おにゃのこが改造されるシーン 素体8人目at SFX
おにゃのこが改造されるシーン 素体8人目 - 暇つぶし2ch500:フォックス
08/01/12 17:54:49 GYuMJMb+0
そして変化した彼女は「コ~ン!!」とひと鳴きすると女子高に忍び込んだ
あいにく授業中だったのか廊下には誰もいなかった
だが女性が通りかかる
そうその女性はこの学校のマドンナ先生マナだ
そしてマナとキツネ怪人が出会った・・・
「キャァ~!!」学校中に響き渡る声・・・
だがその声と重なるように怪人は言った
「私のかわいい子供にしてあげる・・・
その言葉と同時に怪人のしっぽがマナの両腕両足を包み込み身動きが取れなくなった・・・
その体に残り5本のうちの1本のしっぽで首を包み込む。すると怪人は
「これで準備が整ったわ・・・」
というと残り4本あるしっぽのうち1本をマナの口へと入れる
するとそのしっぽが怪人から抜けマナの体へと入っていく
その感じたことのない感触がマナにも伝わっていた・・・
「んがぁ~!!!」叫びにならない叫びを繰り返すマナ
そしてしっぽは跡形もなく体に入りこむと体を押さえつけていたしっぽを解き
苦しむマナをジッと見つめる怪人・・・
そうしてる間もマナは苦痛を味わっていた・・・
しかし少しするとマナの苦痛は消えその苦痛から開放されホっとしたのか
マナはその場に気絶してしまう
その姿を見た怪人は人間の姿に戻りどこかに旅立っていった
少しすると叫び声を聞いた生徒やほかの先生たちが現れマナを保健室へ運ぶ動きが始まった
そして目を覚ましたマナはすべて夢だったのかと思いホっとする・・・
だがそうではない・・・体に入ったしっぽがゆっくりとマナをキツネへの道へ誘っていた
そうこれからが本番なのである・・・
だがそれをマナは知らない・・・





501:名無しより愛をこめて
08/01/12 18:56:57 iutSQoRD0
>>499-500
短いわりになかなか余韻を残してていいじゃん
もっと書き慣れてくればいい線いくと思うぜ

でもキツネ怪人の風貌が完全な四つ足獣型なのか、それとも人型なのか曖昧なので
各シーンの想像が追いつかない。描写はもうちょっと克明にした方がいいと思うな

502:フォックス
08/01/12 21:10:42 GYuMJMb+0
>>501
ご評価ありがとうございます!!
もう自分の好みに合わせて書いてしまったのでどうしても
読んだ方には想像できないのにも関わらずいい線なんてホメ言葉もらえるなんて
うれしいです

こんなこと言って調子乗ってるとか思われるかもしれないけど
腕が上がってきたら皆さんの要望にこたえた作品も書こうかななんて思っちゃいますね


503:名無しより愛をこめて
08/01/12 21:43:44 iutSQoRD0
いや、あんたは自分の道を究める方が向いているように思う
全人類のキツネ化を企む妖狐女帝か何かが暗躍するような筋書きでさ

改造手術にもこだわらなくていいと思う。寄生虫のようなもので感染させるとか
あるいは催眠波で精神をキツネ化すると、肉体の方も徐々に獣化してゆくとか
オリジナルの方法を模索してみるといいと思う

504:フォックス
08/01/12 22:03:41 GYuMJMb+0
>>503
またもいいお言葉ありがとうございます!!
でもこのスレの趣旨からそれるんですけどいいんですかね・・・

それに>>503のようなネタ僕には思いつきませんでしたよ
想像はできたとしても文にするのができないこともありますしね




505:名無しより愛をこめて
08/01/13 00:17:44 gBLscrDe0
>フォックスさん

乙です。ないものは自分で作ろうという精神は称えます。

ただ、初めてということもあるのでしょうが、ごめんなさい、読みにくかったです。
余計なお世話ですが、わかりやすく自分流にアレンジしてみました。
参考にご自分の作品と比較してみてください。


506:505
08/01/13 00:18:44 gBLscrDe0
都内某所
そこに一人の女性がいた。
彼女は自分の名前がなぜかわからない。
いや、名前だけでなく年齢や、また、自分がこれからしようとしていることも・・・・・
ただ彼女は本能に従っているのみだった。
そんな彼女がやって来た場所・・・
そこは高校だった。
その高校は女子高で芸能コースがあるせいかルックスの良い女の子たちが多いことで有名だ。
そこに彼女はやって来た。
「ここは・・・」
学校の敷地に入ったとたん、彼女の中で何かが目覚めた・・・
「ん、あぁ~!!イヤぁ~!!」
彼女は悲鳴をあげた。体に異常が現れた。目は赤く光りだし爪が異常に伸び、
衣服が破れて、全裸になった彼女の体は黄金色の毛で覆われ出した。
耳も犬のような獣の耳のように変化していた。
そして九本のしっぽ・・・
そう彼女はキツネのように変ってしまったのだ。

若い女性が行方不明になる事件が続発。警察は今、世界中を騒がせている謎の集団による犯行と断定していた。
噂でしかないのであるが、誘拐された女性は人体実験で改造されてしまうらしい。
また、某国では改造に失敗したと思われる女性の遺体が発見されたとも聞く・・・・・。

改造に成功した思われる個体の彼女が何故ここにいるのか・・・・・・・
誰にも分からないことではあるが、彼女の中のキツネの本能のみが知るところである。


507:505
08/01/13 00:20:21 gBLscrDe0
九尾のキツネへと変貌をとげた彼女は校舎内へ忍び込んだ。
授業時間帯であったので、廊下には誰もいなかった。
しかし、運悪く女性が彼女と鉢合わせしてしまった。
彼女は近藤真菜、この学校の教師で、美人のマドンナ教師として評判である。
人柄も良く、生徒たちも彼女を慕っている。
「コォ~ン!!」
九尾キツネ怪人がひと鳴きする。
「きゃぁ~~~!」
学校中に響き渡るかのような悲鳴だった。
「私のかわいい仲間にしてあげる・・・・」
悲鳴と怪人の声が重なる。
同時に、尻尾が四本、真菜の両腕両足に絡まり、彼女は身動きがとれなくなった。
そして、五本目が彼女の首に巻きつく。
「これで準備が整ったわ・・・・・」
六本目の尻尾を怯える彼女の口へと入れた。
「うぐ・・うぐぅ・・・」
彼女は苦しそうに顔を歪める。
そして、その六本目の尻尾は怪人から離れ、彼女の体内へと入っていった。
「んがぁ~~!!!」
奇妙な感触が体中に伝わり、もがき苦しむ彼女。
怪人は尻尾が完全に入ったのを確認すると、彼女の手足に絡めていた尻尾を解き、
薄笑いを浮かべ、女教師がお腹を押さえ、のた打ち回っているのを見つめていた。
彼女は苦痛で上半身を前へ倒し、胃の中の物を吐き出していた。顔色も悪く、青白い・・・
しかし、一分ほどで、苦痛から解放されたのか、ホッとしたようにその場で気を失ってしまった。
悲鳴を聞いて他の教師や生徒が倒れている彼女のところへ駆けつけてきたときには、
怪人の姿はなかった。


508:505
08/01/13 00:21:00 gBLscrDe0
保健室に担ぎ込まれて、しばらくすると彼女は目を覚ました。
「なんだったんだろう、あれは夢だったのかしら・・・・・・・
キツネの化け物なんてあり得ないし・・・・なにかと見間違えたんだわ。疲れてたのね。」
それは夢でも幻覚でもない。彼女の身のまわりにおこった現実であった。
彼女の体内に入った尻尾は彼女をキツネ怪人へと徐々に変え、新たな運命へと彼女を
誘うのであった。この女子高に起こる惨劇は彼女から始まるのであった。
これからが本番なのである。
だがそのことを彼女は知る由もなかった。




509:フォックス
08/01/13 06:14:54 cL0jnbY10
>>505
すごい・・・
もうこの続き>>505が書いたほうがいいのではないでしょうか
みんなそう思う気が

510:名無しより愛をこめて
08/01/13 06:44:47 cpONmKeZ0
>>509
んなことねー。誰でも最初は素人だ。精進しる
両方の文章を読み比べて自分の文章を磨き上げろ
やる気さえあれば、おまいはきっと伸びる

511:505
08/01/13 08:03:10 gBLscrDe0
>フォックスさん
これは彼方のものです。続きを書こうとはまったく思っていませんw
表現力を磨いてくださいね。もっとうまい人が訂正版つくってくらたらいいんですけどね(汗)
フォックスさんの後学のために・・・・





512:フォックス
08/01/13 08:32:33 cL0jnbY10
>>510
>>511
まだ自信ないですけどいい評価をしてもらえるものが作れるように
がんばりますね

今日中にでも続きを作りますんでよかったら見てください


513:フォックス
08/01/13 13:00:43 cL0jnbY10
それから何事もなかったかのように1週間ほど過ぎたある日の朝
マナは妙な感覚で目が覚めた
例えるなら体の中を動物が動き回っているかのような感じだ何ともいえない
その感覚を普通のものとは思えなかったマナは
「この間のこともあるし疲れてるんだわ・・・今日は休もう」と大事を取って休むことを決めた
そして日ごろ忙しく寝る時間が減っていたマナはまず寝ることにしたのだ
「寝るだけ寝てスッキリしよ~っと」と独り言をボソっと呟くと深い眠りに付いた
・・・ふと気が付くとマナは何もない真っ白な世界に1人立っていた
「えっ!ここはドコ?私家で寝てたんじゃ・・・」そう不安を感じながら呟いた声がこだまする・・・
誰もいないことを象徴するかのように
徐々に不安は増しひとりでに涙が出てくるマナ
「私なに泣いてるんだろう・・・でも一人だょ~」そう思いながら涙を手で拭ったそのとき
マナは自分の手が肌に触れる感覚がいつもと違うことに気づいた
フワッ!そうまるで毛皮でも触れたかのようなふわふわな感じだ
「何!?」と思いながらマナは自分の手を見た
「キャァ~!!!」マナの声が再びこだまする
そうマナの手は異常な姿だった爪が異常に伸び黄色い毛で覆われていた
「な、何なのよ~!!私どうしちゃったの・・・」

514:フォックス
08/01/13 13:02:23 cL0jnbY10
すると恐怖を感じたマナの声に反応するかのように
ドコからか声が聞こえる・・・
「やっと目覚め始めたのね・・・」前にドコかで聞いたことのある声だった
誰かの声に反応し後ろを振り向くマナ
「えっ!?あなた・・・幻じゃなかったの・・・」
そうその声の主は前に学校でマナを襲ったキツネ怪人だった
マナの質問を無視するかのようにキツネ怪人はマナに近づき
「私はあなたを仲間にしたいのよ・・・だけどただ仲間にするなんてガラにあわないの
そう私の仲間になる女(こ)はキツネ人間になったもらわなきゃね」
そう呟くと怪人の目が赤く光マナを見つめる
すると・・・「ン!あ~ん」
マナの体を妙な感覚が再び襲う。そしてその場に倒れこみキツネ怪人の目に反応するかのように
マナの目も赤く光だす
その姿を見た怪人は「さぁ最終段階よ」といいながらさらに近づいてくる
たまらずマナは「キャァ~」と絶叫するとともにふと目を閉じた・・・


515:フォックス
08/01/13 13:03:53 cL0jnbY10
・・・ふと絶叫とともに目を閉じたマナは何も起きないことに気づき目を開くと自分の家、部屋に戻っていた
「また変な夢みちゃった・・・病院行こうかしら」とホっとしながらベットから起き上がったそのとき
「夢じゃないわ・・・目覚めなさい!!かわいい私の女狐よ!!」と怪人の声が響きわたり
マナの目が赤く光ると同時にマナの体が変化する
手足の爪が異常に伸びふわふわした黄色い毛が生え、耳からは獣のような耳が生え
口からは牙が生える
その姿を見て喜びを隠せない怪人は
「どう?これがあなたの姿よ」そういうと怪人はマナに体全体が見えるほどの鏡を差し出した
「これが私・・・」あまりの姿に言葉にならない思い・・・
「でもねあなたはまだ完全じゃない」そういうと怪人は指をパチンとならす
その音に反応したマナはその場に倒れ込み自然と四つんばいになりお尻を高く上げた
すると履いていたパンツやズボンを突き破りながらふわふわした黄色い毛に覆われたしっぽが生えた
マナは改めて鏡に映る自分の姿を見た・・・
いつものマナの姿にキツネの体が合体したかのような姿・・・まさにキツネ人間だ
「イヤ・・・やめてこんなの私じゃない・・・やめてぇ~!!!」
その叫びは徐々に人間にものとは思えない声へと変わりそしていつしか叫びは消え
人間の姿をメインとしたキツネ人間としての心を持ったマナへと変貌していた
そして怪人とともにどこかへ消えていったのだった・・・



516:フォックス
08/01/13 13:04:32 cL0jnbY10
一応続き作ってみました
前どうよう自信はないんですけど評価お願いします!!


517:名無しより愛をこめて
08/01/13 19:19:44 fKlc4J2A0
>>フォックス氏
いいと思う。
前の作品と比べれば上達もしていると思う。
だが、個人的には、やはり人外に変身スレのほうがいいと思うんだなぁ。

518:maledict ◆sOlCVh8kZw
08/01/13 20:50:34 6gBh1FDyO
携帯からなので全部ちゃんと読めてませんが、
フォックスさん投下されたんですね!

実は自分も書きかけのを中断してキツネ改造ネタを書いてました。
もういいかもしれませんが、まあ複数あって困るものでもないので書けたらアップします。
今日明日は執筆できないので、火曜にでも。

519:名無しより愛をこめて
08/01/13 20:52:53 xyRBAf4v0
>>516
けっこう情景描写が上手いじゃない。
文章をもっと洗練させれば、いい書き手になれると思うな。
今の文章が読みにくいのは、句読点が圧倒的に足りないのと、文章の区切りが曖昧だからだと思う。
ネット、特に2ちゃんでは句読点を省略する書き方が流行っているから感化されてるんだろうけど、
SSを書く時には普通に句読点を打った方がいいと思うよ。
あと一行に複数の文章が入る時は、よほど短い文章でない限り、改行した方が読み易くなる。
練習すれば、きっと上達するよ。

520:フォックス
08/01/13 20:59:14 cL0jnbY10
>>517
僕はここがいいんです!!いちゃダメですかね~

>>518
書いてくれてたんですね!!ありがとうございます
このSSは僕の好みで書いたものなのでぜひともmaledictさんのも見せていただきたいです
見るのも勉強ですし

>>519
こういうの流行だからという前に昔、点が多すぎるって言われてから
徹底的に直したんですよね~そしたら今度はドコで点入れればいいかわかんなくて
もういいや!って感じで点減少みたいな感じです
でもホメていただけてうれしいです

みなさんありがとうございます!!

521:505
08/01/13 21:02:26 gBLscrDe0
「プロジェクト・フォックス」
~新人SS作家を育てる~w



522:名無しより愛をこめて
08/01/13 21:28:54 mQHwQBdg0
>>フォックスさん
>>503氏の「寄生虫のようなもので感染させるとか」という書き込みを見て
アイデアを思いついたので、使えるようならどこかで使ってみてください

エキノコックス(エキノ=トゲ、コックス=桑の実みたいなブツブツのある小さいモノ)という
寄生虫がいます。キツネの腸に寄生する条虫(サナダムシの仲間)で、まれに卵が人間の体内に
入ると、包虫症という恐ろしい病気を引き起こします
肝臓や肺、脳などに入り込んで増殖し、周囲の組織を食い荒らして患者を死に至らしめるのです
駆虫するには病巣を手術で切除するしかないのですが、発見が遅れると治療は極めて困難で
死亡率は95%を超えると言われています

この「脳に寄生する」というところがポイントだと思います
キツネ怪人が、よく飼い馴らした知能を持ったエキノコックスの卵を人間に飲ませ
脳に寄生させるというのはどうでしょうか?
脳が寄生されることによって、身体がだんだん獣型に変化し、また精神も変わってゆきます
ふだん使っていない脳の機能を刺激することで、特殊能力が目覚めるかも知れません
エキノコックスとキツネ怪人はテレパシーで繋がっていて、指令を受けるというのもいいでしょう

悪の組織による外科改造手術でも、妖怪的な呪いによる改造でもない、キツネならではの
改造方法として、提案させていただきます

523:蟻蜂フリーク ◆7zOBxxtxo2
08/01/14 00:35:27 xDny6dUO0
>フォックスさん
みんなに指導してもらえてよかったですね^^
私も昨年デビューしたばかりです。お互い頑張っていきましょう^^

>maledictさん
キツネいくんですか?w 楽しみですw

ノリダ~の2次創作でよければ私も参加させてもらおうかなw



524:フォックス
08/01/14 07:25:42 q32Sdts30
>>蟻蜂フリークさん
ホントうれしいですね
お互いがんばりましょうね!!



525:maledict ◆sOlCVh8kZw
08/01/15 22:21:32 VTEWrguO0
狐SSほぼ終わりそうですが、なんかまた15000字超の
長いのになってしまいました。ちょっと見直して削るかもしれません
これが今年初投下か

526:maledict ◆sOlCVh8kZw
08/01/16 21:31:36 w0RXiTAZ0
>>フォックス様
狐SSやっとできました。調子に乗って20000字近く、
27レスの長いものになってしまいました。
最近投下していなかった分ということでご容赦下さい(…だめか)

設定や正義のヒーローは以前投下した「血吸蝙蝠女」に
準じています。話の展開もかなりあれに近いです。
他にも見たことあるような展開はあると思います。ご容赦下さい。

>>522
エキノコックス、バオーみたいで素敵ですが
今回は使えませんでした。すみません

フォックス様のSSはこの先広がっていきそうですね
句読点の少ない文体は、
ちょっと初代「ゴスラ」スレの1の人を連想してしまいました(w

527:女狐先生と子供たち1/27
08/01/16 21:32:34 w0RXiTAZ0
 わたしがこの山奥の小学校に教師として赴任してからもうじき二年が経つ。
中学時代、親の転勤で生まれ育ったこの村を離れ、そのまま東京の大学に
進んだわたしは、教員の免許を取るや故郷に帰り、ここで教育者としての
勤めを果たそうと決意した。記憶にあった以上に不便な村で、色々と苦労は
あった。特に、半年ほど前から携帯電話が一切つながらなくなったのには閉口
した。何度も何度も電話会社に苦情を言ったのだが、「調査中です」の
一点張りで、結局諦めてしまった。それでも、元気な子供たちに囲まれて
過ごす日々は充実していた。今年の全校生徒は特に少なくて、たったの五人だ。
引退した校長先生がときどき手伝いにくる以外は、教師はわたし一人で、全員
同じ教室で授業を行う日々だった。
 事件が起きたのはある土曜の放課後。職員室からふと校庭を見ると、五年生の
イチロウくんと六年生のアキコちゃんがつかみ合いのけんかを始めようとして
いた。他の子も何やら険悪な雰囲気だ。わたしはあわてて飛び出した。
「やめなさい!どうしたっていうの?」
「だって!アキコちゃん、オレの言うこと信じないんだ」
「信じるわけないでしょ!お母さんはちゃんと昨日から家にいるんだもん。
あんただって会ったでしょ?」
「きっとあのお母さんはニセモノなんだ!本物はいまごろ…」
「ふざけないで!これ以上言うと…」
 わたしと大して背丈の違わない大柄のアキコちゃんが、年の割には小柄な
イチロウくんに今にも拳をふるいそうになっている。
「そうだ!ふざけるな!」
横では、アキコちゃんにいつも「いいところをみせよう」とやっきになって
いる五年生のウミヘイくんがファイティングポーズをとっている。
「何よそれ!なんでイチロウくんを信じてあげないのよ!」
イチロウくんの横には、イチロウくんびいきの、四年生のエツコちゃんが加勢に
回ろうとしている。アキコちゃんの妹の、二年生のオトミちゃんは泣き出して
しまった。

528:女狐先生と子供たち2/27
08/01/16 21:39:42 w0RXiTAZ0
 わたしは一触即発の子供たちの間に割って入り、訳を聞いた。
 どうやら発端はイチロウくんらしい。イチロウくんは昨日、アキコちゃんの
お母さんが泣き叫びながら、全身真っ黒の男たちに引きずられていくのを見た、
と言い張っているのだ。場所は、半年ほど前急にできた、へんぴな村には
不似合いな近代的施設「応用獣化学研究所」の裏手のことだという。イチロウ
くんは最初建物の中へ追いかけようとしたが、危険かと思いなおし、駐在所に
通報しにいくことにした。だがその途中アキコちゃんとばったり会い、まずは
アキコちゃんの家に向かった。ところが、家に着くと、先ほど泣き叫んでいた
はずの母親がいつも通りの笑顔で二人を出迎えたのだった。腑に落ちないまま
自分の家に帰った彼は、しかし翌日、自分の目は疑えないという気持ちを
アキコちゃんに伝えた。当然アキコちゃんは反論し、そうして朝から続いていた
言い合いが、とうとう掴み合いになったのだった。
「本物のおばさんはきっとまだあの研究所にいるんだ!」
 イチロウくんは譲らない。アキコちゃんのお母さんが現に無事だった以上、
やはり嘘をついているか、でなければ、白昼夢の類だろうと思えた。子供に
よっては稀にそういう事例があるそうだ。だが、だとしても、教師として
このまま放置するわけにはいかない気がした。そこでわたしは一番率直な
方法を提案した。
「いいわ。研究所に行ってみましょう。そうして何もなかったら、イチロウ
くん、やっぱりあなたの勘違いだということを認めて、アキコちゃんに謝り
なさい。もちろん、イチロウくんが正しかったらそれどころじゃない。警察に
行かなくてはいけないわ。それでいい?」

529:女狐先生と子供たち3/27
08/01/16 21:41:47 w0RXiTAZ0
 実はイチロウくんが、事件に巻き込まれた別の女性を見間違えた、という
可能性もなくはない。だとしたら警察に行くべきだ。だがその可能性はあると
してもとても小さい。まず、この小さな村でそんな事件が起きて騒ぎに
ならない筈がない。加えて、アキコちゃんの母親というのは都会にもちょっと
いない美人で、別の女性と見間違えることはまずないと思えるのだ。
 二人は仲直りはしないまでもわたしの提案を聞いた。最初わたしは、イチロウ
くんに恥をかかすまいという思いもあり、イチロウくんと二人で行くつもり
だった。だが、イチロウくんがどうしてもみんなも連れて行くと言い張った
ので、結局、全校生徒五人で出かけることになった。
 問題の施設は裏山の向こうにあり、子供の足で歩いて四十分はかかる。「応用
獣化学」とは聞き慣れない名で、多分畜産関係専門の生化学、具体的には
バイオテクノロジー関係の団体なのだろうが、なぜか詳しい情報は誰にも何も
伝わってきていなかった。
 施設が近づくと、イチロウくんが道を外れ、山の方に行くと言い出した。正面
からは入らず、裏手にある例の現場に直接行きたいと言い張るのだった。
わたしはやむを得ずイチロウくんに従った。道とも言えない斜面を、木と草を
かき分けて進むと、厳重なフェンスの継ぎ目に、非常に分かりにくい形に
開いた、大人でも何とか通れる隙間があった。子供というのはときに、プロの
スパイさながらに、こんな抜け穴を見つけるものだ。不法侵入というのは
教育上いいことではないが、今回の目的は、イチロウくんを現場に連れていき、
自分の勘違いを納得させることにあるのだ。わたしは、「これは特別なんだから
ね!」を連発しながら、子供たちを連れて中へ入った。

530:女狐先生と子供たち4/27
08/01/16 21:43:33 w0RXiTAZ0
 施設の裏は、思っていた以上に薄暗くて狭いところだった。子供の冒険心は
かきたてるかもしれないが、いい大人が無断でうろうろするところではない。
わたしは改めて不安と後悔を感じた。だが、そんなわたしの心境にお構いなく、
イチロウくんが、たっと駆けだして、施設の地下に続く階段を指さして言った。
「ここだ!ここから中に引っ張られていったんだ!…そして…言わなかったん
だけど…おばさんは裸だったんだ!絶対おかしいよ!」
興奮したイチロウくんは、階段を下りようとし始めた。わたしは、これ以上
泥棒のような真似を子供たちにさせることに強い抵抗を感じた。イチロウ
くんが何か病的な白昼を見たらしいことも、間違いなさそうな気がしてきた。
「ねえ、やっぱりやめましょう。正門からちゃんと入って見学を申し込む。
様子がおかしければ、それでも何かは分かるはずよ。それでいいでしょう?」
 そのときだった。
「だめ!!」
振り返ると、アキコちゃんが涙を浮かべながらわたしの裾を握っていた。
「先生…お願い、中に行かせて!…あたし…気づいてた。…お母さん…いつもと
違ってたの。…きっと、本当のお母さんじゃないの…。本物は…きっと…この
中に…」
 わたしは拒めなかった。職員に見つかったら適当に言い訳をしようと覚悟を
決めた。ちょっとした無茶で、この子たちが仲直りできるなら、それが何よりだ
―そんなことを考えていたわたしは、事態の深刻さを本当には認識して
いなかったのだ。
 地下へ続く階段を下り、裸電球が並ぶ薄暗い廊下の角を曲がろうとしたときだ。
少し先から、女性の悲鳴のような声が響いてきた。わたしは皆を立ち止まらせ、
ジェスチュアでしいっ、と沈黙を呼びかけた。やがて沈黙の中、異常としか
言いようのない会話が聞こえてきた。

531:女狐先生と子供たち5/27
08/01/16 21:45:41 w0RXiTAZ0
「…お願い!お母さん!お家に帰して!!」
「すぐに帰してあげるわ。あなたの『覚醒』が済んだらね」
「いや!いや!正気に戻って!もとのお母さんに戻って!!」
「正気に戻るのはあなたの方よ。あなた方人類は生ぬるいヒューマニズムに
浸かりきって、本当の生命の力を圧殺しかけている。偉大なるわが組織は、
その生命力を解放して下さるのよ。『覚醒』が済めば、あなたにもわかるわ。
『殺戮』と『増殖』という生命の本質が。そして、それを覚醒させて下さる、
わが組織の偉大さが!」
「いや!いや!そんなのわからない!わかりたくないよ!」
「…すぐにわかるようになるわ。今、準備をしにいくから、ちょっとだけ
待っていてね。うふふふ…」
 常軌を逸した会話が止み、笑い声の主の足音が遠ざかっていくまで、わたしは
興奮して駆け出そうとするアキコちゃんとオトミちゃんを抱え、その口を
押さえていなければならなかった―わたしにも聞き覚えがあったが、声の主は、
アキコちゃんたちの母親と、彼らの十七になる姉だとしか思えなかったのである。
 とうとうアキコちゃんがわたしの手をふりほどき、駆けだしてしまった。
わたしは慌ててオトミちゃんを抱えて追いかけ、他の三人も後を追った。
やがてアキコちゃんは、廊下の半ばの、部屋と廊下を仕切っている金網の前で
立ち止まった。呆然としているアキコちゃんに追いついたわたしたちが金網ごしに
見たのは、奇妙な形の台の上に、全裸で、大の字の姿勢で拘束されている、
アキコちゃんの姉の姿だった。
 金網に手をかけ、呼びかけようとするアキコちゃんに、彼女の姉はすぐに
気づいた。金網に隔てられているが、二人の距離は1メートルもなかった。
姉は驚愕の表情を浮かべた後、苦悩の混じった険しい表情になり、小さな、
しかし切迫した声で、わたしたちに言った。
「逃げて!早く!あの人が戻ってくる前に!早く!!」

532:女狐先生と子供たち6/27
08/01/16 21:47:41 w0RXiTAZ0
 言うとおり、すぐに逃げるべきだとわたしは判断した。だが、次の瞬間には
もう、「あの人」つまり、恐ろしいセリフを発していたアキコちゃんの母親の
ブーツの音が、金網越しに見える正面の階段からコツ、コツ、コツと響いて
きた。このままでは、外に出る前に見つかってしまうのは間違いなかった。
「…しかたないわ。そこに!」
アキコちゃんの姉は、やむを得ないという表情で、わたしたちの背後にある、
大きな資材らしきものを目の動きで指示した。わたしは小さいオトミちゃんの
口を押さえたまま抱え上げ、資材の後ろに回った。他の子たちもとても素早く、
そして音もなく身を隠した。こういう身のこなしは都会の子たちにはちょっと
真似できないな、と妙に感心をしてしまった。
 何かの機械の一部らしい資材は、大人と子供五人を十分隠せる大きなついたて
になった。しかも、その隙間からは、金網の奥の部屋の様子が、かなりはっきり
と見て取れるのだった。もちろん、全裸のみじめな姿で拘束され、何か恐ろしい
ことをされようとしている年頃の女性など、決して見たい光景ではなく、まして
子供に見せてよい光景ではまったくない。しかし少なくともわたしは、目を
背けるわけにはいかなかった。状況を見届け、この子たちを無事に逃がす義務が
あるからだ。そして間もなく、アキコちゃんの母親であるはずのモノが階段から
姿を現したとき、わたしも、子供たちも、そのあまりに異様な肢体に、目を
背けるすべすら忘れたように釘付けになってしまった。

533:女狐先生と子供たち7/27
08/01/16 21:50:42 w0RXiTAZ0
 ―全体のシルエットはもとのスレンダーでグラマラスな女性のものだった。
だが、着衣らしい着衣は何もつけておらず、その代わり、首から下の全身に短い
金色の毛がみっしりと生え、わずかに乳首と股間だけが無毛のまま濃いピンク色
にしっとり輝いている。耳は、穴の位置こそ変わっていないものの、耳殻が
頭頂部近くまで広く大きく伸び、頭の上に巨大な三角が二つ並ぶ格好になって
いる。顔の皮膚は真っ白で、全面に祭に使う狐の面そっくりの隈取りが刻まれて
いる。その文様が皮膚の一部であることは、人間にはありえない動きで、
にやりと口元をつり上げた表情筋と共に動く姿が暗示していた。その持ち上げ
られた唇から覗く牙と、手足の指から生えた鋭い爪は、この女性がもう人間では
なく、半ば肉食獣に変じた異形であることをはっきり示していた。
 狐面女は、奇怪な笑みを浮かべたまま、上方にいるらしい誰かに合図を送った。
「やめてえ!お母さん!やめて!!いやぁ!いやぁ!」
絶叫も空しく、ベッドの上方から何か機械が降りてきて、少女の身体の少し
上で止まった。そして上部と下部から同時に何かが飛び出した。彼女の全身に、
無数のごく細い針が注射されたようだった。そして針の先から皮下に何かが
注入され、皮膚のすぐ下を細い金色の文様がうねうねと曲線を描き、
迷路のように全身を覆っていった。
「…くっ…はぁ…うっ…うっ…ふぅ…」
哀れな少女は懸命に何かをこらえ、自分を保とうとしている。それが苦痛では
なく、押し寄せてくる快楽の波であろうということは、大人の女性である
わたしにはすぐ分かった。せめて子供たちには勘違いしていて欲しい、と
場違いな思いが一瞬頭をよぎった。やがて切なそうな顔をした娘が、母親の
手許にあるものを見て再度、力ない悲鳴をあげた。
「…いや……やめて…お願い…おかあ…さん」

534:女狐先生と子供たち8/27
08/01/16 21:52:44 w0RXiTAZ0
母親の手にはディルドーのようなものが握られていた。相変わらず奇怪な笑みを
浮かべている怪女は、とても嬉しそうに言った。
「怖がることはないわ。細胞を活性化する覚醒エキスをあそこに注入するのよ。
これを注入すればあなたも生まれ変われる。気持ちよくてあたまがぐちゃぐちゃ
になっているうちに、何もかも終わるわ」
狐面の母親は娘を相手に淡々と作業を続けた。そして挿入後すぐに娘は、
決して恐怖と苦痛だけではない叫びを発し、それが終わるとその顔には何の
表情もなくなった。少し経つと、うつろな目に得体の知れない笑みが浮かび、
同時にその姿は見る間に母親と同じ姿に変貌した。顔の皮膚が白くなり、
狐面の文様が浮かび、耳殻は肥大し頭頂に向けて三角に伸びた。そして全身に
金色の毛が生え、爪と牙が生え替わった。
 変貌を終え、むくりと上体を起こした娘に、母親が語りかける。
「終わったわ。気分はどう?」
「とても快調です。お母様」
「『お母様』はやめて。『戦闘員四号』でいいわ」
「では戦闘員四号、早速ですが重要な情報があります」
「何かしら?」
「そこの搬入資材の陰に、侵入者が六体います。確保せねばなりません」
 そう言ってアキコちゃんの姉だったモノは、変わり果てた冷たい目でこちらを
指さした。
「あら大変。じゃあ、それをあなたの最初の任務にしましょう」
「了解しました」
 二体の異形の目がこちらをとらえたとき、わたしは即座にオトミちゃんを
抱えたまま立ち上がり、他の子たちに大声で呼びかけた。
「立って!逃げるわ!」

535:女狐先生と子供たち9/27
08/01/16 21:55:46 w0RXiTAZ0
 子供たちはわたしの声で我に返ったようで、期待以上に機敏に動いてくれた。
金網の横の扉から変わり果てたお姉さんが飛び出し、わたしたちを追い始めた
ときには、わたしたちはもう廊下の角を曲がり、入ってきた階段に迫っていた。
 わたしには一つの希望があった。イチロウくんが見つけたあの穴は、研究所内
の者には知られていない可能性が大きい。だとすれば、あそこから裏山に
逃げ込めば、ひとまずの時間は稼げる。そして、ひとまずの時間さえ稼げば、
なんとかなる可能性はある。わたしはそれを手にしている。
 だが、追っ手はもはや人間ではない生きものだった。距離は見る間に縮まり、
階段を登り始めるときにはもうその手がすぐ後ろに迫っていた。無事に外に
出られる見込み自体が、限りなく低かった。
 そのときだ。意を決したアキコちゃんが立ち止まり、真後ろの姉の方に
向き直って、通せんぼの姿勢をとった。その目には涙が浮かんでいたが、
口元はきつく結ばれていた。
「お願い!お姉ちゃん!もとのお姉ちゃんに戻って!お母さんに続いて、
お姉ちゃんまで失うのはいや!お願い!」
 掴みかかろうとする姉に、アキコちゃんは自分からしがみついた。そして
泣きながら、お願い、お願いと懇願を続けた。
 ある種の奇跡かもしれないが、アキコちゃんの呼びかけは姉の心に届いた。
狐面女と化した姉は、急にうずくまり、苦しみだしたのだ。そしてゆっくり
立ち上がると、アキコちゃんの肩に手を置き、しぼり出すように声をかけた。
「アキコ…わたし…もう一緒には行けないけど…あなたたちだけは逃がすわ。
行きなさい!」

536:女狐先生と子供たち10/27
08/01/16 21:57:49 w0RXiTAZ0
 わたしはアキコちゃんの手を引き、他の子をせき立てて階段を上った。振り
返ると、アキコちゃんの母親と黒い男たちも近づいてきた。子供相手の
「新入りのお手並み拝見」をのんびり見に来たところ、異変に気づき、慌てて
足を速めた、という様子だった。狐面女は階段の入り口に立ちはだかり、
妹たちを守ろうとしている自分の娘に、ディルドーを手にしたまま話しかけた。
「あら、レベル1の覚醒が解除されたの?じゃあ、もっともっとエキスを
注入してあげましょうねぇ」
「ああ、やめてお母さん!いやあ!いやああ!ああぁぁぁぁぁぁぁ!」
痛々しい快楽の声を耳にしたわたしは、一つの純粋な魂が永久に失われた
らしいことを察し、胸が痛んだ。

 やはりあのフェンスの隙間は警備の死角だったらしい。アキコちゃんの姉が
追っ手を食い止めてくれたおかげで、わたしたちは見つからずに裏山に
逃げ込むことに成功した。どうやら追っ手がすぐに来ることはなさそうだった。
だが、この裏山に追っ手の捜索が入るのも時間の問題だろう。わたしは休もうと
する子供たちに、もうひとがんばりせねばならないことを告げた。
「みんな、聞いて。とりあえずのピンチは脱したけど、このままじゃいずれ
捕まるわ。まずはみんなで『秘密基地』に移動しましょう。そうして、
しばらくの間…ちょっと長くなってしまうかもしれないけれど、みんなには
その中でじっと隠れていて欲しいの。その間に先生が助けを呼んでくる」
「助けって、警察?」
「違うわ。ああいう連中に警察は無力よ。でもね、先生に一つ切り札があるの。
うまく行けばみんな助かるはずよ」

537:女狐先生と子供たち11/27
08/01/16 22:00:52 w0RXiTAZ0
 話しながらもわたしは子供たちを促し、裏山の「秘密基地」に向かって歩を
進めた。「秘密基地」とは、ここから学校へ向かう途中にある、イチロウくんが
見つけた、古い廃屋の地下にある隠し部屋だ。子供の話では忍者の家だったのだ
という。彼らはここに懐中電灯やらマンガやらを持ち込んで子供だけの空間を
作っていたらしい。大人には内緒の場所だったのだが、ふとしたことでわたしは
その存在を知ってしまった。立場上、こんなところで遊んではいけませんとは
言ったものの、子供時代のこういう場所の大切さをよく知っていたわたしは、
他の大人には言わない、という約束を守り、子供たちが相変わらず出入りして
いるのも黙認していた。―あそこならば、少なくとも二、三時間程度は、
あの連中から身を隠すことも無理ではないはずだと思えた。
 「秘密基地」へ向かう途中、子供たちは、わたしの言う「切り札」について
質問してきた。あまり時間がないわたしは単刀直入に答えた。
「あのね。先生は、正義のヒーローの電話番号を知っているの。その電話を
かけに、学校に戻るのよ。…実は先生も、そんなもの今日の今日まで本気では
信じていなかった。でも、あんな悪の組織があるなら、やっぱりあのヒーローは
本物だったの。間違いないわ」
 考えてみれば奴らの仕業だったのだろうが、携帯は使えなくなっている。
電話を使うならば一番手近な学校がいい。もう少し近くの人家で借りる手も
あるのだが、人を洗脳して悪魔に変えてしまう組織を前に、他人を事件に
巻き込むことも、逆にうかつに信じることも、できればしない方がいいと
思えた。学校までは、山の斜面をまっすぐ下りれば十分もかからないが、
あの施設から普通の道を使えばもっと時間がかかる。車を使ったりすれば
さらに遠回りになる。急げば大丈夫そうだと思えた。
 とはいえ、子供たちに言っておかねばならないことはあった。

538:女狐先生と子供たち12/27
08/01/16 22:02:54 w0RXiTAZ0
「だけど、聞いて。先生の策は絶対じゃない。もし万一、先生が悪魔の手に
落ちたら…できるかぎりみんなの力で身を守って。精一杯闘って!別の誰かが、
いずれヒーローを呼んでくれるかもしれない。そのときまで…」
 やがて「秘密基地」に到着し、すぐに学校に向かおうとしたわたしを、
アキコちゃんが制止した。
「先生。電話番号を教えて。わたしが行く。わたしの方が足が速い。山道だって
慣れてる!」
 多分事実だった。他の小学生はともかく、背が高く、足腰もしっかりしている
アキコちゃんならば、華奢なわたしよりも早く行けるかもしれない。だが
教え子を一人で危険な目にあわせるわけにはいかない。判断に迷ったわたしは
こう言った。
「わかった。二人で競争しましょう。早くついた方が電話する。それがベストよ」
 アキコちゃんに番号を教えると、わたしたちは急な斜面を信じられない速さで
下り始めた。転んだり木にぶつかったりしたら大けがをするに違いない。神経を
これ以上ないほど鋭敏にしながら、わたしは自分が置かれているあまりに
非現実的な状況を、高校時代の退屈な日常のある一コマと重ね合わせていた。
 あの頃、高校の近くに出没する有名な変人がいた。何十回もコピーして
かすれた、手書きの細かい文字がびっしり書き込まれているビラを大量に配って
いた。ビラには「世界征服を企む悪の秘密結社」とか「悪の改造人間」とか、
気の狂ったとした思えない話が延々と書き込まれていた。最初は誰も目すら
合わせなかった。なのにどういうわけか、学期が進むに連れ「あの人は本物の
ヒーローらしい」という噂が広まっていった。結局、わたしは最後まで信じる
気になれなかったのだが、あの手書きのビラにひときわ大きな字で書かれた、
一度覚えたら二度と忘れない、奇妙な「ヒーローの電話番号」だけは記憶の
片隅に残った。―大丈夫。電話さえつながれば、すべてうまく行くはず。
そう。ヒーローとはそういうものなのだから。

539:女狐先生と子供たち13/27
08/01/16 22:05:57 w0RXiTAZ0
 わたしとアキコちゃんは同時にゴールした。わたしは、そのまま駆け出そうと
するアキコちゃんを制止し、まずは校庭をぐるりと見回した。とりあえず追っ手が
待ちかまえている気配はなさそうだ。それを確認すると鍵を開けて校舎に入り、
電話のある職員室に急いだ。
 職員室に入ったわたしはどきりとした。奥の机に校長先生が座り、書類を
読んでいたのだ。悪の組織に洗脳された追っ手。そんな恐ろしい可能性が頭を
よぎった。だがこちらに気づき、穏やかな笑みを浮かべた先生を見たわたしは、
もしもこの笑みを信じられなかったら、この先一生人間を信じることなど
できないだろう、と自分に言い聞かせた。実際、校長がここにいるのは
全然変わったことではない。すぐ近くに住んでいるからだ。
 校長はわたしの恩師であり、わたしが今の仕事を志した直接の動機になった
人だ。引退したと言ってもまだ五十半ば。まだおばあさんと呼ぶには申し訳
ない、あでやかな人だ。だが、脊髄の病が悪化し、数年前から車椅子の生活を
余儀なくされ、後任のわたしが着任すると同時に一線から退いた。親から
相続した遺産を投げ打ってこの学校を支えているらしく、それも含め運営は
未だにこの人任せだ。
「また合併の話が来ていてねえ。来年度からは子供もちょっと増えるのにねえ。
あなたは?」
「あ、ちょっと急ぎで電話をお借りしたくて…」
 子供の危機を隠してでも、この人を巻き込んではいけない、とわたしは
思った。それとない態度で旧式の電話に近づき、ダイヤルを必死で回す。だが、
最後に回したダイヤルがゆっくりと元の位置に戻る直前、発信音が途切れた。
ふと見ると、細い上品な指がフックの上に置かれ、回線を遮断している。顔を
上げると、十メートルは向こうにいたはずの校長が何の気配もないまま机の
反対側に立ち、指を置いているのだった。杖もつかずにしっかり二本の足で
立ち、しかも、肌のつやはわたしと大差ないと言っていいほど若々しくなって
いる。そしてその顔には、アキコちゃんの母親と同じ、邪悪な笑みが浮かんでいた。

540:女狐先生と子供たち14/27
08/01/16 22:07:59 w0RXiTAZ0
「『ヒーローの電話』ね。危ないところだった。大事なスポンサー様に大損害
を与えかねなかったわ。でもね、こうして、優秀な教え子を二人もわたしの
手で『組織』に導いてあげられるなんて、教育者としてとても幸せよ。
あなたにも分かるかしら?」
 校長は嬉しそうに話しながらも、左右の手でわたしたちの肩をとてつもない力で
掴んでいた。いくらもがいてもその手は離れなかった。そうしているうちに、
職員室の中に二人の狐面女が入ってきた。アキコちゃんの母と姉だった。
「遅いわ。わたしがいなければ手遅れだったわよ!」
「すみません。校長先生」
そう言いながら母親はわたしを背後から羽交い締めにした。隣では邪悪な笑みを
浮かべたアキコちゃんの姉が嬉しそうに妹を拘束していた。先ほどの苦悩の表情は
もう微塵も残っていなかった。
「わたしはレベル2どまりだったけど、あなた方の勇敢さならば、レベル3の
覚醒が期待できるわ。この子がレベル1のマリオネットからレベル3に到達
できたのも、考えてみればあなた方のおかげ。感謝しているわ」
アキコちゃんの母親が、隣にいる長女を見ながら、嬉しそうに話しかけてきた。
二人とも外見は普通の人間だが、その邪悪な笑みと万力のような腕の力が、
彼女たちがもはや普通の人間ではなくなっていることを告げていた。
 抱えられたまま連れて行かれた校庭の真ん中で、校長が何かスイッチを操作
した。すると魔法のように目の前に小型のヘリコプターのようなものが現れた。
「光学迷彩っていうのよ。さあ、研究所へ急ぎましょう。子供たちをどこに
隠したか知らないけど、いつまでも放っておくのはかわいそうよ。早く迎えに
行ってあげなさい…組織の一員となった後でね」
 わたしはその言葉が暗示する運命を思い浮かべ、激しく抵抗した。アキコ
ちゃんも同様だった。そうして無駄なあがきを続けるわたしたちを、目に
見えないヘリはあの研究所へ連れ戻していった。

541:女狐先生と子供たち15/27
08/01/16 22:20:30 w0RXiTAZ0
 研究所の中、わたしはアキコちゃんと引き離され、先ほどと同じような部屋に
連れて行かれた。部屋に入ると、羽交い締めにされたままのわたしに黒い男たちが
近づき、ブラウスのボタンを外し始めた。ボタンが外れるとブラウスの中に手を
差し込み、わたしを逃がさないようにしながらそでを抜く。そんな不器用で
ぎこちない作業が続き、スラックス、キャミソール、パンティストッキング、
ブラジャー、パンティと次々に着衣が外されていった。耳元では、狐面女の
本性を現した異形が羽交い締めを続けながら、下らないおしゃべりをしている。
「ハサミとかで切ってしまえば楽なんだけど、そうもいかないのよ。改造素体
には、改造後も『人間のふり』を続けてもらわなければならないからね。この
連中も、これでだいぶ上達したのよ。わたしのときは、そりゃ酷かったんだから」
 怪女はくっくっくと品のない笑いを浮かべ、全裸に剥かれたわたしを手術台
に運ぶと、黒い男たちとともにわたしをそこに固定した。
「波動解析の結果、あなたは戦闘員ではなく実働部隊指揮官『狐女』へ改造
されることが決まったわ。こんな半端な姿ではない、もっとずっと洗練された
姿に生まれ変われるのよ。うらやましいわあ」
 わたしはまた悲鳴を上げた。この台の上で、わたしは狐女に改造されてしまう
のだ。昨日まで、いや、午前中まで、そんなことを夢にも思わない、ただの
平和な山村の女教師だったわたしが、多分一時間もたたない後には、狐女に
なっている!そんなのありえない。嘘だ!いやだ!―あまりにめまぐるしく
ことが進み、現実感がついてこない。いっそ夢であればいいのに!

542:女狐先生と子供たち16/27
08/01/16 22:22:32 w0RXiTAZ0
 だが、そんなわたしの思いをあざ笑うかのように、わたしの身体は冷たい
金属に挟まれ、そこから飛び出した無数の針に全身の皮膚を貫かれた。苦痛、
痛痒館、掻痒感、それらが入り混じった、そのどれでもない、生々しく複雑な
感覚の混沌が全身を覆い、這い回った。わたしが現実に改造され始めてしまった
のだ、という事実が厳然たる事実であることを、皮膚感覚がいやというほど思い
知らせてきた。皮下に金色の繊維がうねうねと迷路のように伸びていく。やがて、
全身に渦巻く混沌は巨大な快楽の波となり、わたしの全身を何度も揺すぶった。
「ああ…いや…やだ…やめて…もうやめて…もう…もう…」
身体を上下から挟んでいた針の発射装置はいつの間にか身体を離れていた。
背中の台がなくなり、わたしの身体は両手両足で宙づりになった。上部の装置は
天井に戻り、そのよく磨かれた表面に、改造されつつあるわたしの姿が映って
いた。快楽の波の中、全身の筋肉がだらしなく弛緩し、筋肉ばかりか骨格までも
弛緩したような気がしていたのだが、鏡面を見たわたしはそれが決して錯覚では
なかったことを知った。すでに耳と爪の変形を終え、全身から細い毛が生え
始めていたわたしの身体は、さらに変形を続け、腕と足は狐のようなごつごつした
形に変じ、鼻先と口は細長く突き出し始めていた。それを見たわたしは、
涙を浮かべて懇願した。
「お願い…元に戻して…元に戻して…」
「もうあなたが元の人間に戻ることは決してできないわ。でも安心なさい。
あなたやわたしに移植されたのは、この辺の村に生息していた希少種『化け狐』
の細胞。民話や神話のような集合表象に感応してその姿を変ずる、特異な生態を
もつ動物よ。移植されたこの細胞を使いこなせば、いずれ自由に人間に化ける
こともできるようになるわ。但し…」
「…但し?」

543:女狐先生と子供たち17/27
08/01/16 22:24:35 w0RXiTAZ0
「変身能力は野獣の本能の発動。だから、その力が使えるようになるためには、
脳の構造が完全に変性し、殺戮と増殖の本能が覚醒して、わが組織に絶対の忠誠を
誓うことがどうしても必要なの。人間の心のカケラが少しでも残っているうちは、
変身能力を使うことはできないわ」
「がうぁ…そんなのいやあぁ…うがあぁぁ」
 わたしは叫び声まで獣じみてきた自分に慄然とした。
 全身の皮膚を襲う快楽の波は、寄せ引きを繰り返しながら少しずつ深部に
移行し、やがて密度を濃くしながら脊髄に集約されていった。それと共に「殺戮と
増殖の衝動」が形を取り、意識に侵入し始めた。目の前に真っ赤なもやがかかり、
この世のものとは思えない禍々しいイメージが脳内に浮かんでは消え、そのたびに
強いエクスタシーが生じて身体がびくんと震えた。やがてわたしの額の中央に、
長さ五センチほどの、葉っぱのような形をした緑色の光が輝いた。
「チャクラが開いたわね。いよいよ肉体の完成が迫っているのよ」
黒い男たちは天井から何かライトのようなものを引き下げ、わたしの額に開いた
「チャクラ」にあてがった。真っ黒な禍々しい波動が額から脊髄を通り、尾骨に
達した。そしてそこに、頭頂から絶え間なく注ぎ込まれる黒い波動がどんどん
溜まり、膨張していった。
「ああ…跳ねまわってる…」
尾骨に溜まった黒い波動は下腹部全体を跳ね回り、その一帯をぐちゃぐちゃに
かき回しながら出口を求めた。わたしは爆発しそうな快楽と膨張感を懸命にこらえた。
これが放出されたらおしまいだ、という予感があった。だが、容赦なく
注ぎ込まれる何かが、それを許してくれなかった。
「あ…あ…破裂しちゃう!…破裂…しちゃうぅ……ああああああ」

544:女狐先生と子供たち18/27
08/01/16 22:27:37 w0RXiTAZ0
頂点に達した膨張感が一気に解放された。それと共にわたしの尾骨は一気に
伸び、一瞬でふさふさした柔らかい毛に覆われた。それが改造の終了だった。
 わたしはぼんやりと鏡面に映った自分を見ていた。頭には三角の大きな耳。
目から鼻筋まではかろうじて人間のままだったが、鼻先と口が長く伸び、そこは
もう完全に狐だった。顔面も含めた全身が短い毛に覆われ、首には特に長い毛が
生えていた。狐面女と同様、乳首と女性器のみが無毛でぬめぬめと輝いている。
胴体は基本的に女性らしいラインを維持していたが、腕と足は節ばった肉食獣の
骨格になり、その付け根にあたる胴体の一部も変形している。二足歩行の人間体型
は維持しているものの、つま先とかかとの間が大きく伸び、いわゆる逆関節に
変わっている。両手足からは鋭い爪。そしてお尻からはひときわ大きな、柔らかな
毛に包まれたしっぽ。
「おめでとう。肉体の改造は完了。とても美しいわ。ただし精神はまだ未完成。
あなたはわたしたちと違って、外部から注入されなくとも、チャクラを使って
自ら覚醒エキスを生成し、さらにはそれを使って人間を戦闘員化することさえ
できる。でもその代わり、わたしたちほどには早く覚醒できないの。わたしたち
にできるのはそれを手伝ってあげることだけ。さあ、待機室に向かいなさい。
おいしそうな獲物がお待ちかねよ」
 今のわたしよりもずっと人間らしい姿に見える狐面女のそんな声を背に、
わたしは麻痺する身体を黒い男たちに引きずられていった。

545:女狐先生と子供たち19/27
08/01/16 22:29:39 w0RXiTAZ0
「待機室」で待っていたのは、わたし同様全裸に剥かれたアキコちゃんだった。
おぞましい異形のものに変じてしまったわたしを見て、アキコちゃんは怯え、
後じさり、わけのわからない悲鳴を発した。それを見たわたしは深い悲しみに
突き落とされた。…だが、わたしの内側に棲み着いた獣の本能は、それを見て
まったく逆の衝動を煽り立ててきた。かよわき生きものへの嗜虐衝動。物語に
出てくる残忍で狡猾な象徴的動物としての狐が、わたしに彼女を襲うことを
命じていた。…いや、そんなことは決してしてはならない。わたしは必死に
自分を保ち、自分はまだ人間だということを彼女に伝えようと、彼女に近づき、
彼女の肩に触れようとした。だがわたしの鋭い爪は彼女を傷つけてしまった。
「いやあ!近づかないで、化けもの!」
半狂乱になって叫ぶ彼女の姿にわたしは耐えきれなかった。わたしに怯える
彼女も、彼女に怯えられるわたしも、何もかもがいやだった。
「いや!もういや!がうぁ!……コーーーーーーーーーーーーン」
視界に真っ赤なもやがかかり、わたしの喉は狐の雄叫びをあげた。そしてわたしは
本能の命ずるままに彼女に襲いかかった。だけど、彼女を殺し、引き裂き血を
なめたりはしないわ。それも楽しいけれど、もったいない!もっといいことが
あるのよ。うふふふふふ。―わたしは女狐と一体化した朦朧とした意識で、
夢中で舌を出し、外見のわりに未発達な乳房を軽く噛み、ていねいになめた。
それから同じことを別の部位にも順々に丁寧に行っていった。その都度額の
チャクラが熱く光り、牙の先から何かが出ているのが分かった。覚醒エキスに
よって活性化した化け狐の細胞だ。わたしは最後に彼女の一番大事な部分に、
念入りにその作業を行った。ふわふわしてとてもいい気持だった。満ち足りた
気分の中、わたしは眠りに落ちそうになった。

546:女狐先生と子供たち20/27
08/01/16 22:32:41 w0RXiTAZ0
 だがその瞬間、苦痛と苦悩に満ちたアキコちゃんの顔がわたしの目に入った。
アキコちゃんは両手で頭を抱え、頭を振り、ごろごろ床を転げながら叫んでいた。
「やだあ!やだあ!先生!先生!頭が、あたまが、おかしくなっちゃうよぉ!
変になっちゃうよぉ!こんなのいやだよ!いやだよ!」
ごろごろと転げまわるアキコちゃんの身体からは急激に金色の毛が生え、耳が
伸び、その顔は白い狐面に変貌していった。わたしはそれを見つめながら、
残された理性のカケラに何とかすがり、自分がしてしまったことの意味を自分自身
に突きつけた。…わたしが…彼女を悪魔から守らねばならないわたしが…彼女を
母や姉と同じ怪物に変えてしまった…浅ましい女狐に心を支配され、最も
恥ずべき罪を犯してしまった…。もう終わりだ。わたしは心まで人間では
なくなってしまった…………………………………………………。
 …………………………………………………………………………………………
……………………いや……………違う!終わりじゃない!こうやって悩んでいる
わたしは、人間として考え、人間として恥じている。…そうだ!「罪悪感」と
「恥辱」だ!…わたしは悟り、そして決意した。この気持ちを手放さないかぎり、
わたしは人間で居続けられる。逆に一瞬でも気を許し、自分から逃げてしまったら
わたしはいなくなり、浅ましい女狐だけが残される。そうなってはならない。
いや、いつかはそうなってしまうのかもしれない。しかし、せめてその前に
「秘密基地」の子供たちだけでも救う。いまやあの「秘密基地」も安全ではない。
彼らを別の安全なところに逃がし、そうして何とかしてヒーローに電話をかける。
人間の心が残っているうちに、それだけはしよう。自分にそう誓った。

547:女狐先生と子供たち21/27
08/01/16 22:38:58 w0RXiTAZ0
「コォーーーーーン。被験者第一号の改造に成功しました。素晴らしい能力を
授けて下さり、感謝いたします!」
 わたしは外に向かって、ことさら従順そうな声を装って報告した。待機室の
重い扉が開かれ、ぐったりしたアキコちゃんと共にわたしは解放された。
「以外とあっけなかったわね。身体は怪人クラスなのに、精神はレベル1の
マリオネットどまり?くくく」
 なにやら勝ち誇った笑みを浮かべる狐面女を横目に、わたしは手術台のそばに
畳んであった自分の衣服を手にすると、出口に向けて脱走した。しびれのとれた
肉体は、追っ手の黒い男たちや狐面女たちを簡単にふりほどき、素晴らしい速さで
駆けることができた。衣服を口にくわえ、四つんばいになるとなお速く駆けられる
ことに気づいた。そうして、あのときと同じく、わたしは首尾よく裏山に逃げ込む
ことに成功した。
 裏山でわたしはぎこちなく自分の服を着込み、女狐に心を乗っ取られないように
しながら、変身能力をなんとか発動させようと苦心した。かろうじてそれに成功
したわたしは、念力で成型した骨格や筋肉を崩さないようにしながら、おそる
おそる「秘密基地」に向かった。たどり着くと隠し扉を開け、急いでみなに
呼びかける。
「みんな!急いでここを出て!イチロウくん、たしか『第二基地』があると
言っていたわね!そこを教えて!」
 一気にまくし立てたわたしは、ふと子供たちの冷たい視線に気づいた。直後に、
イチロウくんがわたしにパチンコを向けて、何かをわたしの目に向けて発射して
きた。目に鋭い何かが刺さり、ぎゃっと言ってわたしはうずくまった。
エツコちゃんは何か黒いものを投げてきて、頬がざっくり割れた。地面に
落ちたそれらをよく見ると、目に刺さっていたのはマキビシ、頬を切り裂いたのは
手裏剣だった。ウミヘイくんに至っては鎖がまを構えている。どうやら
もと忍者屋敷だったというのは本当だったらしい。

548:女狐先生と子供たち22/27
08/01/16 22:41:00 w0RXiTAZ0
 傷ついた顔を触り、拭き取った血を見ようと我が手を見たとき、わたしは
自分が完全にもとの狐女に戻っていたことを知った。どんなに精神を集中しても、
不完全な変身能力では、人間の姿を長くは維持できないのだ。多分、さっきの
わたしの話だってちゃんと発音できておらず、狐の化け物がガウガウ吼えている
ようにしか聞こえなかったのだろう。彼らにしてみれば、わたしの最後の
言いつけを忠実に守っているに過ぎないのだ。
 マキビシと手裏剣の攻撃は容赦なく続いた(ウミヘイくんはさすがに鎖がまを
使いこなせず、手裏剣に切り替えていた)。改造人間にとってそれほどの
ダメージではない。しかしわたしの心は一撃ごとに傷ついていった。このままでは
アキコちゃんを襲ったときと同じようになってしまうかもしれない。そうで
なくとも、こんなことをしている暇はないのだ。この基地を知るアキコちゃんが
敵の手に渡ってしまった今、ここにいつ奴らがやってきてもおかしくないのだから。
 途方に暮れるわたしの背後を、いきなり強力な衝撃が襲った。わたしは全身が
しびれ、その場にうずくまった。そうして、背後からわたしの声が聞こえてきた
のに気づいた。
「みんな!お待たせ!危ないところだったわね。もうじきヒーローが来てくれるわ。
それに、ちょっといいものを手に入れたの。これでヒーローが来るまでの間、
やつらと戦える!」
 背後にいるもう一人のわたしは、得意げに麻痺銃を掲げて見せた。極度の
緊張状態に陥っていた筈の子供たちは、何の不信感も抱かず、安堵の表情を
浮かべ、抱き合って喜んだ。いけない!いけない!わたしは痺れる身体を引きずり、
もう一人のわたしを止めようとした。だがもう一人のわたしはそれを軽く足で
いなすと、つかつかと部屋に入り、大喜びしている子供たちに矢継ぎ早に
麻痺弾を撃ち込んだ。

549:女狐先生と子供たち22/27
08/01/16 22:43:02 w0RXiTAZ0
「大丈夫。そこの狐さんの百分の一の薬剤しか入っていないわ。
死んだりしないから安心してね」
「どうして…どうして…先生!?」
ぐったり崩れ落ちた子供たちの前で、もう一人のわたしは衣服を脱ぎ捨て、
わたしそのままの裸身をさらすと、緑色に輝いた。
「先生じゃないわ。わたしよ、わ・た・し」
現れたのは、わたしと同じ、狐女に改造されたアキコちゃんだった。鼻先だけは、
わかりやすくするつもりか人間のままだが、それ以外はまったくわたしと同じで、
額には木の葉形のチャクラも輝いている。アキコちゃんは邪悪な笑みを浮かべ、
チャクラを指さして言った。
「見て先生!先生の覚醒エキスはすごいわ!このエキスを受け継げば、狐面女から
狐女へ成熟できるし、何代でも新たな狐人間を増やすことができるの!科学陣も
大興奮だったわ。改造人間の新時代の到来だって!」
 怯えて彼女を見上げる子供たちの中から、アキコちゃんだったモノはまず
エツコちゃんに目をつけた。
「エツコちゃんはイチロウくんが大好きなんだよね。あなたを狐にしてあげるから、
今度はあなたがイチロウくんを狐に変えてあげてね」
「やだあ!狐になんてなりたくないよ!イチロウくんにそんなことをするのも
いやだよ!」
恐怖にひきつるエツコちゃんの衣服を面白そうに脱がせた狐女は、エツコちゃんの
全身に身体に牙と舌を使って細胞入りエキスを注入する作業を始めた。エツコ
ちゃんは明らかに苦痛とは異なるうめき声を上げ、身をよじり、その興奮は狐女の
舌が下腹部に伸びたときに絶頂に達した。満足そうに顔を上げた狐女の下で、
エツコちゃんが頭を抱えながらごろごろと転げ回っている。

550:女狐先生と子供たち24/27(*前レスは23)
08/01/16 22:45:07 w0RXiTAZ0
「いやあ!あたまが変になっちゃう!変になっちゃうよお!!」
転がり悶えるその身体からは金色の毛が生え、耳や爪や歯が異形に変じていく。
やがてエツコちゃんはうつぶせになって大きな叫びを上げた。そしてお尻から
見事な尻尾がふわりと生えると、ぐったりと動かなくなった。
「次はあなたよ、ウミヘイくん。きみ、わたしに惚れてるんだよね。いいわ。
お姉さんが、いいことしてあげる」
「く、来るなあ!この化け物!」
「うふふふ。きみもすぐにその化け物になるんだよ」
 そう言いながら、アキコちゃんだった狐女はウミヘイくんの衣服を脱がし、
細胞とエキスの注入を始めた。作業が始まるとすぐにウミヘイくんの股間の
ものは一人前に天を衝いた。狐女はそこに牙と舌の洗礼を施し、それから
自分の股間へ導いて、ウミヘイくんを抱きかかえた。狐女の腕の中、
ウミヘイくんは絶望と歓喜の絶叫を上げ、見る間に小さな狐人間に
変貌していった。
 その横ではむっくりと立ち上がったエツコちゃんが、耳まで裂けた笑みを
浮かべ、イチロウくんに近づいていた。
「イチロウくん!大好きだよ!わたしが狐にしてあげるね!」
「やめろ!やだ!来るな!来るな!…あぁぁぁぁ」
 やがて三匹の子狐が揃った頃、アキコちゃんだった狐女が言った。
「ねえ、本物の先生の麻痺剤がそろそろ切れちゃうんだ。みんな、協力して
くれる?」

551:女狐先生と子供たち25/27
08/01/16 22:47:08 w0RXiTAZ0
 こおん、と声を揃えた三匹の子狐が、まだ痺れているわたしに飛びつき、
つい今しがた自分がされた「いいこと」をわたしの身体の上で、そして互いに
対して、再現し始めた。子狐の小さな突起が何度もわたしの中に挿入された。
その間、狐同士の念波の共鳴作用によって、わたしの快感は何倍にも増幅された。
またもわたしの中の女狐が暴れだし、頭に赤いもやがかかり始めていた。もし
ここでわたしが本能の命ずるまま、こちらから彼らを舌や牙で責め始めれば、
共鳴作用はさらに加速し、わたしの心は今度こそ折れてしまうだろう。
いけない。理性を奮い立たせなければ。自分に負けてはいけない。
―この子たちをこんな浅ましい姿にしたのは、もとはと言えばわたしのせい。
アキコちゃんにあんなことをしてしまったから。
 ―…あれ?でも、「あんなこと」って何だったかしら。それが「こんな
こと」ならば、…こんなに「いいこと」ならば、それのどこが「恥ずかしい罪」
だというのだろう。…ひょっとしてわたしは、依怙地な偏見に支配されていた
だけではないのだろうか。…冷静に、公平に考えれば、殺戮と増殖が生命の本質だ
なんて当たり前のことだ。それを否定しきるのには限界がある。むしろそれを
正しく導くことこそ、よい世界を作る道なのではないのか。
 ―わたしは軽くうろたえていた。あたまの赤いもやも、凶暴で狡猾で淫猥な
女狐の本能も、いつの間にか影を潜めていた。いや、影を潜めたわけではないが、
勝手に暴れまわることをやめていた。なのにわたしは、いつしか、あの組織の
理想の正しさを自分自身の理性で確認し始めている。これまでの自分が何か
大きな勘違いをしたまま生きてきたらしいことに急に気づき、うろたえ、
戸惑っているのだ。

552:女狐先生と子供たち26/27
08/01/16 22:49:09 w0RXiTAZ0
「先生。覚醒…したのね?」
 アキコちゃんがわたしの心理の変化に感応し、うれしそうに声をかけてきた。
「待機室でのデータを解析して分かったんだけど、先生はレベル4の覚醒、
つまり『幹部』クラスの覚醒が可能な素体だったのよ。レベル1のこの子たちや、
レベル2のお母さんはもちろん、レベル3の姉さんやわたしよりも高い潜在能力を
もっていたの。普通の処理を受けるには、器が大きすぎたのね。そのせいで、
他の人よりも覚醒までにつらい試練が必要だった。でもそれもようやく終わったわ。
今の先生は、自分の意志と理性で怪人の本能を導き、そうやって組織の理想を
自分の判断で実現できる、幹部候補として成熟したの。教え子として、わたしは
とてもうれしい!校長先生もきっと喜んで下さるわ」
 意外な祝福を受け、わたしはなおも戸惑っていたが、やがてそれは歓喜と、
強い野心に変わっていった。この子たちとともに、殺戮と増殖の本能に根を
下ろした、正しい世界、改造人間が支配する世界を建設する。それをこのわたしが
指揮する―そんな壮大なビジョンが急にわたしの前に広がった。わたしの
これまでの人生が、すべてこの日のための準備であったことに、ようやく
気づいた気がした。

「さあて…じゃあまずは!」
「じゃあまずは!」
 わたしとアキコは、同時にそう言うと、理解の限度をとっくに超えている
だろう出来事を前に、部屋の片隅でがたがた震えているオトミに目を向けた。
念派を感応した三匹の子狐はさっとオトミに群がると彼女の服を手際よく
脱がした。
「実を言うとそろそろ、『増殖』の方はお腹いっぱいなのよねえ。いい加減、
『殺戮』の方も満たさないとなあ、という気もするの」
「そうですねえ」
わたしたちは軟らかい肉に爪を立てる様子の想像を感応しあい、舌なめずりをした。

553:女狐先生と子供たち27/27
08/01/16 22:51:16 w0RXiTAZ0
「…だけど、改造素体候補の軽率な殺戮は厳禁よ。組織の損失になりかねない」
「そうですね。それに、なんといっても、わたしには大事な妹ですから」
「さすがレベル3。よくわきまえているわね」
「うふ。うちの母なら、きっと我慢できなくて、自分の子供だとかなんとか
気にしないで、食べちゃってるわね」
「そうそう!うふふ」
お互い思い当たる節があったわたしたちは、くすくすと笑いあった。
「あのね。わたしに考えがあるの。わたしは組織の理想を、教育者として実現
していきたいと思っているのよ。念波感応能力をうまく使えば、この子たちも、
もちろんあなたにも、とても効率的な教育が可能。わたしは、まずは優秀な
エリート怪人を育成して、組織内でのわたしの地歩を固めようと思うの。
そうね、不便になるけど、みんながよければ、やっぱり町の小学校との
合併の話、校長先生に相談してもいいかもしれないわ」
「素敵!すごいです先生」
「でもね。知的能力だけ高くとも、レベル3や4の怪人は生まれない。わたしが
そうだったように、その奥に強い本能が渦巻いていなくてはならないの。だから…」
「だから?」
「この子の中の野生の本能をできるだけ生のまま取り出してあげたいの。それを
上手にていねいに導いて、この子を殺戮と増殖の権化として覚醒させるの。
発育段階というものがあるから、この子の場合、まずは殺戮の方からね」
「素敵!エリート怪人の英才教育ね!」
 わたしたちは子狐たちに押さえつけられ、あまりの恐怖に泣くことも忘れている
オトミの方に向き直り、舌なめずりをした。美人三姉妹の中でも、一番母親に
似た器量良しだ。数十分後には、破壊と殺戮の権化に生まれ変わっているはずの
その愛らしい笑顔を、わたしは思わずなめ回してしまうのをやめられなかった。
 ―晩ご飯までには、みんなを家に帰すことができそうだ。
<了>

554:maledict ◆sOlCVh8kZw
08/01/16 22:52:27 w0RXiTAZ0
以上、お粗末でした。「葉っぱと尻尾」が工夫した点かな

それでは…

555:蟻蜂フリーク ◆7zOBxxtxo2
08/01/16 23:07:26 icyQj2en0
>maledictさん
いや~ すごいです^^ 新年早々、強烈な1発です^^ お疲れ様でした^^

私も「プロジェクト・フォックス」に参加すべく、企画を構想中です^^
だめなら「のりだ~」二次創作ですけどね・・・・・w





556:maledict ◆sOlCVh8kZw
08/01/17 00:40:50 vINm0rKPO
携帯からちょっと補足とおわび

幼女(…とおばさん)に関しては以前クレームがついたので、
事前に警告を貼っておくべきでした。
事後になりますが、小学生男女の少しエッチな改造シーンが含まれています。ご了承ください

幼女改造は毒毛虫女ちゃんをはじめ、割と定番のネタだったと
記憶していたこともあり(よく見ると>>1にも明記されてるし)、あまり意識せず
話の流れで取り入れてしまいます。

それからフォックスさん、リクエストをよく読むと男子はNGだったのですね。
やはり話の流れで入れてしまいました。すみません。

それと蟻蜂フリーク様、ありがとうございます。もう成人の日も過ぎちゃいましたが…

557:名無しより愛をこめて
08/01/17 01:04:30 pgL8OD1d0
>>556
エロ描写がメインじゃないから、少々のことは気にしない。
あと希望としては、改造・変身過程(途中)の描写を緻密にお願いできればサイコーかと。

558:maledict ◆sOlCVh8kZw
08/01/17 03:09:09 zRi3FSlc0
あ、呼びかけは「様」で統一する方針なので
違っているのはうっかりです。フォックス様すみません

>>557
やっぱり、ちょっと薄いところですか。修行します。

そういや、ちょっと前になってしまいましたが、
異形化スレは大作が立て続けに二本投下されて
すごいことになっています

あと、もう一度>>フォックス様
多分本当に読みたいものを書けるのは読みたがっている自分自身じゃないかと思うので
自分で書くという選択はとてもよかったのではないかと思います
僕も昨年の九月か十月あたりに書き始めるまで、小説とかSSの類は
ほとんど書いたことがありませんでした。大昔、学生時代に、
サークルの雑誌に30枚くらいの短編を三本書いたのが、
去年までではほぼ最初で最後です(小説じゃない文章は
その間もいっぱい書いてましたが)。…お互い頑張りましょうね

559:蟻蜂フリーク ◆7zOBxxtxo2
08/01/17 03:36:28 cq9s6S/30
できないと言っておりましたが、キツネSSできそうです^^

キツネネタ(ノリダーじゃないほう)執筆に入りました。
まず九尾のキツネを出すことを考えました。彼女は大妖怪のイメージがあり、
それをどう改造ネタへと繋げて持っていくかが課題でした。
なにやらオープニングがまたシリアス化してますが・・・^^;

とりあえず、近いうちに投下しようと思います。

560:名無しより愛をこめて
08/01/17 08:20:24 whpwg9IRO
>>554
人外への変身スレから来ました。大作、面白かったです。展開する話一つ一つが素敵で、終始楽しませていただきました。
特に好きなシーンは、先生が初めて生徒を襲ってしまった後のシーンと、基地にいる子供達に呼び掛けるも失敗に終わるシーンです。
どちらも先生の苦悩を描いたシーンですが、それが高レベル故の変化の遅さという設定に無理なく接続されていて、やるなあ、と思いました。
余談ですが、『応用獣化学』が『獣化+学』と認識されて「ちょ、一般人にもバレバレやん」って思ってたら、
外目には『獣+化学』を装っていた、と言うわけですね。重化学と掛けているでしょうか。
こういった細かい示唆も、やるなあ、と思いました。

561:フォックス
08/01/17 10:49:58 YJcMQ98G0
僕がスレを全然見ていない間にプロジェクト・フォックス通称PFがかなり進みましたね!!
ホントうれしいことです
皆さんありがとうございます

562:フォックス
08/01/17 11:08:48 YJcMQ98G0
連投すいません
でもやっぱり出演者は女の子や女の人だけがいいですね


563:maledict ◆sOlCVh8kZw
08/01/17 20:35:27 6DFogt2o0
>>562フォックス様
なかなかシビアなリクエストながら、フォックス様の依頼文を読み落としていた
こちらの落ち度と言えるので、「フォックス様版パッチ」を用意してみました。
(ときに「プロジェクト・フォックス通称PF」って、いつのまに決まったんですか(藁 )

ええと、お手数ですが、SS全文をコピーして置換機能のあるワープロソフト
(ワードパッドでいいです)に貼り付け、まずは下記の三語を置換してください。

 イチロウくん→イサコちゃん
 ウミヘイくん→ウキエちゃん
 彼は→彼女は

次に下の修正版を該当箇所にコピペしてください(名前部分は置換前のものです)。
これで多分「完全百合の園バージョン」になるはずです(w

>>527
「だって!アキコちゃん、オレの言うこと信じないんだ」
→「だって!アキコちゃん、あたしの言うこと信じないのよ」

「きっとあのおばさんはニセモノなんだ!本物はいまごろ…」
→「きっとあのおばさんはニセモノなのよ!本物はいまごろ…」

(続く)

564:フォックス様版パッチ2
08/01/17 20:38:05 6DFogt2o0
>>527(続き)
「そうだ!ふざけるな!」
横では、アキコちゃんにいつも「いいところをみせよう」とやっきになって
いる五年生のウミヘイくんがファイティングポーズをとっている。
→「そうよ!ふざけないで!」
横では、アキコちゃんに憧れ、「アキコさん第一の子分」を勝手に自称している、五年生のウキエちゃんがファイティングポーズをとっている。

イチロウくんの横には、イチロウくんびいきの、四年生のエツコちゃんが加勢に
回ろうとしている。
→イサコちゃんの横には、イサコちゃんと大の仲良しの四年生のエツコちゃんが
加勢に回ろうとしている。

>>528
「本物のおばさんはきっとまだあの研究所にいるんだ!」
→「本物のおばさんはきっとまだあの研究所にいるのよ!」

>>530
「ここだ!ここから中に引っ張られていったんだ!…そして…言わなかったん
だけど…おばさんは裸だったんだ!絶対おかしいよ!」
→「ここよ!ここから中に引っ張られていったの!…そして…言わなかったん
だけど…おばさんは裸だったのよ!絶対おかしいよ!」

>>550
「次はあなたよ、ウミヘイくん。きみ、わたしに惚れてるんだよね。いいわ。
お姉さんが、いいことしてあげる」
→「次はあなたよ、ウキエちゃん。『アキコさんみたいになりたい』が
あなたの口癖だったわよね。ふふふ、いいわよ。わたしと同じにしてあ・げ・る」

(続く)

565:フォックス様版パッチ3
08/01/17 20:39:41 6DFogt2o0
>>550(続き)

「うふふふ。きみもすぐにその化け物になるんだよ」
→「うふふふ。あなたもすぐにその化け物になるんだよ」

「やめろ!やだ!来るな!来るな!…あぁぁぁぁ」
→「やめて!やだ!来ないで!来るなぁ!…あぁぁぁぁ」

なお、>>530の「白昼」は「白昼夢」の誤記なので他の方も脳内で直しておいてください

566:maledict ◆sOlCVh8kZw
08/01/17 21:54:48 6DFogt2o0
>>560
ていねいに読んで下さってありがとうございます!励みになります。
異形が迫害される流れは、名作「ベルゼブブの娘」に
結構影響されてる可能性があるです(//_//)

たしかに、「獣化学」の名だけ最初にぽんと出すと「外目には<獣+化学>を装ってる」
というのが分かりにくくて混乱しそうですね。ちょっと直した方がいいかもです

567:フォックス様版パッチ4
08/01/17 22:32:42 vINm0rKPO
しまった、性別が変わったらここも直さねば。連投すみません
18禁描写だったかなあ
>>550
細胞とエキスの注入を始めた。作業が始まるとすぐにウミヘイくんの股間の
ものは一人前に天を衝いた。狐女はそこに牙と舌の洗礼を施し、それから
自分の股間へ導いて、ウミヘイくんを抱きかかえた。狐女の腕の中、
→細胞とエキスの注入を始めた。作業が始まるとすぐにウキエちゃん股間は
しっとりと潤い始めた。狐女は充分にじらした末に、そこに牙と舌の洗礼を
施した。そうして狐女の舌の猛攻を受けながら、
>>551
対して、再現し始めた。子狐の小さな突起が何度もわたしの中に挿入された。
→対して、再現し始め、子狐の小さな舌と牙がわたしの全身に快楽を送り込んだ



568:ダイレン
08/01/17 23:04:13 0DvH//kRO
保守上げ。横から失礼いたします

またまた変な夢を見てしまいました
由美ちゃんと健一君、ダイレンジャー内本編では登場しないは由美ちゃんの友達の女の子と逃げてましたが、はぐれて1人だけになってしまいました
そしてゴーマ怪人とダイレンジャーの戦闘に巻き込まれ、捕まってしまうみたいな感じです
改造ではないですが、なんだか変な感じです。しばらくダイレン見ないので欲求不満でしょうか?

ちなみに吸血鬼のは由美ちゃんらは助かったと考えてください。基本ハッピーエンド好きなので

569:名無しより愛をこめて
08/01/18 01:40:08 Wz9GubYZ0
改造されてしまうのがこのスレ的にはハッピーエンドではないのか? と心の底から疑問に思う

改造後、ヒーローと戦って殺されるのはアンハッピーエンドに違いないが

570:蟻蜂フリーク ◆7zOBxxtxo2
08/01/18 05:03:08 rvAb4/0f0
>maledictさん
自分的には男の子もいたほうがバランスがいいっていうか・・・・
男性キャラがいることで女性キャラが引き立つこともありますし^^

ただ、maledictさんの人間の大きさに乾杯!
私はそこまで面倒みきれませんけどね^^

>フォックスさん
だまされたと思って男性キャラの練習もされてみてはいかがでしょうか?
(ただ、改造の主役はあくまで女性ですけどね^^)
フォックスさんの世界も広がるかと思いますよ?^^





571:名無しより愛をこめて
08/01/18 13:52:17 4KRFkr9vO
>>569
たしかにそうかもしれないけど、ほら、
元に戻らなければそれで終わりだけど、元に戻ればまた
改造されたり洗脳されたりとりつかれたりと
その後の展開も盛りだくさんになるじゃないですか

ところでダイレン様、下げてても書き込めば保守になるはずです、たしか
…でもまああんまり底の方ばかりにいるのも寂しいですよね。
夢の方は、さらった由美ちゃんに何をしそうな敵でしたか?

572:ダイレン
08/01/18 18:46:33 2S7H4LBPO
そこまでは覚えてないんです……すいません

僕も男の子は女の子わ引き立たせたり、犠牲の対象にしたりと対比の役割があると思います

改造とは関係ないんですが、女の子が怪人に襲われたりする際に体に取り込む描写って好きな方います?
例として紐男爵が由美ちゃんを、ジュウレンジャーのドーラナルシスが女子高生を(こっちは死んじゃったけど)

ランドセル怪人(仮称)がランドセルに細工をして、開けたら触手が出てきて子供たちを異次元に吸い尽くしちゃうみたいな

573:
08/01/18 21:08:03 shCfH+CPO
>>572
あ~かなり分かりますわ。得体のしれないものに取り込まれてその中で怪人化とか萌えます。
マスクマンでそれで人間を戦闘員化させようとする話ありましたね。

574:名無しより愛をこめて
08/01/19 00:22:19 H3o/Tq6N0
>>572
インヴェードの事かな?
だったら、かなり好き!!

575:名無しより愛をこめて
08/01/19 00:33:54 w+a5/YAZ0
シャリバンでDrポルターがレイダーに洗脳されるシーンがあるって聞いたことがあるけど、それマジ?
もし本当ならどんな風に洗脳されて洗脳されたポルターはどんな風になったのか誰か知りませんか?

576:名無しより愛をこめて
08/01/19 02:35:00 H3o/Tq6N0
>>575
ガマゴンに喰われるミスアクマのケツがエロいって聞いたことがあるから、
今度借りて確認しときます。(同じ最終巻?)

577:蟻蜂フリーク ◆7zOBxxtxo2
08/01/19 05:17:07 4epJ9zWr0
キツネネタのSS、私も完成しましたので投下します。

578:九尾の復讐1
08/01/19 05:18:37 4epJ9zWr0
東シナ海上空 
「未確認機(アンノウン)確認・・・・・・中国軍機か?それとも韓国の民間機が誤って侵入してきたか・・・
しかし変った形状だな・・・・まるで漫画か何かのUFOみたいに光に包まれている。」
築城基地からスクランブル発進した制空戦闘機F-15Jイーグル二機が追尾する。
とりあえず中国語の警告メッセージが録音されているCDを作動させ無線にて発する。
「こちらは日本国航空自衛隊です。貴機は日本領空を侵犯しています!直ちに退去・・・・・・」
領空外へ退去するよう警告したとき二機のパイロットたちは信じられない光景を目にする。
「・・・キツネ?そんな馬鹿な!」

「ジャガー01、02応答せよ!応答せよ!」
築城基地からの呼びかけに全くどちらの機体からも応答がなく
以降の交信が途絶えた。
翌日、テレビや新聞では「航空自衛隊機二機、東シナ海上空で消息を経つ」と報じられ騒ぎになった。
ただ、付近で操業していた漁船の漁師が上空で火の玉を二つと、10本ぐらいの尻尾を
もった光に包まれたキツネのような化け物を見たという証言も取り上げられていた。


579:九尾の復讐2
08/01/19 05:19:28 4epJ9zWr0
「コォ~~~~~~~ン!」
人間の中でも特に憎むべき存在の日本人め。今のは私の挨拶代わりよ・・・・・・
破壊した戦闘機の残骸が燃えながら海へ落下していくのを眺めて彼女は思った。
私の母は人間がアジアとよぶ各地を転々とし、古代中国の殷という王朝では妲己と呼ばれ、
古代・インドの南天竺耶竭陀国では華陽夫人と呼ばれた。それぞれの国王を虜にして母は生きながらえてきた。
だが、不運にもこの国で殺された・・・・・・。この日本とかいう国では玉藻前という名前で呼ばれていた。
三浦義明・上総広常ら武士と陰陽師・安部泰成。今でもその名を聞くのも汚らわしい。
彼らによって率いられた軍勢によって母は殺された。
ただ、ひっそりと人間の権力者に守られ、平和に暮らしたかっただけなのに。
そして母はよほど恨んだのであろう。母の死骸は殺生石となり、それに近づく命あるものをすべてを殺した・・・・・・
その死から千年近く過ぎてしまった現代となってはその効力も薄れてしまったらしいが。
お母様・・・・・私はこの国の人間どもに復讐します。
見ていてください。


580:九尾の復讐3
08/01/19 05:21:10 4epJ9zWr0
母の死ぬ間際に、私は生まれた。そして、まだ、幼く何の力も持たなかった私は
この国の人間どもの追撃を必死に逃れ、海を渡り、ヨーロッパといわれる地域に安住の地を得て何百年かを過ごした。
ただ、私に復讐の機会がやってきたのは、第三帝国とよばれた国にいたとき・・・・・・
たしか、私がエバ・ブラウンと呼ばれていたときだった。
私を寵愛していたこの国の総統と呼ばれた最高権力者の男は、人間を改造して強力な兵士を
作りだすというプランを科学者に実行させていた。当時、彼がしていた戦争の勝利に欠かせないものだったのだろう。
戦争に敗れた後も、彼の作り上げたナチスとかいう集団の残党による新組織がその技術を進歩させていた。
私はエバとは別の新しい女性の姿となり、幹部科学者として肉体改造や洗脳などの技術を学んでいた。
しかし、結成後二十年ぐらい経った頃であろうか、その組織は暴走した二体の改造兵士により崩壊させられた。
壊滅後も私は各地を転々としながら生物遺伝子工学の研究を続け、そのうちに、あることを発見した。
とある化学物質に私の血液を添加して作られた溶液は、それを注入した生物を私のような姿に変えることができるということを。
アフリカという土地に潜伏していたとき、実験用の猿に注射したところ微妙にキツネのようになった。
そして私は何種類もサンプルを作り上げては野に放した・・・・
それらはキツネザルと呼ばれ、自然界に適応している。
実験を繰り返しながら、私は考えていた・・・・・人間をキツネにしてやることを。
そうすれば、人間に化けて周囲に怯えながら暮らすことは必要なくなる。
そして人間をキツネ化して支配し、私は首領としてこの世界に君臨するの・・・・・
そうね・・・人体実験にはそうだ・・・お母様を殺した日本人とかいう人種にしてあげましょう・・・
そして、まず日本という国の支配を手始めにすべての国を支配してやる・・・・・
こうして私は日本へと向かった。


581:九尾の復讐4
08/01/19 05:22:35 4epJ9zWr0
東京・港区 関東テレビ
「・・・・・以上、福岡からでした。」
中継が終わり、東京のスタジオに切り替わる。
「はい、どうもありがとうございました。王手をかけた福岡ハードバンクファルコンズ、優勝できるでしょうか?
激戦の日本シリーズ、ファルコンズが今日勝てば五年ぶりの日本一です。ファルコンズファンは楽しみですね。」
司会の女性アナウンサー・三浦亜矢が笑顔でコメントする。
「お目覚めテレビ、もうお時間となりました。今日は全国各地、天気は晴れで気持ちのよい一日です。
これからお仕事のみなさん、いってらっしゃい!」
さわやかな曲調のエンディングテーマとともに手を振る亜矢の明るい笑顔で番組が終わる。


582:九尾の復讐5
08/01/19 05:43:16 4epJ9zWr0
「お疲れ様でした。」
亜矢は番組関係者との反省会を終え、同僚で一期後輩の小野美代子と雑談しながらアナウンス部に戻ろうとしていた。
「美代ちゃん、先に戻ってて。」
「うん、わかった。お疲れ様~」
美代子と別れ、トイレの個室に入ろうとしたときだった。
「亜矢ちゃん、久しぶりね」
声の主はかつて関東テレビの看板アナとして活躍し、今はフリーとなっていた大島春美であった。
「あ、春美さん、お久しぶりです。今日はこちらでお仕事ですか?」
「フフフ そうよ。別のお仕事・・・・・・・・・・」
彼女の笑顔に違和感を覚えた。それはとても不気味なものだったのだ・・・・・いつもの春美さんじゃない!
「わたしもお会いできてうれしいですわ。三浦義明の末裔、三浦亜矢・・・・・」
スカートスーツの似合う見知らぬ美しい若い女性がいつの間にか春美の横に立っていた。
この人はいったい何をいっているの?三浦義明?末裔?
「あのぉ あなたは?」
亜矢は尋ねた。
「フフフ 私は千年ほど前、あなたの祖先に殺された九尾狐の娘・・・・・」
顔がキツネのように変り、彼女の着ていたスーツが破れ、九本の尻尾を持つキツネの化け物が現れた。
「きゃ~~~~!」
亜矢は悲鳴を上げた。
春美に目を向けると、彼女の顔は狐祭りにでも参加する人間のように白塗りで、鼻筋から額かけての部分と
目じりには赤い隈取り模様が浮かび、三対のヒゲが鼻を中心として左右に生えていた。
頭髪はそのままだが、耳はキツネそのものである。
衣服が破れ、あらわになったその肉体は、太い一本の尻尾が生え、両手の爪は鋭く、胸部から下腹部にかけては
白い毛がびっしりと生え、それ以外の部分は黄色い毛で覆われていた。
「亜矢さん!どうしたの?」
美代子が悲鳴を聞きつけて他のアナウンサーや社員ととも女子トイレに入ってきたとき、
亜矢の姿はなかった。ただ、引き裂かれた衣類や狐のような黄色い毛が大理石調の床に散乱していた。


583:九尾の復讐6
08/01/19 05:46:20 4epJ9zWr0
東京・多摩地区 秘密アジト
都心から離れた閑静な住宅街の一角にある洋館。そこは元々、私が所属した組織のアジトの一つである。
組織の壊滅後、残党が経営する不動産会社が所有していた。幹部だった私を彼らは喜んで迎え入れられた。
私は実験を兼ねて、志願していたこともあり、下級戦闘員だった彼らを、キツネ怪人に改造した。
実験は成功だった。そして、彼らは新たな首領である私に忠誠を誓っていた。
洋館の地下にある手術室。そこの手術台に全裸の女性が拘束されていた。
「フフフ ようこそ  三浦亜矢さん。歓迎するわ。」
私は仇敵の子孫に話しかけた。
「こ、ここから出してください、お願いです・・・・・」
涙目で彼女は懇願する。
「本当は八つ裂きにして殺してあげたいところだけど、あなたは、自分の祖先が犯した罪を身をもって償うのよ。
私の寛大さに感謝するのね。フフフフフ。」
「身をもって償う?」
「そう、私の家来にしてあげるわ。キツネになって懸命に償うのよ。フフ」
注射器にキツネ化促進剤を詰め、彼女に注射した。
「い、いやぁーーーーーーー」
彼女の悲鳴が広い室内に響く。



584:九尾の復讐7
08/01/19 05:48:06 4epJ9zWr0
しばらくすると、徐々に亜矢のスレンダーな体に変化が現れる。
全身に黄色い毛がびっしりと生える・・・・・そして胸から股間にかけて生えた毛はさらに白く変る。
形の良い乳房は白い毛に覆われ、ピンク色の乳首が露出しているのみとなった。
「はぅあぁぁ~~~~」
亜矢は下腹部を激しく振って暴れる。白い毛で覆われているが、時折、ピンク色の割れ目も見える。
やがて、尻の尾?骨のある部分が変化をはじめ、それは一本の太い尻尾となっていった。
「フフフ さあ、身も心もキツネになるのよ・・・」
私は大島春美という名前だったキツネ人に洗脳装置のスイッチを押すように命じた。
我々には大変心地よく聞こえる音波が手術室に響き渡る。
「ぎゃぁぁぁぁぁぁ~~~~~~~」
人間には苦痛なようで、亜矢はまだ人間の名残を残している顔を歪める。
苦痛で歪んでいる顔はやがて白粉を塗ったかのように白くなり、
目じりと鼻筋から額にかけてのラインに赤い隈取模様が浮かび、
左右に三対の長いひげが鼻の下辺りから水平方向に伸びる。
「や、やめて・・・・・・た、たす・・・・・コ、コン、コン」
耳がキツネのように変形していく・・・・・・
「コン・・・コン・・・・コンコン・・コォ~~~~ン!」
やがて、顔もキツネ人と化した彼女は人間の理性を消失したかのようにキツネのように鳴き始める。
「フフフ またかわいらしいキツネの誕生ね・・・」 
改造が終わり、拘束を解かれた亜矢は私の足元に跪き、頬を摺り寄せていた。


585:九尾の復讐8
08/01/19 05:49:49 4epJ9zWr0
東京・文京区 桜女子学園
「おはよう~、千春。お先に~」
「あ、舞子。おはよう。」
自転車に乗った十七、八歳ぐらいのセーラー服の少女が声をかける。声をかけられた少女は上総千春。
彼女は校門を抜け、生徒用玄関へ向かう。
千春の通う桜女子高校は中高一貫教育の全国屈指の進学校で、東大や早慶に毎年多くの合格者を輩出していた。
テレビタレントの藤川怜もOGである。
センター試験まであと二ヶ月ちょいか・・・・・・千春は日々近づいてくる入試のことで頭がいっぱいだった。
教室へ入ると、先ほど自転車から千春と挨拶を交わした菊池舞子が手を振った。
「ねえ、知ってる?関東テレビの三浦亜矢がテレビ局から失踪したんだって。」
千春は鞄を自分の席に置いてから、舞子らの話の輪に加わった。
彼女たちは人気女子アナの失踪事件の話題で盛り上がっていた。
「変質者の仕業じゃない?女子アナオタクとかいるみたいし・・・・」
「ストーカーかな?・・・恐いよね・・・・・」
口々に言い合っていると、担任が入ってきた。そして朝のホームルームが始まった。
「今日は、インフルエンザの予防接種の日です。希望者は、昼休み、体育館に行くように。」
彼は連絡事項を伝えると、1限目の授業のクラスの教室へと向かった。


586:九尾の復讐9
08/01/19 05:51:39 4epJ9zWr0
昼休みになり、千春は席で次の授業で使う英文解釈のプリントの問題を解いていた。
「あれ、どこかに行ったと思ったら、舞子は受けてきたんだ?予防注射。」
教室に帰ってきた舞子に気づき、千春が言った。
「そうだよ。やっぱ、受けとくに越したことはないしね。」
他愛のない会話を交わしつつ、五限目の授業に入った。
そして授業中に異変は起こった。千春のクラス四十人のうち十五人ほどが床に倒れこみ、もがき苦しみ出した。
しかも、これは千春のクラスだけではなかった。他の教室でも同じ光景が見られ、生徒だけでなく教師のなかに
も異常を訴える者がいた。
「聡美、聡美ぃ~ しっかりして!・・・・」「山田先生、大丈夫ですか!・・・・・」「美香!どうしちゃったの!」
学校中、パニック状態となっていた。
そのうちに異常を訴えた者たちの体に異変が起こった・・・・
「キャァ~~~~!」
制服が破れ、毛で覆われた体が露出する・・・・
尻尾が生え出す者もいた。
苦しんでいる当人も周囲の者も驚いている・・・・・
「な、なんなの?これ・・・・」
「し、しっぽ?・・・え、これ私から生えてるの?」
「いやぁぁあ~~、見ないでぇ~~!」
あるものはショックのあまり言葉を失い、あるものは泣き叫び、あるものは発狂した・・・・


587:九尾の復讐10
08/01/19 06:04:47 4epJ9zWr0
「た、たすけて・・・・千春・・・・・・・」
「舞子、しっかり・・・・・」
千春は顔以外はキツネのようになったしまった親友を膝の上に抱いていた・・・・・
やがて、校内放送のスピーカーから不快な音が響き出す!
「きゃあ、なに、この音!」
頭を押さえてしゃがみこむもの、耳を押さえて叫んでるもの・・・・校舎内の人間がすべて苦しみ出す。
「コォ~~~~ン・・・・・」「コンコ~~ン!」「コン!・・・・」
体が変化していた者たちの顔にいよいよ変化が現れた。キツネ人となった生徒や教師が覚醒し出した・・・・・
キツネのような耳になり、ヒゲが生え、頭髪はそのままであるが、
顔は狐祭りに参加しているキツネのメイクをした人間のような顔に変ってしまっていた。
「コン、コーーーーン!」
「きゃ!舞子・・・そ、その顔・・・・」
舞子が千春から離れ、天井を向き四つんばいになって雄たけびを上げ出す。
不快な音波はいつの間にか消え去り、その後、キツネ人たちは自ら立ち上がって歩き出し、
残りの人間を人質に取るかのように出入り口をふさぎ始めた。
人間の姿でいるものたちは皆、恐怖のあまりに呆然としている。



588:九尾の復讐11
08/01/19 06:05:39 4epJ9zWr0
「コン、コーン!私は九尾狐。新しく仲間に加わったものたちよ!上総千春を捕まえてくきなさい!」
校内放送のスピーカーから私は命令した。
私は、にっくき上総広常の末裔、上総千春が通う高校を襲撃した。事前準備として
この学校に予防接種に訪れる予定だった医師や看護師を事前に拉致して、キツネ人に改造しておいたのである。
そして彼らにはインフルエンザのワクチンではなく、私の血で作られた薬剤を注射させていたのだ。
上総千春が予防接種を受けていれば楽に事は運んだのだが・・・・・・・
しかし、それも想定内のことだ。しもべに捕まえさせればよいだけのこと・・・・

「コーン、さあ、千春、首領様のところへ行きましょう・・・」
笑みを浮かべて、キツネ人となった舞子やクラスメイトたちが私に近づく・・・・・
「い、いや・・・・・いやぁ~~~!」
千春は逃げようとしたが、多勢に無勢、あっさりと捕まってしまった。
両脇を舞子と元クラスメイトの一人だったキツネ人に両脇を抱えられ、体育館へと連行された。
体育館のステージには綺麗な若いスカートスーツ姿の女性が立っていた。


589:九尾の復讐12
08/01/19 06:06:35 4epJ9zWr0
「待ってたわよ。にっくき上総広常の末裔、上総千春!」
私は母の仇の子孫を睨みつける。そうだ、面白いことを考えたわ。
「コ~ン!キツネ人はみな、人質を見張っている者以外、体育館に集まってください!」
私はシモベどもを体育館に集めた。
「コ~ン、舞子キツネ!上総千春の服を全部剥ぎ取れ!」
「コーン、わかりました!首領様!コォ~~~~ン!」
「や、や、やめてぇ~~舞子ぉ! いやぁ~~~~~~!」
私はシモベの一匹に命じて、上総千春を全裸にした・・・・
「これから、裁判を始める!コォ~~~ン!」
元校長だった熟女キツネ人が宣言する。
「首領様の聖母、玉藻前様を、ここにいる上総千春の祖先が殺めた罪についてです!コォ~~ン!」
「コォ~~~ン!死刑よ!」「八つ裂きの刑よ!コ~ン!」
キツネ人たちが騒ぎ立てる
千春は年の割には豊満な胸と股間を手で隠し、うつむいていた。
ついさっきまで仲良く話したりしていた親友の舞子やクラスメイトたちまでもが
人格が変ったかのように自分を罵倒する光景に大きなショックを受けていた。
「コォ~ン!静粛に!」
元校長のキツネ人が静めようとしたそのとき、
「コ~~~ン!待ってください!」
元人気女子アナウンサー三浦亜矢だったキツネ人が発言した。
「コ~ン、私の祖先もこの上総千春の祖先と同様、大罪を犯しました。しかし、首領様の寛大な措置でこうして
キツネにしていただき首領様のために日夜、奮闘しております。どうかこの娘にも私めと同様、寛大な措置を
お願いいたします。コォ~~ン・・・・・」
あ、この人は!・・・・彼らに拉致されていたんだ・・・・・・・・
千春を戦慄の恐怖が襲った・・・・自分も彼らのようにキツネにされてしまうの?
いやだ・・・キツネになんかなりたくない!
「亜矢キツネ、よくわかったわ。お前に免じて、この上総千春も仲間にしてあげましょう。」
「コォ~~~~~ン!ありがとうございます!首領様!」
キツネ人となった三浦亜矢は心底喜んでいるようだった。
イかれてる・・・・この人、いや、この化け物たち・・・・・千春は思った。


590:九尾の復讐13
08/01/19 06:16:05 4epJ9zWr0
私はこの戯れに考えた遊びが思ったほど楽しくなかったので、この仇敵の子孫を手始めに
まだシモベになっていない人質どもを大勢のキツネ人が見守る中でステージ上で全裸にし、磔にして
公開改造してやった。
「コォ~~ン!」「コンコォ~~ン!」
次々、人質たちはキツネ人に改造されていった。
「コォ~~~~ン!首領様。私もお仲間にお加えいただきありがとうございます!コォ~ン」
上総千春という名前だったキツネ人が公開改造の間、ずっと私のつま先を舐めていた。

「君たちは完全に包囲されている!無駄な抵抗はせずに大人しく投降しなさい!」
どうやら、うまく逃げ出した人質がいたのだろうか、警察に通報したらしい。
SATとかSITとやらが突入してきたら捕まえて、キツネ人にしてやろう。

ドーン! 早朝の五時ぐらいであろうか・・・体育館の通用口のドアが吹っ飛んだ。
そこからMP-5Kサブマシンガンで武装したSATの隊員が突入してきた。
「コーン!」
そこには不敵な笑みを浮かべた元名門女子高の生徒だった百体ものキツネ人たちが闇に目を光らせて待ち構えていた。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・・・・・!」
まだ、夜も明けきっていない薄暗い女子高のあちらこちらでSAT隊員の悲鳴が響きわたった。


591:九尾の復讐14
08/01/19 06:17:33 4epJ9zWr0
京都市郊外・安部邸
「成正殿、雪乃さん どうやら古より存在する魔物がこの国に災いをもたらそうとしているようです。」
仕立てのよいスーツを着た紳士が数多くの骨董品が飾ってある客間でテーブルを挟んでこの大きな純和風の屋敷の
主である父娘と話していた。
「やはり千年の時を越え、復讐にやってきたようですね。それも近代科学と融合して、よりタチの悪いものになって。」
この家の当主が言った。
「そうなんです。あの魔物は本来単体のはずなんですが、どこでその能力を手に入れたのか、
人間を眷属(けんぞく)にして操っています。」
紳士が困った表情を浮かべて言った
「とにかく私たちの出番ということですね。曾根田のおじ様。」
娘が口を開いた。
「おっしゃるとおりです。成正殿。 警察のSATや自衛隊さえやつらにはかなわなかったのです。」
「私たちにお任せください、曾根田総理。彼らではオカルトには対応できないでしょうから。」
当主は言った。
当主の横に座っていた巫女の姿をした二十歳の若い娘は黙って立ち上がり、
彼女の屋敷の日本庭園の片隅にある大きな岩に向けて右腕を伸ばし手のひらを開き、目をつぶって何かを念じる。
バリバリ!
岩に亀裂が入り、砕けた。
安部成正・雪乃親子は陰陽師・安部泰成、もう一つの清明という名前のほうが世間に知れ渡っている
特殊能力者の末裔であった。彼女は一族のなかで唯一、特殊能力が使えた。
「おじ様、こちらから出向かなくても奴らの方からこの京都に乗り込んできますわ。」
「そうか。政府にできることがあったら遠慮せず何でも申し付けてくれ。」
「うふふ。ありがとうございます。おじ様。」


592:九尾の復讐15
08/01/19 06:31:06 4epJ9zWr0
三時間ほどこの屋敷に滞在したあと、
この国の権力の頂点に立つ男は、公用車センチュリーに乗り、京都府警のパトカーの先導により去っていった。
「雪乃よ。何がなんでも魔物を討ち果たすのだぞ。」
「はい。お父様」
黒塗りの高級車を見送りながら親子は会話を交わした。


593:九尾の復讐16
08/01/19 06:33:03 4epJ9zWr0
総理が屋敷を訪れてから三日ほど過ぎた。
「ごめんください。関東テレビと申します。京都の庭園という企画で取材に上がりました。」
関東テレビの撮影クルーが安部邸を訪れた。
「すごいお庭ですね・・・・・」
リポーターとしてやってきた小野美代子というテレビでよく見る女性アナウンサーが言った。
「キツネでも出そう?」
安部雪乃は彼女に言った。
「分かっているのよ、貴方がたが魔物の眷属であるということは!・・・・・・」
「ばれているのなら仕方ない!コォ~ン!」
雄たけびを上げ、彼らの衣服が破れ、彼女をはじめ撮影スタッフがキツネ人の姿に変わる。
「哀れな・・・」
不幸にもキツネ人にされてしまった彼女らに同情しつつ、彼女らをこのような醜い姿に変えた魔物に対する憎しみが増した。
「コォーン!」
飛びかかってくるキツネ人をサイコキネシス波で打ち倒す!
小野美代子、かつては「オノミー」と親しまれた人気女子アナだったキツネ人は頭を吹き飛ばされた。
頭部を失った女のキツネ人の死体が足元に転がった。
彼女の父、安部成正も五体のキツネ人を倒した。彼は霊槍「物怪の槍」の使い手であった。
近代兵器で一体も倒せなかったキツネ人を六体、親子であっさり葬り去った。


594:九尾の復讐17
08/01/19 06:35:01 4epJ9zWr0
「まだ、来ますね・・・・お父様。」
「ああ、途轍もない邪気を感じる。」
「コ~~~ン!」「コォ~ン!」「コォ~~~~ン!」
同時に何体ものキツネ人が姿を現した。
ちぃ!どれだけ居やがる・・・・
成正は槍を振り回し、打ち倒していく。だが、倒しても倒してもキツネ人は次々と雲霞のごとく湧いてくる。
「ぐはぁ!」
「お父様!」
成正は不意を突かれ、脇腹を深く抉(えぐ)られてしまった。ついに彼は力尽きた・・・・・
「雪乃・・・・ま、魔物を・・・・必・・・ず・・・グフッ!」
口から血を吐いて彼は絶命した。
彼を倒した、上総千春と呼ばれていたキツネ人が返り血を浴びた長く鋭い爪を舐めていた。
「フフフフ やはりお母様を倒した陰陽師の一族の末裔は手強いわね・・・・・」
スカートスーツ姿のロングヘアの若く美しい女性が雪乃の目の前に現れた。
雪乃の父を倒した女のキツネ人は彼女に頬ずりしている。
「オカルトと近代科学の融合した化け物め!私が退治します!安部家の名にかけて!」


595:九尾の復讐18
08/01/19 06:36:11 4epJ9zWr0
・・・・人間の分際でこしゃくな奴だ。
「フフフ、どうかしら?一人で何千体も倒せるかしら?」
私は彼女に抵抗が無駄なことをわからせてやりたかった。
「な、何千体ですって?」
彼女は少し動揺した。
「我々は大量に仲間を作り出せる方法を編み出したのよ。」
「ど、どういうこと?」
「冥途の土産に教えてあげるわ。キツネ人は私の血液を元に作った薬剤を人間に注入することで作られるの。
でもね、その薬剤を気化させたものを吸い込んだ人間もキツネ人に改造できることがわかったの。
しかも特殊超音波を使って精神を覚醒させるまでの時間を短縮させる必要もなくなったわ。
ここへ来る途中、実験がてら、この京都とかいう町に散布させてもらったわ。フフフフフ。」
「な、なんですってぇ!」
私は本来の九尾狐の姿になった。
「おのれーっ!」
巫女装束の彼女は渾身の力を込めてサイコキネシスを私に放ってきた。
私の前にいたキツネ人たちを粉砕しながらサイコキネシス波が私に向かってきた。
しかし、私もサイコキネシス波を打ち返した。
サイコキネシス波同士が衝突したが、私の放ったほうのが強く、そのまま彼女を直撃した。
「む、無念・・・・・・・・」
彼女の巫女装束の白い上着、赤い袴は破れ、ボロボロとなり、力尽きた。
首領の私さえ倒せば、何とかなると思って全身全霊をかけてサイコキネシス波を打ったようだけど、それは飛んだ勘違いよ。
私が仮に死んでも彼らは生きていけるの。彼らの中からやがて九尾のキツネが現れ、新たな首領となるわ。
フフフ まあ、何はともあれ、有能なシモベを手に入れた。冥途の土産とはいったけど、死なせないわ。


596:九尾の復讐19
08/01/19 06:36:53 4epJ9zWr0
キツネ化促進ガスの登場により、爆発的にキツネ人が増えていた。東京、横浜、名古屋、京都、大阪・・・・・・
主要都市はキツネ人に制圧されつつあった。特に京都は、陰陽師を倒すのに住民をキツネ化する際に、
キツネ化促進ガスが大量に使われたため完全に九尾狐の支配下となっていた。
皇族はスイスへ避難し、永田町や霞ヶ関の要人たちはかろうじて難を逃れ、福岡に一時的に政府機能を移していた。
さらにアメリカ軍が支援に加わったことで態勢を立て直した自衛隊が、キツネ人と各地で戦闘を繰り広げていた。


597:九尾の復讐20
08/01/19 06:48:48 4epJ9zWr0
福岡市・仮首相官邸
「目を覚まされましたかな?」
総理大臣が優しく声をかける。
雪乃は安部邸の敷地で一人倒れてるところを救援に来た自衛隊の特殊部隊によって救助されていた。
「ご無事でよかった。お父上は残念ながら・・・・・・・。」
総理大臣は言葉に詰まった。
「はい、存じておりますよ。天罰が下ったのでしょうね・・・・」
「天罰?」
奇妙なことをいうなぁ・・・・総理は不思議そうな顔をした。
「情報に寄れば、安部邸にはキツネ化した市民が何千体も襲ってきたそうだね。
君、一人で、撃退したのかね?私が応援に寄こした陸自の特殊作戦群が駆けつけたときには
君がボロボロの状態で倒れていたそうだが・・・・・」
「撃退なんてしていませんよ?曾根田のおじ様。私は・・・・・・・・・・」
彼女の衣服が破れ、顔が真っ白に変り、赤い隈取模様が浮かび、耳がキツネのようなものに変る。
女性SPが拳銃を構え、総理を守るように前に立つ。
「コォ~~~~ン!」
雪乃は驚異的な数で押し寄せてきたキツネ人に敗れ去り、捕らえられ九尾狐によって改造されていた。
「首領様のシモベにしていただきましたの。内閣総理大臣、曾根田晋一郎!死んでいただきますわ・・コォーン!」
「雪乃さん、君まで魔物の眷属になってしまうとは・・・・・」
総理は愕然とした。
パンッ!パンッ!雪乃だったキツネ人にスイス製拳銃P230が火を吹く。
「コ~ン!無駄よ、そんなもの」
女性SPは動揺している様子も見せず、職務に徹し、キツネ人に銃口を向けている。
「コ~ン!そんなに恐い顔をしないで・・・・・」
キツネ人は改造され、さらに威力を増したサイコキネシス波を女性SPに食らわせる。
彼女は拳銃を握ったまま気を失ってしまった。
「フフフ あとで仲間にして差し上げますわ。」
サイコキネシス波でSPたちを倒していく。
「フフフ もう貴方だけですわ・・・・曾根田のおじ様。」
もう何もかも悟ったように内閣総理大臣・曾根田晋一郎は目を閉じた。


598:九尾の復讐21
08/01/19 06:50:10 4epJ9zWr0
「コーン!」「コーン、コォーーーーン!」
自衛隊や米軍の抵抗むなしく福岡市は一夜にして制圧された。
天神地区の渡辺通りの交差点では撃墜された米陸軍の攻撃ヘリAH64Dアパッチ・ロングボウの残骸の上で
三浦亜矢だったキツネ人が四つんばいになり、遠吠えしていた。

京都・安部邸
「人間どもの権力中枢に潜入させたキツネ女が作戦を成功させました。コーーーーーン!」
キツネ人が首領に報告する。
「首領様、もう三日もすればこの国は我々のものですね。コーーーーン!」
上総千春だったキツネ人が私の足元に四つんばいになって膝あたりに頬ずりをしている。
私が顎の下をなでてやると、彼女は目を細め気持ちよさそうにしている。
・・・・ついにやりましたわ。この国の要人どもはすべて抹殺しました。
お母様、この国はもうすぐ私の支配下となります。
私は物思いに耽っていた。


599:九尾の復讐22
08/01/19 06:51:06 4epJ9zWr0
アメリカ合衆国ワシントンD.C ホワイトハウス
「そうか・・・・仕方あるまい。日本にいる部隊に撤退命令を出せ。」
側近からの報告を聞いた合州国大統領ギブソンは国防長官に指示した。
「もうあの国の指導部は崩壊し、東京市場はすべて取引停止の状態だ。国家としての機能はもはや喪失している。
同盟国として我々は手を尽くしたが、これ以上の成果は望めない。」
そして、あの得体の知れない魔物を野放しにしておけば世界の秩序を乱すどころか、
人類自体の存亡の危機だ。すでに主要国すべてのコンセンサスを得ている。
「大がかりなフォックス・ハンティングをやってくれ。」
大統領の指示を受けた国防長官は、太平洋で待機中の戦略原潜「アラバマ」に命令を下した。

京都・安部邸
「コ~ン!首領様、札幌と仙台が陥落しました。コ~~~ン!」
三浦亜矢だったキツネ人が報告してきた。
フフフ、いよいよだわ。居心地がいいのか、私は陰陽師親子を倒して以後、この広い屋敷を根城にしている。
そして、母も愛したこの都で支配者として君臨することに私は決めていた。
広い庭に出て、景色を眺めているとき、上空に強烈な閃光が走った・・・・・・
私のそれ以降の記憶はない・・・・・・人間も殺生石のようなものをつくりあげたのかしら・・・・・
<了>


600:蟻蜂フリーク ◆7zOBxxtxo2
08/01/19 06:56:49 4epJ9zWr0
以上です。
色々なものを放り込んで辻褄を合わせていったらこうなりましたっという
感じの作品です。元ネタを探してみるのも案外面白いかもしれません^^;

ただ、キツネザルのくだりは、そんなわけねーだろ!っと自分で突っ込みを
入れながら書いていましたw

601:maledict ◆sOlCVh8kZw
08/01/19 06:58:36 Zra6uXkA0
>>578-599
さっきふと目が覚めて携帯からチェックしたら投下中だったので
あわててパソコンつけました。
携帯から見たので前半のレスで全文読めてないのが一部ありますが、とりあえず一言。

すっげえ!!

602:maledict ◆sOlCVh8kZw
08/01/19 09:44:17 Zra6uXkA0
>>600蟻蜂フリーク様
市街地にガスをまいて大量改造というシーンは実は以前「ガス改造」のネタを聞いて
「外伝の外伝」でやってみようと思っていたネタでした。
こんな便利なものがあるならいちいち手術台に乗せたりしないで
THE NEXTのナノロボットみたいにばらまいちゃえばいいじゃん、と。
思ってるうち、作者がちゃんと見たいシーンを描いてくれました。

気が乗らなければ無理にとは言わないけど、蟻蜂フリーク様なら
あの蜂女の話をかけるかもしれないとちょっと思いました。
僕はちょっと気が引けるし、能力的にも無理そうですが

603:名無しより愛をこめて
08/01/19 11:37:24 GYYa7Cu50
>602
「あの蜂女の話」kwsk

604:名無しより愛をこめて
08/01/19 12:07:08 WkugOyYE0
>>602
NEXTのことなんですがchiharuっていったいどうなったんですか?
ネタバレなんですけど教えてください!!

またスレ違いでごめんなさい


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