05/02/01 21:52:05
格N「うっかり八兵衛、元泥棒にして西山荘の下男、その素性明らかならず、
言動軽薄にして、食べる量、頗る多し。われわれは、いかに話の伝統
とはいえ、同行させることを善しとしなかった」
助「…いやあ、参りましたよ」
格「どうだった、首尾は」
助「最後に、『団子をあげるから見逃してくれ』って、…あの人らしかったな」
格「そうか、…やったか、…ありがとう」
光圀「なにも…消す必要は、なかったんじゃないか?」
格「われわれは、密命を帯びた一行だ、物見遊山を、しに行くのではない」
格N「われわれは、こうして同行する人数を、粛清することで削っていった。
そして三人という、本来あるべき形が、できあがった…
うっかり八兵衛、その素性明らかならず。身内、その他親類の類なし。
一説は旅に出た、と伝えるが、本当の行方を知る者は、誰もいない。
『ミト黄門血風録』「知りすぎた男」 完