ショッカーの蜂女よりエロい女怪人はいない!at SFX
ショッカーの蜂女よりエロい女怪人はいない! - 暇つぶし2ch395:名無しより愛をこめて
08/04/20 07:34:19 NVWccl7e0
栗山千明が改造された蜂女とセックスできるのであれば
下僕となって人類を裏切りショッカーの一員となっても本望、という奴挙手

ノシ

396:名無しより愛をこめて
08/04/20 07:54:32 X7eSPzIB0
ノシ

397:名無しより愛をこめて
08/04/20 08:32:29 yTkVUNJKO
ノシ

ところで栗山蜂女は、マスク戦闘員たちともヤリまくっているのかね?

398:名無しより愛をこめて
08/04/20 08:44:38 FC3kn2tsO
格下とはやらないよ。

399:名無しより愛をこめて
08/04/20 09:10:16 X7eSPzIB0
戦闘員A「今日、俺、蜂女様に口汚く罵られちまったよ」
戦闘員B「俺なんか通り過ぎざまにピンヒールでつま先をグリグリされたよ」
戦闘員C「おまえら幸せすぎ!!」

400:名無しより愛をこめて
08/04/20 10:47:50 PnoJjO0h0
>>399
愚民かw

401:名無しより愛をこめて
08/04/21 01:23:18 GFVXp+UeO
紐男爵ほど幼女を触手で犯すのに特化してる怪人はいない

402:名無しより愛をこめて
08/04/21 02:20:30 HWGxMc/f0
>>395
ノシ
でもセックスなど恐れ多いので、
水槽に隔離されてでんぷんだけを与え続けられたい。

403:名無しより愛をこめて
08/04/21 07:23:51 0gvowzV90
栗山蜂女には、専用の「性欲処理係」がいる。きっといる!

404:名無しより愛をこめて
08/04/21 14:08:49 rs5aroYqO
コブラ男が右腕のアタッチメントを無くして困ってました

405:名無しより愛をこめて
08/04/22 07:40:46 4iVl9f+F0
栗山蜂女の私室のソファやテーブルなどはぜんぶ
生きた黒マスク戦闘員(志願者)でできているとみた

406:名無しより愛をこめて
08/04/22 20:45:11 aCFGqaUp0
このスレもおにゃのこ改造スレと一緒で、SSの投下がなきゃ全然ダメなスレになっちゃったな

407:名無しより愛をこめて
08/04/23 12:24:12 zgWWNsdSO
それならSSが投下されるまでの間、適当な話題を転がしてスレが過疎らないようにしようぜ

とりあえずこんなのはどうだ?
「この女怪人は間違いなく全裸だ!」
俺はJの蜂女ズーはガチだと思う

408:名無しより愛をこめて
08/04/23 20:58:31 7QFWz6ac0
295氏の素晴しいSSに触発され妄想の膨らむまま捏造
東京タワー決戦後のアナザーストーリーということで

日本国内某所
鳥も通わぬ原生林の奥深く
道なき道を踏み越えて疾走する一台の四輪駆動車
血走った目でハンドルを握る白衣の男がアクセルを踏み込むと
バックミラーに写り込む追跡者のヘッドライトがぐんぐん引き離されていく
やがて後続の車を完全に振り切ったと感じた男が冷や汗にまみれた顔に強張った笑みを浮かべた直後
四輪駆動車が爆発した
数秒前までは高価なドイツ製のオフロード車だったねじくれた金属の塊りの傍らに
羽音を響かせて降り立ったのはショッカー怪人コウモリ男
コウモリ男は遅れて到着したジープから降車した戦闘員を指揮して燃え盛る残骸の周囲を調べ
乗員が脱出した形跡が無いことを確認すると本部に連絡をいれ引き上げていく
その様子を山頂近くの木陰から闇夜と遠距離をものともしない改造人間の視力で
じっと見つめる一団があった
「うまくいったわね、お手柄よユキエ」
「いや~それほどでも…」
栗山ハチ女に褒められ頭を掻きながらもまんざらではない様子のハタラキバチ女
通称ユキエ
ハチ女になる前は腕は良いが売れないマジシャンで超常現象研究家と組んで
カルト教団の犯罪を暴くなんてことをしてたりする
今回ショッカーを離反するにあたり基地からの脱出と色仕掛けで協力させた研究員の車を囮にした
トリックを考え出したのが彼女だった

409:名無しより愛をこめて
08/04/23 20:59:28 7QFWz6ac0
「黄門様、これからどうするでありんすか?」
そう聞いてくるのはセミロングの髪をオールバックにしたひときわ巨乳なハタラキバチ女
通称ナオミ
改造前は落語研究会に所属する女子大生だったのだが改造ナノマシンによって脳の配線を
妙な具合に?ぎ直されてしまったらしく奇矯な言動が目立つ
特に栗山ハチ女を“黄門様”と呼ぶ癖は何度注意しても直らないのでもう諦めている
閑話休題
栗山ハチ女がショッカーを抜ける決心をしたのは別に正義の心に目覚めたとか
参議院選挙に出馬するとかの明確なビジョンがあった訳ではない
ぶっちゃけ作戦失敗のペナルティとしてハタラキバチ全員を処刑すると宣告した
死神博士への反抗心から後先考えずに行動を起こしただけのことだったりする
だが栗山ハチ女の心には一片の後悔も無い
人間の体を失い
女優としての輝かしいキャリアを閉ざされ
自分のような存在が身を寄せることが出来る唯一の組織に背を向けた
でも今の自分には自由がある
そして共に死線を潜り抜けた仲間達
栗山ハチ女と生き残った十二人のハタラキバチ女の間には主従を越えた確かな絆があった
「そうねえ…外国にでも行ってみようかしら?私達の美貌と能力があればどこでだって生活できるわ」
「あ、それならアメリカにしましょう!私ラスベガスの舞台に立つのが夢だったんです」
「イタリア!イタリア!ピッツァ!カルパッチョ!マルガリータ!」
「マルガリータはメキシコのカクテルでしょ!」
栗山ハチ女の日本脱出宣言を皮切りに一斉に盛り上がるハタラキバチガールズ
「はいはい騒がないの、まずはここを離れるわよ」
夜空に飛翔する十三人のハチ女を剣ような三日月が冷たい光で照らしていた

410:名無しより愛をこめて
08/04/23 23:24:24 7xjy+oVa0
>>408-409
GJ! 面白いからぜひガールズのアメリカ雄飛編とかイタリア奮闘編とかメキシコ逆襲編とか書いて欲しい

411:名無しより愛をこめて
08/04/23 23:34:18 7xjy+oVa0
あ、メキシコはサボテグロンによって90%ショッカーに征服されてるから行っちゃまずいのか

412:名無しより愛をこめて
08/04/24 20:52:14 WWI4J3mN0
>>408-409
GJ!
残りのハタラキバチガールズがそれぞれ誰を改造したものか知りたいぞw

413:名無しより愛をこめて
08/04/25 03:09:39 JVirt2Ma0
>>408-409さま
295です。とても素敵なアナザーストーリー、楽しく読ませていただきました。(*^ー゚)b <GJ!
ショッカーからの離反という意外な展開に、軽妙なタッチで展開される、某有名人たちを素体にしたらしい
蜂女ガールズたちの楽しい会話。自分にはあまり書けない雰囲気の話だったので、とても興味深かったです。
>>410さまがおっしゃる通り、自分もぜひこの後の展開を知りたいですね。 (*´∀`*)

さて自分の方なんですが、すみません。後編の投下はもう少しお待ち下さい。m(__)m
ストーリーは完全にでき上がっているのですが、なかなかまとまった時間が取れなくて・・・
まだ半分くらいしか書けていません。今書いてるのが、死神博士に脳改造され、すっかり栗山蜂女の奴隷と
化した一文字ライダーが、本郷ライダーと対決するというくだりだったりします。
まだ先はだいぶん長いですね。雑談でもしながらマターリお待ちいただければ幸いです。

414:名無しより愛をこめて
08/04/26 04:11:28 4Ffpx1gE0
>>408
そういえばアッキーナが千明様LOVEを公言しているよな。
ぜひ働き蜂女に加えてあげて。
千明蜂女様はもっとツンデレでもよいかも。
普段は厳しくも、時折覗かせるちょっとテレながらの優しさに、
働き蜂女たちはキュンと来てしまうのだ・・・とか
いずれにしろGJ!

>>413
おぉ、一文字は洗脳ではなく脳改造までされてしまうのだな!
気長に待ってますよ。

415:名無しより愛をこめて
08/04/26 22:21:40 eRLbedp30
「レンジャーストライク」っていうカードゲームの宣伝画像なんだけど
この中の「蜂女」のイラストが実に色っぽくてイカス!
URLリンク(ssl.themachineguns.net)

416:名無しより愛をこめて
08/04/27 07:02:16 j+XYIIIH0
>>415
レンジャー「ズ」ストライク、だな
横田守って、エロゲ絵師だよな。やっぱり蜂女ってそういうものだと認識されているのかw

417:名無しより愛をこめて
08/04/27 08:02:32 SjYoUx0PO
むしろ、蜂女をヒロインにしたエロゲがやりたい…

418:名無しより愛をこめて
08/04/29 00:31:12 e3nnCSa20
美少女を誘拐して蜂女に改造するゲームをやりたい

419:名無しより愛をこめて
08/04/30 09:10:22 Yf2X7tWm0
>>418
ソフ倫を通るか難しいよなあ

420:名無しより愛をこめて
08/04/30 11:06:02 V50uuECD0
よくある「悪の組織運営ゲーム」を、怪人製造に特化させたものという触れ込みで
美しい女性ばかりを罠にかけてアジトに誘い込んで、いろんな怪人の素体にするっていうの
…ダメ?

そう言えば刻命館っていうトラップシミュレーションゲームで、主人公のおにゃのこが
自分を捕らえにやってくる別のおにゃのこを逆に捕獲して、女性モンスターの素体にしてしまうけど
あれってどうなんだろ?

421:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:11:29 PvTB3z400
295です。
>>351-377で書いた栗山千明蜂女のストーリーの、後編がようやく書き上がりましたので投下します。
前編よりもずいぶん長くなってしまいました(^ワ^;)。

エロシーンは前半に固めてあります。蜂女に改造された沙夜さんと滝和也とのHシーンと、千明ちゃんが
蜂女に強制改造されるシーン、それに別の蜂女たちによる乱交シーンです。
興味が無い方はその部分を飛ばしてお読みになって下さい。
特に最初のふたつのシーン、それほど詳細に描写する必要はぜんぜんなかったのですが、自分的にはこれらの
萌えシーンをあっさり描写することはどうしてもできませんでした。何より蜂女に感情移入しまくりで。
バランスが悪いのはお許し下さい (*´∀人)。

それではお楽しみ下さい。「仮面ライダー 第4X話 《悪夢の洗脳映画!美しき改造人間の甘い罠》」(後編)

422:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:11:51 PvTB3z400
煌々と満月が照る冬の夜。満点の星空が凍てつくように輝く空を、透明な羽根を広げて飛ぶものがあった。
風にそよぐ栗色の長い髪、美しい曲線を描く青いしなやかなボディ、そして同心円模様の双つの蜂の乳房。
それは、ショッカーの洗脳映画を見たがために女王蜂女・栗山千明の誘導超音波でアジトの廃工場に誘い出され、
改造レズセックスによって処女を奪われて働き蜂女に改造されてしまった19歳の美女、岩本沙夜であった。
昼間の戦闘で仮面ライダー2号に捕らえられた沙夜は、隙をみて立花オートコーナーを抜け出し、
蜂女たちのアジトに逃げ帰ろうとしていたのだ。
その沙夜の後を、こっそりと追う二台のバイクがあった。仮面ライダー2号・一文字隼人と、その協力者の
FBI特命捜査官、滝和也である。
一文字と滝は気付かれないよう注意しながら、月光を浴びて妖精のように夜空に煌めく沙夜の姿を、バイクで
ひたすらに追い続けた。
沙夜はひと気の無い、郊外の廃工場の方へと向かってゆく。「ヌナミ化学」という錆ついた看板がかかっている
その廃工場は、10年ほど前に毒ガス漏れ事故を起こして閉鎖され、その後所有者の権利関係のもつれでそのまま
放置されている、いわくつきの場所であった。近所の住人には「お化け工場」と呼ばれている。
その廃工場を使って、栗山千明主演の映画「女王蜂」のロケが行われたのは、ついふた月ほど前のことであった。
栗山千明が月光の下、全裸で入浴する印象的なシーンが話題を呼び、この廃工場にも多くの物見高い野次馬が
詰めかけたため、万が一の事故を恐れた近所の住人たちの申し出で、現在は工場の周囲が鉄条網で囲まれ、
全面立入禁止になっている。
「・・・そうか。洗脳映画のロケ地がそのまま、蜂女たちのアジトになっているというわけか」
「じゃあやっぱり、女王蜂女の正体は主演の栗山千明か・・・」
「うむ。おそらく映画の主演に選ばれたために改造され、そのままショッカーの一員にされてしまったんだろう」
「ひでえ話だな、まったく」
鉄条網の前でバイクを停め、沙夜の姿が消えた廃工場の中へと足を踏み入れる一文字と滝。
「中は広そうだ。滝、二手に分かれよう。何かあったら通信機で連絡を取り合おう」
「わかった。油断するなよ隼人!」

423:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:13:16 PvTB3z400
剥き出しのコンクリートを踏みしめる足音がカツン、カツンとこだまする広いホールを、滝和也は懐中電灯の光を
油断なく左右に向けながら、ゆっくりと歩んでいった。ずらりと並んだ巨大なタンクからは無数のパイプが伸び、
天井を複雑に這いながらホールの反対側にある別のタンクへと続いている。タンクにはハロゲン化物や炭化水素の
名前が記されているが、過去に何を製造していたものなのか、滝には知るよしもなかった。
滝はふと、ホールの片隅に2階に続く金属製の階段があることに気付いた。階段の先には小部屋があるようだ。
滝は階段を急いで駆け登ると、用心しながら小部屋の扉を開けた。
そこはかつて事務所に使われていたとおぼしき、20畳ほどの殺風景な部屋であった。天井に大穴が開き、
満点の星明かりが床に降り注いでいる。部屋の中央に置かれている奇妙な物体は、よく見ると古風な洋風の
バスタブであった。滝は知らなかったが、このバスタブこそ栗山千明が映画「女王蜂」の中で、話題になっている
月下の入浴シーンを演じた、まさにその品なのであった。
バスタブの向こう側に、何かが倒れている。滝は用心しながら部屋の反対側へと回り、おそるおそる懐中電灯の
光を向けた。そこに横たわっていたのは・・・
沙夜であった。全身傷つき、真っ青な血を流しながらうめいている蜂女・沙夜であった。
半透明の羽根は大きく破れ、鋭い剣で切りつけられたような細くて長い傷跡が、全身に刻まれている。
「おい!? いったいどうしたというんだ?」
滝は驚いたが、相手はショッカーの改造人間。うかつに近寄ることはできない。
滝の懐中電灯の光に気付いた沙夜は、苦痛に歪んだ顔をゆっくりと滝の方に向け、うめきながら言った。
「・・・お願い・・・助けて・・・」
「なんだ!? 一体どうしたんだ?」
「・・・罰を、罰を受けたの・・捕まった罰を・・女王に・・・ああッ!」
身体を二つに折り曲げて苦しむ沙夜。「大丈夫か? しっかりしろ!」
思わず滝は懐中電灯を捨てて沙夜の方に駆け寄り、その身体を抱き起こした。

424:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:13:54 PvTB3z400
「待ってろ、今治療してやる!」滝はジャケットの裏側にあるポケットから、救急医療キットを取りだした。
いつ命の危険に晒されるかわからない職業柄、滝は常に最低限の医療キットを携帯している。
滝は沙夜の全身の傷に、止血スプレーを噴霧した。特に大きな傷には止血シートを貼り付け、包帯で緊く巻いた。
人間用の医療品が、果たして改造人間の沙夜にも効くのか半信半疑だったが、どうやら血は止まったようだ。
「ふう・・・もう大丈夫だ。そのままじっとしてるといい」
沙夜は滝の腕に抱かれて、安心したかのようにゆっくりと大きく息をついだ。蠕動を続ける双つの蜂の乳房が
ゆっくりと上下し、沙夜の体側にずらりと並ぶ昆虫のような気門が、呼吸に合わせて開閉した。
「・・・ありがとう。和也さん・・・優しいのね」
だしぬけに名前で呼ばれて、滝の心臓は思わずドキン、と高鳴った。「・・・よ、よせ!」
滝は改めて、沙夜の整った顔を見つめた。改造人間とはいえ、額から伸びる二本の赤い触角を除けば、蜂女の
頭部は人間女性となんら変わりがない。乱れた髪が額にかかり、やつれた表情を見せているが、モデル並みの
美貌である。さっき立花オートコーナーで一文字と共に沙夜を尋問した際には、敵という意識があったせいで
気付かなかったが、清楚で控えめなお嬢様風の沙夜の容姿は、滝の理想の女性像に近かった。
かつて、滝和也は結婚していたことがある。だがFBI特命捜査官という職業ゆえの不規則な勤務、明日の命の
保証すら無い毎日に、妻・洋子は夫の身を心配する余り、心労で倒れてしまった。悩んだ末、滝は断腸の思いで
妻を実家に帰した。彼女の幸せを考えたゆえの離縁であった。
それ以来、滝は別れた妻のために操を立て、女犯の禁を自らに課してきた。男盛りの身、女体を求める衝動が
まったく無かったわけではない。ショッカーと戦う使命のために、ひたすら禁欲を貫いてきたのだ。
だが沙夜の、安心しきって自分に身を委ねている穏やかな整った顔を見つめているうちに、滝の身体の奥に
それまで押し殺してきた男の本能が、ムラムラと込み上げてきた。

425:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:14:24 PvTB3z400
滝は狼狽して、沙夜の顔から目をそらした。今度は沙夜の、ショッカーによって改造されたボディが目に入った。
沙夜は身長165cm。バスト86cm、ウェスト56cm、ヒップ88cm。腰のくびれた安産型のボディである。
改造された沙夜の肉体は、人間とはほど遠いものであった。青色に染まった、うぶ毛も汗腺も無い滑らかな皮膚。
エナメル製の白い手袋とピンヒールのブーツを履いたかのように見える、しなやかに伸びる手足。そしてまるで
別の生き物が胸に貼り付いているかのように、淫らに蠕動を繰り返す、豊満な双つの蜂の乳房。
黄色と黒の同心円模様がくっきりと浮かび上がったその先端には、ティアドロップ型の真っ赤な乳輪があり、
その下端からは人間女性のものと大差ない、愛らしい乳頭がプクリと突き出している。
隠そうともせずにしどけなく晒け出された股間には、人間女性のそれと大差ない真っ赤な肉の襞が男の侵略を
待ちわびるかのように、ヒクヒクとナメクジのように蠢いている。そしてその中央に隠れた肉の孔からは、
甘い香りがするピンク色の霧が絶え間なく吐き出されて、沙夜と滝の周りをゆっくりとを取り巻いてゆく。
滝はゴクリ、と唾を飲み込んだ。人間女性とはこんなに違うというのに、なんと魅力的なボディなんだろう、
なんと蠱惑的で、扇情的で、男の欲望をかき立てる魔性の魅力を湛えたボディなんだろう!
滝の呼吸は乱れ、鼓動がガンガンと早鐘のように打つ。沙夜を抱き上げる両の腕がガクガクと震える。
抱きたい。沙夜を抱きたい。彼女の身体を抱きたい。その衝動は、もはや抑えられるものではなかった。
「・・・いいのよ、和也・・・わたしを、わたしの身体を・・・好きにしても・・・いいの・・・」
その言葉が、滝の理性の堰を切った。滝は押し寄せる激情の渦の中に飲み込まれ、乱暴に沙夜の唇を奪った。
長く情熱的なディープキッスが続いた。滝の舌は沙夜の舌とからまり合い、蜜のように甘美な液体が沙夜の口から
滝の口内へと注ぎ込まれた。たちまち熱いものが滝の脳天めがけてかけ上がり、目の前が真っ白になっていった。

426:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:14:47 PvTB3z400
茫然とする滝から唇を放した沙夜が、妖しく微笑みながら滝の耳元で囁く。
「・・・和也・・・抱いて・・・わたしを・・・あなたのものにして・・・」
滝は夢中でベルトのバックルを緩めた。まるで初体験を前にした中学生のように、息を荒げ興奮しながら
ぎごちない手付きでジーンズを脱ぎ捨て、生まれたままの下半身を剥き出しにした。
四つん這いになった沙夜が、妖しく微笑みながら滝の股間に近づく。ギンギンにいきり立った滝の男根の先端に
そっと舌を這わせる。「・・・う・・・ムッ!」
沙夜は美味しそうに滝の男根をくわえ込み、舌を巧みに使って繊細な粘膜をこれでもかとばかりに刺激する。
「・・・素敵よ・・・和也・・・さあ、わたしと・・・ひとつになるのよ・・・」
M字型に両脚を広げ、真っ赤な肉の孔を剥き出しにした沙夜が甘く切なく囁く。蠱惑的な肉の孔からは紫色の
愛液がとめどなくあふれ出る。肉の襞はナメクジのように淫らな蠕動をしきりに繰り返す。
そのあられもない淫らな姿が、滝の最後の理性を吹き飛ばした。全裸になった滝はおおぉう!と叫び、いきり
立った肉茎を勢いよく、沙夜の十分に潤った股間の谷間めがけてぐぐい!と突き立てた。
「・・・あッ! ・・・あうッ! ・・・んッ! ・・・んッ! ・・・はうッ! ・・・はうッ!」
滝を受け入れた瞬間、沙夜は一瞬苦痛の表情を浮かべた。それから、律動に乗せてゆっくりと腰を動かし始めた。
「・・・あうん・・・はぅうん・・・あぅうん・・・んんッ・・・はぅうん・・・あうン・・・」
ゆうべ蜂女に改造された時まで、沙夜はまぎれもない処女だった。19歳の真面目一方な看護学生にとって
男を受け入れる悦びなど、雑誌の知識としてで知ってはいても、未知の世界の出来事でしかなかった。
だがショッカーによって蜂女に改造されたことで、沙夜は人間女性の数万倍に及ぶ性欲を与えられ、最高度の
女性機能を発揮できるよう肉体をチューニングされていた。沙夜は、これが生まれて初めての男性との交わり
とは思えないほどの、性の悦びを知り尽くした熟女並みの凄まじいテクニックで、滝のいきり立った肉茎を
改造された女性器の奥深く飲み込み、締めつけ、むさぼり味わっていた。
「・・・あぅん! ・・・あぅん! ・・・もっと! ・・・もっと! ・・・激しくッ! ・・・抱いてッ!」

427:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:15:21 PvTB3z400
沙夜の中に自分の分身を奥深く沈めた滝も、蜂女の肉体がもたらす、甘美で狂おしい快楽に夢中になっていた。
なんだこれは!? 信じられない! まるで天国のようだ。洋子の身体とは大違いだ。これが本当に女の体なのか?
蜂女のボディは、人間とは違いひんやりと冷たかった。だが滝の男根を飲み込み激しく締めつけている、沙夜の
改造された膣の奥は、燃えるように熱かった。まとわりつく粘膜からじんわりと染み込むように、快楽の波動が
滝の身体に伝わってくる。
滝は夢中になって腰を動かした。自らの分身を沙夜の奥に激しく突き入れた。
彼の目の前に、腰の動きに合わせてユサユサと揺れながら、淫らに蠕動を続ける、双つの同心円模様の乳房が
広がっている。人間の乳房のように重力によって潰れることなく、ロケットのようにそそり立つ、双つの膨らみ。
滝は両腕を伸ばして沙夜の蜂の乳房を鷲掴みにし、それを夢中になって揉みしだいた。手のひらに伝わる乳房の
弾力が、さらに滝の欲情を刺激し、腰の動きをさらに激しいものにしていった。
「・・・和也・・・飲んで・・・」
「・・・な、何を?」
「・・・私の・・・おっぱいを・・・飲んで!」
滝は、沙夜の改造された乳首にむしゃぶりついた。その途端、乳首から刺激性のある虹色の液体がプシュッ!と
迸り出て、滝の口腔内を満たした。その液体を飲み干すや、滝の目の前は再び真っ白になった。
蜂女の乳房は、様々な化学物質を自由に合成できる、化学工場であった。たった今沙夜が滝に飲ませたものは、
人間男性の性欲を数10倍にアップさせる、高性能の媚薬であった。
「・・・うぉおおおおおおッ!」
滝は大声で吼えた。沙夜を突き上げる腰の動き、蜂の乳房を揉みしだく手の動きがさらに激しさを増してゆく。
滝は片手で蜂の乳房を揉みながら、もう一方の腕を華奢な沙夜の腰に回し、なめらかな尻たぶを激しく、狂おし
く愛撫した。羽根の生えた背中を、引き締まった太股を、そして愛らしいうなじを幾度も幾度も愛撫し続けた。
「・・・いくぞぉ、沙夜ぁッ!」「・・・来てッ! 和也ッ!」
やがて、二人は同時に絶頂に上り詰めた。
「・・・あウッ! ・・・あウッ! ・・・・はあウッッッ! ・・・・ああううううッッッ!」

428:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:15:55 PvTB3z400
沙夜は髪を振り乱して大きくいなないた。滝もオゥオゥと獣のように吼えて、沙夜の胎内に燃えたぎる雄の欲情の
エキスを勢いよくぶち撒けた。白濁した欲望の粘液が、沙夜の改造された膣組織の中いっぱいに迸り出た。
沙夜の膣はキュイイイン・・・と締まり、滝の精液を残らず絞り上げると子宮の奥深くに吸い込んでいった。
「・・・はぁ、はぁ、はぁ・・・」
二人、いや一人の人間と一体の改造人間は堅く交わったまま、コンクリートの床の上にずっと横臥していた。
足をからませ、堅く抱き合い、唇を強く重ねたまま、いつまでもじっとひとつに溶け合っていた。
沙夜の体側に並ぶ気門は、たった今終わったばかりの情事の激しさを示すように、激しく開閉を繰り返している。
「・・・好きよ・・・愛しているわ、和也」
「・・・俺もだ。・・・愛してる、沙夜! お前を、この世の何ものよりも愛している!」
「・・・でも、わたしは人間じゃないのよ。わたしは改造人間、蜂女。二度と人間には戻れない身体なのよ」
「・・・構わない! 改造人間だって、蜂女だって構やしない! 俺は、お前を、愛しているッ!!」
「・・・ああ、嬉しいッ! 和也ッ!」
滝が、汗ばんだ自らの肉体を、沙夜のひんやりとしたボディから離すことができたのは、射精後10分以上も
経ってからのことであった。まとわりつく粘膜で覆われた孔からしぼんだ陰茎を引き抜くと、白いものが
混じった紫色の粘液が、長い糸を引いて伸びた。
しどけなく広げられた沙夜の股間には、ついさっき生まれて初めて男の侵略を許したばかりの肉の孔が真っ赤に
咲き誇り、男の味を覚え女になった喜びにヒクヒクと震えていた。毛の生えていない真っ青な恥丘を縦に割って
走る肉の亀裂を伝って、紫色の液体がとめどなくこぼれ落ちては、床をしとどに濡らしていた。
両脚を広げ、男に突き伏せられたあからさまな部分を露わにし、呼気を荒げて横たわっている沙夜のボディを
目にした瞬間、滝は再び淫らな欲情が込み上げてくるのを感じた。しなびた陰茎が徐々に怒張を取り戻してゆく。

429:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:16:11 PvTB3z400
滝は再び沙夜に荒々しく抱きつき、その唇を激しく吸った。甘い蜜が口の中いっぱいに広がり、男根が再度
ギンギンにいきり立った。
間を置かず、滝は二度目の行為に挑んだ。滝は沙夜をうつ伏せにし、その肉体を背後から勢いよく貫いた。
「・・・うッ! ・・・あうッ! ・・・はぁッ・・・はぁッ・・・」
沙夜の美しい二枚の羽根が、滝が突き上げるとともにリズミカルに開閉を繰り返す。ふと滝は、破れたはずの
沙夜の羽根がすっかり元通りになっていることに気付いた。
羽根だけではない。沙夜の傷はすっかり癒え、沙夜は本来の元気を取り戻していた。そして男を知ったせいか、
最初の交わりの時に比べて腰の振りも、膣の締めつけも、一段と激しく情熱的なものになっていた。
滝は無我夢中で、沙夜を激しく突き上げ、苛み、責め立て続けた。ひとつに溶け合い激しくまぐわい合い、
お互いの肉体を狂ったようにむさぼり合った。やがて、2発目の白い粘液が噴き出し、目の前が真っ白になった。
だが、滝の情欲はそれで治まりはしなかった。沙夜が再び滝の口に含ませた虹色の乳汁が、滝を3度目の行為へと
駆り立てた。沙夜も嬉々として、滝の獣のような要求を受け入れた。滝は知るよしもなかったが、蜂女が乳首から
分泌する媚薬には、麻薬のような強い中毒性があったのだ。
天井に開いた孔から、銀色の月光がしめやかに降り注ぐ。煌めく月の光を浴びながら、一人の人間の男と一体の
女性の改造人間は、とどまるところを知らずに愛の交歓を、淫らで神聖な愛の儀式を続けるのだった。

430:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:16:28 PvTB3z400
同じ頃。滝と別れた一文字隼人は、地下に降りる階段を発見し、用心しながらゆっくりと階下に進んでいった。
地下は廊下の両側に機械室が立ち並ぶ、閉塞感のある空間だった。ほとんどの扉は鍵がかかっており、押しても
引いてもびくともしなかったが、ふと一文字は前方の、開きかけた扉の向こう側からかすかな光が漏れ出ている
のに気付いた。
そこは奇怪な文様が壁一面に描かれた、工場には不似合いの部屋であった。一文字はその壁の中央に、忌まわしい
鷲のエンブレムを見つけ、吐き捨てるようにつぶやいた。「やはり、ショッカーのアジトだったか!」
隣室から、かすかな機械音が響いてくる。用心して奥の扉を開いた一文字は、思わず息を飲んだ。
奇怪な装置が幾つも立ち並ぶ部屋の中央に、直径1.7メートルほどの、円形の台が置かれていた。
台には周囲4箇所に、人間の手足を拘束するのにちょうどよい大きさの、輪のようなものが付いている。
その台には一文字にも見覚えがあった。そう、これこそ、ショッカーが拉致した人間を改造人間に造り変える、
忌まわしい改造手術台であった。
かつて一文字隼人も、これと同じ形の手術台の上で苦しみ悶えながら、改造手術を施されたのだ。もしもあの時
本郷猛が助けに来てくれなかったら、今ごろは一文字もショッカーの忠実な改造人間となり、悪の尖兵として
破壊活動に従事していたに違いないのだ。そう思うと、一文字は改めて激しい怒りと恐怖を感じた。
気を取り直して、一文字は改造手術台を調べた。自分が改造された時のものに比べると、この手術台は
ずいぶんと小振りである。輪の間隔から素体の身長を調べると、どうやら身長160cm前後の人間を改造する
ためのものらしい。おそらく、女性を改造するために用意されたものであろう。
台の表面を調べると、ちょうど素体の股間にあたる位置に、紫色の液体が乾いてこびり付いたような跡があった。
どうやら既に使用された後らしい。一文字の脳裏に、昨日交戦した、あの女王蜂女の姿が浮かんだ。
おそらくこの手術台の上で、ショッカーに選ばれた何の罪もない不運な女性が、あの女王蜂女に改造されていった
のに違いない。
一文字は怒りのあまり手を堅く握りしめ、ギリギリと歯がみした。

431:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:17:33 PvTB3z400
周囲の装置を調べていた一文字は、まだ電源が通っているスイッチが幾つかあることに気付いた。「Display」と
書かれたスイッチを押してみる。すると部屋の一方の壁が輝き出し、スクリーンとなって映像が映し出された。
それは、改造人間の製造計画書であった。最初に、真っ青なボディと蜂の腹部のような乳房を持った、一文字も
既に知っている女性型改造人間のイラストが映し出された。「やはり蜂女か!」
続いて、女性のシルエットを持った改造人間の体内構造と、その詳細な説明がイラストで映し出された。どうやら
これは、蜂女の改造設計図のようなものであるらしい。
やがて、若い女性の顔が幾つも映し出された。TVや映画で見たことのある、有名な女優の顔ばかりだ。
顔写真に重なるように×印が表示されるとともに、次の顔写真へと順番に移ってゆく。
「どうやら、蜂女に改造する素体を選定しているようだな」
そして、ある一人の女優の写真が現われた瞬間、顔写真に大きく重なるようにして点滅する赤い○印が現われた。
それは、前髪を一直線に切りそろえた、長くつややかな黒髪の20台前半の美しい女性だった。鋭い光を宿した、
印象的な切れ長の大きな目。すらりと通ったエキゾチックな鼻筋。そう、彼女こそ「女王蜂」の主演女優、
栗山千明に他ならなかった。
続いて、栗山千明の全身写真が映し出された。どうやって写したものか、衣服を着けていない、全裸の姿だった。
そして全身写真の隣に、巨大な蜂の映像が映し出された。日本のミツバチよりもふた回りほど巨大な蜂である。
二つの映像は互いにゆっくりと近づいてゆき、やがてひとつに重なった。そして最後に、真っ青なボディと
蜂の乳房、二枚の羽根を持った、異形の姿になった栗山千明の映像が大映しになった。
「やはり思ったとおり、女王蜂女の正体は、女優の栗山千明だったんだな!」

432:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:18:05 PvTB3z400
一文字は複雑な気持ちで、映像を見つめていた。昨日あれほど苦戦したとはいえ、女王蜂女を憎む気持ちは
まったく湧いてこない。それどころか、彼女が哀れでならなかった。彼女は自分と同じ、ショッカーの被害者に
ほかならない。自分のような天涯孤独の男ならまだいい。まだ若い女性、それも将来を嘱望された女優の身で
ありながら、ショッカーに見初められたばかりに無理やり改造人間にされてしまった、哀れな犠牲者なのだ。
「・・・可哀相に。彼女ももう、二度と人間には戻れないんだ」
一文字はふと、装置にさっきからしきりに点滅しているランプがあることに気付いた。何の気なしに押してみる。
すると壁のディスプレイに、新しい映像が映し出された。今度は動画のようだ。
忌まわしい改造手術台のそばに佇むのは、黒いマントを羽織った、骸骨のように痩せた陰気な初老の紳士。
「・・・死神博士ッ!」
一文字は思わず大声で叫んだ。それは忘れもしない、憎むべきショッカー大幹部・死神博士であった。
死神博士は、手術台の周囲の奇妙な機器に向かっている白覆面の戦闘員たちに、あれこれと指示を下している。
やがて扉が開き、二人の黒マスクの戦闘員が、激しく泣き叫ぶ一人の女性を連行してきた。
「・・・やめてェ! お願いッ! 助けて! 誰か! 誰か助けてぇッ!!」
長い黒髪を振り乱し、激しく抵抗しているその女性は、女優の栗山千明であった。
妖艶でクールな容姿とはうらはらに、素顔の栗山千明はおっとりとした、怖がりの女性である。このような異常な
事態に置かれれば、ただ泣き叫ぶばかりでどうすることもできない。
黒戦闘員はお構いなしに、泣き叫ぶ千明の身体を改造手術台の上にかつぎ上げ、両手両足をリングで固定した。
「イヤッ! やめて! やめてお願いッ!」
そして戦闘員たちは手にしたナイフで、千明の衣服を容赦なく切り裂いてゆく。真っ白な肌が露わになり、小振り
だが形の良い乳房が晒される。そして短く刈り込まれた毛に囲まれた、股間を縦に貫くピンク色の襞が現われる。
「キャアアッ!」

433:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:18:25 PvTB3z400
どうやらこの映像は、栗山千明が蜂女に改造された時に撮影した、実況映像であるらしい。
いったい何のためにこんな映像を残しておいたのか。一文字は激しい怒りにかられながら、画面を見つめ続ける。
身長162cm。バスト81cm、ウェスト56cm、ヒップ83cm。引き締まったスレンダーな美しいボディをしどけなく
大の字に広げ、改造手術台の上に全裸で固定された栗山千明の肉体。それは、まるで展翅板の上に止められた蝶を
思わせる、美しくも悲痛な光景であった。
身動きもできず、長い黒髪を振り乱してただ助けを求める栗山千明に、死神博士がゆっくりと近づいてきた。
「娘よ。お前はショッカーの改造人間として選ばれた。幸運に感謝するがいい。お前はこれからこの手術台の上で
改造手術を受けて、我らが同胞“蜂女”に生まれ変わるのだ。」
死神博士は手にした杖で、千明の顎を小突き上げる。「キャッ!」思わず悲鳴を上げる千明。
恥辱と恐怖のあまり、彼女には死神博士の声も届いていない。死神博士は杖で千明の顎をグリグリと小突きながら
耳元に口を近づけ、ゆっくりと言い聞かせるように語り続ける。
「よいか、これからお前の全身の細胞ひとつひとつに、牛をも倒す凶暴なスペイン蜂の遺伝子を組み込んでゆく。
お前は人間ではなくなり、スペイン蜂の能力を持った改造人間となる。そして我がショッカーの忠実な僕として
世界征服のために働くのだ」
死神博士の言葉に、栗山千明は自分のこれからの運命を悟ったらしい。一瞬顔面蒼白になったかと思うと、
彼女はあらん限りの声で絶叫し、長い黒髪を振り乱しながら、手足を激しくバタつかせて逃れようとした。
「ヤだぁーッ! イヤだ! イヤだ! 改造人間なんてイヤですッ! イヤッ! イヤ! やめてぇーッ!」
「わめくな娘! 抵抗などしても無駄だ。お前の運命は決まっている。お前はこれから改造人間に生まれ変わり、
人間だったことなど忘れて、その肉体をショッカーのために駆使し、働くのだ」

434:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:19:19 PvTB3z400
「お願い! やめて下さい! 改造人間なんてイヤっ! 改造人間なんて、改造人間なんてイヤだぁあああッ!」
「最初は誰もがそう言う。だがやがて、ショッカーの一員となったことを心から感謝するようになる!」
千明の抵抗が、死神博士の嗜虐心に火を点けたらしい。博士は醜悪な笑みを浮かべて、蠕動を繰り返す気味の悪い
パイプのようなものを千明に見せた。先端が奇妙にふくらんだそのパイプは、鎌首をもたげる蛇のように首を
振りながら、先端に開いた小さな穴から粘液のようなものをじわじわと噴きだしている。
「手術と言ったが、女性の身体を切り刻むような野暮な真似はせん。苦痛もほとんどないから安心するがいい。
さあ娘よ。これを見よ。これは“改造ノズル”と言って、お前のような若い娘を改造する時にのみ使う特殊な
器具だ。今からこの改造ノズルを、お前の女性器に挿入する。そしてお前の子宮内に、改造ナノマシンを大量に
注ぎ込む。改造ナノマシンは血流に乗ってお前の全身を駆け回り、身体中の細胞の遺伝子を組み換えて、お前の
身体を“蜂女”に作り変えてゆくのだ。その間お前は、至高の快楽に身を委ねていればいい。凄まじい快楽を
むさぼり終えた時、お前はもう人間ではなくなっている。そう、お前は改造人間に生まれ変わっているのだ」
蠕動する改造ノズルの先端は、人間の男根にあまりにも酷似していた。その先端を目の前に突きつけられた千明は
これから自分の身体に何が施されるのか、はっきりと自覚した。そして、恐怖と恥辱のあまり絶叫した。
「いやああああああ!!!」
死神博士が、白覆面の戦闘員たちに顎で命令を下した。「さあ、やれ!」
白覆面のひとりが、千明の柔らかい乳房を、無造作に鷲掴みにした。「キャアアッ!!」
長い針のようなものを取り上げた白覆面が、千明の乳首めがけて、その針をズブッ!と突き刺した。
「ギャッ! 痛いッ! ・・・やめて! やめて! ・・・ああッ・・・ギャッ!」
両の乳首に差し込まれた針は、そのまま千明の乳房の内部にどんどん突き入れられてゆく。

435:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:19:41 PvTB3z400
もうひとりの白覆面が広げられた千明の股間に手を伸ばし、ピンク色の肉の襞を指で押し広げる。
「やめて! やめて! イヤッ、そんなところ・・・キャッ!」
クリトリスの存在を確認した白覆面は、その愛らしい豆状の肉突起を覆うように、カバー状の電極をかぶせた。
千明の股間を覗き込んでいた白覆面の合図で、別の白覆面が装置のスイッチを入れた。たちまち電気パルスが
千明の両の乳首とクリトリスにピリピリと流れ、強烈な刺激を断続的に千明の肉体に送り込んでゆく。
「・・・あッ! ・・・イヤっ! ・・・あ! ・・・あ! ・・・あ!」
とたんに、今まで味わったことのないような感覚が千明を襲った。千明は身体を硬直させ、ガクガクと震えながら
顔を真っ赤に染める。自分の内部に沸き上がってくる、得体のしれない熱いものに、戸惑っているのだ。
しどけなく広げられた栗山千明の股間。ピンク色の肉の襞がゆっくりと花開き、じわじわと濡れた肉の孔が
次第に露わになってくる。孔の奥には白いものがわずかに見えている。
「そろそろよかろう。改造ノズルの挿入準備!」
死神博士の命令で、白覆面のひとりが改造ノズルを掴み、電気パルスの刺激ですっかり濡れそぼった千明の
肉の孔に、蠕動する男根のような不気味なノズルの先端を当てがった。
「キャアッ! や・・・やめてッ!」身体を硬直させ、抵抗するように腰を引き、激しく絶叫する千明。
「改造ノズル、挿入開始!」
「ひいッ!」
死神博士の合図で、白覆面は手にした改造ノズルを、栗山千明の股間の孔に、ぐいぐいと押し込んでゆく。
「イヤッ! やだ!ヤダぁああッ!・・・あああッ!・・・痛いッ! 痛い痛い! やめて! お願い!」
粘膜が裂けて、真っ赤な血が飛び散った。
「・・・ほう、まだ処女であったか。これは意外だ。だが安心するがい。苦痛はすぐに快楽に変わる」

436:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:20:00 PvTB3z400
改造ノズルは、未だ何ものも受け入れたことのない栗山千明の神聖な場所を引き裂いて、膣の最奥部に達した。
おぞましい改造ノズルによってたった今処女を奪われたばかりの千明は、目から涙をポロポロとこぼし、
エッエッ・・・と短く嗚咽しながら、下腹部をキリキリと襲う破瓜の苦痛に身をよじらせていた。
「改造ナノマシン、注入開始!」
グオングオンという音を立てて、改造ノズルの活動が始まった。千明は、自分の股間にズブズブと押し寄せてくる
なんとも不快な感覚に戸惑った。膣の奥に押し込まれたノズルの先端の穴から、生暖かい液体が次々と噴き出して
彼女の子宮にドクドクと注ぎ込まれているのだ。
「・・・あ! ・・・あ! ・・・あ! ・・・」
ノズルの中を通って、無数のナノマシンを含んだ液体が、千明の子宮内を満たしてゆく。子宮内壁を通って血管内
に放たれた無数のナノマシンは、血流に乗って千明の全身を駆け巡り、細胞のひとつひとつに遺伝子操作を施して
彼女の肉体を人間ではないものへと急速に造り変えてゆく。
「・・・はあッ・・・はあッ・・・あふぅ・・・ああッ・・・ああッ・・・いやああッ・・・」
その変化は、はっきりと性的な快感を伴っていた。毎夜自分で自分を慰める時のあのしびれるような快感を
何百倍、何千倍にもしたような激しい快感が、千明の全身を電流のように流れて、彼女の理性を奪っていった。
改造ナノマシンに肉体を蝕まれ、全身を人間ではないものに変えられてゆきながら、栗山千明は全身を貫く、
じんじんと心地よい快感に身をゆだね、激しくむせび泣いていた。
「・・・だめぇ・・・とけちゃう・・・やめて・・・だめぇ・・・あうん・・・あうぅん・・・あううぅん・・・」

437:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:20:39 PvTB3z400
ほどなく、栗山千明の白く美しい裸身に、はっきりとした変化が現れた。小振りだが形の良い乳房の表面に、
黄色と黒の同心円模様がうっすらと現われた。
同心円模様はどんどんと濃くなり、数分で彼女の乳房は、蜂の腹部のようなくっきりした縞模様となった。
乳首の周囲の乳輪だけが真っ赤に染まり、ティアドロップ型に変形した。そして乳房がすっかり同心円模様に
覆われるとともに、それまで重力に押しつぶされていた乳房が少しずつ盛り上がり、まるでロケットのように
天に向けてそそり立っていった。そして、まるで昆虫の腹部のように、ゆっくりと蛇腹状の蠕動を始めた。
「・・・ああん・・・あうぅん・・・はうぅん・・・あうッ!・・・あうッ!・・・はうぅッ!はうぅッ!」
千明の全身の毛が抜け落ち、皮膚の色が青く染まり始めた。手の先と脚の先だけが白く変わり、まるで長手袋と
ロングブーツを履いているかのようなエナメル質に変化していった。爪が消失し、脚の指はひとつに融合し、
足首はピンヒールのブーツのような形に変形していった。
自分の肉体の変化を、千明は朦朧とした意識の中でぼんやり感じ取っていた。自分が人間ではなくなってゆくのが
はっきりと自覚できた。ふと薄目を開けた千明は、自分の乳房が蜂の腹部のような同心円模様に変わり、奇妙な
蠕動を行っているのを知った。そして言いようもない悲しみと、諦めの気持ちに襲われた。
ああ、もう自分は人間ではなくなってしまった。もう二度と元の身体には戻れないのだ。悲しい。悔しい。
でも、でも気持ちがいい! 気持ちがよくて気持ちがよくて、このまま狂ってしまいそうだ。人間に戻れなくても
もう構わない。この快感を、いつまでももっともっと感じていたい。
千明は快楽に身を委ねて、自分から腰を持ち上げ、夢中になって振った。かたちのよい引き締まった尻を、
歓喜にむせび泣きながら夢中になってクイッ、クイッとリズミカルに動かした。
「・・・はうン!・・はうン!・・・あうン!・・あうン!・・・あうッ!あうッ!あうッ!アッ!アッ!」

438:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:21:15 PvTB3z400
千明の体側、脇腹から太股にかけて、パックリと小さな孔が幾つも開いた。昆虫の気門に似た12対の孔は
千明のあえぎ声に合わせて激しい開閉を繰り返した。
改造手術が始まって、既に20分ほどが経っていた。改造手術台の上に大の字に身体を固定されているのは、もはや
人間の女性ではなかった。それは昆虫に似た身体を持った異形の美女、ショッカーの改造人間・蜂女であった。
「・・・あうぅッ!・・あうぅッ!・・・はうぅッ! ・・はうぅッ! ・・あぁンッ!・・あぁンッ!」

壁に映し出される映像の中で、どんどん改造されてゆく女優・栗山千明の肉体。そのおぞましく忌まわしい
映像を、一文字隼人は凍りついたようになって見入っていた。
なぜか、目をそらせることができなかった。かつて自分も映像の中の栗山千明と同じように、改造手術台の上で
身体を切り刻まれ、バッタの生体組織を全身に移植されて改造人間にされてしまった。その忌まわしい記憶が、
目の前の映像によってはっきりと呼び覚まされていた。
握りしめた拳がブルブルと震えた。知らず知らずのうちにギリギリと歯を食いしばっていた。
その時、若い女の冷たい笑い声が、部屋の中にこだました。
「・・・フフッ!・・・ウフフフフッ!・・・」
ふと一文字は、快楽にあえぎながら改造されてゆく栗山千明の映像のすぐ前方に、いつの間にか別の人影が
立っていることに気付いた。一体いつからそこにいたのか。妖しい笑みを浮かべながら壁面スクリーンの前に
立っている姿は、スレンダーなシルエットを持った若い女性だった。
長い黒髪と、真っ青なボディ、黄色と黒に彩られた蜂の乳房。そして妖しい光をたたえた鋭い目。
栗山千明だった。蜂女のボディを持った栗山千明が、いつの間にか一文字の目の前に立っていたのだ。

439:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:21:34 PvTB3z400
千明の頭部は、額から長い真っ赤な触角を伸ばしている意外は、人間のままであった。昨日交戦した時に
彼女の頭部を覆っていた頭頂部の装甲と複眼状のゴーグルは、どうやら戦闘時だけのものらしい。
人間のままの頭部に、触角だけが生えているのが、どうやら蜂女の本来の姿であるらしかった。
蜂女の姿をした栗山千明はクスリ、と笑うと、一文字に向かって挑発的な口調で言った。
「・・・どお? 一文字隼人。素敵だったでしょう? これはわたしがショッカーに改造された時の実際の映像。
何度見ても興奮するわ。・・・わたしは、こうやって改造されて、蜂女に生まれ変わったの。見て、この身体!」
一文字は即座に身構え、仮面ライダーに変身するために両腕を右に伸ばした。
「・・・変・・・し・・ウッ!」
一文字隼人が変身ポーズを取ろうとしたその瞬間、栗山千明は背中の羽根を広げ、細かく振動させた。その途端に
一文字の脳裏に稲妻のようにひとつの映像が閃いた。
「やめてぇッ! やめて下さい! 改造人間なんてイヤだぁあああッ!」
それは、全裸で改造手術台に身体を固定され、激しく泣き叫ぶ栗山千明の姿であった。その映像が脳裏に浮かぶと
共に、一文字自身がショッカーによって改造された時の、あの忌まわしい記憶が洪水のように溢れ出してきた。
「やめろォッッ!!」
一文字は頭を押さえ、身体を折り曲げて苦しみ始めた。本郷猛に救出されて仮面ライダーとなり、すっかり
落ち着いた今でも、時々悪夢にうなされて思いだすあの恐怖の記憶。記憶の奥底に封じ込め、できるならば
二度と思いだしたくないあの悪夢の記憶が、なぜ今になってこんなにも鮮明に蘇ってくるのか?

440:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:21:57 PvTB3z400
苦しむ一文字の様子を見た栗山千明は、満足そうに冷たい笑いを放った。
「アハハハハッ! まんまと引っかかったようね、一文字隼人! この洗脳フィルムを見てしまった以上、お前の
脳にはもう、ある条件反射が刷り込まれているのよ。わたしの羽根の超音波を聞くと同時に、自分が改造された
時の忌まわしい記憶を鮮明に思いだすようにね!」
しまった! この映像も洗脳フィルムだったのか! 油断した。映像という時点で気付くべきだった。一文字は
地団駄を踏んで悔しがったがもう手遅れであった。栗山千明の頭部を持った蜂女が羽根を震わせるたびに、
彼の脳には蜂女に改造されてゆく栗山千明の声と映像が、自分自信の姿とオーバーラップするように鮮明に蘇る。
その記憶のおぞましさは、一文字の戦闘意欲を著しく殺してしまうに十分であった。
「ウフッ! ウフフフフフッ! アハハハハッ!」
無邪気に、だが冷たい悪意を込めて、栗山千明は笑い続ける。一文字はうぉおおおおッ!と悪夢を振り払うように
大きく吼え、気合いを入れて再び変身ポーズを取った。「・・・変・・・し・・うむッ!」
一文字の両腕を、後ろから鷲掴みにしたものがある。改造人間である自分の動きを止めるほどの怪力。そんな力の
持ち主とは思えない華奢な腕が目に入り、驚いて後ろを振り返った一文字隼人は、思わず息を飲んだ。
「・・・エミ! ・・・ミカ!」
そこに立っていたのは、立花オートコーナーの住み込みスタッフで、一文字隼人のアシスタントでもある、
エミとミカの二人だった、だが彼女たちのボディは栗山千明と同じ、同心円の乳房を持った蜂女であった。
「ど、どうしてお前たちが!?」
「昨日、千明さまに改造していただいたの」
「わたしたちはもう、お前のアシスタントなんかじゃないわ、隼人」
「そう、今のあたしたちは、ショッカーの改造人間・蜂女!」

441:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:22:17 PvTB3z400
一文字は驚きと絶望で、目の前が真っ暗になった。よりによって、今まで一緒に戦ってきたかけがえのない仲間が、
若い女性のみそらで改造手術を施され、ショッカーの傀儡に変えられてしまっていたなんて!
「どお、一文字隼人。そのふたりを相手に戦える? そのふたりを、お得意のライダーキックで殺せるの?」
栗山千明は一文字を試すように言った。その言葉は蛇のように冷たく、残酷な響きに満ちていた。
女とはいえ改造人間のパワーで両腕を押さえつけられては、変身前の一文字は身動きも取れない。だが仮に
ふたりを振りほどき変身したとしても、今の一文字には彼女たちと戦う気力は湧いてこなかっただろう。
悔しさに身震いする一文字に向かって、栗山千明は捕らえた獲物を無邪気にもてあそぶ野獣のような残酷な視線を
送りながら、妖しい笑みを浮かべ、ゆっくりと近づいてきた。
「さあ一文字隼人。死神博士の命令よ。観念して、この毒針の注射を受けなさい。でもお前を殺すわけじゃないわ。
麻痺させて、お前をわたしと同じ、完全な改造人間にするの。・・・フフッ、楽しみだわ」
栗山千明はそう言うと、両手で自分の蜂の乳房をゆっくりと揉んだ。同心円模様の中心にあるティアドロップ型の
真っ赤な乳輪。その下端にある愛らしい乳首がゆっくりと身をもたげると、先端から小さな針が顔を覗かせた。
針の先には、液体のしずくがきらめいている。
「・・・くぬッ! 畜生ッ!」
栗山千明は満面の笑みを浮かべて、大きく腕を広げた。そして一文字隼人に近づくと、彼を力いっぱい抱擁した。
ブスッ! 一文字の胸板に、二個所、鋭い痛みが走った。
「・・・うう・・・ああッ! ・・・・」
たちまち一文字の目はくらみ、視界がグルグルと回転し足下が定まらなくなった。徐々に薄れゆく意識の中で、
蜂女のボディを持った栗山千明の哄笑だけがいつまでも甲高く響いていた。
「・・・・フフッ・・・・・ウフフフフッ・・・・・アハハハハハッ・・・・」

442:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:22:33 PvTB3z400
「・・・和也! ・・・和也! ・・・ねえ起きて!」
全裸で愛しい沙夜と抱きあいながら幸福そうにまどろんでいた滝和也は、沙夜の取り乱した声に目を覚まされた。
「和也、あれを、あれを見て!」
寝返りを打って沙夜の指さす上方に目をやると、破れた天井の穴の向こうに輝く大きな月が見えた。その月に
重なるように、三体の蜂女がどこかへ飛び去ってゆくのが目に入る。
そのうち二体の蜂女は、ジャケットを着た男性の両腕を持って、宙にぶら下げたまま飛んでいる。
「・・・一文字ッ!」
滝は裸のまま飛び起きた。なんてことだ! 今まで俺は何を呆けていたんだ。沙夜とのセックスに溺れ、自分の
任務をすっかり忘れていた。滝はあわててジーンズだけを履き、部屋の片隅にあった脚立を立てて、破れた穴から
天井の上に這い上がった。
「一文字ぃッッッ!!」
滝は大声で叫んだ。だが三体の蜂女はそれに気付いたか気付いていないのか、何の反応も見せずにそのまま
満月の照る西の方向に向かって音もなく飛び去っていった。
沙夜が羽根を広げて、滝のすぐ隣に舞い降りた。「和也!」
「沙夜! 蜂女にはここと別にもうひとつアジトがあるのか? いったいどこにあるんだ!?」
「・・・知らないわ。わたしはここで改造されたの。ここ以外のアジトなんか、見たこともない・・・」
「畜生ッ!」滝は吐き捨てるように叫んだ。「仕方がない! いったんおやじさんの所に戻って、出直そう!」

443:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:22:52 PvTB3z400
だが、バイクに二人乗りになって立花オートコーナーに戻った滝と沙夜を待っていたのは、扉を壊され、
もぬけの殻となった立花オートコーナーであった。
「しまった! おやじさんッ! ユリッ! 五郎ッ! いったい、どこに連れ去られてしまったんだ!?」

「・・・和也・・・わたし、怖い・・・!」
おびえた様子ですりよって来た沙夜が、滝の腕を掴む。滝はやさしく彼女の身体を抱きしめる。
「心配いらない。隼人が、隼人のやつがそう簡単にやられるわけがない! おやじさんたちだってきっと無事さ!」
そう言ったものの、明らかに彼らには助けが必要な状況であること、それができるのが自分しかいないことを、
滝自身よくわかっていた。だが一体どうすればいいのか。西の方向という以外に、手掛かりは何もない。
蜂女の姿をした沙夜は、ぴったりと滝に寄り添い、二の腕に豊満な乳房を押し付けてくる。ゆっくりと蠕動を
繰り返す乳房の柔らかな感触が、滝の腕に伝わってくる。その感触が、再びムラムラと滝の欲情をかき立てた。
いけない! そんなことをしている場合ではない。何とかして、皆を助けだす手段を考えねば。
だが滝の頭は、愛しい沙夜の美しく魅力的な肢体のことでいっぱいになっていた。抱きたい。今すぐにでも
沙夜を抱きたい! 滝は必死に誘惑と戦った。いつの間にか、甘い蜜のような香りのピンク色の霧が現われ、
滝と沙夜の周囲を包んでいる。
沙夜の腕が滝のジーンズのジッパーに伸びる。沙夜はかがみ込むと、いきり立った滝の男根を取りだし、
口を近づけて美味しそうにほおばった。
「・・・和也・・・ねぇ抱いて・・・お願い・・・わたしを抱いて! ・・・あなたのものにして!」
もはや我慢の限界だった。滝は応接間の床に沙夜を押し倒すと、真っ赤な唇にむしゃぶりつき、激しく吸った。
そしてM字型に広げられた沙夜の両脚の間、すっかり濡れそぼった肉の谷間に、自らの分身を勢いよく突き入れた。
「・・・あぅン! あうぅン!」
沙夜の嬌声が高くこだました。

444:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:23:14 PvTB3z400
その頃、深夜立花オートコーナーを襲撃した蜂女たちによって捕らえられた、立花藤兵衛、ユリ、石倉五郎、
それに沙夜の妹である小学3年生の岩本繭の4人は、ショッカーアジトの地下牢に一緒に閉じこめられていた。
「いったい、わしらをどうするつもりなんだ、ショッカーの奴らは!」
「ユリおねえちゃん、こわぁい!」「大丈夫よ繭ちゃん。隼人さんや滝さんが、きっと助けに来てくれるわ!」
そこに、鉄格子を開けて二体の蜂女が入ってきた。
「どぅお? 皆さん。地下牢の住み心地は?」
「・・・エミ! ミカ! ・・・ど、どうしたんだその身体は!?」藤兵衛が驚いて叫んだ。
エミとミカの二人は、蜂女に生まれ変わったその身体を、かつての仲間たちに誇らしげに誇示した。
「改造していただいたのよ。千明さまに。」「どう、素敵でしょ? この身体」
「・・・千明さま? あの女優の栗山千明のことか。畜生! 何てことだまったく・・・!」頭を抱える藤兵衛。
ユリは変わり果てた二人の姿に怯えながらも、その姿を繭に見せまいとしながら、しっかり彼女を抱きしめている。
「ねぇユリ? あなたもすぐに、蜂女にしてもらえることになったわ。わたしたち、また仲間になれるのよ」
「そして繭ちゃん。あなたもお姉さんと同じ身体にしてもらえるよう、千明さまにお願いしてきたのよ」
「お、お前たちなんてことを・・・!」藤兵衛が叫んだ。
「やめてミカ!」ユリも震えながら叫んだ。「わたしはいい! この子は、この子だけはやめて!」
かつてミカだった蜂女は、不思議そうな目をユリに向けた。
「どうして? どうして嫌がるの? 蜂女になれば、美しいまま永遠に生きられるのよ。大丈夫。繭ちゃんはまだ
小さいけど、改造された後も18歳の身体までは普通に成長できるわ。そりゃあ人間の食べ物はもう食べられなく
なるけど、その代わり蜂女に改造された女の子だけが味わえる、楽しくて気持ちのいいことがいっぱいあるのよ!
一度味わってしまえば、もう人間に戻りたいだなんて、ぜんぜんッ思わなくなるんだから!」
無邪気に笑うミカ。その表情は、普通の人間だった昨日までと全く変わっていない。だが働き蜂として改造され、
女王への絶対の忠誠を脳の奥底に刷り込まれた彼女たちの倫理観、善悪感は、もはや人間のものではない。

445:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:23:58 PvTB3z400
藤兵衛は悲しそうに首を振ると、ミカたちに向かって尋ねた。
「それで、わしや五郎はいったいどうなるんだ?」
「あら会長? 会長たちは千明さまのために、手駒になってもらうのよ。来るべき《アワーB》のためにね」
「あわびぃ? 何だそれは一体!?」
エミとミカは互いに顔を見合わせ、触角を震わせた。喋っていいものかどうか相談し合っているらしい。
「いいわ教えてあげる。アワーBEE。つまりBest Evolution Executed(最適進化の施行)。千明さまの洗脳映画を
見た東京の人間たちを一斉に操って、警察や銀行を襲撃し、この国をショッカーが支配するのにふさわしいものに
作り変えるという、ショッカーの素晴らしい計画のことよ」
「やはり洗脳計画だったか! だがいくらヒット映画といっても、「女王蜂」を見たのはせいぜい数万人だろう。
たかだかそんな人数で、この国をひっくり返せるわけがないだろ!」
エミとミカは顔を見合わせると、アハハッと笑った。
「残念でしたァ、会長。洗脳映画は千明さまの『女王蜂』だけじゃあありませんのよ!」
「千明さまがショッカーによって蜂女に改造されたのが、今からふた月前。それからすぐ、千明さまは試写会を
見て洗脳した若手の女優やタレントたちを、羽根の超音波で次々と呼び寄せて、蜂女に改造なさったのよ。
今じゃ200人を越える女優や、タレント、アイドル、女子アナたちが、蜂女に生まれ変わっているの」
「何だって!?・・・ま、まさか?」
「嘘じゃないわ。ほら、心当たりがあるでしょう? いつの間にか素肌を晒さなくなったり、写真集を延期したり、
グルメ番組を降板したりするタレントが増えてること」
「アワーBの時が来るまで、蜂女の正体を隠さなきゃならないので、みんな必死なのよ」

446:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:24:14 PvTB3z400
二人の言う通りだった。最近おかしな行動を示す女優やタレントたちが増えていることが、巷の話題になっていた。
蜂女は改造される前の頭部をそのまま持っており、肌の色も人間に近いものに変えることができるが、その肌には
産毛も生えておらず汗腺もなく、注意深く観察すると人間ではないことがバレてしまう。顔はメイクでいくらでも
誤魔化せるが身体はそうはいかない。しかも同心円模様の蜂の乳房は、どうやっても隠すことはできなかった。
そこで蜂女に改造された女たちは手袋をはめたり、人工皮膚の上から付け爪をしたり、首の回りを隠す装身具を
身に着けたりして、極力素肌を人目に晒さないよう注意しているのだ。
また蜂女たちは人間のような消化器を持っておらず、人間と同じ食事を摂ることができない。彼女たちは蜂蜜を
充填した、男根を模した専用の器具を膣に挿入し、膣内壁から直接蜂蜜を吸収することで栄養を摂っている。
それは排泄機能の必要がない、合理的な栄養補給方法であった。だから蜂女に改造された女たちは、人前で
食事することを避け、トイレに篭って甘く切ない嬌声を上げながら一人で食事を摂るのが常であった。
「その、200体を越える蜂女たちがね、ショッカーが与えて下さったこの身体を使って、この2ヶ月の間に
TV局やマスコミのお偉いさんたちを次々と誘惑して、どんどん奴隷に変えていったのよ。」
「わたしたち蜂女と一度でもHすれば、どんな男だってわたしたちの言うがまま! 今では日本のすべてのTV局や
マスコミが、千明さまの支配下にあるの!」
「会長たちは知らなかったでしょうけど、今流れているTVの映像や、公開中の映画、そしてインターネットの
サイトにいたるまで、いたるところにショッカーの洗脳映像が溢れているのよ。その影響を受けている東京都民は、
既に全体の80%を越えているはずだわ」
「・・・バ、バカな・・・信じられん!」
エミとミカの二人は、クスクスと悪戯っぽく笑った。
「いいえ! 今から、嫌でも信じさせてあげる!」

447:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:24:31 PvTB3z400
ミカが藤兵衛の前にしゃがみ込み、ズボンのジッパーをゆっくりと下ろした。
「な、何をするんだミカッ!?」
「さあ会長、わたしが相手をつとめてあげる!」
ミカは立ち上がると、セクシーに腰をくねらせながら、改造された自分の乳房を両手でゆっくりと揉んだ。
ティアドロップ型の真っ赤な乳輪の先端にある乳首から、細い針のようなものが顔を出した。
そしてミカは両腕を広げて、藤兵衛の身体をギュッと抱きしめた。「うッ!」
毒針に刺されたとたん、藤兵衛は身体はどうしようもなく熱く火照ってくるのを感じた。ムラムラとした欲望が
背中を這い上がり、脳天を突き抜ける。「・・・あ・・・あ・・・やめろミカ!」
「どぅお会長? わたしの身体が欲しくて欲しくて、堪らなくなったでしょう?」
セクシーに身をくねらせるミカを前に、藤兵衛の理性は一気に吹き飛んだ。毒針は強力な媚薬であった。
「やめろ、やめてくれミカっ! ミカあああッ!」
藤兵衛は突然ワーッ!と叫んでミカに乱暴に襲いかかり、床に押し倒した。そして紫色の愛液をトロトロと
流しながら濡れそぼっているミカの股間に、いきり立ったイチモツを性急に潜り込ませた。
「・・・ミカッ! ・・・ミカぁッ! ・・・はぁ、はぁ・・・」
「・・・あうぅン! ・・・はァッ! ・・・いいわァ! いいわ会長! ・・・そう、もっと、もっとよォ!」
ミカは蜂の乳房を震わせ、愛らしい嬌声を絶え間なく上げながら、藤兵衛の荒々しい抽送に応えていった。
「・・・あうッ!・・・ねえ会長? ・・・いいコト、教えてあげる・・・あうッ! 一度でも、たった、一度でも、
わたしたち、蜂女と、交わったらね・・・あうぅン! ・・・もう、もう人間の女では、満足、できなくなるのよ!
・・・だから・・・はうッ! はうッ!・・・会長はもうッ・・・お終いッ・・・わたしのッ! 奴隷よッ!」
ミカの言葉は、もはや藤兵衛には届いていなかった。藤兵衛はオウオウと狂ったように吼え、ひたすらミカの腰を
激しく突き上げるのみであった。

448:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:25:04 PvTB3z400
「やめてよぉ!・・・やめてよミカねえちゃん!・・・会長ぉ!・・・嘘だろ・・・嘘だろ、ねえ!」
小学5年生の石倉五郎は、目の前で起こってる光景が信じられないといったふうに、壁を背にしてガタガタと
震えていた。だが半ズボンを履いた彼の股間は、テントを張ったかのようにビンビンに盛り上がっている。
「・・・さあ五郎、あなたの相手はあたしよ。お姉ちゃんがちゃあんと、筆下ろししてあげるからね」
エミが腰をクイッ、クイッと振り、コケテイッシュに笑いながら、五郎に近づいてくる。
「や、やめろォ! やめろよエミねえちゃん!」混乱して叫ぶ五郎。
「ねえ五郎? あれが何かわかる? あれはセックスといってね、男と女のとっても神聖な、愛の儀式なの。
あたしはもう人間じゃないけど、人間の女の子よりももっと上手な、もっと気持ちのいいセックスができるの。
そういうふうにあたしたちは改造されているのよ。さあ、あたしととっても気持ちのいいこと、しよッ!」
エミが揉みしだく蜂の乳房、五郎の目のすぐ前に迫る同心円模様の乳房の先端から、小さな針が顔を覗かせた。
「や、やめろ! やめろエミねえちゃん! やめろォ!」
「ほおら! 刺さったァ!」
エミが突き出した豊満な乳房が、五郎の頬に触れた。エミはそのまま五郎の顔を両の乳房ではさむようにしながら
嬉しそうに両手でグニュグニュと揉み続けた。
五郎は白目を剥き出し、あわわわわ・・・と呂律が回らなくなってゆく。
エミはしゃがみ込むと、五郎の半ズボンのジッパーを下ろし、ブリーフとともに足首まで下ろした。そして
まだ皮の被った、五郎のビンビンにいきり立った陰茎を、舌を伸ばして美味しそうにしゃぶった。
「・・・ふんッ!・・・むふぅ!・・・んんッ!・・・」
五郎はガクガクと顎を震わせて、ただエミのなすがままになっていた。エミは微笑むと五郎の腰に腕を回して
彼の身体を引き寄せ、耳元で甘く囁いた。
「さあ。五郎! お姉ちゃんの中に入っておいで! とっても気持ちよくしてあげるから!」
五郎は半ば白目を剥いたまま、ガクガクとうなずいた。

449:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:25:20 PvTB3z400
エミは五郎の身体をそのまま前に押し倒すと、M字型に開いた両脚の間で受け止めた。そして右手で五郎の
陰茎を導くようにして、紫色の愛液がジワジワとにじみ出る自らの秘所に当てがった。
「よしッ! さあ五郎、そのままあたしの中に、ゆっくりと入ってくるのよ・・・そう・・・そこ・・・
そのまま・・・入ったァ・・・んッ! ・・・ふんッ! ・・・ああンッ! ・・・ああンッ!」
「・・・え、エミねえちゃん! ・・・エミねえちゃんッ!」
五郎は何が何だかわけもわからず、ただひたすら夢中になって腰を動かし続けた。五郎の性急で乱暴な抽送を
受けながら、エミは満面の笑みを浮かべたまま両手で蜂の乳房を揉み続け、甘い嬌声をひたすら上げ続けた。
「・・・あン!・・・あン!・・・ああン!・・・あああうぅン!」

「・・・繭ちゃん! 見ちゃダメよ! ゼッタイに見ちゃダメ!」
ユリはガタガタと震えながら、繭の小さな肩を固く抱きしめて牢獄の中央にうずくまっていた。彼女たちの両側
では、かつての仲間たちが、家族のように仲の良かったレーシングクラブの仲間たちが、獣のようになって
忌まわしい快楽によがり狂っている。
すぐ目の前で繰り広げられている、その光景がどうしても信じられない。ユリの目から、涙がポロポロと
こぼれ落ちた。悔しかった。悲しかった。夢なら、夢なら早く醒めてくれと願わずにはいられなかった。
だが、その思いは鉄格子の開く音によって破られた。忌まわしい嬌声が響く地下牢に新たに入ってきたのは、
3人目の蜂女だった。癒し系で知られる有名巨乳アナウンサーの頭部を持ったその蜂女は、抱きあったまま
震えるユリと繭に向かって、優しい声でこう引導を渡した。
「さあいらっしゃい。二人とも。千明さまがお呼びよ。今から改造手術を受けて、わたしたち蜂女の仲間に
生まれ変わってもらうのよ」

450:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:25:39 PvTB3z400
夜はとうに明け、太陽はもう中天に差し掛かろうとしていた。立花オートコーナーの応接室で、滝和也と
蜂女のボディを持った岩本沙夜は、十数回にも及ぶ激しい性交の末に精も根も使い果たし、抱きあったまま
ウトウトとまどろんでいた。
突然、すぐ近くにバンクのエンジンがけたたましく鳴り響いた。その聞き慣れた音に反射的に目を覚ました滝は、
あわててTシャツとジーンズだけを身につけ、玄関をそっと開けた。沙夜は本能的に危険を感じたのか、
ソファにかかっていたキルトのカバーを身にすっぽりとまとい、改造された身体を隠した。
立花オートコーナーの前にいたのは、なんとヨーロッパのショッカーと戦っているはずの仮面ライダー1号、
本郷猛であった。
「ほ、本郷!? 一体いつ日本に帰ってきたんだ?」
「やあ滝。久しぶりだな。一文字から『日本で洗脳フィルムを使ったショッカーの大規模な作戦が展開中』という
連絡を受けて、急いで戻ってきたんだ。・・・一文字の奴はどうした?」
「そ、それがな、本郷・・・ま、まあちょっと、中に入ってくれ」
立花オートコーナーの応接間に入った本郷猛は、部屋中に満ちる異様な匂いに顔をしかめた。甘い蜜のような
香りと、男の精液の青臭い匂いであった。そして本郷は、キルトのカバーをかぶりソファの上に身を縮めて
うずくまっている、沙夜の姿を見つけて思わず眉をひそめた。
「おい滝! なんでショッカーの改造人間がこんなところにいるんだ」
沙夜はその言葉に、思わずビクッと震えた。身体を隠しても、額から伸びる真っ赤な触角はそのままであった。
沙夜は触角をしきりに震わせながら、身をさらに小さく縮めた。

451:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:26:08 PvTB3z400
「いや本郷、あわてないでくれ。沙夜さんは確かに、ショッカーにさらわれて改造されたんだが、もう奴らの
一員じゃないんだ。お前と同じ、ショッカーに追われる立場なんだ。どうか、そっとしといてくれないか」
「・・・ふむ」
本郷はとりあえず納得したのか、革のジャンパーを脱いでソファに腰をおろした。そして向かい側にいる沙夜に
向かって語りかけた。
「俺は本郷猛。ショッカーと戦う者だ。きみがショッカーの一員ではないというのなら、いつまでも身体を
隠してないで、その正体を見せたまえ」
「・・・は、はい」 沙夜はキルトのカバーを脱ぎ、蜂女に改造された肉体を晒した。人間女性と蜂が見事に
融合した、明らかに人間のものではない身体が露わになった。
滝は沙夜のその姿を見て、あらためてゴクリとつばを飲み込んだ。股間がギンギンにいきり立つのがわかる。
だが本郷は眉ひとつ動かすではなく、沙夜に向かって矢継ぎ早に質問を繰り出した。
「・・・蜂の改造人間だな。能力は何だ? なぜショッカーに追われてる? なぜ脳改造を受けていない?」
狼狽する沙夜を見て、滝があわてて彼女をかばった。
「本郷! 沙夜さんは信用していい。俺が保証する! だいたいお前、一文字から聞いてないのか? モグラングに
さらわれた人々だって、脳改造されないままモグラングと同じ姿に改造されて、トンネル工事に従事させられて
いたんだ。彼らは改造人間とはいえ、ただの被害者だったろう? 彼女もおんなじだ。女王蜂女にさらわれて、
無理やりこんな姿に改造されてしまったんだ!」
「滝。悪いが俺は、ショッカーの改造人間の言うことは一切信用しないことにしている。たとえそれが、若く
美しい女性の姿をしていてもだ。いや、美しい女性の姿だからこそ、かえって信用できない」

452:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:26:35 PvTB3z400
沙夜は顔を曇らせてうつむいた。触角をしきりに動かしながら、上目遣いの悲しそうな表情で滝の方をそっと見る。
「おい本郷ッ! 見損なったぞ!」滝は憤慨して抗議した。
「お雨だって、同じようにショッカーに改造された身の上じゃないか!」
本郷猛はそれには構わず、滝の方に向き直って本題を尋ねた。
「で、滝。一文字やおやじさんは一体どこへ行ったんだ?」

「・・・すると、一文字は女王蜂女に捕らえられ、どこかに連れ去られた。おやじさんも同様。というわけか」
「すまん本郷。俺がついていながら・・・」
「いやそれはいい。一文字が捕らえられるほどの強敵だ。どうすることもできなかっただろう。だが滝!
おやじさんがさらわれたと気付いて、それからお前は今まで一体、ここで何をしていたんだ?」
「・・・いや、それが、その・・・」滝は言いよどんだ。
「おおかた、おやじさんを放っておいて、この蜂女とずっと乳繰りあっていたんだろう」
「本郷ッ!!」図星を突かれて、かえって滝は激昂した。
「馬鹿を言うな。俺だってずっと考えていたんだ。蜂女のアジトがどこにあるか、知る方法を!」
滝は沙夜に近づくとその肩を掴み、優しい声で尋ねた。
「沙夜、何でもいい。女王蜂女のアジトについてヒントになりそうな心当たりがあったら、俺に教えてくれないか」
「そう言えば・・・」沙夜が思いだしたように言う。「女王が以前、相模原の稲城に何かを作るとか・・・」
「それだッ!」滝は立ち上がった。

453:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:26:50 PvTB3z400
「行こう本郷、稲城へ。きっと何か手掛かりが見つかるはずだ!」
「いや、滝。俺たちが向かうべきなのは稲城じゃない。例のお化け工場だ」
沙夜はハッと顔を上げ、驚いた表情で本郷を見た。触角をしきりに震わせている。
「な、何を言ってるんだ本郷? 一文字はそのお化け工場から、西の方に向かって連れ去られたんだぞ?」
「滝。お前は蜂女に騙されてるんだ。アジトが工場以外の別の場所にもあるのなら、工場のアジトを撤収する時に
なぜ工場を爆破しなかった? まだそこに用があるからだ。俺たちの注意を工場から逸らせるために、わざと隼人を
別の場所に運ぶ真似をして見せたんだ。そう、お前にわざわざ、そのシーンを見せつけてな」
本郷は立ち上がり、沙夜に近づくとその触角を乱暴に掴んだ。「・・・キャッ!」
「さっきから触角を震わせて、いったいどこと交信している!? 女王に計画の失敗を報告でもしているのか?」
「本郷ッ!」滝は思わずカッとなり、立ち上がって本郷猛の胸ぐらを掴んだ。
「お前、何の証拠もなしに沙夜さんを一方的に疑うのかッ!?」
本郷はなだめるような手つきで激昂した滝の手を振りほどいた。
「乱暴してすまなかった。だが俺はさっきも言ったとおり、ショッカーの改造人間は誰であろうと一切信用しない
ことにしている。悪く思うな」
そして応接間の扉をくぐり抜けながら振り返り、顔を覆って泣き出した沙夜を慰める滝に向かって、こう言った。
「俺はお化け工場をもう一度調べる。何もなければその時は稲城に行く。どうだ、お前も来るか?」
「もちろんだ!」滝も怒りに満ちた口調で、吐き捨てるように答えた。

454:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:28:14 JIq0VVpn0
街なかをひた走る2台のバイク。
先を行く車には本郷猛。後を追う車には滝和也と、改造された身体をコートに隠した沙夜が乗っている。
本郷は最初、沙夜の同行に難色を示した。だが二人が一瞬たりとも離れたくないと言うのと、信用しきれない
者をひとり残して行くよりは、目の届く場所に置いておいた方がマシだと判断し、連れてゆくことにしたのだ。
日が中天から西に傾き始めた頃、2台のバイクは廃工場の前に辿り着いた。
本郷の提案で、今度は二手に分かれず一緒に探索を行うことにした。一文字が姿を消したとおぼしき地下室へと
向かった三人は、地階に降り立つや否や、ボウガンの奇襲を受けた。「危ないッ!」
「イーッ!!」矢を放ったのは、黒マスクの戦闘員であった。
「やはり、ここがショッカーのアジトだったようだな!・・・とォッ!」
襲いかかる3体の戦闘員たちをたちまちねじ伏せる本郷と滝。戦闘員の腕をギリギリと締め上げる本郷に、
物陰から別の戦闘員が矢の狙いを定めている。「危ないッ!」
沙夜が、蜂の乳房をぷるん!と震わせて毒針を射出した。
「イーッ!」毒針が命中した戦闘員はボウガンを放り出して倒れ、ドロドロと黄色い液体になって溶けていった。
「・・・ふう、油断大敵だな。さあ行くぞ滝!」
「ちィッ! 助けてもらっといて礼も無しかよ、本郷の奴ッ!」滝が不満げにつぶやいた。
機械が両側に立ち並ぶ、照明もなく視界の利かない部屋の中を進む3人。ふと前方に、かすかな光が漏れる扉を
見つけ、用心しながらその中に脚を踏み入れる。奇怪な鷲のエンブレムが掲げられた、工場には不似合いの部屋だ。
ふと。本郷が大声で叫んで後続の滝たちを制した。
「危ない!」

455:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:28:32 JIq0VVpn0
本郷立ちのすぐ前の床がガタン、と開き、落とし穴が口を開けた。
「・・・ふう。罠まで仕掛けてあるとはな」
その時。険しい表情の滝和也が、本郷猛の背中にそっと腕を伸ばした。そして、落とし穴に向かって本郷の背中を
勢いよく突き飛ばした。「うわァッ!}
抵抗する間もなく、真っ暗な落とし穴の中に落下する本郷猛。その様子を、滝は清々した様子で見守っている。
「いい気味だ本郷ッ! 沙夜さんを、沙夜さんを敵扱いしやがって!」
蜂女・沙夜との度重なる情事によって、FBI捜査官としての滝の正義感、倫理観は既に麻痺していた。
蜂女が秘所から分泌する紫色の愛液は、中毒性の高い強力な麻薬であった。その麻薬に侵された滝にとっては、
今や沙夜こそが世界の中心であり、沙夜を傷つけるものすべてが自分の敵であった。
「・・・和也。よくやったわ。千明さまもきっとお喜びになるわ」
沙夜が妖しい微笑みを浮かべながら、背後から滝に近づきギュッ!と抱きしめる。豊満な乳房が背中に当たる。
「・・・え? 千明さま?」
滝が振り返ろうとした時、背中に2箇所、鋭い針が突き刺さるような痛みが走った。「うッ!」
たちまち視界がグルグルと回りはじめ、滝はヨロヨロとふらついてその場に倒れた。沙夜がニッコリと微笑み
ながら、膝枕でその身体を支える。
「・・・愛しているわ。愛しい和也・・・でもあなたは人間、わたしは改造人間。このままでは結ばれるわけには
いかない。だから、あなたもわたしと同じ、改造人間になってもらうの! 」
「・・・改造人間だと? ・・・沙夜、きみはいったい・・・?」
薄れゆく意識の中で、驚いた様子でつぶやく滝。
「千明さまのお許しも既にいただいたわ。わたしと同じショッカーの改造人間になって、和也! そしてふたりは
永遠に結ばれるのよ!」
そう言って、沙夜は麻痺針を受けて朦朧とする滝和也の口に、自らの唇を愛おしげに情熱的に重ねた。

456:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:28:52 JIq0VVpn0
本郷猛が落下した先は、真っ暗な部屋の中央だった。泥を払いながら立ち上がった本郷は、ブツクサつぶやいた。
「畜生ッ、滝の奴! すっかりあの蜂女に骨抜きにされてやがる・・・」
その時、いきなり部屋の照明が灯った。驚く本郷の目の前に、黒マントをはおった陰気な初老の紳士が現われた。
「ようこそ、仮面ライダー」「し、死神博士ッ!」
死神博士の背後から、もうひとり、別の小柄な人影が現われた。妖しい笑みを浮かべながら現われたそれは、
獲物を見定める野獣のように鋭い目をした、長い黒髪の美女だった。
沙夜と同じ、蜂と人間女性が癒合したかのようなボディを持った、美しい女の改造人間。
「・・・そうか、お前が女王蜂女だな!」
女優・栗山千明が改造された蜂女は、本郷に挑発的な鋭い視線を舐めるように向けた。
「そうよ。初めまして本郷猛。わたしが蜂女の女王。・・・ふうん。噂どおりのいい男ね」
本郷は反射的に、変身ポーズを取った。「ライダーッ、変・身ッ!」
たちまち仮面ライダー1号の姿になり、死神博士と蜂女に向かってファイティングポーズを取る本郷。
だが死神博士が、遮るように言った。
「あわてるな仮面ライダー。貴様の敵はわしでも蜂女でもない。貴様にはとっておきの相手を用意してある。
さあ出でよ。我がショッカーの改造人間、バッタ男よ!」
その声で蜂女の背後から現れた男を見て、ライダー1号は驚きの声を上げた。
「・・・い、一文字!?」
一文字隼人は、ライダー1号を見ても何の感慨も示さなかった。感情のこもらない、鋭い威圧的な視線を
ライダー1号に向けながら、じりじりと近寄って来る。
「一文字! 俺だ! わからないのか!?」
「無駄だ仮面ライダー。こいつには既に脳改造を施してある。既に仮面ライダー2号ではなく、ショッカーの
忠実な僕なのだ。さあやれバッタ男。仮面ライダーを殺すのだ!」
一文字はうなずくと、腕を横に向けて変身ポーズを取った。「・・・変・・・身ッ!」

457:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:29:43 JIq0VVpn0
仮面ライダー2号の姿に変身した一文字隼人は、ライダー1号めがけて激しいパンチを繰り出す。
「死ねえ! 仮面ライダーッ! ・・・とぉッ! たぁッ!」
「やめろ! やめるんだ一文字! 俺がわからないのか!」
ライダー1号は2号の凄まじいパンチの攻勢をかろうじてかわしながら、額のOシグナルを点滅させて脳波で
一文字に呼びかける。
「無駄だ仮面ライダー。桜島で貴様たちに出し抜かれたこと、わしが忘れていないとでも思うたか! 貴様たちが
脳波で連絡を取り合っていることなど、とうにわかっておる。このバッタ男の脳には貴様の脳波をシャットアウト
する、特殊なシールドを被せてあるのだ。さあ、かつての仲間の手にかかって、息絶えるがいい!」
それを聞くと、1号ライダーは部屋の隅に飛び退き、ファイティングポーズを取る2号に向かい合った。
「・・・そうか。脳波シールドを施されたのか。ならば!」
1号の胸のコンバーターラングの隙間が、赤く光り始めた。
「さあ一文字。この光が見えるか! 自己意識を取り戻せ!」
赤い光を見たとたん、2号は頭を押さえて苦しみ始めた。「う、うわァァッ! ウガァッ!」
「・・・ど、どうしたのだバッタ男!? 脳改造は完璧なはずだ?」
2号は床に膝をつきハァハァと荒く息をしたが、やがてゆっくりと立ち上がった。その真っ赤な目には先ほどの
ような冷たい光ではなく、熱い光が宿っていた。
「・・・本郷!? 本郷だな?」
「ああ一文字。ようやく正気に戻ったようだな!」
2人のライダーは握手をすると、死神博士の方に向き直った。
「な、なぜだ!? わしの脳改造は完璧なはず・・・!?」
「死神博士! 桜島で学習したのはお前だけじゃない。俺たちの一方が捕らえられて仮に脳改造されても大丈夫な
ように、あの後でちゃんと手を打っておいたのさ」

458:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:30:04 JIq0VVpn0
「な、何ッ!」
「ショッカーの脳改造とは、自己意識を無理やり押さえつけて新たな人格を刷り込むこと。だから俺たちは万が一
の時に備えて、自己催眠回路を胸の奥に内蔵したんだ。脳改造後も自己意識を保ち、お互いの催眠回路が放つ胸の
赤い光で自意識を再び取り戻せるようにな! お前のことだ。身体の隅々まで調べたりはしなかったんだろう」
「く、糞ッ!」死神博士は地団駄を踏んで悔しがった。
ショッカー組織、いや死神博士には、捕らえた敵を手駒として利用しても、仲間として正式に迎え入れるという
発想は無かった。女王蜂女がエミとミカを働き蜂として改造したことに驚いたのも、その意識の現れである。
だから死神博士は捕らえた2号ライダーに脳改造を施しても、1号と相討ちになれば十分としか考えていなかった。
身体の隅々まで調べ、新たなショッカー戦士として強化しようなどという発想は、そもそも死神博士の脳裏には
存在していなかったのである。それは、取った駒を捨て去るチェスの文化圏と、取った駒を自軍の駒として再利用
する将棋の文化圏の違いであったのかも知れない。
「さあ死神博士。いよいよお前も年貢の納め時だな」
「いいえ仮面ライダー! ここで死ぬのはお前たちの方よ!」
栗山千明の顔をした女王蜂女が、背中の羽根を広げて細かく振動させ始めた。とたんに2号ライダーは激しい
恐怖に見舞われ、頭を押さえその場にしゃがみ込んでガタガタと震えて苦しみ始めた。
「う、うわぁッ!」「・・・どうしたんだ一文字!?」
「すまん本郷! 俺は、あの蜂女とは戦えない。・・・そう脳に刷り込まれてしまったんだ!」
栗山千明が、妖しく笑いながら死神博士をかばうように前に進み出た。
「本郷猛。あなたの相手はこの子たちよ。さあ、戦えるかしら?」
蜂女と死神博士が立っている方角以外の、3方向の壁が音を立てて回転した。隠し扉の中から現れた姿を見て、
1号ライダーは激しく驚いた。
「・・・エミ! ミカ! ・・・それにおやじさん!」

459:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:30:51 JIq0VVpn0
1号と2号の向かって左側の壁から現れたのは、蜂女の姿をしたミカと、うつろな目をした立花藤兵衛だった。
右側の壁からは、蜂女に改造されたエミと、やはり正気ではない様子の石倉五郎が現れた。そして背後の壁からは、
蜂女として生まれ変わったばかりのユリと、同じく蜂女の姿をした岩本繭が、妖しく微笑みながら歩み出てきた。
「ううッ! ユリも、それに繭ちゃんまでも! おのれショッカーめ!」
2号が頭を押さえながらも、怒りに震えた声で叫ぶ。
蜂女の姿に生まれ変わった繭が、ゆっくりと歩み出た。まだふくらんでもいない胸に、黄色と黒の同心円模様が
はっきりと刻まれている。繭はライダーたちに向かってニッコリ微笑むと、こう言った。
「ねえ、かめんライダーさんたち? わたしたちをころしてしまうの? そんなことができるの?」
1号ライダーも、この援軍には激しく動揺していた。ユリはともかくエミとミカの二人は、ヨーロッパ時代から
ずっと本郷の助手を勤めてきた大切な仲間である。一文字よりも二人との付き合いは長いのだ。
「本郷さん? 日本に帰って来たのね。また会えて嬉しいわァ」
「残念だわ、こんなかたちで戦わなきゃならないなんて。でも、これも使命なの。勘弁してねッ♪」
エミとミカは無邪気にクスクス笑いながら、自分の蜂の乳房をゆっくりと揉みしだいた。真っ赤な乳首の先に、
小さな毒針が顔を覗かせた。ユリと繭もまた、乳首の溶解針の準備をした。
2人のライダーは部屋の中央に追いつめられ、背中合わせになって蜂女たちの攻撃に備えた。「くそッ!」
「お待ちなさい! 殺すよりも先に、面白い見せ物がまだあるはずよ」
栗山千明の命令で、エミたちは自分の乳房から手を離した。そして、自分の傍らにいる僕に命令を下した。
「さあ会長、わたしのために仮面ライダーを殺して見せて!」
「五郎! もう一度あたしと気持ちのいいことをしたかったら、仮面ライダーを殺すのよ!」

460:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:31:40 JIq0VVpn0
立花藤兵衛と石倉五郎の二人は、光の無いうつろな目をしたまま、ゆっくりと歩み出た。手には充電式の
小型のチェーンソーのようなものを持っている。ブブン、バリバリバリ、グイイイイイーーン!
電源が入り、チェーンソーがけたたましい音を立てて回転を始めた。
「・・・猛? 猛なのか? ・・・わしはもう駄目だ。早く、わしを殺してくれ!」
「・・・隼人にいちゃん! おれ、どうすることもできないんだ! 勘弁してくれよぉ!」
二人は涙声でそう訴えながら、ライダーたちめがけてチェーンソーで切りかかってくる。
「やめて下さいおやじさんッ! 五郎ッ、正気に戻れ!」
「無駄よ仮面ライダー。その二人は重度の麻薬中毒患者と同じ。わたしたちの命令には絶対逆らえないわ」
嬉しそうに嘲笑う栗山千明。そしてエミ、ミカ、ユリたち。
相手を傷つけまいと必死で逃げる仮面ライダーたち。蜂女たちの哄笑が響く中、死の鬼ごっこがしばらく続いた。
だが藤兵衛たちの足元がおぼつかないせいで、すれ違った拍子にフラついた二人のチェンソーが交差した。
藤兵衛の手が滑り、チェーンソーが五郎の脇腹を直撃した。
「ウワアアッッ!」血を噴きだして倒れ、激痛に叫びのたうつ五郎。
「・・・ご、五郎! す、すまん、大丈夫か!?」

461:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:32:09 JIq0VVpn0
「・・・あらら、もうショーは終わり? つまんなかったわね」
栗山千明が合図を送った。エミたちが再び、乳房を一斉にライダーたちの方に向けた。乳首の針が輝く。
地べたを転がり回って苦しむ五郎にしがみつき、涙を流していた立花藤兵衛が、ライダーたちに向かって言った。
「・・・猛! 隼人! ・・・アワーBは今夜8時半決行だ。なんとか、なんとか食い止めてくれ!」
「おやじさん、必ず助けに来ます。それまで辛抱していて下さい!」
1号は藤兵衛に向かってそう言うと、再び頭を押さえて苦しみ始めた2号に小声で囁いた。
「一文字。俺にしっかりつかまっていろ!」
1号のベルトの脇についている、エナジーコンバーターが輝いた。「エネルギー全開・・・放出!!」
1号のベルトの風車、タイフーンが凄まじい勢いで回転を始めた。「ライダーッ! 大(おお)竜巻ッ!!」
1号の身体が、凄まじい早さで回転し始めた。たちまち周囲に凄まじい突風が巻き起こり、それは1号を
中心とした巨大な竜巻に成長した。
「キャアアアッ!」羽根を広げていた蜂女たちは突風に飛ばされそうになり、あわてて地面に這いつくばった。
ライダー1号と、必死でその身体にしがみつく2号は、回転しながら勢いよく浮上し、やがてその身体は
天井を突き破って地上へと姿を消した。
「しまった! 逃げられたわ!」
「・・・まあよい。いくら仮面ライダーとて、今さらアワーBを阻止することなど、できはすまい!」
死神博士の言葉に、栗山千明の頭部を持った蜂女は、地面から身を起こし泥を払いながら高らかに笑った。
「そうね。でも今度現れたら、それが仮面ライダーの最後の時よ・・・ウフフフッ! アハハハハッ!」

462:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:33:00 JIq0VVpn0
地上に逃れた仮面ライダーたちは、急いで立花オートコーナーに非難した。蜂女たちが追撃してくる様子は
なかった。いつでもライダーを始末できるという余裕だろうか、それとも来たるべきアワーBに備えて、
仮面ライダーの相手をしている暇など無いということなのだろうか。
身体内の全エネルギーを放出する大技、ライダー大竜巻を使用したことにより、ライダー1号・本郷猛は
激しく消耗していた。エナジーコンバーターに蓄えた風力エネルギーは、既にゼロに近くなっていた。
仮面ライダーのエネルギーは、ベルトの風車タイフーンに風を受ければすぐに溜まるというものではない。
人間同様、回復には長い休息を必要とした。本郷は窓際にうずくまり、じっと動かずに体力回復を待った。
だが今はもう午後5時。アワーB発動の時まで、あと3時間半しかない。
ライダー2号・一文字隼人は、自らの不甲斐なさに怒りながら、しきりに壁を殴りつけていた。
立花レーシングクラブのメンバーは、完全に崩壊していた。エミやミカ、ユリたちは改造人間にされてしまい
立花藤兵衛も五郎も、その奴隷の身に堕ちてしまった。滝和也の行方はわからないが、藤兵衛同様、蜂女の
奴隷にされてしまったことは間違いないだろう。仮にこの戦いが終止符を打ち、ライダー側の勝利に終わったと
しても、立花レーシングクラブが昨日までのような賑わいを取り戻すことは、もはや絶望的である。
自分さえもう少し慎重に行動していれば、そのうちの何人かは救えたに違いない。そう思うと、一文字は
いても立ってもいられなかった。しかも自分は蜂女の催眠暗示にかけられてしまい、彼女を攻撃できない。
何とかして、何とかしてこの催眠暗示を解かなければ、今度は自分が本郷の足手まといになってしまう!
一文字は心の中で激しく逡巡しながら、落ち着きなく部屋の中を繰り返し行ったり来たりした。
そんな一文字を諭すように、本郷はこうつぶやいた。
「一文字。お前は以前、俺にこう尋ねたことがあったな。犠牲を伴う正義は、正義の名に値するのかって。
俺はその時、こう答えたと思う。およそ正義は何人も犠牲にしてはならない。もしも誰かの幸せを犠牲に
しなければ成り立たない正義があったとしたら、そんなものは正義の名には値しない、ただの自己満足だと」

463:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:33:16 JIq0VVpn0
「・・・だが、俺はこうも思う。俺たちは決して、正義の代理人を標榜できるほど高潔な存在じゃない。俺たちの
身体は悪の手で作られたものだ。そして俺たちは既に何人も、ショッカーの魔の手の犠牲となり改造された、
何の罪もない人々の命を奪っている。俺たちの手は血で汚れている。もしもあの世があったとしたら、
俺たちが行くことになるのは天国ではなく、間違いなく地獄だ。だがそれでも構わん。俺たちはただ、
ショッカーの犠牲となる人間を少しでも減らすために、修羅となって奴ら悪魔と戦う戦士なんだ。俺たちの
道は血塗られた修羅の道だ。決してきれい事で済む道じゃない。だから、一文字・・・」
本郷猛は一文字隼人に向き直り、真剣な眼差しで言った。
「・・・俺と一緒に、地獄に堕ちてくれないか?」
本郷の言葉の意味が、一文字にはすぐにわかった。本郷は死を覚悟している。そしてどんな犠牲を払ってでも、
世界がショッカーの手に渡ることだけは防ごうとしている。そのためには、どんな汚名だって被る覚悟なんだと。
どんな十字架だって背負う覚悟なんだと。
おそらく次の戦いでは、エミやミカ、ユリ、場合によっては藤兵衛や滝、五郎までも自らの手で殺さねばならなく
なるだろう。それがどんなに辛いことか。おそらく本郷も、血の涙を流すほどに心の中で葛藤したに違いない。
立花レーシングクラブのみんなの存在によって今まで癒されてきた、本郷と同じ天涯孤独の身の一文字には、
それが痛いほどによくわかった。
一文字は立ち止まり、拳をギリギリと握りしめた。俺も、俺も覚悟を決めなければ。蜂女の催眠暗示は
自分の弱い心に取り憑いている。そう、ショッカーによって無理やり改造されたあの忌まわしい記憶に対して、
未だ真正面から向き合うことができない、自分の弱い心に取り憑いているのだ。

464:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:33:31 JIq0VVpn0
「うぉおおおおおおッッッ!!!」
一文字は高く吼えた。そして、上衣を脱ぎ捨てて部屋の隅にあった鏡に向かい合った。
そうだ。自分と戦うんだ。自分の中の弱い心に打ち勝つんだ。催眠暗示を解くにはそれしか方法はない!
鏡に向かった一文字は、自らの姿をキッ!と鋭い目で睨みつけた。怒りが高まるとともに、一文字の顔面に
虎の模様のような傷痕が幾つも現れた。顔だけではない。全身いたるところに、無数の傷痕が現れた。
それは、忌まわしい改造手術で身体を切り刻まれた痕であった。ふだんは隠れているが、興奮したり
怒りが高まると全身に現れる。そして一文字は、その傷痕を見ることを極端に恐れていた。自分が人間では
なくなってしまったということ、もう二度と普通の生活はできないのだということを、思い知らされるからだ。
一文字は鏡に向かい、改造手術の傷が全身に浮かび上がった自らの姿を睨みつけた。
催眠暗示の効果がここにも現われたのか、ゆうべ廃工場のアジトで見せられた、栗山千明の改造映像が
頭をよぎる。そして、自分が改造された時のあの恐怖が、じわじわと蘇ってくる。
「くそぉおおおおおッ!!」
一文字は絶叫した。そして自分の頬を自分でしこたま殴りつけた。
「隼人! お前はそんなに弱かったのか!? お前はそんなに意気地無しだったのか!? 目を背けるな、隼人!
自分の弱さに向かい合え! くそッ! くそぉおおおッッ!!」
一文字は自らの心と激しく戦い続けた。その様子を、本郷は無言でただただ見守り続けた。

465:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:33:57 JIq0VVpn0
日が暮れた。昨日と同じ、満月が東の空から昇り始めた。
だが今日の満月はどういうわけか、血のように赤い色をしていた。赤い不吉な月が昇ってゆく中、ショッカーの
アワーBは実行の時に向けて着々と準備を進めていた。
廃工場の中にある蜂女のアジト、ロココ風に調度が整えられた女王蜂女・栗山千明の私室に、彼女によって
改造された働き蜂女たちが続々と詰めかけてきた。栗山千明が催眠超音波で呼び寄せ、自らの手で改造した
働き蜂たちの数は、250体に近かった。うち約200体は有名女優、タレント、アイドルたちの改造された姿で
あり、彼女たちには独自の任務が与えられていた。残る40数体は一般の女性の中から、栗山千明が自分の好みの
容姿の者を改造した、いあわば女王を守る親衛隊のような存在であった。その中には滝和也を毒牙にかけた
岩本沙夜や、その妹の小学生・繭、それに立花オートレーシングクラブの女性スタッフたちも含まれていた。
一同に集った親衛隊に、栗山千明は今夜の各自の役割についてこまごまとした指令を下した。そして準備が
すっかり整った頃、ドアがノックされて黒マスク戦闘員の一団が部屋に、奇妙な器具を運び入れた。
それは、ガソリンスタンドのディスペンサー(注入器)のようなものが幾つもハンガーに架けられた、巨大な
タンクであった。ディスペンサーの先端はガンではなく、男根を模した形をしていた。

466:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:34:10 JIq0VVpn0
「みんな聞いて。これは改造ノズルと言って、女の子の子宮にナノマシンを注入する器具なの。これからこの
器具を使って、あなたたちの子宮にこのタンクの中の修復ナノマシンを満たしなさい。たとえ仮面ライダーの
キックで身体が四散五裂したとしても、1回限り、あなたたちの身体を元通りに修復してくれるはずよ」
蜂女たちはめいめい改造ノズルを手に取り、自らの膣孔を指で開いて、改造ノズルの先端を中にズブズブと
押し込んでいった。
「・・・ウッ! ・・・ああ・・・ウウッ・・・ハァ・・・ハァ・・・あうッ! ・・・あうッ!」
改造ノズルがぐおんぐおんと活動を始め、蜂女たちの子宮に、修復ナノマシンを続々と注ぎ込んでゆく。
この修復マシンは、栗山千明が自分の肉体を使って医務班の科学者戦闘員を篭絡し、死神博士には無断で
特別に用意させたものであった。
栗山千明は自らの手で改造し、自分に絶対の忠誠を誓っているこの働き蜂たちに、女王としての深い愛情を
抱いていた。この子たちを、一人も犠牲にしたくない。その思いは、この修復ナノマシン投与にも現れていた。
「・・・あンッ! ・・・あンッ! ・・・ああッ! ・・・ああッ! ・・・千明さまッ! ・・・アアッ!!」
栗山千明の私室に、40体を越える美しい女性改造人間たちの、嗚咽まじりの嬌声が激しくこだました。

467:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:34:53 JIq0VVpn0
『死神博士! 蜂女のアワーB計画は順調に進んでおるか?』
ウィーン、ウィーンという音とともに鷲のエンブレムが点滅し、ショッカー大首領の威圧的な声が響いた。
「はい大首領。アワーB発動まであと2時間を切り、準備は90%以上進んでおります。発動前に仮面ライダーを
葬る計画こそ失敗しましたが、心身ともに深いダメージを与えました。もはや奴らに、この計画を封じるだけの
力は残っておりますまい。フフフフフ・・・」
死神博士は大首領にそう答えて笑いながら、この計画の立案遂行責任者である蜂女に対して、誇らしさと嫉妬の
入り混じった複雑な感情を覚えていた。
この計画が成功すれば、蜂女は功労者として、自分と同じ大幹部の地位に抜擢されることは間違いない。
それは死神博士自身にとっても名誉あることであった。何しろ死神博士こそ、蜂女の生みの親なのだ。
素体を自ら選定し、改造手術を指揮しただけではない。改造手術を終えて変わり果てた自分の姿に絶望し、
泣きじゃくる栗山千明を自分の私室に連れ込んで無理やり処女を奪い、そのまま一昼夜かけて調教して、
身も心もショッカーの一員に仕立てたのも、他ならぬ死神博士自身であった。
今でも蜂女と死神博士は、一日一回は必ず愛を交わしまぐわい合う、事実上の愛人関係にあった。
蜂女は彼にとって、優秀な部下であり、自ら育てた娘であり、なおかつ愛人であるという、誇らしい存在なのだ。
だが一方、死神博士は蜂女の目に余る傲岸不遜な行動に手を焼いてもいた。
蜂女に改造されたことで、性の抑圧を取り払い、善悪の彼岸に身を置き、自らのくびきをすっかり解き放った
栗山千明は、ショッカー組織内で我侭三昧を尽くすようになった。男性怪人や科学者たちを次々とその肉体で
篭絡し、手玉に取るばかりか、脳改造を施されていない自分だけの親衛隊まで作るに至った。
高価な大量の改造ナノマシンや、修復ナノマシンを持ち出しているとの報告も、医務班から上がっている。

468:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:35:10 JIq0VVpn0
そもそも栗山千明自身にも、脳改造は施されていなかった。脳改造を施された者は周囲からは不自然に見える。
アワーB遂行の時まで女優として世を欺き続けなければならない彼女にとって、脳改造で自己意識を抑圧するなど
考えられぬことであった。そこで死神博士は栗山千明を蜂女に改造した後、善悪の区別がつかなくなり、他人を
道具として扱うようになる催眠暗示を施したのみで、あとはセックスの快楽に溺れさせることによって自発的に
ショッカーに忠誠を誓わせていたのだ。
蜂女の傍若無人な行動が、ショッカー組織のたがを緩める結果になったのはその反動である。
自分が招いた結果とはいえ、死神博士には蜂女の存在が、日に日に忌忌しいものに感じられてきた。
あの蜂女が、自分と同じ地位に上り詰める? その想像は死神博士の心にチクチクと嫉妬をもたらした。まあいい。
無事に計画が成功したならば、奴の昇進を心から祝ってやることにしよう。だが、もしも失敗したならば・・・
死神博士の目に、冷たい光が宿った。
蜂女が失敗した時のための保険は、既に幾つか掛けてある。まずは、自爆チョーカーだ。
蜂女たちには人間の衣服を着る習慣はないが、女性の本性が命じるのか、メイクや装身具には異常なまでの関心を
向ける傾向がある。イヤリングやブレスレットはもちろんのこと、腰に巻くサッシュ、足首に付けるアンクレット
や身体に貼るタトゥーなど、蜂女たちはそれぞれ粋を凝らした身繕いを楽しんでいる。
だが死神博士は蜂女たちに、ひとつだけ共通の装身具を身に着けさせていた。それは首に巻くチョーカーである。
蜂女たちが単なるお揃いの装身具としか思っていないこのチョーカーは、実は超小型の核爆弾が内蔵された
自爆装置なのであった。男性ショッカー怪人たちが身に着けている、ショッカーベルトのバックルと同じである。
死神博士は、もしも蜂女が任務に失敗した場合、働き蜂女たち共々、この自爆装置を作動させるつもりであった。

469:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:35:24 JIq0VVpn0
そしてもうひとつの保険。それは量産型蜂女の製造計画であった。蜂女の改造人間としての身体機能の優秀性は
既に証明されている。だが女王を失うと烏合の衆になってしまうという、致命的な欠点も持ち合わせていた。
量産型蜂女は、女王の命令にしか従わない働き蜂女とは異なり、女王抜きでショッカーの命令に直接従う、
簡易型の改造人間であった。その戦闘能力は現在の働き蜂たちに比べると格段に劣るが、量産体制が整えば
扱い辛い現在の蜂女たちよりも、ずっと役立つ配下となるに違いない。
そして量産型ではあっても蜂女に他ならない彼女たちの肉体、人間女性の数万倍の性欲と究極のセックス能力を
持ったそのエロチックな肉体は、女王蜂女の誘惑によってすっかり骨抜きにされた、ショッカー日本支部の
組織的な立て直しにも一役買ってくれることだろう。
そう、蜂女の肉体抜きでは一日も過ごせなくなった死神博士自身にとっても。
そして、さらにもうひとつ。死神博士は、最後の切り札と呼ぶべきものを温存していた。
偶然手に入れた素材を活用し、持てる技術の全てを投入して最高の成果に仕上げた秘密兵器だ。
「これに関しては、蜂女の奴に感謝しなければな。奴がいなければ、思いつきもしない活用法じゃった」
死神博士はそうつぶやいて、その痩せた陰気な顔に悪魔のような冷酷な笑みを浮かべた。

470:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:35:43 JIq0VVpn0
午後8時半。人々が最も多く、TV画面を見つめている時間帯である。立花藤兵衛が伝えた「アワーB」の時刻
が近づいていることに気付いた本郷と一文字は、周囲の状況を知るためにTVのスイッチを押した。
たまたま映ったチャンネルは、芸能人たちを多数ゲストに招いてのバラエティ番組であった。現在人気のある
女性タレントやアイドルたちも多数出演している。
時計が午後8時半を指した。その時だ! お笑い芸人の寒いギャグにクスクス笑っていた女性タレントたちの
何人かが、突然はじかれたように立ち上がった。そして、いきなり上着を脱ぎ始めた。
何が始まったのか、驚く聴衆や他の出演者を尻目に、タレントやアイドルたちは自らの乳房を誇らしげに晒した。
それは、黄色と黒の同心円模様に覆われた、蜂の乳房だった。
タレントたちの肌の色が、真っ青に染まり始め、額から日本の真っ赤な触角が生えてきた。それは人間とは
ほど遠い、異形の姿であった。「キャーッ!」悲鳴が上がり、TV局のスタジオはパニックになっていた。
驚いた本郷と一文字が、あわてて別のチャンネルを確かめてみる。どのチャンネルを表示しても同じように、
女子アナウンサーや女優たちが蜂女の正体を晒し、局をパニックに陥れていた。
「いよいよ始まったぞ!」緊張する本郷と一文字。だがまだ動向がわからない以上、動くことはできない。
蜂女の正体を晒したタレントたちは、ディレクターやプロデューサー、カメラマンたちスタッフに合図をした。
蜂女の肉体的誘惑で篭絡され、奴隷の身に堕ちていたスタッフたちは、蜂女たちの姿をアップで大映しにした。
それを遮ろうとする別のスタッフ、逃げ惑うスタッフたちに、蜂女たちは容赦なく、乳首の溶解針を放った。
黄色い液体になってドロドロに溶けるスタッフたちの姿が、TVを通してお茶の間に届けられる。
「ひ、ひどい!」思わずうめく本郷と一文字。
蜂女たちは、TVの向こうの視聴者たちに向かって、冷たい声でゆっくりと語り始めた。
「わたしたちは、ショッカーの改造人間・蜂女。まもなくこの東京は、ショッカーのものとなる。さあ愚かな
人間どもよ、聞くがいい。我らが女王、千明さまの御声を!」

471:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:36:29 JIq0VVpn0
画面が一瞬乱れて切り替わり、蜂女の姿をした栗山千明の姿が大映しになった。いったいどこにいるのだろうか、
薄暗い空間の中にひとり立つ栗山千明は、祈るようなポーズを取り羽根を震わせた。歌声のような音が響きわたる。
一文字がチャンネルを切り替えた。なんと、どのチャンネルを表示しても栗山千明の姿が表示される。
「本郷、この音!」「うむ。間違いない。3万ヘルツの超音波だ!」
電波を通して届けられる3万ヘルツの超音波は、映画「女王蜂」をはじめとするショッカーの洗脳映像を見た
人間たちを、たちまち深い催眠状態に導いた。催眠状態に落ちた人々は、意識を失ったまま家の外に出て、
誘導超音波の命じるままにゾロゾロと歩き始めた。
女優やアイドルたちの顔をした約200体の蜂女たちが、TV局から飛びだし、東京都内に散らばった。そして
栗山千明の女王蜂女が発する誘導超音波が都内全域に届くよう、空中の一点に停止したまま、超音波の中継を
開始した。高い音程の歌声のような音が、あちらからも、こちらからも鳴り響く。
超音波が流れているのは、TVだけではなかった。超音波に誘導された駅員が、アナウンスの代わりにラジオの
音声を大音量で構内に流し始めた。地下街やデパートの中にも、ラジオの超音波が満ちた。屋台の店主は
ラジオの音量を上げ、トラック運転手は大音量でラジオを流しながら街中をぐるぐると疾走した。

472:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:36:42 JIq0VVpn0
誘導超音波に導かれた人々が向かったのは、まず警察署であった。宿直の署員たちの多くが超音波に操られて
無人に近くなった警察署にわけ入った人々は、武器保管庫からわれ先にと拳銃やライフルを持ち出した。
別の一団は銀行を襲撃し、金庫の中の紙幣を残らず持ち去り、街中にそれをバラ撒いた。
証券取引所からは株式証券が大量に持ち出され、交差点の中央で人々によって焼かれていった。
明日の朝、人々が再び目覚めた時、治安と金融は大混乱を極めているに違いない。
人々はさらに、霞が関の省庁街に詰めかけた。重い金属製の扉を叩き割り、金庫をぺしゃんこにした。そして
国家運営に必要な重要書類に次々と火を放ち、灰にしていった。
催眠誘導により肉体のリミッターが外されているためか、人々はふだん発揮できないような怪力をふるって、
破壊活動を行ってゆく。かつて女王蜂女の誘導音波で誘い出された岩本沙夜が一文字を軽く突き飛ばしたように、
人々は重い書類棚を人間業とは思えないような力で軽々と持ち上げては、窓から遠くに放り投げる。あるいは
その場で紙のようにグシャグシャに叩き潰してゆく。
それは、不思議なほどに静かな暴徒であった。一言も発せず、しかも混乱もなく黙々と目的を果たしてゆく、
統率された沈黙の暴徒であった。

473:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:37:09 JIq0VVpn0
同じ頃、都内各地の公園に、黒いトレーラーがどこからともなくやってきて停車した。運転しているのは黒い
マスクの戦闘員。そのトレーラーめがけて、若く美しい女性ばかりが黙々と押し寄せてきた。
トレーラーの側面の扉が開いた。そこにはガソリンスタンドのディスペンサー(注入器)のようなものが十数基
ぶら下がっている。
先端が男根を模した形のディスペンサーを、若い女たちはわれ先にと手に取った。そしてパンツのホックを
緩め、スカートをたくし上げ、ショーツをずり降ろして、男根状の先端を自らの秘所めがけてズブズブと
挿入していった。
「・・・あ・・・あうッ! ・・・はぁッ・・・はぁッ・・・」
それは、量産型蜂女を造るための改造ナノマシンを満載したトレーラーだった。
20歳の女子大生が、24歳の人妻が、27歳のOLが、17歳の女子高生が、次々と股間奥深く改造ノズルを
飲み込んでは、地面に倒れたままあえぎのたうち回る。狂ったようによがりながら着衣を脱ぎ捨て、喜悦の
嬌声を上げながら乳房を激しく揉みしだく。
10分も経たないうちに、彼女たちの肌は真っ青に染まった。乳房に黄色と黒の同心円模様が浮かび上がり、
額からは二本の触角が、背中には黄色い二枚の羽根が生えてきた。
20分も過ぎた頃には、彼女たちはもはや人間ではなくなっていた。
量産型蜂女に生まれ変わった彼女たちは、膣から改造ノズルをジュポッ!と引き抜くと、戦闘員から手渡される
黄色いサッシュを腰に巻き、ショッカーに永遠の忠誠を誓った。
この夜一晩で、50台の改造トレーラーに群がった4万人を越える美女たちが、人間としての生涯に終止符を打ち、
ショッカーの新たな改造人間に生まれ変わったのだ。

474:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:37:29 JIq0VVpn0
その頃、本郷と一文字は必死になって、栗山千明の女王蜂女が発する誘導超音波の、発信源を探していた。
超音波は音の一種である。電波と違って到達距離は短い。せいぜい有効範囲は1キロ程度しかないに違いない。
女優たちが変身した蜂女が都内各所の上空に停止し、音波を中継し続けているのもそのせいであろう。
中継がなければ誘導音波は、TVやラジオの音の届く範囲にしか効果を発揮しないのだ。
では、元々の発信源となる超音波はどこから発せられているのか。超音波の大元が各TV局が流す電波の音声信号
であることは間違いない。では各局の電波を一斉にジャックするためには、どこに本拠を構えればいいのか。
そう、東京で最も巨大で、背の高い電波塔に構えればいい。
一文字は東京タワーの先端近くを指さして叫んだ。「本郷、あれを見ろ!」
特別展望台の上、リング状のデジタル放送アンテナに接するように、巨大な蜂の巣のようなものが付着している。
「間違いない。女王蜂女はあそこから、誘導超音波を発しているに違いない!」
本郷と一文字は、互いに顔を見合わせて大きく頷いた。まだ本郷の体力が回復しきったわけではない。一文字の
トラウマが解消されたわけでもない。だが、彼らは行かなければならなかった。ショッカーの魔の手から、
この東京を、人々の命を守るために。それができるのは、彼ら二人しかいないのだ。
「一文字。俺と一緒に、修羅の道を突き進んでくれるか?」
「おう。お前が一緒ならどこまでもつき合おう。たとえ地獄の果てまでも!」
本郷と一文字はバイクにまたがり、エンジンをふかした。そして変身ポーズをとった。
「・・・変・・・身ッ!」「・・・ライダァーッ、変・身!」
爆音を上げて、二台のサイクロンは二人のライダーを乗せて走り出した。目指すは一路、東京タワー!

475:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:38:26 JIq0VVpn0
ライダーたちの動きは、じきに蜂女たちの知るところとなった。サイクロンの行く手に、誘導超音波で操られた
人々がわれ先に飛び出して行く手を阻む。ライダーたちは巧みなハンドルさばきで操られた人々の間をすり抜け
時には暴徒を避けて建物の壁面を走りながら進む。
砂利を満載したトラックが道を塞ぐように停まり、ライダーたちを阻もうとする。サイクロンは勢いよく
ジャンプしてトラックの上を軽々と飛び越えてゆく。
「本郷、これじゃあ埒が明かないぞ!」「よし一文字。首都高速に上がろう!」
料金所のゲートを強行突破して高速道路に入ったサイクロン。だが高速を走る車はどれも大きく蛇行運転して
ライダーたちの邪魔をする。
「よし、ここならもう邪魔されまい!」
ライダーたちは高速道路の防音壁に飛び乗り、その上を綱渡りのように走った。
眼前の東京タワーが、徐々に大きく近づいてくる。
その時!
「仮面ライダー、覚悟ッ!」
3体の蜂女がサイクロンに近づき、乳首の針を撃ち出した。アクセルをふかしてそれをかわすライダーたち。
溶解針が突き刺さった防音壁が、シュウシュウと白い煙を上げながら溶けてゆく。
「えーいもう一回ッ!・・・千明さまのためよ。死んで! 仮面ライダー!」
蜂女たちの顔にはまだあどけなさが残っている。どうやら昨日一文字がスタジオで交戦した、セーラー服の女子
高生たちのようだ。頭頂部の装甲と複眼状のゴーグルを付けていた昨日とは異なり、人間のままの顔を晒している。
素顔を見せながら戦った方がライダーの攻撃の手がにぶる、と判断してのようだった。
蜂女の乳首の針は、一度射出すると再装填に5秒ほどかかる。しかも決して無限に撃てるわけではない。
そこで女子高生3人組は一文字ひとりに狙いを定め、3方向から彼を取り巻いて同時に針を放とうとした。
「行くわよみんな! ・・・トライアングル・シュート!」

476:名無しより愛をこめて
08/04/30 21:39:45 BqNmFGmG0
だが一文字は、防音壁の上で勢いよくジャンプすると、サイクロンをスクリューのようにきりもみ飛行させた。
「キャアッッ!」旋風に巻き込まれ、思わず悲鳴を上げる蜂女たち。一文字はサイクロンの車輪を蜂女たちの
背中に、ガン、ガン、ガンと3連続で飛び乗せた。ショックで失速し、たちまち地上に落下する女子高生たち。
「・・・悪く思うな」
一文字は振り向いてそう言うと、再びサイクロンを防音壁の上に着地させた。

芝公園前出口で首都高速を飛び出し、一気に東京タワーに向かって加速する二台のサイクロン。
「一文字、一気にタワーを駆け上がるぞ!」「おう! 了解だ!」
相変わらず前方を遮ろうと次々に飛び出してくる静かな暴徒たちを巧みにかわしながら、東京タワーが立つ
高台の上へと駆け登ったサイクロンは、爆音をふかしながら横滑りするように東京タワーの鉄塔に着地し、
そのまま加速して鉄骨の表面をぐいぐいと駆け登り始めた。
鉄塔の傾斜は徐々にきつくなり、サイクロンはほとんど垂直の面を駆け上がりながらどんどん高度をかせいでゆく。
周囲の視界が広がり、東京の1000万ドルの夜景が余すところなく目に飛び込んできた。
真っ赤な月が中空に輝く不吉な夜空を、2台のスーパーバイクが爆音とともに天頂めがけて登ってゆく。
ジャンプして地上120メートルの大展望台を飛び越し、再び鉄塔の上に降り立ったサイクロンは、そのまま
時速500kmのフル加速で一気にタワーの頂上を目指す。女王蜂女・栗山千明がこもっているらしい蜂の巣の
ような物体は、地上280メートルの地点にある。
だが蜂の巣が近づくとともに、サイクロンの周囲に黒い影が幾つも群がり始めた。女王を守らんとする働き蜂の
親衛隊である。
「千明さまのため!」「千明さまのため!」「死ね、仮面ライダーッ!」


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