08/06/08 12:43:02 Ch2bZbLl0
ウルトラマン誕生25周年を記念して、アメリカで(向けに)制作された『ウルトラマンパワード』である。
白人を意識したのかこの彫りの深い碧眼のウルトラマンを私はなかなか気に入っている。
全13話の作品であるが、初代ウルトラマンのストーリーを最も忠実に再現している。
もちろん、舞台がアメリカなので、何という組織だったか名前を忘れたが、
科特隊のような怪獣専門の特殊防衛軍の隊員たちも、黒人の「キャップ(懐かしい響き!)」に
白人(イデ・アラシ・フジ隊員に相当する)の隊員たち、
それにウルトラマンに変身する日系人のカイ隊員(若き日のケイン・コスギ)という、人種構成も配慮が行き届いている。
バルタン星人の話なんかも、最初に人間と等身大で出現し、隊員の銃で撃たれて一旦倒れるのであるが、
すぐに幽体離脱をして立ち上がり、「フォッフォッフォッフォッ…」の声と共に巨大化するところなんて、涙モノである。
東京オリンピックのメイン会場となった国立競技場に現れたアボラスとバニラの2大古代怪獣は、
アメリカ版でも、ちゃっちいハイスクールの運動場であるが、一応、スタジアムをバックに登場する…。何という、アルカイズム!
さらに、「着ぐるみ」のウルトラマンの中に入っている人物が、肝心の「顔」が見えないのにもかかわらず、
登場人物中最もギャラが高いであろうアメリカン忍者ヒーローのショー・コスギ(ケイン・コスギの実父)である。
なんという贅沢! このウルトラマンパワードは、闘うときにはやたらとカンフーっぽい動きをするのであるが、
最後にお決まりの「スペシウム光線」を発射するときがミソである。日本製のすべてのウルトラマンが、
クロスした腕の手前側(右手)の片一方から「○○光線」を発射するのであるが、パワードはクロスした両腕から
「十字架状」にスペシウム光線が発射されて、怪獣を十字に切り裂くのである。
さすがに、キリスト教国で制作されたウルトラマンと、感心した。このウルトラマンパワードの成功が、
ハリウッド製「ゴジラ」の制作の動機のひとつになっていることを知る人は少ないであろう。
レンタルビデオでもよいから、手にはいるのなら、是非、一見することをお奨めする。