僕にも『ウルトラマンタロウ』の話は書ける4at SFX
僕にも『ウルトラマンタロウ』の話は書ける4 - 暇つぶし2ch44:下原正三
08/06/14 19:39:55 22X9rwkL0
 だが、メビウスのほうには、今の檄で喝が入った。
『判っています・・・今は僕が・・・地球を守るウルトラ戦士!!』
 おおおおおと唸りを上げ、全身から光の炎が湧き上がり、バーニングブレイブモードに変わる。
巻き起こった熱にブラックドーム・ロベルガーが巻き込まれ、悲鳴を上げる。
 決め技さえも必要なく、光の炎を浴びたブラックドーム・ロベルガーはそれだけで
焼き尽くされて消えた。

 これを契機に流れは完全に変わる。
 レオは素早く動いて突きかかるサタンモア・ロベルガーを手さばきだけで難なくいなし、
隙を突いてハンドスライサーで敵の武器の両腕を斬り飛ばす。ロベルガーが怯んだところで
ハイジャンプ、そこからのレオキックで、手負いのロベルガーを木っ端微塵に粉砕。
 それに負けるかとばかり、
「インビンシブル・フェニックス!!」
 上空のガンフェニックスストライカーも炎をまとって突撃。軸線上の円盤ロベルガー隊を
一気に爆砕して殲滅。
 そしてメビウスは、胸の炎をメビュームバーストに変えて放ち、ブニョは炎に巻かれて苦しむ。
 だが、それだけでは終わらず、
『おのれ・・・それしきでやられるものか!!』
 纏わり突いた炎を、突如膨れ上がった身体で吹き払う。
 自身も改造を受けたブニョの姿が変貌する。粘液まみれのぶよぶよの身体は硬く角質化し、
そして腹部が弾け、黄色い消化液を散らして何本もの長い触手が飛び出す。
 触手群の中心には、シルバーブルーメの口。
『貴様を食らって溶かしつくしてくれるわ、メビウス!』
 触手が素早く伸び、メビウスに絡みつく。そして強い力で引き寄せる。

45:下原正三
08/06/14 19:42:34 22X9rwkL0
 ずるずると引き摺られながら、メビウスは全く動じていない。
 引き寄せる力を、逆に自らの突進に上乗せし、自分を飲み込もうと待っているグロテスクな
口に向け、拳から稲妻を放って構える。その拳に、闘志の発現の炎も収束していく。
 ライトニングカウンター・ゼロの発展技、
『バーニングカウンター・ゼロ!!!!!』
 拳を突き出して火の玉と化したメビウスは自らシルバーブルーメの口に飛び込み、そのままの
勢いで、ブニョの背を貫いて飛び出した。
 胴に大穴が開いたブニョは断末魔の悲鳴を上げ、炎に巻かれて大爆発し、再び地獄へと
引き戻されていった。

 ピンチを跳ね返して勝利を収めたメビウスに街の人々は歓声を送り、GUYSの面々も
それを温かく見守る。
「そうだ。人々の不安を払うには、結局お前達が戦って勝ち、希望の未来を見せ続けるしかない。
今はその戦いに専念することだ。そうすれば、いずれ光明も見えてこよう。
 頑張れよ、弟よ」
 既にレオの姿を解き、行脚僧のいでたちとなったおおとりゲンは、もうやることはないと
ばかりに街から歩み去っていく。
『再度のご指導有難うございました、レオ兄さん』
 メビウスはその超視覚で、去っていく兄を見送った。

46:下原正三
08/06/18 09:19:08 F+qDZrwb0
タロウのが出来たので、申し訳ですが放り込んでおきます。
連投ですが、結構間が空いたので。


『タロウは勇者!?』
邪竜魔導士・マドラ、勇者の鎧・デュラフ 登場


 現状から言う。
 何時もの東京都内の住宅街から、巨大な竜が出てきた。
 東洋系の長い身体の蛇のような竜ではなく、直立恐竜タイプのスタイルに背から大きな
コウモリ羽が生えた、西洋の伝説に出てくる竜。
 吼えたけり、家々を踏み砕いて暴れ回る。住民達は無論逃げ回る。

 事前状況。
 今襲われている街の学区内の小学生の一人・毅少年は、体力がなくて運動は駄目、勉強もいまいちで、
クラスで馬鹿にされていた。
 今日もいじけながら一人学校から帰る途中、
「強い力が欲しくないかね?」
 人工森林のある公園の木陰から、一人の男に呼び止められた。
 黒ずくめの男。とんがった鍔広帽子に長いマントに先の反り返った靴、高い鼻にどじょう髭、
血色の悪い顔でうすら笑っている。あからさまに不審。
 正直怖いと毅は思ったが、男の言う『強い力』という言葉に奇妙に惹かれた。
 毅は、男の見せる不思議な術、何もない中空から突然品物を取り出したり、空中を歩いたりするという
技を見せられて驚いた。
 近寄って種も仕掛けもないことを確認した後、男は、君にもこの魔法の力が使えるようにしてあげようと
言ってきた。
 毅は最初迷っていたが、この力が使えれば君を散々馬鹿にした奴らを見返してやれるよと言いくるめられて
押し切られた。

47:下原正三
08/06/18 09:20:06 F+qDZrwb0
 了承とみなし、その代わり自分の頼みも聞いて欲しいと男は言い、毅を森の奥に連れて行く。
 この辺で怪しいと近年の子供なら気付くのかも知れないが、毅も含め、この頃の子供はよくも悪くもまだ
そこまで世慣れたりスレたりしていなかったのだろう。又、ほぼ週一で怪獣や宇宙人、それにまつわる怪奇現象が
ひっきりなしに街中で起きる環境下で、感覚が麻痺してしまっていたのかもしれない。
 暗い森の奥に連れて来られた毅は、茂みに囲まれた大きな岩があり、それに古びた紙が貼ってあるのを見て取った。
紙には、毅には読めない、何処かの外国のものらしい複雑な文字が模様のように綴られている。
 その紙を剥がしてくれ、それだけでいいと男は頼んできた。
 そこで漸く毅は何か不吉なものを感じ、やっぱりやめると言って逃げ出そうとしたが、周囲が見えない壁に
何時の間にか覆われていて出られない。黒い男の魔法の力によるもの。
 後はもう恐喝であり、このままずっといじめられっ子のままでいたいのかと男に脅され、ただ恐ろしいという
思いで毅は否応なしに紙を剥がした。

 魔法の護符によって岩に封じられていたのは、18世紀頃に英国、スコットランド一帯の平和を荒らし回っていた
邪悪な魔法使い・マドラの分身である、巨大な竜であった。
 嘘つくなと言われてもこの話ではそうなんだから仕方がない。
 分身の竜と共に強大な魔力によって人々を苦しめたマドラだったが、影と対を成し、光も必ず現れるもの。
神聖な力を秘めた時の勇者と呼ばれる存在の出現により、何度もの対決の果てにマドラは追い詰められ、
雌伏して反撃のための力を蓄えるべく、竜共々英国から逃げ出した。そして彼が潜伏する場として選んだのが、
東洋の小国・日本だった。現在のようにRPGも定着しておらず、西洋ヒロイックファンタジーがまだ然程一般的で
なかった日本なら、上手く目を欺く死角となると判断したのである。

 実際、ウルトラワールドで何時もと毛色の違う伝説上のモンスターが怪獣役で出てくるときは、殆どの場合、
日本や中国や中近東などのアジア系。

48:下原正三
08/06/18 09:21:48 F+qDZrwb0
 それはともかく、竜を周囲から隠すために自ら封印し(地下に埋めたのではなく、岩を基点とした結界に
隠していた)、同時に強大な魔力の殆ども竜自体に収めたため、魔導士のマドラ自体の魔力は弱まっていたが
(勇者に気付かれないためのやむをえない措置でもあった)、気弱な毅少年をちょっとノせる程度なら充分だった。
 悪魔の誘惑に敗れた毅の負の感情を封印解除の切っ掛けとし、邪悪な竜は閑静で平和だった街に解放され、
思う様暴れ始めた。
 狂奔の中で立ち尽くして見上げる毅に対し、竜の頭上に乗った魔法使いは高笑いした後、
「さあ、お前との約束も果たそう。お前を馬鹿にして苛めた餓鬼共の名前を言え。わしの魔力で吹き飛ばすなり、
この竜の足で踏み潰してやるなり、望み通りにしてやるぞ」
「違う! 僕はそんなことを望んだんじゃない!」
「嘘をつけ。お前はそいつらを憎いと思ったはずだ」

 が、やり取りは中断される。出現した巨竜を何時も通りの怪獣と判断したZATが攻撃しにやってきた。
 コンドル1号とスーパースワローが射撃を加えるが、巨竜は全く応えない。やがて、竜の頭部に乗っている
黒い男の姿に違和感を覚える、パイロットの南原と北島。
南原「何だあの男は!?」
北島「如何にもそれっぽい姿だが、まさか・・・」
 地上で叫ぶ毅少年を地上部隊の荒垣達が見出したことによって、黒い男が竜を操っていることが伝わる。
北島「信じられん話だが・・・」
南原「まあいいさ。だったら、まずあの男を攻撃だ!」
 南原が先陣を切って竜の頭部を狙って銃撃し、北島もそれに続く。
 だが、魔法使いは又も魔力の見えない壁を張り、銃弾を寄せ付けない。
 逆に、正面に来たコンドルとスワローに向け、竜の口から灰色の煙が吐きかけられる。
 煙を浴びた両機は失速し、地上に墜落。が、爆発はしないで建物を崩してスリップして停止。
 機体が魔法で石になっている。
 中の南原と北島も石の像になって固まっている。

49:下原正三
08/06/18 09:23:23 F+qDZrwb0
 早々と航空戦力を退けられたZATの残存戦力は、挫けずに地上からザットガンで攻撃するが、やはり
効く様子はない。魔法の壁を使うまでもなく素で弾かれている。
 このままではジリ貧だと判断し、光太郎は物陰に隠れ、
「タロウーーーーーッ!!!!!」
 ウルトラバッジを掲げてタロウに変わる。
「ぬう? 何だ貴様?」
 マドラの問いには答えず、タロウはショワーーーーーと叫んで巨竜に肉弾戦を挑む。
 打撃を次々叩き込むが、どうも有効打になっている様子がない。
「ええい、うるさい!」
 息を切らし始めたタロウに対し、マドラの命令で竜は又も煙を吐く。
 タロウは咄嗟に跳んで交わしたが、足に煙がかかってしまった。
 足が忽ち石化し、動けなくなる。
 立ちんぼうになったままもがくタロウ。

「タロウでもかなわないのか!?」
 地上で苦悶する荒垣副隊長の後ろでは、森山隊員が毅少年を宥めて事情を聞いていた。毅は感極まって
泣き、こんなことになるなんて思わなかった、怪獣をけしかけてまで友達に仕返しする気は本当になかったんだと
訴えていた。毅の本意ではないことは森山にも察せた。
「しかし副隊長、どうしたものでしょう」
「うむ・・・」
『普通の攻撃ではどうにもならない』
 別の者の声が聞こえ、振り向いた荒垣達は目を剥いた。
 長身で精悍なスタイルの西洋の鎧騎士が、住宅街のど真ん中に立っていた。
 がしゃがしゃと金属の足音を立てて歩んでくる。

50:下原正三
08/06/18 09:25:44 F+qDZrwb0
 混乱した荒垣は思わずザットガンを撃ち、それは騎士の兜に直撃した。
 兜が吹っ飛んで路上に転がる。
 兜の取れた後に人の頭がない。
 首なしで尚平然と立って動いている鎧に、一同は更に驚愕。
『まあ、落ち着け』
 首なし騎士は声を出し、悠然と兜を拾って頭に嵌め直す。
『私の肉体は既に朽ちて失われている。今や、邪悪な魔導士マドラを討ち滅ぼさんという意志だけが
この鎧を突き動かしているのだ』
 騎士は日本語で喋ってはいない。意志だけが一同の頭に直接伝わってくる。
『奴が巧妙に身を隠していたため、見付け出すのに時間がかかったが、漸く足取りを突き止めて
この遠国に辿り着いた』
 兜が苦戦しているタロウを見上げ、
『この国を守っている勇者は、あの巨人か?』
「まあ・・・そういうことになるが」
『そうか』
 騎士は納得すると、何か神々しい雰囲気の眩しい光を発し、その場から消える。

 直後、巨竜に追い討ちをかけられんとしていたタロウの身体から、同じ光が発された。
 その光にタロウのみならず、マドラも顔を覆って驚く。
「この光は・・・!?」
 光が失せたとき、タロウの足は石化が解け、元に戻っていた。
 それだけでなく、身体の要所が、金属の鎧で覆われている。
 さっき消えた騎士の鎧とそっくり同じディテール。
「やはり、にっくき我が怨敵、勇者デュラフかあッ!?」
 憎悪の声を発するマドラ。
 かつてマドラをスコットランドから追い出したのは、この鎧の主だった。
 タロウの眼前に浮いているデュラフの兜。
 タロウの角と頭上の突起が邪魔で、兜だけは被れなかった。

51:下原正三
08/06/18 09:32:07 F+qDZrwb0
『君は誰だ?』問うタロウ。
『誰でもいい。今はとにかく私と力を合わせろ。私の鎧を纏っていれば奴の魔法攻撃は無効化される。
それだけでなく、奴に対しても有効打が打てるようになる』
 タロウは、試しにもう一度拳を竜に放ってみる。
 高い音が響き、竜はのけぞって苦しんだ。
「おのれ・・・ならば、わしも本気を出さねばなるまいて!」
 竜の頭上のマドラの姿が、真っ黒な靄のように転じ、竜の身体に吸い込まれていく。
 分身として身を分けていたマドラは巨竜と一体化し、更に邪悪な気を放って唸る。
 かくして、魔法を無効化されたマドラの肉弾攻撃が開始され、その威力も決して魔法攻撃に劣るものではない。
だが、優れた体術で軽くジャンプして攻撃を交わすタロウの技量は、それを上回っていた。
 反撃のパンチの連打、そして畳み掛ける上空からのスワローキックで、マドラは忽ち弱らされる。
『今だ。とどめを刺せ』
 タロウの腕のキングブレスレットが、本人の意志でなくデュラフの意志によって分離して変形し、
幅広の刃の大きな剣になる。
 剣を両手で握ったタロウは、そこまで来ればもう指示されるまでもなく、剣の袈裟懸けの一閃で
竜を真っ二つにする。
 マドラの悲鳴と共に巨竜は最後の咆哮の後、光に還元されて消えていった。

「あれ? 俺達何を?」
 倒されたマドラの魔力が解け、コンドルとスワローも、中の南原と北島も元に戻った。
それどころか、壊された街さえ元通りになっていた。

52:下原正三
08/06/18 09:34:11 F+qDZrwb0
『感謝する、異国の勇者よ。お前の力を借りた御蔭で、長年の宿敵との因縁にけりをつけることが出来た』
 鎧はタロウの身体から蒸発して消えていく。
『これで私も思い残すことはない。さらばだ』
 最後に、宙に浮いていた兜も消えていった。

 かくして邪悪な魔導士は滅ぼされた。
 以後、毅少年はクラスの輪に溶け込むため、体力と成績を上げようと地道に努力している。
 一方、光太郎は、異郷の伝説の勇者という稀有な存在に出会ったことで刺激され、又ぶらりと世界旅行に出るのも
いいかも知れないなどと、空を見上げてぼんやりと思っていた。

53:下原正三
08/06/18 09:41:38 F+qDZrwb0
 試しにやってみましたが、その回きりの単発ゲストを出すほうが
余程難しいのを痛感します。
 タロウだけでなく、80の「恐れていたレッドキングの復活宣言」も
入ってるかもしれません。

54:名無しより愛をこめて
08/06/18 12:53:53 XAPVm4tiO
なんかタロウぽくないなぁ
80や平成三部作の雰囲気

55:名無しより愛をこめて
08/06/24 23:28:15 rz598EocO
邪竜魔導士w


56:名無しより愛をこめて
08/06/24 23:31:41 4Yjz54ud0
誰もタロウにそんな厨二みたいな怪獣期待してねえよw

57:名無しより愛をこめて
08/07/08 21:25:16 gFtB9QgA0
ほしゅ

58:名無しより愛をこめて
08/07/10 19:47:54 NSpgYQyg0
age

59:名無しより愛をこめて
08/07/15 13:11:03 qj8RjUwpO
タロウアンチスレかと思ったら違うのかw

60:名無しより愛をこめて
08/07/21 00:30:52 kAtxbFpV0
保守

61:名無しより愛をこめて
08/07/31 21:37:58 YGv2lzUn0
age

62:名無しより愛をこめて
08/08/05 21:36:40 GLnctu4q0
age


63:名無しより愛をこめて
08/08/12 19:55:34 Urfc70tZ0
保守


64:名無しより愛をこめて
08/08/23 00:40:27 wxtpC89t0
hosyu


最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch