仮面ライダーバトルロワイヤル Part5at SFX
仮面ライダーバトルロワイヤル Part5 - 暇つぶし2ch862:名無しより愛をこめて
07/07/25 06:58:18 Jh25FFC10
>>861
いや、カブト本編でやってないことをやってるのはかなり前からだ
パロロワ補正で剣の行動が原作と変わった(これは問題ないと思う)延長で
擬態能力まで原作と違う方向にどんどん応用されつつあるのが気になった

この先の書き手さんには、できればここまでと矛盾しない程度に
擬態の乱用を控えるようお願いできないだろうか
つじつまが合わなくなってしまう場合は仕方ないけども
少なくとも今以上の応用はなし、にしてほしい
剣が最後のマーダーになったらラスボス補正で暴走させるのもありだけど

で、次回を始める前に能力の制限をもっとはっきりさせるという方向で


個人的には、剣がひっかかる(あくまで引っかかる、程度)以外は
誰が何しても好きキャラがぼこぼこ死んでも面白いし燃えるから全然腹立たない
今回もくっそ浅倉やりやがったな、貴様も死ねぇ!って思いながら読んでたよ
(快楽マーダーの描写にこう感じたってのは褒め言葉だよな)

863:名無しより愛をこめて
07/07/25 09:08:13 J9bm9dVM0
TJ9qoWuqvA氏、いつもながらGJ!!

雅人登場で木野がまたとち狂うかと思ったが…よくがんばった。合掌。
そして今回ほど思ったことはない。草加…頼りになるなあww
TVシリーズでも澤田裏切り、真理死亡、巧の正体バレで全員ショック受けてる時
一人三原を叱り飛ばして飯ガツガツ喰ってたのを思い出す。

864:名無しより愛をこめて
07/07/25 09:57:03 BKAMkk9c0
>>862
なら具体的に指摘してください。
どこが原作にないような能力なのか具体的に。
さもなくば今以上の応用はなしにする根拠がありません。

865:名無しより愛をこめて
07/07/25 12:31:27 +sDCli4TO
擬態の乱用って騒ぐ程使ってないと思うが?
そりゃ剣がいろんな奴に擬態しまくって大虐殺を行ったら問題だけど彼の性格上有り得ない。

866:名無しより愛をこめて
07/07/25 17:54:15 lBwXNY6x0
今のところ原作にない(と思われる)能力って
擬態した人格が本来の人格とは別の存在のように表現されてて
擬態っつーより多重人格者っぽくなってるところらへんかな?
能力的には原作とかけ離れてるとは思わないけど・・・

867:名無しより愛をこめて
07/07/25 18:53:25 cxy7FkZ5O
多重人格っぽいのはカブト原作のウカ姉さんこと間宮麗奈の話にもあったけどね。


荒れるんだから最初に毒吐きでやってからがよかったな。

868:名無しより愛をこめて
07/07/25 19:04:57 Jh25FFC10
>>867
俺もそう思ったんだけど、なんかしたらばに書き込めないんだよ
つか、この程度で「荒れる」というか?
もっとフルボッコを覚悟してたんだがw

すでにやってしまったことは仕方ないし
最終的には面白ければ何でもありがパロロワ
実際今の時点では明らかに面白さが上回っているので
割と「あれ、なんか変……ま、いっか」的な感じなんだけど
やっぱこれ以上やり過ぎないように配慮してもらえると嬉しいかなあ、ぐらいのつぶやきなのよ
書き手さんに注文つけたいまでは行かなくて、軽く希望するぐらいの感じ
その程度という前提で、俺が違和感感じたとこね
俺は本編しか見てなくてムックとか全くカバーしてないから
そっちでこの辺に関する情報が出てたならわかる人に訂正してほしい

バトロワとしてありなもの
・剣のマーダー化
・剣があれだけ嫌悪していたワーム能力を(人前でも)がんがんつかう
この辺は、初期のSSが投下された時点で言われてたよね
確かに違和感はあるけど、バトロワだし、で俺はスルーできた
・記憶の継承=魂がどうのみたいな言い方、人格の完全維持
カブト本編では多重人格的なものになる可能性があること(ウカのケース)は臭わされているけど、
魂・人格の完全継承維持みたいな非科学的でロマンチックなものかどうかは不明
特にカブトって割とSFっぽさを前に押し出した世界観だから魂とかはなさそう
でも書き手の解釈としてそういう扱いはありだと思う

869:名無しより愛をこめて
07/07/25 19:06:12 Jh25FFC10
これはどうよと感じたもの
・複数人格の自由な切り替え
カブト本編でA→B→Cと複数の人間に順番に擬態することはあったが
一度BやCになった後Aに戻ったことはなかったと記憶している
実際、過去ログか避難所で3話で実例があったというから確かめたが
あくまで擬態を「乗り換え」ただけであって「切り替え(以前の擬態に戻る)」はしていなかった
主人格をスコルピオではなく剣として、剣にはいつでも戻れるとするまでは
一応ありだと思うが(個人的にはそれすら微妙だが、書き手の解釈の範囲)

・殺すつもりのない人間への擬態
ワームの擬態は「殺してその人間と入れ替わる」ための能力
その時点で人前で擬態能力を見せびらかすのも変なのだがそこまではバトロワ補正として、
戦術としてなりすます「だけ」が目的で殺す気も入れ替わる気もない相手に気軽に擬態し
その後擬態相手に本能的な殺意すら抱かないのはあまりに不自然
擬態を「姿と技能を継承する便利能力」としてしか捉えていないよね

さらに各SSでいまだに剣崎の「人格」が強く維持されているのと比較して考えると
結城を擬態したことに関しては精神的な影響が言及されてないから統一性がない
これも余計に「ご都合主義で不自然」と感じる由縁かな
この先、結城に会った剣が本能を押さえきれず優先的に殺害に走る、というフラグにするなら
結果としてありなんだろうけど
SSの中ではっきりとそういうフラグを立ててあったわけじゃないわけだ


870:名無しより愛をこめて
07/07/25 19:08:10 Jh25FFC10
「殺す気もないのに擬態した」と原作にある「擬態した後殺そうとして殺せなかった」は全く別物で
後者の場合擬態したワームはかならずオリジナルの人間を殺しに来る習性があり
それがキモになったエピソードも多い
「擬態=本人の死」と「擬態ワーム=記憶(人格)の継承」をどう解釈するかは
カブトの多くのキャラ(特に加賀美、剣、天道の選択)の行動原理、
ひいてはシリーズ全体の流れを決定づけてさえいる
「殺す気はないけど擬態」はそういうものを全部吹っ飛ばしちゃう
他作品で言えば、例えば剣崎が「強くなれるし俺ジョーカーになっていーじゃん
始とか世界の滅亡とか関係なしで」って言い出す位の、原作のキモ吹っ飛ばしだと思う

最初に擬態能力の拡大解釈を始めた人が
カブトを良く知らなかったんだと思うけど(複数への擬態はありか聞いてたよね)
だからこそ、「これはやっぱ違うんじゃね?」って感じた時は
注意喚起するのも必要じゃないかなと
極端な話、「剣は大集団と顔を合わせてるから
もう大集団全員擬態できることにしちゃえ」って言い出されたらどうよ
実際問題、天道が死んだ時に剣に天道を擬態させたら、って発言する人もいたわけで
この先、既に拡大解釈がされていることを盾に、死んだ人間を自由に出せる便利能力として
手軽に擬態を使おうとする書き手さんが出て来ないとは言い切れない
そうなる前に、それはやめといたほうがよくねって言っておくのも大事だろうと
(だいたい死人がほぼ無制限によみがえる手段なんてバトロワとしても興ざめだ)

別に「これは原作と違うから全部書き換えろ」と要求したいわけじゃなくて
「そっか、そういうもんだったんだ。ちょっとセーブすっか」って
書き手さんに軽く意識してもらえたらいいな、と思っただけ
特定の書き手さんを非難するつもりはないし
ましてや今回のSSに不満はない


871:名無しより愛をこめて
07/07/25 19:25:33 UtZjFO0I0
不満がないならはじめから余計な事を書くな。
結局は文句タラタラじゃねぇか。

自分の言った事について謝罪もしないし
お前は烏丸所長か。

872:名無しより愛をこめて
07/07/25 19:31:40 ZuQD9FTG0
>確かに違和感はあるけど、バトロワだし、で俺はスルーできた
初期の話でマーダーになった理由もワームとしての能力を使うのを躊躇わない理由も描写されてる。
違和感があると言うならその理由の方について指摘すべき。

>魂・人格の完全継承維持
神代剣の人格=スコルピオワームが受け継いだ剣の人格ですが?
「もともとはもっと別の人格だったんだよ!」とか言いませんよね?

>・複数人格の自由な切り替え
出来るとは確定していないけど出来ないとする確たる根拠も無い。

>・殺すつもりのない人間への擬態
これについては確かに要補完。つーか、それで済む。

言ってることは分かるんだが、言い方があまりに最悪。(剣は厨性能~etc)
何の為に毒吐きがあると思ってるんだ?
本スレで指摘するのは100%確実に要修正であるポイントだけをまとめてからにしろ。

873:名無しより愛をこめて
07/07/25 19:34:30 Jh25FFC10
作品に不満(疑問)があるかどうかと、いまの状況に不満(疑問)があるかどうかは別
俺はいまの状況に疑問があるから、それを提示した
その疑問を具体的に説明しろと言われたから長々と説明しただけ

疑問の内容が間違っていると明確に提示されたら、その時、間違いについては謝るよ
だが疑問を持ったことに関しては謝らないし、そもそも謝ることじゃないだろ


874:名無しより愛をこめて
07/07/25 19:48:17 cxy7FkZ5O
その疑問を長文で張り付けられるのが迷惑。
毒吐きならともかく、本スレなのに。
あんたが正しいからって話的に面白くなるわけじゃないし。

書きやすい、読みやすい状態を崩したことにみんな怒っているだけだろ。

875:名無しより愛をこめて
07/07/25 19:50:56 IueV7ur40
ストーップ。
これ以上はスレを無駄に消費するだけ。
したらばに書き込めないんだったら、避難所や総合のほうに行ったらどう?

876:名無しより愛をこめて
07/07/25 20:14:34 Jh25FFC10
取りあえずしたらばはだめだが避難所は書き込めるようなので
誘導された通り、あとの細かいことはそっちに書くな

とりあえずこれだけ
>>872
>(殺すつもりのない人間への擬態)については確かに要補完。つーか、それで済む。
いずれ補完してもらえるなら、言い出しっぺ冥利に尽きる

877: ◆TJ9qoWuqvA
07/07/25 21:40:16 5c/Ke82w0
流れぶった切り。

状態表、>>854

>[状態]:中程度の負傷。胸に大火傷。気絶中。一時間変身不可(ガタック)。

>[状態]:中程度の負傷。胸に大火傷。一時間変身不可(ガタック)。

に変えてください。

>>861にある指摘どおり、神城の状態表に

※2:神代剣は結城丈二への擬態能力を得ました。但し、変身は出来ません。
※3:神代剣は首輪の解除方法を得ました。但し、実勢に首輪を解除できるかは不明です。

を追加してください。見落とした。

878: ◆vHOqGgdf1U
07/07/25 23:04:35 gZ4NllMe0
遅ればせながらGJです。
それぞれがそれぞれの行動指針を持って、次なる戦いへと向っていく様は上手いなと思いました。
特にひより。今まで守られていたお姫様がこれからどう絡んでいくのかが楽しみでなりません。

修正箇所は追加して置きます。でも、『実勢』……誤字脱字には気をつけますorz


それでは投下いたします。。。

879:月はどっちに向いている ◆vHOqGgdf1U
07/07/25 23:05:26 gZ4NllMe0
 整地された土地に建つ、いくつかの遊具。
 すべり台、ブランコ、ジャングルジム。
 どれも建てられてからそれなりの年代が経っているのだろう。塗装は剥がれ、金属部分には錆が見られる。
 だが、それを使う子供たちには些細なことだ。
 きっと、太陽が天に輝く時ともなれば、遊具に群がり、思い思いの方法で遊ぶことだろう。

―この世界が戦いの場となっていなければ。

 カチャ、カチャという足音と共に、男を肩に担いだ銀色の怪人が公園に現れた。
 銀と黒とに彩られた身体に、エメラルドの輝きを持ち、昆虫を思わされる複眼。
 銀色の怪人の名はシャドームーン。
 ブラックサンと共にゴルゴムの世紀王として、生まれ、次期創生王となるべく、ブラックサンと戦う運命にある男。
 ただ、今のシャドームーンには記憶はない。あるのはブラックサンである仮面ライダーBLACKRX―南光太郎への復讐心のみ。
 今、彼はRXとの決着を着けるための餌として利用することに決めた男を担いでいた。
 シャドームーンに担がれた男は右腕がなく、右腕の付け根と腹からは血がポタポタと垂れている。
 公園の地面に落ちていく赤色の血。それはたちまち地面へと吸い取られ、血の匂いを染み込ませていった。
 片腕の男の名は結城丈二。
 元デストロンの科学者ながらも、その命がけの行動により、仮面ライダー4号の名を持つ男。
 だが、彼は自らの意思で、シャドームーンに敗れ、瀕死の重傷を負っていた。
 二人が向かう先は公園の隣に位置する雑居ビル。RXを誘い出す場所に指定した建物。


880:月はどっちに向いている ◆vHOqGgdf1U
07/07/25 23:06:09 gZ4NllMe0
 ここでシャドームーンは自分の宿敵が現れるのを待つ。

 雑居ビルに入ると、シャドームーンは適当な場所へと、結城を放り投げる。
 ドサッと音がすると、結城の口からわずかに呻き声が漏れた。
 だが、シャドームーンは特に気にせず、柱に身体を預け、座り込む。
 それから何も起こらず、何もせず、30分程の時が流れた。
 突如として、静寂に包まれる空間を破る声が響き渡る。3回目の放送だ。

―北岡秀一さん、城戸真司さん、グランザイラスさん、橘朔也さん、天道総司さん、ドクトルGさん、日高仁志さん、水のエルさん。
  以上、八人死んじゃって、残り二十七人となりました~―

 シャドームーンにとって、誰が死んだかなどどうでもいいことだが、今回の放送にシャドームーンは安堵する。
 南光太郎の名が呼ばれなかったことではない。もとより南光太郎はそう簡単に死ぬ男ではなく、心配などしていなかった。
 シャドームーンが確認したかった名前は相川始。彼がメッセンジャーを頼んだ男だ。
 傷を癒す間だけ、わずかな期間の同盟関係。そのはずだったが、南光太郎と同じ場所に向かうと言う彼に伝言を託した。
 自分が結城丈二を人質にとり、ここで待っていることを。
 死んでいないのなら、伝言は伝わったのだろう。安心して待てるというものだ。
「て、てんどう……」
 声のした方を向くと、結城が口をパクパクさせていた。どうやら意識を取り戻したようだ。
「起きたか、結城丈二」
「シャドームーン……俺を殺さなかったのか?」
 かすれた声でシャドームーンに訪ねる結城。どうやら傷は深いらしい。
 だが、シャドームーンはそんな結城の様子にもまったく意に介さない。淡々と質問に答える。
「勘違いするな。お前は南光太郎を誘き寄せるための人質だ。今度は俺がお前を利用してやる」
「……そういうことか」


881:名無しより愛をこめて
07/07/25 23:06:36 5c/Ke82w0
  

882:月はどっちに向いている ◆vHOqGgdf1U
07/07/25 23:06:58 gZ4NllMe0
 シャドームーンの発言に結城は苦い顔をした。
 あの時、結城は死を覚悟していた。にも関わらず、生きているということはシャドームーンが止めを刺さなかったということだ。
 その事実にわずかな希望を見出したのだが、どうやら勘違いだったようだ。
(南、奴を仮面ライダーにするのは中々難しいぞ。それにしても……)
 結城は先程の放送内容を思い出す。
 告げられた天道という名前。告げられなかったドラスという名前。
 一体、ドラスとの戦いで何が起こったのか。まだ戦闘中なのか、それともドラスに逃げられたのか。
 本当ならすぐにでも研究所に駆けつけたかった。しかし、それは出来ない。
 シャドームーンの人質になっているというのもあるが、一番の理由は自分の身体だ。
 右腕は肩からばっさりと斬られ、もうそこにはなく、腹は貫かれ、今でも血を垂らせていた。
 身体からは冷たい汗が吹き出ており、咽喉はひどく渇いている。
 いくら改造人間といえども、このまま放っておけば、死は免れない。
 自分の状態の分析を終えると、結城は来ていた南光太郎のジャンバーを脱ぎ、破る作業に入った。
 左腕で服を掴み、歯の力で破っていく。服から布となっていくジャンバー。
 それを時には紐に、時には当て布に、時には包帯として、自分の身体に応急処置を施していく。 
 傷口は持っていたペットボトルの水で洗った。そして、残った水で咽喉の渇きも癒した。
(とりあえずこれで処置は完了だ。完璧とはいえないが、死ぬことはあるまい)
 応急処置を終えた結城は改めて、シャドームーンを見る。
 シャドームーンは柱を背に、休息をとっているようだ。
「シャドームーン」
「なんだ」

883:名無しより愛をこめて
07/07/25 23:07:21 5c/Ke82w0
  

884:月はどっちに向いている ◆vHOqGgdf1U
07/07/25 23:07:40 gZ4NllMe0
 結城にはいくつか確認しておかなければならないことがあった。
「さっき、南光太郎を誘き寄せると言ったが、どうやってやるつもりだ?南は俺とお前がここにいるということを知っているのか?」
「そんなことか。それなら研究所に行くという奴に伝言を頼んだ。お前を返して欲しければ、ここに来いとな」
「それは首輪探知機の持ち主か?」
「そうだ」
 なるほどと、結城は思う。シャドームーンは最初に会ったときから、今まで、ディパックを持っている様子がない。
 おそらくシャドームーンにとって、支給品や食料など、どうでもいいものなのだろう。
 だが、そうなると首輪探知機を持っていた説明がつかない。ならば、答えは簡単だ。襲撃を掛けた時、もう一人誰かがいたのだ。
「そいつの名前は?」
「そんなことまで言う必要はない」
(さすがに相手は明かさないか。だが、首輪を探知する装置を持っている参加者がいるというのは重要な情報だ。
 持っている候補者としては、相川始、ガライ、キング、ジェネラルシャドウあたりが有力か?)
 残る参加者は半分。考えれば、ある程度の予測はつく。少なくとも敵側が持っていることは頭に留めておいた方がいいだろう。
 結城が考えをまとめるため、しゃべるのを辞めると、シャドームーンも黙る。
 そのことから結城は、本当にシャドームーンはRXを倒すことしか考えていないのだなと思う。
 記憶を失っているせいもあるのだろうが、シャドームーンには自分というものがないのだ。
 RXを倒すという復讐心のみが唯一の拠り所。
(だが、もしそれが満たされたときには、きっとこいつは壊れる)
 結城はもう一度ある決意をする。それはシャドームーンと先程戦う前にもした決意。命を賭けた決意。
「シャドームーン、おそらく南はしばらくは来ない」
「何?」
「今の放送では俺たちが倒そうとしていたドラスの名前は呼ばれなかった。まだ戦っているのか、それとも逃げられたのか。
 どちらにせよ、ドラスを倒すまでは俺よりそちらを優先するはずだ。それに戦えない皆を守るという使命もある。俺に人質としての価値はない」
 シャドームーンをまっすぐに見つめる結城。シャドームーンもその眼をまっすぐに見つめ返す。

885:名無しより愛をこめて
07/07/25 23:07:56 5c/Ke82w0
     

886:月はどっちに向いている ◆vHOqGgdf1U
07/07/25 23:08:23 gZ4NllMe0
「だから、その間に考えておいて欲しいことがある。もう一度、改めて問いたい。南を倒した後、お前はどうするつもりだ?」
「また、その質問か」
「お前が答えを出すまで、何度でもするさ。俺にはお前を暴走させた責任があるからな。
 このままだとお前は南を倒した後、存在意義をなくし、自滅の道を歩むことになる。そんなことはさせたくない!」
 突如、シャドームーンは立ち上がり、無言のまま、結城に近寄る。そして、首へと手をかけた。
「貴様、今度は何を企んでいる」
「何も企んではいないさ。ただ、お前が勝つにしても、南が勝つにしても、その死を無駄にはしたくない。もっとも……」
 結城は一拍の間をおき、覚悟の言葉を紡いだ。
「今のお前では南には勝てない。空っぽの心のお前に、南が負けるはずはない」
 シャドームーンの手に力が込められる。たちまち、絞まっていく首。身体から頭へと伝達される血液は止まり、結城の顔は赤くなっていく。
「お前に人質としての価値がないなら、ここで殺しても同じことだな。それにもし、お前が死ねば、RXは復讐の念に駆られ、俺と戦うことを優先するかも知れない」
 益々込められるシャドームーンの力。赤くなっていた顔が、今度は青白くなっていく。
 だが、それでも結城はシャドームーンから眼を逸らさない。シャドームーンの心までを見るように真っ直ぐにシャドームーンを見据える。
「……っ」
 結城が限界を迎える一歩手前で、シャドームーンの手は離された。
 空気を取り込むため、結城は口を大きく開け、呼吸を始める。
「何か思惑があるようだが、その手には乗らん。お前はそう簡単に死なせない。俺が受けた屈辱を味あわせるまではな」
 そう言い放つと、シャドームーンは休んでいた柱へと戻っていった。


「ハァハァハァハァハァ……」
(し、失敗か?)

887:名無しより愛をこめて
07/07/25 23:08:47 5c/Ke82w0
   

888:月はどっちに向いている ◆vHOqGgdf1U
07/07/25 23:09:05 gZ4NllMe0
 呼吸を整えながら、結城は思う。
 シャドームーンにまず必要なのは、何より考えることだ。
 自分が何のためにRXと戦うのか?
 迷いは新たな道を生み出し、答えはその道を進む力となる。
 だが、それは両刃の剣であることも結城は理解していた。
 もし、彼の考えが負の方向に及び、世紀王としての心を取り戻してしまったら、シャドームーンは恐るべき強敵として、自分達の前に立ちはだかるだろう。
(右腕が無くても、戦える方法を考えないとな)
 シャドームーンが暴走したら、止めるのも自分の役割だ。結城は最期までシャドームーンに付き合うことを決意した。


 シャドームーンは虚空を見て、思いを馳せる。
 結城に諭されたからではないが、自分が何のために戦うかを考えていた。
 だが、いくら考えても答えは出ない。RXを倒す。それだけしか。
(いや、今の俺にはもうひとつ目的がある)
 突如、シャドームーンの脳裏に浮かぶ一筋の光明。それはサタンサーベル。
 自分が持つべき剣。自分が使うべき剣。俺の剣。
(俺はそれを手に入れなければならない)
 RXを倒すことと同じく、何故手に入れなければいけないのか、それはわからない。
 しかし、手に入れることができれば、何かがわかる気がした。

 シャドームーンの腹が疼く。傷は塞がり、完全に回復しているというのに。


889:月はどっちに向いている ◆vHOqGgdf1U
07/07/25 23:10:02 gZ4NllMe0
【シャドームーン@仮面ライダーBLACK RX】
【1日目 現時刻:夜】
【現在地:市街地F-5】
[時間軸]:RX27話以降。
[状態]:完全回復。30分間戦闘不能。
[装備]:シャドーセイバー
[道具]:なし
[思考・状況]
1:何のために戦うのか?サタンサーベルを探し出し、手に入れればわかる?
2:結城丈二を人質に、RXを待つ。
3:相川始に借りを返す。
[備考]
※第二回放送を聞き逃しています。


【結城丈二@仮面ライダーV3】
【1日目 現時刻:夜】
【現在地:市街地F-5】
[時間軸]:仮面ライダーBLACLRX終了後。
[状態]:中度の負傷。貧血気味。右腕切断、腹に刺し傷(応急処置済)。ドクトルGに罪悪感。30分間変身不能。
[装備]:なし
[道具]:名簿を除くディパックの中身一式
[思考・状況]
1:シャドームーンを仮面ライダーにしたい。
2:右腕なしで戦う方法を考える。
3:ドラスを倒す。
4:首輪の解析。首輪の解析のための施設を探す。
5:死んだらドクトルGに謝りたい。
[備考]
※1:カセットアームと右腕はE5エリアに放置されています。
※2:時間軸にずれがあること、異世界から連れてこられたことは情報として得ました。
※3:仲間である人物と敵であろう人物の共通認識がされました。

890:名無しより愛をこめて
07/07/25 23:10:34 5c/Ke82w0
      

891:月はどっちに向いている ◆vHOqGgdf1U
07/07/25 23:11:21 gZ4NllMe0
投下終了。
誤字、脱字、指摘事項、感想があればお願いします。。。

892:名無しより愛をこめて
07/07/25 23:17:26 J9bm9dVM0
支援

893:名無しより愛をこめて
07/07/25 23:24:59 5c/Ke82w0
GJ!
結城のシャドームーンへの問いかけはデストロンにいた彼だからやっているんでしょうね。
それに対してシャドームーンの光太郎への執着心もよく描写されていいと思います。
光太郎VSシャドームーンが楽しみなる作品でした。

894:名無しより愛をこめて
07/07/25 23:28:05 J9bm9dVM0
G

895:名無しより愛をこめて
07/07/25 23:30:25 J9bm9dVM0
すまんミスったww
vHOqGgdf1U氏GJ!!
ラストの余韻がたまらねえ!!

896:名無しより愛をこめて
07/07/26 00:13:10 7+3NWIXK0
こうなったらシャドームーンには正義の仮面ライダーとして(ry
とにかくGJ!!

897:名無しより愛をこめて
07/07/26 01:15:16 pQbWFKb3O
実はサタンサーベルよりシャドーセイバーの方が剣としての機能は上だからもし手に入れたら負けフラグ?

898: ◆vHOqGgdf1U
07/07/26 02:54:20 vbHAZ1LB0
まとめサイト更新しました。
コメント欄は後々。。。

>>877
状態表ですが、道具にいくつか抜けがあったので、勝手ながら追加しておきました。
と、いうか以前私が書いた時からスレ上では抜けてまして、まとめサイトで修正していたのですが、連絡が行き届かず、申し訳ありません。
具体的にはGA-04、ディスカリバー、ラウズアブゾーバ、草加が持つ配給品一式です。。。

899:名無しより愛をこめて
07/07/26 18:07:25 h2eZIFX+0
まとめ更新いつもお疲れさまです!!

900: ◆TJ9qoWuqvA
07/07/26 22:21:18 8BIAq+S50
天美あきら、安達明日夢、津上翔一、霞のジョー、城茂予約します。

901:名無しより愛をこめて
07/07/26 23:00:42 vCyJd6zZO
>>897
記憶復活フラグになるんじゃない?
タイトル通りどっちに向くか期待だな

>>900
予約ktkr
頑張って下さい

>>898
更新乙です

902:名無しより愛をこめて
07/07/27 01:15:05 DA4n6SJnO
>>900
楽しみにしています!
そろそろステルスマーダーが動き出す時か!?

903: ◆HzobymzaB2
07/07/27 02:09:08 diUsMZ1oO
くっ……!王蛇明日夢あきらで予約しようとしたのに……次予約!!

904: ◆xPMnle.P6A
07/07/27 02:11:04 diUsMZ1oO
鳥ッ腐変え。 こっちで

905:名無しより愛をこめて
07/07/27 06:51:44 7KkJp8vs0
>>903
キャンセルしろ。
お前がそんなの予約したら◆TJ9qoWuqvA 氏の書く話の幅がかなり制限されるじゃないか。
お前は首輪じゃないんだぞ。

906:名無しより愛をこめて
07/07/27 10:01:56 fIY0u36WO
次ならいいんじゃない?
書き手も少ないんだし歓迎しようよ。

907:名無しより愛をこめて
07/07/27 10:31:00 xnNkOvCGO
いや、ダメでしょ?
あきら明日夢浅倉は絶対死なないってなっちゃうじゃん

908:名無しより愛をこめて
07/07/27 10:33:37 7KkJp8vs0
大体もう王蛇に変身できないのに浅倉を王蛇と呼ぶなよ…

909:名無しより愛をこめて
07/07/27 10:49:11 30spLf5x0
>>907
しかも現状のチームから分かれさせなきゃならないしな

910:名無しより愛をこめて
07/07/27 11:00:53 fIY0u36WO
そうだね、スマソ。
とりあえず、>>903の書き手さんは一度予約を白紙にして今予約してる人が投下後にまた予約し直すって風にしたほうがいいな。

911:名無しより愛をこめて
07/07/27 11:06:07 SWAzVfW+0
だからといって、浅倉を他の奴らと絡ませたい場合は遠慮なく予約して欲しいな。
>ALL

912:名無しより愛をこめて
07/07/27 22:12:01 +qHiGQfj0
>897
むしろ世紀王シャドームーンが復活して、最強マーダーになる可能性もある。
下手したらシャドーセイバー+サタンサーベル+記憶復活で今より強敵になるような。

913: ◆vHOqGgdf1U
07/07/27 22:25:42 FwBqb+a20
空気読まずに
一部自己リレーになりますが、
ドラス、キング、神代剣、浅倉威を予約します。

914:名無しより愛をこめて
07/07/27 22:32:25 LsmRkLUU0
>>913
誰がここでリタイヤとなるのか、全く想像が付かない組み合わせ!
凄い楽しみです。頑張って下さい。


915:名無しより愛をこめて
07/07/27 23:13:29 F5nrvab10
>>912
それに加えてキングストーンフラッシュまで使い出したら
まさに手に負えんな。キングストーンに関しては制限必須だろうが。

916:名無しより愛をこめて
07/07/27 23:24:33 /AP2DcrwO
>>913
浅倉ゾルダ来るか!

917:名無しより愛をこめて
07/07/28 00:04:14 nVXe0s2A0
ふと思ったんだが、浅倉補正利きすぎてない?
疲労や痛みはハイになってるから無視できるとしても、片目見えないって相当なハンデだろ?

918:名無しより愛をこめて
07/07/28 00:14:05 DQhk8zvq0
確かに。元は生身の人間だし、そう思うのは仕方ないけどね。
ただ、木野戦でかなりのダメージを受けてそうだからそろそろ
限界は来ると思われ。

919:名無しより愛をこめて
07/07/28 00:21:50 ROfSyUbiO
>>917
蛇にはピット器官というものが(ry
眼が無くとも、バジリスクは音だけで(ry

マジレスすると、隻眼の死角はしっかり突かれてるのに勝ってるのが浅倉
てか、無差別マーダーならこの程度の補正は欲しい

「天美あきらは未熟!」
「木野薫は満身創痍!」

920:名無しより愛をこめて
07/07/28 00:33:36 DQhk8zvq0
それでも技をぶつけあってるんだし、血まみれなんだから多少は
怪我してるんじゃない?まぁ浅倉は血だらけでも笑いながら戦ってそうだけど。

921:名無しより愛をこめて
07/07/28 00:37:31 2IDWhvMX0
浅倉クラスのマーダーであの補正、他ロワでは珍しくもなんともない。

922:名無しより愛をこめて
07/07/28 07:54:23 lUuu96ml0
草加もピンピンして秋山担いだりしてるけど
本当はかなり疲れてるし怪我もしてるよな。
治療なり休憩なりさせないと普通ならもたねえと思う…んだが
ヤツは他人の前で無防備にはならなさそうだしどうしたもんか。
誰かがムリヤリおせっかいを焼くしか…?

923:名無しより愛をこめて
07/07/28 08:06:06 wk+wkHVt0
電王も参加してほしいものだな

924:名無しより愛をこめて
07/07/28 08:22:36 xIW/OrxOO
まるでどうでもいいけど
>>913←カイザ ですね
 


925:名無しより愛をこめて
07/07/28 09:38:00 i7bYxoAjO
>>923
とりあえず放送終わるまでは出ないかと。
というかあんまり作品のカラー的に向いてないと思う>電王

926:名無しより愛をこめて
07/07/28 09:45:34 MeP3BQOT0
デンライナーの時点で反則だしな。

927:名無しより愛をこめて
07/07/28 13:07:27 kzehrr4OO
生存者もついに半分になりましたね。
>>788
>>900
>>913
楽しみにしております!

928:名無しより愛をこめて
07/07/28 14:04:16 bsZB7NTSO
もし次回作で電王が参戦するとしたら。
良太郎、ハナ、優斗、4タロス、デネブ、
これくらいと思う。(今の状況では)

929:名無しより愛をこめて
07/07/28 16:38:16 0OHfAeSu0
電王とクウガはロワに出したら(五代以外)すぐ犠牲になりそう…
それか今回のあきら明日夢ひよりみたいに他の連中に庇ってもらえて
逆にしぶとく生き残るかのどっちかのような気がする。

930:名無しより愛をこめて
07/07/28 17:14:43 8IL+wHnS0
良太郎はああ見えて芯が強いから…なんか拡声器使用するような気がしてきたww
電王での問題は四タロスの憑依についてとかだな
制限決めるの面倒くさそうだ…

931:名無しより愛をこめて
07/07/28 17:27:08 QVHvUq5Z0
侑斗はそこそこ行けるんじゃないの
生身でイマジン殴りつけたりしてるし単体でも馮依電王並みに戦えるようだし
デネブ馮依状態で参戦できれば戦力的には中の上位いくだろう
性格的にもPKKとか率先してやりそうな予感
で、中盤で誰かを庇って立ち往生、とw

良太郎は微妙だな
素だと一般人以下で事実上馮依頼りだけど馮依には制限かかるだろうから
庇われるかギャグ補正次第か

932:名無しより愛をこめて
07/07/28 20:05:10 MeP3BQOT0
やっぱ電王はロワ向かないって。
そんなのより劇場版orシリーズ終盤の木場とか
G4とかマーダーになりそうなのがいい。

933:名無しより愛をこめて
07/07/28 20:57:18 hi4jglzgO
ほのぼの系なヒビキさんや翔一なんかは騙されまくったり空気になったり大変

934:名無しより愛をこめて
07/07/28 21:18:30 i7bYxoAjO
五代はバトロワに対する最大のアンチテーゼキャラになるかもな。
ダグバとの殴り合いは凄かった。カタルシスのない暴力を仮面ライダーで見せられたのはあれが初めてだったし。

935:名無しより愛をこめて
07/07/28 22:02:23 lUuu96ml0
一条さんとG3ユニットの連中は気が合いそうだww

電王の連中は北岡やら草加やら性質の悪い奴らにかかれば
タロス共々あっさり騙されて脱落しそう。
そんなかわいそうな目にあう電王キャラはみたくないのでロワには出ないといい…

936:名無しより愛をこめて
07/07/28 22:05:28 2IDWhvMX0
誰が当選するかなんて所詮は投票だからね。
当選したときにでも電王勢は考えればいいんじゃないか?
今参戦してない連中の末路はあんまり興味ないかな。

937:名無しより愛をこめて
07/07/28 22:09:06 8IL+wHnS0
ウラタロスがいれば騙されるのはなさそうだけどな

>>936
そのとおりだな、自重しよう

938:名無しさん@そうだ選挙に行こう
07/07/29 02:43:43 F6WArKUX0
仮面ライダーシリーズ サントラの1つです。
URLリンク(up.spawn.jp)

939:名無しより愛をこめて
07/07/29 21:17:35 dOs9QA8w0
期間延長させてもらいます。
・・・・・・最近伸ばしっぱなしだなぁ。

940:名無しより愛をこめて
07/07/29 22:00:18 /AXdqFHf0
>>939
志村ー! トリップ! トリップゥー!

941: ◆ooH1rChbak
07/07/29 22:20:07 dOs9QA8w0
しまった、まただorz

942:名無しより愛をこめて
07/07/29 22:21:11 /AXdqFHf0
>>941
了解っす。
楽しみにしてます。

943: ◆vHOqGgdf1U
07/07/31 00:44:01 d0C86MhE0
途中経過報告。
現在8割。何事もなければ明日には投下できると思います。

944:名無しより愛をこめて
07/07/31 00:46:42 VoS/w+FJ0
>>943
ご苦労様です。
期待して待たせて頂きます。

945:名無しより愛をこめて
07/07/31 17:28:48 jEl7iZ+j0
現時点での人物リストです。

【555】3/5
○乾巧/○草加雅人/●園田真理/○影山冴子/●北崎
【カブト】3/5
●天道総司/●加賀美新/○日下部ひより/○矢車想/○神代剣
【ブレイド】2/5
●剣崎一真/●橘朔也/○上条睦月/○キング/●伊坂
【龍騎】2/5
●城戸真司/○秋山蓮/●北岡秀一/○浅倉威/●佐野満
【アギト】3/5
○津上翔一/○氷川誠/○小沢澄子/●木野薫/●水のエル
【RX】4/5
○南光太郎/○霞のジョー/○シャドームーン/●グランザイラス/○ジャーク将軍
【響鬼】2/5
●日高仁志/●佐伯栄/●財津原蔵王丸/○安達明日夢/○天美あきら
【ZO&J】2?/5
●麻生勝?/●瀬川耕司/●望月博士/○ガライ/○ドラス
【ストロンガー】2/5
○城茂/●岬ユリ子/●立花藤兵衛/○ジェネラルシャドウ/●マシーン大元帥
【V3】1/5
●風見志郎/○結城丈二/●珠純子/●ドクトルG/●ヨロイ元帥
【ジョーカー】
○相川始/○リュウガ

残り――26?名
そろそろ次スレの準備が必要と思われます。


946:名無しより愛をこめて
07/07/31 18:28:34 NsfLSw+mO
麻生さんを救えればかなりの戦力になると思う。

947: ◆vHOqGgdf1U
07/07/31 21:59:19 d0C86MhE0
投下します。

948:因果は巡る ◆vHOqGgdf1U
07/07/31 22:00:00 d0C86MhE0
 どこまでも続く鬱蒼とした木々の中、歩く影がひとり。
 金髪に染まった髪に、銀色のピアス。腕にはジャラジャラとアクセサリーをつけた年の頃、16、7ばかりに見える青年。
 その正体は何万年も前から存在している不死の生物、コーカサスビートルアンデッド。
 彼は人間に擬態することができ、その間は自らのことを王―キングと呼んでいた。
 キングは何事か呟きながら森の中を進んでいた。
「まあ、君が生きていることは気付かれていないだろうからさ。この先にある山小屋で時間になるまで休もうか」
 その言葉に答える人影はいない。しかし、キングは返事を受けたかのように会話を続ける。
「そうか。OKだね。じゃあ先を急ごうか」
 端から見ている分には彼が独り言を言っているようにしか見えないだろう。だが、彼の話し相手は彼の腕に存在していた。
 見た目はくすんだ鋼色をした奇妙な凹凸がある丸い玉。その玉はキングが何か話す度に不気味な伸縮を繰り返している。
 その玉こそ、10人の仮面ライダーとも互角の戦いを繰り広げることができる最強の生命体ドラス。
 激戦の末、敗れはしたが、キングの助けもあり、彼の心臓とも言える、この『核』の部分は残されていた。
 制限が解けるまでの2時間、ドラスが出来ることといえば伸縮するぐらいで自分ひとりの力では移動することは出来ない。
 移動するためにはキングの力を借りるしかないのだが、キングもドラスを助けるために、アンデッドとしての能力を使ってしまっていた。
 今の2人は制限が解けるまでの間、時間を稼ぐことを目的としていた。幸いにして、ドラスの死をごまかすことには成功している。
 満身創痍の仮面ライダーたちが追ってくることはないだろう。
 2人はそう考えていた。しかし、彼らはあることを忘れていた。

ピ~ン♪ポ~ン♪パ~ン♪ポ~ン♪

 定時になると鳴り響くチャイムの音。死亡者と禁止エリアを知らせる定時放送である。


949:因果は巡る ◆vHOqGgdf1U
07/07/31 22:00:42 d0C86MhE0
「あちゃ~、そうか放送があったんだっけ。これじゃあ死んでないのバレちゃうじゃん」
 この定時放送では6時間の間に死んだ参加者が知らされる。当然、死亡していないドラスの名前は告げられないだろう。
 そうならば、ドラスが生きていることが敵対するライダーたちにバレてしまう。
 キングはこれからの行動について、思考を巡らせ始めていた。
 キングにとっては誰が死んだかなど、どうでもいいことだった。そのために、放送を身を入れて聞くことなどしない。
 それよりも今後の対策を立てることが先だ。
 だが、最初に告げられた死亡者の名前を聞いたとき、キングの思考は中断した。
 
『北岡秀一さん』

「……はっ?」
 思わず、間の抜けた声が自然と漏れる。聞き返そうにも放送は一方的に告げられるもの。
 自分の耳を信じるしかない。
「なんだよ、北岡死んじゃったのかよ」
 キングがまず持った感情は失望。北岡と共にいたわずかな時間は本当に楽しいものだった。
 自分の企みに、自分が創造しえない面白い方法で対抗する北岡はキングにとって、好ましい存在となっていたのだ。
 だからこそ、またそのうち会えればと、再会を望んでいたのが、その望みは叶わないものとなった。
 そのことに、キングが次に持った感情は怒りだ。自分の楽しみを奪った者に対しての怒り。
「そういえばここら辺だったかな、最後に北岡と会ったの」
 キングは思い出す。最後に会ったとき、北岡は金棒を持った蛇のような男と戦おうとしていた。
「あいつにやられたのかな。それとも、別の奴に?」
 歩きながら、考えていると、森の中、急に開けた小さな荒地に出た。
 見ると、そこは木が切り倒されており、地面は爆発したかのように荒れていた。
 その様からここが人工的に造られた場所だとわかる。
「ここは」
 自分がファイズらと戦っていた場所とは違う。そうなると、ここは北岡が戦っていた場所ではないかと予想する。
 ドクンと、ドラスが大きく躍動した。

950:因果は巡る ◆vHOqGgdf1U
07/07/31 22:01:33 d0C86MhE0
「何か見つけたのか?」
 再び、ドラスはドクンと躍動する。キングは注意深く、辺りに視線を向ける。
「あれは」
 土の中からわずかに覗く肌色。それは誰かの手のようだった。
 キングは駆け寄ると、それを掘り起こす。
 徐々に露出していく肌色と紺色。それは人間の肌の色と、着ているスーツの色。
 程なくして、その人間の顔が露出される。それはキングが予想していた人間の顔だった。
「北岡だ」
 土に汚れ、すっかりと生気を失っていたが、紛れも無く、それは北岡の顔。
 放送を信用していなかったわけではないが、改めて死体を確認すると、なにやらムズムズしたものがキングの心に生まれた。
 怒りのようで、何かがちょっと違うもの。
 それはキングにはわからなかったが、それはキングの行動に影響を与えることになる。
「ドラス、予定変更。町に向かおう。ここら辺じゃあ、君を再生するための金属がなさそうだしね」
 キングが目的地を変更したのは、言葉通りの理由なのか。山小屋に行きたくない理由ができたのか。それとも、別の何かなのか。


 次第に日は暮れてきており、夜の帳が下りようとしている。
 そんな中、神代剣は懸命にドラスの捜索を続けていた。
 ドラスには2時間の能力制限が掛かっているはずで、恐らく『コア』の状態だと、神代は推測していた。
 ドラスの身体を構成しているのは金属物質だという情報は得ている。ならば、この木々の中で元の身体を取り戻すことはできず、移動も満足にはできないはずだ。
 そして、その状態で見つけることができれば、自分にも制限が掛かっているといっても、破壊することは容易。
 だが、問題もある。コアの状態であれば、ドラスの大きさは赤ん坊の頭蓋骨程度。
 ただでさえ、見つけにくい大きさだというのに、闇に包まれた後では時間内に見つけるのは絶望的といえる。
 神代の心には否が応でも、焦りが生まれていた。

951:因果は巡る ◆vHOqGgdf1U
07/07/31 22:02:15 d0C86MhE0
 定時放送から1時間が経ち、今まで捜索していたC6エリアが禁止エリアになったが、そこから爆音は聞こえてこなかった。
 それは即ち、ドラスがC6エリア内にはいなかったことを示す。
 そうなれば、爆発した位置から隣のC7エリアにいる可能性は高い。神代は眼を皿のようにして、ドラスの捜索を続けた。
 神代の推測はドラスに協力者がいないことが前提になっている。
 キングという協力者がいる以上、神代が時間内に見つける可能性はゼロに等しかった。
 しかし、結果的に神代とドラスは邂逅する。


「うがるぁぁぁぁぁぁっ!!」
 浅倉は天に吠える。
 北岡という強敵を倒し、木野というライダーを倒し、食物で腹を満たしたというのに、彼の暴力に対する飢えは治まらない。
「イライラするぜぇぇ!誰か、誰か、俺と戦ぇぇぇぇぇっ!」
 怪魔稲妻剣を振り回し、左手に電撃をスパークさせながら、浅倉は獲物を求め、彷徨う。
 信じられないことに、彼の歩みは、まっすぐに彼のいう『獲物』がいる場所へと向かっていた。
 それは彼がもはや人ではなく、モンスターであることの証明。
 深く抉れた左眼の傷も、身体中にある矢に貫かれた痕も、度重なる戦いにより蓄積された疲れも、彼の暴走を止めるには至らない。
 彼は、自分の飢えを満たしてくれる『獲物』に出会うためだけに動いていた。


 いよいよ陽は沈み、辺りが闇へと包まれる。
 神代はディパックから時計を取り出すと、時間を確認する。
 正確には解らないが、そろそろワームへの変身制限が解ける時間だ。だが、それは同時にドラスの制限も解けることを意味していた。
 しかし、それでも捜索をやめるわけにはいかない。

952:因果は巡る ◆vHOqGgdf1U
07/07/31 22:03:10 d0C86MhE0
 正直、制限が解ける前に見つけたかったが、もし、制限が解除されたドラスと戦うことになったとしても、自分には3つの変身がある。
 優勝するために、自分の誇りを捧げてまで、使うことに決めたワームへと変身とブレイドへの擬態。
 天道という自分以外に、きっと皆を幸せに導ける男が死んでしまった以上、退くわけにはいかないのだ。
 ふと、神代は自分に近づいてくる足音を聞いた。神代は時計をディパックに収めると、代わりにサソードヤイバーを取り出し、肩にディパックを掛ける。
 ドラス打倒のため、一時的に手を結んだりもしたが、優勝を目指す神代にとって、参加者全てが敵。
 誰であろうと、斬らなければならない。
「そこにいるのは誰だ。出て来るがいい」
 神代の高貴なる精神はやはり正々堂々と戦うことを好む。
 威勢よく雄叫びを上げ、自分がここにいるということを鼓舞し、相手を威嚇する。
 例え、不意討ちを掛けてこようとも、対応できるよう前の相手に全神経を集中させる。
 しかし、敵は神代の予期していない場所から現れた。
 突然、神代が警戒していた方向の真逆から、草木を踏み分ける足音が聞こえる。
「はぁぁぁっ、見つけたぜ」
 闇に飲み込まれた木々の間から、嬉しそうな声を上げ、一人の男が現れた。
 紫外線により、色素の抜けた茶色の髪に、蛇のように鋭き眼。
 傷だらけだというのに、その男からは脆弱なものは一切感じ取れず、対峙しているだけで、生物としての本能が危険信号を鳴らす。
 クモ女やドラスから感じたものと似たような感覚に、思わず神代はひとつの疑問を投じた。
「貴様、人間ではないのか?」
 思わず口から出た質問に男はにぃっと笑って答えた。
「お前は、俺のイライラを治めてくれるかぁ!」
 開口一番、話すことなどないといわんばかりに、男―浅倉は怪魔稲妻剣を手に神代へと襲い掛かる。
 不意討ちではあったが、剣の勝負であれば、神代の腕は参加者の中で1、2を争うほど確かなものだ。
 サソードヤイバーで怪魔稲妻剣を受け流し、懐へと入る。
(もらった!)

953:因果は巡る ◆vHOqGgdf1U
07/07/31 22:04:14 d0C86MhE0
 完璧に自分の間合い。神代は逆袈裟に構え、一気に浅倉を切り裂こうとした。
 ところがそれより早く浅倉の左手から赤い光が煌く。
 たちまち、神代の身体に稲妻に打たれたような電流が走った。
 浅倉がデルタギアによって得た力。デルタギアの非適合者は変身はできるが、精神を侵され、赤の電撃を扱えるようになる。
「ぐわぁっ!」
 神代が怯んだ隙を突き、浅倉は頭突きで神代との間合いを離すと、怪魔稲妻剣を握りなおし、片手で横薙ぎに振るった。
 寸前、神代はバックステップで後ろに下がったが、しびれた体で完全に回避することは出来なかった。
 怪魔稲妻剣が、神代の胸を一文字に切り裂く。胸から吹き出た赤い血は、たちまち神代の白い服を赤く染めていった。
「ぐぅぅっ」
 膝を大地につき、崩れ落ちる神代。
「おいおい、もう終わりか?それじゃあイライラは治まらないぜぇぇぇ!」
「くっ!」
 振り下ろされた怪魔稲妻剣を、神代はなんとかサソードヤイバーで受け止める。
 鋼鉄の塊も切り裂く、怪魔稲妻剣ではあるが、サソードヤイバーも特殊な金属で作られた剣。
 火花が散るが、サソードヤイバーは砕けない。
「はぁぁっ!」
 だが、2度、3度と振り下ろされる怪魔稲妻剣に、次第にサソードヤイバーと神代自信の体力が削られていく。
 まだ、制限は解除されない。神代は一瞬のチャンスに賭けるしかなかった。
 

「すっげぇ、迫力」
 そんな浅倉と神代の戦いをキングは物陰から窺っていた。
 一見、浅倉が優勢のようだが、神代も大したものだ。
 最初の一撃以外、怪魔稲妻剣による攻撃を全て根元の部分にサソードヤイバーを合わせ、防いでいる。
 浅倉は気付いていない。あれなら、いくら叩いても武器を破壊することはできないだろう。
 神代が最初に気付いた足音はキングのものだった。
 気付かれたときはどうしたものかと考えたが、浅倉が乱入したおかげで事なきを得た。
「さてと、どうしようかな?」
 2人はお互いに相手のことに夢中で、キングには気付いていない。逃げるなら今がチャンスだった。
 今のキングには制限がかかり、まともな武器もない。

954:因果は巡る ◆vHOqGgdf1U
07/07/31 22:05:12 d0C86MhE0
 制限解除を待つことも出来るが、キングは神代が自分より早く制限が解けることも、サソードというもうひとつの変身があることも知っていた。
 ドラスと仮面ライダーたちとの戦いを伊達に眺めていたわけではないのだ。
 どちらが勝つかは判らないが、もし神代が勝った場合、優勝を目指す神代と戦うことは避けられない。その場合の勝算は五分五分といったところだろう。
「逃げた方が得策かな」
 見ると、ドラスもその考えを肯定するかのように、伸縮している。
 だが、キングは浅倉が気になっていた。
 浅倉は以前、自分とストロンガーとの対話を邪魔した男。北岡とあの場所で戦ったであろう男だ。
 そして、もしかしたら北岡を殺したかも知れない男。
 キングは考える。自分が何をしたいのかを。そして……
「面白そうじゃん」
 キングのやることは決まった。

 
 浅倉は何度も何度も打ち据えていた。だが、相手は一向に反撃をしてこない。
 それに浅倉のイライラは深まっていく。
「どうしたあぁぁぁ!」 
 浅倉は絶叫して、怪魔稲妻剣を一際大きく振り上げた。しかし、それは神代が待っていた好機。
 振り下ろされるまでのわずかな時間。その隙を狙って、浅倉の手首を断ち切るため、神代はサソードヤイバーを振るった。
 だが、神代の一撃が浅倉の腕に届くよりも早く、浅倉は地面へと突っ伏していた。当然、狙っていた一撃は空しく空を斬る。
 その突然の出来事に神代は呆気に取られる。
 浅倉の方を見ると、左側頭部からドクドクと血を流している。そして、横に転がるのは拳大の石。
 おそらく、この石が浅倉を強襲したのだろう。浅倉にとって、負傷して見えない左からの攻撃は完全に死角。
 防御することも、回避することも出来なかったはずだ。
 神代は誰が投げたのかと、石の投げられたであろう方向へと視線を向けた。
「甘いね」
 その視線とは逆方向から駆けて来るキング。
 キングは神代の虚を突くことに成功した。キングは木の上から石を投げると、木を渡り、逆方向へと回り込んだのだ。
 キングの目的は浅倉のディパックだ。神代の変身は自らの力による変身とサソードヤイバーによるもの。

955:因果は巡る ◆vHOqGgdf1U
07/07/31 22:05:53 d0C86MhE0
 汎用性のあるものではなく、件のサソードヤイバーは神代の手にしっかりと握られている。
 神代から道具を奪っても、あまり意味はない。
 だが、浅倉はどうだろうか。確信があるわけではないが、汎用性のある道具を持っているかも知れない。
 そして、それを取り上げることが出来れば、この戦いの中、死亡する可能性は増す。
 キングの元々の目的は戦いを長引かせるために支給品を取り上げること。
 浅倉を窮地に追い込み、元々の目的も果たす。それがキングの考えだった。
「いただき」
 キングの手が浅倉のディパックを握る。あとは逃走するだけだ。
 だが、キングの思惑通りに事は進まなかった。
「えっ?」
 ディパックは浅倉から離れない。
 ディパックを握っているのはキングの手と、そして、浅倉の手。
「なーにしてるのかな?」
「やっべ!」
 気絶したと思われた浅倉の眼が開く。
 その視線に、キングは威嚇されたかのように身を竦ませた。そのため、反応が遅れる。
「うだぁぁぁぁぁぁ!!」
 浅倉はどこにそんな力が宿っているというのか、ディパックを握っているキングごと、持ち上げ、放り投げた。
 浅倉もキングもディパックを握った手を離さなかったため、当然負荷はディパックに掛かり、浅倉のディパックは2つに裂ける。
 裂けたディパックから様々なものが散らばり、落ちていく。
 ペットボトルの水、携帯食、名簿、グランザイラスの腕。そして、緑色をした長方形のケース。
「あれは……」
 キングはそれを2度、眼にしたことがある。それは北岡が緑色の戦士に変身するために使っていた道具。
 ゾルダのカードデッキだった。
「いいもん見つけた」
 キングは素早く身を起こすと、ヘッドスライディングの要領で、カードデッキの元へと跳びこんだ。
 上手い具合に、キングの手にカードデッキが握られる。
「お前」
「へへっ、これがあれば変身できるんだろ?」
 キングは以前見た北岡の変身を思い出し、カードデッキを前に突き出した。
「変身!」
 左腕を構え、右腕を腰に。それは北岡の変身ポーズとまったく一緒の型。

956:因果は巡る ◆vHOqGgdf1U
07/07/31 22:06:43 d0C86MhE0
 だが、キングの身体に変化は見られない。
「あれ?へ、変身!」
 もう一度、同じポーズをとって叫ぶがカードデッキは何の反応も示さない。
「あれ?あれ?」
「はっ、それを返せ!」
 激昂する浅倉は怪魔稲妻剣を構え、キングに迫る。
「うわっ」
 キングは振り下ろされた怪魔稲妻剣を、身体を思いっきり反らすことでなんとか避ける。
 だが、無理な体勢を取った為、バランスを崩し、尻もちを付く形で大地へと座り込んだ。
 当然、その隙を浅倉は見逃さない。浅倉は怪魔稲妻剣を振り下ろした。
 ガチッと金属同士がぶつかり合う音が鳴る。
 キングは咄嗟に掴んだ物でその攻撃を防御していた。
 鋼鉄の塊も、豆腐のように切り裂く怪魔稲妻剣。ちょっとやそっとのものでは、それごと切り裂かれていたことだろう。
 しかし、キングが防御に使ったものはちょっとやそっとのものではなかった。
「なんだこれ?」
 それはグランザイラスの腕だった。キングは知る由もないが、浅倉に文字通り喰われたクライシス最強怪人の腕。
 生物部は浅倉に喰われはするが、その金属部はRX最強の剣リボルケインすら通さない最強の盾となる。
「イライラさせるぜ!」
 浅倉は怪魔稲妻剣を放り投げると、キングへと馬乗りになり、襲い掛かった。
 何度も防御される怪魔稲妻剣をもう必要ないものと判断したのだろう。
 キングはグランザイラスの腕で抵抗するが、制限の掛かった状態では腕力は浅倉の方が上だ。
 グランザイラスの腕をキングの手から離し、キングの首を絞める。
 両腕から電撃を発するおまけつきだ。
「っ、ぶばっ」
 身体中に駆け巡る強烈な電撃にキングは泡を吹く。
 意識が段々と遠ざかり始め、キングの脳裏にはここでの出来事が走馬灯のように駆け巡っていた。
(く……くそっ、なんで変身できないんだ。僕はまだ面白いものたくさん見たいのに。なんでだ……教えてくれよ、北岡……きたおか)
 その時、ずっと隙を窺っていた神代が動いた。サソードヤイバーを逆手に構えると浅倉の背中を貫く。
 そして、その刃は浅倉の身体を通り、キングの脇腹にも達した。
「2人とも、これで終わりだ」
 神代は自分の勝利を確信した。

957:因果は巡る ◆vHOqGgdf1U
07/07/31 22:07:40 d0C86MhE0
 神代は自分の勝利を確信した。
 城戸と秋山との戦いに割って入ったときと同じように、漁夫の利を得た格好ではあり、正直、不満はあった。
 だが、最低において頂点に立った自分が、優勝することよりも優先して守り続ける誇りなどないのだ。
 沈黙する浅倉とキング。神代はサソードヤイバーを抜こうと、今度は逆方向に力を込めた。
 ところが、サソードヤイバーは動かない。
「ははぁ、いいぜ、やっと、面白くなってきた」
「何!」
「ぐがぁぁぁぁっ!」
 浅倉は絶叫を発して思いっきり身体を起こすと、神代を跳ね飛ばす。
 立ち上がった浅倉の胸からはサソードヤイバーの刀身が姿を見せている。
 その傷は致命傷のはずだ。だが、浅倉の狂気は薄れるどころか、益々膨れ上がっていた。
「もっと俺を楽しませろ!俺のイライラをなんとかしろ!北岡を殺したときのようにな!」
 浅倉の両手の中で火花を散らせる赤い電撃。サソードヤイバーを奪われた今の神代に手はない。
 だが、時間さえ稼げれば、勝機はある。神代の変身制限が解けるまで、もう10分もない。
(いつまで経っても変身しないことから考えると、こいつが変身する可能性は薄い。
 手からの電撃にさえ気を付ければ、化け物とはいえ、なんとかなるはずだ)
 既に神代から浅倉は人外のものとして、認識を受けていた。
 人間ならばもはや死んで当然の傷を受けている。そう思うのも当然だった。
 浅倉はゾンビのごとく、ゆっくりと神代へと近づく。神代も覚悟を決めた。

―パン

 乾いた音が響き渡った。
 その音と同時に浅倉の右肩が弾ける。
「あぁ?」
 浅倉は何事かと思い、ゆっくりと後ろを振り返った。
 そこには浅倉がもう一度、殺したいと思っていた男の姿があった。
 緑色のスーツに銀色の戦車を模したような装甲。格子状のマスクからは赤のシグナルが右から左へと走る。
 それは紛れも無く、北岡が変身していたライダー。仮面ライダーゾルダ。
「きたおかぁぁぁぁ!」

958:因果は巡る ◆vHOqGgdf1U
07/07/31 22:08:32 d0C86MhE0
 ゾルダは構えた拳銃―マグナバイザーの引き金を再び引く。
 パンと音が鳴ると、今度は浅倉の左肩が爆ぜた。
「思い出したよ。北岡は1度目は窓に、2度目はペットボトルにかざしていた。共通することは反射するもの。
 この道具は鏡にかざすことで変身することができる。そうだね」
 向かってくる浅倉をゾルダは撃つ。
 まずは、左太腿。
「これが誰でも変身できるものでよかったよ」
 次は、右脇腹。
「敵討ちってわけじゃないけど」
 そして、右膝。足の神経が遮断され、歩けなくなった浅倉は大地に崩れ去る。
「北岡は人間にしては結構面白い奴だったんだよね」
 だが、それでも浅倉は大地を這い、ゾルダを見ながら突き進もうとする。 
「だから……死ねよ、お前」
「ハハハハハ、ゾクゾクするぜ。また、北岡と戦えるなんてな」
 
―パン

 銃弾が浅倉の眉間に命中する。
 浅倉は笑顔のまま最後を迎えた。
 その顔にはイライラなど、微塵にもありはしなかった。

 
 キングがゾルダに変身したことを確認した時点で、神代は闇へと姿を隠していた。
 さすがに武器のない状態で変身した相手に挑むなど、無謀としかいいようがない。
 だが、このまま逃げるつもりは神代にはなかった。
 制限が解除された時点で再び奇襲を掛けるつもりだ。それまでゾルダの様子を神代は観察することにした。
 ゾルダは浅倉を射殺した後、更に頭と心臓に一発ずつ撃ち込んだ上で、首輪にも打ち込み、死体を爆破した。
 神代もその行動には同意だ。浅倉は人間の姿はしていたが、怪人が擬態した姿という認識だ。
 ドラスの例もある。頭部に銃弾を撃ち込んだとしても安心は出来ない。
 だが、この殺し合いのルール上、首輪を爆破すれば、問題はあるまい。

959:名無しより愛をこめて
07/07/31 22:13:37 /t3Ghl/20


960:名無しより愛をこめて
07/07/31 22:20:25 FRTj5MzC0
浅倉が死んだのか…

961:名無しより愛をこめて
07/07/31 22:26:16 FRTj5MzC0
◆vHOqGgdf1U 氏の続きはこちらに投下済みですよ。
URLリンク(jbbs.livedoor.jp)

962:名無しより愛をこめて
07/07/31 22:30:37 /t3Ghl/20
仮面ライダーバトルロワイヤル Part6
スレリンク(sfx板)

新スレ立てました。
今日は代理投下できずorz
ごめんよ、◆vHOqGgdf1U 氏

963:因果は巡る ◆vHOqGgdf1U
07/07/31 23:05:56 d0C86MhE0
 ゾルダは周りを見渡している。自分を探しているのだろうと、神代は理解する。
「逃げたか。まあいいや、目的のものは手に入ったし」
 ゾルダは浅倉の残ったディパックに、浅倉から回収したベルトやデッキ、サソードヤイバー、それに散らばった道具を入れていく。
 そして、全部回収し終わると、浅倉の死体から少し離れた場所にある木陰へと移動した。
 しゃがみこむと、何か丸い物体を持ち上げる。
(!、あれはドラスか)
 神代は見た。くすんだ鋼色の凹凸のある丸い球体。
 人間の心臓が鼓動するかのように伸縮を繰り返すそれは、神代が崩れ行くドラスの身体の中に見たドラスのコア。
(あいつが持っていたのか)
 神代は拳を握り締める。すると、身体に力が満ち始めるのを感じた。
 忌むべき姿ではあるが、スコルピオワームへと変化する予兆だ。
(あと少しだ、あと少しで制限が解除されるはずだ)
「何?何か言いたいことがあるの?」
 神代はチャンスを伺う。ゾルダはドラスに何事か話しかけているが、制限が解けるのはあとわずか。
 もはや何をしゃべろうともどうでもいい。
「あと43秒だよ」
 ゾルダがまた何事かしゃべった。神代は何を言っているのか意味がわからなかった。
 だが、次のゾルダの台詞で言っていることが理解できた。
「聞こえてる?変身できるまでの時間だよ。あの時はゆっくり観察できたからね。変身した時の時間と解けた時の時間を覚えといたんだ。
 まだいるんだろ?でも、残念。逃げておけば良かったね」
(気付かれている!?)
 その事実に神代が気付いたときには遅かった。既にゾルダの手にはカードデッキから引き抜かれた一枚のカードが握られている。 
 ゾルダはそれを展開したマグナバイザーに入れ、装填した。

―FINAL VENT―

 カードから発せられる音声に従って、大地より現れる緑色の鉄巨人―マグナギガ。
 その風貌に、神代は危険を感じた。身を翻すが、間に合わない。
 ゾルダはその後ろにマグナバイザーを差し込んだ。
「あと6秒だ。なんとかしてみろよ?」
 ゾルダは引き金を引いた。

964:因果は巡る ◆vHOqGgdf1U
07/07/31 23:06:46 d0C86MhE0
 マグナギガから発せられる多数の銃弾、砲弾、ミサイル、レーザー砲は眼前に広がる森へと次々と炸裂していく。
 巻き起こった炎と爆風が、木々を焼き、粉砕し、次々に灰と塵へと変えていく。
「あはははっ、北岡、超サイコーだよ、これ」
 あっとういう間に森だった場所は、焼け野原へと姿を変えた。
 その惨状にゾルダは満足気に笑う。
「あはは、どうだいドラス?凄いだろ。あははははは」
 ひとしきり笑った後、キングは焼け野原を歩き始める。
 わざわざ変身できるか、どうかのギリギリのタイミングまで発射を待った。神代は生きているはずだ。
 探し始めると、神代はあっさり見つかった。身体中に黒いすすを付け、真っ黒な姿となり、地面へと横たわっている。
 生きてはいるようだ。耳を澄ませて見ると、僅かながらも荒い息をしている。
 神代の姿でいるところを見ると、怪人への変身はしたのだろう。木が攻撃を多少和らげるとはいえ、流石に生身の状態で耐えられるものではない。
 それでも念のため、ゾルダの変身は解かずに神代へと近づくと、支給品を奪い取るため、その懐を漁った。
 程なくして、懐から見つかったのはキングにとっては予想外のもの。ブレイバックルだった。
「なんで、こいつがこれを持ってるんだ?ひょっとして、こいつが剣崎を殺したのか」
 しかし、北岡の時と違い、キングは特になにも思わなかった。
 北岡の時はなぜかカッとなってしまったが、キングにとって、参加者の生死など、本来、どうでもいいことなのだ。
 キングは引き続き、神代から支給品の探索を続ける。
「えーと、他には。わっ、カードもいっぱい持ってるじゃん」
 神代の懐から多数のラウズカードとラウズアブゾーバを回収し、ディパックからは腕輪のようなものと、自分で落とした携帯電話を回収する。
 食料や水、名簿などの共通した支給品は充分すぎるほど、手に入れたので、回収せず、そのまま神代のディパックへと戻す。
「こんなところかな。しかし、大量だな」
 キングは神代から支給品を奪うと、興味を失ったのか、気絶した神代をそのままに、ドラスと共にその場を後にした。


 街へ向かって歩いていると、ゾルダへの変身が解け、キングの姿に戻る。

965: ◆ooH1rChbak
07/07/31 23:07:16 nU+dZ6Wp0
◆vHOqGgdf1U 氏GJ!
キングのゾルダ変身から神代の奮戦まですっかり楽しませてもらいました。
浅倉が死んだのはなんだか感慨深いものがあるなぁ……。
そしてスレ立て乙です。

ついでに報告。
明日までには何とか投下できそうです。では。

966:因果は巡る ◆vHOqGgdf1U
07/07/31 23:07:32 d0C86MhE0
「ああ、痛て。でも、これのおかげで助かったんだよね」
 キングの脇腹にある刺し傷。サソードヤイバーによるものだ。
 この一撃のおかげで失いかかった意識は覚醒し、ゾルダへの変身に繋げることが出来た。
 そういった意味では、神代は命の恩人だ。
「まあ、感謝するつもりはないけどね。……ところで、そろそろドラスの制限も解けたよね?
 いくつか、金属で出来た支給品もあるけど、これ吸収する?」
 ドラスは身体を伸縮させ、返事をする。この動きはNOの動きだ。
「そう。じゃあ、これはその内、何かに使おうかな。何か面白いことしてくれそうな奴に渡したりしてさ。
 ああ、そういえば睦月と約束してたの忘れてた。まあ、いいか。その内、会うだろうし」
 ドラスとの会話を楽しみながら、キングは道を進んでいく。
 結局、彼が北岡の死体を見た時に感じたムズムズしたものは何だったのか?
 それは浅倉が死んだことで、答えが出ないまま、キングの心から霧散した。

 
 浅倉は木野と戦ったために変身できなくなった。
 浅倉は北岡からカードデッキを奪ったがために変身された。
 浅倉はグランザイラスの腕を持っていたために攻撃を防がれた。
 浅倉は風見と同じように生身のまま殺された。
 ぐるぐるぐるぐる因果は巡る。 


【浅倉威 死亡】
残り25人


967:因果は巡る ◆vHOqGgdf1U
07/07/31 23:08:10 d0C86MhE0
【キング@仮面ライダー剣】
【1日目 現時刻:夜】
【現在地:市街地D-7】
[時間軸]:キングフォーム登場時ぐらい。
[状態]:全身に負傷中。わき腹に刺し傷。疲労中。二時間変身不可(ゾルダ)。
[装備]:カードデッキ(ゾルダ)。ドラスの核。ブレイバックル。
    ラウズカード(スペードのA、2、3、5、6、9、10。ダイヤの7、9、J。クラブの8、9)
[道具]:デルタフォン、デルタドライバー。 カードデッキ(オルタナティブ・ゼロ)。怪魔稲妻剣。
    ファイズブラスター。 グランザイラスの破片。サソードヤイバー(怪魔稲妻剣によるダメージ有)。
     陰陽環(使い方は不明)。携帯電話。ラウズアブゾーバ。
    剣崎の装備一式。二人分のデイバック(風見、北崎)。
[思考・状況]
1:ドラスと今の状況を楽しむ。
2:街に行き、ドラスを復活させる。
3:レンゲルとのゲームのため、ラウズカード探し。
4:この戦いを長引かせる。そのため、支給品を取り上げる。
5:戦いに勝ち残る。まだまだ面白いものも見たい。
6:今は戦うつもりは無い。
※音撃金棒・烈凍はC-5エリアの森に放置されています。


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