならない程性能が上がっているぞ。
  馬鹿な地球人を焚きつけて、自ら地球破壊兵器を作らせてやった!ククククク・・ハァッハッハッハ・・・」
どこまでも許せない奴め。タロウは目の奥に怒りの炎をほとばしらせ、ヤプールに向かっていく。

105:3
05/03/24 01:57:50 pb5+LlUy
東京ではエースロボットが破壊の限りを尽くしていた。ZATは止む無く攻撃を開始するが、さっぱり効き目が無い。
その時、空がまばゆく光り、本物のウルトラマンエースが参上する。
いつもの軽快なテーマをBGMにロボットと対峙するA。
しかしロボットはエースとの区別が全くつかない程精巧で、これではどっちが本物かの区別が付かない。

ゴルゴダ星のエースロボットは動きも鈍く、間接の脆弱さからアーマーを重ね着していたが、
今ZATの見前で戦うロボットは、信じられない素早さでAと互角の光線技の打ち合い合戦を展開している。
エースがパンチレーザーを放つとロボットもタイマーショットを、
エースお得意のギロチン技は、同じギロチン技で相殺されてしまう。
ヤプールの限りないチャレンジ魂と、中村製作所社員全員のいい物を作ろうという頑張りが重なり合い、
皮肉にも最悪の超人のコピーを生み出してしまったのだ。

中村社長は唖然としていた。
自分達の作ったロボットが町を破壊し、あまつさえ正義の超人に牙を剥いている現実。
社員達は本物と互角に戦うロボットを見て、自分達の技術力の勝利だと喜んでいる・・・が、
傍でわなわなと震えた中村社長、社員全員をゲンコツで張り倒す。
「機械は人を助ける為にあるんだ!人を傷つける機械なんか俺ァ認めねぇ!いいかオメェら、作った責任があるんだよ!」
社員を諭すと、中村は手をこまねいているZATに事情を説明する。
零細企業がこんな物を作れるわけが無いと、鼻で笑い全く信じない様子の北島隊員。
しかし荒垣はその意見をピシャリと退け、真剣な表情を信じ中村に協力を仰ぐ。承諾する中村。

106:4
05/03/24 01:59:06 pb5+LlUy
北島「それにしても、これじゃあどっちがどっちか分からないなぁー」
中村「俺には分かる。足が少しだけ長くなっているのが俺らの作ったロボットだ」
なるほど確かに、ロボットの方が僅かにプロポーションが改善されている気はするが、ぱっと見では全く分らない程両者は酷似していた。
中村「特殊な形状記憶の合金で守られているアイツにゃあロケット弾はスズメの涙だ。
    あれを止めるにゃあ直接電子頭脳を壊すしかねぇ」
荒垣「電子頭脳はどこにあるんです?」
中村「頭のてっぺんに蓋があるんだが、継ぎ目が完璧で、見た目じゃさっぱり蓋の在り処がわからねえ・・・
    分かるのは作った俺達だけだ・・・よし!」
中村は突然走り出し、ZATが乗ってきたヘリコプター"ドラゴン"に飛び乗った。

南原「中村さん無茶です!死んじゃいますよぉー!」
中村「うるせぇ!自分でまいた種は自分で刈り取るのが俺の信条よ! 心配すんなって、
   母ちゃんが待ってッからよ、俺ぁ死にやしねえんだよ」

北島「・・・。本気なんですね?・・・分かりました。けれど絶対に死なないで下さいよ!」
中村を乗せたドラゴンはロボットの頭上まで上昇していき、必死にホバリングを開始。
中村の意図を見抜いたエース、何とかロボットの後ろ側に回りこんで羽交い絞めにする。

中村社長はロボットに飛びかかる。うまくロボットの頭に着地すると、
振り落とされまいと必死にしがみつきながら、頭頂部の制御パネルににじり寄っていく。
制御パネルの蓋を開けて回線をズタズタに切ると、ロボットは徐々に動きが鈍くなっていき、遂に機能が停止した。

107:5
05/03/24 01:59:55 pb5+LlUy
皆がやれやれと安堵した直後、ロボットの両目が赤く灯り、警告メッセージが鳴り響く。再びロボットが狂ったように暴れだした。
「ジバクメイレイヲジュシンシマシタ。あと30ビョウデジバクシマス。クリカエシマス・・・」
自爆だって!地上から皆が早く降りてこいと叫ぶが、慌てて降りようとした中村は作業服が蓋に挟まり、
まるで子供がするジャミラの物真似に似た宙ぶらりんの格好で、ロボットの後頭部にぶら下がってしまった。
「ダメだ、服が挟まっちまったよ・・・それにな、俺は・・・こ、高所恐怖症なんだよぉ・・・」
集中の糸が切れ、忘れていた自分の弱点が再び心を支配し、脱出しようにもすくんで体が動かない中村。

それに気付いたエースが暴れるロボットから距離を置き、精確な投てきでホリゾンタルギロチンを発射。
頭頂部を切り離し、胴体部に渾身のメタリウム光線を発射。豪快に爆発するロボット。中村も何とか無事のようだ。

異次元空間での死闘にも決着がつこうとしていた。
タロウは超重力嵐を気合で跳ね返し、怒涛のパンチ連打。フラフラのヤプールに止めのストリウム光線!
「タロォー!私は諦めないぞー!」爆発四散するヤプール。地球は救われたのだ。

108:最後です
05/03/24 02:02:20 pb5+LlUy
異次元空間から脱出したタロウは、事件が全て片付いていることに驚愕する。
よっ、と気さくに挨拶をするエース。エースと見つめあい、頷くタロウ。一緒に空高く飛んで行く。
光太郎「ありがとう兄さん。兄さんが助けてくれなかったら今頃は・・・」
星司「ヤプールの怨念はまだまだ尽きないという事か・・・。しかし、アレそんなに俺に似てたか?
    強さも全然たいしたことなかったぞ。設計がまだまだだな、うん」
飄々としている兄を見て、変わってないなとホッとする光太郎。
そこにZATの面々が到着。任務中不在を問われ、いつもの様に適当にごまかす光太郎。

中村「俺っちの作ったものがこんな結果をもたらすなんて・・・本当に面目ねぇ。もうあんなモノは作らねぇ・・・
   だけど、だけど・・・次はもっともっと、強くて正義の心を持ったロボットを作ってみせるぜ!!なぁ、オメェら!」

全然懲りていない中村達。ずっこけるZAT隊員一同。

さあ、この後が大変だ。兄さんの接待が待っているんだから・・・
光太郎は久しぶりの地球にはしゃぐ兄をなだめつつ、放置されているロボットの生首と目が合ってしまい
後始末が大変だな、と苦笑いをするのだった。

終わり

109:名無しより愛をこめて
05/03/24 02:19:46 pb5+LlUy
話の中では二人のエースはさっぱり見分けがつかないと書いていますが、
視聴者対策用に、ロボットは体のラインが黒く縁取られてあり判別しやすいという設定です。
ウルトラマン、ニセウルトラマンの明らかな個体差を
原作の登場人物達が全く見分けられないのと同じ感じです。

110:名無しより愛をこめて
05/03/24 22:15:29 cVxn0krX
              人
             (__)
             (__)
             (・∀・,,)
            O┬O )
_| ̄|○  キコキコ ◎┴し'-◎ ≡


   人        
  (__)              (,,・∀・)
 (__)                ( O┬O
_| ̄|○i|!         ≡ ◎-ヽJ┴◎  キコキコ

111:その1
05/03/25 00:21:18 gcs31/Gc
『素早いゴキブリ怪獣を叩け!』 ゴキブリ怪獣リーゴキン登場

健一とその友達は、学校の帰りにある公園で小さな穴を見つける。
「何だろう・・・」地面にある穴に向かって、石を投げ入れると「ゴォー!」という音がした。
面白がって石を入れる健一たち。そこにパトロール中の光太郎がやって来る。
「こら、道草食ってちゃダメだぞ」「光太郎さんだって、お団子食べてるじゃない」
「あ、それは秘密だよ!」光太郎はパトロールの途中、スーパーでお団子を買っていた。

ここ数日、東京都ではゴキブリが大量発生していた。
基地内にもゴキブリは侵入しており、ゴキブリをスリッパでひたすら叩く隊員たち。
「宇宙人も通さない基地がゴキブリを通すとは・・・」
ちょうどパトロールから帰ってくる光太郎。
「スリッパなんか持って、どうしたんですか?
 そう言えばパトロールの途中、スーパーでゴキブリホイホイを買う人をたくさん見ましたが・・・」
「知らないのか?今、東京ではゴキブリが大量発生しているんだぞ」
「ん?光太郎、パトロール区域内にスーパーは無いはずだぞ!」「あ!」

その夜、公園の小さな穴は徐々に大きくなっていく。
そしてブランコに座るサラリーマンを押しのけて、ゴキブリ怪獣が出現した!
逃げ回るサラリーマンの通報を受けて、出動するZAT。
ZATは怪獣リーゴキンと戦うが、リーゴキンは素早い足で逃げてしまう。
「あの怪獣・・・背中の穴からゴキブリを噴出していましたね」
「ゴキブリ大量発生は、アイツの仕業だったのか」
「まったく、厄介な怪獣だな」

夜が明けると、ZATは作戦会議を始めた。

112:その2
05/03/25 00:25:40 gcs31/Gc
「怪獣ホイホイ作戦」
怪獣を甘い匂いで誘い、現れたところをトリモチで動きを封じ込める。
アメ玉や団子の甘い匂いを大型扇風機で送れば、必ず怪獣は現れる。
そのときを狙って攻撃を開始すれば・・・

業者からトラックで大量のお菓子が配達された。さっそく作戦に取り掛かる隊員たち。
扇風機で匂いを送風すると、案の定、さっそくゴキブリが集まってきた。
ところが、その甘い匂いに引きつられて、子供たちも集まってきてしまった。
「ここは危ない、早く逃げるんだ! 後でみんなに配るから。」
そう言って子供たちを説得させ、避難させようとする光太郎。

しばらくすると甘い匂いに誘われてリーゴキンが出現。
トリモチの真ん中にあるお菓子のほうへ向かっててきた。
作戦は成功!リーゴキンはトリモチに掛かった。動きが鈍くなる怪獣。

攻撃開始!ZATは地上から上空から攻撃を始める。
しかしリーゴキンの甲羅は、ZATの攻撃を弾き返してしまう。
怪獣の背中から噴き出すゴキブリを浴びて、逃げ惑う隊員たち。
子供を逃がした光太郎は、バッヂを天にかざした!!

113:その3
05/03/25 00:29:59 gcs31/Gc
颯爽と登場したタロウだが、リーゴキンの吐くゴキブリを浴びて苦戦する。
しかも、リーゴキンに押し倒され、タロウは逆にトリモチに掛かってしまう。

羽を広げてトリモチから逃げようとするリーゴキン。
このままでは、また逃げられてしまう!タロウは力を振り絞る。

タロウは何とかトリモチを振りほどき、そのトリモチをリーゴキンの羽に投げつける。
トリモチを浴びて、ついに動けなくなったリーゴキン、
タロウは両腕をスリッパのようにして怪獣の体を何回も叩く。
弱ったリーゴキンは、背中の穴にストリウム光線を受けて爆発した。

「よし、余った分のお菓子を子供達に配ろう!」
パトロールの途中、子供達との約束を守って、
作戦に使用せずに余ったお菓子を子供達に配る光太郎。

喜ぶ子供たち・・・ところが数日後、ZATに苦情の電話が掛かってくる。
「うちの子供がお菓子を食べすぎて虫歯になった」と。

114:名無しより愛をこめて
05/03/25 00:49:24 5ODRkFDm
最近又活気付いてきたようで、喜ばしいことです。

虫歯は水中ミサイルを撃ち込んで治しましょう。

115:名無しより愛をこめて
05/03/25 00:52:17 gcs31/Gc
「ゴキブリ怪獣 リーゴキン」
身長:54m 体重:3万2千トン 滑空速度:時速500km

都内にある公園の地下に潜んでいたゴキブリ型の怪獣。
背中の穴から小さなゴキブリを噴き出し、付近を我が物にしようとしている。
甲羅は鉄よりも硬く、ZATの攻撃にもビクともしないが、叩かれると弱い。
甘いものには目がなく、特にアメ玉や団子を好む。

―――――――――――――――

ところどころにオチをつけて、映像化した際に間延びしないようにと
まぁ映像化したとしても、ゴキブリはアレなわけですがw

各隊員の活躍は特にないのですが、
ゴキブリを嫌がる隊員たちの顔を想像して・・・勘弁してください

116:名無しより愛をこめて
05/03/25 21:26:38 9DEOrwkO
>>111-113
GJ!!! サイコーでした。
実にタロウらしい、ZATらしいお話でした。
やっぱりこういう作品の雰囲気にあった作品はいいですね。

ウルトラ兄弟が共演すれば「タロウ」という作品になる、
ってわけじゃないってことだね。




117:名無しより愛をこめて
05/03/26 02:56:52 k08q+D6R
>>115 タロウ本編にあっても全く違和感のない話GJ!
ゴキブリに大騒ぎの隊員たち…
まあムルロア編で、空中の蛾にもZATガンを見境なく撃ちまくる彼らですから、ホエールのコクピットの床を撃ち抜くぐらいやりそうですねw
そのうち森山さんは「ぎゃあぎゃあ」騒ぐぐらいでしょうが、白鳥家の場合だと、あの異常なまでに虫の殺戮に執念を燃やす、さおりさんがいますから…
毒ガス部隊なみの装備で、家を殺虫剤の海にしててもおかしくありませんな…w

118:名無しより愛をこめて
05/03/29 03:35:32 cDCrCVRu
「えっ?歌で怪獣を退治できる!?」
  音楽怪獣 オンパン 登場

夕食後、綺麗な星空を眺めながら、健一君は今日もウルトラマンタロウの主題歌をごきげんで聞いている。
光太郎も自室でボクシング中継を聞いている。
と、突然音がフッと止んでしまった。

街中の全ての音が無音になるという怪現象が発生した。
音が全て聞こえなくなる状態に、東京は大混乱。勿論、ZAT本部も大慌て。
隊員達に連絡を取ろうにも、電話も無線も通じない。
荒垣副隊長は原始的な手段、伝書鳩を使って隊員たちを集合させる。

調査の結果、この現象は怪獣が原因であることが確認された。
レーダーで確認したところによると、怪獣は宇宙から飛来したらしいと森山隊員。
怪獣は音楽怪獣オンパンと命名された。大人しく破壊活動は行わないが、怪獣のエネルギー源は音。
あらゆる音が怪獣の好物で、工事現場、飛行場、高速道路などの大音量を発する所に飛来し
電波、音波問わずに無尽蔵に吸収してしまう。
しかも怪獣は徐々に成長して、その結果被害範囲を拡大するというのだからタチが悪い。

その日は怪獣が出現した地域の住民に、怪獣を刺激しないようにと説明する仕事に忙殺されたZAT。
一夜明けて、怪獣のデータを取ったZATは本格的な対策に乗り出す。

119:名無しより愛をこめて
05/03/29 03:36:35 cDCrCVRu
「おびき寄せ作戦」
直接的な被害を出さない怪獣を殺すのはどうかという森山隊員の提案を受けて、
ZATは大音量で電波と音波を出すリモコン飛行機を開発、
怪獣をおびき出して宇宙へ連れて行く作戦を実行。
飛行機の音につられて怪獣が飛来。怪獣は飛行機について行く。
誰もがやった!と確信した瞬間、怪獣はぷい、とそっぽを向いてまた消えてしまった。

追調査の結果、怪獣は段々と音を"選り好み"するようになってきていることが判明する。
騒音よりも、綺麗な音色、つまり歌を好むようになってきたというのだ。

光太郎はハッとする。今日は健一君たちが合唱コンクールに参加する日だ。「何も無ければいいけど・・・」
しかし光太郎の予想は当たってしまう。オンパンが会場に飛来したのだ。
せっかく練習した自信作の歌を吸われ、コンクールを邪魔された子供達は怒って怪獣に石を投げつける。
温和な怪獣はとうとう怒って子供達を追いかけ始める。

「健一君たちが危ない!タロォォ――!」
駆けつけた光太郎はタロウに変身。
オンパンは多彩な攻撃でタロウを苦しめる。体勢を立て直たタロウは怪獣にストリウム光線を放つ。
爆発する怪獣・・・だが、近くの交通渋滞の騒音を元に破片が集合し、すぐ再生してしまう。

「この世に音が存在する限り、この怪獣は無敵なんだ。どうすれば・・・・そうか!ようし!」

120:名無しより愛をこめて
05/03/29 03:37:45 cDCrCVRu
ブレスレットを取り外し、巨大なスピーカーに変化させるタロウ。
タロウは周りで見ている全ての子供達に語りかける。
「さあみんな!大きな声でウルトラマンの歌を歌おう!」
健一はタロウの意図を読みとり、同級生達に歌うように促す。嬉しそうに目配せする子供達。
電柱を引き抜き作った指揮棒でタロウがリズムを取ると、子供達は一斉に初代ウルトラマンの主題歌を熱唱しだす。
歌声はスピーカーで更に大きな音に増幅され、怪獣に降り注ぐ。
「よく歌えたね!みんな!次はウルトラセブンの歌だ!」

楽しそうな歌声につられて、避難していた子供達も戻ってきた。皆楽しそうにセブンの主題歌を大合唱。タロウもノリノリだ。
怪獣は特にこたえる様子も無く、大好物の歌を堪能する様に音エネルギーを吸収している・・・が、
続いて帰ってきたウルトラマンの主題歌、ウルトラマンエースの主題歌と続くにつれて、段々と怪獣は苦しみ始めた。
トドメのタロウの主題歌、ウルトラ六兄弟の歌のコーラスで怪獣はもがきにもがいている。
そして、子供達の歌声が頂点に達した瞬間、怪獣は木っ端微塵に吹っ飛んでしまった。

「怪獣の音吸収袋が、みんなの元気な歌声で限界になって爆発したんだ」
颯爽と飛んでいくタロウを見やり、荒垣は子供達にそう告げるのだった。
タロウが去った後も、子供達の歌声は終わることなく続いていた。

その日の夜。「僕たちが怪獣を倒したんだよ!」と元気な健一がさっきから大声でタロウの歌を熱唱している。
明日も朝から早いのに、これじゃあ寝不足だな・・・と光太郎はぼやくのだった。

終わり

121:名無しより愛をこめて
05/03/29 11:43:22 3YpvR3k9
>>118~120 なかなかだね。
ただオチは当時はともかく、今ではありふれたネタだから、もう一工夫ほしいかも…
それと音も声もしないとなると、番組的にはリスキーだねw
ただ基地内でも音声が全くしないとなると、必死にジェスチャーや筆記で作戦を練る隊員たちは笑えるだろうな(^^)

122:名無しより愛をこめて
05/03/29 15:27:52 OTivx13t
あと、殺すのはどうかと主張してた森山隊員は不満なかったんでしょうか?
まあ、そのアバウトさがタロウらしいですが。

123:名無しより愛をこめて
05/03/29 19:25:25 RTwJUonK
>>122
兵器で直接殺すのとは違って、
食いすぎは怪獣が自分の意志でやった事です。爆発しても自己責任です。


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