04/04/24 22:28 YDmAOD4R
「魔術師の幻想」
クレイトン・ロースン作品を想起させるようなマジックネタ。
マジックの舞台裏を覗き見るような面白さがある。
ジャック・キャシディ主演作の中では一番面白い作品。
来週オンエアの「さらば提督」が、マターリした英国本格ミステリのテーストなのに
対して、華やかなアメリカンミステリのテーストの作品。
ガイシャの死体の向きと位置からコロンボの推理がスタート、
ここは地味だがミステリとして面白い部分だ。
犯人のサンティーニは、言うまでもなく、
あのサー・アーサーやJ・Dも大ファンだった大魔術師ハリー・フーディーニがモデル。
(劇中に登場する水槽からの脱出、手錠外しはフーディーニの持ち芸)
余談だが、フーディーニはオカルト嫌いで有名。霊媒師のトリックを何度も暴いている。
動機は一時期の英米のエンタメに多かったナチスネタ。これは少しウザい感がある。
P・D・ジェイムズあたりも「ナイチンゲールの屍衣」で、
厳格な看護学校長が過去にナチスの協力者であったというネタを書いている。
EUの誕生等ヨーロッパにおける地域統合の動きもあって最近は薄れつつあるようだが、
80年代初期くらいまでは、ナチスは西欧人にとり歴史的トラウマであったのだ。
上記したように多様な楽しみを包含した作品ではあるが、2ちゃんねらーにとっては、
「マジックの助手してるサンティーニの娘萌え!萌え!・・」
「助手の娘の太腿タマンネ!」…程度にしか見られないのが残念至極である。