おにゃのこが改造されるシーン素体10人目at SFX
おにゃのこが改造されるシーン素体10人目 - 暇つぶし2ch150:砕かれた思い出6/うまれかわるとき(5/5)
08/05/10 11:31:09 7KhoNLms0
   *    *    *    *    *    *

 読者諸氏もご承知の通り、この後紗希は、人工頭脳クレイブレインの
注入を免れ、ヘルマリオンのアジトを脱出することになる。「事実は
小説よりも奇なり」ということわざそのまま、その脱出劇は、どんな
作家の想像力も及ばぬほどの意外な出来事によって果たされることに
なるだろう。

 ―だが、それはまた別の物語である。

<了>

151:maledict ◆sOlCVh8kZw
08/05/10 11:47:08 7KhoNLms0
…以上、お粗末様でした。
自サイトにあげたものとほぼ同じです。紗耶の行動に矛盾があったのを直し、
また改造時間が足りなくならないようにちょっと調整しました(まだ多少怪しいですが)。
あと「宇宙怪人」のデザインが不正確だったので修正しました。
他、くどい表現を多少直したところもあります。でも基本的に同じものです。

改造されたおにゃのこが命を落とす展開は自分もあまり好きではないのですが
(蟻蜂様もそこのところを何とかしたかったのだろうと思います)
話の展開上必要だと思ったのと、毎回ソルジャードールが一体ずつ
サキによって倒されていくのがシリーズの基本フォーマットであり、
そのルールに違反しまくるのはよくないだろうという判断の上でのことです。
(前回のような例外ももちろんありだとは思いますが)

ネーミングについて、未だに「人形にちなんだ」と言われる出典がわからないながら、
志摩子と月子は人形師「四谷シモン」と「人形の九月」からとりました。
聡美と佐堂は人形関係なくて、『N・H・Kにようこそ』のキャラがベースです。
紗希の偽名が「みさき」ちゃんなのと、「文芸部」というのでついやってしまいました。
紗羅は紗耶紗希の母らしい名前ということで何となくです。
最後の「よしこ」という適当な名前は「もう名前考えるの疲れました」の合図です(爆

そういえば『青銅の魔人』には小林少年と誘拐された兄妹が
青銅魔人に改造されてしまう(後に、実は衣装を着せられただけだとわかる)
というシーンがあり、なかなかいいです。

それでは…

152:maledict ◆sOlCVh8kZw
08/05/10 11:52:30 7KhoNLms0
>>112
それも面白いですね。迷いますねえ
(なんとなく、そのどれでもある、みたいなゆるい書き方もあるかもしれません)

153:maledict ◆sOlCVh8kZw
08/05/10 12:42:53 7KhoNLms0
あ、>>146の11行目の「紗耶」は「紗希」の間違いでした(汗

154:蟻蜂フリーク ◆/sIh2XqTo2
08/05/10 14:26:58 d4uf/hCq0
>>102 104
まあまあ、虐めないでやってくださいまし。
おっしゃるとおりですが、プペロイドだけでも充分でしょ?それならw

パピオマリオンがもったいないなかったのでDNA回収という手段を使わせて
もらいました。ヘルマリオンは組織構成員には優しい組織なのでw

兄上も脇が甘かったとうことでw



155:ダイレン
08/05/10 17:55:20 IjZT2oAvO
>maledictさん
乙です。紗希の過去……ずいぶんと詳しく書かれてますね


前にも書きましたが、全部世界観が別なので登場人物にもそれぞれの未来がありますよね

この改造マシーンは虫だけですか?

156:名無しより愛をこめて
08/05/10 17:59:53 e1pCzEYV0
>>155
>この改造マシーンは虫だけですか?
設定資料にはコウモリとかバラとかクラゲとかいるじゃん

157:名無しより愛をこめて
08/05/10 18:49:33 AuLrPY2v0
おにゃのこ改造@Wikiのテンプレがキモイんだがどうにかならんか?

158:maledict ◆sOlCVh8kZw
08/05/10 19:17:43 7KhoNLms0
>>155ダイレン様
自分は虫を続けてしまいましたが、>>156様の言うとおり、色々ありのようです
あと、鳥類なんかも面白そうですよね。

>>154蟻蜂フリーク様
自分としてはクローン再生をありにしてしまうと紗希の戦いがあまりに
不毛になってしまうのと、逆に「かつての友人を殺さねばならない」という
紗希の悲劇性が薄れてしまう感じがするので、それはなしでいきたいと
思っています。

…ただ、それはそれとして、蟻蜂様の方の世界で一本浮かんでしまいました。
パピオマリオンのクローンが完成するシーンです。
勢いで書いたのでちょっと乱れているかもしれませんがご容赦ください。
で、勝手に妄想させて頂いて蟻蜂様すみません。

159:野望教授・妄想
08/05/10 19:22:10 7KhoNLms0
「さて、お次は…」
黒いマント、顔の半分は醜いケロイド、もう片方の目にスコープのような機械を埋めこんだ
奇怪な男が、「どれにしようかな」とおやつを選ぶ子供のように、わたしたちの一人一人
を指さしながら品定めをしている。。わたしに当たりませんように!そう念じかけたわたしは、
その願いが同時に友達の犠牲を願うことでもあることに気が付き、神様にお詫びする。
そしてわたしは変わり果てた大親友の方へそっと目を向ける。
 うずくまり、すすり泣いているその姿は、とても悲しいことに、もはや人間のものでは
なくなっている。体毛の一切ない、異様な質感の皮膚、乳房に浮かんだ毒々しい
同心円模様、額からは触角、頭の両脇には複眼。楽しいときも、辛いときも
いつも一緒にいた大親友、野々村紗希ちゃんは、その華奢で愛らしかった肉体を、
そんな、人間とミツバチを合成したような奇怪な生きもの「ビーマリオン」に改造されて
しまったのだ。
 その横では、同じく異形の者に変えられてしまった紗希の姉の紗耶ちゃんと、
手芸部のおとなしい少女、西村小夜子ちゃんがいる。小夜子は紗希と同じく
すすり泣き、紗耶はやはり力なくへたり込みながらだが、目を真っ赤にして、
奇怪な男、骸教授に向かって叫んでいる。
「卑怯者!この卑怯者!よくも紗希を!よくも紗希を!」
紗耶と紗希はその美しい兄弟愛につけ込まれ、たて続けに改造されてしまったのだ。
紗耶の怒り、悔しさはどれほどのものだろう。
 そうして、少女三人の改造を終え、もう一人の少女が改造に耐えられずに「食べ」られて
しまったのを確認した骸教授は、今や五人目の犠牲者の物色を始めているのだった。
 わたしは考えていた。改造は一人ずつ順々にしかできないらしい。クラスメートの全員を
改造し終えるにはまだ時間がかかる。そして、改造を待っている間に、何か幸運な奇跡が
起きるかもしれない。例えば、正義の味方が現れて、わたしたちを救出してくれるかもしれない。
そんな夢みたいな願いも、こんな悪夢みたいな状況下では、かえってかないそうな気がする。

160:野望教授・妄想(2/9)
08/05/10 19:24:30 7KhoNLms0
 だが、とわたしは思った。そんな奇跡が今すぐ起きる気配はない。五人目があの機械に
送り込まれるのは間違いないだろう。奇跡が起きて、クラスメートが助かるためには、少なくとも
その五人目の少女が改造される時間が必要だろう。誰かが犠牲になる必要があるのだ。
 ならば…わたしが、その生け贄になろう。大好きな紗希はもう改造されてしまった。わたし
だけが無事に助かっていいはずがないのだ。だって、だって、わたしたちは親友なのだから。
 骸教授の目が、いかにも悲劇のヒロインにふさわしそうな、お嬢様の御影さんに固定された。
そして新たな犠牲者を指さそうとその手を動かしかけた。
 わたしはそれを見て、ぶるぶる震えながら立ち上がり、言った。
「…わ・わ・わ・わたしを!」
 舌がもつれてうまくしゃべれない。目からは勝手に涙が流れてくる。
「わわわわたしを、かかかか改造しなさい!」
 思い切ってそう言いきったわたしは、軽く驚いている骸教授の方を向きながら、
震える指でブラウスのボタンを外し、ブラウスを脱ぐとスカートのホックを外し、次にブラを外した。
すうっとした外気が乳房に当たり、わたしは場違いな解放感を感じた。それから思い切って
ショーツを下ろした。
「か・か・改造には、こ・こうするのが必要なんでしょ!さあ、早くして!お・お・乙女に恥を
かかせないで!」
 骸教授が面白そうに答える。
「よかろう。次はお前にしてやる。それにしてもどういうことだ?人間でありながら、
ソルジャードールの美しさに目覚めたのかな?」
 わたしは怒り声で答える。
「そんなんじゃないわ。紗希が改造されて、わたしが改造されないなんて、わたし的には
ありえないからよ!だって、わたしたち、大親友だから!ね?紗希」

161:野望教授・妄想(3/9)
08/05/10 19:26:37 7KhoNLms0
 そう言って目を向けたわたしを、紗希は目を丸くして見つめている。それから紗希は、
ぽろぽろと涙をこぼしながら言った。
「ちさと!やめて!わたしなんかのために…」
 わたしはむりやり笑顔を作って言った。
「いいんだよ、紗希。自分で決めたんだから。こんな時だけ引っ込み思案なんて、わたしの
キャラじゃないんだよ!」
 そのやりとりを聞いていた骸教授はいやらしく笑いながら紗希に言った。
「むはははは、果報者だな。姉ばかりか、親友も、お前のために人間を捨てると言ってくれたぞ!
わはははは。美しいのう。わはははは」
 わたしは、ともすればすくんでしまう足を引きずりながら、恐ろしい改造装置へ向かってい
歩き始めた。そして靴と靴下を脱ぎ、手術台に横たわり、言った。
「始めて!」
 骸教授は念を押すように言った。
「言っておくが、マリオンラーヴァがお前を選ぶとは限らん。お前が適合者でなければ、おまえは
激しい苦痛と共にマリオンラーヴァに吸収され、その養分となる。いいな?」
「望む所よ」
 わたしは強気で言った。生きて化け物にされるのも、化け物に食われて死ぬのも、悲惨さでは
似たようなものだ。ただ、わたしが食べられたら、紗希は独りぼっちになっちゃうな。…ううん。
ちがった。紗希には紗耶がいるんだ。お腹の中にいたときからずっと一緒の、わたしなんかより
ずっとずっと強い絆で結ばれた女の子。わたしがどんなに紗希が好きで、紗希の一番の人に
なりたいと思っても、わたしは紗耶にはなれない。なんだか悔しいな。
 そんな幾たびも心に浮かんだ軽い嫉妬心を抱えたわたしを、手術台は装置の中に運び始めた。
そして、赤黒い光に照らされたわたしを、無数の触手が包んだ。緊張の糸がぷっつりと切れた
わたしを激しい恐怖が襲った。わたしは半狂乱になり、わけのわからないことを叫んでいた。
「ああ、入って来ちゃうよ!ああ!入ってくる!入ってくるよ…ああああああ!」

162:野望教授・妄想(4/9)
08/05/10 19:29:40 7KhoNLms0
 大声をあげてわたしはベッドから飛び起きた。 とてつもなく生々しい、おぞましい夢を見て
しまった。ぐっしょり汗をかいて激しく息をしているわたしに、横にいた紗耶が声をかける。
「…ちさと、大丈夫?ひどくうなされていたと思ったら、いきなり大声をあげて…」
 わたしは昨日までのままの姿をした紗耶の顔を見て、自分の体を見て、周りを見回して、
それから大きな安堵のため息をついた。ここは合宿所。今日はサマースクールの最終日。
悪夢の中で半日ほど過ごしてしまった日を、これから正式に迎えることになるわけだ、と
いうことが分かった。
「ちさと、もう朝食の時間だよ。早く着替えて食堂においでよ」
紗耶はそう言って部屋を出て行った。わたしはパジャマを脱ぎ、夢の中で着ていたのと
同じ衣装に着替えて、食堂に向かった。
 食堂ではもう朝食の準備ができあがっていて、みんながわたしが来るのを待っていた。
「ごめーん。また寝坊しちゃった」
 言いながら、まだ起きてきていない子も多いことに気づいた。春子がいないし、あの、夢の
中で怪物に食べられてしまったひな子もいない。そして…
「紗希は?わたしならともかく、紗希が寝坊するなんて珍しい、ていうかありえない!
何かあったの?」
 紗希に限って寝坊などありえないことをよく知るわたしは、真剣に紗希の様子が心配になった。
「わたし、部屋に行ってくるよ」
 そういって食堂を出ようとしたわたしを、紗耶がぞくっとするほど冷たい声で制止した。
「いいのよ。あんな出来損ない」
 何だ?何か変だ。いつもの紗耶じゃない。
 不審に思って紗耶の顔を見るわたしに、小夜子も声をかけた。
「そう。出来損ない、要らないわ」
 驚いて小夜子の顔を見る。その顔には何かどす黒い憎悪のようなものが貼り付いている。
いつものおとなしい小夜子じゃない。当惑するわたしに、紗耶がわけの分からない説明を始めた。

163:ダイレン
08/05/10 19:29:51 IjZT2oAvO
>>156
>maledictさん

ありがとうございます。自分の目が行き届いてないばっかりにお手数おかけいたしました

自分は由美ちゃんに友達を手にかけてほしくないんすけど……そこら辺は紗希の壊す力・由美ちゃんの救う力の違いを描きたいですね

戦闘とかにも力を入れていきたいと思いますんで、ご理解頂きたいと思います

164:野望教授・妄想(5/9)
08/05/10 19:32:45 7KhoNLms0
「紗希とわたしはいわば天然のクローンだからね。遺伝子はあるの。あなたと同じで記憶情報も
揃っている。でも、紗希の複製を作ってもあんまり意味はないのよ。なぜなら、ディソルバー・
サキの強さの由来は、その無改造の脳が繰り出す、予測困難で柔軟な行動パターン。
残念だけど、複製が『本物』にかなうわけがないことははっきりしてるのよ」
 何を…紗耶は何を言っているのだろう。わたしはあの悪夢がまだ醒めていないような気に
なってきた。この場を逃げ出すべきではないのか。このままここにいると、何かとても恐ろしい
ことに巻き込まれるのではないか。そんな、本能的な恐怖がわたしの中に芽生えた。
そしてその恐怖に促されるまま、わたしは食堂を出ようとした。
 だが、そんなわたしを紗耶の手が引き留めた。とても人間とは思えない強い強い力だ。
「逃がさないわよ」
 その顔には邪悪な喜びを湛えた笑みが浮かんでいる。紗耶は厨房の方に声をかけた。
「教授!そろそろ大丈夫ですか?」
 厨房から調理係のおばさんがマスクをして出てきた。そして、下卑た男性の声で答えた。
「もうとっくに細胞は定着しとるわい。まったく、くだらんことをしおって」
 調理のおばさんはマスクを取り割烹着を脱いだ。ああ。なんてこと。その下から出てきたのは
あの悪夢の主役、骸教授だ。
 紗耶は骸教授の姿を見て驚きもせず、強気で言い返す。
「『くだらないこと』じゃありません!ちさとの精神に、前回にはなかった要素を効率的に
組み込む、大事な手続きです!」
 骸教授は苦々しく言い返す。
「つくづく生意気なやつだ。ともかく、茶番は終了させるぞい」
 そう言って骸教授は手の中の装置のようなものを操作する。とたんに、食堂は姿を消し、
周囲は気味の悪い部屋に変わった。そして、紗希たちの衣服は消え去り、みんな
生まれたままの裸の姿になってしまった。みな、その姿を恥じらいもせずに堂々と立っている。
その様子は、何か別の生きものを見るようだった。

165:野望教授・妄想(6/9)
08/05/10 19:33:25 7KhoNLms0
 教授が軽く怒りながら言う。
「あ、お前たち衣服もホログラムだったのか。わし一人にこんなアホな格好させおってからに。
しかも、結局出番はなしじゃ!」
 ホログラム。つまりさっきまでの食堂は立体映像だったということらしい。そして、部屋の中央、
長テーブルのあった場所には、あの悪夢に登場したマリオン・ラーヴァと呼ばれる人工生命を
収納した機械が据えられ、夢の中と同じく、白い手術台がその前にせり出している。
 状況はよく分からないものの、自分が夢の中と同じく、あれに乗せられるだろうことだけは
直観的に分かった。目覚める直前のあの恐怖が甦り、わたしは絶叫した。
「いやああああああ!改造なんていやだ!」
 ふと見ると、わたしの腕を握っていた紗耶の手は、爪のない白いグローブをつけたような
形態に変化している。驚いて見上げると、その姿は悪夢に出てきた紗耶の姿そのままだ。
毛一筋ない青い皮膚、乳房を彩る毒々しい同心円模様、太い触角、頭に埋まった複眼…
 紗耶だけではない。小夜子もやはりあの蜘蛛の怪物になり、その他の子たちも様々な
異形に変じている。しかし、夢の中とは異なり、誰一人としてその姿を嘆いたり悲しんだり
恥じたりはしていない。むしろ、その姿を得意がり、誇示しているように見えた。
「ああ、紗耶!悪夢じゃなかったの?どういうことなの?」
 わたしはおびえ、うろたえながらどうにか言葉をつないだ。紗耶は説明を始めた。

166:野望教授・妄想(7/9)
08/05/10 19:34:05 7KhoNLms0
「あなたが見た『悪夢』は三年と少し前のあなた自身の記憶。正確に言うと、マリオンラーヴァ
にバックアップされた、オリジナルの相良ちさとの改造直前までの記憶情報よ。
 相良ちさと、あるいはパピオマリオンは一度死んだ。とてもひどい死に方だったわ。
それを惜しんだ骸教授が、あなたのクローンを培養した。そこにいる小夜子や綾香と
同じようにね。そして、一時間ほど前にちさとクローンの培養は完了し、早速その真っ白な脳に、
バックアップされていた相良ちさとの記憶情報がインストールされた。これで、改造直前の
相良ちさとがほぼ完全に復元された。あとはこの新しいちさと、つまりあなたをもう一度、
あのときよりも格段に性能の増したマリオンラーヴァに与えて、改造すればパピオマリオンは
復元される。だけど、わたしはその途中に一つのステップを提案したの。つまり、ホログラムを
用いた、ちさとクローンの精神誘導。あなたに三年前と同じパジャマを着せ、ホログラムで
再現された合宿所のベッドで寝かせる。要するにあなたが今しがた経験しつつある手続き。
 さて、マリオンラーヴァがお待ちかねよ。続きは作業しながら話すわ」
 紗耶の怪物はそう言うとその翅を一瞬羽ばたかせた。わたしの衣服は一瞬で切り刻まれ、
わたしは生まれたままの姿にされた。そして怪物化した紗耶のものすごい力で引きずられ、
手術台に固定されてしまった。
 紗耶の怪物、ホーネットマリオンはうれしそうにわたしの顔を覗き込んだ。
「もうじき大事な仲間が帰ってくる。とてもうれしいわ。あなたのオリジナルがあの作戦に
同意したときには、こんな日が来るとは思っていなかった。骸教授に感謝しなくてはね」
 悪夢…いや三年前の、今はいない「本物のわたし」の記憶通りに、装置の口が開く。だが、
手術台は動き出さない。紗耶が言う。
「前回のあなたには『絶望』がちょっと足りなかった。実はわたしもそうなんだけど、わたしの
場合にそれがいい方に発現したのに対して、あなたの場合、その要素が裏目に出て、
操り人形としての性能によくない影響が出たの。今回せっかくやり直せるんだから、
あなたにはしっかり絶望してもらおうと決めたのよ」

167:野望教授・妄想(8/9)
08/05/10 19:35:03 7KhoNLms0
 紗耶はむごいセリフを淡々と吐いた。骸教授が大きな舌打ちをした。自ら名乗り出たわたしを
手術台に送ったのは骸教授だ。紗耶にそのつもりはなくとも、紗耶のセリフが、暗にこの陰湿そうな
老人を責めているように聞こえたのだろう。
 紗耶は続けた。
「そしてもう一つ。今のうちにあなたにどうしても知っておいてもらいたいことがある。とても
重要な事実よ」
 これ以上、どんな恐ろしい事実を知らされるというのか。わたしは思わずごくりとつばを飲んだ。
「あなたをむごいやり方で殺したのは紗希よ!あなただけじゃない。小夜子や綾香や、そのほか
何人ものクラスメートを紗希は殺した。わたしたちが化け物だという理由で。自分も化け物に
なってしまったのに、そのことはちゃっかり棚に上げてね」
 わたしは思わず叫んでいた。
「嘘よ!そんなの信じない!」
 紗耶は追い打ちをかける。
「嘘だと思うなら、これをご覧なさい」
 そう言うと紗耶は壁面のスクリーンを指さした。スクリーンには、改造された紗希が、わたしの
顔をもった蝶の化け物を惨殺するシーンがはっきり映し出されていた。わたしは息をのんだ。
「残念だけど、これが真実よ。あなたはこれから肉体改造と脳改造を受け、心の中まで、
わたしたち同様、人間の基準で言う『化け物』になる。新型の改造装置の試作品で、
装置から出てきたときにはちゃんと「糸がつながった」、つまり完全に脳改造が済んだ状態に
なっているわ。肉体だけではなく、心の中まで人間らしさがなくなるの。恐ろしいでしょう?
人間なら当然の感情。でも、わたしたちはみな、その試練をくぐり抜けて一緒に生きてきた。
でも、その運命から、紗希一人が逃げ出したの。いつだってわたしたちは紗希を迎え入れる
準備をしているのに、紗希はそれを拒み、恐ろしい殺戮者として生き続けているのよ。
いい?つまり紗希は、自ら進んで『同じ』になることを決意したあなたを、裏切ったのよ!

168:野望教授・妄想(9/9)
08/05/10 19:35:44 7KhoNLms0
 …紗希を恨むなというのは無理ね。だけど、わたしはわたしなりに紗希を救いたいと思っている。
紗希は脳と肉体のバランスがとれていない、危険な未完成品なのよ。ちゃんとみんなと
同じになれば、そんなことはなくなる。妹だからわたしは何とかしてあげたい。でもね、
わたしのこんな気持ちを無理に共有しろとはいわない。あなたはあなたの思うように考えなさい。
 さあ、大事な話は終わったわ。改造を始めましょう。次に合うときはまた友達だね」
 最後の最後で、紗耶は昔のままのようなやわらかな声をかけた。もうじき人間では
なくなってしまうというとてつもない「恐怖」が、ほんの少し緩和された気がしたが、
これは改造にとってマイナスなのではないのかしら、と妙に冷静な思いが浮かんだ。
 だが次の瞬間、わたしを飲み込んだ改良型マリオンラーヴァが、わたしの体と心に、
ありとあらゆるどす黒く歪んだものを注ぎ込み始めると、そんな冷静さのカケラは吹き飛んで
しまった。わたしの体と心は急激に変化し、人間だったときの感情は急速に色あせ、
理解できなくなり始めた。ああ、怪物になっていく。手も、足も、お腹も、おっぱいも、
そして心も。人間のままの部分がどんどん失われていく。もう戻れない。二度と帰れない。

 マリオンラーヴァにくるまれ、怪物、いや改良型ソルジャードールとしての自覚が
急激に芽生え始めたわたしは、自分の中に人間のままの部分が一箇所だけ残っていることに
気が付いた。マグマのようなどす黒い思いだ。
―そう、それは、今しがた芽生えた、「紗希への憎悪」だった。

<了>

169:maledict ◆sOlCVh8kZw
08/05/10 19:41:59 7KhoNLms0
…以上、お目汚し失礼しました。

紗耶は自分が紗希を逃がしたことを伏せてますね。
この腹黒さは蟻蜂様の「けなげキャラ」とはちょっとずれるかもしれませんが、
まあ、あくまで仲間になる前の、人間相手のことですので。
それより教授の出番がやっぱり減っちゃいました。
一応、教授の紗耶への感情を出すように意識したつもりですが。

>>163ダイレン様
規制が気になるあたりで書き込み頂いたので、後半さくさく投下できました。

由美ちゃんvs紗希ですか?楽しみです!

170:蟻蜂フリーク ◆/sIh2XqTo2
08/05/10 21:11:33 d4uf/hCq0
>>maledictさん
乙です^^ 感動です^^ どんどん使えそうなのがあれば使っちゃってくださいw
maledictさんの細かい表現技法とか大変勉強になります^^ 

スピンアウトをさらに重ねて、孫娘マリオンヘイルちゃんでネタ思いついてしまった^^;

171:名無しより愛をこめて
08/05/10 22:32:22 x7Zm2l0M0
maledictさん乙です
創作意欲がすごく湧いておられるようで驚きです

ところでヘルマリオンものに関してBeeF氏が残した設定資料を読んでて、ふと思ったのですが
パピオマリオン=相良ちさとの設定について
>紗希との想い出の数々のひとつひとつを踏みにじるように罠を掛けるが、最後には…?
とあるんですが、この「が、最後には…?」が気になります
ひょっとしてBeeF氏の構想では、maledictさんが書かれたように演技ではなく、ちさとは死のまぎわに
本当に自我を取り戻して紗希に詫びたあと、友情を再び確認し合うというエンディングにするつもり
だったのでは?
その意味ではBeeF氏以上に、maledictさんの方が鬼畜ですね(褒めてます)

まあSSのかたちになっていない以上、最初に書かれたものが正史になるということでいいと思います

172:maledict ◆sOlCVh8kZw
08/05/11 00:00:44 MHS2HmaxO
>>171
お褒めいただきありがとうございます(冷汗

痛いご指摘です。たしかに「が、最後には…?」の部分はフォローできていません。
自分のもある種のどんでん返しではありますが、「踏みにじる『が』(しかし)」という逆接にはなっていませんね。
単に自我を取り戻す(拙作でいうと「糸が切れる」)だけならば毎回のお約束のシーンの筈で、
それ以上の何かなんだろうかと考えたものの、よくわからず、結局書きたいように書いてしまった、ということです

よく考えると上記の展開も、シャドウムーンさんの末期のセリフとして日曜の朝から全国に放映された
ものと大差なかったりしますね(考えれば、ブラックってかなりキツい話でしたね。偉大です)

173:蟻蜂フリーク ◆/sIh2XqTo2
08/05/11 06:47:51 ldFe4k/J0
出来立てホヤホヤのSS投下します。

調子がよく3時間で仕上がりましたが、早くできた分、
内容が浅いかもしれません^^;(その点はご容赦願います^^;)

174:蟻蜂フリーク ◆/sIh2XqTo2
08/05/11 06:51:06 ldFe4k/J0
「野望教授の孫」
【フランス共和国  ストラスブール】
「キャハハハハハハ!」
少女のような笑い声が聞こえると同時に強烈な爆音が響き、爆風によって人々が木の葉のように吹き飛ばされていく。
ドイツ国境近くの中堅都市は正体不明の物体に攻撃されていた。
TGVが停車する駅舎が吹っ飛び、フランスらしく洒落た外見を持つ欧州人権裁判所、欧州議会などのEUの主要施設の建物も次々と破壊
され、ユネスコの世界文化遺産に登録された旧市街も炎に包まれていく。
ヨーロッパ有数の伝統都市はわずか時間のうちに灰燼に帰した。
ラファール戦闘機やルクレール戦車などの強力な兵器を装備しているフランス軍も、謎の物体の前にあっさり撃破された。
「ホッホッホ、大統領よ。名はイヌコジとやらだったかの?無駄な抵抗はやめるのじゃ。次はマルセイユかリヨンか?いっそのこと貴様のいる
パリでも焼いてやろうかのぉ・・・ホッホッホ」
骸教授の『ご挨拶』のメッセージを受け取り、フランス大統領イヌコジはエリゼ宮の執務室で呆然としていた。
モニターには廃墟と化したストラスブールの街並み、無数の市民の焼死体、フランス軍の兵器の残骸が映っていた・・・・・・
対ヘルマリオン強硬派で知られる彼に反撃を躊躇させるのには充分なものだった。



175:蟻蜂フリーク ◆/sIh2XqTo2
08/05/11 06:52:11 ldFe4k/J0
【アジト】
「たっだいま~ じいちゃん!」
「ホッホッホ、おかえり。今帰ったのか。楽しかったか?」
「うん、いっぱい殺しちった。へへ」
骸教授がフランス帰りの孫娘と楽しそうに会話を交わす。
「そうか。よかったのぉ・・・。それじゃ、フンコロガシマリオンとでも遊んでおいで」
「は~い!」
マリオンヘイルはマリオンラーヴァの前を高速で走りぬけていった。
その折にプペロイドが2体跳ね飛ばされてしまった。
「こりゃ!もっと静かに行くのじゃ!」

すれ違うソルジャードルたちが立ち止まって最敬礼する。
「ちゃ!トンボちゃん元気ぃ~?」
「カゲロウちゃんも姉妹仲良しだね」
ソルジャードールたちに愛想よく声をかけていく。



176:蟻蜂フリーク ◆/sIh2XqTo2
08/05/11 06:53:20 ldFe4k/J0
「きゃはははは まてぇ~!」
「ヒィ~~~」
「フンコロガシ、今度捕まったら、キック3発ねぇ~ きゃはははははははは」
涙目でフンコロガシマリオンがフンを転がしながら逃げ回る。邪念獣ガッジーラもマリオンヘイルの後に従って飛び回る。
フンコロガシマリオンは実質マリオンヘイルのウォーミングアップに使わている。やみくもに汚物を転がすだけのものを養っておくほど、
ヘルマリオンも構成員に優しくはなかった。
「マリオンヘイル様、専用エネルギー『ドールビタンD』でございます。」
遊び終えたマリオンヘイルにスパイダーマリオンが哺乳瓶を跪いて差し出す。
「ねえねえ、クモちゃん、今度、人間狩りに行くんだって?ヘイルもついて行っていい?」
「はぁ・・・・構いませんが、骸教授様のお許しを得たほうがよろしいのでは?・・・・・」
「うん そうだね。クモちゃんはいつもみんなのお世話してエライね」
「いえ、そんなこと・・・・・・」
スパイダーマリオンは謙遜した。
「じゃあ、じいちゃんがいいよっていってくれたら、約束だよぉ!ちゃば~~い!」
エネルギー補充が終わると、通路を猛スピードで走り去っていった。プペロイドを3体ほど吹き飛ばしながら・・・・



177:蟻蜂フリーク ◆/sIh2XqTo2
08/05/11 06:54:10 ldFe4k/J0
【都内S区】
プペロイドを数十体引き連れて、人間狩りのターゲットポイントに現れた。
建物の中では、私服姿やブレザーやセーラー服などいろいろなタイプの制服に身を包んだ高校生が席に座って
参考書を読んでいたり、ひたすら問題集の問題を解いていたり、息抜きに友人と談笑したりしている。
「よかったですね。骸教授様のお許しが出て。」
「うん。でもねぇ、ホーネットちゃんがダメ~って言ってんだけど、じいちゃんが怒っちゃって、結局、OKだってさ。へへへ。」
マリオンヘイルは無邪気にスパイダーマリオンと会話する。
「ねえねえ、クモちゃん、あそこで人間狩りするの?」
「左様でございます。あそこは予備校というものでございまして、手ごろな素材がウヨウヨいます。どうやら今は休憩時間らしいですね。
改造前に私も夏期講習だとかでお世話になりました。」
「ふーん。クモちゃんもいたことあるんだ?ねぇねぇ、楽しかった?」
「いいえ、退屈なところでした。ですから、マリオンヘイル様、選ばれし者だけでも『楽しい』場所に連れていって上げましょう。」
「うん!で、誰を連れてけばいいの?」
「はい。今回は容姿にすぐれたメスがターゲットでございます。マリオンヘイル様のスカウティングセンサーにも反応が出ると思いますので、
反応のあったものをお捕まえください。」
「反応無しのとかオスは?」
「フフフ、そうですね~ 殺しちゃいましょうか。」
邪悪な微笑がスパイダーマリオンに浮かぶ。
「では、参りましょうか。」
「うん!」



178:蟻蜂フリーク ◆/sIh2XqTo2
08/05/11 06:55:36 ldFe4k/J0
「川井塾」という看板のある建物に2体とプペロイド達が突入した。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~~~~!」
予備校の建物の中から悲鳴があがる。
学生達や職員や講師たちが逃げ惑う。
「フフフフ、もう逃げられないわ。」
スパイダーマリオンが口から吐いた糸がブレザー姿の可愛らしい顔の女子高生をグルグル巻きにしていた。
顔以外、糸でグルグル巻きにされ、一生懸命、体を動かして逃れようとしているが無駄な抵抗である。
マリオンヘイルやプペロイドは透明な拘束具を使って素材を確保する。
「きゃはははは、おもしろーい! アンタ邪魔!」
マリオンヘイルが男子高校生を払いのける。その男子高校生は飛ばされて、壁に叩きつけられて潰れ、肉片や血を撒き散らす。
予備校は地獄絵図の様相だった。



179:蟻蜂フリーク ◆/sIh2XqTo2
08/05/11 07:02:56 ldFe4k/J0
受付カウンターのテーブルの下で女性事務員が事務員が隠れて震えていた。
周囲が静かになったため、彼女はそっとあたりの様子を窺おうとテーブルから顔を出そうとした。が、そのとき、
「みーつけたっ!きゃははははは」
無邪気な笑顔で、西洋の少女人形のようなものがカウンターのテーブルの上に立っていた。
10歳ぐらいの小学生ほどの大きさがあった。
「い、いやぁ~~~~~!」
制服姿の事務員が悲鳴を上げる。
「うん?反応しないな・・・・・・」
マリオンヘイルがそういいながら、ひょいっと彼女を片手で持ち上げる。
「どうしよっかなぁ・・・・・ねえねえ、クモちゃん、コレ、どうすればいい?きゃはははは」
一通り捕獲を終え、そばに控えていたスパイダーマリオンに聞いた。
「ちょっと拝見させていただいて宜しいですか?マリオンヘイル様。」
スパイダーマリオンはそういって覗き見た。
「あなた、綺麗な顔してますね。フフフ。年はいくつ?」
「に、に、23です・・・・・」
事務員は怯えきった顔で答える
「ふ~ん。16~18才に設定してたせいで反応がなかったのね。おめでとう。あなたも連れて行ってあげる。
マリオンヘイル様、ソレは素材でございます。」
スパイダーマリオンは糸を吐いて事務員を拘束する。



180:蟻蜂フリーク ◆/sIh2XqTo2
08/05/11 07:03:58 ldFe4k/J0
「じゃあ、終わったことですし、引き上げましょう。マリオンヘイル様」
「うん!おもしろかったね~!クモちゃん」
「はい」
清清しい笑顔でスパイダーマリオンは返事をした。
獲物はプペロイドたちが抱えている。計34体を捕獲した。
玄関口を出ると、警官や野次馬やマスコミ関係者の死体が転がっていた。

「お迎えに上がりました。マリオンヘイル様。」
玄関口から出ると、ホーネットマリオンがそれまで腰掛けていた赤色灯のランプが叩き割られたパトカーから飛び降り、跪いて言った。
「スパイダーマリオン、ダメじゃない。モタモタしてたら!アンタたちが夢中で捕まえてるとき、すでに囲まれてたわよ。私がいなかったら
マリオンヘイル様に余計な手間をおかけさせてたところじゃない!」
「ごめんなさい・・・・ホーネットマリオン・・・・」
スパイダーマリオンが上下関係があるわけではなかったのだが、思わず謝ってしまった。
「え?手間じゃないよ~ 警察屋さんと遊ぶの大好きだしぃ~ きゃはははは」
マリオンヘイルが無邪気にしゃべる。
「マリオンヘイル様、骸教授様がお待ちです。さあ、参りましょう。」
「うん!ホーネットちゃん!」
ホーネットマリオンがその場を仕切っていた。
スパイダーマリオンは何か言いたそうな目でホーネットマリオンを見つめていた。



181:蟻蜂フリーク ◆/sIh2XqTo2
08/05/11 07:05:21 ldFe4k/J0
【都心近郊M市】
「くそ!しぶといな!プペロイドのくせに!」
ビーマリオンは息が切れそうになっていた。
「ギギッ!」
プペロイドがまだ10体ほど生き残っている。
(・・・・まだ5体ほどしか倒してないのに)
ビーマリオンは焦りを感じつつあった。
公安の長田からS区にある予備校が襲撃される恐れがあることを知らされて、ヘルマリオンが来る前に迎え撃とうとしようとしたのだが、
ヘラクレスマリオン率いる一団に襲われていた。
「ハッハッハ!そいつらは俺直属の格闘戦強化型のプペロイドさ。通常のヤツの2倍の戦闘力。並みとはちがうんだよ!並みとはな!
お前たち!やってしまえ!」
ヘラクレスマリオンがプペロイドをけしかける。
「ビースティンガー!」
ビーマリオンは乳房を揉むように刺激して乳首から発射する。
かろうじて1体倒す。しかし、生き残ったプペロイドが、なおも襲い掛かる。
「ええぃ!・・・ビースティンガー!乱れ撃ち!」
さらに乳房を刺激し、針を連射する。
まだ3体ほど生き残っている。プペロイドに今までこんなに苦戦したことはなかった。
「俺様が手を下すまでもないかな。ハッハッハ」
「おい、ヘラクレスマリオン!」
スタグビートルマリオンが姿を現す。
(よりによって・・・・・ソルジャードールが、もう1体も・・・・)


182:蟻蜂フリーク ◆/sIh2XqTo2
08/05/11 07:06:01 ldFe4k/J0
「なんだって、もう少しだぞ・・・・」
スタグビートルマリオンに耳打ちされた後、ヘラクレスマリオンは狼狽した。
「骸教授様の命令だ・・・・足止めだけでいいそうだ。」
「ちっ!ビーマリオン!命拾いしたな・・・・・次は覚悟しておけ!」
ヘラクレスマリオンたちは姿を消した。
ビーマリオンはその場で倒れこんでしまった。
そして激しい雨が降り出し、容赦なく大粒の雨がうつ伏せに倒れたビーマリオンをたたきつけていた。

やがて、公安の面々が駆けつけ、ビーマリオンをワゴン車でどこへともなく運び去った



183:蟻蜂フリーク ◆/sIh2XqTo2
08/05/11 07:07:48 ldFe4k/J0
【アジト マリオンラーヴァ】
「ホッホッホ。今日もまた大漁じゃの。ピチピチじゃわい。でかしたぞ!マリオンヘイルにスパイダーマリオン!」
「てへへ~褒められちった。」
マリオンヘイルはスパイダーマリオンのほうを向いて無邪気に笑う。スパイダーマリオンは跪きながら微笑で返す。
骸教授は檻の中の女子高生達を嘗め回すような目で見る。
「1匹、ちょっと年食ったのがいるようじゃが、まあ、よかろう。ホッホッホ。年功序列とやらでコイツから改造してやろう。
おい、そこのプペロイド、こいつを手術台へ持って行け!」
「い、いやぁ~~~~!」
可愛らしいルックスで予備校生たちからも人気のあった23歳の予備校事務員がプペロイドに引きずられていく。
プルンと形のいい胸があらわになり、全裸にされ、手術台に載せられる。
マリオンラーヴァは不気味に鼓動を繰り返す。
「きゃぁぁぁ・・・・・・・・・・・・・・」
悲鳴とともに彼女は飲み込まれていった・・・・・・・・
「ホッホッホ。アオスジアゲハかぁ・・・・ホッホッホ。ブルーラインマリオンと名乗るがよい。蝶は美しいのぉ。」
「ありがとうございます。ヘルマリオンに栄光あれ!」
「アオスジアゲハ、アゲハ~ きゃはははははははは。コレね~私が捕まえたんだよ。」
マリオンヘイルは嬉しそうにはしゃぐ。
「ホッホッホ、そうじゃったかぁ。孫のためにも頑張るのじゃぞ。ブルーラインマリオンよ!」
「かしこまりました。骸教授様」


184:蟻蜂フリーク ◆/sIh2XqTo2
08/05/11 07:20:45 ldFe4k/J0
「そうじゃ、マリオンヘイル。好きなの檻から選んで来るがよい。」
「え?いいの?じいちゃん、でも、どれ選んでいいかわかんない・・・」
「マリオンヘイル様、わたくしが手伝いましょう・・・・」
傍に控えていた何体かのソルジャードールの中からホーネットマリオンが名乗り出た。
「たわけ!出すぎた真似をするな!ホーネットマリオン!身の程を知るのじゃ!引っ込んでおれ!」
骸教授が怒鳴り声を上げると、ホーネットマリオンは一礼して元の位置に戻った。
ビクッとした、マリオンヘイルは泣きそうになっていた。マリオンヘイルは泣き出すと超強力な破壊音波を出す。
(・・・しまったわい!ワシとしたことが・・・・・)
骸教授自身も慌てていた。が、そのとき、
「マリオンヘイル様、ではわたくしと選びましょう・・・・」
咄嗟にスパイダーマリオンが歩み寄った。
「うん。クモちゃん。クモちゃん大好き。」
機嫌が直り、みなホッとため息をついた・・・・
「ホッホッホ。スパイダーマリオンよ、お前はほんとうに気が効くのぉ・・・(誰かと違って)」
骸教授がホーネットマリオンに対する皮肉を込めて言った。


185:蟻蜂フリーク ◆/sIh2XqTo2
08/05/11 07:24:02 ldFe4k/J0
「じいちゃん、こいつにする。クモちゃんと選んだんだよ。てへへへへ」
ショートボブの健康的なタイプの女子高生だった。
「離せ!このやろー!」
マリオンヘイルにつかまれながらも暴れている。
「フフフ、言葉の汚いこと・・」
横で、スパイダーマリオンがつぶやく。
「!!!(このクモの化け物、見覚えがある!捕まるずっと前にもどこかで・・・・・・・)」
女子高生は暴れながらも思いだそうとしていた、そしてソルジャードールの中のある者を目にしたとたん思い出した。
立てひざの体勢で跪いて控えてるソルジャードールの集団の中に見覚えのある顔が・・・・
(・・・・後藤先輩!?)
彼女はサマースクールで拉致された彼女たちと同じ高校の下級生であった。スパイダーマリオンに改造される前の西村小夜子とも1度は
顔を合わせたことがあったのだろう。無意識に記憶していたのかもしれない。そして彼女はラクロス部員であった。スコーピマリオンに改造
される前の後藤結の部活の後輩である。
(サマースクールで行方不明になった上級生達は皆、こいつらに拉致されたんだわ・・・・しかも化け物になんかにされて・・・・・・)
「ご、後藤先輩ですよね!先輩!わたしです!1年の辻沢ひかりです!助けてください!」
聞こえているはずなのに、スコーピマリオンはピクリとも反応しない。


186:蟻蜂フリーク ◆/sIh2XqTo2
08/05/11 07:27:00 ldFe4k/J0
「あら?私達の後輩?うれしいわ。スコーピマリオン、あなたと知り合いみたいよ?何か言ってあげたら?フフフ」
スパイダーマリオンがスコーピマリオンに声をかける。
「辻沢、久しぶりね。来年のレギュラー入り間違いなしだったよね。来年なんてもうないけど。あはははは。でもこれからはラクロスなんかより
もっと楽しいことがまってるわ。ようこそ。ヘルマリオンヘ。辻沢ひかりさん・・・なにマリオンになるのかな?楽しみね・・・・あははは」
「・・・せ、先輩・・・・・そ、そんな・・・・」
辻沢ひかりは尊敬した先輩がすでに人間でなくなっていることが見た目からもわかっていたのだが、もしや・・・・という一縷(いちる)の望み
も絶たれてしまい、絶望のふちに立たされてしまった。
「い、いや・・・・触らないで・・・近寄るな!」
大声をあげ、無駄な抵抗を続けたが、いつの間にか全裸にされてしまった彼女もまた、マリオンラーヴァに吸い込まれていった。
触手に絡まれたあともしばらくは抵抗を続けたが、次第に大人しく従順になり、新しい体へと作り変えられていった。
「ここまで抵抗するとはのぉ。ほっほっほ。改造後が楽しみじゃ。」
骸教授は下品な笑みを浮かべた。
「わ~い、出けた、出けたぁ~ わ~~い」
マリオンラーヴァから手術台が排出されてきた。


187:蟻蜂フリーク ◆/sIh2XqTo2
08/05/11 07:27:54 ldFe4k/J0
「ほほぉ!これは驚いたわい!アシナガ蜂か・・・ホーネットマリオンやビーマリオンとほぼ形状は同じじゃが色合いがちがうのぉ・・ホッホ。
ペーパーワスプマリオンと名乗るが良かろう。いや、ワスプマリオンと名乗るがよい。」
「ありがたき幸せです!蜂の力を存分に発揮させていただきます・・・・・・・・」
「うむ。良い心がけじゃ。期待しておるぞ。」
(ホッホッホ。ようやく正統派の蜂のソルジャーマリオンが出来たわい。ボディの基本色も青ではなく黄色ベースでまさに蜂そのものじゃ。)
骸教授は不敵な笑いを浮かべて、ホーネットマリオンの方を見た。
「同じ部活とやらのよしみでスコーピマリオンと組んで任務をこなすがよかろう。おい、スパイダーマリオンよ、可愛い後輩にアジトの中を案内
してやれ。」
「はい。かしこまりました。フフフ、とても素敵な姿よ。ワスプマリオン。さあ、行きましょ。」
ワスプマリオンはスパイダーマリオンに連れられて、訓練場の方へと向かっていった。



188:蟻蜂フリーク ◆/sIh2XqTo2
08/05/11 07:28:27 ldFe4k/J0
【アジト 研究室】
骸教授はモニターを見ていた。
「わがアメリカ合衆国、およびその同盟国は今、世界を騒がしているヘルマリオンなるテロ組織に決して屈することはないでしょう。こうして
ここホワイトハウスで主要国指導者が一同に介し声明を発し、我々の結束が強固なものであることをヘルマリオンに対して示すのであります!
我が国のボルチモア、フランスのストラスブール。この2つの都市が無残にも破壊され、罪のない何十万人もの市民が犠牲となりました。
平和で穏やかで幸福に満ちた彼らの人生そのものを奪ったテロ組織を断じて許すことは出来ません!犠牲となった市民に哀悼の意を示す
とともに、彼らを弔うべく、世界規模で大規模な軍事作戦を行うことを検討しています。平和に対する挑戦を我々は受けてたちます!・・・・・」
アメリカ大統領の演説が流れてる。世界中に同時中継されているらしい。
「ホッホッホ。第7艦隊と中堅都市ひとつでは懲りていないようじゃの。おろかなヤツじゃ。そうじゃ、マリオンヘイルよ、ニューヨークと
ロスアンゼルスで遊んできなさい。そうじゃ、それとガッジーラも連れて行きなさい。」
「はーい!じいちゃん、みんな殺してくればいいの?」
「おお。そうじゃ。皆殺しにしてきなさい。兵隊さんともよく遊んでやるんじゃぞ。」
「やったー!戦争ごっこだぁ~!わーい」
無邪気に喜びながら、信じられない速度でマリオンヘイルは邪念獣ガッジーラとともに東の空へ飛んでいった。

<完>


189:蟻蜂フリーク ◆/sIh2XqTo2
08/05/11 07:32:14 ldFe4k/J0
以上です。

孫娘は思いっきり鳥○明のDBじゃないほうの代表作の某キャラが入っちゃっています^^;
アシナガ蜂を出すのに悩みましたが、主役級の双子姉妹を生かすため、体の色で差別化を
図ってみました・・・・^^;

190:ダイレン
08/05/11 14:20:38 rjatU1DTO
改造よりも、ストーリーのが今回力いれちゃいましたが、エピソード1です

「地獄より生まれし天使」


―楽しいはずだった


動物公園へ遠足へ行った帰りにそれは起きた。ヘラクレスカブトムシのような化け物がバスを襲撃したのだ。
世間では"遠足の小学5年生 全員行方不明"と、なっていることだろう。現に子供達は秘密結社・ヘルマリオンによって拉致されたのだから。

目の前で担任の木下智恵美はムカデの怪人に改造された。ヘルマリオンでいう、改造超兵"ソルジャードール"である。
ムカデということで、センチピードマリオンと名付けられた。木下の変わり果てた姿である。


「きゃあ!!」
白い服で肌を包む由美。彼女はセンチピードマリオンによる"恐怖の選別"の合格者である。
それは2つある地獄への分かれ道。合格すれば、改造への適齢期への育成を受ける。不合格者はその行く先すらわからない。
ともかく、由美は容姿が可愛いという理由で合格したわけだ。そして、その教育を受けることとなった。
まずは体を鍛えさせられる。ノルマは小学5年生でありながら、大人と同じ程に厳しい特訓がなされる。
知識についても、"ヘルマリオンによる世界征服"を4時間程授業をさせられる。また、女子については発育育成のためのジュースを飲まされる事が良くある。
由美は体育と称されたトレーニングの時に倒れた綾を介抱しようとしたがプペロイドに邪魔されて、ぶたれたところだった。
綾はプペロイドに引きずられて休養室へ連れて行かれる。休養室と言っても、治癒用のカプセルがあるだけだ。
だが、女子はこのアジトの総司令である骸教授の意向で大切に扱われている。

191:ダイレン
08/05/11 14:21:53 rjatU1DTO
ぶたれた由美は頬を押さえて再び筋肉トレーニングへ戻る。とはいっても、女子は筋肉を付きすぎないように柔軟はかりさせられる。
「くそ!よくも由美ちゃんを……」
隣にいた健一はプペロイドへ殴りかかりに行った。虚をつかれたプペロイドは倒れたが、巨大な触手……いや、腕が健一の頭を掴んで床へとたたき伏せる。
「うぐっ……」
「あらぁ?健一君、下等動物の君がやるべき事は筋肉トレーニングでしょ?」
「僕らは……お前らのペットじゃ……ない……」センチピードマリオンはそのまま健一を上に上げて、子供達に見せつける。
「君らはペットじゃないわ~。家畜よ。出荷されるために太らされる豚と同じね」
「き、きの……し……うわぁ!」
締め付ける力が強くなり、健一の頭がキリキリと痛みを感じてくる。
「由美ちゃん、羨ましいわね~。勇敢な王子様に気にいられて……」
「木下先生……健一君を放してください……」
由美にはもう1本の腕を向けて軽く払う。それでビリビリと破けた由美の服から白い乳房が見えた。
「ふふふ……健一君、あなた勇敢に見えるけど、ずっと一緒にいる好きな子も襲えないの?所詮は臆病童貞野郎じゃない」
「な……」
「いっちょ前に勃たせてるんじゃないわよ」
放り投げられた健一の前にセンチピードマリオンは立って妖しげに笑った。
「フフフ……いいこと?二度と木下なんて下等動物だった時代の名前は呼ばないこと……」


その夜、由美は中々寝れずにいた。綾は帰ってきた後もふらふらで、健一には自分のせいで痛い思いをさせたからである。

192:ダイレン
08/05/11 14:23:19 rjatU1DTO
トイレに向かった由美は、物音を聞いてチラッとそちらを覗いた。すると、健一がまだ筋力トレーニングを続けていたのである。
「健一君……」
「!?。由美ちゃん……どうしたの?こんな夜中に……」
「それは健一君でしょ?体に悪いよ……」
「……力が欲しいんだ……。あいつらを倒して、脱出するための力……」
それは全員で共通な願いである。しかしながら、その力の差は歴然たるものがある。
「だからって……あいつらに勝てないよ……」
「諦めなきゃ………諦めなきゃ、きっと道が開けるはずだ。僕が……きっと君をここから出してあげるから」
この地獄のような生活の中で、芽生えた希望と信頼。由美は健一の顔を見入っていた。
窓から入ってくる月の光が2人を照らし出す。高鳴る鼓動と、湧き上がる衝動で由美は健一に抱きつく。
すると唇が触れ合い、2人は微睡みの中に入る寸前まで気持ちが高ぶった。

"ビーーーー!ビーーーー!ビーーーー!"


「何?」
乳房を慌てて隠した由美。警報が鳴ったということは、恐らく非常事態が起きたのだろう。
2人は急いで友達を案じて、寝室へと向かった。
「いったい何があったの?」
「わかんない。もしかしたら、誰か助けにきてくれたのかも……」
男子と女子全員が集まり、中央へと集まって基地画像を見る。
すると、蜂のような姿をした女性がプペロイドを切り刻んでいく様子が見えた。
「あれ、ソルジャードールなんじゃない?木下先生と同じ……」
玉崎と名札が張られている光が声を上げる。子供達はある英雄を思い出す。
かつて、自分達が生まれるよりずっと前にショッカーという組織を滅ぼした仮面ライダーというヒーローがいたことを。
それを受け継ぐように、あのヒーローは自分達を助けにきてくれたのだろう。

193:ダイレン
08/05/11 14:24:27 rjatU1DTO
「不合格組のみんなの収容所に入ってったぞ……やった!俺達、助かっ……」
ぬか喜びと言うのはこういうことなのか。そこへプペロイドが入ってきた。
「ワレワレハ、コノキチヲホウキスル。キサマタチヲウンパンサセテモラウ」
大量に入ってきたプペロイドが子供達を襲い始め、網などを行使して拘束をしていった。
逃げ惑う子供達も、大多数が捕まっていた。健一は由美の手を引っ張って開いたままの扉に向かって走った。
「健一君、みんなが……」
「……………!??。危ない!」
伸びてきた紺色のゲジゲジした腕。由美を狙ったものだったが、察知した健一が代わりに首に巻き付くのを許してしまった。
「うわぁっ!!」
「健………」
「……逃げ……るん…逃げ……由美いぃィィ!!」
その言葉に突き動かされ、由美は足を進めた。たった1人、その部屋を抜けれたのである。
だが、どっちへ行けばいいのかわからない。由美はただ走り回るしかなかった。
「……部屋?」
不合格組の収容されている部屋だ。そこにはさっき蜂のような姿をした女性が入っていったが……
「ここから行けば……出口があるかも……」
一歩部屋に入った由美はそこで驚愕した。服だけが部屋の中で落ちていたからである。
しかも、服にばべっちょりとした液体が絡まっていたのである。
「みんなは……いったい……」
下がった由美は声を失った。友達の愛美が、美由紀が、宏治が、修一が、クラスメート達がカプセルの中で液体に包まれていたからである。
まるで死んだ魚のような目をしている。由美は戦慄を覚えた。
「いや……何なのこれ?……あたし……いや……」

194:ダイレン
08/05/11 14:25:37 rjatU1DTO
震えている由美の首に触手が巻き付いてきた。締め上げられて、宙に浮いた由美は脚をバタつかせる。
「あぐ…………いや……」
その怪物は醜かった。イソギンチャクのような触手に囲まれ、その口からは唾液が垂れまくっていたのである。
「美味そうだな……さっき喰ったガキよりも……」
「く………喰った?まさか……う……おぢでだ……ぶぐぅ……」
あれは確か真紀と涼太の服だったような気がする。由美は理解した。襲撃があり、逃がすならせめて……と喰らったに違いないのだ。
友達を失った悲しみと共に、自分もそれに乗じて喰われることに悔しさを感じる。
触手が何本も体に巻きつき、由美を口へと誘う。抵抗しようにも酸素が薄くなった由美は意識を落とす寸前。入れられるはずもない。
(死にたくない……死にたくないよ……)


すると、由美はすごい力で引き寄せられるのを感じた。目を開けると、それは気色悪い触手ではなく、もっと機械的な触手だった。
改造装置が暴走を始め、イソギンチャクマリオンを弾いて由美を拘束したのである。
「きゃ……何よ……何なのよ……」
白衣を突き破って触手が体に絡まっていく。制御が効かない改造装置は大きい衝撃を由美に走らせる。
「ああぁぁあぁぁあぁぁ……いや……だめぇぇぇぇ!!イヤアアアアアアアアァァァァァ!!」
遺伝子配列が急速に変わっていく。様々な遺伝子が由美に流れ込み、それは触手の自壊によってやっと止まった。


煙が広がり、プペロイドの残骸の山から反逆の使徒たるビーマリオン・サキが出てくる。
「??。何かしら?」
基地内であるのに突風が吹き荒れる。気配を感じてビースティンガーを構えると、さっとサキは改造装置へと近づいた。

195:ダイレン
08/05/11 14:27:10 rjatU1DTO
先ほど試験管の中に入っていた子供の誰かが改造されたのだろうか?
だとしたら、可哀想だが倒さなくてはならない。サキは針を最大に伸ばしたのを乳首から取り出し、槍のように構える。
すると、煙を裂いてイソギンチャクマリオンが吹き飛んで壁に激突した。どうしたことだろう?、と思っていたら、白い羽が降り注いできた。
サキの前には白鳥の姿を纏っている少女が飛んでいた。しかし、明らかに他のソルジャードールと違う。
この少女は自分自身の意思で戦っている。しかも、限りなく人間の姿に近い。
白い大きな翼、それを小型化したような羽も両腕に付いている。かつ、羽毛の鎧を纏っていて、まるで天使のようである。
「スワンサーベル」
少女の手に舞い散ったはずの羽が集まり、白鳥の嘴を伸ばしたような剣を形作る。
すると、少女は猛スピードでイソギンチャクマリオンに向かって飛ぶ。伸ばしてきた触手を蕎麦のように切り、その先をイソギンチャクマリオンの胸へと突き立てる。
「今、戻してあげるね」
その言葉の後に少女は翼を広げて、羽を飛び散らす。それがイソギンチャクマリオンに張り付いていき、光り出す。
「な………何?」
サキは目を疑った。喰ったのであろう少年と少女をイソギンチャクマリオンが吐き出し、自身も少年の姿へと戻ったのであった。
少女は試験管のガラスを全て叩き割り、数を確認しているようだった。サキは気になって足を近づける。
「君、ソルジャードール?どうして……」
「……けてください」
「え?」
「みんなを………助けてください!!」


30分後、紗希から連絡を受けた長田達が子供達を保護した。そして、紗希の目から離れない少女が1人……
藤宮 由美である。合格者組で唯一助かり、そして改造された少女。そして明らかに異質である能力。
これはただ友達を助けたい、たったそれだけのために戦いを選ぶ純粋な少女の物語……その始まりである。

つづく

196:ダイレン
08/05/11 16:58:42 rjatU1DTO
と、まあこんな感じで1話終了です。以降の改造メインは由美の友達になりますかね


指摘や要望などがございました遠慮なくご意見お願いいたします

197:蟻蜂フリーク ◆/sIh2XqTo2
08/05/11 17:16:55 ldFe4k/J0
>>ダイレンさん
乙です。ムカデさんを見事に使いこなしてくれてありがとうございます。
お見事のひとことにつきます^^ 続きも読みたいです^^
(ただ、公安の長田さんはゴメン使わないで^^;)

前に投下した自分のSSが目立たなくなっちまった(泣)


198:ダイレン
08/05/11 20:15:27 rjatU1DTO
>蟻蜂フリークさん
ありがとうございます。長田さん駄目でしたか……すいません。
SS書けたのは蟻蜂さんのおかげですから……SS乙です
由美ちゃんはこの歴史においては主役になってますが、蟻蜂さんやmaledictさんの歴史ではどうなるか……違いも楽しめますね

一応通常:紗希→戦闘:サキとし、由美→ユミに変えますね
お約束のラブコメが鬱陶しいかもしれませんが、なんとなく入れたいんですよね。すいません

由美ちゃんの能力は1つではないですね。複数の遺伝子が流れ込んでるので……3つくらいは形態を考えてます
スワン形態はエールストライクみたいな感じです(ガンダム知らない人すいません)

コードネームはトランスマリオンですかね。一応設定を近日中に作ります

199:蟻蜂フリーク ◆/sIh2XqTo2
08/05/11 21:03:54 ldFe4k/J0
>>ダイレンさん
変形するソルジャードールですか^^

私の作ったソルジャードールはBeeFさんの蜂女の造形に従って人間に極めて
近い形状となっていますw 

ちなみに私の中でダイレンさんのイソギンチャクさんは邪念獣に近いイメージです。

老婆心というか余計なお世話ですが、トランスマリオンよかもう少し生物ッぽいネーミングを
付けたほうがシックリくるかと・・・・^^;白鳥にちなんだ感じで・・・・


200:蟻蜂フリーク ◆/sIh2XqTo2
08/05/11 21:06:01 ldFe4k/J0
ネーミングを付けた⇒ネーミングをした^^;

201:ダイレン
08/05/11 21:14:40 rjatU1DTO
そうですか?スワンマリオン・カテゴリートランス……ってやれば簡単なんですけどね(基本形態はこれです)


形状としては元来のソルジャードールは変態、由美ちゃんは変身って解釈なものですから……

第2話で語る予定ですが、イソギンチャクマリオンは由美ちゃんの友達の男の子が実験材料として改造された姿です
いわゆる失敗作みたいな感じでしょうか。喰われた友達も無事ですね

結構ガンダムや平成ライダーに感化されて育ったせいか、伏線張ってしまいますがご了承を。
紗希の友達に関しても救える人は救いたいですが、そこら辺は大丈夫ですかね?

202:ダイレン
08/05/11 21:33:17 rjatU1DTO
連投すいません。

形状は蟻蜂フリークさんに従い、特徴は「異質な能力」のみとします

203:蟻蜂フリーク ◆/sIh2XqTo2
08/05/11 21:45:42 ldFe4k/J0
>>ダイレンさん
イソギンチャクさん、イメージどおりです(笑)<実験材料
流石です^^

ネーミングはせっかくの由美ちゃんの晴れ舞台なんですから、ダイレンさんの若く柔軟な頭でもっと練ってみたら
いいかと思いましたので・・・。決してケチつけてるのではないのです^^;

作風は自由でいいかと^^ ぶっちゃけ、同じ話で重なって複数の結末があってもいいかと。
読み手の方が、好きな結論を選んで妄想してくれればいいと思います。
どの結末も気に入らなきゃ、SS作って参入していらっしゃる方もいるかもしれないし^^
そんな人は歓迎したいですね。
 
紗希の友達に関しては、あくまでも私の場合、引き分け状態を続けますw
殺しちゃうのもったいないので。決着はmaledict先輩にお任せしちゃうつもりです^^



204:ダイレン
08/05/11 22:16:42 rjatU1DTO
はぁ……。僕も格好いい男用なのは考えやすいんですがね……
最初は主が白鳥なんでエンゼルマリオンのつもりでしたから……


萌えより燃えが多くなりそうな予感がしますよ……。何とか萌えもいれるよう努力いたします

205:maledict ◆sOlCVh8kZw
08/05/11 22:32:08 MHS2HmaxO
携帯からなのでよく読めてないのですが、蟻蜂様とダイレン様のヘルマリオンものが投下されたのですね
お疲れさまです。火曜あたりに感想書きます
蟻蜂様のコメント見てひとつ気になったんですが、アシナガバチって
ホーネットの一種ということにならないんですかね
これは自分も勘違いしてたのでひょっとしたらなんですが、BeeF様が「寄生バチ」の中に「狩りバチ」を入れていたという
可能性もあるかなと思いました

火曜あたりもうちょう詳しく書きますが、
まああんまり重要な話じゃないです。
それでは…

206:蟻蜂フリーク ◆/sIh2XqTo2
08/05/11 22:54:04 ldFe4k/J0
>>maledictさん
レスどうもです。

深く考えず、細かい種類がかぶってなければ投入する方針でいたので、思い切って
出しちゃいました^^;アゲハも何タイプかいたりして名前が続く限り出す方針でした。
(チョイ役、ちょっとした情景描写としての改造手術シーンで利用する目的で^^;)

骸教授の昆虫図鑑の知識を役立たせてあげようかとw



207:ダイレン
08/05/11 23:23:12 rjatU1DTO
>maledictさん
どうもです。おかげさまで新たなSS書けました。色々キャラの仕様が異なっておりますが、すいません


SSで実物でないせいか、由美ちゃん含めコードギアス(CLAMP系)アニメ絵で脳内再生してるんですが(由美ちゃんは実際に役者さんいますが)
声優も脳内で勝手に決めてしまって……なんか異常ですね僕……

208:名無しより愛をこめて
08/05/11 23:33:56 H8RaLcYl0
蜂女スレ206です。
皆さん凄いペースで、圧倒されっぱなしです。
それぞれの作品も蓄積された設定が色々と使用されていて萌える上に感心しきり。

私の方はなかなか進みません。うーん。何となくストーリーの欠片というか
思い付いた台詞や情景を書き殴っている状態です。加えて家庭の事情も
ありまして(汗)、集中して妄想出来ず(^^;
このペースだと一ヶ月くらい掛かってしまいそうな勢い…の無さです。


209:名無しより愛をこめて
08/05/12 00:09:36 QA0wCj3w0
>>207
声優を脳内で決めるのはむしろ想像力を高める上で健全だと思うが。

210:ダイレン
08/05/12 00:26:39 YFbRRlRCO
>>208
初めまして。ダイレンです。蜂女スレは覗いてないんですが、ぜひこちらへも投下してくださいね

>>209
そうですかね?。紗希は桑島法子(種のフレイ)、由美ちゃんは小清水亜美(ギアスのカレン)or坂本真綾(種デスのルナマリア/マユ)とか勝手に考えちゃってますね
自分が特オタ兼ガンオタなんで、キャストはそこらから来ちゃいますね

211:名無しより愛をこめて
08/05/12 01:23:09 gXAMaAy80
サンバルカンでイナズマギンガーが機械生命体に改造されるシーンがあったが、あれ見てギンガーが女だったらなあって思ったよ。ギンガーが女だったらハアハア萌えられるのに。

212:名無しより愛をこめて
08/05/12 03:24:53 yoR7Pv1H0
>>205
>蟻蜂様のコメント見てひとつ気になったんですが、アシナガバチって
>ホーネットの一種ということにならないんですかね
>これは自分も勘違いしてたのでひょっとしたらなんですが、BeeF様が「寄生バチ」の中に「狩りバチ」を入れていたという
>可能性もあるかなと思いました

比較文化専攻の者からちょっと助言をば。
beeとwaspと言えば、日本人はそれぞれミツバチとスズメバチを指す言葉のように思っていますが、
実は英語では、蜂の仲間をbeeとwaspの2種におおまかに分けて捉えるのが普通です。
毛のモコモコしたずんぐり体形の蜂がbee、毛の目立たないスマートな体形の蜂がwaspです。
日本語のカエルが英語でfrogとtoad、ウサギがrabbitとhare、ハトがpigeonとdove、カメがturtleとtortoise
といった具合に、日本語では同じグループになるものが、英語では2グループに分かれるんですよね。
beeはですからミツバチhoney beeだけでなく、ハナバチbumble beeやクマバチcarpenter beeも含みます。
waspにはアシナガバチpaper waspやアナバチ(ジガバチ)digger waspなどが含まれます。
(つづく)

213:名無しより愛をこめて
08/05/12 03:27:17 yoR7Pv1H0
蜂女は英語の感覚ではbee womanではなくwasp womanです。beeは人間の役に立つ可愛い虫というイメージで
フランス語(la abeille。ラテン語のapisに由来)でもドイツ語(die Biene)でも女性名詞ですが、
女性的ななまめかしいイメージがあるのはwaspの方です。スタイルの良い女性をwasp waist woman、
あるいは単にwasp womanと呼ぶことがあります。蜂のように腰がキュッとくびれた娘、という意味ですね。
これは日本語でも同じで、古語で美人のことを「すがるをとめ」と言いますが、「すがる」は「巣狩る」で
狩人蜂、すなわちアシナガバチのことを指しています。

本題に戻ってwaspとhornetの違いですが、実は英語ではこの両者に明確な区別はありません。
イメージ的にはhornetと呼ぶ方が恐ろしい蜂という感じでしょうか。
waspはラテン語のvespa(スズメバチ)が語源ですが、hornetは手元の語源辞典によると古い英語のhyrnet(頭)
が語源で、horn(角)から派生した言葉だそうです。言葉のルーツが違うので、この2つの言葉は明確に
使い分けられることなく現在に至っているのですね。どちらもスズメバチを指して普通に使う言葉ですし、
人によってはスズメバチをwasp、アシナガバチをhornetと使い分け、別の人はそれを逆に使い分けます。
というより、普通の人にはスズメバチとアシナガバチの区別などどうでもいいことなのでしょうね。

BeeFさまはスズメバチをwasp、アシナガバチをhornetと使い分けておられるようですが、
あまり神経質にならずに、職人の皆さまのお好みで鷹揚に使われるのがいいと思いますよ。

214:名無しより愛をこめて
08/05/12 07:32:32 yoR7Pv1H0
補足。waspとhornetの使い分けがわかりにくいという方は、
日本語の鮫(サメ)と鱶(フカ)の違いを念頭に置いていただくとわかりやすいです。
フカが巨大な人食い鮫を指す言葉だろうというのは皆知っていても、
具体的にフカというのが何ザメを指しているのか、誰も明快に答えられませんよね。

215:maledict ◆sOlCVh8kZw
08/05/12 08:53:56 MkP4g9Pr0
>>212-214様
情報ありがとうございます。「ハチ」(ハチ一般)を指す言葉がなくて、
別の虫というイメージだという見方もありえますか?
(例えば「蛾」と「蝶」以外に鱗翅目の虫一般を指す言葉はない、というのと似た)

wasp woman、蜂女スレでもろこういう↓のが上がっていて、なるほどと思いました(w
URLリンク(www.moviemem.com)
自分は、BeeF様がその名の通り基本的にはbeeを使っていたと思い(サイト表紙の、
中根かすみにちょっと似ている気がする蜂女画像のファイルネームなどを参照)、
それを真似していた次第です(ショッカー蜂女のSSのファイル名など)

紗希がビーマリオン、紗耶がホーネットマリオンに改造されるわけですが、
BeeF様の意図としては、正義のヒロインとなる紗希には、蜜を作るいわゆる「益虫」で、
可愛らしいイメージのあるビー、悪に回る紗耶は獰猛なイメージで「害虫」とされるホーネットを
当てたのだろう、と理解していました。同時に、スズメバチやアシナガバチの方が
攻撃的でミツバチより体も大きいので、「少し強力なライバル」にもなるのだろうと。
(つづく)

216:maledict ◆sOlCVh8kZw
08/05/12 09:12:07 MkP4g9Pr0
で、>>205で書きかけていたことなのですが、

アシナガバチの類には幼虫を他の虫に生み付けて生きたまま餌にするという
ちょっと怖い行動をとるものがいたはずで、この属性がいかにも悪役にふさわしいので、
紗耶を「アシナガバチ(またはスズメバチ)の改造人間」ではなく、
特に「寄生バチの改造人間」にしたのだろう、とも理解していました。
(拙作で出した、「ヒーリングハニー」に対応する「ヒーリングワーム」はそれを
念頭に置いていました)

ただ、ちょっとWikipediaで調べてみたら、こんな記述がありました

>動物に寄生する寄生バチは、いわゆる狩りバチと幼虫が昆虫などを生きながら
>食べ尽くす点ではよく似ている。相違点は、典型的な狩りバチでは雌親が獲物を麻酔し、
>それを自分が作った巣に確保する点である。その点、寄生バチは獲物(宿主)を麻酔せず、
>またそれを運んで巣穴に隠すこともない。しかし中間的なものが存在し、
>おそらく寄生バチから狩りバチが進化したと考えられる。

厳密に寄生バチと呼ばれるハチは小型のハチが多いようで、先に言ったイメージには
ちょっとそぐわない感じがしました。狩りバチというのはまさにアシナガバチやスズメバチの
ような肉食のハチのことで、上の記述で言う「狩りバチ」こそ紗耶のモチーフではないかと
思った次第です(ただ「狩りバチ」というのはごく一般的な名のようで、上の記述に
当てはまらない種類も多いようです。例えばアシナガバチは肉団子を作って食べさせるそうです)

もう出かける時間なのですがもう一点だけ失礼します。
蟻蜂様、ダイレン様の新作、今夜か明日には読みます。すみません。
(つづく)

217:maledict ◆sOlCVh8kZw
08/05/12 09:12:48 MkP4g9Pr0
上との関連で気になるのは、ビーマリオンの体色です。どこにも書いていないので
自分はあえて触れずに今まで来ました(蟻蜂様作品で描かれているかもしれませんが)
BeeF様の作品の「正統蜂女カラー」は当然青色です。
ホーネットではなくビーの方がBeeF様の「蜂女」の正式モチーフだとすると、
(厳密ではないとは思いますが…)紗希こそ青色蜂女になりそうなものです。
でも、「悪魔の…」では紗耶が蜂女カラーにされています。
紗希の改造後の姿は出てこず、BeeF様の目的は正義のヒロインを描くこと
ではなく、「おにゃのこがあの蜂女を思わせる姿に改造されること」にこそあるので、
これはまあ当然なのですが、しかし、では紗希が何色なのか、というのは
やっぱり謎になるのです。紗耶と同じ青か、よりハチらしいオレンジか、
紗耶の「濃いブルー」に対して、よりショッカー蜂女に近い明るい青か、
あるいは赤とか緑とか、ショッカー蜂女と同じく現実の蜂とは違う色か?
実は皆様の意見を聞きながら決めようかな、などと思っていたのでした。

218:名無しより愛をこめて
08/05/12 10:04:26 WtUHmEIl0
>>217
紗希と紗耶は双子。とうぜん瓜二つ。おそらく改造後もじゃない?

219:名無しより愛をこめて
08/05/12 14:09:24 cz3lsU3GO
>>217
改造後の姿もうりふたつ、ということにしておけば、そこから新たなストーリーを作れると思うよ
まだ双子ならでは、というストーリーが出ていない気がするんだけど

220:maledict ◆sOlCVh8kZw
08/05/12 15:57:55 j9HpYlsDO
>>218-219様
なるほど…。ただ、モチーフがハチはハチでもかなり違う虫であるので、
改造後も瓜二つというのはかえって無理がある気がします。

また改造前の髪型が、サキはウェーブのかかった長い髪、サヤはショートカットと、
見かけの違いも強調する書き方だったというのもあって、
(ただ、二卵生ではなく一卵生ではあるんですよね)
「双子」という設定は姉妹で、かつクラスメートという
設定から来たものではないかなどと思っていました。

よしこちゃんに双子といいう設定をふまえたセリフを言わせてみましたが、
それ以上の展開は考えてませんでした。
「なりすます」だけでなく本来の姿も瓜二つというのは、
面白い話も作れそうな反面、縛りも増えそうな気がするのです。
(たとえば目の前のディソルバー・サキがホーネットでないことがなぜわかるか、
あるいはその逆、という説明をいちいち入れなくてはいけなくなりかねない)

…定番ながら「よく見ると一カ所違う」くらいだと、間違う人は間違うし、
わかる人はわかるという感じで、いいでしょうか


221:名無しより愛をこめて
08/05/12 16:03:50 l3WgX8Ae0
バカだな。
手袋が黄色いんだよ。

222:蟻蜂フリーク ◆/sIh2XqTo2
08/05/12 16:13:07 Tyw0Ikp80
>>maledictさん
定番に1票w
シンプル イズ ザ ベストってことでw

私は敢えて触れずにいこうかとw
「ヘルマリオン祭り」に参加させてもらってますが、私の場合、脇役ソルジャードールや
自家製ソルジャードールの製造にばかり目がいってしまいます^^;

マリオンラーヴァのメンテもそろそろしないとw

223:名無しより愛をこめて
08/05/12 16:15:11 FyXSQ8xF0
>>220
>また改造前の髪型が、サキはウェーブのかかった長い髪、サヤはショートカットと、
>見かけの違いも強調する書き方だったというのもあって、

BeeF氏の設定資料に、脱走後の紗希は「髪をショートにし眼鏡をかけて」とあるので
たぶん紗希と紗耶の現在の髪形は一緒ですよ
BeeF氏もおそらく、人間体だと二人の区別がつかないようにしたかったんじゃないですか?

224:蟻蜂フリーク ◆/sIh2XqTo2
08/05/12 16:19:09 Tyw0Ikp80
どうせならBeeFさん本人の降臨を願いたいですよね。

きっと、執筆は中断されても、覗いていらっしゃるような気がするのですが・・・
コメント欲しいところですねw

225:ダイレン
08/05/12 17:29:14 YFbRRlRCO
>>219
一応双子設定を生かした入れ替わり話を考えたりもしてます


設定……というか、由美ちゃん詳細は第2話冒頭で物語の一部として出させていただきますね
B69、W53、H72って小学5年にしたらどうなんでしょ?


>蟻蜂フリークさん
邪念獣の定義なんでしたっけ?自分勝手にソルジャードールのおこぼれだったと誤認している気がしてしまって……

226:蟻蜂フリーク ◆/sIh2XqTo2
08/05/12 17:41:10 Tyw0Ikp80
>>ダイレンさん
邪念獣は確か邪念が実体化したものだったかな^^; 
詳しくは生みの親でいらっしゃるmaledictさんに聞いてください。

と、いいつつ私はヘルマリオン製の怪物的なものと解釈して使ってますが・・・・^^;



227:名無しより愛をこめて
08/05/12 20:22:38 j6XMFlfh0
>>225
> B69、W53、H72って小学5年にしたらどうなんでしょ?
胸が平均よりややでかく、ウェストが平均よりかなり細いという感じ
(この頃の女児は全体的に太ってくるのでウェストの数値は成人並み)
別に不自然な数値ではないと思う

228:ダイレン
08/05/13 00:13:44 vTKWqvo5O
>>227
そうですか。良かった………あまり知識ないもんですから


第2話順調に進行してます。これからの展開構想で、ちょっと蟻蜂フリークさんやmaledictさんには申し訳ないのですが、あるヒーローを出す予定です

229:蟻蜂フリーク ◆/sIh2XqTo2
08/05/13 00:29:37 E9yOh4oE0
>>ダイレンさん
maledictさんや私に申し訳ないと思う前に、ちょっと確認したいんだけど
もしかして仮面ライダーとか実際のヒーローをど派手に活躍させる気では? 
もしそのつもりなら、やり過ぎだと思います^^;

BeeFさんもそれは望まないんじゃないか?^^;

せめて出すならオリジナルに留めておくべきかと。。。。


230:ダイレン
08/05/13 00:50:22 vTKWqvo5O
>蟻蜂フリークさん
ほぼ正解なんですが、ちょい役程度です。最○決○の助っ人ですよ。想定する幹部との戦闘が多すぎるので……
いわゆる「ここは俺に任せて先へ行け」な役割です
基本的にユミとサキ、助け出した中で自ら戦うことを選んだ者達のみです。誤解を招いて申し訳ないありません

小5初期だと身長も144cmくらいですかね?僕はそれくらいだと150cmはありましたが

231:ダイレン
08/05/13 00:56:50 vTKWqvo5O
慌ててたので途中送信を……

改めて誤解を招いたことと、不快感を与えてしまったことをお詫びいたします

232:蟻蜂フリーク ◆/sIh2XqTo2
08/05/13 01:24:47 E9yOh4oE0
>>ダイレンさん
ホッとしましたが、あくまでも「お遊び」にとどめておくに限りますよ^^;

私がよく使う手法ですが、出来れば名前を伏せて、でも、
読んだ誰もがあのOOだとわかるような表現方法がベター
な気がします^^

BeeFさんの考えた設定を借りてる立場を忘れずにSSを作りましょう。
まあ、私もなんですけどね。。。。

私以上にムカデさんを使いこなした見事な手法。。。。。。
SSマジで楽しみにしてます^^

私もヘルマリオンで更に作っているのがあるのですが、完成するかどうか^^;




233:ダイレン
08/05/13 02:57:10 vTKWqvo5O
「決意の翼」


藤宮 由美

年齢:10歳(小学5年生)
身長:144cm 体重:33kg
スリーサイズ:B69・W53・H:72
家族構成:父(35)、母(30)、祖父(62)、祖母(58)


明るい性格で、誰にでも笑顔を振りまく。成績はまあまあ上、運動能力は並より少し上程度。
遠足の帰路、ヘラクレスマリオンの襲撃でヘルマリオンに拉致される。
担任の木下智恵美がソルジャードール・センチピードマリオンに改造され、"恐怖の選別"において容姿の良さから合格組へ。
ビーマリオン・サキがヘルマリオン基地を襲撃した最中にイソギンチャクマリオンに襲われるも、改造装置の暴走によって改造される。
洗脳はされておらず、他のソルジャードールと違って自我を保持している。
また、唯一ソルジャードールの遺伝子を人間のに還元するRHR(リバース・ヒューマン・リカバリー)能力を有する(なぜかは原因不明)。

複数の遺伝子が流れ込んでおり、単数以上の変身形態を有している可能性を有している。
戦闘能力も未知数であり、データ不足により測定不能。引き続き、調査を続行………


「……というわけなんじゃ。皆の者は意見を述べてほしい」
本部に避難した骸教授は由美のデータを幹部達に報告していた。そこには12人にも及ぶヘルマリオン幹部が座っていた。
「Dr.骸。このRHR能力とやらは何故この娘にある?このような能力は付加されるはずがない」
長身の男が質問をぶつける。とは言っても、それは全員の疑問でもあるのだ。いずれ聞かれることとなる。
「じゃから、不明じゃ。イレギュラーな事態なのか、はたまた誰かの意図か………」
「意図?だとしたら……その誰かは我々ヘルマリオンを潰す気でいるやもしれませぬな」
妖しげな微笑みを浮かべている和服の女性。まるでこの事態を楽しんでいるようである。

234:ダイレン
08/05/13 02:58:32 vTKWqvo5O
「この子……おもすろいねー」
飴を舐めながら由美の戦闘シーンを観賞しているマリオンヘイル。先日はフランスを単独で攻め落とした骸教授の最高傑作であり、大幹部の1人である。
「あたしよりつおいの?」
「まさか……お前のが強いよ」
頭を撫でられて微笑む。彼女は再び由美の戦闘シーンをリピートして見直す。
「ビーマリオンよりも邪魔な存在だな……。ソルジャードールを人間に戻すなど……あってはならないことだ」
幹部たちは話し合い、由美についての方針を決定した。
「イレギュラーコード02をウイングマリオンとする。危険度AA、排除対象とする。これはDr.骸、あなたに任せます」
「ワシが?」
「あなたの指揮下で出たんですよ?ツケは取っていただけますよね?」
「………相手が適齢期でないのは、我慢するとするかのう……」


12日ぶりに家へ帰った由美は、家族達の号泣で迎えられた。疲れ切った体にはたっぷりの睡眠を貰い、心身共に安らぎを得た。
次に起きた時、由美は最初に思ったのはクラスメート達の安否であった。
警察に保護されて解放されたのは自分を含めて不合格組の14人。32人の内の半分も満たしていない。
健一や綾達合格組が18人。由美は集合写真を見て、懐かしい日々を思い出す。
そして、何より自分が発動した異端な力。それをしかも、自身が理解して使っていたのだ。
「あの時……どうして……」
改造されたという認識。それによって生じる能力が、脳髄の底まで流れ、さらには行使した。
気がつけば鳥肌が立っていた。どうして自分が?。これから自分はどうなるのか?
震える体を抑えようと、両手で対照となる二の腕を掴むが一向に止まる様子はない。

235:ダイレン
08/05/13 03:00:02 vTKWqvo5O
゙ピンポーン゙

誰か来たようだ。学校の先生か、はたまた警察の関係者か。いずれにせよ自分にも要はあるのだろう。
窓から見下ろすと、高校生くらいの女性が家の前に立っていた。女としての視点からでも、かなり可愛い部類に入ると思ってしまう程だ。
その女性は母と少し話したようだが、自分の体調を考えて帰ってもらったようだ。
由美はその女性の横顔を見てハッとした。あの顔はヘルマリオンの基地を襲撃した蜂のような姿をしていた女性。
簡単に着替えると、由美は家を出て追いかけた。女性はゆっくり歩いていたようなので、すぐに追いついた。
「あの……待って!」
「……君……君が藤宮由美ちゃん?」
振り返った女性は由美からしたらとても大人な顔つきをしている。その目は優しそうでありながら、どこか寂しげで冷たい視線のような気もした。

公園で2人は話し合っていた。平日の午前中なので誰もいないし、゙もしも゙の時は戦いやすい。
「じゃあ……」
「ええ。私は姉と友達をね………。そして、改造された友達を手に掛けてきたわ」
寂しい目をしていたのはその所為なのだろう。それを仕方がないことと思い……
「奴らは……ヘルマリオンは恐ろしい組織よ。人の事を人として見ない……卑劣な悪鬼ども……」
ギュッと力をいれた指が鉄砲をぐにゃっと曲げる。由美はそれを見て恐怖した。
(あたしも……同じなの……?)
「それで……あたしの……あたしの友達は、みんなはどうなっちゃってるんですか?」
「ソルジャードールを生み出してる骸教授のポリシーとして改造素体の適齢期は男は全般、女で16歳から25歳……とはいえ、彼の部下の実験対象になる可能性は否定できないわ」
先日は北條勝がイソギンチャクマリオンにされていた。あれは厳密には失敗作であり、邪念獣に近いと見られる。
「ソルジャードールを人間に戻せる君の能力は彼らにしたら邪魔な力。私も含め、殺すための戦力増強のために改造される確率は低くないでしょうね」

236:ダイレン
08/05/13 03:01:38 vTKWqvo5O
自分の大切な友達が……あんな痛みを味わって、異形な化け物に変わってしまう。それは、由美にとって耐えられるようなものではない。
「どうしたら……みんなを助ける事が出来ますか?」
「君には何故かはわからないけど、ソルジャードールを人間に戻す力があるから、改造されても治せるわ」
「君には?」
一瞬、目を伏せた紗希はキリッと鋭くした目で由美に言葉をかける。
「それは私や他のソルジャードールにはなくて、君にだけある特別な能力なの……」
だから、改造された友達を手に掛けてきたのだろう。由美は目の前にいる女性の奥に潜む闇を見てしまったような気がした。
「何かあったら、ここに連絡してね。あ、帆村みさきってのは偽名ね。野々村紗希が、本当の名前よ」
名刺を渡す紗希。獅子堂 探偵事務所と書かれた所には、確かに帆村みさきと書かれていた。


その頃、研究所を六本木ヒルズの地下に移した骸教授は早速檻に捕らえられている子供達を見ている。
「あまり気乗りせんが……せっかくの作品が失われていくのは嫌じゃからのう……」
合格組18人の中で女子は10人。割合としては多いし、美人の原石達ばかりなので多少は気が許せる。
「……プペロイドよ、朝倉 真央を連れてこい」
命じられたプペロイドは檻の中から、長い髪を団子状に束ねている少女を連れ出してきた。
口がガタガタと震え、目は骸教授への嫌悪感をはっきりと剥き出しにしていた。
「……あたし……どうなるの?」
「これから改造手術を受けてもらう……お前らの担任のようにな……」
「!!?」
目の前で見ていた。フラッシュバックした光景は真央を錯乱させるのに申し分ない内容である。
「いや!!あたし……あんなの……いや、お願い、助けて、助けて!!」
泣き喚く真央を見て、骸教授は余計に高揚した。これだから改造はやめられない。
「ガキ共……良く見ておけ!。貴様等も、この小娘と同じ運命を辿るのだ!」

237:ダイレン
08/05/13 03:03:18 vTKWqvo5O
画面越しに真央が機械の触手に絡まれて、マリオンラーヴァに収容されていく姿を見せられる。
骸教授がスイッチを押すと、バイブレーションを始めて真央の体に衝撃が走る。
小さいながらも膨らんでいる胸は弾み、性感を刺激されて汗と生臭い液を垂らしながら、真央の体内へ選別された遺伝子を注入されていく。
「真央ちゃ……あ……」
それを観させられていた千秋はあまりの衝撃に気絶してしまった。渚は千秋を受け止めると、画面に向かって吠えた。
「おい、やめろジジイ!!やめてくれ!真央を……助けてくれよ!」
そんな願いも虚しく、マリオンラーヴァの触手が離れていった。改造が終了したのだ。子供達は友達の変わり果てた姿を見せられて驚愕した。

タコに酷似している容姿。赤紫色の体。腕が8本もある。あれが本当に真央なのだろうか?、と疑いたくなる。
「おはようございます」
「うむ。お前はオクトパスマリオンじゃ。では藤宮由美を、ウイングマリオンを消しに行くのじゃ」
「はい。必ずや果たして見せます」
残された子供達には恐怖と絶望しかなかった。渚は震える拳を壁にぶつけた。
「由美……あんたは、絶対に……逃げ切れよ……」


大学生の集団が酔った勢いで河原で群がっている。缶ビールや菓子のゴミをそのまま川へと流している。
「行けないなぁ……川にゴミを棄てちゃいけないんだよ」
響いてくる声に驚き、辺りを見回す。途中、1人の青年が姿を消した。
「おい、大沼はどこへ行った……うわっ!」
「おい……がっ……」
次々と消えていく青年達。そして、溺死した彼らが浮いてくる。一緒にいた女性達も、目の前で死んでいる彼らを見て逃げ出そうと足を進める。
「ふふっ……あんたらみたいに顔も心もブスなのはここで死んどきな」
首に巻きついてグリグリと締め付け、意識を失いかける瞬間に川へと引き込む。
やがて彼女達もプカプカと浮き上がってくる。

238:ダイレン
08/05/13 08:39:45 vTKWqvo5O
由美は許せなかった。あの優しかった真央をこんな風に変えるヘルマリオンを。
優しかった真央が、人に手をかけてしまうなんてあってはならない。
「あたしが……」
「何だ!?この力は……」
触手が震えだし、強い力で弾かれる。空へと白い翼を生やした者が飛び上がり、月と重なって美しく空に君臨する。
「ウイングマリオン………さあ、来い!」
触手がユミに襲いかかる。スワンサーベルを取り出し、迫り来る触手を切り裂いていく。
「何だと……4本の触手を瞬時に……」
「動きを止めるとは余裕ね」
気がついた時には遅い。片方の4本も、ビースラッシャーで細切れにしていく。
「ちくしょう……」
墨を吐いて煙幕に隠れて逃げようとするが、ビースタナーを繰り出ししたサキによって動きを止めた。
「そんな……」
「ビースラッシャー!!」
ズバッと吹き出す血。オクトパスマリオンはその場に倒れ、目を瞑る。次に開いた時、それはあの優しい真央の目だった。
「……いや……死にたくないよ……お母さん……」
「残念ね。ソルジャードールに改造されたら、死ぬしかないわ」
サキ槍状に伸びたビースティンガーを手にして、オクトパスマリオンの首を狙う。
「………!!。ダメぇぇぇ!!」
羽から鳩の形をした銃・ピジョンバレットを精製し、ビーマリオンの背中を狙った。
「な………」
避けきれず、サキは直撃を受ける。離れていった隙に、ユミはオクトパスマリオンに近づいていく。
「ゆ……由美ちゃ……」
「真央ちゃん。もう大丈夫……戻してあげるから……」
羽毛に包まれていくオクトパスマリオン。すると、邪悪な容姿は消え去り、可愛らしい真央へと戻った。

239:ダイレン
08/05/13 08:41:37 vTKWqvo5O
「ありがとう……由……」
そこで言葉は途切れた。ユミの手にはべっとりと血が垂れていて、真央は口を閉ざしている。
すぐに病院へ搬送し、輸血と手術を行ったので命は助かった。しかし、後少しで危なかったのだ。


由美は真央の母親に頬を叩かれた。何故かはわかる。自分はあまりにも無事で、真央は傷ついているから。
病院から出ると紗希が待っていた。由美は厳しい視線で睨みつける。
「あなたの友達を殺しかけたのは悪いと思うけど、私は間違った事はしてないわ。少なくとも、私にはその力がないから」
「手段がないからって、そうやって人を簡単に殺せるなんてひどいわ!」
「簡単じゃないわよ。でもね、私は殺す以外の方法しか知らないのよ。ソルジャードールを倒す、ディソルバーなのよ」
去っていく紗希。由美は拳を握って息を大きく吸う。そして、紗希の方を向いた。
「あたしは……」
振り返った紗希は強い意思を持って立っている由美に目を持って行かれた。
「あたしは、友達を助ける!クラス全員助けて、またみんなで笑いたい!。だから戦う!守るために、戦う!!」
はぁはぁと息を乱している由美。紗希は自分自身に宣戦布告をされた気分だった。
「………救世者……゙ ディセイバー゙ってとこかしら?」
「ディセイバー?」
「ディセイバー・ユミ。ね……羨ましいわ、あなたが」
寂しげに帰る紗希。そして、それを見送る由美。2人は今、互いに道を歩み始める。

つづく

240:maledict ◆sOlCVh8kZw
08/05/13 10:46:28 e/uMT7uW0
蟻蜂フリーク様
>>174-188
異色作という感じですね。マリオンヘイル、萌え要素はないけど、
骸教授同様、おちゃらけながら人を殺す、という独特の恐怖があると思いました

ダイレン様
>>190-195
>>233-239
一気読みしました。いいですねえ!手に汗握りました。
すさんだ話ばかり考えているので、こういうまっとうでけなげなヒロインの話は胸にぐっと来ます。
由美ちゃんシリーズとしても、本人が変身して戦うというのは画期的なんではないでしょうか?
ラブラブシーンもダイレン様の持ち味なので是非入れて下さい。
特に>>192のあたり、「ビービービー」の後、乳房を隠すシーン、
き、きみたち一体何を?って感じでウけました

「邪念獣」というのは、「甦る友情」での設定と扱い方を見れば分かると思いますが、
「元文芸部で重度のミステリマニアだった過去を活かし、ヘルマリオンによる
怪事件が起こると調査に乗り出しては…」という設定を肉付けするための苦肉の策です。
つまり「ミステリマニアの知識を活かして怪事件に挑む」、といううまい展開が
思いつかず、また今後別のエピソードを書くとしていちいちそれに気をもむのは
大変そうだなあと思い、じゃあ過去のミステリにちなんだ怪物を出現させて
紗希に原作を当てさせればいいか、と、ものすごく短絡的に考えたのでした(爆
なので、具体的なデザインとか能力などはまるで考えていません。
(まだらのひも怪物とかオリエント急行怪物とかがいるんでしょうかね。)
一応、「砕かれた思い出」の方で、邪念獣の親玉をミステリマニア
(または推理作家)ばかりにしたことで、なぜ邪念の元ネタが
推理小説に偏るか、という理屈づけのようなものもついてはいますが、
既存の作品が邪念のベースという作品内のルールはなくて、
自由にやっていいのではないかと思います。

241:maledict ◆sOlCVh8kZw
08/05/13 10:53:14 e/uMT7uW0
>>221様 そ、それは気づかなかった!
>>223様 あれは紗希であることを隠すための変装だと思っていたんですが、
たしかに、実在の姉と同じ髪型だと変装にならない気もしますね。
よくわからないけど、「変身前は眼鏡以外同じ」にしておくのがいいのでしょう
双子ネタも作れた方が幅が広がるのは間違いがないので、>>221様案か
それに近い、「似てるけどよく見ると違う」パターンがよさそうですね

>>222
降臨は期待したいですね。2ちゃんは見なくなると全然見なくなるものなので
(経験上、ジャンプなど一緒で、1-2週見ずにいると見なくてすむようになります)
まったく見ていない可能性も半々くらいはあると思いますが、
ただ、自分が「ドールファクトリーで書く」と書いた直後にサイトが閉鎖になったのは
ひょっとしたら…という気もするんですよね。(BeeF様の中の人としては
ひょっとして「触れたくない過去」だったりするのかな、と、なんとなく
申し訳ない気もするんですが、でも名作群の価値は不滅だと思うのです)

242:名無しより愛をこめて
08/05/13 14:20:30 MGlWYZci0
>>213
そういやスパイダーマンでおなじみMarvel Comicsの“Avengers”には、そのものズバリ
「ワスプ」という名前のスーパーヒロインが出てくるね
URLリンク(upload.wikimedia.org)
URLリンク(bp3.blogger.com)
URLリンク(www.marvel.com)
本名ジャネット・ヴァン・ダイン。身長3cmほどに身体を縮小する能力を持ち
遺伝子操作で作られた背中の2枚の羽根で飛行。体内の生体電気を集中した
「スティンガー・ブラスト(ワスプ・スティンガー)」を両手から放って攻撃する

243:ダイレン
08/05/13 16:36:37 vTKWqvo5O
>>237>>238の間です。抜けてしまった事をお詫びいたします

川から上がったオクトパスマリオンは大学生達の死体を見て、満足したように笑う。
「社会のゴミを………川に流すのもあまり良くないかな?」


゙キーンキーン……゙

「!!?。ソルジャードール?」
脳内に響く音。紗希は書類の整理を止めて屋上へと上る。今宵は月も出ているせいか、さらに美しさが引き立つ。
背中から羽が生えては広がり、体中に模様が広がっていく。
冷たい眼をしたサキは完全にビーマリオンの姿として変身していた。飛翔した彼女は、そのまま気配のする方向を目指す。

「何?この音……?」
恐らくソルジャードールが出現したであろうことは本能で理解した。由美はそっと家を抜け出して、気配のする河原へと向かった。
そして、着いた時には既にサキとオクトパスマリオンは拳を交えていた。
「…………真央ちゃん?」
8本の触手を自在に操り、河原の小石と草木を払いのけ、滑空するサキを狙ってうねる。
「待って……真央ちゃん!あたし、あたし……由美だよ!」
オクトパスマリオンに近づいて呼び掛ける。それに気づいたオクトパスマリオンは1本触手を由美に向けて伸ばした。
「……え?」
胸を叩かれ、後方へと弾き飛ばされる。サキへの攻撃を止めたオクトパスマリオンは4本の触手で由美を絡めて引き寄せる。
「ククク……ビーマリオン、これで手が出せまい」
「卑怯な……」
ギリギリと絞まっていき、次第に痛みが込み上げる。
「ま……真央…ちゃ………ん……あたし……由……」
「ハッ!お前の友達だった朝倉 真央はもういない……あたしはオクトパスマリオン……ヘルマリオンの忠実な尖兵だ!」

244:maledict ◆sOlCVh8kZw
08/05/13 17:52:00 e/uMT7uW0
>>208 蜂女スレ206様
流れ早くてレスしそびれていましたが、実はあちらで何度か名無しでお誘いしていました
こちらでも投下してくれるとのこと、楽しみです。どうか無理せず焦らずごゆるりと
それと、よろしければハンドルをつけて頂くとお呼びしやすいです
SS投下時のみで構いませんので。

>>242 微妙にかぶりますね。
なんとなく眼力が強いのでマスクとかして欲しいかも、とちょっと思いました

>>243ダイレン様 ああ、なるほど。スッキリしました

245:名無しより愛をこめて
08/05/13 19:43:04 ikK5NfNf0
ダイレン様、maledict様

蜂女スレ206です。レスありがとうございます。しかし皆さん凄い勢いですねぇ。
感心しきりです。蟻蜂フリーク様の「3時間で書き上げ」というのには驚きです。

私の方は相変わらずのノロノロ進行です。ようやく設定が固まって来た所でして。
結末まで書き上げられるか正直自信が無いので、一区切り付いたら投下しようと
思っています。
レスの雰囲気からすると皆さんお若いのでしょうか。私はおさーんなんですが、
色々な事情があってうまく時間が取れません(^^; 今日は少し時間が取れそうなので
頑張ろうかと。

ハンドルの件、承知いたしました。


246:蟻蜂フリーク ◆/sIh2XqTo2
08/05/13 19:51:04 E9yOh4oE0
>>ダイレンさん
乙です。ヘイルちゃんまで出してもらっちゃってどうもですw
話が飛んだのでびっくりしちゃいました^^;

細かくてすいませんがフランス政府はまだ降伏してませんw
ストラスブールが見せしめのため破壊されただけの状況で決して
攻め落とされていませんw 
フランス1国に限らずNATO全体として報復を検討中ですw

今、書いているSSではあの都が・・・・・(TT)
次は君の住む町に、あの「笑い声」が聞こえるかもしれない・・・・・・・

>>maledictさん
ヘイルちゃんはご指摘の通り、萌えより無邪気に笑いながら人を殺す恐ろしさを
前面に出しております。祖父の教授同様に・・・・

ヘルマリオン新作予定はありますか?密かに楽しみにしてるのですが^^




247:蟻蜂フリーク ◆/sIh2XqTo2
08/05/13 20:07:24 E9yOh4oE0
連続カキコ、すいません^^;

>>蜂女スレ206さん
私は妄想に火がつくと一気に書き上げちゃう性分なので・・・・^^;
今現在、フォックスプロジェクト第二作やmaledictさんの名作「奴隷生物」
シリーズの設定をお借りした話で90%完成したまま半年以上も放置状態の
ものもあります・・・・^^;

時間は気にせず、納得いくまで推敲して仕上げればいいと思います。
楽しみにしてますので、がんばって最後まで仕上げてみてください^^

ちなみに私も30半ばのおっさんです・・・・・



248:ダイレン
08/05/13 20:24:29 vTKWqvo5O
>>245
あまりご無理なさらないよう体に気をつけてください


>maledictさん
どうもです。今回は萌え要素よりも燃え要素追求してます。由美ちゃんと健一君は一応交わってない……ってつもりなんすよ(特撮板ですし)
微睡みの中へ入り゙かける゙……って書いたつもりなんですが……
サキさえ来なけりゃ……って感じですかね。まだ2人は両想いってだけで、完全な恋人ではないんですよね(由美ちゃんは勢いでキスしちゃった感じすかね)


>蟻蜂フリークさん
フランスまだ全部制圧したわけじゃないんすね……了解です
ヘイルの容姿が脳内で今ひとつ固まらないんですが、どんなのを想像すればいいですかね?
あと、ヘイルは位こそ幹部だけど自覚無し特攻隊長って感じに解釈させていただきました。すいません

18人(残り17人)全員が改造されるわけじゃないかな……と思ってますが、ある程度はいきたいですね

249:蟻蜂フリーク ◆/sIh2XqTo2
08/05/13 20:41:27 E9yOh4oE0
>>ダイレンさん
ちょうどよいところに^^

おそらくダイレンさんの作中には出てこないとは思うけど、米、露、中、英仏独などEU構成国や日本の
の都市を大破壊することをお考えでしたら、自粛願います。私の楽しみがなくなるのでw


250:蟻蜂フリーク ◆/sIh2XqTo2
08/05/13 20:53:16 E9yOh4oE0
再度、連続カキコ、すいません・・・・

ヘイルちゃんの詳細忘れてましたね・・・・^^;
マリオンヘイルはアOレちゃんとフランス人形を合成した小学校4,5年生ぐらいの
少女。そんなイメージで書いてます。

幹部といえば幹部・・・・最終兵器といえば最終兵器・・・・
無邪気に組織内で身分など気にせず振舞っています。






251:ダイレン
08/05/13 20:56:37 vTKWqvo5O
>蟻蜂フリークさん
僕は蟻蜂フリークさんの劇中に出てきた都市以外は破壊されてないですよ
一応蟻蜂フリークさんの作品の未来なわけですし(逆に言えば、蟻蜂フリークさんが都市破壊をするほどディセイバー・ユミの世界も滅茶滅茶に)
ノートにクラス全員の名前を考えて起きました。僕もノリで書く方ですから……(講義の間もこればかり考えてました)

蟻蜂フリークさんの時間軸は由美ちゃんはウイングマリオンになってるんですか?それとも、まだ収容所ですか?

252:蟻蜂フリーク ◆/sIh2XqTo2
08/05/13 21:04:00 E9yOh4oE0
>ダイレンさん
ええとですね~ 今のSSはダイレンさんの救出シーンにつながるしくみに
してるんですよね。実は(笑)

講義はしっかり聴いてね(笑)
私のようなアホな大人になりますので・・・・・

253:ダイレン
08/05/13 23:02:22 vTKWqvo5O
>>蟻蜂フリークさん
ヘイルの詳細ありがとうございます。SSも繋げてくれるなんて嬉しいです
「あの日」を紗希視点で見た感じですかね



第3話過ぎたら多分急ぎ展開になるやもしれません

254:maledict ◆sOlCVh8kZw
08/05/14 01:54:35 LINvr1Lc0
>蟻蜂様
>>241>>222>>224の間違いでした。同じ蟻蜂様ですが。
>>246
ヘルマリオンの話、すぐに書く予定はなさそうなんですが、書くならば
ローズマリオンが出てくる「第二話」と、あとは、これはずっと後でしょうが、
やっぱり「最終回」ですかね。あとは、単発もののアイデアとして、
かなり凶悪なワンシーンものを思いついたんですが、そっちはどうなるか…。

そういえば蟻蜂様、文章の「勢い」から、きっと二十代だと思ってました。わからないものですね。
ちなみに自分もオサーンですが(>>245蜂女スレ206様)、まあ、トシの話は言わぬが花ということで…

>ダイレン様
>>248 いやいや、自分も「最後までいった」とは思ってません。
ただ、胸が出ていた以上、途中までは行ったのかなと。
(「微睡む」がそういう婉曲表現だということ自体、実は認識してませんでした。
なんか恍惚として抱き合い、とろんとしているだけの状態を思い浮かべてました)

紗希のキャラが、自分のイメージにかなり近いのがちょっと驚きました
多分自分はここまできつくは書かないにしても、由美ちゃんみたいなキャラが
出たらこんな感じだろうなというのは納得です。
自分も書いておいてなんなんですが、紗希ちゃんはヒロインの筈なのに、
脇役か、(ヘルマリオン視点の話の)敵役か、ダイレン様の話のように「憎まれ役」か、
あるいはたまに主役になってもひどい目にばかり遭うなど(拙作「砕かれた思い出」)、
なんだか気の毒です………が、なぜか紗希ちゃんがひどい目に遭う話は考えやすいです。
ヘルマリオンとの長い戦いが終わり、由美ちゃんがRHRの力を自分自身に使った後で
「あ、うっかり紗希さんを人間に戻すのを忘れていた!」とか(涙

255:名無しより愛をこめて
08/05/14 23:17:23 f1zq8UBa0
別に宣伝する気はないんだが、面白いのを見つけたので貼っておく
GIGAやギャロップなどのレーベルで陵辱系ヒロピン特撮AVを撮ってる坂田徹監督のブログだが、
昨年秋に「ただ今改造手術をテーマにAVを撮ってる」とカキコがあったとたん、次のようなコメントが
書き込まれていてワロタ。この中にゼッタイ、このスレの住人おるやろ!

URLリンク(blog.livedoor.jp)
> 改造人間というテーマであれば当然、改造手術が行われますよね? でも、開腹手術は色気がなさすぎます。
> 今回のギャロップの作風に合うかどうかはしれませんが、
> 「月室」にカテーテルやマニピュレーターを挿入して改造手術を行うなんてどうですか?
> そして、キャラはスーパージャスティオンを希望。
> 戦闘シーンやピンチシーンもふんだんに入れて欲しいとお願いします。
> Posted by ヘン隊員. at 2007年09月15日 23:43
>
> やはり改造手術シーンの充実を望みます。
> ほとんどの時間をこれに費やしていただきたいくらいです。
> 以前リリースの「改造人間」では股間に布をかけて
> いましたが、そうではなく股間の改造シーンこそをよりエロティックに見せていただきたいです。
>
> 抵抗するヒロインをパンティ1枚にして手術台に大股開きで固定。白いパンティに穴を開け(大きすぎない程度に)
> そこに改造用のノズルを無理矢理挿入。
> オペの苦痛と快楽にもがくヒロイン…
> 白いパンティは注入された液体と愛液とでシミが出来ていく…(液体は透明なローション系で)
> ”穴パン”状態ならモザイクの必要なく楽しめるかと思います。
>
> そして改造手術後は股間が妖しく発光し、淫乱モードになったヒロインはたまらずパンティの穴越しに自分の指や
> バイブを突っ込みオナニーを始める…
> そしてアクメに達すると警報音が鳴るようになってしまうなんてどうでしょう?
> Posted by でへでへ at 2007年09月16日 05:00

256:名無しより愛をこめて
08/05/14 23:17:59 f1zq8UBa0
URLリンク(blog.livedoor.jp)
> ギャロップの改造人間同様、ギガでの改造ヒロイン楽しみにしています。
> 改造やサイボーグというのは、特撮の中でこれから一番発展見込み(改造シーンなど)のある確立されたジャンル
> だと思います。これからも色んな形での改造シーンを期待します。
> 一つ提案です。改造シーンは、布をかけず大の字でCGを駆使して改造するのはいかがでしょうか?
> 嫌がるヒロインを、手術台に固定するシーンも見てみたいです。
> Posted by 海田 at 2007年09月18日 12:27
>
> いいですね。嫌がるヒロインを手術台に固定するシーン。
> 改造と言ってもメカ改造だけじゃない卑猥なのも同人には多いし、ネットを検索したら一杯出てくるので
> 参考になるシチュエーションは多いと思います。
> Posted by もこらー at 2007年09月20日 11:06

257:名無しより愛をこめて
08/05/14 23:44:56 bYvrZjfV0
>>256
>改造と言ってもメカ改造だけじゃない卑猥なのも同人には多いし

わかります。BeeFさんのことですねw

258:ダイレン
08/05/15 00:02:35 kNzvwtFXO
第3話95%出来上がってます。近い内に投下できると思うんですが……

すっかりダイレンジャーでの2人を無視しだダイレン流由美ちゃん&健一゙ですね……
脳内では先述の通り、漫画やアニメで再生されちゃってます……(ここ一応特撮板なんですけどね)
声優に詳しい方がいたら聞きだいんですけど、これではどんな人が合いますかね?
イベント行くような追っかけではないんですが、オタっていうか声フェチなもんですかね……僕は

259:名無しより愛をこめて
08/05/15 00:36:08 SJ2olYK60
>>255-257
一連のおにゃのこ改造スレからは多くのSS職人さんが生まれたけれど、
BeeFさんの改造ノズルのような、セックスまがいの改造法を採用してる職人さんは
関連スレを入れても実はそんなに多くないんだよね。後はわりかし正統派が多い。

はっきり「改造ノズル」と銘打って書かれてるのは、BeeFさん、ちゃんぷるうさん、
あと蜂女スレの230さんと295さんくらいだし、
(アダルト板の東京ドームさんと大阪ドームさん、あと舞方雅人さんとこのブログで
 ショッカーゆうさんという方も「改造ノズル」と名指しで書かれてるかど)
セックスイコール改造のかたちになっているのも、九条蘭子さんと、舞方雅人さんの作品を
自サイトで改変された沙弥香さんくらいだと思う。
女性器の改造をメインに据え、性的な快感を伴う改造シーンを描写されているのも、
maledictさんと蟻蜂フリークさん、アンヌ改造しまくり計画さんくらいじゃないのかな?

って、あれ? こうやって見るとやっぱりけっこう多いのか?www

260:名無しより愛をこめて
08/05/15 00:48:58 2k7xEsx70
改造手段よりも、改造されていく変質していく身心の描写をこだわって欲しい。
シチュにこだわる人は多いけど、創造力をかき立てる記述が弱い。

261:ダイレン
08/05/15 02:04:57 OIlA8RsNO
「道の行き先」


赤いランドセルに由美は教科書を入れていく。久々の登校である。臨時学級と言うべきか、義務教育である以上登校は避けれない。
「由美、もっと休んでていいのよ?」
「大丈夫。あたし、もう2週間以上学校行ってないから、楽しみだし」
「でも……」
愛情ゆえに母は自分を止めているのだろう。しかし、電話したら真紀や美由紀も来るらしいので行くことに決めたのだ。
「せめてお母さんも……」
一緒に行くと言おうとしたら、父親である猛(タケル)が部屋に入ってきた。
「猛さん……」
「翔子、俺が途中まで一緒に行くから」
警視庁に勤めていて、柔道をしている父にはその言葉に自信を持っているようだった。


翔子は心配そうに2人を見つめて送り出す。由美は父と2人でこうして歩くのが久々なので、少し緊張してしまっている。
いつもなら車で出勤するのに、今日は近くに部下を呼んでそのまま出勤するらしい。
「……由美……」
「え?」
「お前が帰ってきた夜……俺は立ち会ってやれなかった……ごめんな」
「いいよ……お父さん、忙かったんでしょ?」
きっと自分達の事件の事についてだろうし、現在対応に追われてるのは間違いないだろう。
「俺は今、この事件の捜査に関わってる」
「!!?」
同じ関与であっても、捜査本部の一員だったとは思わなかった。由美は父に秘密している事の重大さを急に感じ始めた。
もし、父がヘルマリオンに近づきすぎたら?捜査の段階で襲われたら?
「………お父さん、あの……あのね……」
「心配するな」
頭をポンと叩かれ、久々にその大きい手の平で撫でられる。
「お前の友達はきっと、お父さんが助け出すから。……あとは1人で行けるな」
由美はそう言って歩いていく猛を心配そうに見つめていた。無事を祈りながら、学校へと足を進める。

262:ダイレン
08/05/15 02:06:12 OIlA8RsNO
猛はそのまま部下の迎えで警視庁へと向かう。車の中で、部下の持ってきた資料を目を凝らして見る。
「娘さんはどうですか?」
「今のところ問題ない。だが、相当怖い思いをしたのは間違いないんだ」
彼の見ている資料には骸教授の3年前の写真やわかっている部分のヘルマリオンについての最新情報について記されている。
「俺には信じられません………ソルジャードールなどという改造人間が人を襲うなんて……」
「38年前のショッカーから始まり、クライシス帝国というのが日本に襲来した事がある……いずれも仮面ライダーが解決したがな」
かつて世界を震撼させ、人知れず戦った仮面ライダーに壊滅させられた組織。その脅威を沸騰させるヘルマリオンという組織。
「これは感なんだが………とんでもない事が起きる気がする。俺達は、それに立ち向かわざるを得なくなるだろう」
「はぁ………」
「(……由美……)。公安の長田さんに連絡を取れ。あの人ならもっと情報を持ってるはずだからな」



学校の校門には少数ながらマスコミが押し寄せてきた。その中心には真紀と修一がいて、先生達が必死に校内にいれようとしている。
由美は足を止めたが、すぐ2人に会いたいと思って戸惑ってしまう。すると、由美に気づいたマスコミが押し掛けてきた。
「君、5年3組の子だよね?」
「いったい何があったのかな?」
四方から質問が飛び交う。由美は突破口をどうにか見つけて校門に辿り着く。
そこには由美より少し短いショートカットの髪型の真紀と、学級委員の修一が待っていた。
「おはよう」
「由美ちゃん……おはよう」


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