仮面ライダーバトルロワイヤル THE NEXT Version.7at SFX
仮面ライダーバトルロワイヤル THE NEXT Version.7 - 暇つぶし2ch581: ◆FMWmYHfUMY
08/07/31 00:30:53 uw5zPNsh0
「橘、なぜそう思う?」
未来から来たこの男には、違うのかも知れない。
容易に確信出来るというのなら、それなりの理由があるのだろう。
だが、返って来た答えは、あまりに稚拙すぎた。

「でなければ、説明がつかない。少なくとも、現実には不可能としか思えない技術が使われているしな」
半分は嘘だった。もう少し噛み砕いて説明すれば、ゾル大佐が内通者だと言わざるを得ない。
だから、今は敢えてこういう言い方を選ぶ。
橘はそうする事で、自分のゾル大佐に関する推測を隠そうとした。
しかし…

「橘…失望したぞ。もう少し使える奴だと思ったのだがな…」
「な、何!?」
諦観さえ漂う顔で、ゾル大佐は橘を見下していた。
橘は、どういう事か図りかねていた。
なぜ、こんな反応を取るのか?何か説明にまずい部分があったのか?
焦りを感じ、橘は立ち上がる。
「どういう意味だ」
なるべく冷静を装いながら、ゾル大佐に問いかけた。
呆れた顔のまま、ゾル大佐は答えた。
「自分の理に合わぬ出来事は全て、夢の世界のもの、か…。便利な脳みそをしているな、貴様は」
顔色一つ変えずに言われ、橘は腹が立った。
先ほどの説明ではそう思われても仕方がないのだが、頭に血が上った状態でそれが分かる筈もない。
「馬鹿にするな!他にもちゃんと考えた上で、出した結論だ!!」

582:名無しより愛をこめて
08/07/31 00:30:57 ZIVAt3fkP
  

583:名無しより愛をこめて
08/07/31 00:31:18 ZIVAt3fkP
 

584:◇FMWmYHfUMY(代理)
08/07/31 00:33:40 ZIVAt3fkP
「他に考察があるのだな?」
橘は、その言葉で一瞬にして頭が冷えた。
と同時に、血の気が引く思いをした。
(この男…俺が何か隠しているのを知っていて…!?)
やられた、と思った。
大佐という階級は伊達ではなかった。この男、人の上に立つものとしての洞察力は、確かなもののようだ。
主導権を完全に握られた。
(俺では、適わない…)
そう思い、顔を伏せて橘は地面を見つめる。
話すか話さないか。恐らく、もう選択肢はないだろう。
だが、もし殺されるとしてもただでやられはしない。
そう覚悟を決めて、目の前の男を内通者だと暴いてやろうとした時だった。

     ―full charge―

一つの電子音声が、そう遠くない場所から聞こえた気がした。


   ###############

585:◇FMWmYHfUMY(代理)
08/07/31 00:34:00 ZIVAt3fkP
「橘、伏せろ!!」
突然、ゾル大佐がそう叫びながら覆いかぶさって来た。
何事か、と思考する前に、金色の光が真上を通り過ぎた。
ソレはそのまま高速で右から左に滑り、空中に浮かび上がると、何かに合体する形で収まった。
ゾル大佐が上から退き、急いで立ち上がった橘が目にしたものは、一度自分達を襲った男だった。

鰐のような仮面に、胸と両肩の牙が特徴的な外見を象っている。
銅を基調とした輝くような装甲は、太陽の光を受けて少し白く見えた。
先ほど飛ばした金色の物体――剣の切っ先は、しっかり固定されているらしく、それで肩をぽんぽんと叩いていた。

「よう…また会ったな」

何気ない言葉が、自分達を威嚇しているようにも聞こえた。
得体の知れない悪寒が、全身に走る。
体中から滲み出ている雰囲気は、只それだけでもプレッシャーを与えていた。
橘は、さながら、蛇に睨まれた蛙のような気分になった。

「貴様…我々を追ってきたのか?」
「さぁな」
ゾル大佐の言葉を、さらりと牙王が受け流す。
その態度が示すものは、こちらと話すつもりは一切ないということ。
それは、ゾル大佐のみならず、橘でさえも認識できるものである。
恐らく、先ほどの攻撃も牽制などという生易しいものではないのだろう。
相手は戦闘意欲に呑まれた獣。交渉は不可。そう判断すると同時に、ゾル大佐は戦闘態勢を取る。



586:◇FMWmYHfUMY(代理)
08/07/31 00:34:29 ZIVAt3fkP
すると、牙王が急に動きを止める。
別に阻止してもよかったのだが、どうせ殺すなら少しでも楽しませてもらいたい。
牙王は、そう考えて敢えて猶予を与えたのだ。
(なめられたものよ!)
心中、相手を毒づき、ゾル大佐は吠えた。

「うぉぉぉぉぉオオオオオン!!」

空気を震わすような声が辺りに響き渡り、ゾル大佐の体が変化していく。
流れるような黄金の毛が全身を多い、牙と爪が雄雄しく伸びる。
腰に自らの信仰する組織の紋章の付いたベルトを纏い、黄金狼男は現れた。

二本の足でしっかりと大地を掴み、黄金狼男は相手を睨みつける。
仮面の下で、牙王もまた、品定めをするかのように、黄金狼男を見据えていた。


     ###############

そんな状況のなかで、橘は一人立ち尽くしていた。
今起こった状況に、まだ頭が追いついていなかったのだ。
(どういう事だ?まさかあいつもゾル大佐の呼び寄せた始末者か?)
多分、そうなのだろう。ここの会場の仕組みに気づいた者が出た以上、その者を放っておくはずがない。

だが、まだ不可解な点がある。
なぜ、直接自分を始末しないのだろうか。



587:◇FMWmYHfUMY(代理)
08/07/31 00:34:49 ZIVAt3fkP
(なぜわざわざ大佐と対峙する?これも演技か?いや…)
どうせ殺すのなら、今更自分の前で演技をする必要性があるとは思えなかった。
では、周りにいるかも知れない参加者への配慮?
それも違う。呼び寄せる事が出来るのなら、周りの状況の把握ぐらいは容易いはずだ。
つまり、誰も見ていないタイミングで行動に移す。それがもっとも手っ取り早いはずである。
それでなくとも、大佐の追求は完璧なものだった。
襲撃が偶発的でない限り、あのような絶妙な中断は主催にとって不利でしかない。
(…何がいったいどうなっている…!)
自分の立てた仮説に、絡めとられる。
状況を把握できない焦りから、思考がますます深くなる。

――何か重大なことを見落としている気がする――

そんな違和感が体中を駆け抜けるが、答えにはたどり着けなかった。
(くそ!何か変だ…まるで…根本的なところが…)
橘のなかで、今までの自分を見直すために、重要な事に考えが辿り着きそうな時、
「橘!何をぼさっとしている!!」
ゾル大佐の大声で思考が中断する。
我に返り、前を向くと、少し離れた位置で黄金狼男が叫んでいた。
どうやらまた、彼の呼びかけを無視してしまっていたらしい。
慌ててバックルを取り出し、変身しようとして――

「がはっ!」

――蹴り飛ばされた。

588:◇FMWmYHfUMY(代理)
08/07/31 00:35:11 ZIVAt3fkP
    #######################


睨み合いの均衡を破り、二人が互いの距離を一気に詰めた時、牙王が飛び込んだのは橘の方向だった。
こちらを狙ってくるとばかり思っていた黄金狼男は、大きく体勢を崩す。
(殺しやすい方から討つつもりか!?)
それが正解かどうかは分からないが、そんなことはどうでもいい。
ともかく、橘の逃げる隙を作らねばならない。
相当接近されたにも関わらず、あの男は何故か微動だにしないのだ。

激しい憤りを感じつつ、指から弾丸を発射する。
飛び道具があるとは予測出来なかった牙王は、背中に幾つか直撃を受け、少々もたつく。
その際に注意を促したのだが、余りにも遅かった。
橘が行動に移るよりも早く、牙王の飛び蹴りが炸裂する。
無理な体勢からの攻撃であるが故に大した威力はないだろうが、それで十分だったようだ。
まともに受けた橘は、大きく吹き飛び、木に背中をしたたか打ちつけた。
そのまま下に落ち、頭を落として黙り込んだ。

「うつけ者が!一体なにをやっているのだ!」
思わず口に出し、吹き飛ばされた橘に駆け寄ろうとする。
今は戦力が少しでも欲しい状況だ。叩き起こしてでも役には立ってもらうつもりだった。
しかし牙王が振り返り、こちらに対して始めて構えらしいものを見せた。
黄金狼男は急ブレーキをかけ、バックステップを踏む。
直後、最後に踏み込んだ位置に鋭い斬撃が走る。
牙王が剣を降り抜いた瞬間、顎に向かって拳を放つ。
が、空いてるほうの手で力任せに弾かれる。

589:◇FMWmYHfUMY(代理)
08/07/31 00:35:50 ZIVAt3fkP
「何っ!」
黄金狼男は意表を突かれ、声を上げる。
しっかりと腰を入れたはずの拳が、剣を振った直後の相手に防がれたのだ。
驚きを隠せるはずもない。
そのまま牙王は、弾いた手を引き、同時に静止していた剣を薙ぐ。
合わせて黄金狼男も身を引くが、リーチも相まって間に合わない。
「くっ!」
一閃。火花を散らしつつ、剣が通り過ぎる。
胸元を掠り、痛みが走った。
が、黄金狼男もただで引くには至らない。
弾かれた腕を、下がると同時に引き、牙王の側面を引き裂いた。
「チッ…!」
横っ腹に入り、牙王も声を漏らす。
致命傷には程遠いが、いい当たりなのは間違い無い。
同時に距離を取り、出方を伺う。

「まだだ…お預けをされた分、もっと楽しませてもらわないとなぁ」
囁くようでいて、ハッキリと耳に届く声で牙王が言う。
待たされた分、漸くありつけた戦闘という食事は、相当の快感を牙王にもたらせた。
更に、手ごたえのある相手に会い、徐々に高まってきたテンションにより、牙王のコンディションは最高と言えるものに近くなっていた。
「ふん、思ったよりはやるな。だがここまでだ」
傷の深さを確かめつつ、黄金狼男が呟く。
この程度の傷なら問題ない。だが別の部分で不安があった。
敵が眼前にいる以上、虚勢を張るより他はないのだが、体調は万全とは言えなかった。
直前までの橘との化かし合い、さらに橘の不手際による戦力の低下は、精神を大いに消耗させた。
ストレスにより、動きに粗が目立つ。
戦闘にも、いつもの集中力が働かない。
自覚出来ているからこそ、余計に焦り始めた。



590:◇FMWmYHfUMY(代理)
08/07/31 00:36:13 ZIVAt3fkP
(このままだとジリ貧だな。やはりあやつをどうにかして加担させねば…)
ちら、と横目で橘を見やる。
先ほどの体勢のまま、動いていないようだ。
脳震盪でも起こしたのかも知れない。
しかし、起こすのは容易なはずだ。
一連の出来事をみる限り、あの程度では深く失神するはずはないと、黄金狼男は断定していた。
勘の要素も含むが、修羅場を潜り抜けて来た自分の判断を信じてそう考えた。
放っておいてもじき目覚めるだろう。
それほど、奴の眠りは浅い。
だが…
(通してはくれんだろうな、恐らく)
相手はどうにも掴みづらい男だったが、敵が増えるのをただで見逃しはしないだろう。
それどころか、隙を突いて橘を殺しにかかる可能性もある。
今橘に死なれては困る。そう黄金狼男は考える。
何か隠しているのは確実だが、あの男にはまだまだ利用価値がある。
それに―今だけとはいえ―自分の部下をみすみす殺されるのは、軍人としての誇りが許さない。
(まったく、世話のやける男よ…!)
とにかく、目を覚ますまで時間を稼ぐしかないだろう。
そう決めて、黄金狼男は目線を牙王に戻す。
牙王はゆっくりと間合いを詰めてきており、もうニ・三歩も歩けば互いの射程に入るだろう。
そこで牙王は足を止め、無言で剣を構える。
黄金狼男もゆっくりと、ファイティングポーズを取る。
数秒の後――互いに足の力を入れ、地面が爆ぜた。
 
   #####################

591:名無しより愛をこめて
08/07/31 00:36:18 FWaH7/0W0



592:◇FMWmYHfUMY(代理)
08/07/31 00:36:49 ZIVAt3fkP
「……うっ……」
腹と背中に鈍痛を感じつつ、橘は目を覚ます。
少し霞む頭で、たった今起こした自分の失態を理解する。
(失神していたのか?俺は…)
突き飛ばされた後、視界が真っ白になったところまでは覚えている。
だが、気づいたら自分は座り込んでいた。
この場面転換では、そうとしか考えられない。
未だぼんやりした意識に喝を入れるため、頭を振る。
顔を上げると、目の前に金色の体毛が映った。
驚き、視線を上にやると、自分に背中を向けて、牙王と対峙する黄金狼男が見えた。
「た、大佐!?」
橘が、驚愕した声を上げる。
黄金狼男は、その声に反応し、僅かに後ろを振り向く。
「ようやく目を覚ましたか…この大うつけが…」
息を荒げて、黄金狼男は答えた。
体のあちこちには切り傷が目立ち、ベルトも中心部が砕けていた。
左腕で抑えている右肩からは、とめどなく血が流れ出している。
まさに満身創痍といった風体で、立っているのもやっとだろう。
橘が立ち上がり、向こう側を見ると、牙王が黙ってこちらを見ていた。
どうやら、自分が気絶してから、少なくとも何分かは経っているらしい。
橘はそう考え、浮かび上がった疑問を、堪えきれず黄金狼男にぶつける。

「大佐…もしかして、俺を庇って…?」
「とっとと変身せんか!来るぞ!」

593:◇FMWmYHfUMY(代理)
08/07/31 00:37:20 ZIVAt3fkP
返事らしい返事は来ず、またもや叱咤を受ける。
橘は黄金狼男から視線を牙王に移す。
牙王は、パスのようなものを指先だけで、頭上に構えていた。
危険を感じ、橘はポケットからカテゴリーエースのカードとバックルを取り出すが――
「遅い」

     ―full charge―

牙王がパスをこぼれ落とす。
パスがベルトを通過した瞬間、フリーエネルギーがチャージされ、剣先に伝わる。
剣―ガオウガッシャーの先端が回転し、金色の軌跡を残しながら分離した。
残った柄を横なぎに振ると、それに合わせて剣先も螺旋を描きながら、高速で移動した。
目の前の獲物を全て喰らい尽くすために。

(オリハルコンゲートで…だめだ!間に合わない!)
迫り来る剣先を前に、橘は考える。
相手の言葉どおり、全てが遅かったようだ。
だが、と橘は思う。
これは仮想空間なのだから、脱落するだけなのではないか。
これでここから抜けれらるのなら、そのあと現実から連れてこられているであろう参加者たちを、救い出すほうが建設的だろう。
少しも抵抗出来なかったのは残念だが、借りは現実で返してやる。
そう結論づけ、回避を諦めた次の瞬間だった。

「うお!?」



594:◇FMWmYHfUMY(代理)
08/07/31 00:37:38 ZIVAt3fkP
何かに突き飛ばされ、地面を転がる。
ひじを突いて自分の立っていた場所をみると、そこに黄金狼男がいた。
黄金狼男は自分の無事を確認すると、どこかやり遂げた顔をしているように見えた。
そして、そのまま―胴体を、閃光に貫ぬかれた。

 ####################


オーラソードは黄金狼男を切り裂いた後、一度上空に舞い上がり、急降下を始めるべく一瞬動きを止めた。
狙いは、たった今難を逃れたばかりの男、橘。
牙王は一撃で決めるべく、思い切り柄を振り下ろした。
「ぬぅ、おおおおおお!!」
だが、突然の銃撃により、狙いは大きく外れる。
まだ動けたらしい、黄金狼男によるものだった。
剣先は軌道を大きく逸らし、水しぶきを上げながら川に突き刺さる。
胸に受けた集中射撃により、牙王が膝を突くと同時に、ガオウガッシャーに剣先が戻る。
そして、黄金狼男も、ゆっくりと地面に倒れ伏した。

「お、おい!しっかりしろ!!」
その光景をみた橘が、黄金狼男に駆け寄る。
上体を抱き起こし、傷を確認する。
胴体の中心部には見事に風穴が空き、血と火花が辺りに激しく飛び散っていた。
最早演技も何もあったものではない。明らかに致命傷だ。
「大佐、なぜ俺を庇ったんだ!なぜだ!!」
橘は悲痛な顔で、虫の息と化している黄金狼男に呼びかける。



595:◇FMWmYHfUMY(代理)
08/07/31 00:37:57 ZIVAt3fkP
誰かが自分を助け、その代わりとして死のうとしてしまっている。
例え相手が擬似人格でも、その事実は橘には重く圧し掛かっていた。
「自分の部下も守れずに…何が、軍人か…」
息も絶え絶えに、黄金狼男が応える。

その言葉を聞き、橘は自分の愚かさを理解した。
(この男は、作られた命なんかじゃない!むしろ、俺なんかよりずっと立派な…)
軍人だった。目の前の男は、紛れも無い生身の軍人。
根拠など存在しない。ただ、自分がそう信じたいだけかも知れない。
それでも、橘は確信する。
そう、考えてみれば簡単なことだったのだ。
コンビニや携帯電話を知らないという振る舞い。
過去からやってきたという、改造人間。
怪しすぎるのだ。普通、こういう事はばれないようにしなければ意味が無い。
こんな人物と共に行動すれば、疑わない方がむしろおかしいだろう。
もしここが確かに仮想空間なら、そんな人物を見張りにやっても何のメリットも無いはずである。
(なぜ、こんな事に気づかなかったのだろうか…)

――自分の理に合わぬ出来事は全て、夢の世界のもの、か…――

ほんの少し前に言われた言葉が、フラッシュバックする。
そして、自分がいかにこの状況に大して真剣に応対してなかったのか、思い知らされた。
(…すべて、俺の現実逃避だったのか…)
自分の愚考が、目の前の男を死に追いやっている。
そう気づいた途端、橘は自己嫌悪でどうしようもなくなった。

596:◇FMWmYHfUMY(代理)
08/07/31 00:38:28 ZIVAt3fkP
「大佐…俺は、馬鹿だ…!俺は…現実逃避をしていただけでなく、あんたを疑って…!」
震える声で橘が呟く。
体力の低下で変身が解け、元の姿に戻ったゾル大佐が、橘を見据えて、口を動かした。
「逆…だな」
「え?」
言葉の意味がわからず、橘は思わず聞き返す。

「貴様は…優秀すぎるのだ。もう、少し…馬鹿になったほうがよい」

橘は、衝撃に目を見開く。
脳裏に、いつかの光景が鮮明に映し出された。
自分の先輩であり、嫉妬から自分を襲った男。

元BARDO隊員・桐生 豪。

真剣勝負の後、アンデッドにより命を落とした彼が、自分を責める橘に向けた遺言。
奇しくも、ゾル大佐の言葉は、その遺言に酷似していた。

ふと、後ろで物音がした。
ゾル大佐が振り返ると、牙王がゆっくりと立ち上がるところだった。
少し、肩で息をしているが、目立った外傷は無いようだ。
「効いたぜ…今の弾はな」
胸をはたき、牙王が囁いた。
杖代わりにしていた剣を一度振り、二人に歩み寄る。
「橘…ここは退け…!」

597:◇FMWmYHfUMY(代理)
08/07/31 00:38:45 ZIVAt3fkP
ゾル大佐が、視線を下に向けている橘に声をかける。
おそらく、迷いのあるこやつでは、自分と同じ轍を踏むだろう。
ならせっかく拾ってやった命、無駄されては困る。
ここは逃げ延びてもらわねばならん。そう思ったのだ。

しかし、橘は首を振る。
ゾル大佐が怒声を上げる暇も無く、勢いよく立ち上がり、後ろを向く。
その瞳は、真っ直ぐに牙王を捕らえていた。
「俺の責任は…俺自身が取る!!」
大佐を見捨てて逃げるなど、今までの自分が生み出した責任を放棄するも同義。
そんな事をするくらいなら、死んだほうがましだ。
(この男を…倒す!)
決意を胸に秘め、チェンジスタッグのカードをバックルに押し込む。
バックルの横から無数のカードが流れ出て、橘の腰に巻きつく。
一週すると、一つ一つが完全に結合し、ベルトが出現した。
体を横に向け、腰に右手を当て、左腕を斜め上に突き上げる。

「変身!!」
― TURN UP ―

掛け声とともに、右腕を前方に回転させ、左腕はガッツポーズを取る。
回転させた右腕でバックルを引き、チェンジスタッグが反転すると、オリハルコンゲートが現れた。

「うぉぉぉぉぉぉおおお!」

叫び声と共に、ゲートを潜る。
紅い装甲が体を包み、右手に銃が現れる。
顔は、決して砕けはしない意思を表した、ダイヤとクワガタをモチーフとした仮面に覆われる。
全てを食らう牙を撃ち崩すために――仮面ライダーギャレンが、走り出した。

598:◇FMWmYHfUMY(代理)
08/07/31 00:39:11 ZIVAt3fkP
  #######################


降り注ぐような銃弾を、牙王が剣で弾く。
そのまま一気に距離をつめ、袈裟懸けに切り払う。
だが、剣先は空を切り、ギャレンは牙王の視界から消える。
避けた先を突き止める前に、上からの連続する射撃に居場所を悟らされる。
飛び上がり、牙王の真後ろに着地する前に、連射で牽制をされたのだ。
ギャレンが着地する。体勢を整えるより早く、牙王が振り向きざまに剣を振るった。
右肩の装甲に直撃し、いとも簡単に切り裂かれる。

(相当の馬鹿力だな…だが!)
斬られた反動で体を回転させ、連撃を避ける。
牙王の腹に蹴りを喰らわせ、ギャレンが後ろに下がった。
だがギャレンが退いた距離よりも深く踏み込み、牙王が真上から剣を振り下ろす。
派手な土煙を上げ、剣先が地面にめり込んだ。
牙王は、今の一撃で仕留めたと思った。
だが―

「がっ!」
避けずに懐に飛び込み、装甲の薄い部分にギャレンが銃を突き刺す。
そのままゼロ距離で連射を叩き込んだ。
激しい連打の音と共に、牙王の体が折れ曲がる。
そのままの体勢でラウズカードを取り出し、勝負を決めにかかる。
しかし、牙王の右足から繰り出された蹴りが横腹に入り、中断される。



599:◇FMWmYHfUMY(代理)
08/07/31 00:39:28 ZIVAt3fkP
「調子にのるなよ!」
側転で何とか転倒を免れたギャレンに、牙王が突撃してくる。
剣を片手に持ち替え、牙王は縦・横と剣を振るが、いずれも紙一重でかわされた。
だが、そこまでは予測済み。
ギャレンが避けた方向に自由な左手でアッパー気味の拳を打ち込む。
クリーンヒット。ギャレンは体を回転させながら、宙を舞う。
「終わりだ」
牙王は腰に力を入れ、落ちたところを真っ二つに叩き斬ろうと深く構えた。

    ―Bullet―

だが、妙な電子音声と共に、先ほどよりも威力の高い銃弾に襲われた。
ギャレンも飛ばされることを予測し、カードを抜いていたのだ。
先ほどまで両手で振っていた剣を、片手で扱った理由。
それを即座に理解するのは、ギャレンにとって容易なものだった。
ノーガードだった牙王はまともに銃弾を受け、体をよろつかせる。

着地したギャレンは、一瞬で距離を詰めた。
ラウザーを腰に収め、右拳を牙王の左頬に打ち込み、そのまま振りぬく。
続けて左拳で、右拳を打つ。
往復で揺さぶられ、牙王がたたらを踏む。
そのまま追撃を加えようとするが、ギャレンの腹に衝撃が来る。
見ると、牙王の膝が腹に突き刺さっていた。ギャレンも追撃叶わず後ろにふらつく。

600:◇FMWmYHfUMY(代理)
08/07/31 00:39:46 ZIVAt3fkP
「とっとと喰われちまえよ…楽になるぜ…!」
ギャレンの耳に牙王の声が届くと同時に、牙王の激しい連撃が来る。
右・上・斜め上・左・右・下。
型も何もなく、ただ力任せに、鋭く振り回される。
まるで一種の暴風のように、牙王はギャレンを押し込んでいた。
銃で受けるか避けるかを繰り返すギャレンを、牙王は容赦なく追い詰める。

「とどめだ!」
隙を見せたところに、牙王が渾身の力を込めて剣を振る。

  ―UPPER―

またもや、電子音声と同時に牙王は不意を喰らう。
防戦一方に見せかけ、大振りの一撃がくるのをギャレンは待っていた。
膝蹴りを受けた直後に抜いたカードを用意して。

顎にまともに入った一撃は、牙王を無様に吹き飛ばした。
空中で受身を取り、牙王は下を見やる。
     ―DROP―
一つ目のカードがスラッシュされる。
ギャレンはまだカードを用意している。牙王は、相手が勝負を決めるつもりだと悟る。
     ―FIRE―
二つ目のカードがスラッシュされる。
持っていたガオウガッシャーを投げ飛ばし妨害するが、いとも簡単に避けられる。
     ―GEMINI―
三つ目のカードがスラッシュされる。
牙王が着地し、先ほど投げたガオウガッシャーを拾うと同時に振りぬくが、ギャレンは後方に飛び去り、避けると同時に距離を取った。



601:◇FMWmYHfUMY(代理)
08/07/31 00:40:13 ZIVAt3fkP

     ―BURNING DIVIDE―

カードコンボ発生。
カードの紋章が背後に浮かび上がり、ギャレンに飛び込んでゆく。
同時に足のつま先に火がともり、ギャレンは跳躍する。
「おおおおおおおおおおおお!!」
牙王は太陽を背に、飛び込んでくるギャレンが、二人に増えたように見えた。
だが、錯覚ではなかった。ギャレンは、確かに分身していた。

「大佐ぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああ!!!」

自分の責任を、全て自分で負うという証。
心に再び灯った、消して過ちを繰り返さないという、志しを秘めた炎。
そして散り行く運命であろう者に贈る、魂の叫び。
全てを込めた全身全霊の蹴りは、牙王を遥か遠くに吹き飛ばした。

その、餞と呼ぶには余りにも荒々しい一連の所業は――

    「よくやった、橘…」

――確かに、伝わった。


   #################

602:◇FMWmYHfUMY(代理)
08/07/31 00:40:31 ZIVAt3fkP

変身を解き、まだ息のあるゾル大佐に、橘は駆け寄った。

「大佐…俺は…」
「もう、何も言うな」
ゾル大佐は、少しずつ血の気が無くなっていく顔で言った。
相当つらいはずだが、そんな素振りは一切見せない。
改めて、凄い男だと橘は思う。
もし自分があんな勘違いをしていなければ、こんなことにはならなかっただろう。
そう思うと、とても胸が痛い。
「橘よ…一つ、頼みがある…」
ゾル大佐が途切れ途切れで言葉を紡ぐ。
もう長くはないのだろう。橘は、必死に聞き届けようと、耳を傾ける。
「あぁ…なんだ、大佐」
「死神博士、という男に…伝言を、頼む」
そう言うと、ゾル大佐は深く息を吸い込む。
橘は、自分が酷い顔をしているのを自覚しつつ、懸命に大佐の一挙一動を見守る。

「ショッカーを…後を、任せた。そう伝えてくれ」

橘は、何度も頷く。嗚咽で声が出せそうにないため、そうするより他になかった。
それを見て、ゾル大佐は満足そうに微笑を漏らす。
そして、突然立ち上がる。

「大佐!無理はよせ!」
橘が静止するが、ゾル大佐は意に介さない。

603:◇FMWmYHfUMY(代理)
08/07/31 00:40:48 ZIVAt3fkP
最後の力を振り絞り、地面をしっかり踏みしめて歩く。
「このまま朽ちて死ぬのは御免であるからな…最後は、美事に散らせてくれ」
言葉の指す意味は理解出来なかったが、何か拘りがあるのだろう。
橘は溢れる涙をぬぐい、しっかりとゾル大佐を見つめる。
ゾル大佐もまた振り返り、橘を見つめ返す。

ゾル大佐は足を綺麗に揃え、両手をしっかり腰に当て、橘に向かって叫ぶ。
「橘!回れ、右!」
橘は突然の事に目を丸くするが、すぐに顔を引き締め、言われたとおり、後ろを向く。
「そのまま、進め!決して振り返るな!」
命令通り、歩き始める。道中、置きっぱなしだったデイパックを拾いながら。
その時、大佐の分が無かったと気付いたのは、後になってからだった。
無言で橘は、前だけを見て歩く。
後ろで、大佐が敬礼をしているのは、何故だか気づいていた。


橘が見えなくなった瞬間、ゾル大佐は崩れ落ちる。
足に力が入らない。体の力が抜けていき、死期を悟る。
(ふん…自分の誇りを守るためとはいえ、少々らしくなかったな…)
絶対に生き残るつもりだったのだが、部下を守るためとはいえ命を落としてしまうとは。
自分もどうやらその程度の男だったらしい。
だが、何故だかゾル大佐の心は充実感で溢れていた。
死ぬ直前にこんな思いが出来るのは、ある意味幸福なのかもしれない。
ゾル大佐は、膝をついたまま、両手を大きく空に広げた。

「ショッカー軍団、バンザァァァァイ!!」

叫ぶと同時に内部から火花が一際大きく散り、大爆発を引き起こした。
その轟音は青空に響き渡り、彼が命を捧げた、地獄の軍団まで届いたように思えた。

604:◇FMWmYHfUMY(代理)
08/07/31 00:41:07 ZIVAt3fkP

 #######################


橘は、ゾル大佐と来た道を、今までの自分を振り返りながら、進んでいた。
償いなんて言えないかも知れない。だが、大佐の分まで絶対に生き延びる。
そう心に決め、橘は歩き続ける。
後ろで何かが聞こえた気がしたが、決して振り返らなかった。




【ゾル大佐@仮面ライダー(初代) 死亡】

605:◇FMWmYHfUMY(代理)
08/07/31 00:41:23 ZIVAt3fkP
【橘朔也@仮面ライダー剣】
【1日目 現時刻:午前】
【現在地:E-4エリア南部から移動中】
【時間軸】:Missing Ace世界(スパイダーUD封印直後)
【状態】:悲しみ。顔・背中・腹部に打撲。 ギャレンに2時間変身不能。生きる決意
【装備】:ギャレンバックル
【道具】:基本支給品一式、ラウズカード(スペードJ、ダイヤ1~6、9)、レトルトカレー、特殊支給品×?
【思考・状況】
基本行動方針:主催者を打倒する為、勝ち残る。
1:とりあえず市街地から離れる?
2:ゾル大佐への責任を取る。
3:死神博士にゾル大佐の遺言を伝える。
備考
※自分の勘違いを見直しました。仮想現実と考えるのはやめることにしています。
※牙王の生死を確認していませんが、死んだものと考えてます。

606:◇FMWmYHfUMY(代理)
08/07/31 00:41:38 ZIVAt3fkP

   #####################



全身に感じる倦怠感を無視し、牙王は歩いていた。
何もないところでただ黙っているより、歩いているほうが気が紛れるからだ。
ただ黙って過ごすのは一度経験している。
あれではむしろ判断力が悪くなるだけだと判断し、牙王は痛む体に鞭を打ち進んでいた。

あの時、紅いライダーが放った蹴りをガオウガッシャーで防いだはいいが、衝撃に耐え切れず折れてしまっていた。
さらに、貫通してきた脚は胸の装甲に接触すると、見事にそこを砕き、ダメージを深刻なものとした。
剣も装甲もどうせ次変身するときには直っているのだからどうでもいい。
だが、あそこまでやられるとは予想外だった。
この様子だと、骨の一本や二本は持っていかれてるのかも知れない。
「あいつ、まさか…」

ゼロ距離で撃ったときも、空中から集中射撃を行ったときも、全て同じ部分に当たっていた。
最後の蹴りも、恐らくそこにぶち当たったのだろう。
狙ってやったとしたら、恐ろしい腕前だ。

607:◇FMWmYHfUMY(代理)
08/07/31 00:41:52 ZIVAt3fkP
「…面白い。次は必ず殺してやる…」
重い体を引きずり、牙王は呟く。
あの狼は恐らく仕留めたが、紅いヤツにはしてやられた。
橘と呼ばれていたその男の、顔と名前をしっかりと頭に刻み込む。
また機会があれば、今度こそ喰らうつもりでかかる。

二つ分の荷物を握り締める。
あの時、飛ばされた方向に、橘とゾル大佐が置いていたデイパックがあった。
装甲に持ち手が絡め取られ、その内の一つが偶然ついて来たのだ。
荷物が増えるのは億劫だが、中にある食料は大して消費されていない。
どうせだからと貰って行き、ただ思うままに牙王は進む。
行くあてもなく、それでいいとさえ思いつつ。

608:◇FMWmYHfUMY(代理)
08/07/31 00:42:10 ZIVAt3fkP

【牙王@仮面ライダー電王】
【1日目 現時刻: 朝】
【現在地:D-4エリア北部】
【時間軸】:最終決戦前。
【状態】:全身打撲、疲労、あばら一本骨折、ガオウに2時間変身不可。
【装備】:ガオウベルト
【道具】:マスターパス、基本支給品一式×2、ランダム支給品1~3(未確認)、リュウガのデッキ、コンビニから持ってきた大量の飲食料(少量消費)、特殊支給品×?
【思考・状況】
基本行動方針:全て喰らい尽くした上で優勝
1:適当に歩き回り、参加者を喰らう。最終的にゴルゴス、死神、影山も喰う。
2:一文字、ハナ、加賀美新、風間大介、天道総司を倒したと思われる参加者を喰らう
3:機会があれば煩わしい首輪を外す。
4:ガオウライナーを取り戻して村上も喰う。
5:紅いライダー(ギャレン)にまた会った時に借りを返す。
※会場のどこかに時の列車(予想ではガオウライナー)が隠されていると推測しています。
※何処へ向かうかは次の人にお任せします。
※木場の生存には未だ気づいていません
※ゾル大佐のデイパックを偶然奪いました。



※ゾル大佐の遺体は跡形も無くなりました。爆心地に首輪ぐらいは残っているかも知れません。



609:◇FMWmYHfUMY(代理)
08/07/31 00:42:55 ZIVAt3fkP
627 : ◆FMWmYHfUMY :sage :2008/07/31(木) 00:40:48 ID:???
長くなりましたが、これで投下終了です。
規制で書き込めなくなったので、こちらに投下させて頂きました。
支援・代理投下感謝します!お疲れ様でした!
感想や指摘、お待ちしております!

628 : ◆FMWmYHfUMY :sage :2008/07/31(木) 00:41:21 ID:???
あ、タイトル忘れてた…
「牙と軍人と輝く青年」でお願いしますorz

----
以上で代理投下終了です。

610:名無しより愛をこめて
08/07/31 01:18:13 0wQ8Vl7gO
ゾルさん…死んでまったがね…

611:名無しより愛をこめて
08/07/31 10:32:31 Hj0Q7ul+0
あーん!ゾル様が死んだー!(ry

…不遇すぎる。あまりにも不遇すぎる。

612:名無しより愛をこめて
08/07/31 11:20:53 zsyGWj0m0
投下乙&GJ!
ゾル大佐のかっこよさに全俺が泣いた!!
橘さんも気付いてくれて安心…は、まだ出来ないけどw

613:名無しより愛をこめて
08/07/31 11:21:10 mRIaoCFT0
投下乙です!

橘さん覚醒キター!強敵牙王を撃退してかっこよかったです!
それと同じ位ゾル大佐もかっこよかった…軍人魂を見た!
橘さんはこれからどう動くのか、遺言通りに死神博士を探すのか?
牙王様もまだまだ元気ですし、気が抜けませんね。
燃えました、GJです!次の作品も楽しみにしてます!

614:名無しより愛をこめて
08/07/31 12:31:01 H3H8lGfU0
投下&仮投下乙です。
ゾル大佐の死に様に敬礼!
覚醒、バーニング、ショッカーへの忠誠を叫んで散り逝くゾル大佐、振り返らず進む橘さん、
全てが燃えました。かっこよかった。GJ!です。



615:名無しより愛をこめて
08/07/31 18:30:26 tPuLL2kq0
投下乙!
輝いている橘さんに見事な死に様のゾル大佐。
両者のキャラへの愛が溢れて、とても燃えました。
GJ!

616:小さなもの  ◆.dVdJr06fs
08/07/31 20:03:52 g4Pxov4Z0
初めてでよく分かりませんがここに投下していいんですよね?

「これは酷い・・・」
二人の目に映るのは荒れ果てた工場。闘いでも繰り広げられたのか見る影もない。
激しく損傷した作業機械は屑鉄と化していた。
「こんなところに本当に望む物があるのかね?」
乃木はつまらなさそうにそれら残骸を蹴散らして工場内を歩いている。
「まあ、もう少し見てみませんと」
よく見ると床には注射器などが所々に散乱している。この工場では医療用器具を製造していたのだろうか?
「・・・これは!」
北條は慌てて瓦礫を掻き分けて潰れたダンボール箱を引っ張り出した。
それは先ほども研究所で見たシリンジポンプのものだ。

617:小さなもの  ◆.dVdJr06fs
08/07/31 20:04:30 g4Pxov4Z0
中に残されていたのは一つの見慣れないとても小さな器具。
注射器が付いているようにも見えるがとにかくやたらと小さい。片手で隠すことさえ可能なほどだ。
「これが・・・そうですか・・・」
「何か分かったのか?」
「まだ推測の域を出ません。決め手に欠けますね・・・」
北條はダンボールを引っ掻き回して一冊のパンフレットを見つける。
「それは?」
「資料としては使えるかもしれませんね」
シリンジポンプについてのパンフレットを真剣に見つめて考察を進める北條。
乃木はその様子を差すような眼差しで見つめていた。

【乃木怜治@仮面ライダーカブト】
【1日目 昼】
【現在地:A-6 工場】
[時間軸]:43話・サソードに勝利後(カッシスワーム・グラディウス)
[状態]:健康。
[装備]:カードデッキ(王蛇)
[道具]: 携帯電話、その他基本支給品×3(乃木、イブキ、結花)、ゼクトマイザー、トランシーバーC
[思考・状況]
1:首輪解除のため、北條透と仲間の諸君をもう少し泳がせる。
2:ゲームの早期決着。
3:ZECTの諸君に関しては、早めに始末をつける。
【備考】
※ライア・ガイのデッキが健在の為、王蛇のデッキには未契約のカードが2枚存在します。
※ユナイトベントは本編3体の場合しか発動しません。
※変身にかけられた時間制限をほぼ正確に把握しました。
※天道について知っている訳では無いので、「カブトの資格者」が死んだことを知りません。


618:小さなもの  ◆.dVdJr06fs
08/07/31 20:05:53 g4Pxov4Z0
【北條透@仮面ライダーアギト】
【1日目 昼】
【現在地:A-6 工場】
[時間軸]:最終話
[状態]:精神的に疲労。 現状に関する若干の恐怖。 主催に対する多大な不安。
[装備]:なし。
[道具]:携帯電話、地図、マグライト、研究所のファイル、超小型シリンジポンプ
【思考・状況】
基本行動方針:無事に帰還し、スマートブレインを摘発する。
1:スマートブレインの危険性を懸念。
2:乃木をうまくだまくらかし、救出を待つ。
3:青い薔薇、実験道具、首輪の解析を進める。
4:長田結花を保護すべき民間人と認識。
5:友好的な参加者と合流、敵対的な参加者を警戒。
【備考】
※首輪の外見についてはほぼ正確に把握しました。ただし、肌に触れている部分を除きます。
※研究所の設備は基礎的な科学知識さえあれば扱える程度にマニュアル化されているようです。
 ただし、あくまで分析結果が自動で出るだけで所見はついてきません。
※ファイルにまとめられた実験資料には、ネズミの灰化実験に
 青いバラとケージに取り付けられた装置が関わっているという結論のみが明記されていました。
バラには灰化作用、装置にはその抑止力があるそうです。
※ファイルの内容の真偽は未確認ですが、北條はとりあえず真実であるという前提で行動しています。
※シリンジポンプが静脈注射に用いられる医療器具だと理解しました。


619:小さなもの  ◆.dVdJr06fs
08/07/31 20:07:20 g4Pxov4Z0
以上で終わります

620:名無しより愛をこめて
08/07/31 20:10:38 Hj0Q7ul+0
初書き手による予約なしの投下…
…釣りですか?


621:名無しより愛をこめて
08/07/31 20:19:18 tPuLL2kq0
>>619
何がしたいのかよく分かりません。
>>3のテンプレに則り、破棄を要請します。
異議があるなら議論スレまでお願いします。

622:名無しより愛をこめて
08/07/31 20:23:05 Hj0Q7ul+0
>>616-618の破棄を申請します。
NG要件
1:文章そのものが小説の体をなしていない(日本語として意味が通らない・台本形式等)
少なくともこれに該当するものと思われます。

議論スレのURLはこちら
URLリンク(riders.sphere.sc)



623:名無しより愛をこめて
08/07/31 21:19:45 T+aETGcc0
>>619
いい加減消えろ。
二度と来るな。

624:名無しより愛をこめて
08/07/31 21:27:16 v8fURlF70
まともな文章も書けないやつは書くな
ジャンプレーベルにでもいけ!

625:名無しより愛をこめて
08/07/31 21:39:42 OsmpSDoQ0
お前ら最低だな。一方的に荒らしと決めつけて破棄かよ。
そんなに馴れ合いしたきゃ2ちゃんから出てけよ。
短かかったら小説にならないなら将軍様に逆らって消されたあの人の作品全て消したらどうだ?

626:名無しより愛をこめて
08/07/31 21:48:41 Wzbk1/yU0
始めに言っておく。
俺は貴様らのような馬鹿ではない。
今回のロワを潰し得る重大な欠陥を知っている。
ヒントは「ハナの変身」
貴様らが態度を改めなければこのロワを潰す。
明日の朝までに心から謝罪し、以後同じ過ちを繰り返さないと誓え。

627:名無しより愛をこめて
08/08/01 00:40:35 xd0MzkMJ0
       ____
     /      \
   / ─    ─ \  「俺は貴様らのような馬鹿ではない。
  /   (●)  (●)   \ 今回のロワを潰し得る重大な欠陥を知っている。」?
  |      (__人__)    |
  \     ` ⌒´     /

       ____
     /⌒  ⌒\ ホジホジ
   /( ●)  (●)\
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \  <で?
  |    mj |ー'´      |
  \  〈__ノ       /
    ノ  ノ
    
     関・係・ないから       γ⌒))⌒) ))  関係ないから
           ヾ  __(((⌒ヽ     / ⊃__ ゞ
             /⌒  ⌒⊂_ ヽ彡 / / ⌒  ⌒\
   (⌒ミ(⌒ヽ∩/( ⌒)  (⌒) |(⌒γ⌒)( ⌒)  (⌒) \ ∩⌒)彡⌒)
       ヽ  ノ| :::⌒(__人__)⌒ ::|  彡_ノ :::⌒(__人__)⌒ 〃/ ノ
        \ \    )┬-|   / ミ  ミ    |r┬(    / / ))
    (((⌒ (((⌒ )、 ヽ_ `ー‐' ,/ / ≡ 彡 _`ー‐'  /( ⌒)ミ⌒)
        \ \ /                        / /

628:名無しより愛をこめて
08/08/01 01:23:33 Rp2rPimEO
そういやムシキングみたいに仮面ライダーもカードダスのゲームが稼働するらしい、まあバイオライダー、ハイパーカブト、555アクセルフォームが最強だろ

629:名無しより愛をこめて
08/08/01 03:31:57 EV1C4Zsu0
なついあつ

630:名無しより愛をこめて
08/08/01 08:04:04 v/s41nGp0
正義の味方で殺し合いとか見てらんない

631:名無しより愛をこめて
08/08/01 08:07:24 rRNMjjC+0
さて、貴様ら馬鹿にも分かるように丁寧に分かりやすく説明しなければならないな。

まず。将軍様の「クローズドサーキット」より
「古びた柱時計が午前五時を告げる。」とある。
この後10分間の戦闘があったからこの時点でよくても午前5時10分。
次に将軍様に追い出された書き手の「激闘の始まり」では
「クローズドサーキット」のメンバーが3~4エリア離れた場所の本郷、城戸、ダグバと
合流している。しかも午前6時の放送が始まる前にだ。
ここでの10分間の戦闘後に放送直前となったことを考えると
風間大介 ハナ 緑川あすか 日高仁志の4人は「徒歩」で「12~16km」を「30分弱」で移動したことになる。
会話して、移動車両を探しながら、時速30kmで30分間歩く一般人が存在するとでも?

632:名無しより愛をこめて
08/08/01 08:09:37 rRNMjjC+0
つまり、激闘の始まり以降リレーした作品は全て
3:前のストーリーとの間で重大な矛盾が生じてしまっている(死んだキャラが普通に登場している等)
4:作品の中に矛盾がある、時間の進行が明らかにおかしい、重要な出来事の描写がない、状態表と本文が一致しないなど、内容的な不備がある
に該当する駄作です。

633:名無しより愛をこめて
08/08/01 10:21:01 rRNMjjC+0
以上の理由から「激闘の始まり」以降の作品全てに破棄要求をします。
これ以上は議論スレでお願いします。


634: ◆deggScNisI
08/08/01 10:24:07 24sl784a0
本当に遅くなって申し訳ない…

風見志郎、加賀美新、ゴ・バダー・バ 投下します

635:キックの鬼 ◆deggScNisI
08/08/01 10:26:32 24sl784a0
駅ホームから立ち上がる煙を背に風見は歩く。その後ろを加賀美が追う。
二人の間に会話は無く、カツカツと歩く音だけが流れていく。
お互い会話をまったくしたくない、というわけではない。
加賀美は風見の気がほんの少しでも変われば、そう思えば言葉を交わしたい。
言葉だけで変わるとは思えないが、それでもやれる事はやりたかった。だが切っ掛けが無い。
風見は加賀美の持つ知りえる情報はできれば手に入れたい。多すぎて困るという事はないのだから。
だが下手な言葉を交わせば情が湧くのは間違いない。情報だけ手に入るような、そんな切っ掛けが欲しい。

それでも尚、会話が無いのはお互いが会話を切望してはいないからだ。
加賀美は会話が無くとも行動して示すつもりだし風見も情報が手に入らなくとも構わないと考えていた。
結果的に男二人は無言で歩く。風見が先を行き、加賀美がその後を追って…

636:キックの鬼 ◆deggScNisI
08/08/01 10:27:40 24sl784a0
駅から抜け、辺りに密集する建物の路地裏へと風見は入っていく。

「…なんだこれ」

後を追って路地裏に入り込んだ加賀美が目にした赤い、何か。

「見て分かりませんか?これは…」

加賀美の疑問に答えるように風見は赤い何かをチラッと見てから振り向き…

「バイクです」
「これがバイクかよ…」

トカゲか何かを模したボディに大きな翼。そして全身を包む朱色。二つのタイヤがかろうじてバイクという事を証明している。
風見は駅襲撃の際に赤きバイク、ジャングラーを路地裏に隠していた。
キーを差し込み、捻る。主の帰還を祝うかのようにジャングラーの緑の目がボウッと光る。

637:キックの鬼 ◆deggScNisI
08/08/01 10:29:21 24sl784a0
路地裏から抜け、さっそくジャングラーに跨ろうとする風見を加賀美が制する。

「なんのつもりですか?」
「俺には足がない。バイクで逃げられたら俺には追う手段がないからな…」

キッと睨んでいた風見は明らかに嫌味な笑顔で―

「後ろに乗ればいいじゃないですか」

それに対し加賀美は巨大なリアウイングを指差し―

「乗れると思うか?乗れると!」

ムッとした表情のまま加賀美は右ハンドルを掴む。
風見は肩をすくめ、左ハンドルを掴み、ジャングラーを二人で押す形で歩き出す。

「案外できるんじゃないですか?」
「…風間が強引に逃げるつもりなら俺も強引に乗り込むだろうけどな」

はぁ、と軽いため息が一つ漏れる。

「…馬鹿ですね」
「あぁ、俺は馬鹿だ」

ゆっくりとした動きでジャングラーは動いていく。

          *   *   *

638:名無しより愛をこめて
08/08/01 10:31:38 DuncU2za0



639:キックの鬼 ◆deggScNisI
08/08/01 10:31:52 24sl784a0
再び会話が途切れるがそれもほんのつかの間の事。

「しかし、変わったバイクだよな。マシンゼクトロンっぽい面影はあるけど…」

少なくとも無視される事はないと踏んだ加賀美はジャングラーを手掛かりに言葉を続ける。
決して無駄な行為では無いと自分に言い聞かせながら。
しかし風見は特に反応する事も無く黙々と歩くのみ。
それに気分を悪くしている場合ではない、ここで再び途切れてしまうと次にいつチャンスが訪れるか、そもそも次があるかどうかも怪しい。

「パッと見だとバイクっていうよりは大きなゼクターだよな、これ」
「…ゼクター?」

風見がようやく加賀美へと顔を向ける。先ほどのマシンゼクトロンは話し方からバイクだろう、ではゼクターとは?そんな好奇心で。

「あぁ。まぁ何ゼクターかって聞かれたら答えづらいけど…」

無言で風見は話を聞くがゼクターの謎は解けない。ゼクターとは何だ?まぁ知らなくても問題はなさそうだが。
ゼクター…と風見が小声で呟くとカションカションと独特の音を鳴らして機械のバッタがどこからか現れ、風見の肩に乗り移る。
どういうわけかわからないが力となってくれているこのバッタ。このバッタがもしや加賀美の言うゼクターなのだろうか?

風見がホッパーゼクターを見つめゼクター、と呟くとホッパーゼクターはそれに答えるかのようにカションと音を鳴らした。

「風間…そのゼクターは何だ?ドレイクゼクターはどうしたんだよ?」

加賀美が驚きの表情で風見を見つめる。
どうやら『風間』はドレイクゼクターという物を使うらしい、とりあえずは風見は話を合わせる。

「ドレイクゼクターは何故かありませんでした。代わりに支給されたのがこの…」

とりあえず加賀美はこのゼクターの事を知らないらしい、とすれば仮に名前が違っていても問題はないはず。

640:名無しより愛をこめて
08/08/01 10:32:36 DuncU2za0



641:キックの鬼 ◆deggScNisI
08/08/01 10:33:54 24sl784a0
バッタ、そのイメージで思い浮かぶ名前は一つしかない。

「ホッパーゼクターです」

ホッパー。本郷猛、一文字隼人…そして自分。バッタをモチーフにした改造人間達の総称。
同じバッタの姿をしたこの機械にホッパーの名を付けるのは悪い気分ではない。
ホッパーゼクターもその名を気に入ったのか肩の上で跳ねている。

「しかし、何だって風間には支給しなかったんだ?俺にはちゃんと支給されていたのに」
「…貴方には支給されたのですか?貴方のゼクターが」

加賀美がゼクターを使う保障はないが、今までの流れから考えれば使うと判断するのが妥当だろう。
仮に違っていてもどうとでも誤魔化せる。

「あぁ、ガタックゼクターがちゃんと支給された。にしても、妙だよな。なんで風間にだけ」
「他の参加者に支給されていればいいのですが…」
「仮に他の参加者に支給したとしても、意味があるのか?」

歩みを止め、お互いに見合わせる。

「他の参加者に支給しても、無意味と言いたいのですか?」
「だってそうだろ?ゼクターに選ばれない限り変身する事はできないんだ。それに風間がこうして目の前にいるって事は
 仮にドレイクゼクターが他の参加者に支給されたとしても選ばれる事はまず、ないと思う」
「…つまり例外があるのですか?」
「あぁ、ゼクターが見限って、別の資格者を選ぶ可能性はある」

現にザビーゼクターは矢車、自分、影山と転々と移っていった。他のゼクターにも当てはまるのか確証はないが可能性はあるだろう。

642:名無しより愛をこめて
08/08/01 10:34:57 DuncU2za0



643:キックの鬼 ◆deggScNisI
08/08/01 10:36:02 24sl784a0
(お前も…俺以外を選んだりするのか?)

加賀美はそっとベルトに触れ、心の中でガタックゼクターに問いかける。
その声が聞こえたのだろうか?ガタックゼクターが空から飛来し、加賀美の肩に止まる。
ガチガチとハサミを開閉する仕草は何かを語りかけているようにも見えた。

風見は加賀美の肩に止まるガタックゼクターと腰に巻かれた銀のベルトを交互に見る。

(ゼクターは多少条件があるが、誰でも使えるというわけか…)

奪う事ができればもしかしたら自分にも使うことができるかもしれない、そう考えて。
しかし今の自分の状態はお世辞にも良いとは言えない。ナノマシンが身体の修復を進めてはいるがその動きは異状に遅い。
それになにより、加賀美に手を掛ける時は決着を付ける時だ。今はどう考えてもその時では無い―

ふと何かが気になり加賀美のベルトを凝視する。細部は違うがほぼ同じ物をほんの少し前に見た、気がする。
ロータリーで対峙した…あの少年のベルトだ。そういえばカブト虫のような物を用いて変身していた。
あれもやはりゼクターの一種なのだろうか?確認してみるのも悪くはないかもしれない。

「そういえば…先ほどカブトを見ましたね」
「…嘘だろ?」
「嘘、とは?」

風見が加賀美の顔を見ると…驚いてますと張り紙を張るよりも判りやすい驚きの表情を浮かべていた。

「だって、天道は…死んだって…」
「そういえば、そうでしたね」

風見は天道の事等知りはしない。だが今は話に付き合って、悲しい顔を浮かべてやる。

644:名無しより愛をこめて
08/08/01 10:37:28 DuncU2za0



645:キックの鬼 ◆deggScNisI
08/08/01 10:38:13 24sl784a0
加賀美の方を見て見ると必死に何かを考えているようだった。

「どうしたんですか?」
「カブトはいる、天道は死んでいる。誰でも変身できるよう細工されて、天道にはカブトゼクターが支給されなかった?
 それとも、天道は実は生きているとか?」
「天道が負け、カブトゼクターを誰かに奪われた…そう考えるのが一番自然だとは思いますが?」

首を横に振り加賀美は風見の言葉を否定する。

「天道が、カブトが負けるなんて考えられない。それこそカブトゼクターが支給されなかったとか…
 或いは突然不意打ちを…いや、それもヒョイって避けそうだよな、あいつは」
「そんなに天道はすごかったのですか?」

今度は力強く縦に振り肯定する。風見の小さなため息を皮切りに加賀美は語りだす。

「あいつは悔しいけどすごい奴だ。何でも全部自分の思い通りになるって考えてて、実際そうなって、というかそうさせる奴で。
 正直天道が死んだなんて信じられないし、風間が見たカブトが実は天道なんじゃって、そんな考えさえ浮かんじまうくらい…」

でも天道は死んだ、と風見は心の中で呟く。あくまで想像だが、天道は見せしめに近い方法で殺されたのではないか?
天道を知る者に、これ以上は無いと思えるほどの絶望の種を植えるために。
もしも仮に天道が本当は生きていながら死んだと放送されたならば、それはつまるところ天道は主催者に早々にして勝ったと言えるだろう。
そんな危険な人物を参加させるだろうか?有り得る筈は無い。天道は主催者に勝ることは決して無く、どのような形であれ負けたのだ。
放送で嘘を吐く必要も無いだろう。全てが真実であり、そうでなければ…戦う意味が無い。
例えどこまで疑惑に溢れようとも、それが真実と妄信し優勝する。それが自分がちはるにできる、唯一の事なのだから。

646:名無しより愛をこめて
08/08/01 10:40:03 DuncU2za0



647:キックの鬼 ◆deggScNisI
08/08/01 10:40:30 24sl784a0
そう、全てが真実で…放送も全てが真実、それなら…

―間違っても首輪を外してあげよう、なんて考えちゃ……だめですよ―

何故放送であのような事を言うのか?調べられたらまずいのか?外そうと思えば、外せるのか?この首輪は。
いや、既にいるのだ。外そうと考える参加者が、この戦いから脱出する為の第一歩を踏み出そうとする者が。
そうでなければわざわざ放送で首輪の事を話したりはしないはず。
もしも脱出者が出た場合…この戦いはどうなるのだ?逃げ出しちゃった人はいますが気にせず頑張りましょう、とでもなるのか?
続行か、中断か?その時になってみなければ分からない事だ。だが、もしも優勝の保障がされなくなった場合、自分は…ただの道化だ。
その可能性がほんの少しでもあるのならば…少しでも不安を感じるなら―

「風間、何をするつもりだ!」

風見はジャングラーに跨り、右ハンドルを握る加賀美の手をどかそうと力を入れる。

「放しなさい」
「どうしたんだ急に!訳を言え!」
「訳を言った所で放すつもりはないのでしょう?素直に放さないのであれば…」

デイパックから取り出されたデンガッシャーを加賀美の首筋に当てる。
つーっと垂れる血が加賀美の思考を加速させていく。

648:名無しより愛をこめて
08/08/01 10:41:34 DuncU2za0



649:キックの鬼 ◆deggScNisI
08/08/01 10:42:31 24sl784a0
どういう訳か見当もつかないが風間は何か焦るようにどこかを目指そうとしている。
その先に待つのは間違いなく、戦い。なんとしても止めなくてはならない。
バイクをあえて解放し、ガタックに変身して力ずくで押さえつける、これが一番確実かもしれない。
だが制限があるらしいこの状況下で簡単に変身していくのはまずいという予感がある。何か別の手段は…

悩む加賀美の耳にガタンゴトンと聞きなれた音が聞こえてくる。
その音の正体にすぐにピンとくる―

「そうだ、どこかに向かうっていうなら電車を利用するのはどうだ?
 風間だって多少なりとも疲れてるんだろう?バイクだと常に周りに気を配りながらでないと移動はできない!
 その点電車での移動なら休みながら確実に移動できるはずだ!」
「結局の所、あなたが私から離れたくないからでしょう?」
「あぁそうだよ!悪いか!お前が戦うっていうなら、俺は絶対に止めてみせる!」

しばらく睨み合いが続いたが、やがて風見の方が折れジャングラーから降りる。

「…止められませんよ、あなたには」

そんな言葉を呟いて、風見は加賀美と共に駅へと引き返していく―

          *   *   *

650:名無しより愛をこめて
08/08/01 10:44:51 DuncU2za0



651:◇deggScNisI(代理)
08/08/01 11:10:54 DuncU2za0
「いや、風間さ」

駅内部に戻り、デネブの眠る場所をなんとも言えぬ表情で通り過ぎ、ホームで電車を待って数十分。
ようやく来た電車に乗り込む加賀美と風間と、ジャングラー。

「…何か?」
「…何でも無い」

貴重な移動手段なのだから手放すわけにはいかないのはわかるが、電車の中にバイクというのは違和感丸出しだ。
ジャングラーを固定させると風見は手すりに寄りかかり、じっと目をつぶる。
加賀美も風見とさほど離れていない座席に腰を下ろし、一息つく。
簡素なメロディーが流れ終わるとドアが閉まり、電車はゆっくりと動き出す。
二人が乗り込んだのは大学方面へと北上していく路線。
加賀美はてっきり人が集まりそうなショッピングセンターを目指すものと考えていたからこれには面食らった。

(風間の奴…何考えてるんだ?)

目を閉じ、電車の揺れに身を任せる風見の顔からは何もわからない。
やはり何か間違えてしまったのではないか、強引にでもやはり止めるべきだったのでは?


652:◇deggScNisI(代理)
08/08/01 11:11:39 DuncU2za0
顔を落とす加賀美の目にふと、ジャングラーが目に入る。

(鍵、差しっぱなしじゃないか…)

再び風見の顔を見る。じっと目をつむるその姿は寝ているようにも見える。

(悪く思うなよ…)

音を立てないようにゆっくりと立ち上がり、差し込まれたままの鍵を引き抜き、懐に仕舞いこむ。
これで少なくともジャングラーを自由に扱う事はできないはずだ。罪悪感が加賀美を襲うが、手段は選んでいられない。
風見は気付く様子も無く目をつぶったままだ。

(で、結局風間はどこに向かうつもりなんだ?)

座り込んだ加賀美はこの電車の行く先をぼんやりと案じていた―


653:◇deggScNisI(代理)
08/08/01 11:12:32 DuncU2za0
*   *   *

バダーは畦道を走らせながら唇をゆがませる。
さきほどの男といいこのバイクの元々の持ち主といい…獲物に対して困る事はなさそうだ。
そしてその獲物はどれも、強い。一筋縄ではいかない相手なだけに轢き殺せた時の快感は想像するだけで身震いする。
他にはいないのか?他の獲物は。もっともっとと子供が親にせがむ様に、純粋にバダーは獲物を求めてバイクを走らせる。

ある程度走らせると整備された道路が目に入る。道路に進入していくと徐々にハリケーンが本来の速度を取り戻していく。
自由に走り回るハリケーン。自分の愛用のバイクであるバギブソンとは違う新鮮さがそこにはあった。
道沿いにずっと進んでいくと少しずつ人工的な建物が増え、施設が近い事を悟る。
少し速度を落とし、地図を確認しながら進んでいく。途中で男の死体を見かけたがデイパックも近くになさそうなので大した価値は無いと判断し、先を進む。
しばらく走らせると目的の場所を探し当てる事ができた。やれる内にやっておくべきなのだ、こういうことは。
コインをピンと弾きながら、バダーはハリケーンに給油する。少しずつハリケーンに生気が戻っていく、そんな錯覚さえ覚えてしまう。

給油を終え、次の行き先を考えていたバダーに僅かながら聞こえる駆動音。

「でんしゃ、か」

ハリケーンに跨り、駅へと走り出す。電車はここまで来る途中にも走る様子は見てきたし珍しいとは思わない。
だがマップにも載っている様な大型の駅周辺になら或いは獲物がいるのではないか?そんな期待を込めてバダーはハリケーンを走らせた。



654:◇deggScNisI(代理)
08/08/01 11:13:10 DuncU2za0
しかしほんの少しだけ、遅れた。駅に近づいた時には既に電車は動き始めていた。
チッ、と舌打ちし目を凝らす。もし乗客がいるのならば或いは見つけることができるかもしれない。
しかし駅から動き出す電車は北上する物と南下する物の二つ。それらを交互に見やるのだ。とても細部までは見ていられない。
だがかろうじて、北上する路線の電車に人影が見えた、そんな気はした。だが北上する道は元来た道を戻る事になり、新たな獲物を見つられる可能性は低い。
期待できるのは電車に乗り込んでいる、かもしれない獲物に少し前に対峙したのほほんとした男くらいだろう。
だが、南下した所で新たな獲物を見つけられる保障も無い、それならば。

実際の所はバダーはそこまで考える前に既にハリケーンを北上する電車へと向けていた。
獲物らしき者がいるのならば、そちらを追う。
獰猛な狩人はもしかしたら匂いを感じたのかもしれない、獲物の匂いを。


加速していく電車に追いつき、並走する。品定めするかのようにゆっくりと電車の様子を窺う。
後ろから一両ずつ、順々に。ほとんど前を見ないでも安定した走りが可能なのはやはりバダーだから、と言うしかないのかもしれない。
そして遂に見つける。ドアの窓からほんの少しだけ見える獲物の影。
獲物を見つけたのならば、後は捉えるだけだ。バダーは加速し、電車を追い越していく。
少し前に通った道だ。何があるかは当然記憶している。バダーは目当ての場所で右折し、止まる。
カンカンカンカンという音と赤い光が点灯し、遮断機が下りてくる。踏み切り、だ。
エンジンを唸らせタイミングを窺う。まだ遠い、あと少しあと少し。驚くほどの集中力で、バダーはその時を待つ。



ハリケーンを急発進させ、赤いマフラーを棚引かせ、踏み切りへと加速していく。
踏み切り内に電車が入り、通過していく。バダーは構わず加速し、飛び上がる―

          *   *   *


655:◇deggScNisI(代理)
08/08/01 11:13:43 DuncU2za0
突然の轟音に風見と加賀美は驚き、招かれざる侵入者を睨みつける。
ハリケーンの突撃によって開かれた大穴から風が容赦なく入り込み、バダーのマフラーをバサバサと揺らした。

「何だ、お前は…」
「そのバイクは…!」

加賀美は非常識すぎる乗り込みをしてきたバダーを警戒し、風見は自分の愛車が目の前にあるという事実に驚いていた。

「ほう、またあったな」

バダーは久々の再会に胸を躍らせる。
本来なら彼らは初対面である。だが加賀美が風間と風見を勘違いしたように、バダーも同じように勘違いしていた。

「そのバイクは私の物です。返してもらいますよ」
「ふん、やってみろ」

会話が成立していたのは勘違いしていたにしては、出来すぎだが。
バダーはハリケーンのエンジンを吹かし、ジャングラーの存在に気付く。

「…それは、バイクか」
「これも、私の「これは俺のだ!」…はい?」

風見の返答を遮り加賀美が前に出る。右手にジャングラーの鍵を持って。

「いつの間に…」
「悪い、ちょっと借りる」
「ふたりか…こうつごう、だ」

話は終わりだ、と告げるかのようにバダーはハリケーンを走らせる。

656:◇deggScNisI(代理)
08/08/01 11:20:13 n7DexNED0
狭い車内を破壊するほどの轟音と共にバダーが二人に迫る。
加賀美はジャングラーを起動させ立ち向かう。
二台のバイクが通れるスペース等車内にあるわけ…厳密に言えば無くは無かったがジャングラーでは無理な相談であった。
ハリケーンとジャングラーが衝突し、ギリギリと鍔迫り合いのように押し合う。
バダーが前輪を持ち上げ、仕掛けてくるが加賀美もそれに合わせるように前輪を持ち上げ対抗する。
空中で前輪同士がぶつかり合い、火花を散らした。
らちが明かないと判断した加賀美はジャングラーを加速させる為に少しだけ引くがそこをバダーに衝かれた。
前輪を支点にハリケーンを半回転させ、後輪でジャングラー共々加賀美を弾き飛ばす。

「いっつ!」

ジャングラーから弾き飛ばされた加賀美は座席の手すりに頭をぶつけ呻く。
バダーが加賀美を押し潰そうとハリケーンの矛先を向けるが、その眼前に風見のとび蹴りが炸裂する。
不意をつかれ、バダーは思わずハンドルを放し床に転がる。
変身していないのにライダー顔負けのキックを放った風見はそのままハリケーンに跨り、発進させる。

「ま、待つんだ!風間!」

加賀美が頭を抑えながら立ち上がり、風間を止めようとする。

「言ったでしょう。あなたには私は止められない、と」

風間は大穴を利用し、バダーが入ってきたのと同じように車内から抜け出す。
着地した際に生じた強い衝撃を凌ぎ、走り続ける電車を見つめる。

657:◇deggScNisI(代理)
08/08/01 11:21:07 n7DexNED0
開けられた大穴から加賀美が身を乗り出し、何か叫んでいるが電車はお構いなしに進んでいき、結局何と叫んでいたのか風見には分からなかった。

「さて…」

携帯を取り出し自分の現在位置を確認する。どうやらC-9にいるようだ。
悩み所かもしれない。
風見は脱出派の意図をつぶすつもりで研究所を目指す事にしていた。施設さえ破壊すれば首輪を解除するのはより困難になるはずだから。
だがそれも加賀美の協力があっての事。協力してくれるかどうかは微妙だったが少なくとも戦闘になれば戦力になるだろう、と期待はしていた。
その協力が得られない状況で単身研究所に侵入し、破壊できるだろうか?
放送の口ぶりから考えると、研究所内で首輪の解析をしている者は間違いなくいるはず。
返り討ちに遭う可能性は有り得る。だが研究所襲撃を遅らせると無駄に敵を研究所に集めてしまう事になるかもしれない。
様子を見るべきか、一気に突入すべきだろうか?
久々に味わう愛車の上で風見は一人、決断を迫られていた。

658:◇deggScNisI(代理)
08/08/01 11:21:33 n7DexNED0
【風見志郎@仮面ライダーTHE NEXT】
【1日目 昼】
【現在地:C-9 】
【時間軸:】THE NEXT中盤・CHIHARU失踪の真実を知った直後
【状態】: 疲労回復、全身打撲、中。両腕、腹部にダメージ大。
【装備】:ハリケーン 、ホッパーゼクター+ゼクトバックルB、デンガッシャー
【道具】:不明支給品(未確認)0~3。基本支給品×2セット、ピンクの腕時計、FOX-7+起爆装置(残り4)
【思考・状況】
1:殺し合いに勝ち残り、優勝してちはるに普通の生を送らせる。
2:ショッカーに対する忠誠心への揺らぎ。
3:葦原涼が死んでいなかったことに驚きと僅かな安堵。
4:研究所施設を破壊し、脱出派の意図をつぶす or 破壊は後回しにし、様子見にする。
5:いずれあの男(加賀美)と決着を付ける。
【備考】
※モモタロスの死を受け止め、何か複雑な心境です。
※ホッパーゼクターを扱えます。
※FOX-7は基本的に、起爆装置を使った時にのみ爆発します。爆発の規模は使った量に比例します。
 起爆装置は全携帯が内蔵している専用アプリに起爆装置のコードを打ち込んで操作するもの。
 スイッチ式と時限式の両方の使い方ができます。

          *   *   *

659:◇deggScNisI(代理)
08/08/01 11:22:43 n7DexNED0
「風間の奴…くそっ!」

加賀美は床に倒れたままのジャングラーを起こし、風間のように車内から飛び出そうとするが―
バダーがジャングラーの前に立ち、妨害する。

「どけっ!見失う前に追わないと…」
「そいつをよこせ」

風を切るような回し蹴りが加賀美の顔面に迫るが、すんでの所でジャングラーから飛び降り事なきを得る。
バダーは悠々とジャングラーを起こし…鍵が無い事に気付く。

「探し物は、これかな?」

加賀美が右手に持った鍵をチラチラと揺らす。だがバダーに焦る様子は無い。

バダーは右手を突き出し、ゆっくりと横に動かす。奇妙な音と共に異質な姿へと変化していく。
脅威のライダー、ゴ・バダー・バ の本来の姿。見た目で共有しているのは赤いマフラーくらいか。

「なっ、ワームなのか!?」

バダーは加賀美を無視し左肘の装飾品をジャングラーの鍵穴に差し込む。
が、バダーが望んだ変化は訪れず、ジャングラーは無反応のまま電車に揺られていた。

「…いまいましい」


660:◇deggScNisI(代理)
08/08/01 11:23:53 n7DexNED0
ジャングラーから降り、加賀美を睨みつける。その睨みに臆する事無く加賀美は睨み返し―右手を突き上げる。

「いくぞ!ガタックゼクター!」

今の今まで加賀美の肩に止まっていたガタックゼクターはようやく出番か、とでも言うように身を震わせ、加賀美の右手に納まる。

「変身!」

電子音声が発せられ、マスクドフォームのアーマーが生成され、加賀美を戦いの神へと変えていく。
両拳を振り上げ、機械的に走り続ける車両の中、バダーと対峙する。

「カギをよこせ」
「断る!俺は風間を止めなきゃいけないんだ!邪魔をするなら、容赦はしない!」

両肩のガタックバルカンが火を噴き、イオンビーム光弾を連射する。
通常よりも威力、弾数ともに制限されているが狭い車内という状況のおかげで効果を…上げない。
強靭な脚力を生かし、壁や天井を地の如く扱いバダーは縦横無尽に跳び回る。
素早い動きに光弾の弾幕もついていけず、ダメージを与える事ができない。
勢いをさらにつけたバダーはドロップキックをガタックの顔面へと打ち込む。
バダーは身体を回転させ、足から床に着地し、地を這うような跳躍で後ろに吹き飛ばされたガタックを追う。
倒れこむ寸前のガタックの足首に接近したバダーが強烈な足払いで追い討ちをかける。

「ボソラグ(ノロマが)」

バダーが再び跳躍し、仰向けに倒れこんだガタックの顔面を踵で踏み付ける。
バキリと甲高い音が鳴り、バダーは勝負が決した事を確信する。

661:◇deggScNisI(代理)
08/08/01 11:24:21 n7DexNED0


バキリという音はガタックの身体全体から鳴り響き…

「キャストオフ!」

―CAST OFF―

アーマーの破片が股下からバダーを襲う。
身体に食い込んだ破片に悶絶しながらバダーは転がっていく。
それを見ながらガタックがゆっくりと身体を起こし、雄々しき二本の角も起き上がる。

―Change Stag Beetle―

「うぉぉぉっ!」

ガタックはなんとか起き上がろうとするバダーにエルボースタンプを豪快に背中に打ち込み、起き上がらせない。
そのままバダーの背中に座り込み、顎をしっかりと掴んで反り上げる。
体勢のせいでバダーの振り回される腕はガタックにダメージを与えない、このままいけばバダーの背骨や腰骨が破壊されるだろう。
だがこのままで終るはずもなく。自由な両足を反り上げ、ガタックの胴体を挟み込む。
強靭な脚力による胴締めはガタックの力を確実に弱め、バダーは顎のホールドから脱出した。
そのまま振り下ろすようにガタックの身体ごと両足を下ろし、後頭部を強打させる。

「あぐぅっ!」

変身前にも同じ場所を強打していたガタックにこの一撃はかなり効いたらしくしばらく立ち上がることができない。

662:名無しより愛をこめて
08/08/01 11:27:21 r7JkXQErO
支援

663:◇deggScNisI(代理)
08/08/01 11:27:23 n7DexNED0
バダーは再度跳躍し、杭打ち機のように何度も何度もガタックの身体を踏み付けていく。
踏み付けるたびにガタックの身体が震える。何かを掴むかのように伸ばされた腕は少しずつ力を失っていく。
トドメの一撃を振り下ろすため、バダーは跳躍し、狙いをガタックの頭部に定め、急降下。

「クロック、アップ!」

―CLOCK UP―

ガタックの周りを包む時間がゆっくりとした進みになる。
窓から見える景色はゆっくりと進んでいき、バダーはパラシュートでも付けたかのようにゆっくりと降りてくる。
その間にガタックは身体をゴロゴロと転がし、バダーから距離を稼ぎだす。

―PUT ON―

両肩のガタックバルカンのみを元に戻し、構え…時が元に戻る。

―CLOCK OVER―

バダーからみれば突然ガタックが残像のみを残して移動し、着地して無防備な自分を
いつのまにか装備していた両肩のバルカンで撃ち抜くという理不尽極まりない状況だ。
ほとんどの光弾を喰らい、身体の所々が痛々しく焼けている。

―CAST OFF―

ガタックバルカンが吹き飛ばされ、その下に隠された二本の聖剣が姿を現す。
ガタックが両肩のプラスカリバー、マイナスカリバーを掲げ、合体させる。

―Rider Catting―

鋏がバダーの胴体を挟み込み、イオンエネルギーを流し込む事によって完成するガタックの必殺技の一つだ。

664:◇deggScNisI(代理)
08/08/01 11:27:43 n7DexNED0
だがバダーはその挟み込む瞬間に飛び上がり、鋏の上に悠然と立っていた。

「嘘だろ!?」

行き場を失ったイオンエネルギーを両足に纏いながらバダーは驚きで硬直状態のガタックを蹴り上げる。

「ふんっ」

落ちてくるガタックを残りのイオンエネルギーと共に回し蹴りで吹き飛ばし、膝をつく。
ゴロゴロと転がったガタックはふらふらしつつもなんとか立ち上がり、両拳を構え、バダーを睨みつける。
バダーもそれに答えるように肩で息をしながら立ち上がり…側に転がっていたダブルカリバーを拾い上げる。
ダブルカリバーを解体し、プラスカリバーだけをガタックに投げつけ、マイナスカリバーを構えた。
ガタックもプラスカリバーを受け止め、対抗するように構える。

ゆらゆらと電車に揺られながら、ガタックとバダーは互いに機を窺う。
お互いかなり消耗し、もう長く戦闘することは不可能だ。お互いが、お互いを理解していた。

665:名無しより愛をこめて
08/08/01 11:27:53 DuncU2za0




666:◇deggScNisI(代理)
08/08/01 11:29:46 n7DexNED0
ガタン、と電車が大きく左に傾く。それを合図にガタックとバダーはそれぞれの得物を―投げつけた。

バダーはマイナスカリバーを投げつけると同時に膝を抱え、縦に回転しながら跳躍する。
ガタックはプラスカリバーを投げつけると同時に身体を横に捻り、横に回転しながら立ち向かう。


投げつけたお互いの得物がガシャンと音を立てて床に落ちる―


バダーはまるでバネを解放するかのように身体を引き伸ばす。
ガタックと目が合った。
右足を突き出し、蹴りこむ。脅威のライダーとしての誇りをのせて。


1、2、3とスイッチを順番に押し、ゼクターホーンを起き上がらせる。
バダーと目が合った。
ゼクターホーンを倒しこみ、蹴りこむ。戦いの神としての意地をのせて。


形は違うが二人の技はまさに…


―Rider Kick―


          *   *   *

667:◇deggScNisI(代理)
08/08/01 11:30:18 n7DexNED0
永遠にも一瞬にも思えるエネルギーのぶつかり合いの果てに、二人は吹き飛ばされた。

衝撃で変身の解けた加賀美はバダーの姿を探すが見当たらない。
だがバダーが侵入してきた時に開けた穴の縁に肌色の何かが見えた。
バダーも加賀美と同じく衝撃に吹き飛ばされ、変身が解けていた。

穴の外は目まぐるしいほど景色が変わり、少なくとも生身のまま飛び出せば無事では済まない事を物語る。
縁を掴む手が離れてしまえば自分は死ぬ、そういう状況にも関わらずバダーの表情は普段のままだった。

加賀美は躊躇う。ここで手を差し出し、助け上げる事は間違いなのでは?
この男はワーム…じゃないにしても人間とは明らかに敵対している生命体だ。
それならばいっそ…そう考えている間にバダーの手が離れた。

瞬間、無意識の内に加賀美はバダーの手を掴み、間一髪でバダーの身体が地面と衝突する事は無かった。
だがバダーの身体は未だ車外に放り出されており、加賀美が手を離せば、バダーは死ぬ。

その状況でバダーが笑っていたのが、加賀美の神経を逆撫でした。

「馬鹿野郎っ!」

大声で叫び、どこにそんな力が残っていたのか不思議なほどの勢いで、バダーを車内に引きずり込む事に成功した。

668:◇deggScNisI(代理)
08/08/01 11:30:36 n7DexNED0
肩で息をし、もはやどう足掻いても動けないという加賀美の胴体をバダーが軽く蹴りこむ。
加賀美の懐から一つの鍵が転がり落ち、バダーはそれを拾い上げるとジャングラーの元へと歩いていく。

待て、そう口にしたいが言葉にならない。口から漏れるのは熱い吐息だけ。

「ババババジャスバ、リント(なかなかやるな、リント)」

バダーは加賀美にそう言い残し、ジャングラーに乗って車外へと飛び出し何処へと走り去っていった。

残された加賀美は床の上で大の字で寝転がり、酸素を少しでも吸い込もうと大きな呼吸を続ける。
電車のスピードは徐々に緩まっていき、停車駅が近い事を加賀美に伝えていた―

669:名無しより愛をこめて
08/08/01 11:31:00 DuncU2za0




670:◇deggScNisI(代理)
08/08/01 11:33:30 n7DexNED0
【ゴ・バダー・バ@仮面ライダークウガ】
【時間軸:ゲゲル実行中(31-32話)】
【1日目 昼】
【現在地】C-7 道路
【状態】全身にダメージ、背中や腕部等に多少の火傷、右足にダメージ、グロンギ体に2時間変身不能
【装備】ジャングラー@仮面ライダーアマゾン
【道具】基本支給品 車両配置図 ラウズカード(ダイヤの7・8・10) ライダーブレス(コーカサス) 
【思考・状況】
基本行動方針:リントではなく自分の「ゲゲル」を完遂する。
1:クウガ、イブキ、ガタック、ドレイクはいずれ自分で倒す。
2:(スマートブレイン勢力も含めた)「ライダー」の探索と殺害。
3:グロンギ族に遭遇しても、このゲゲルを終え、ゲリザギバス・ゲゲルを続行する為に殺す。


※バダーは「乗り物に乗った敵を轢き殺す」ことにこだわっています。
 選択の余地がある状況ならば、上の条件に合わない相手は殺せる場合でも無視するかもしれません。
※「10分の変身継続時間」についての制限にはほぼ把握しましたが、
 「2時間の変身不能時間」についてはまだ完全には把握していません。
※用意されたすべてのバイクが出そろったため、車両配置図は詳細地図としての価値以外なくなりました。
※風見志郎の事を風間大介だと勘違いしています

671:◇deggScNisI(代理)
08/08/01 11:33:55 n7DexNED0
【加賀美新@仮面ライダーカブト】
【1日目 昼】
【現在地:B-7 研究所駅停車予定の電車内】
[時間軸]:34話終了後辺り
[状態]:激しい疲労と痛み、脇腹に刺し傷、頭部に打撲、肩に裂傷、背中に複数の打撲、右足にダメージ
   強い怒りと悲しみ。ガタックに2時間変身不能
[装備]:ガタックゼクター、ライダーベルト(ガタック)
[道具]:基本支給品一式 ラウズカード(ダイヤQ、クラブ6、ハート6)不明支給品(確認済み)2個。
[思考・状況]
1:他の仲間、特に桜井侑斗と合流する。
2:危険人物である澤田と真魚、バダー(名前は知りません)を倒す。
3:風間(風見)を探しだしたい。
4:風間(風見)といずれは戦うことへの迷い。出来れば戦いたくない。
[備考]
※デネブが森林内で勝手に集めた食材がデイパックに入っています。新鮮です。
※首輪の制限について知りません。
※友好的であろう人物と要注意人物について、以下の見解と対策を立てています
味方:桜井侑斗(優先的に合流)
友好的:風間大介、影山瞬、モモタロス、ハナ(可能な限り速やかに合流)
要注意:牙王、澤田、真魚、バダー(警戒)
※風間大介(実際には風見志郎)が戦いに乗っていることを知りました。


672:名無しより愛をこめて
08/08/01 11:35:37 n7DexNED0
648 名前: ◆deggScNisI[sage] 投稿日:2008/08/01(金) 11:04:27 ID:???
投下終了。仮投下してくださった方、支援してくださった方ありがとうございました。

それと今まで数々のご迷惑をかけ、本当に、申し訳ございませんでした。

-----------------------------------------------------------------

代理投下終了

673:名無しより愛をこめて
08/08/01 14:42:31 GUTP8gP00
>>672
投下乙です。加賀美と風見、ガタックとバダー、ジャングラーとハリケーン
といった、それぞれの立ち位置からくる対比が非常に面白かったと思います。
風見や加賀美は今後研究所絡みにどう関わっていくのか…非常に楽しみになりました、GJ!

674:名無しより愛をこめて
08/08/01 16:19:42 Vak0w9oy0
投下&代理投下乙です!
加賀美のまっすぐさと風見の揺れる思い、脅威のバダー。
それぞれがとても魅力的に書かれていて面白かったです。
しかし、電車内でのバイクファイトとは!意外性があって驚きました。
それも緊迫感が有ってナイスでした。三者三様、これからどうなるのか気になります。
GJでした!

675:名無しより愛をこめて
08/08/01 17:31:25 v/s41nGp0
    /: : : : : : : : : : : : :/三/       `ヽ三三三三三三三三三ハ
  ∧: : : : : : : : : : _/三/   _,. -    ソ三三三三ニニ三三三l
  /: : : : : : : : : _/.三/  /ィ´  ィニ=-、._  ノ三三三=/ ̄`ヽ三三ニl
. /三三三ニニ=ニ='´´  _,./   /三=r─--、``ヽ.三ニ{ /´ \ヽ三三|
 ヽ三l ̄ ̄ ̄´         /三ニ/    ,;   ヽ.三、| \_) ヽ}三ニ!
   ヽ|/ ̄``    、    ./三ニ/___         ∨ハ\\  ll.三ニ|
    f/^\__     ヽ 、ィ´三三=ノィtッ ̄フ       !三ハ L `〉 !.三ニ!
    |l=-、三三三7| 、\三ニ∠= ´ ´         ∨三、 | ノ j´三ニj
    ヽ|  \三三ニl ζ`ーニ≠、             ∨三!´  |´ ̄`\
     ヽ_ r-―'tッ´ヽ.! f´ \ `` ヽ、         .!三ハ __.ノ     \___
      ヽ  ̄ ̄ / l  |   ヽ    \        ∨_/ ´        \二フ`ヽ
       ヽ    / |  !    |     \       `´/           弋/
          ヽ   l  | |    '         \         ノ! .       /
        ヽ     ! `!   ‐--               / リ  l、     /
         ヽ    1  ` _,.-                   /  |  、    /
          \   `ー-' _ニ─ヽ         /   /    ヽ./
              ヽ    / ̄    __/          /  /    /
             \  ` ̄ ̄ ̄´            /  /   /
              \  ヽ_ノ⌒``ヽ='    ./    ≠´
                \               /   /


676:名無しより愛をこめて
08/08/01 17:34:54 DuncU2za0
投下乙です。
加賀美VSバダーの緊張感溢れるバトル、不敵なバダーが魅力的でした。
愛車を取り戻した風見はこれからどう動くのか、今後が楽しみになりました。
面白かったです。GJ!

677:名無しより愛をこめて
08/08/01 21:51:04 n7DexNED0
投下乙です。
電車内でのバトルとは意外な発想。
結末も加賀美らしい、実にお人好しな、かつ皮肉でした。
ハリケーンを手に入れた風見の修羅の道が切ない。
GJ!

678:名無しより愛をこめて
08/08/01 22:52:00 7DUQwdxCP
ただいまより、◆N4mOHcAfck氏の代理投下を行います。

679:blood ◇N4mOHcAfck(代理)
08/08/01 22:53:11 7DUQwdxCP

「……………………」

 H-5―市街地の一角にてその存在を誇示する港エリア。
 一部を除き昏睡状態へと追い込まれた参加者達をこの島へと連行した船が、僅かの間だが停泊したのもここである。
 ゲームのステージとして定められた範囲の中央付近を流れる大抵の河川はここへと辿り着き、海へと流れ込む。
 ショッピングセンター付近を流れるそれも例外ではない。
 そんな港の隅で、力無く座り込む左手を欠いた異形の姿があった。

 人類にとって脅威と成り得る「アギト」の芽を刈り取る為に暗躍する、神からの使者「アンノウン」。
 その中でも最上位に位置する「エルロード」にあって、「風」を司る存在。
 それこそが異形―風のエルである。
 もっとも―風の如く天を舞う地位にあったその威厳も、今となっては文字通り地に落ちたと言っても語弊は無いだろう。
 手首から先を失った左手からは、今となっても血が少量ながらポタポタと音を立て地面に流れ落ちている。
 本来全ての参加者へと平等に支給されている筈のデイパックは彼の周辺には存在しておらず、代わりに黄金の剣が右腕に握られているだけだ。
 左手首の切断―風のエルの主が愛し、恐れるただの人間であれば、早急に処置をしなければならないレベルの負傷と言える。
 いや、彼が人外の異形であっても、切断という事象に加えて、複数要因の関わり方次第では即死に至ったのは間違いない。
 風のエルがこうして「生存」という名の二文字を掴んでいるのは、「彼の意識を何が支配していたか」という問題に起因していたと見るのが最良だろうか。



680:blood ◇N4mOHcAfck(代理)
08/08/01 22:53:35 7DUQwdxCP


 風のエルがこの港へと流されたのは、言うまでも無く彼が川へと投げ出されたからだ。

 まず、風のエルは何処からその川へ投げ出されたのか。そして、そこでどの様な事態に彼は関与していたのか。
 ショッピングセンター。店内外合わせて彼を除いても七人の参加者が犇めき合ったこの建造物内で、彼もまた交戦に入っている。
 店内三名の参加者の内、殿として風のエルに立ち塞がった人間の変身した仮面ライダー、ゼロノス。
 そのゼロノスを追い詰めたエルの左手首を狩った、人間で無ければ、アギトでも無いエルから見て正体不明の異形、ホースオルフェノク。
 左手首を切断された時点でエルが力尽きなかったのは、それら敵対参加者への闘争心が精神や思考のほぼ全域を支配していたからだろう。
 戦意を持っていなければ、そこで終わっていたかも知れない。
 しかし、それで傷が治まるなどということは決してない。継続された戦闘の最中も、エルは出血を続けていたのだから。
 やがてエルはゼロノスの連続攻撃によって、腹部を深々と切り裂かれる結果を迎えた。
 更なる痛覚に伴って発生した出血は、いかに強靭な精神を持った存在にであろうと「絶望」の二文字を叩き付けるのに十分な効果を秘めていたであろう。
 その様な状況において、何故エルが「絶望」や「死」に魂を売らず、「生」をその身に宿したままでいることができたのか―

「ククク……なるほど、な」

 エルは微苦笑を浮かべながら、左手首の断面を見やる。
 黒に近い赤で血塗られたその部位は、天高く昇った太陽の光を明るく照り返す白を基調としたボディと鮮やかなコントラストをなすのに一役買っている。
 その、血―そこにエルの生存の訳が示されていた。
 そう、誰もが「絶望」「敗北」「脱落」「死亡」といった言葉を脳裏へ浮かべるべき場面で、彼は「歓喜」していたのだ。
 激痛に悶え叫んだ裏で、血に飢えるモンスターと既に化していたエルは心からの喜びに身を支配させて。
 川へと落ちて意識を手放すその瞬間まで、己が血を啜る時を心待ちにしていたのだ。
 その執念に身を任せていたから、今こうして笑みを浮かべている。風のエルはそう判断した。



681:blood ◇N4mOHcAfck(代理)
08/08/01 22:54:05 7DUQwdxCP
 一連の思考整理によって、風のエルはようやく現在の己が立場を把握し終えた訳だ。
 左手の出血は既に止まっている。制限されているとはいえ、これも常軌を逸した者のなせる技だろう。

「これも、悪くは……ないな」

 口元に左手を這わせながら、エルは不敵に感想を漏らす。
 ホース・オルフェノクによって左手首を撥ねられ、ゼロノス・ゼロフォームに腹部を切り裂かれたあの時まで、エルは一つの事実を忘却の海から引き上げずにいたのだ。
 「仲間」こそ、この地においては持たない風のエルだが、彼もまた「強き者」だということを。
 意識を手放す直前までは、ただ新たな血を得た事実が思考回路を支配し、彼を生存に導いた。
 そして今、彼自身の血でコーティングされた左手首は、風のエルの想像を超えた濃厚さと、甘味を錯覚させている。
 まだ生きている人外の自分でこれなのだ。
 何処までも上を目指し、慕うべき主へと集団で抗おうと立ち上がる人間や、それに近い存在が息絶えた際に残す血液とはどれほどの物なのだろうか。


 欲しい。
 確かめたい。
 本当の絆、真実の強さを。

 そして理解したい。
 近付くためにも。
 主が人間共に抱く恐怖、愛情の意味を。

 その為にするべきことは何か―
 答えとなるべき選択は唯一つ。「戦うこと」だ。



682:blood ◇N4mOHcAfck(代理)
08/08/01 22:54:36 7DUQwdxCP
 最早エルの欲求は、敵を傷つけるだけでは満たすに至らない。
 殺さなければ始まらないのだ。欲求も確認も、理解も接近も、全て他者を殺さなければ成し得ない。
 邪魔なのは全力の発揮に歯止めを掛ける正体不明の制限。
 大体の間隔こそ分かるが、今現在はどの程度の時間が最後の戦闘から経過しているのか。
 制限の掛かる時間帯では、エルの持つ優位性は失われ、人間達と大差無い存在まで自身は落ちぶれる。
 その危険性から目を背けない程度には冷静になっている風のエルは、右の握力を強めながら立ち上がった。

 制限が掛かっている時の自分は、人間と大差がない。
 全力を出せる状態でも、傷ついた今の自分と互角かそれ以上に戦える参加者が複数存在している。
 今のエルはそれら突きつけられた現実を否定することをしない。
 実の所、否定する必要がない、が正しいか―

 本人は気付いていないが、今の彼は遂行することができるのだ。
 「敵集団が迎撃態勢を整える前に遠距離から大火力による奇襲」や、「なんらかのトラブルで混乱に陥った集団の中心に切り込み、白兵戦で殲滅」といったミッションを。
 パーフェクト・ゼクター。エルが右手に携える黄金の剣は、例え持ち主が首輪の制限を受けていようと、単体で前途のミッションを両立させるポテンシャルを秘めている。
 ……もっとも、見かけはただの大振りな剣でしかなく、マニュアル無しでその事実を認識するのには運を必要とするが。
 参加者においてパーフェクト・ゼクターの性能を知る者はゲーム開始当初二人のみで、今となっては唯一人だ。
 エルがその力の片鱗に触れることが出来たのは、偶然の産物としか表現のしようがないだろう。



683:blood ◇N4mOHcAfck(代理)
08/08/01 22:55:35 7DUQwdxCP
 パーフェクト・ゼクターの柄に設けられた赤、黄、青、紫の計四色にそれぞれ塗られた四つのボタン。その中の何れかを押すことで、電子音声が鳴り響き、トリガーを引くことで発光、力を発揮する。
 エルは無我夢中で行っていた、ショッピングセンター内での使用手順に誤りがないか、確認を開始。
 まずはボタンを押す。握り直した結果親指が引っ掛かったという理由から、正面から見た場合左下に位置することとなる紫色を押す。

「……これは違う、という訳だ」

 反応が、無い。黄色や青色も押して見たが、やはり同様の結果が生み出された。
 ここでエルは、赤色こそが前回使用したボタンだと確信を持つ。
 「正解」と思われる残された赤のボタンを押すという用意されたテンプレート的な考えよりも、剣について詳しく知りたいという欲求が勝った為か、風のエルは左腕でグリップを抱え込み右手先で刀身に触れ始める。
 弄ってみるが、水に流されて何処かが故障した、とは違うらしい。ならばやはり赤い―

 ―GUN MODE―

 突然の物音に、思わずエルは硬直を見せた。


684:blood ◇N4mOHcAfck(代理)
08/08/01 22:56:08 7DUQwdxCP
 それは戦闘中であれば即命失に繋がり、危険人物との邂逅中であれば、間違いなく隙を突かれるであろうことが容易に推測出来るほど、分かりやすいリアクションだ。
 心中で己の油断を叱り飛ばすと同時に、双眼は一つの事実を受け入れる。左腕から開放されたグリップが、折れ曲がっている―
 注意深く観察せずとも、「曲がるべくして曲がった」ことを推察するのは容易い。曲がった部分を戻すと、再び元の通り大刀の出で立ちが出現。
 しかし、「曲がるべくして曲がった」のならば必ず理由が存在する。風のエルは変化した外見からそれを導くことを即座に決定し、再度の形状変化を求めた。
 グリップが曲がった姿は、人間達の用いる射撃武器「銃」をどこと無く連想させ、トリガーは剣状だった先刻に比べて明らかに存在感を増している。
 そうは言うものの、完全に剣として成立していて、あれだけの威力を誇ったものが折れ曲がっただけで銃として利用できるものなのだろうか? 風のエルは自問を余儀無くされる。
 銃に見られるトリガーは、引いたところでエネルギーを刀身に纏わせるだけだ。パーフェクト・ゼクターが先の交戦で纏った輝きからも、風のエルは剣の腹から離れ出る気配を感じられなかった。
 実際問題、剣として利用するだけでも十分な成果が挙げられるだろう。エルはそれを良しとしないのだが。
 主が恐れる人間の技術が何処まで発展しているのか―それを確かめたいと思う。



685:blood ◇N4mOHcAfck(代理)
08/08/01 22:57:00 7DUQwdxCP
 現状エルが知るパーフェクト・ゼクターの情報は、以下の三点。
・グリップの変化で「ソード」「ガン」というモードにそれぞれ切り替わる。
・「ソード」の状態において、ボタン入力→トリガーを引く、という行程を踏むことで刀身が光で強化される。
・「ソード」の状態では黄・青・紫のボタンは反応しない。

 エルは迷わず、先程の三色に輝くボタンを力任せに押し込んだ。
 先程これらが反応しなかったのは、「ソード」ではなく「ガン」に対応しているからではないか、という見解が根拠だ。
 今度こそ、という思いが先行したものの、やはり結果は変化を見せない。
 続けて指は赤のボタンへと駆けた。他三つが共通して「間違い」なら、無試行とはいえおそらくは「ソード」の「正解」もまた共通している筈―

 ―KABUTO POWER―

 当たりだ。安堵が一時的にエルの体を駆け巡る。続けて、視界をフル活用しながら周囲を探索。


686:blood ◇N4mOHcAfck(代理)
08/08/01 22:57:17 7DUQwdxCP
 もしパーフェクト・ゼクターが射撃兵装と化したのであるならば、闇雲に空へ先端を向けて撃つ訳にはいかない。
 威力を確認するのに適した、手頃な的が欲しいと考えるのは道理だ。
 そしてその希望は、頑丈に閉じられた扉を持つ小倉庫という形で叶うことになる。一度己の手で開けようと試みるが、全く開く気配が感じられず。
 待機音が鳴り響く中で、ゆっくりと銃口として機能するであろう先端を倉庫の扉に向け距離を広げていくエル。
 右手でしっかりと握ったグリップのトリガーに指を引っ掛け、左腕の間接周辺を抑えとして狙いを定め。

 ―Hyper Cannon―

 トリガーを引く音、「ハイパーキャノン」と技名を公表する電子音声、以前は刀身の全体を纏っていたエネルギーが先端に集中する音。
 それら三様の音色全てが次の瞬間向かうのは、頑強な倉庫の扉だ。
 爆発。エルの視界の正面に位置した扉が一瞬見えなくなり、次の瞬間にはその残骸がまるで、紙吹雪の様に舞う。その外観が段々と遠くなっていった様に思えたのは、反動で思わず後ずさってしまった為だろう。
 刹那、爆発、炸裂、倉庫内の物音―組み合わさった奇妙な複合音が空気を震わせ、最短ルートでエルの聴覚を捉えた。
 倉庫が想定以上に頑丈だった為か、完全に破壊とはいかなかった。それでも対人戦では十分過ぎる威力、射程を備えているのは明白である。
 更に、喜ばしい知らせが脳内に舞い込むのをエルは把握した。

687:blood ◇N4mOHcAfck(代理)
08/08/01 22:57:41 7DUQwdxCP
 エル自身の力は未だ使用可能な状況に戻っていないのを肌で感じるのに対し、最期の能力行使時期が重なっていた筈のパーフェクト・ゼクターは使用が可能―
 この事実から能力制限が個人個人に掛けられているものとエルは確信を持つ。
 詰まる所、能力が制限されていようとパーフェクト・ゼクターの行使には何の問題も存在しない。
 勿論接近戦は、体の強度が強制劣化させられている制限状態の場合リスクが伴うが、先程の砲撃を駆使した戦いならばそれをもカバーできる。

 エルは中破した倉庫へと歩を進めた。厳しい目つきを崩してはいない。が、内心ではほくそ笑んでいる。
 材質不明の頑強「だった」扉の破片を踏みしめ、窓の存在しない薄暗い室内へと入り込む。
 そうは言っても、パーフェクト・ゼクターの黄金が目立つ程度には光が入り込んでいる。
 扉を突破した閃光は、向かい側の壁は破壊出来なかったらしい。跡が付いているものの、そこまでだ。
 ただ黙々とひしげたケース群や、衝撃でバランスが崩れて中身を飛び散らせながら崩れたダンボールをその目に捉えるエル。
 大方、島外から島内の各施設へ輸送される品々の保管庫、とでも言うべきだったのだろうか。
 転がってきた小瓶を右足で蹴り払うと、既に皹の入っていたそれは簡単に音を立て割れる。
 その過程を眺めていたエルは、他にも似た瓶が多数散乱していることに気付く。
 更に――灰。既に蓋が開けられていたいくつかの瓶の付近に、灰がある。密閉されていた為か、山となった形は崩れていない。
 ここで死んだ参加者がいたのだろうか? エルは一瞬頭を捻るが、直に思考からそれを排除する。
 これからの戦いに役立つ様なものは確認されず、灰などあったところで弱者が脱落したことを示すに過ぎないのだ。
 
「人間も、ここまで来たか……」

 改めてパーフェクト・ゼクターを臨むエル。この人間の技術結晶は、狂気に染まった神の御使いに何を拝ませるのか? それは彼の望む、人間の血だけが知ることだ。



688:blood ◇N4mOHcAfck(代理)
08/08/01 22:58:05 7DUQwdxCP
【H-5 港】【昼】
【風のエル@仮面ライダーアギト】
[時間軸]:48話
[状態]:頭部にダメージ。全身に大程度の負傷・行動原理に異常発生。左手首欠損。十分間能力発揮不可。
[装備]:パーフェクトゼクター
[道具]:なし
[思考・状況]
基本行動方針:優勝して帰る。 帰還した暁には、主に未知の力を報告。
1:「仲間」を持つ「強き者」を殺す。容赦する気はない。
2:人を殺すことに、快楽を覚えた。
3:人間の血から、主の人間へ抱く感情の一端を知りたい。
4:パーフェクトゼクター(名前は知らない)を有効活用したい。
[備考]
※デネブの放送、および第一回放送を聞いていません。
※首輪の制限時間に大体の目星を付け始めました。
※ショッピングセンター内に風のエルの左手首が落ちています。
※パーフェクトゼクターの使用法を理解しました。

689:名無しより愛をこめて
08/08/01 22:58:39 7DUQwdxCP
以上、代理投下終了です。

690:名無しより愛をこめて
08/08/01 23:02:00 n7DexNED0
投下、代理投下乙です。
エルの戦力が向上し、ますます大暴れが期待できそうです。
原作では一話怪人程度の出演のエルのキャラ立ても見事。
GJ!

691:名無しより愛をこめて
08/08/01 23:22:09 24sl784a0
投下、代理投下おつかれさまです。
エルの狂気がどんどん溢れていくのが見てて楽しい…っ!
GJです!

692:名無しより愛をこめて
08/08/01 23:52:31 kwlEYCBe0
投下乙です!
ハイパーキャノンを覚えて戦力強化されたエル……!これは惨劇の予感!
段々と思考が危なくなっていくエルが恐ろしい良繋ぎでした。
そして港の灰とは一体……?

693:名無しより愛をこめて
08/08/02 01:49:46 Wzd8JnfmO
>>641
V3のモチーフはトンボです。

694:名無しより愛をこめて
08/08/02 02:32:30 PX62+nct0
NEXT版だとホッパーVersion 3なんだしトンボよりもバッタ寄りなんじゃね?

695:名無しより愛をこめて
08/08/02 10:01:03 z5KCc2lG0
投下&代理投下乙です!
敗戦を重ねているエルですが、ここに来て強力な武器を手に入れましたね!
狂気に取り付かれ殺人衝動を膨らませていく様子にゾクゾクします。
これからの活躍に期待です!GJ!!

696:名無しより愛をこめて
08/08/02 10:42:51 8a88tb2bO
風のエルが冷静過ぎませんか?
既に獣の様な精神になっていると思ってたんですが。
パーフェクトゼクターを持つだけでも、ちょっと違和感がありましたが、分析となるかなりの違和感があります。

697:名無しより愛をこめて
08/08/02 13:05:00 FnsIXN+h0
>>696
同感です。
よって
4:前のストーリーとの間で重大な矛盾が生じてしまっている(心境変化が激しすぎる。唐突)
修正、破棄を要求します。
これ以上は議論スレで。


698:名無しより愛をこめて
08/08/02 13:15:30 PRbV+Kut0
>>696
パーファクトゼクターは前回拾っています。
それに、どう狂っているかは書き手の裁量であります。

なにより、仮投下時に矛盾以外の指摘はマナー違反です。
よって、この指及び>>697は無効することを提案します。

699:名無しより愛をこめて
08/08/02 14:16:08 +Lok/7Un0
>>698
>仮投下時
ここは本スレです。ここに投下された以上は本投下ですし、それに対して要求が出された以上
ここでそのような発言をすること自体マナー違反です。
意見があるなら議論スレに行くべきです。

700:名無しより愛をこめて
08/08/02 22:52:35 pzB21xc+0
ルールを守る為にルールで戦ってりゃ世話は無いな。

701:名無しより愛をこめて
08/08/03 19:45:01 gqoQG3BH0
荒らしは3rdスレでも作って、そこで荒らし同士仲良くしたら?

702: ◆SBNext.HzA
08/08/03 20:33:36 hpsz9Az/0
「blood」についての修正議論ですが、修正の必要なしというご意見多数につき
本投下のままで採用となりましたことをご報告申し上げます。
なお、このところ本スレでNG発議があっても議論スレで話し合いが始まらないケースが続きましたので
テンプレートにもあるNG発議の際に必要となる「議論スレへの誘導」を、より具体的に
「議論スレURLの明記と、議論スレへの論点をまとめた書き込み」と定めたいと思っています。
すでに議論スレに出た意見では、この線で異論は出ていませんが
他にご提案のある方は出来るだけ早く議論スレの方にご意見をお願い致します。

ところで今回の件に関して一つ、追加の報告がございます。

すでに議論スレでまとまった議論にしつこく食い下がるwillcomユーザーの方がいらしたことは
以前から議論スレをご覧になっていた方はご存知かと思います。
今回の状況を見てホストを確認したところ、willcomの方は上記の方を除いても
何人かいらっしゃることが判明しました。
名無しで主に意義を唱えられる方と◆.dVdJr06fs氏、そして◆cW9wr8uD4A氏です。

前回までのスクリプトではブラウザや携帯機種は取得していなかったのですが、
新しく移転した避難所ではその情報も取得しています。
その結果、名無しの方と◆.dVdJr06fs氏、および◆cW9wr8uD4A氏は
みなwillcomをご利用になっているだけでなく
全く同じ機種の携帯をご利用になっていることがわかりました。
なお、この機種はスマートフォンであり、この機種を使ってホストの変動するwillcomから2chなどに書き込むと
末尾が0で頻繁にIDが変動することも付記しておきます。
(続きます)

703: ◆SBNext.HzA
08/08/03 20:34:34 hpsz9Az/0
ところで、◆cW9wr8uD4A氏はPCからも避難所に書き込まれています。
今回、書き手さんご本人以外で「小さなもの」の破棄に唯一反対された方、および
NG発議者以外で唯一「blood」の修正に同意された方のホストが
◆cW9wr8uD4A氏がPCから書き込まれた時のホストと一致しました。
つまり、携帯機種のわからない以前のwillcomの方を除いても以下のようになります。
1:willcomかつ特定の携帯機種(スマートフォン)を使っている方
・「リング・オブ・ローズ」の修正に肯定的意見を出した方(議論スレ>>141,144,145)
・◆.dVdJr06fs氏
・◆cW9wr8uD4A氏
・「当スレ>>697(議論スレ>>195)」および意義に賛成なさる方(議論スレ>>204を除く。下参照)

2:PCからおなじホストで書き込んでいる方
・◆cW9wr8uD4A氏
・議論スレで「小さなもの」を問題なしとされた方(議論スレ>>184
・議論スレで「blood」が要修正というご意見の方(議論スレ>>204

このような状況ですので、簡単に何をどうアク禁と言うわけにもいきません。
できればまずこの件について◆cW9wr8uD4A氏のご説明を頂き、
その上で住人の皆さんの判断を仰ぎたいと思うのですが、いかがでしょうか。

なお、この件につきましては通常の議論と同様、
◆cW9wr8uD4A氏には48時間以内に議論スレでのお返事をお願い致します。
また、その後の皆様のご意見も含め、この件に関する議論はすべて議論スレをご利用ください。
本スレでの発言は状況を鑑み、荒らしと見なされて考慮から除外されますのでご理解頂きたく。

報告は以上です。

704: ◆SBNext.HzA
08/08/03 20:44:51 hpsz9Az/0
っと、肝心な誘導を忘れていました。
議論スレのURLは以下になります。既に議論スレでも今回の問題につき提起済みです。
URLリンク(riders.sphere.sc)


705:名無しより愛をこめて
08/08/03 20:55:00 qiM625ta0
本当にお疲れ様でした。
では、反応を待つとしましょうか。

706:名無しより愛をこめて
08/08/03 22:13:13 qLboDRXL0
スレリンク(slot板:458番)

458 名前:( ´∀`)ノ7777さん[sage] 投稿日:2008/08/03(日) 22:09:32 ID:tfljdaVh0
ここでクソスレ乙と書き込むと明日は大勝
スレリンク(sfx板)l50

707:名無しより愛をこめて
08/08/04 05:37:07 RVeZfojt0
282 :1/3:2008/07/31(木) 10:53:09 0
長い上に痛いです、申し訳ないです。
3年前に「真実の愛に目覚めた」と言って、プリンちゃんの元へ家出し、
離婚した元旦那から復縁要求のメールがパソコンに届いていた。

「(元旦那)です。プリンちゃんとの真実の愛は偽りの愛でした、ごめんなさい。
 もうすぐ、プリンちゃんとは離婚します、目が覚めるとあっという間に冷めました。
 プリンちゃんは一緒に居て分かったことなのですが、彼女は完璧主義者でした。
 女として、嫁として完璧過ぎた・・・完璧すぎると今度は疲れてきてしまうんだね。
 (私)がだらけてる、という意味でなはいよ、力を抜いてリラックス出来る
 笑顔を、家庭を君が支えてくれたって事に気がついたんだ。
 君は妻として嫁といして、素晴らしい人だと分かりました。
 来月になったら、一人身に戻れます。
 お金は前みたいにない、苦労をかけるかもしれない。
 でも、前みたいに幸せな新婚夫婦をもう一度、やらないかい?
 (私)には、酷い事をしたとわかっています。
 もう一度、夫婦2人、優しさに溢れた家庭に戻らないか?
 もし、このメールが君の瞳に届いたなら、是非前向きに考えて欲しい。」

長い文章省略したら、こんな感じの内容に・・・どこまで自分勝手な男なんだ。
完璧なプリンちゃんと末永く幸せにやって、こっちに係わってこなきゃいいのに。
というか、随分な言われように腹が立った、完璧主義な女で嫌がられるプリン、
その正反対の私、アホは自分の楽な方に楽な方に流れようとしてるだけじゃないか。
こっちはこっちで半年前に再婚してるし、アホと接触する気もない、むしろ嫌。
どうしようかなーと思ったんだけど、暑くてムシャクシャしてたのでついやってしまった

708:名無しより愛をこめて
08/08/04 05:39:06 RVeZfojt0
2 名前: 公共放送名無しさん 投稿日: 2006/11/26(日) 01:34:56.77 ID:4XLeFI5t
 A:煙草吸ってもよろしいですか?
 B:どうぞ。ところで一日に何本くらいお吸いに?
 A:ふた箱くらいですね。
 B:喫煙年数はどれくらいですか?
 A:30年くらいですね。
 B:なるほど。あそこにベンツが停まってますね。
 A:停まってますね。
 B:もしあなたが煙草を吸わなければ、あれくらい買えたんですよ。
 A:あれは私のベンツですけど。

3 名前: 公共放送名無しさん [sage] 投稿日: 2006/11/26(日) 01:36:37.55 ID:oRnUvIra
 B:あれがもう一台買えたわけですよ。

4 名前: 公共放送名無しさん 投稿日: 2006/11/26(日) 01:37:33.07 ID:NfCR39ul
 >>3
 引き下がれよw


709:名無しより愛をこめて
08/08/04 05:44:09 RVeZfojt0
ある日、泣き声がしゃくに障ったので妹を殺した、死体は井戸に捨てた
次の日見に行くと死体は消えていた

5年後、些細なけんかで友達を殺した、死体は井戸に捨てた
次の日見に行くと死体は消えていた

10年後、酔った勢いで孕ませてしまった女を殺した、死体は井戸に捨てた
次の日見に行くと死体は消えていた

15年後、嫌な上司を殺した、死体は井戸に捨てた
次の日見に行くと死体は消えていた

20年後、介護が必要になった母が邪魔なので殺した、死体は井戸に捨てた
次の日見に行くと死体は消えていなかった
次の日も、次の日も死体はそのままだった


710:名無しより愛をこめて
08/08/04 09:38:39 I8O0UUS3O
>>698
おいおい、俺は>>696だけどいきなりケンカ腰だねぇ?
ここは、仮投下じゃなく本投下じゃないのか?
矛盾以外の指摘はマナー違反って言ってるけど、>>697と俺は無関係だよ。
あっちは指摘かもしれんが、俺のは只の感想だよ。
只の感想にそんなに過剰反応されると、なにか疚しい事でもあるんじゃねえか?
って、勘繰りたくもなるよ。

711:名無しより愛をこめて
08/08/04 09:52:16 I8O0UUS3O
それから、このスレを建てた人かその取り巻きかはしらねえけど、ここは、誰もが閲覧出来るし、誰もが書き込める場だよ。
一部の人間が、組んで他の人間を排除する様な態度はやめてくれ。
そんな、気持は一切無いと思ってるかも知れないけど、傍目にはそう見えるから。
スレは、建てた人の物って訳じゃないんだよ。
また、荒らし扱いされるんだろうな。

712:名無しより愛をこめて
08/08/04 12:40:58 lMzkg+jy0
>>711
日本語でおk

713:名無しより愛をこめて
08/08/04 12:57:28 fJx2oaxy0
句読点の付け方くらいちょっとは考えて書き込めよな

714:名無しより愛をこめて
08/08/05 02:34:07 iZI2haL6O
>>712>>713
何を言いたいかは分かるだろ?
そんな返ししかできないって事は、内容的には反論できないって事か?


715:名無しより愛をこめて
08/08/05 09:03:05 hSb5xr450
>>714
日本語でおk

716:名無しより愛をこめて
08/08/05 14:37:58 WqqHEucu0
>>714
willcomさんご苦労様です
こっちはいいから議論スレに書き込んでくださいよw

717:名無しより愛をこめて
08/08/05 22:10:51 PVBnx81X0
実質的に崩壊したな、おめでとうw

718:名無しより愛をこめて
08/08/06 00:34:43 Nx+evIbY0
いい加減うぜえよ
荒らす奴等は勝手にライダーロワ3でも建てて、そっちいけ!

719:名無しより愛をこめて
08/08/06 16:53:49 tKWqausQ0
没ネタ一覧

モモタロスの死後に残された砂。
モモタロスの分まで闘うことを決意したハナはその砂をモモタロスォードに具現化し、固く握り締める。

死の間際。侑斗は時の運行とデネブをよろしく頼みながら、ゼロライナーのオーナー権限をベルトと共に託す。

乃木の力は強大。特に技コピーは無敵に思えた。
しかし、音撃の清らかな音までは邪悪な心を持つものには決して真似出来なかった。
極めつけはゼロノスの必殺技。
通常の必殺技をコピーさせたところを二連続フルチャージで迎撃した。

首輪のフラグ以外で考えてたのはこんなところかな。
首輪の考えは皆と合わなかったみたいだしね。
でも、これだけは一つ。
青い薔薇の灰化作用はオルフェノクには効かないんだから、オルフェノクをこのロワに参加させるには首輪に薔薇を仕込むだけでは不十分。
オルフェノクの力を弱める何らかの働きが必要で、それが他の参加者に能力制限がかかる理由と一致している。
その働きをもった薬に薔薇の花を浸したものがあって…
なんて考えていたのが懐かしい今日この頃。


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