08/06/16 21:14:07 lX9OwjPOP
一発目は肩に。
二発目は腹に。
三発目は胸に。
四発目は崩れ落ちた相手の額をかすめ、五発目と六発目は屈んだ相手のどこに当たったかもわからない。
澤田はトリガーが虚ろな音しか響かせなくなったことに気づき、弾を込め直そうとした。が、倒れ込んで来た少女の身体の重さに拒まれる。
黒い人影はホームに倒れ込んだまま動かない。彼は片腕で真魚を支えてベルトに銃を返すと、床に落ちた相手のデイパックを拾い、彼女を抱き上げてその場を離れた。
相手は攻撃の態勢を取ったが何もできなかった。とすれば、ちょうど弱体化している時間だ。あの距離から銃弾を複数打ち込まれれば、無事ではすまないだろう。
胸元を引っ張られる感触に視線を落とすと、真魚が彼のパーカーを掴んで顔を埋めているのが見えた。
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