04/03/22 20:41 AOl78gF0
ミステリ番組である「刑事コロンボ」を評価するにあたって、物語における謎解きの興趣を
評価の第1基準に置くのは当然のことである。
この「謎解き」には、コロンボが犯人に仕掛けるトリックの解明も含まれるが、
「殺人処方箋」「権力の墓穴」「野望の果て」「逆転の構図」等のそれらは本当に面白い。
これは本格ミステリの謎解きの面白さとは異なる、サスペンスミステリ的な筋の起伏に
おける謎解きの面白さである。
そもそも「刑事コロンボ」の面白さは、第1作「殺人処方箋」に集約されている感があり、
細かい詰めで犯罪の立証へと迫って行く展開は、謎解きパズル小説の面白さであり、
詰め切れない部分をコロンボが逆に犯人にトリックを仕掛ける点、
これはまさにサスペンスミステリ的展開の面白さなのである。
ゆえに、細かい詰めの部分の面白さが少なかったり、コロンボのトリックに無理があるものは
つまらない作品ということになる。
「二枚のドガの絵」や「5時30分の目撃者」等のラストを粋だとか書いているのは、
「粋」とは何たるかを知らない半可通である。
上記した作品は、ラストのコロンボの手袋、犯人=目撃者というひっかけ、
これらを撮りたいがために、そこまでの物語があるかのような作品。
従って物語展開に辻褄が合わない点、わざとらしい点が目立つ駄作である。
つまり無理があるわけである。
この辺が冷静に見た場合の客観的な評価として妥当かと思う。