08/04/30 21:11:51 PvTB3z400
煌々と満月が照る冬の夜。満点の星空が凍てつくように輝く空を、透明な羽根を広げて飛ぶものがあった。
風にそよぐ栗色の長い髪、美しい曲線を描く青いしなやかなボディ、そして同心円模様の双つの蜂の乳房。
それは、ショッカーの洗脳映画を見たがために女王蜂女・栗山千明の誘導超音波でアジトの廃工場に誘い出され、
改造レズセックスによって処女を奪われて働き蜂女に改造されてしまった19歳の美女、岩本沙夜であった。
昼間の戦闘で仮面ライダー2号に捕らえられた沙夜は、隙をみて立花オートコーナーを抜け出し、
蜂女たちのアジトに逃げ帰ろうとしていたのだ。
その沙夜の後を、こっそりと追う二台のバイクがあった。仮面ライダー2号・一文字隼人と、その協力者の
FBI特命捜査官、滝和也である。
一文字と滝は気付かれないよう注意しながら、月光を浴びて妖精のように夜空に煌めく沙夜の姿を、バイクで
ひたすらに追い続けた。
沙夜はひと気の無い、郊外の廃工場の方へと向かってゆく。「ヌナミ化学」という錆ついた看板がかかっている
その廃工場は、10年ほど前に毒ガス漏れ事故を起こして閉鎖され、その後所有者の権利関係のもつれでそのまま
放置されている、いわくつきの場所であった。近所の住人には「お化け工場」と呼ばれている。
その廃工場を使って、栗山千明主演の映画「女王蜂」のロケが行われたのは、ついふた月ほど前のことであった。
栗山千明が月光の下、全裸で入浴する印象的なシーンが話題を呼び、この廃工場にも多くの物見高い野次馬が
詰めかけたため、万が一の事故を恐れた近所の住人たちの申し出で、現在は工場の周囲が鉄条網で囲まれ、
全面立入禁止になっている。
「・・・そうか。洗脳映画のロケ地がそのまま、蜂女たちのアジトになっているというわけか」
「じゃあやっぱり、女王蜂女の正体は主演の栗山千明か・・・」
「うむ。おそらく映画の主演に選ばれたために改造され、そのままショッカーの一員にされてしまったんだろう」
「ひでえ話だな、まったく」
鉄条網の前でバイクを停め、沙夜の姿が消えた廃工場の中へと足を踏み入れる一文字と滝。
「中は広そうだ。滝、二手に分かれよう。何かあったら通信機で連絡を取り合おう」
「わかった。油断するなよ隼人!」