02/08/13 22:19
「一尉は忙しいから普段家に居ないでしょ。困った時は言って」
喜んでくれるかと思ったのにシンジきゅんは困った顔をしてしまう。
言いにくそうにしていたのを無理に聞き出すと、なんでも
「黒服は見分けが付かない」らしい。なんてこった。いや当たり前か。
しかし黒づくめのスーツとグラサンは漏れらの職場の制服なのだ。
他の格好をする事は許されないし、目立つ髪型や派手な色の靴
なんかにしたら、黒い服に似合わず目立つ事この上ない。
どうすりゃいいのか、マンションの廊下で二人でうんうん考えた。
その真剣に考え込んじゃう表情に、ヤラレタ。
あかん、カワイイ。男の子なのに。
漏れには年の近いオトコ兄弟が居たせいで、ハッキリ言ってオトコ
はキライだ。カワイイ妹か美人のお姉さんが欲しかった。
後から言って出来るハズが無いのだから仕方がないが、ずっとそう
思っていた。
なのに……シンジきゅんみたいな弟なら欲しい。
毎日一緒に居たいし面倒見てやりたいし守ってやりたい。
「……そうだ、サインを決めておけばどうでしょう?」
「サイン?」
それが全ての始まりだった。
てな辺りで「続く」