仮面ライダーバトルロワイヤル Part5at SFX
仮面ライダーバトルロワイヤル Part5 - 暇つぶし2ch250:名無しより愛をこめて
07/06/23 00:05:42 7cT+0yB30
俺もBLACK世代。てつをの音撃は強烈だった。

>245
本郷はIQ600くらい?ある設定だから頭はいいんだろうね。
強さだけで左右されないロワにおいては優秀な能力かも。
身体能力もショッカーに選ばれたくらいだし高いんだろう。



251:名無しより愛をこめて
07/06/23 01:27:54 +jsHyxRmO
何よりも変身ベルトは本来の使用者本人じゃなくとも使える


252:名無しより愛をこめて
07/06/23 01:56:34 ChG4xWebO
小沢さん以上の頭脳に強靭な肉体か。
さすがに隊長は凄まじいな。

253:代理貼り
07/06/23 02:30:46 BkIXpTYa0
THE FIRSTが出てたら
一文字を龍騎ライダーに会わせたら楽しかっただろうなぁとは思うw

…そういえば新V3はドレイクらしいね

254:名無しより愛をこめて
07/06/23 02:45:36 BkIXpTYa0
うわ名前がそのままorz

255:名無しより愛をこめて
07/06/23 15:26:24 P7ZYBNbN0
にくちゃんねるの過去ログが復活してたからこの隙に保存できないかな?

256:名無しより愛をこめて
07/06/25 21:39:15 FvPuBGEp0
◆ooH1rChbak氏の報告はまだなのかな?

257: ◆AppnCvvfGU
07/06/26 11:48:50 UQD9KQ0G0
キャラ紹介、園田真理、草加修正版、北崎の3つしたらばに投下しました。
草加長い…orz過去ログで書き込まれてる情報も追加したらこんなコトになった。
秘密があるキャラや矢車みたいに途中で激変するキャラは説明長くなるよね…許して…
追加訂正ツッコミあったら皆様よろしくお願い致します。

あ、あと影山冴子、剣崎一真の追加修正版準備中です。
こっちは数日中に投下予定。まとめ管理人様、その時は書き換えをお願いできますか?

258:名無しより愛をこめて
07/06/26 19:36:10 xwJzpa/E0
乙!
草加が本当に凄い長さにw

今夜の投下に向けてwktkですよ。

259: ◆ooH1rChbak
07/06/26 21:35:20 zt7VvS5O0
すみませんが、まだ七割程度しか仕上がっていません。
期限を少し伸ばさせていただけないでしょうか?

260:名無しより愛をこめて
07/06/26 22:20:00 LfzVqGbQO
期待してます!!

261: ◆vHOqGgdf1U
07/06/27 08:37:35 tLNAG44x0
>>257
GJ!
キャラ紹介、追加させていただきました。
影山冴子、剣崎一真の追加も楽しみにしております。

>>259
期待します。

262: ◆AppnCvvfGU
07/06/27 18:23:36 GAc7JTkK0
>◆ooH1rChbak氏
がんばれー!!
今後の全体の大きな流れにも関係してくる話になるのかなあ・・・
どういう展開になるかwktkして待っています。
>◆vHOqGgdf1U氏
早速の更新ありがとうございました。
すばやい作業、本当に乙です。

263:名無しより愛をこめて
07/06/29 18:44:37 ZhtZIo3g0
◆ooH1rChbak氏、今日が延長期限。
投下を心から待っているぜ!


264:名無しより愛をこめて
07/06/29 20:19:07 g1tICnMsO
自分も期待してます!待っているぜ!

265:名無しより愛をこめて
07/06/29 23:24:07 IVMDkcQzO
そろそろ期限が…


266:名無しより愛をこめて
07/06/29 23:27:02 SWdPNioQ0
とりあえず今日まで待ってみましょう。
もし無理なら無理で、今日中に連絡いただければ相談ということで。

267: ◆ooH1rChbak
07/06/29 23:55:30 tKpPiw7h0
長らくお待たせしました。今から投下しますよー。


268:ドラスのなく頃に ◆ooH1rChbak
07/06/29 23:56:52 tKpPiw7h0

「・・・・・あいてて、ちょっとばかし、やりすぎたかな・・・・・・?」
体の所々を抑えながら、樹海を進む少年が一人。
――その名は、キング。
キングは先程の戦いの傷を癒すため、ある場所を探していた。
つい数時間前まで、自分達がいた小さなログハウス。
其処で体の傷を癒す算段だった。
「・・・・・・・ここ、だね。」
目的の物が眼前に見えてきた時、天から声が聞こえてきた。
『あーあー、マイクテスト中。みんな聞こえてるー!?』
まるで子供のようなその声が、森の木々の間に木霊する。
内容は、正直あまり興味が沸かなかった。
この放送に対し、キングが思ったことはただ一つ。
「・・・・・・おもしろそうじゃん・・・・・・」
未知なる存在への、期待。
たったそれだけと言われればそれまでだが、彼を動かすには十分過ぎるほどだった。
「予定変更、あっち行こっと」
キングは踵を返すと森へ向かって歩き始めた。

269:ドラスのなく頃に ◆ooH1rChbak
07/06/29 23:58:21 tKpPiw7h0
これが三十分前。
「あれー?多分こっちだと思ったんだけど・・・・・・」
独り言を呟きながら木々を掻き分けていくと突然視界が拓ける。
どうやらやっと森を抜けたようだ。
「・・・・・・おぉう?・・・・・・あそこか。」
キングの先には、一つの建物。
外から見る限り中は広く、まるで何かの施設のようにも見えた。
「さてさて、鬼が出るか蛇が出るか・・・・・・?」
まるで誰かに言っているように呟き、キングはその建物へ足を進めていった。



「・・・・・・誰も来ないなぁ。」
研究所の内部で、ドラスが呟く。
「もしかして、科学者を出すのが惜しくて、天道君を見捨てた・・・・・・とか?」
振り向き様に、冴子が壁に包まれている天道を挑発した。
「・・・・・・かも、な。だがこれだけは覚えておけ。お婆ちゃんが言っていた。心無い力を持つ者は、心の篭った力を持つ物に必ず滅ぼされる・・・・・・ってな。」
天道は天道で身動ぎ一つせずに祖母の言葉を紡ぐ。
「面白い子ねぇ・・・・・・あなた、オルフェノクになってみない?あなたなら私みたいにいいオルフェノクになれると思うわ。」
冴子は天道の頬に手を添えながら詰め寄る。
右手には愛用のサーベルを構えながら。
「お断りだ。お前のような悪意の塊になるなどな・・・・・・それに・・・・・・」
一瞬、天道の脳裏に巧の姿がよぎった。
「それに・・・・・・オルフェノクになっても、人間の心を失わなかった奴を俺は知っている。」
静かに、はっきりと。天道は強い目と口調で言い返した。

270:名無しより愛をこめて
07/06/29 23:59:05 SWdPNioQ0
 

271:ドラスのなく頃に ◆ooH1rChbak
07/06/30 00:00:09 bLPkbqnK0
「ハッハッハッ、強気だね。まぁ、見捨てたって事はないと思うよ。」
ドラスが表情のない顔で嘲笑う。
「あら、何でそう思うの?」
疑問に思った冴子が聞き返す。
「だってあの人たち、お兄ちゃんに似てたからね。きっと助けに来る。」
お兄ちゃん。それはドラスの内側にいる麻生勝のこと。
似ていると言うことはつまり、内に秘めた正義感が天道を見捨てることはできないと言うこと。
合点がいくと、自然と口元が綻ぶ。
「どうしたの?冴子お姉ちゃん。」
ドラスの無邪気な声が聞こえてくる。
「いえ、何でもないわ。」
すぐに顔を元に戻し、ドラスへと顔を向ける。
直後、何かの気配を感じた。
耳を済ませると、遠くに何かが聞こえる。


272:名無しより愛をこめて
07/06/30 00:00:42 cv1NkOi70
 

273:ドラスのなく頃に ◆ooH1rChbak
07/06/30 00:01:33 bLPkbqnK0
コッ・・・・・・コッ・・・・・・コッ・・・・・・
「・・・・・・誰か、来たみたいだね。」
研究所内に響く乾いた足音。
ドラスもそれに気付いたのか立ち上がる。

カチャリ、とドアの開く音。
その影から、その場に不釣合いな少年が顔を出す。
「割と少ないんだね。もう少しいると思ったのに。」
その少年――キングは、ドラスに向かって言い放った。
「あら、坊や。何の御用かしら?」
妖艶な笑みを浮かべながら、冴子はキングに話しかける。
「別に。ただ、面白そうだったからさ。」
口元に小さな笑みを浮かべると、ドラスが口を開く。
「ねぇ、君。名前は?僕はドラス。こっちが冴子お姉ちゃんで、あれが天道総司って言うんだ。」
ドラスはそれぞれを指差し、説明する。
「僕の名前はキング。ねぇドラス、さっきの放送って君たちだよね?」
短く頷くドラスをよそに、冴子が口を挟んでくる。
「・・・・・・それで、結局何しにきたの?戦いたいのかしら?」
「ハッハッハッ、用心深いね。でも、向こうは戦うどころじゃないみたいだよ?」
そう言われ、改めてキングを見る。
所々が破れ、緑色の血が滲んだ服。
今だって、脇腹を左手で押さえている。
軽い口調だが、そのダメージは尋常ではないだろう。
――疑りすぎか。
「ごめんなさいね。変なこと言って。」
「別にいいよ。さっきも言ったじゃない。面白そうだったからって。ねぇ、僕も混ぜてくれない?」
緊迫した空気の中で、キングがとんでもないことを口にした。

274:名無しより愛をこめて
07/06/30 00:02:49 cv1NkOi70
 

275:ドラスのなく頃に ◆ooH1rChbak
07/06/30 00:05:56 bLPkbqnK0
「・・・・・・つまり、あたしたちの仲間になるって事?」
冴子が聞き返す。おそらく胸の内は半信半疑だろう。
「そ。いいだろ?こう見えても結構強いよ?」
ひらひら手を振り、淡々と話すキング。
するとドラスが、立ち上がって其処まで歩み寄った。
「・・・・・・何だよ。」
キングが少しだけ引くと、鋼で構成された腕を差し出してきた。
「いいよ、仲間に入れてあげる。」
子供のように少し頭を傾けながら、言い寄って来るドラス。
「ドラス君、本当にいいの?」
「大丈夫。強いってのは嘘じゃなさそうだし、何より僕と気があいそうだもん。」
ドラスのあまりに子供らしい理由に、冴子は若干呆れ、キングは自然と口元が歪んでしまった。
「これからよろしくね、キング君。」
「こちらこそ、ドラス。」
二人は、互いの手を硬く握り合った。0..

276:名無しより愛をこめて
07/06/30 00:06:44 cv1NkOi70
 

277:ドラスのなく頃に ◆ooH1rChbak
07/06/30 00:07:38 bLPkbqnK0
「これで三人。もう、負けるようなことはないわね。」
目の前にいる二人を交互に見ながら、冴子が口を開く。
「そうだ。ちょっとやってみたいことがあるんだけど、いいかな?」
「ん、何かな?」
突然、ドラスが言い、キングが返事をする。
「まぁ、見ててよ・・・・・・フンッ!」
言葉と共に力を入れると、ドラスの両手から二つ、光の玉が飛び出した。
「これ、なぁに?」
「・・・・・・さぁ?」
いかにも不思議といった感じの冴子とキング。
――――その時だった。
光の玉が膨らみ始め、見る見るうちに二つの存在を形作った。
「「グ、オゥウォウアゥアォオオゥァァァッッッ!!!」」
二匹の化け物―コウモリ男とクモ女―は、言葉で表せないほどおぞましい叫びを上げた。
「・・・・・・驚いたわね。ドラス君、こんなことも出来るなんて。」
何処か楽しそうに冴子が言う。
「これならますます心配ないじゃない、アッハハハハッ!」
「そうだねぇ。そもそも最初から心配なんかしてなかったけどね、アッハッハッハッハッ!」
キングがさも嬉しそうに笑い、ドラスもそれにつられて笑う。

惨劇という名の宴の準備は整った。後は、時が来るのを待つだけ。

278:ドラスのなく頃に ◆ooH1rChbak
07/06/30 00:10:44 bLPkbqnK0
――その脇で、天の道を往く男は考えを巡らせていた。
(・・・・・・面倒なことになったな。あのキングとか言う男はともかく、
あの二匹の化け物は流石の俺にも予想外だったな。これで五人。
皆に情報が行き届いていない以上、ここは俺が何とかするしかない。
今はまだ動けないが、いつか必ず一泡吹かせてやる。
この俺を人質に取ったことを後悔するんだな。
お婆ちゃんが言っていた。どんな闇の中にも、必ず光はある、ってな。)

絶望の中に、一筋の希望が生まれた。
まだその光は儚いが、いつか――――。


279:名無しより愛をこめて
07/06/30 00:11:25 cv1NkOi70
 

280:ドラスのなく頃に ◆ooH1rChbak
07/06/30 00:13:42 bLPkbqnK0
【ドラス@仮面ライダーZO】
【1日目 現時刻:午後】
【現在地:市街地D-6】
[時間軸]:仮面ライダーZOとの戦闘で敗北し死亡した直後
[状態]:軽傷。左肩に音撃傷(本人は気づいていない)。最高に『ハイ!』って気分。一時間半戦闘不可?
[装備]:怪魔稲妻剣
[道具]:首輪(麻生勝)。配給品一式×4(ドラス、立花藤兵衛、麻生勝、天道)。
    ラウズカード(ダイヤの4、8。クラブの7。ハートの3、4、7。スペードの4)。
    ハイパーゼクター。ベルト(カブト)
[思考・状況]
1:第三回放送まで天道の仲間を待つ。
2:望月博士なしで神になる方法を考える。
3:首輪を外しこの世界を脱出する。
4:首輪の解除のため、冴子を利用する。
5:他の参加者は殺す。ただし、冴子とキングには興味あり。

[備考]
※1:ドラスの首輪は胴体内部のネオ生命体本体に巻かれています。(盗聴機能は生きています)
※2:ドラスはドクトルG、ヨロイ元帥、ジェネラルシャドウ、マシーン大元帥の情報を得ました。
※3:麻生は首輪が外れたため、死亡扱いになりましたが、ドラスの中で生きています。
ただし、ドラスが死ぬと麻生も死にます。
※4:赤ドラス化は能力発揮中のみ使用可能です。通常時は普通のドラスに戻ってしまいます。
※5:GM-01改4式(弾切れ)と拡声器はD-6エリアに放置されています。
※6:制限が緩められ、戦闘時間、戦闘不能時間に影響があるかもしれません。
※7:コウモリ男とクモ女は首輪をしていないため、個々の能力は十分使えます。

281:名無しより愛をこめて
07/06/30 00:14:58 cv1NkOi70
 

282:ドラスのなく頃に ◆ooH1rChbak
07/06/30 00:18:46 bLPkbqnK0
【影山冴子@仮面ライダー555】
【1日目 現時刻:午後】
【現在地:市街地D-6】
[時間軸]:本編最終話あたり
[状態]:肩にかなりの深さの裂傷。一時間半は変身不可。
[装備]:オーガドライバー(オーガストランザー付属)
[道具]:首輪(園田真理)。アドベントカード(SEAL)。配給品一式。
[思考・状況]
1:生への執着。ドラスくんなら、自分の望みを叶えてくれる?
2:ドラスくんとの取引にのり、首輪の解除方法を探す。
3:あきらと巧に復讐。
4:キングのことは全面的に信頼。
5:コウモリ男とクモ女に驚き。

【天道総司@仮面ライダーカブト】
【1日目 現時刻:午後】
【現在地:市街地D-6】
[時間軸]:ハイパーゼクター入手後。
[状態]:拘束状態(ZO本編の望月博士と似たような状態)。全身に拷問の痕。重症。一時間半変身不可。
[装備]:なし。
[道具]:なし。
[思考・状況]
1:この拘束状態から脱出する。
2:ドラスたちを倒す。
3:乾、あきらをはじめ、皆の守りたい人との合流。

[大集団全員の共通事項]
時間軸にずれがあること、異世界から連れてこられたことは情報として得ました。
仲間である人物と敵であろう人物の共通認識がされました。
小沢が求める設備はD-6エリアの研究所が有力ですが、他に存在するかは後の書き手さんに任せます。

283:ドラスのなく頃に ◆ooH1rChbak
07/06/30 00:20:00 bLPkbqnK0

【キング@仮面ライダー剣】
【1日目 現時刻:午後】
【現在地:市街地D-6】
[時間軸]:キングフォーム登場時ぐらい。
[状態]:全身に負傷大。疲労大。一時間半変身不可。
[装備]:携帯電話
[道具]:なし
[思考・状況]
1:楽しそうなことになった。超楽しみ。
2:レンゲルとのゲームのため、ラウズカード探し。
3:この戦いを長引かせる。そのため、支給品を取り上げる。
4:戦いに勝ち残る。まだまだ面白いものも見たい。
5:北岡に興味。しばらくしたら、また会おう。

284:名無しより愛をこめて
07/06/30 00:20:44 cv1NkOi70
 

285:ドラスのなく頃に ◆ooH1rChbak
07/06/30 00:23:28 bLPkbqnK0
以上、投下完了しました。
期限を過ぎての投下、本当に申し訳ありませんでした。
感想、ご意見、指摘点などあったらお願いします。

・・・・・・タイトルに深い意味はありませんよ?w

286: ◆vHOqGgdf1U
07/06/30 00:24:44 cv1NkOi70
GJ!
ドラスがキングと共闘する理由が気があいそうというのが、単純且つらしくてよかったです。
ふたりとも能力制限中なのによくやるな。
コウモリ男とクモ女の登場で、矢車たちに暗雲。天道はなんとかできるのか?と、すばらしい引きだったと思います。
しかし、ドラスは制限中というのに怪人を生み出せるとは、相当制限緩んでいそうですね。

安達明日夢、天美あきら、乾巧、霞のジョー、木野薫、城茂、津上翔一、
秋山蓮、小沢澄子、神代剣、草加雅人、日下部ひより、氷川誠、南光太郎、
矢車想、結城丈二、リュウガ、ジャーク将軍、上城睦月、ガライ、ジェネラルシャドウ
相川始、シャドームーン、キング、影山冴子、ドラス、天道総司
を予約します。

287:名無しより愛をこめて
07/06/30 00:41:37 bLPkbqnK0
浅倉以外総予約ーッ!?
これは期待大です。頑張ってください。

288:名無しより愛をこめて
07/06/30 00:42:43 UksKdFnF0
全員www

289:名無しより愛をこめて
07/06/30 00:44:33 bLPkbqnK0
しまった、上げてしまったorz

290: ◆vHOqGgdf1U
07/06/30 01:18:47 cv1NkOi70
すいません、>>275の最後ですが、

>二人は、互いの手を硬く握り合った。0..

これは誤字でしょうか、文字化けでしょうか?

291:名無しより愛をこめて
07/06/30 01:44:18 PVvqv9R80
>>285
GJ!
似たもの同士というところかw
ますます激戦が予想される展開に運んで、盛り上げるのが上手いと思いました。

>>286
ほぼ全員予約来た!
予約合戦には負けましたが、楽しみに待っています!

292: ◆ooH1rChbak
07/06/30 10:08:00 bLPkbqnK0
>>290
すいません。誤字ですわorz

293:名無しより愛をこめて
07/06/30 13:40:21 GwVrHzo/0
URLリンク(jp.youtube.com)


294:名無しより愛をこめて
07/06/30 15:47:34 bLPkbqnK0
・・・・・・あれ?youtubeって日本語だったっけ?

295:名無しより愛をこめて
07/06/30 18:19:57 IOIC1svj0
>>285
GJ
……あれ? 蝙蝠&蜘蛛って首輪無いから制限もナッシング?
矢車チーム大ピンチ……か?

>>286
二十七人同時予約……これは波乱の予感

あと、没ネタ投下スレありましたっけ?


296:名無しより愛をこめて
07/07/01 10:51:53 LWwgmHw00
>>286
新作を期待しています。
まとめサイトに関しての訂正をお願いします。

結城丈二の状態表より

>[時間軸]:[時間軸]:仮面ライダーBLACLRX終了後。

>[時間軸]:仮面ライダーBLACKRX終了後。
に訂正お願いします。

297: ◆AppnCvvfGU
07/07/01 11:19:30 55P2Gx4R0
ooH1rChbak氏>
乙!!そしてGJ!!ドラスとキングがやばいなあ…ww
冴子さんが漁夫の利もって行きそうな気もするし…
天道がんばれ!!
タイトル見てドラスの中の瀬川が目覚めてグギャったり
キングL5発症とか冴子さんが憂慮すると祟りシステム発動とか
一瞬にしていろんな妄想をしてしまった・・・orz
vHOqGgdf1U氏>
小沢の頭脳と草加の悪知恵と光太郎の気合と矢車のここ一番の動揺wwに超期待!!
がんばってください!!
そして氷川に早くGトレーラーを…

したらばにキャラ紹介 冴子修正追加版、剣崎修正追加版、リュウガの3つ
投下しました。いつもの如く追加訂正ありましたら皆様お願い致します。

298:名無しより愛をこめて
07/07/01 13:40:00 KvSpK9UKO
乙です。
ドラスは案外、キング辺りに騙されてやられそうだ。
あとドラスの中の麻生が復活するかどうかも楽しみです。
原作じゃオルゴールの音色で復活出来ましたがどうなるか…

299:名無しより愛をこめて
07/07/01 18:30:34 lrK5bc5A0
光太郎が怒りの力でバイオライダーになって、ドラスの体内に入り込み麻生を助けると予想。ついでにドラスの体内をボロボロにする
でも首輪の制限で液体化しても体内に入れないのかな?

300:名無しより愛をこめて
07/07/01 19:35:23 6o4l/nPwO
光太郎がバイオライダー化して首輪と制限が取れたら神崎士郎的にかなりマズいことになっちゃうぜ?

301:名無しより愛をこめて
07/07/01 19:50:49 ot3IDBIoO
原作の望月博士の死因ってあの拘束から解かれたからだっけ?
天道まずいな

302:名無しより愛をこめて
07/07/01 21:22:35 +/HNQC9W0
>>300
何か気配を感じて後ろを振り向くと大量のライドロンが……

303:名無しより愛をこめて
07/07/01 22:49:03 TvvFrfQV0
27人同時・・・スゴス

304:名無しより愛をこめて
07/07/02 00:23:34 0NLItzUuO
>>302
平行世界から来たハイパーカブトの大群と未来から来たRXの大群がオーディン&神崎士郎の前に立ちはだかる!

305:名無しより愛をこめて
07/07/02 01:03:38 PvkBOx2t0
そこまでのフラグ立てる方が大変そうだw

306:名無しより愛をこめて
07/07/02 01:49:56 /AiSUBwDO
>>304
なんというカオス展開www

307:名無しより愛をこめて
07/07/02 01:59:00 6RRDrDc50
>>304
それはそれで見てみたいwwww

308:名無しより愛をこめて
07/07/02 02:17:40 8UuB9mwx0
RXとカブトが制限解除して立ち向かったらマジで神崎に勝てそうだな。
それにしてもRXの活躍が早くみたいな・・・出来ればドラスを圧倒して
ぶっちぎって欲しい。この局面を切り抜けれるのはこいつしかないだろう。

309:名無しより愛をこめて
07/07/02 03:05:08 m/inqYAdO
このスレを見ているせいか夢でライダー達が戦ってたぜ……

310:名無しより愛をこめて
07/07/02 11:52:03 0NLItzUuO
RXとハイパーカブトのバイク攻撃になすすべもなく倒されるオーディンと神崎。
お互いを掴もうと手を伸ばすが、オーディンはRXに鎖を足首につけられて、連れ去られてしまう。
そして何ヶ月かたったある日………オーディンは靴を修理して働いていた。

311:名無しより愛をこめて
07/07/02 13:54:19 eATWOhm7O
何そのパラダイス・ロストwww


312:名無しより愛をこめて
07/07/02 14:49:49 xuCWjV5ZO
吹き出したやんか!
しかも想像したら神崎とオーディンがキモい

313:名無しより愛をこめて
07/07/02 16:45:26 ygnLp1KmO
>305

そんなときに魔法の言葉。

「その時、奇跡が起こった!」

314:名無しより愛をこめて
07/07/02 17:35:09 0NLItzUuO
天道's「今日は俺たちとお前たちで」
光太郎's「ダブルライダーズだからな!」

315:名無しより愛をこめて
07/07/03 00:12:58 9F2IV82L0
RXに複線はいらないわな。
「その時、不思議なことが~」

この一文だけで事足りるんだし。

316:名無しより愛をこめて
07/07/03 00:31:45 FbLCErOm0
とても便利だが禁じ手というか奥の手というかww

317: ◆vHOqGgdf1U
07/07/03 02:00:15 akVanNW+0
まとめサイト更新しました。
キャラ紹介の更新です。
進行状況ですが、現在4、5割程度。水曜の夜中までに投下予定です。

>>295
したらばに作られてはいかがでしょうか?

318:名無しより愛をこめて
07/07/03 02:12:51 gsKgXx8R0
>>317
まとめ更新乙!!
早い! 楽しみにしています!!

319:名無しより愛をこめて
07/07/03 03:40:21 iTCscJmj0
やはりラストは一人残りになるのかな?

ん~、ライダーBRならではのラストに期待したいね
10人ライダーvsオーディンとか、、、、しかしRXに勝てる奴が想像つかねーよ

320:名無しより愛をこめて
07/07/03 07:47:00 EkRBSTwhO
RXは、ヤバいよ。

321:名無しより愛をこめて
07/07/03 08:40:41 8KpbiSqMO
>>317
投下が楽しみです!
そして更新乙です!

322:名無しより愛をこめて
07/07/03 09:36:51 QOyNjkTj0
>>317
いつも更新お疲れさまです。
力作が楽しみだ!!どうぞがんばってください!!

323:名無しより愛をこめて
07/07/03 12:49:15 0NHebaDRO
さしものドラスもミナミコウタロスには勝てないだろうな。
「おのれドラス、許さん!」

って言って欲しいなw

324:名無しより愛をこめて
07/07/03 13:17:20 EkRBSTwhO
つーか草加と明日夢がウザくなってきた。
早く死んでくれ。

325:名無しより愛をこめて
07/07/03 13:59:37 t6rVhws0O
>>323
ミナミコウタロスが良太郎に憑依………そんなネタを考えた時期が俺にもありました

326:名無しより愛をこめて
07/07/03 14:50:48 AHCmX4HJO
味方も含め人外ばかりのライダーロワだからいろいろ画策したりしないと人間は生き残れないよな…
これで明日夢か氷川が優勝して「本当に強いのは人の思いだ!」的な〆になったら…泣ける(いろんな意味で)

327:名無しより愛をこめて
07/07/03 15:03:25 lBYWm/G10
参加していて生き残ってる全ライダー対神崎オーディンっつーのが見てぇ

328:名無しより愛をこめて
07/07/03 15:52:41 EkRBSTwhO
草加は、生き残って欲しくない。

329:名無しより愛をこめて
07/07/03 16:10:50 8k5nfsrxO
いや、全員いい子ちゃんだと面白くない

ダークヒーローは貴重

330:名無しより愛をこめて
07/07/03 16:14:06 H/CZ8AuTO
明日夢「本当に強いのは…人の思いだ!」
響鬼・加賀美・水エル「お前が言うな」

331:名無しより愛をこめて
07/07/03 16:14:19 t6rVhws0O
草加は生き残ってほしくないが活躍はしてほしい(草加的な意味で)

332:名無しより愛をこめて
07/07/03 16:57:49 E2uN7q/eO
草加イザは誰か(ライダー)と壮絶に相討ちとかがいいな。
最後まで嫌な奴を貫きつつ、格好良く。

ともあれ力作wktk

333:名無しより愛をこめて
07/07/03 18:55:22 4dw3TqBSO
草加がコウモリ男かクモ女に敗れたら泣ける

334:名無しより愛をこめて
07/07/03 19:59:38 lBYWm/G10
RX大好き人間の俺としては、カイザは仮面ライダーとしてドラスと壮絶に相討ちになって欲しいかな

335:名無しより愛をこめて
07/07/03 20:16:05 8k5nfsrxO
ここで予想を裏切って
天道死亡 矢車さんカイザベルトを使って死亡

光太郎残して 全員死亡だと 光太郎は悪魔に認定する

336:名無しより愛をこめて
07/07/03 20:35:31 t6rVhws0O
光太郎だけは死ぬ姿が思い浮かばん。下手したら死体になっても太陽光が当たるだけで生き返りそうで怖い

337:名無しより愛をこめて
07/07/03 20:36:23 AHCmX4HJO
天道死亡→ネイティブひよりが天道に擬態してハイパー化(風間ワームがドレイクになれたから擬態すればなんとかなるか?)→脱出→オーディン出現→ひよりとオーディン相討ちエンド。
とか妄想したがいろいろ無理だな。
そういえばネイティブのネックレスって破壊されたんだっけ?


338:名無しより愛をこめて
07/07/03 22:45:20 gQCGgSbp0
特別に映画版天道と神崎のやり合いをしてるんだし
TV版天道まで死んだら映画版天道の死が無意味になるようでなんかなぁ。
RXとカブトの共闘は見てみたい。

339:名無しより愛をこめて
07/07/03 22:51:32 4dw3TqBSO
>>338
草加がマイザーボマーで氷川たちを急襲したときに壊れたことになってる。

340:名無しより愛をこめて
07/07/03 22:53:22 4dw3TqBSO
安価ミス
>>338>>337

341:名無しより愛をこめて
07/07/03 23:50:45 8aTSxU+G0
今回のバトル、サバイブ「烈火」は出てないんだね・・・
勝者(複数人も可)がオーディンを撃破してオーディンデッキを手に入れて、
3枚のサバイブカードを使った大逆転ハッピーエンドを期待していたのに

342:名無しより愛をこめて
07/07/03 23:56:40 uv+cn4ZoO
ラウズカードみたくどこかに放置されてるとか

343:名無しより愛をこめて
07/07/04 09:09:21 9H4IGXrD0
ドラスの持つ怪魔稲妻剣がミソ
光太郎、下手に悲しんでロボライダーにパワーアップしたら最悪それが死亡フラグになる危険性も・・・

でも仮にも初披露フォームでいきなりやられる展開だとそれはそれでちょっとなぁ

344:名無しより愛をこめて
07/07/04 12:29:41 NX/JJilxO
悲しむ→ロボライダー化→ついでに怒る→バイオライダー化
と一気にやれば大丈夫

345:名無しより愛をこめて
07/07/04 13:16:35 1yxtdtyf0
ロボライダーのハッキング能力で首輪あっさり外せたりしないよな

346:名無しより愛をこめて
07/07/04 14:04:33 AJKgWiMg0
そんな機能あったっけ?

347:名無しより愛をこめて
07/07/04 22:10:09 NX/JJilxO
>>346
ある。ていうかボルティックシューターは生身の人間でも使えるんだな……

348:名無しより愛をこめて
07/07/05 00:33:52 VWWQ43YeO
もうすぐ投下予定時間になるのかな?
過去最高27人予約で話がどう進んでいくのかwktk待機中。

349:名無しより愛をこめて
07/07/05 00:36:23 IY2jPrhoO
解析はできるが技術の関係上ロボ自身では解除できないとか?
多分ライダークオリティにより解析さえしちゃえばあっさり解除しそうだが

350:名無しより愛をこめて
07/07/05 00:54:18 WYsNO4bdO
光太郎のすごい所は一人だけ首輪の解除方法が二つあることだぜ

351:名無しより愛をこめて
07/07/05 02:43:59 6aiDwGkeO
駄目だ……
もう我慢できない……
おやすみ

352: ◆vHOqGgdf1U
07/07/05 07:18:58 N1pAmQPv0
>>351
ごめんなさい。
真夜中に投下予定でしたが、書きあがらず、現在進行状況は9割5分程度です。
本日の夜、推敲の上、投下します。

353:名無しより愛をこめて
07/07/05 08:15:49 6aiDwGkeO
わかりました
楽しみにしてます

354:名無しより愛をこめて
07/07/05 21:02:48 tiXN19Kl0
そろそろ来るか…?

355:名無しより愛をこめて
07/07/05 21:31:52 wd+yVXjm0
ところで浅倉は、独り寂しく何をしているのかなw

356:名無しより愛をこめて
07/07/05 21:33:38 XePoknbF0
一人「料理の鉄人」

浅倉「さあ、今日のメニューは……グランザイラスの串焼きだ……」

357:名無しより愛をこめて
07/07/05 22:00:07 lrLSjIq6O
浅倉「食べて良いか?」

358:名無しより愛をこめて
07/07/05 22:25:24 DwT1FcEh0
橘「俺も、食っても良いかな?」

359:名無しより愛をこめて
07/07/05 22:41:01 WYsNO4bdO
光太郎「ペロ……………これはクライシス!!」

360: ◆ooH1rChbak
07/07/05 23:04:39 UgcBA3Gj0
浅倉威予約します。

361:名無しより愛をこめて
07/07/05 23:54:06 MCqLrCa50
>>360
期待

つーか脅威の27人予約が行われてる一方で一人ぼっちのこの寂しさ、
なんか浅倉が本気でものすごくカワイソス(一番ノリノリの奴のはずなのにw)

362:名無しより愛をこめて
07/07/06 00:01:27 IJn/8P920
>>360
たった一人の浅倉がどうなるのかwktk
27人予約共々待ち望んでます

363: ◆vHOqGgdf1U
07/07/06 00:02:31 rXmODkgS0
大変遅くなりましたが、投下いたします。

364:四者の知略 ◆vHOqGgdf1U
07/07/06 00:03:53 rXmODkgS0
 樹海の中、煌々と輝く陽の光を遮る大樹の下で寝息を立てる7人の男女達。
 7人の男女は皆、一様に疲弊していた。
 無理もない。平和な日常から切り離され、殺し合いの場に放り込まれてから、1日も経過していないというのに、既に何人もの死者が出ている。
 次に死ぬのは自分かも知れないという恐怖はいやでも精神を蝕んでいく。
 そして、最も精神を蝕まれ、既に他者への思いやりを失った少年は寝たふりをしながら、状況を注意深く窺っていた。
 安達明日夢である。明日夢は隙があれば、首輪に手を掛け、水のエルと同じように他の参加者の首を吹き飛ばすつもりだった。
 話しを聞く限り、今、変身できるのは明日夢しかいない。後は武器さえ封じれば、皆殺しにすることだってできるはず。
 だが、すぐにそれは無理だとわかる。1人を除き、皆一様に隙がない。
 加賀美の時と同じだ。立ち上がろうと動きを見せれば、皆、何らかの反応を示す。
 盾になる人間が増えたのはいいが、増えすぎては手に余る。
 皆を離別させる上手い方法はないものかと、明日夢が思考していると、誰かが立ち上がった。
 寝込みを襲う気かと、明日夢は身を硬くする。
 しかし、その男は寝ている者には眼もくれず、南に向かって、歩き出した。
「どこへ行く、乾」
 男を制止する声。声を掛けたのは城、掛けられたのは乾だ。
「小便だよ」

365:四者の知略 ◆vHOqGgdf1U
07/07/06 00:04:39 rXmODkgS0
「じゃあ、俺も付き合おうか。南への長い小便にな」
 城の言葉に乾は顔をしかめる。城には乾がどこに行こうとしたかわかっていた。
 真理を汚した放送の主の前にひとりで行き、ひとりで決着を着けるつもりなのだ。
「俺も行くって言ったろ。それにお前はまだ変身できない。生身のままで戦うつもりなのか?」
「俺にはもうひとつ、変身がある。俺は一刻も早く真理の仇を取りたいんだ!」
 なるほどなと、城は思う。乾は少し自棄になっているのだろう。
 自分の大切な人の遺志を継ぎ、戦うことを誓った矢先に、再び死を強く意識させられ、その人の願いを叶えなければならないという強迫観念に駆られているのだ。
 城も岬ユリ子が死んだことを聞かされた時には似たような状況に陥った。
 だから、こういう時の対処の方法は知っている。
「乾」
 城は乾の肩をポンと叩いた。そして、無理やり振り向かせると、握り締めた拳で、右頬を思いっきり殴った。
「なにしやが……」
 非難の声を上げようとする乾の胸倉を掴み、城は自分へと引き寄せた。
 乾の眼を真っ直ぐに見つめ、言葉を紡ぐ。
「いいか。お前が少女の願いを叶えたい気持ちはわかる。だが、慌ててどうする!
 仮面ライダーの使命は闇を切り裂き、光をもたらすこと。光をもたらそうとする奴が死んだんじゃ、何にもならねぇ。
 乾、お前は生き残らなきゃいけないんだぞ。お前に想いを託した少女の分まで生きて、したかったことを叶えてやらなきゃいけないんだ」
 かつて城自身が経験した想い。岬ユリ子への想い。それを真正面からぶつける。
 その言葉が持つ想いの深さを、乾の心は感じ取ったのだろう。カッとなっていた頭は幾分か冷静さを取り戻したようだ。
 乾はひとり進むことを諦め、大地へと腰を下ろす。
「わかった。あと一時間だな」
「ああ、あと一時間経ったら、皆で放送の奴を倒しに向かうぞ」
「それですが」
 突如、ふたりに掛けられる声。振り向くと、そこにはサングラスを掛けた黒づくめの男―木野がいた。
 彼の後ろを見ると、今の悶着が目覚ましになったのだろう。津上らも眼を覚まし、こちらに注目していた。
「城さん、私に提案があります」 

366:四者の知略 ◆vHOqGgdf1U
07/07/06 00:05:39 rXmODkgS0
「提案?」
「ええ、南に向かうのは私と乾さん。後の皆さんは合流地点を決めて、そこに待機してはいかがかと」
「おいおい、俺は必要ないっていうのか?」
「いえ、そういう意味ではありません。ただ、全員で行っても無駄だと言ってるのです。
 安達くんや霞のジョーさんは生身ですし、天美さんは変身できるといっても女性。それに津上さんは傷が深く、しばらく安静にしておいた方が無難でしょう。
 そうなると実際に戦えるのは城さんと乾さんと私。ならば、城さんには護衛を。直接の仇であり、捕まっている天道さんの知り合いでもある乾さんと、治療ができる私とで南に向かいます。
 幸いにも私と、そして、乾さんには2通りの変身があります。余程の相手ではない限り、負けはないでしょう」
 城は木野の言葉に悩む。城は木野とほぼ同じことを考えていた。木野に言われなくても明日夢やあきらは残すつもりだったのだ。
 違うのは南に向かうのが、自分と乾のふたりを予定していたことぐらいだ。
「あなたが私を信頼していないのはわかります。私は橘を殺してしまった。そのことについて言い訳するつもりはありません。
 しかし、私も橘と交わした約束を守りたいのです。橘の願いを叶えてやりたいのです」
 悩む城を見て、木野は別のことで悩んでいると解釈したらしい。城が知らなかった事実を木野は告白した。
 木野に言われるまで、城は自分を襲ったライダー、仮面ライダーアギトが木野だということに気付いていなかった。
 それは今の木野が、自分を襲ったライダーと、既にまったく違う雰囲気を放っていたからだ。
 城は、橘の死という事実を悲しむと同時に、橘が命をかけて彼を戻したことも、また理解した。
 結果的に木野の告白は城の悩みを打ち払う。木野もまた自分らと似た事情をもつライダー。ならば、その後悔を断ち切る機会が必要だ。
「わかった。南の奴は乾とお前に任せる。俺は皆を守る。乾もそれでいいか?」


367:四者の知略 ◆vHOqGgdf1U
07/07/06 00:06:26 rXmODkgS0
「ああ。事情はよくわからねぇが、あんたがいいならそれでいい」
「決まりだ。合流地点はここからも見えるあの一番高いビルの屋上にしよう。そこで俺たちは待っている」
 城の言葉に2人は頷いた。いや、2人だけではない。3人の会話を聞いていたジョー、津上、あきら、明日夢も頷く。
 しかし、明日夢の思惑だけは他の皆とは違っていた。
(なんとも暑苦しい人たちです。拳で分かり合うなんて何年前の思考なんでしょうか。
 でも、これで厄介払いができました。木野は人を殺したって言ってましたし、油断ができません。乾は不良みたいでなんか怖いです。
 その点、城は岬ユリ子が太鼓判を押すお人好し、利用するには最適な人種です)
 明日夢は心の中で笑みを浮かべる。
(ジョーさん。今まで守ってくれてありがとうございます。でも、もうジョーさんに用はありません。
 生身のジョーさんより、頑丈な盾が見つかりましたし、うっかり僕が水のエルを殺したことをしゃべられても困ります。
 津上さん、あなたのことはよく知りませんが、僕のために犠牲になってください。
 そして、天美。寝ている時、君は隙だらけでした。余程、この人たちを信用しているんでしょうね。
 僕は必死に生き残ろうと努力しているというのに、天美は何の努力もなしに守られているなんて不公平です。
 不公平は解消されなければいけませんよね)
 明日夢の狂気は膨れ上がる。
 明日夢はあきらを知らない。あきらも心を闇に囚われかけたことを。

368:四者の知略 ◆vHOqGgdf1U
07/07/06 00:07:24 rXmODkgS0
 あきらは明日夢を知らない。明日夢が心を闇に囚われていることを。


 一方、その頃、矢車たちはドラス打倒のための会議を終え、ドラスのいる研究所へと向かっていた。
 小沢澄子、氷川誠、南光太郎、結城丈二、日下部ひより、リュウガ、秋山蓮、神代剣、草加雅人。
 矢車想を含め、総勢10名。この戦いで生き残った参加者の3分の1にも及ぶこの集団は、それぞれが様々な思惑を持ちながらも、たった1人の参加者の打倒のために集っていた。
 それほどまでにドラスとは危険な存在だった。
 4人のライダーを相手にしながらも圧倒するPower。
 一瞬にして、6人に分身したナイトを砕くSpead。
 銃弾が切れたと見せかけて、相手の油断を誘うTactics。
 破壊された腕を一瞬にして再生させるAbility。
 そして、戦いを無邪気に楽しむ子供のような心innocence。
 全てにおいて完璧な存在。そんなドラスを倒す方法はないものと思われた。
 通常ならば。
 矢車たちは会議において、ドラス打倒の光明を見つけていた。その光明の名は『首輪』。
 ドラスは自分から宣言していた。自分の目的は首輪を外して、究極生命体に進化するためと。
 つまり、ドラスにも首輪の制限はある。
 ならば、ドラスを倒す方法は、10分間、ドラスの攻撃に耐え、制限が掛かったところで打ち倒す。
 それは、以前、矢車がグランザイラスに試みて、焦りから失敗した方法だった。
 だが、今度こそ成功するものと矢車は確信していた。今の矢車には戦うための力も、冷静な判断力も、頼れる仲間もいる。
 パーフェクトな今の状況であれば、失敗することなどあり得ない。
 しかし、それでも不安はある。
 ドラスの実力は4人がかりでも10分も持たなかった。10人がかりでも10分稼げるかどうか。


369:四者の知略 ◆vHOqGgdf1U
07/07/06 00:08:13 rXmODkgS0
 そして、気になることもある。ドラスの首に首輪はなかったという秋山とリュウガからの情報だ。
 恐らくドラスは首を吹き飛ばしても死なない。それは驚異的な再生能力と腕を飛ばす能力がそれを証明している。
 首輪を外したがっている以上、首輪をしていないとは考えづらい。別の場所に首輪が付けられていると考える方が自然だ。
 人間の首のように、爆破されたら『死』しか有り得ない器官。そこに首輪が付けられているのだろう。
 ドラスを倒すためにはそこを探ることが必須条件になる。
 
 ドラス戦という演目の舞台へと上がろうとする演者たち。
 だが、その内の1人は別の演目への出演を余儀なくされる。
「見つけたぞ、RX!」
 銀色の身体を持つ仮面ライダーによって。

 数分前―

 シャドームーンと相川始はF5エリアにあるビルの一室で休みを取っていた。
 第3回放送までのわずかな期間の同盟関係。そうはいっても、情報交換も共闘する気もない。ただ黙って時間が経つのを待つ。
 シャドームーンはそれこそ虚空を見続けているだけで、まったく動こうとしなかったが、始は体力の回復を待つまでの間、ディパックの中身を確認していた。
 今までは戦いに明け暮れていたため、まったく確認などしていなかったが、勝ち残るためにはあらゆる手段を講じることが必要だと思い直したからだ。
 食料として支給された乾パンをバリバリと食べる。効果など雀の涙ほどだろうが、食べないよりは身体の回復力は高まるだろう。
 食べながら、中身を確認した結果は『はずれ』。入っていたのはコンパス、地図、名簿など、恐らく他の参加者にも支給されたものと2枚のカード。
 初めにそのカードを発見したときはラウズカードかと期待したが、その期待はあっさりと裏切られた。
 使えない支給品を渡したことへのせめてものサービスのつもりなのか、カードにはメモが付けられており、使い道はわかる。
 1枚目のカードはサバイブのカード。龍騎というライダーをパワーアップさせるカードらしい。
 2枚目はギガゼールのアドベントカード。モンスターを呼べるらしいが、これも龍騎と同じシステムをもつライダーしか使えないと書かれていた。

370:名無しより愛をこめて
07/07/06 00:08:21 uyVax7WE0


371:名無しより愛をこめて
07/07/06 00:08:48 E7ruGNr50
    

372:四者の知略 ◆vHOqGgdf1U
07/07/06 00:09:10 rXmODkgS0
 口が上手い奴なら交渉に使えるかも知れないが、自分には敵を強化させるだけの無用の長物だ。
 始は2枚のカードを破り捨てようと力を込める。その時、傍らに置いておいた首輪探知機に反応があった。
 1つの丸は2つ、3つとどんどん増えていっている。
「これは」
「どうした」
「外に誰かいる。方向からいって、こちらに向かっているわけではなさそうだが、1、2、3……全部で11だ」
(群れていることから考えて、放送の主を倒しに向かっているといったところか)
 始は窓から、探知機に映し出された集団の正体を確認する。
(ドクトルGと一緒にいた奴らか)
 幾人かの顔には見覚えがあった。スーツを着た真面目そうな中年の男性。背が高くがっしりとした警察官。
 そして、白いジャンバーとスラックスを着たさわやかそうな青年。
(あいつはビルの屋上にいた……やはり生きていたか)
 仕留め損なった獲物を前に、ジョーカーとしての本能がわずかに首をもたげる。
 だが、始はその本能をヒューマンアンデッドの力で抑え込む。
(落ち着け。ここで襲撃したところで、逃げられるか、返り討ちにあうか。狙うのは奴らと放送の主との戦いが終わってからだ)

―カチャ―

 響く足音。
 いつの間にか、シャドームーンは始の隣へと来ていた。
 ただならぬ始の様子に興味を引かれたのだろう。
 始はシャドームーンを見る。ふとそのエメラルド色をした眼が光った気がした。
「……見つけたぞ」
 シャドームーンは右手を振り上げる。
「見つけたぞ、RX!」
 そして、そのまま一気に振り下ろした。たちまち、砕け散る窓ガラス。
 始が止める間もなく、シャドームーンは窓を通り、外へと躍り出た。一直線に集団の中の一人へと向かっていく。
(殺し合う相手を見つけたのか?)
 始は窓際に身を隠し、シャドームーンの行動を観察する。
 シャドームーンの狙いは白いジャンバーとスラックスの男。以前、自分が仕留め損なった男だった。

373:名無しより愛をこめて
07/07/06 00:10:05 uyVax7WE0


374:四者の知略 ◆vHOqGgdf1U
07/07/06 00:10:41 rXmODkgS0
(あいつがそうか。ならば、しばらく様子を見させてもらう)
 始はシャドームーンの戦いの行方をしばらく見守ることにした。


「フン!」
 シャドームーンの拳が南光太郎の頬を掠める。
 南はその腕を取ると、動きを封じ込めようとした。
 だが、変身前の南と能力を発揮しているシャドームーンとは力の差は歴然だった。
 南を片手で持ち上げると、放り投げる。投げられた南は弧を描き、壁へと叩きつけられた。
「またお前か」
「南さんに手出しはさせません」
 迫るシャドームーンにリュウガと氷川がタックルを仕掛ける。しかし、その程度ではシャドームーンの歩みは止められない。
「邪魔だ」
 ふたりの頬を軽くはたく。それだけでふたりの身体は吹き飛ばされ、地面へと転がる。
 大地に伏せる南光太郎の前に立つシャドームーン。
「変身しろ、南光太郎。今こそ、お前との決着をつけてやる」
「信彦」
 南光太郎は立ち上がると、右手を天高く突き上げる。
「変……」
「ヌッ!?」
 南光太郎が、変身を決意し、言葉を紡ごうとした瞬間、シャドームーンに纏わりつく、小さな蜂型のメカたち。
 矢車が放ったザビーのマイザーボマーだ。
「逃げるぞ、南くん。君は貴重な戦力だ。ドラスと戦うまでは変身は温存しておかなければいけない」
「矢車さん。……信彦、今は他にやらなくてはならないことがある。決着を着けるのはその後だ」
 言うが否や、南光太郎はシャドームーンから逃げ出す。他の矢車をはじめとした9名も思い思いの方向へと駆け出し始める。
「おのれぇ……ふん」
 シャドームーンの手より放たれる閃光。それは地面に着弾すると地から沸き出でる稲妻となり、マイザーボマーを一瞬にして破壊する。
 破壊の際にマイザーボマーは爆発を起こすが、シャドームーンへのダメージは微々たるものだ。
「小癪な真似を」
 既に南光太郎たちは逃げた後だった。その場には誰一人いない。それでもシャドームーンは諦めるつもりはない。
 遮二無二、追い駆けようと、南が向かった方向へ駆け出そうとする。

375:名無しより愛をこめて
07/07/06 00:11:03 E7ruGNr50
   

376:四者の知略 ◆vHOqGgdf1U
07/07/06 00:11:25 rXmODkgS0
「待て、そっちじゃない」
 そこで、始は物陰から姿を現した。首輪探知機のディスプレイとシャドームーンの顔を交互に見る。
「あの白いジャンバーの男がお前の言っていた殺し合う男か」
「そうだ。あいつは南光太郎。仮面ライダーBLACK RXだ」
 やはりかと思うと同時に、始は今がチャンスだと理解する。首輪探知機には南光太郎のを特定する反応が映し出されている。
 交渉の基本は需要と供給の見極め。これを使えば、シャドームーンを利用することができるはずだ。
「……交換条件だ。今、俺には南光太郎の居場所がわかる。場所を教える代わりにひとつ、俺からの条件をひとつ聞いてもらう。どうだ?」
 シャドームーンは始が成か否かの不安を感じる暇さえなく、即答した。
「いいだろう。その条件は後から聞いてやる。早く南光太郎の場所を教えろ!」
 交渉成立。
「わかった。南光太郎は、誰かの首輪を持った男と北に向かっている」
 始とシャドームーンは首輪探知機が指し示す方向へと向かっていった。


「ここまで来れば大丈夫だろう」
「………」
 結城と南は建物の陰に隠れ、呼吸を整える。
 バラバラに逃げ出した南たち。だが、待ち合わせの場所は決めてあった。
 研究所に向かう途中で何者かに襲撃を受けたら、いくつかのチームに分かれ、目的地を目指す。
 矢車の計画通りだ。
 南は仮面ライダーとしての先輩に当たる結城丈二と逃げ出した。
 いや、正確には結城に引っ張られて、逃げ出した。
 南は矢車が止め、結城に引っ張られなかったら、シャドームーンと変身し、戦うつもりだった。
 今は短慮だったと反省しているが、シャドームーンを眼の前にすると、気持ちが抑えきれなくなってしまった。
 ゴルゴムとの戦いの中、自らの手で命を奪った親友の復活。今の彼は記憶を失い、自分を倒すことのみを目的としているという。
 彼との戦いを避けることは出来ないだろう。だが、逆に考えることはできないだろうか。
(今の記憶を失ったシャドームーンなら、信彦に……。いや、今は考えるのはよそう。それより、早くドラスを倒さなければ)

377:名無しより愛をこめて
07/07/06 00:11:52 E7ruGNr50
   

378:名無しより愛をこめて
07/07/06 00:12:02 uyVax7WE0


379:名無しより愛をこめて
07/07/06 00:12:56 E7ruGNr50
   

380:名無しより愛をこめて
07/07/06 00:14:16 IJn/8P920
  

381:四者の知略 代理投下
07/07/06 00:15:57 E7ruGNr50
「すいません、結城さん。ようやく落ち着きました。早く矢車さんたちと合流しま」
 光太郎の声を遮り、突如、轟音が鳴った。反射的に上を見上げると、建物が瓦礫と化し、南たちへと襲い掛かってくる。
 南と結城は紙一重でそれをかわすが、続いて、その隣の建物が爆ぜた。
「これは!」
 崩れ落ちてくる瓦礫を必死で避けていると、声が響いた。
「出て来い、南光太郎!そこに居るのはわかっている!」
「信彦」
「どうして、ここが」
 シャドームーンの手に握られた首輪探知機そこには首輪の反応が3つあった。
 そのうちの2つは不自然なほど近づいている。
 首輪探知機では誰の首輪かまではわからない。だが、首輪なら生死を問わず反応する。
 始は戦闘の最中、その特異な反応を示す人物を確認していた。そして、その人物が南光太郎と逃げるのを確認していた。
 その人物とは結城丈二。その不自然なほど近づいている2つの反応とは結城の首輪と結城が持つドクトルGの首輪の反応だ。
 シャドームーンは南光太郎を追ってきたのではない。南光太郎と一緒に行動しているであろう結城丈二を追ってきたのだ。
「早く出てこないと、風見志郎が巻き添えになるぞ!」 
 結城丈二を風見志郎として、認識しているシャドームーンは、風見志郎の名前を出し、南光太郎に揺さぶりを掛ける。
 暗に言っているのだ。お前が出てくれば、風見志郎は助けると。
 しばし、待つが南光太郎は姿を現さない。もう一度、脅しとして、シャドービームを放つ。
 強力な破壊力を秘めた閃光は建物を吹き飛ばし、爆風を巻き起こす。
 その爆風に紛れて、走る影がシャドームーンの瞳に映った。
 白いジャンバーに、白いスラックス。南光太郎か。
 シャドームーンは念のため、首輪探知機で確認を行う。
 逃げていく影の反応はひとつ。その場から動かないのはふたつ。
(風見志郎を逃がすため、場所を移すつもりか?いいだろう)
 シャドームーンは逃げていく影を追った。

 シャドームーンがその場を離れ、眼で確認できないほど遠ざかってから、その場に残った男は動きだした。
 紺色の上下のスーツ。だが、それを着ているのは、顔にしわが刻まれた中年ではなく、若い青年だった。
「結城さん、無事でいてください」


382:名無しより愛をこめて
07/07/06 00:16:55 IJn/8P920
    

383:四者の知略 代理投下
07/07/06 00:16:54 E7ruGNr50
 シャドームーンの前には白いジャンバーとスラックスを着た結城丈二の姿。
「それは首輪の探知機かなにかだろう?この首輪には特殊な金属が使われていた。恐らくそれを探知しているのだろう。
 そして、それは誰の首輪かまでは特定できない。特定できるのなら、俺が風見志郎とは言わないはずだしな」
「どういう意味だ?」
「俺は風見志郎ではない。俺の名前は結城丈二、ライダーマンだ」
 結城の告白を聞き、シャドームーンは自嘲気味に笑う。
「フッ、一体貴様は俺をどれだけ愚弄すれば気が済むのだ?」
「すまない。……すまないついでだ。今は南を見逃してくれ。今から俺たちはドラスという強敵に立ち向かわなければならない。
 ドラスを倒すためにはどうしても南の力が必要なんだ」
「……仕方あるまい。探し出したとしても、もう戦える時間は限られている。今はRXを倒すのは諦めよう。しかし!」
 風見志郎!いや、結城丈二!代わりにお前を倒し、傷つけられた誇りを癒すとしよう」
 シャドームーンは両手にシャドーセイバーを召喚し、臨戦態勢を整える。
「わかった、相手になろう」
 結城丈二は思う。
(思えばシャドームーンとはなんとも奇妙な縁だ。彼は南を除いては、危害を加えない限り、誰も襲わないはずだった。
 それが自分のせいで2度もチームを危険に晒すことになってしまった。
 シャドームーンに責はない。全ての責任は俺にある。今こそ、責任を取るべきときだ)
「ヤァ!」
 結城丈二はライダーマンマスクを高く掲げ、それを被る。
 たちまち、ライダーマンの身体には黒のスーツ、銀のブーツ、銀の手袋、赤い装甲が実体化し、装着されていく。
 黄色いマフラーがたなびく時、結城丈二は仮面ライダー4号、ライダーマンへと姿を変えた。
「パワーアーム!」
 ライダーマンは右腕を刃に変化させると、シャドームーンに挑みかかっていった。
 上からの力を込めた一撃。シャドームーンはシャドーセイバーを持ちながらも、あえて左腕のエルボートリガーでそれを受け止める。
 金属と金属のぶつかり合う音が響く。ライダーマンは更に力を込めるが、シャドームーンの左腕は身じろぎひとつしない。
「くっ」

384:名無しより愛をこめて
07/07/06 00:17:24 uyVax7WE0


385:名無しより愛をこめて
07/07/06 00:17:41 IJn/8P920
        

386:間違えた。>>383はこちらです。
07/07/06 00:18:01 E7ruGNr50
 シャドームーンの前には白いジャンバーとスラックスを着た結城丈二の姿。
「それは首輪の探知機かなにかだろう?この首輪には特殊な金属が使われていた。恐らくそれを探知しているのだろう。
 そして、それは誰の首輪かまでは特定できない。特定できるのなら、俺が風見志郎とは言わないはずだしな」
「どういう意味だ?」
「俺は風見志郎ではない。俺の名前は結城丈二、ライダーマンだ」
 結城の告白を聞き、シャドームーンは自嘲気味に笑う。
「どうやら、また貴様にはいっぱいくわされたようだな」
「フッ、一体貴様は俺をどれだけ愚弄すれば気が済むのだ?」
「すまない。……すまないついでだ。今は南を見逃してくれ。今から俺たちはドラスという強敵に立ち向かわなければならない。
 ドラスを倒すためにはどうしても南の力が必要なんだ」
「……仕方あるまい。探し出したとしても、もう戦える時間は限られている。今はRXを倒すのは諦めよう。しかし!」
 風見志郎!いや、結城丈二!代わりにお前を倒し、傷つけられた誇りを癒すとしよう」
 シャドームーンは両手にシャドーセイバーを召喚し、臨戦態勢を整える。
「わかった、相手になろう」
 結城丈二は思う。
(思えばシャドームーンとはなんとも奇妙な縁だ。彼は南を除いては、危害を加えない限り、誰も襲わないはずだった。
 それが自分のせいで2度もチームを危険に晒すことになってしまった。
 シャドームーンに責はない。全ての責任は俺にある。今こそ、責任を取るべきときだ)
「ヤァ!」
 結城丈二はライダーマンマスクを高く掲げ、それを被る。
 たちまち、ライダーマンの身体には黒のスーツ、銀のブーツ、銀の手袋、赤い装甲が実体化し、装着されていく。
 黄色いマフラーがたなびく時、結城丈二は仮面ライダー4号、ライダーマンへと姿を変えた。
「パワーアーム!」
 ライダーマンは右腕を刃に変化させると、シャドームーンに挑みかかっていった。
 上からの力を込めた一撃。シャドームーンはシャドーセイバーを持ちながらも、あえて左腕のエルボートリガーでそれを受け止める。
 金属と金属のぶつかり合う音が響く。ライダーマンは更に力を込めるが、シャドームーンの左腕は身じろぎひとつしない。
「くっ」

387:名無しより愛をこめて
07/07/06 00:18:10 uyVax7WE0


388:名無しより愛をこめて
07/07/06 00:18:33 IJn/8P920
 

389:四者の知略 代理投下
07/07/06 00:19:12 E7ruGNr50
 上からの攻撃を諦め、ライダーマンは腕を戻すと、今度は腹目掛けて、その腕を横薙ぎに払った。
 その攻撃はシャドームーンに命中し、火花を散らせる。
 だが、シャドームーンは呻き声ひとつ上げない。
「ドリルアーム!」
 取り出したカートリッジを挿しこませると、右腕は刃から対象を穿つドリルへとその形状を変化させる。
 ライダーマンはシャドームーンの腹へと、その一撃を放った。
「甘いな」
 ドリルが届くより早く、左手に握られたシャドーセイバーがその進路を遮る。先程のパワーアームと同じく、ドリルアームも身じろぎひとつしない。
「ふっ」
 振り下ろされる右腕。シャドーセイバーはドリルアームに炸裂し、ドリル部分を真っ二つに叩き切った。
「なにっ」
 動揺するライダーマン。その隙を逃さず、繰り出された回し蹴りを頭部に受け、ライダーマンは地面へと転がされた。
「やはり以前とは大違いだな」
 以前、シャドームーンが敗北したライダーマンとの戦い。
 ライダーマンは今とまったく同じ攻撃を繰り出したが、シャドームーンの結果は異なるものだった。
 パワーアームの攻撃にエルボートリガーは砕け、腹は切り裂かれ、ドリルアームの攻撃で腹を貫かれた。
 だが、今回はパワーアームの攻撃を受け止め、腹への攻撃は我慢できる程度、ドリルアームの一撃も余裕で防ぐことができた。
「さて、止めをささせてもらうぞ」
「くっ、マシンガンアーム!」
 迫るシャドームーンを止めようと、ライダーマンはマシンガンになった腕を構えて、撃つ。
「無駄だ」
 放たれた無数の銃弾をシャドービームで瞬時に消し去り、次いで、ライダーマンの身体を焼く。
 ライダーマンは声にならない絶叫を上げる。
 やがて、痛みに悶えるライダーマンの横にシャドームーンが辿り着く。
「ロープア……」
「遅い!」
 高速の斬撃。鋭き赤の刃はライダーマンの右脇から入り、そのまま右肩へと突き抜けた。
 マシンガンからロープの射出装置へと変化しようとしていた右腕は、血を弧状に吹き上げながら、宙へと舞う。
「うぉぉぉぉぉぉぉっ!」
 銀の装甲に飛び散る赤。ライダーマンの返り血だ。
 シャドームーンは自分の眼に付いた血を拭うと、脚でライダーマンの胸を抑えて、仰向けに固定させる。

390:名無しより愛をこめて
07/07/06 00:19:48 IJn/8P920
   

391:名無しより愛をこめて
07/07/06 00:20:30 uyVax7WE0


392:四者の知略 代理投下
07/07/06 00:20:59 E7ruGNr50
 狙いは今も疼くライダーマンに貫かれた場所。腹だ。
「死ね」
 振り下ろされるシャドーセイバー。ライダーマンのスーツを貫き、皮膚を貫き、肉を貫く。
 そして、やがてそれはもう一度皮膚を貫き、地面までを貫いた。
「げふっ!」 ライダーマンの露出した口から血が吐かれる。
 シャドームーンはこれでようやく借りを返したことに安堵を覚えた。だが、それはライダーマンの一言で徒労に終わる。
「こ……これで満足か、シャドームーン?」
 ライダーマンは血を吐き出し、苦しみに顔を歪めながらも、それに反するかのように笑っていた。
「貴様」
 シャドームーンは理解した。ライダーマンはわざと自分に負けたのだ。わざわざ以前の自分との戦いを再現して。
 だが、ライダーマンが何故そのような行為に及んだかまでは理解できなかった。
「済まなかったな……お前を……利用…したりして。騙す…つもりはなかったんだが、あの時は……いや、言い訳だな。
 南はドラスを倒し、全てが…終わっ…たら、お前と決着を着けるだろう。それまで待ってはくれないか?」
「あいつの都合など知らん」 
「……そうか。ならシャドームーン、聞くが…南を倒したその後、お前はどうするつもりだ?」
 天道からの時と同じ質問をされ、シャドームーンは答えに窮する。
 あれから何度か考えたが、シャドームーン自身は答えを見つけることは出来なかった。
 だからこそ、RXを倒すことで、その答えを見つけようとしているのであるが。
「答えなんて……出やしない。お、お前の生きる目的は、み、南を倒すこと。ならば、もし南を倒したら……お前は存在意義をなくし、死ぬだけだ……
 だから、俺は頼む。もし南を倒したなら、お前は……南がやりたかったことをやって欲しい。それが南を倒すお前の責任だ」
「なにを馬鹿なことを」
「……氷川くんを、ひよりちゃんを、みんなを……守ってやってくれ」
 ライダーマンは力を使い果たしたのか、それきりしゃべらなくなった。
 すると、自然と変身が解かれ、結城丈二の姿へと戻っていく。
 結局、ライダーマンに勝っても、シャドームーンの誇りが晴れることはなかった。
 もし、ライダーマンがわざと負けなかったとしても、自分の勝利は揺るがなかった。それはわかる。

393:名無しより愛をこめて
07/07/06 00:21:12 IJn/8P920
   

394:名無しより愛をこめて
07/07/06 00:22:20 IJn/8P920
   

395:四者の知略 代理投下
07/07/06 00:22:23 E7ruGNr50
 だが、わざと負けられるのは、やはり誇りが許さない。この誇りを晴らすためにやることは……
「殺したのか?」
 いつの間にか、始はシャドームーンの後ろへといた。
 シャドームーンとライダーマンの戦いを見ていたのだろう。
「いや、急所は外しておいた。こいつには散々利用されたからな。今度はこちらが利用する番だ」
 シャドームーンは結城を肩へと担ぐと歩き出す。
「どこへ行く」
「先程の場所でRXを待つ。お前は放送が行われた場所まで行くのだろ?ならばRXに俺のいる場所を伝えておいてくれ。
 結城丈二を返して欲しければ、来いとな」
「構わないが、さっきのと合わせて、貸しは2つだぞ」
「ふっ、借りは必ず返す。必ずな」
 会話が終わると、シャドームーンは南へ、始は北へと去っていった。各々の目的を果たすために。
 シャドームーンは結城丈二の言葉を戯言として捨て去ることにする。
 だが、その言葉は少しだけ、シャドームーンの中の何かに引っかかった。


 海岸を疾走するGトレーラー。 赤きサイレンを回しながら走る、青き車体の中では来たるべき時に向けての会議が行われていた。
「計画は以上だ」
 黄金の仮面をつけ、将軍の名に相応しい貫禄をもった男、ジャーク将軍。
「多数の獲物が狩れるわけだな。異論はない」
 純白の服に、王子たる気品と狩猟者の如き鋭き視線の青年、ガライ。
「俺もだ。制限が掛かっている今の状態では、それがベストであろう」
 所々焼け焦げた真っ白いタイツを身に纏い、血管が浮き出る顔に透明な仮面をつけた魔人、ジェネラルシャドウ。
 三人は不適に笑う。来たるべき時、行われるだろう殺戮の宴への期待に。

 四者が目指すのは研究所。戦うべき敵はドラス。

396:名無しより愛をこめて
07/07/06 00:22:38 uyVax7WE0


397:名無しより愛をこめて
07/07/06 00:23:12 IJn/8P920
   

398:パーフェクトミッション 代理投下
07/07/06 00:23:26 E7ruGNr50
 時計の針がチクタクと鳴る。
 矢車の右腕に付けられた腕時計の長針は11を指し、短針は5を指そうとしていた。
 作戦決行の時間まであと5分。
 矢車と草加、リュウガの3人は、研究所からわずかに離れた木陰に身を隠し、周囲を見張っていた。
 ドラスの放送に呼び出され、突入する者がいれば、行動を止め、仲間にするためだ。
 ドラスに少人数で挑むのはあまりにも無謀。こちらとしては仲間はひとりでも多い方がいい。
 そして、もうひとつ。これは矢車と草加の間で交わされた話で、他の仲間たちには内緒だが、自分たちの敵が来るようなことがあれば、突入させ、捨て駒にするためだ。
 だが、残念なことに今までに誰ひとり、研究所には姿を見せていなかった。
「5時だ。パーフェクトミッション開始」
 研究所の前に一人の男が立つ。
 年の頃は40前後。スーツで身を固め、精悍な顔の男。
 彼は研究所の扉を開け、中へと入っていく。ドラスの弱点を探るために。
 パーフェクトミッション『序章』。矢車は自分の作戦が成功するのを祈った。

 男は研究所の中に入るとスタスタと歩みを進めていた。
 研究所の中でも戦闘が行われたのだろう。壁などを見るとへこみやヒビが見て取れる。
「いらっしゃい、おじちゃん」
 甲高い子供のような声。歓迎の言葉を上げながら、その声の主が姿を現した。
 くすんだ鋼色の身体と昆虫を模した『怪人』と呼ぶに相応しいフォルムをした生命体。
 男はそいつが自分たちの最強最悪の敵、ドラスだと瞬時に理解した。
「おじちゃんは何者かな。天道総司の仲間?拡声器のお姉ちゃんの復讐者?それとも……」
「科学者だ。デストロンのな」
「デストロン?」
 ドラスはその名前には聞き覚えがあった。立花藤兵衛から得た情報からだ。 確か『ドクトルG』と『ヨロイ元帥』のふたりが所属している組織だったはず。
「じゃあ、おじちゃんがドクトルGなのかな?でも、聞いている特徴と違うよ」
「ほぉ、ドクトルGの名を知っていたか。俺は結城丈二。ドクトルGと同じく、デストロンに所属する科学者だ。
 ドラス、お前に協力したい。俺は偉大なる首領のために、ここからの脱出を目指している。俺をここから脱出させてくれるなら、お前の首輪を外す手助けをしよう」

399:名無しより愛をこめて
07/07/06 00:24:10 IJn/8P920
   

400:パーフェクトミッション 代理投下
07/07/06 00:24:54 E7ruGNr50
「ふぅん。脱出派の人か……どうするお姉ちゃん」
 ドラスに呼ばれ、姿を現したのは妖艶な女性。モデルのようなスラリとした体型に、170cmを越す長身。
 戦場だというのに紅く塗られた唇は、男なら瞬時に魅了されそうな艶っぽさを放っている。
(こいつが影山冴子か)
「……科学者ね。まあ願ってもない話ではあるけど、どうして協力する気になったのかしら?」
「決まっているだろう、脱出したいからだ。それ以外に理由があるか」
 冴子は真贋を確かめるためか、じっと見つめる。
「いいわ、信じましょう」
「こっちだよ、おじちゃん」
 手招きしたドラスの後に続き、研究所の中枢へと歩みを進めた。


 喫茶店『Jacaranda』の裏手に小沢、秋山、ひより、氷川、南の5人は集合していた。
 この喫茶店の近くで命を落とした城戸真司を葬るためだ。
 既に埋葬は完了し、盛られた土の上には近くから摘んできた花が供えられている。
「城戸君、あなたの遺志は私たちが継ぐわ。ひとりでも多くの人を助けて、この戦いを終わらせる。だから、安らかに眠りなさい」
 小沢は黙祷すると、それに合わせて皆、手を合わせ、頭を下げた。
 死者への弔いが終わり、その場にいた人物たちは移動の準備を開始する。
「小沢さん、本当にあなたたちも行くんですか?」
「仕方ないわ。今まで待ってたけど、結城さんにはここに辿り着けない何かがあった。
 予定では彼と私とひよりちゃんはここで待つ予定だったけど、彼が来ない以上、あなたたちの近くにいた方が安全だわ」
「すいません、シャドームーンの狙いは俺です。俺のせいでみんなにご迷惑を」
 南は頭を下げる。小沢はその頭を思いっきり叩いた。
「痛て、何するんですか!」
「はいはい、男ならガタガタ騒ぐんじゃないわよ。元から向かう途中に襲われるのは想定内だったでしょ。
 あなたが気に病むことでもないわ。それでも迷惑だと思ってるんなら、態度で示しなさい。
 結城さんがいないなら、あなたがふたり分働けばいいことだわ」
 とんでもない人だと、改めて思う反面、その通りだとも南は思った。
 結城さんはこれから始まる戦いを自分に託した。自分はその思いに報いるために頑張るまでだ。 
 燃える光太郎に意外な人物から声が掛けられる。日下部ひよりだ。

401:名無しより愛をこめて
07/07/06 00:25:07 IJn/8P920
    

402:名無しより愛をこめて
07/07/06 00:25:10 uyVax7WE0


403:名無しより愛をこめて
07/07/06 00:25:54 IJn/8P920
    

404:パーフェクトミッション 代理投下
07/07/06 00:26:07 E7ruGNr50
「あいつは、そんなに悪い奴じゃない。だからきっと大丈夫だ」
 ひよりのいうあいつとはシャドームーンのことだろう。
 氷川から聞いた話では、一時的にではあるがふたりと行動を共にしていたらしい。
 とても守っていたとは言えない状況ではあったそうだが、ひよりの言葉に南は希望という名の一筋の光が見えた気がした。
「さて、行くとするか」 準備を整えたディパックを背負い、研究所があるであろう北への道を見つめる。それぞれが、それぞれの決意を眼に灯し、歩みを開始した。
 その途中、小沢は蓮に声を掛ける。
「秋山君、サバイブのカードは持ってるわね?」
「ああ」
 蓮の手に握られたサバイブ『疾風』のカード。
 ここに来た目的は、城戸の弔いだが、わざわざ戦いを前にして、寄ることにしたのは蓮の戦力を増強する目的もあった。
 蓮は正直、気が進まなかったが、ドラスを倒し、響鬼の仇を討つため、もう一度、城戸の力を借りることを決めた。
 だから、ドラスとの戦いが終われば、カードはまた城戸に返すつもりだった。
 それほどまでにサバイブのカードは、蓮には重い。だが、そんな蓮の考えを小沢は見越していた。
「秋山君、君はドラスとの戦いが終わったら、そのカードを返す気でいるみたいだけど、そのカードを城戸君に返すことは許さないわ」
「なんだと」
「あなたはカードデッキを持つ限り、そのカードを持つ義務がある。逃げることは私が許さないわ」
 小沢は言いたいことだけ言うと、蓮を追い抜かし、先を歩いていく。
 蓮は満足な反論もできず、その後姿を見ているだけしかできなかった。
 集団の先頭を歩く小沢は前だけをまっすぐに見つめていた。その姿には一切の負の感情がないかのように皆には見えた。
 だが、小沢の胸の内は城戸への後悔の気持ちでいっぱいだった。
(ごめんね、城戸君。あのとき、私が君を止めていればこんなことにはならなかったかも知れないわ。
 さっき墓前で誓ったことは必ず守る。君の代わりにひとりでも多くの人を助けて、この戦いを終わらせる。
 だから、いざとなったら君の力、私が使わせてもらうわ)
 小沢の手には龍騎のカードデッキが握られていた。


 研究所の機材を使い、結城丈二は首輪の研究を進めていた。

405:名無しより愛をこめて
07/07/06 00:26:37 IJn/8P920
    

406:名無しより愛をこめて
07/07/06 00:27:18 IJn/8P920
   

407:パーフェクトミッション 代理投下
07/07/06 00:27:37 E7ruGNr50
 首輪を電子メスを使い、起爆装置に触れぬよう慎重に分解していく。
 分析を進めていく内に、首輪の機構は思ったより単純なことがわかった。
 未知の機械が使われている箇所も見られたが、それは能力の制限などを司っている箇所だ。首輪の解除には関係なさそうに思える。
「まだわからないの」
 声を掛けたのは結城丈二にとっては予想外の存在。金髪の少年の姿をしたアンデッド、キングだ。
「もう少しだ。首輪の機構は大体わかった。首輪を物理的に開錠するのは不可能といっていい。一度付けたら外れないようになっている。
 ならば、力付くで無理矢理外すしかないが、そのためには起爆装置の無力化が必要だ。その方法を今、探している」
「早くしてちょうだい。早くしないと天道くんを殺さなきゃいけなくなるわ」
 冴子は怪魔稲妻剣を手に取り、天道の太腿を突き刺す。
「何をする!彼は脱出のための大切な人材ではないのか?」
「ふふっ、だって彼は人質ですもの。ドラス君が出した条件は天道くんの仲間との科学者の交換。彼らが今度の放送までに来なければ、殺すしかないわ。
 それとも、あなたは天道君の仲間なのかしら?」
 揺さぶりを掛けている。自分が天道の仲間ではないかと疑っているのだ。
 ここに来た目的はドラスの弱点を探るため。だが、首輪の解除方法がわかれば、なおいいと研究に勤しんでいたが、放送まではあまり時間がない。
 結城は勝負に出ることにした。無言のまま、5分間首輪を弄ぶ。
「よし、わかった。これで首輪が外せる」
「本当?」
「ああ、本当だ」 結城の発言は半分は本当だった。盗聴に使っている小さな穴。そこからピンのようなものを挿し込めば、起爆装置の信管部に辿り着き、それを断ち切れば爆破を防ぐことが出来るはずだ。
 あとは力付くで捻じ切ればいい。普通の人間の力では無理でも、変身した後ならばそれは充分可能だ。
 これは分解した首輪で試した確かな方法だ。だが、不安は残っていた。
 制限を司っている箇所と、起爆装置は隣り合っている。電子メスでも切り開くことができない制御部の解析はこれ以上、不可能。
 もし、制御部が、起爆装置に何らかの影響を与えているとすれば、この解除方法は失敗する可能性が高い。

408:名無しより愛をこめて
07/07/06 00:27:56 uyVax7WE0


409:名無しより愛をこめて
07/07/06 00:28:27 IJn/8P920
   

410:パーフェクトミッション 代理投下
07/07/06 00:29:07 E7ruGNr50
 制御部が作動するのは、首輪が嵌められているとき。制御部が作動している状態で外せるかどうかは、現状では人体実験を行うしかない。
 だが、もう猶予はないのだ。
「早速、首輪を外そう。ドラス君、まずは君の首輪からだ」
 結城の言葉に表情がないはずのドラスがニヤリと笑ったかのように見えた。「そうか、それが目的か。いいよ、教えてあげる。僕の首輪はね、胸の中心にある丸~い僕のコアに巻かれてるんだよ。そこが僕の本体さ」
 ドラスが告白した情報。結城が欲しかった情報だ。しかし、目的の情報が手に入っても結城は笑えない。
 その言葉が持つ意味は、自分の目的が見透かされたことを示すからだ。
「何を言ってるんだ?意味がわからないな」
 どこまで効果があるかわからないが、結城はポーカーフェイスで答えを返す。
「とぼけるんだ、まあいいけど。……じゃあ早速首輪を外してもらおうかな。但し、僕のじゃなくて天道お兄ちゃんのね」
「何?」
「脱出するためには天道お兄ちゃんの首輪を外さなきゃいけないだろ?だから、早速解除してもらおうと思ってさ。
 出来るでしょ?本当に首輪の解除方法がわかったんならさ」
 ドラスの言葉につられ、冴子とキングがニヤリと笑う。
 そして、もうひとり、ニヤリと笑う男がいた。
「結城、早く俺の首輪を外せ」
「天道……」
「俺は大丈夫だ。なぜなら俺は天の道を行き、総てを司る男だからな」
 結城は天道の元へ行き、首輪へと手を掛ける。
「天道、悪いが俺は脱出を望んではいない。俺の目的はこの戦いの頂点に立ち、全てをなかったことにすることだ」
 結城は首輪から手を放すと、天道に繋がるチューブを次々に抜いていく。
「お前……」
「ハッハッハッ。やっぱりね。結城お兄ちゃんも麻生お兄ちゃんと同じ感じがしたもの。
 やっぱりお兄ちゃんも仮面ライダーなんだね」
「俺が仮面ライダー?ふっ、どうやらワームの能力は、そのものの光さえも擬態してしまうらしいな。
 確かにこの男は仮面ライダー。一時は闇に飲み込まれながらも、闇を切り裂く光となった男だ。
 だが、俺は仮面ライダーではない」
 結城の顔が崩れていく。一瞬液状の何かになったかと思うと、その姿は別の人間の姿を形づくった。

411:名無しより愛をこめて
07/07/06 00:29:22 IJn/8P920
    

412:名無しより愛をこめて
07/07/06 00:30:21 uyVax7WE0


413:パーフェクトミッション 代理投下
07/07/06 00:30:29 E7ruGNr50
「へぇ~、別の人に擬態できるんだ。面白い能力だね。でも、ここで正体を現したのは失敗じゃないかな。
 丸腰でここから逃げられると思ってるの?」
 天道を担ぎ、神代はドラスを睨み付ける。同時に奪取すべきアイテムにも視線を向けた。
(あそこか)
 神代はドラスへと真っ直ぐに突進していった。ドラスは迎撃しようと構える。
 ドラスの間合いに入ろうとする瞬間、神代は銀色の怪物へと姿を変える。
 忌むべき自分の本当の姿、スコルピオワームの姿だ。
 その姿を見たドラスは驚き、一瞬反応が遅れた。それがスコルピオワームの狙い。
 スコルピオワームはクロックアップすると、ドラスの後ろにあるベルトとハイパーゼクターを手にし、一気に駆け抜けた。
「おっ、スゲェ!」
 キングがその一瞬の出来事に感嘆の声を上げた頃にはスコルピオワームはその部屋からは既に逃亡していた。
「ああっ、やられたわねドラス君」
「うん、正直びっくりしたよ。天道のお兄ちゃんやキックホッパーと同じ能力だね。ああいうのもいるんだ」
 アイテムは奪い返され、逃げられたというのに、ドラスたち3人にはまったく慌てた様子はなかった。
 それはここから逃げ出すのが、不可能とわかっていたからだ。出口に仕掛けられた蜘蛛の糸。それに絡め捕られるのがわかっていたから。
「さて、あのふたりはクモ女に任せて、また運動しにいこうかな。きっとお兄ちゃんの仲間が外にいるはずだし」
 ドラスは怪魔稲妻剣を手に取り、素振りを始める。
「擬態した科学者を潜り込ませるぐらいだ。今度は向こうも作戦立ててるはずだから、少し気合入れていかないとね」 
「だったら面白いこと考えたんだけど、どうかな?」
 キングの提案にドラスは楽しそうな笑い声を上げた。


 神代が研究所に入って、30分が過ぎた。まだ、研究所には何の変化も見られない。 
 矢車たちが立てた作戦はこうだ。
 結城に化けた神代が、首輪の解析を行い、それに乗じてドラスの首輪の位置を探る。
 それがわかったところで、隙を見て、天道と共に脱出。
 先発隊がドラスと戦い、時間を稼ぎ、神代の情報を得た後発隊が制限の掛かったドラスに止めをさす。
 その間、冴子は、オーガとの対戦経験もある神代剣が抑え、あわよくば彼女も撃破する。

414:名無しより愛をこめて
07/07/06 00:31:01 IJn/8P920
    

415:パーフェクトミッション 代理投下
07/07/06 00:31:31 E7ruGNr50
 その間、冴子は、オーガとの対戦経験もある神代剣が抑え、あわよくば彼女も撃破する。
 後発隊からの連絡によれば、結城の姿は見えないものの南との合流には成功したとのこと。
 結城の役割は小沢とひよりを守ることだった。結城には悪いが、作戦に支障はない。あとは決戦を待つのみだ。
「うん?あれは……乾か。もう一人いるな」
 カイザポインターを変形させた双眼鏡を除いていた草加が声を上げる。
 どうやら研究所に変化が現れる前に、別の訪問者が現れたらしい。
 乾という名前に、矢車は早速接触を試みる。
「乾君」
 研究所に入ろうとしたふたりを矢車は止める。
 乾は声を掛けてきた見知らぬ人物に訝しげな顔をし、警戒心を顕にしたが、その後ろに続く、人物を確認して、幾分か警戒心を緩めた。
「草加!」
「乾、生きていたか」
「お前もな」
 発した言葉を文書にして読めば、共に生きての再会を喜んでいるかのように読み取れたかも知れない。
 だが、ふたりの再会は共に相手を睨み付ける厳しいものだった。
「やめなさい」
 乾を諌めたのは、乾に同行していた黒いサングラスの男だった。
 矢車はすぐに自分の記憶の引出しから、名前を導き出す。
「申し遅れました、私は木野薫です。あなたは?」
 想定した通りの名前を名乗ったその男に、矢車も、順番に指を指し、自己紹介を行う。
「俺は矢車想。リュウガに草加雅人だ」
「雅人……?」
「俺の名前がどうかしたのか?」
 木野の反応に、草加は不信の眼差しを送る。木野はその視線を見なかったかのように同じ調子で言葉を返した。
「いえ、別に。それより、あなたたちも放送の主を倒しに?」


416:名無しより愛をこめて
07/07/06 00:31:46 IJn/8P920
    

417:パーフェクトミッション 代理投下
07/07/06 00:32:13 E7ruGNr50
「ああ、そうだ。丁度良かった。実は今……」
「天道?」
 パーフェクトミッションの説明を始めようとする矢車の言葉を遮り、乾が口を開いた。
 乾は研究所の入り口を見つめて、その言葉を紡いでいた。
 場に居る全員が、乾の視線の先を見る。そこには乾が紡いだ名前の人物がいた。
 まるで寝起きのような所々乱れた黒髪のスラリとした長身の男。
「天道!」
 乾は笑顔を浮かべ、天道の元へと駆け寄った。
「お前、無事だったのか」
「ああ」
 天道は迎えた乾に向けて満面の笑顔を浮かべた。
「!、テメェ誰だ!天道はそんな顔はしねぇ」
 乾は偽天道の顔に正拳突きを打ち込んだ。だが、その瞬間、偽天道は空中高く飛び上がる。
 皆が上空を見上げたときには、その姿はもはや天道の姿は留めていなかった。
 翼と一体になった手を大きく広げ、空高く滑空するその黒き姿は蝙蝠のようだった。
 それもそのはず、この生命体はドラスが蝙蝠の姿をイメージして作った新種の生命体。
 蝙蝠と人間を掛け合わせ、人型でありながらも、蝙蝠のように長く伸ばした指の間に翼を張らせる。
 創造主のいたずら心か、眼は本来の場所になく、額と手の平の中心にもつ怪人。
 この生命体に名はない。ただその姿からコウモリ男と呼ばれていた。
「楽しんでもらえたかな?」
 上空に注目していた視線を正面に戻すと、そこにはまた別の怪人の姿があった。
 瞬時にリュウガが反応を示す。
「ドラス!」
「ああ、あの時の黒い龍のお兄ちゃんだね。懲りずにリベンジマッチを挑みに来たのかい」
 リュウガは二度目、他の面々は初めて見るドラスの姿。

418:名無しより愛をこめて
07/07/06 00:32:23 IJn/8P920
    

419:パーフェクトミッション 代理投下
07/07/06 00:33:06 E7ruGNr50
 矢車はその姿にワームを重ね、闘志を燃やし、草加と乾は真理を灰にしたと言った化け物に憎しみと怒りを顕にする。
 リュウガと木野は比較的冷静に敵を観察しながらも、その拳は強く握られていた。
「お兄ちゃんたちも中々面白いことやるよね。擬態できる怪人を送りこんでくるなんてさ。だから、僕もお返し。どうだった?」
「神代はどうした」
「僕の質問にも答えて欲しいんだけどな。まあいいや。あの怪人だったら、僕が生み出したもう一匹の怪人と戦っているよ。天道のお兄ちゃんと一緒にね。
 結構、強いから、急いだ方がいいと思うよ。最も、僕はもっと強いけどね」
 ハッハッハッと嘲るように笑いながら、ドラスはしゃべる。どうやら上機嫌のようだ。
 それが草加の怒りと憎しみをより増幅させた。
「おい、化け物。影山冴子はどこだ。貴様と一緒にいるんだろ」
 草加は得た情報から、実際に真理を灰にしたのは冴子だと確信していた。灰化はオルフェノクの能力。
 もしドラスと組んでいるのなら、真理を灰にしたのは冴子に違いない。
「うん?お姉ちゃんの知り合い?お姉ちゃんたちなら、ほら、あそこだよ」
 ドラスが指を指した先は研究所の屋上部分。そこには影山冴子とキングの姿。場にそぐわず呑気に手などを振っている。
「僕とお兄ちゃんたちとの戦いを観戦するための特等席さ。だからお姉ちゃんやキングくんは手を出さないよ。実際に戦うのは僕とコウモリ男。
 ちょっとしたハンディさ。1、2、3、4、5、中にいるお兄ちゃんを合わせると7人か、随分、人数揃えたみたいだね。
 最も、例え残りの参加者全員集めたって、僕には勝てないよ。だって、僕は神になる存在なんだからね。ハッハッハッハッハッハッハッ」
 しゃべっている途中にまたテンションが上がったのか、ついには大笑いを始めるドラス。
 そして、大笑いの最中、徐々にくすんだ鋼色をしていたドラスの体色は血を吸ったかのように赤く変色を始める。
 赤ドラス。ZO―麻生勝を取り込んだことにより、可能となったドラスの強化体。
「もういい。貴様も、あの女も、真理を殺したことを後悔させてやる」
 草加の腰には既にベルトは装着されている。草加はカイザフォンを握り締めた。
「みんな、いくぞ!」
 矢車の声に、皆それぞれの変身道具に手を添えた。
『変身!』

420:名無しより愛をこめて
07/07/06 00:33:53 uyVax7WE0


421:パーフェクトミッション 代理投下
07/07/06 00:34:00 E7ruGNr50
 5人が同じ言葉を同時に紡ぐ。

―HENSHIN― ―Complete― ―Complete―

 矢車はホッパーゼクターを、乾と草加のふたりは携帯を、リュウガはカードデッキをベルトへと差し込む。
 木野は手をクロスさせ、出現させたベルトからアギトの力を引き出した。
 展開していく装甲。進化する肉体。変身の過程は違えど、変わって行くその姿。

―Change KickHopper―

 キックホッパーへの変身が完了したその音声が鳴り響いたとき、その場にいる5人全員の変身が完了した。

 闇を切り裂き、光をもたらす 仮面ライダーキックホッパー
 
 真を貫く、黄色の弾丸 仮面ライダーカイザ

 赤き龍の影、黒き龍の闘士 仮面ライダーリュウガ
 
 闇を切り裂く、赤き閃光 仮面ライダーファイズ

 進化し続ける、緑色の戦士 仮面ライダーアナザーアギト

 変身した5人の仮面ライダーは、ドラスと対峙する。
「ハッハッハッハッハッハッハッ、中々壮観だね。み~んな、仮面ライダーなんだ。
 じゃあ準備も出来たことだし、始めようか!」
 先に動いたのはドラス。一直線に目標に向かって、突進していく。
 その目標に選ばれたのは、リュウガ。ドラスの手に握られた怪魔稲妻剣がリュウガに放たれる。

―GUARD VENT―

 だが、リュウガは事前に装填していたカードを発動させ、召喚された一対の盾―ドラグシールドでその攻撃を防ぐ。

422:パーフェクトミッション 代理投下
07/07/06 00:34:51 E7ruGNr50
 ドラスの攻撃は激しく、ドラグシールドを支える両腕に重さが圧し掛かるが、腰を落として、それに耐える。
「ふん!」
「はっ!」
 ドラスの側面を狙い、アナザーアギトが蹴りを放つ。それと同時にファイズも拳を振るった。
 両者の攻撃はドラスの腹と右肩に命中する。
「ふふっ、痛くも痒くもないよ」
 ドラスはドロップキックでドラグシールドで防御を続けるリュウガを吹き飛ばす。
「ライダーキック!ってね」
 続いて、アナザーアギトの足とファイズの腕を掴み、上空へと放り投げる。
「うわっ!」
「まずはふたりと」
 右肩にある3つの赤い点。そこにドラスは力を集中させる。光輝く3つの点。
 ドラスは空中のふたり目掛けて、充填したエネルギーを解放した。
 解放されたエネルギーはひとつになり、青白きレーザーとなった目標へと向かう。
「ちきしょ」
 ファイズとアナザーアギトに避ける手段はない。だが、放たれたレーザーは2人には当たらなかった。

―CLOCK UP―

 レーザーが当たるより早く、加速したキックホッパーがふたりを救う。
 しかし、空はコウモリ男の領域。主をフォローするため、コウモリ男が3人へと滑空する。
「させるか」
 コウモリ男に発射される黄色をした弾丸。コウモリ男はそれを避けるが、牽制としては充分。
 3人は無事、地面へと着地する。「ったく、君たちは何をやっているのかな?」
「うるせぇ、ちょっと油断しただけだ」
「油断?あいつは油断して、勝てるような相手じゃないんだよ」
 カイザはファイズに2つのアイテムを投げつける。
 それはファイズショットとファイズアクセル。どちらともファイズの装備だ。
「乾、矢車から作戦を聞け。そして、それ通りに動け」
「草加君」
「わかってる。俺はあの蝙蝠の化け物を先に片付ける」

423:名無しより愛をこめて
07/07/06 00:35:16 IJn/8P920
    

424:パーフェクトミッション 代理投下
07/07/06 00:35:36 E7ruGNr50
 パーティバトルでは弱い奴から潰していくのがセオリー。
 しかも、空というアドバンテージをもつコウモリ男はドラス打倒のためには非常に邪魔だ。先に潰しておく必要がある。
 そして、空を飛ぶコウモリ男には、射撃装備を持ったカイザが適切。矢車と草加のふたりはそう判断した。
 言わずとも意図が通じるのはなんとも心地よい。
 カイザはコウモリ男へと向かっていった。リュウガはドラグシールドを使い、時間を稼いでいる。 
 時間は限られている。キックホッパーはファイズとアナザーアギトにパーフェクトミッションの説明を行った。


「ハッハッハッ、どうしたの防御ばかりしてちゃ、勝てないよ!」
 リュウガはドラスの攻撃をドラグシールドで防ぎ続けていた。ドラスの力を得た怪魔稲妻剣の破壊力はドラグシールドを超える。
 一撃、一撃を受ける毎に、ドラグシールドは欠けていき、既に盾としての役割は果たせなくなってきていた。
「ちっ」
 リュウガはドラグシールドをドラスに向け、投げ捨てると、素早く、次のカードを装填する。

―SWORD VENT―
 
 ドラグブラッカーの尻尾を模した青竜刀―ドラグセイバーがリュウガの右手に握られた。
 リュウガはみねの部分に左手を添えると、ドラスの怪魔稲妻剣を受けた。
「やっと攻撃すると思ったら、また、防御?それじゃあ、つまらないよ」「ふん、つまらないのなら、自分で面白くするんだな」
「ハッハッハッ、まったくだね。じゃあそうするよ」
 リュウガは突如、横からの衝撃に襲われる。突然のことに受身も取れず、リュウガは地面へと転がる。
「尻尾か」
「そうだよ。……もういいかな。お兄ちゃんとは前も戦ってるし、別のお兄ちゃんもいっぱいいる。
 お兄ちゃん、バラバラになってもらうよ」
「待ちやがれ!」
 キックホッパーからの説明を聞き終え、ファイズがドラスへと駆け寄る。
「やっと来たね」
 ファイズに背を向けたまま、ドラスは尻尾でファイズを薙ぎ払う。

425:名無しより愛をこめて
07/07/06 00:36:10 IJn/8P920
  

426:パーフェクトミッション 代理投下
07/07/06 00:36:24 E7ruGNr50
 続いて、その隙を突いて攻撃に転じようとしたリュウガを、怪魔稲妻剣で切り払った。 
 そして、素早く怪魔稲妻剣を左手に持ち帰ると、右腕を自らの意思で切り離し、アナザーアギトとキックホッパーに向けて発射した。
 高速で発射されたドラスの右腕はキックホッパーの装甲を削りとり、アナザーアギトの胸から血を迸らせる。
「相談は終わったかな?時間稼ぎをして、僕の制限が来るのを待っているみたいだけど、君達なんてその気になれば、すぐ殺せるんだ。
 時間を稼ぎたかったら、精々、僕を楽しませるんだね」
 矢車はその言葉に戦慄を覚える。
(時間稼ぎを狙っていることはどこかで気付かれるとは思ってたが、まさかこうも早く気付かれるとは)
 戦いが始まってまだ2分余り。戦局はドラスの有利で進んでいた。
 
 
 カイザはカイザブレイガンとフォンブラスターを二丁拳銃のように構えて、コウモリ男を狙い撃つ。
 次々と際限なく放たれる弾丸。しかし、コウモリ男はわずかな隙間を縫って、全てかわしていく。
「チッ」
 弾丸を当てるのが、無理ならと攻撃の手を止め、カウンターを狙おうとするが、そうしても一向にコウモリ男は攻撃を行おうとしない。
(こいつの役割は単なる時間稼ぎか)
 カイザが攻めあぐねていると、ふとフォンブラスターの画面から反射した光が眼に入った。
(今のは……)
 カイザはコウモリ男に背を向け、駆け出す。
「クキュアッ!」
 さすがに逃がすつもりはないのだろう、空を翔け、カイザを追いかけてくる。
 だが、それが命取り。カイザはディパックから食料として支給された缶詰めを取り出すと、空へと投げた。
 投げられた缶詰めは回転しながらゆっくりと上がっていく。
「クキェッ?」
 カイザの意味不明の行動にコウモリ男は首を傾げる。やがて缶詰めはコウモリ男の眼前まで上ってきた。
 コウモリ男の額の瞳が、缶詰めの底面に映った蝙蝠の姿を確認する。
 最初は自分の姿かと、コウモリ男は思った。だが映し出されたその姿は、生物というよりも機械的な容姿をしていた。
「いけ、ダークウィング!」
 缶詰めから飛び出してくる蝙蝠。それはコウモリ男の左翼に突進し、力づくで風穴を空ける。

427:名無しより愛をこめて
07/07/06 00:36:57 IJn/8P920
     

428:名無しより愛をこめて
07/07/06 00:37:25 uyVax7WE0


429:名無しより愛をこめて
07/07/06 00:37:43 IJn/8P920
   

430:パーフェクトミッション 代理投下
07/07/06 00:37:47 E7ruGNr50
 翼による風のコントロールができなくなったコウモリ男は当然、空へと留まることが出来なくなり、落下していく。
 だが、コウモリ男が大地へと叩きつけられることはなかった。落下するより早くコウモリ男へと迫る無数の弾丸。
 今まで避けていた黄色の光弾ではなく、鉄で出来た数十発の塊。
 轟音と共にそれはコウモリ男の体をえぐり、肉片へと変えていく。
「グギュアッェ!!」
 なんとか逃げ出そうと、残った右腕の翼を精一杯動かす。しかし、コウモリ男の願いは叶わない。
 銃弾の雨に変わり、放たれた火球はコウモリ男の体を一瞬にして焼き尽くした。
「随分と早いな」
 カイザはコウモリ男を倒した男に眼を向ける。
 コウモリ男の体を抉ったガトリングガン―GX-05ケルベロスを構え、焼き尽くしたガタックバルカンを装備した、氷川が変身したライダー。
 仮面ライダーガタック・マスクドフォーム。
 そして、その後ろにはコウモリ型のミラーモンスター―ダークウィングと契約したライダー、仮面ライダーナイト。
 太陽の力を吸収したキングストーンにより変貌を遂げた世紀王、仮面ライダーBLACKRXの姿があった。
「計画では、あと2分は俺たちが戦うはずじゃあなかったかな?」
「その予定でしたが、ドラスには時間を稼ぐ計画は知られています。なら、みんなの力を合わせて戦うべきです」
 矢車の懐には通信状態のトランシーバーが入れられていた。それを使い、氷川たちは出てくるタイミングを計っていたのだ。
「馬鹿かな、君たちは?時間稼ぎがばれるのは想定内。俺たちがばれたらまずいのは伏兵の存在だ。
 まあ、もう今更言ってもしょうがないみたいだけど」
「へぇ、伏兵か。そこまでは読みきれなかったな」 ドラスはリュウガたち4人を弄びながら、カイザたち4人を見る。
 以前、戦ったときとは倍の人数だというのにドラスに動揺は見られない。
「まあ、これで少しは面白くなるかな」
 ドラスとの戦いが開始されて3分。戦いはガタックたちを加え、更に激しさを増していく。


「ここはどこだ」
 気が付くとそこには闇が広がっていた。
 どこまでも続くかのように錯覚させる虚無の闇。空には光など微塵にもない。

431:名無しより愛をこめて
07/07/06 00:38:30 IJn/8P920
    

432:パーフェクトミッション 代理投下
07/07/06 00:38:32 E7ruGNr50
 しかし、不思議なことに大地からそびえ立つ数十本の柱はしっかりと見ることが出来た。その柱と柱の間に巣くう蜘蛛の巣までも。
 物理的にはありえない空間。そこに今、ワームとなった神代と、天道のふたりはいた。
「どうやら俺たちは罠にはまったようだ。奴らの方が一枚上手だったわけだ」
 天道の言葉に、スコルピオワームはここに来る直前の記憶を引き出す。
 天道を背負い、加速する自分。外へと通じる扉を確認し、あと数メートルとなったとき、天井から一匹の蜘蛛が糸をつたり降りてきた。
 構わず突進するが、蜘蛛は突然、光を放ち、気が付くと、自分たちはこの空間にいた。
「あの蜘蛛か」
「ああ。そして、ここはあの蜘蛛が造りだしたものだろ。恐らく獲物を捕食するためのな」
「獲物、俺たちか。この俺を獲物にしようとは面白い。返り討ちにしてやる」
 スコルピオワームは耳を澄ませ、辺りに注意深く視線を這わせた。
 すると、カサカサと這うような音がする。その場所とは―
「上か!」
 見上げると、柱の上から自分目掛けて落ちてくる真っ白な物体。スコルピオワームは反射的に身を翻し、それを避ける。
 避けた場所に落ちたその物体は、身体から生えた4本の節足を使い、地響きも立てず、器用に着地する。
 それは着地するとスコルピオワームを威嚇するかのように叫び声を上げた。
「キシュァッァッァッ!」
 スコルピオワームはワームをも超越する醜悪さを持つその生物の姿に、たちまち嫌悪感を覚える。
 4本脚の蜘蛛から生えたかのような人型の上半身。人型といっても腕は4本あり、足と同じく細く長く、獲物を捕食するために先が鎌状になっている。
 顔は上半分こそ人の原型を留めているが、唇はなく、歯茎が剥き出しになったおり、下歯茎は蜘蛛の遺伝子が強いのか、二つに割れていた。
 身体にある乳房が辛うじて女性であることを主張しているが、その姿の前には何の意味ももたない。
 スコルピオワームは知った。穢れない清らかさを現す純白は、同時に醜悪なものが身に纏えば、醜悪さを増幅することを。
「キシュァッァッァッ!」
 もう一度、叫び声を上げ、今度はスコルピオワーム目掛けて、突進を開始する。
 避ければ、天道に当たる。そう判断したスコルピオワームは醜悪なる生物―クモ女と力比べを開始する。

433:名無しより愛をこめて
07/07/06 00:39:31 IJn/8P920
     

434:名無しより愛をこめて
07/07/06 00:40:13 IJn/8P920
     

435:パーフェクトミッション 代理投下
07/07/06 00:40:29 E7ruGNr50
 突進と共に、真っ直ぐに突かれた2本の腕。それをスコルピオワームは己の両腕で押さえ込む。
 残る2本の腕は、触手で牽制、勝負は純粋な力比べとなった。
「うぉぉぉっ!」
「グジュァッ!」
 しかし、クモ女の力はスコルピオワームの予想を遥かに超えていた。軽々とスコルピオワームの身体を持ち上げると、柱を目掛けて放り投げる。
「ぐわっ」
 柱に激しく叩きつけられ、一瞬、意識が飛ぶ。それがスコルピオワームの隙となった。
 クモ女の口から測れる純白の糸。それはスコルピオワームの身体に絡みつき、柱に強く縛りつける。
「キシュッルァ」
 止めをさすためか、動けない神代に迫るクモ女。
 スコルピオワームは必死に拘束を解こうとするが、吐かれた時の柔軟さが嘘のように、糸は鎖の如き硬さを保っていた。
(こんな奴に俺のノブリス・オブルージュが止められてしまうというのか)
 友の命を犠牲にしてまで達成しようとしている自分の信念。それが今、眼の前の醜悪な怪物の手で終わりを迎えようとしている。
 スコルピオワームはそれが堪らなく悔しかった。
 そのとき、天より弾丸が飛来した。その高速の弾丸は神代を拘束する糸を一瞬にして切り裂き、呆けるクモ女の顔を切り裂く。
 そして、その弾丸は傷だらけの天道総司の手に握られた。
「カブトゼクター。まさか……天道、やめろ!その身体で戦うのは無理だ。こいつは俺が倒す」
 天道は人差し指を上げた右腕を天に掲げる。
「おばあちゃんが言っていた。太陽は燃え尽きる最後の時まで燃えるのを止めない。……変身」

―HENSHIN―

 ベルトにカブトゼクターがはめ込まれる。変身の機械音が鳴り響くと同時にベルトから排出されたエネルギーが銀の装甲を形作り、天道の姿を変えていく。
 青きゴーグル状の眼を持つライダー。仮面ライダーカブト・マスクドフォーム。 
 カブトはカブトクナイガンを手に取ると、クモ女に光弾を次々と撃ち込んでいく。
 堪らずクモ女は柱をつたって、逃亡を計る。クモ女はカブトから見て、柱の陰に隠れるようにして動いていく。 クモ女はカブトの後方へと回り込んでいた。
 クモ女の動きはその巨体に似合わず敏捷だ。カブトの銃撃が止まる。クモ女を見失ったのだろう。

436:名無しより愛をこめて
07/07/06 00:40:55 uyVax7WE0


437:名無しより愛をこめて
07/07/06 00:41:19 IJn/8P920
     

438:パーフェクトミッション 代理投下
07/07/06 00:41:30 E7ruGNr50
 クモ女はカブトの後方へと回り込んでいた。後方から一気に襲い掛かり、獲物を捕獲するためだ。
 カブトの動きをつぶさに観察し、隙を見計らう。
 カブトと神代のふたりはクモ女を探し、周囲の気配を窺っていた。
 だが、クモ女には見つからない自信があった。今いる場所は自分が創り出した異空間。この場所では自分の気配はこの空間と同化する。
 ピンと空気が張り詰める。その空気に真っ先に音を上げたのはカブトだった。
 クモ女の眼に隙だらけになったカブトの姿が映る。クモ女はカブト目掛けて飛び掛った。
「天道、後ろだ」
 スコルピオワームが声を上げるが、もう遅い。カブトはもう自分の射程範囲。クモ女は勝利を確信した。
「キャストオフ」

―CAST OFF―

 弾け飛ぶマスクドフォームの装甲。それはカブトに挑みかかっていたクモ女に向かう。
 攻撃に気をとられ、防御などしていなかったクモ女にそれは、容赦なく降り注いだ。
 大きさも重さも充分なそれは先程の光弾と比べものにならない重い一撃となり、クモ女の胸、顔、腕、腹を抉っていく。
 そして、それはクモ女の勝利の確信を粉々に砕けさせた。
「お前の考えなどお見通しだ」
 わざと一箇所だけ隙をつくり、そこに罠を張る。戦術の基本。だが、所詮獣であるクモ女にそれが理解できるはずもなかった。
 クモ女は傷だらけになりながらも、上体を起こし、カブトに挑みかかろうとする。

―ONE― ―TWO― ―THREE―

「ライダーキック」

―RIDER KICK―

 クモ女が最後に見たのは青白い光を絡ませたカブトの足。
 力が込められたカブトのライダーキックがクモ女の頭を吹き飛ばした。
 頭を失ったクモ女は、力を失い、カブトたちが見た小さな蜘蛛の姿へと戻っていく。
 それと同時に闇に覆われた空間は、まるで砂が風に吹き飛ばされるように一瞬にして消えていった。
 カブトと神代の眼前には研究所の出口。
「いくぞ」

439:名無しより愛をこめて
07/07/06 00:42:00 IJn/8P920
     

440:名無しより愛をこめて
07/07/06 00:42:43 IJn/8P920
    

441:パーフェクトミッション 代理投下
07/07/06 00:43:03 E7ruGNr50
 戦いはまだ終わっていない。カブトとスコルピオワームのふたりは戦いへと通じる扉を開けた。


 ガタック、ナイト、RXを加え、ドラスとの戦いは1vs8の戦いとなっていた。
 だが、ドラスはまったく怯まない。文字通り八方から迫るガタックたちを怪魔稲妻剣、尻尾、レーザー、ロケットパンチといった技を使い、逆に圧倒していく。
「強すぎる」
 弱音を吐く、キックホッパー。だが、キックホッパーの考えも尤もだった。
 今はあくまで時間稼ぎが目的。防御を軸に、攻撃はあまり行ってはいない。
 だが、それでも何回かは通常ならばクリーンヒットと言ってもいい一撃は与えている。
 それにも関わらずドラスに苦しんだ様子はまったく見えない。
「おーい、お姉ちゃん。僕が赤くなって、どれぐらい経った?」
 ドラスが観戦を続ける冴子に時間の確認を行う。
「大体5分ぐらいかしら」
「5分か、それじゃあ、そろそろ本気だそうかな。1人30秒、4分で倒すよ。
 行くよ、お兄ちゃんたち。お願いだから、4分は楽しませてね」
「来るか」
 あと5分。それまでもつことが自分たちに出来るのだろうか?
 ドラスの強さを見せ付けられ、キックホッパーたちの士気は下がりきっていた。
「何しけた顔してるの!根性見せなさい!!!」
 場に響く大声。突然のその声に場にいる全員、ドラスまでもがその声の主に視線を集中させる。
「小沢さん」
「そんなしけた顔してたんじゃ、勝てるもんも勝てないわよ。後、たったの5分じゃないの。
 それぐらいの時間、実力で足りないのなら、根性で補いなさい」
「……まったく勝手なことを言ってくれる」
 憎まれ口をたたきながらも、キックホッパーの闘志には火が灯る。
 キックホッパーだけではない。

442:パーフェクトミッション 代理投下
07/07/06 00:43:45 E7ruGNr50
 ファイズにも、アナザーアギトにも、ガタックにも、RXにも、リュウガにも、ナイトにも、同じく火が灯る。
「おばあちゃんが言っていた。男はクールであるべき……沸騰したお湯は蒸発するだけだ」
「じいやが言っていた。男は燃えるもの……火薬に火を点けなければ花火は上がらない」
 ドラスが振り向けば、そこにはカブトとスコルピオワームの姿。
「天道、神代」
「ドラスの首輪は体内の胸の部分にある。そこが奴の弱点だ」
 告げられたドラスの弱点に湧く矢車たち。しかし、その様子を見ても、ドラスは不敵にも笑った。
「ハッハッハッハッハッハッハッ、クモ女を倒したのか。弱点もバレチャッタわけだ。でも、それでも僕には勝てないよ!」
 ドラスは空へと浮いた。ドラスの能力のひとつ、空中浮遊だ。
 そして、すばやく右肩にエネルギーを集める。ただし、充填はしない。集めたエネルギーはそのまま一気に解放させる。
 マリュキュレーザー広域放射。1人に絞らず、ドラスは全員を狙った。

―CLOCK UP―

 音声と共に高速での移動を開始するカブト、キックホッパー、スコルピオワーム。
 3人はそれぞれ、リュウガ、アナザーアギト、ナイトを抱え、雨のように降り注ぐレーザーを避ける。
 そして、ファイズはファイズアクセルから引き抜いたミッションメモリーをベルトへと差し込んだ。

―Reformation―

 胸の装甲が上がり、ファイズのフォトンブラッドが一時的に銀に染まる。
 クロックアップと等しき10秒間の高速移動。ファイズ・アクセルフォーム。
 ファイズはアナザーアギトとカイザを安全圏へと避難させると、ドラスに向かって跳んだ。
 右腕にはミッションメモリーを差し込み、ナックルパッドへと姿を変えたファイズショット。

―Rady―

 ベルトから光の粒が送り込まれ、ファイズショットにエネルギーがチャージされる。
 ファイズのライダーパンチ、グランインパクト。ファイズはレーザーを放ち続ける右肩へその一撃を打ち込んだ。

―CLOCK OVER― ―TIMEOUT―


443:名無しより愛をこめて
07/07/06 00:43:51 uyVax7WE0


444:名無しより愛をこめて
07/07/06 00:44:17 IJn/8P920
   

445:パーフェクトミッション 代理投下
07/07/06 00:44:43 E7ruGNr50
 共に高速の時を終え、ドラスへと向き直る。
 グランインパクトにより、ドラスの右肩にあったレーザー発射口は破壊される。
「やるね、お兄ちゃん。でも、まずは1人」
 ドラスの視線の先には小沢をかばい、レーザーの直撃を受けたガタックの姿があった。
 ガタックゼクターが離れ、ガタックは氷川の姿へと戻る。
「氷川くん」
「ぼ、僕は大丈夫です。ガタックの装甲は伊達じゃありません」
「ハッハッハッハッハッハッハッ、そうは言っても、骨にひびぐらいは入ってるよね?
 戦えなきゃ、一緒だよ。さて、次は君かな」
 ドラスが次に狙ったのはRX。ファイズが避難させていたのが災いした。
 距離としてはわずかだが、仲間の救援が間に合うには遠すぎる。捕らえられたら、そこに待つのは『死』のみ。
「これで最後か」
 キックホッパーの持ったゼクトマイザーから放たれる無数の飛蝗型爆弾。
 ドラスがRXの元へ辿り着くより早く、まとわりつき、動きを抑制する。
「南さん、早く!」
 RXはその場から、皆のいる方向へと走りだす。だが、ドラスは逃がさない。
 すれ違う瞬間、尻尾を振るい、ラリアットのようにドラスの首へと衝撃を与える。
「グガァ」
 首が捻じ切れんばかりの衝撃に、一瞬にしてRXの意識は飛び、その変身は解除される。
「二人目、次は君だよ」
 ドラスから左腕を向けられるキックホッパー。
 ロケットパンチが来る。身構えるキックホッパー。
 だが、左腕が飛ぶより早く、ボンッと、ドラスの左肩が爆発した。
「何!?」
 その光景に誰もが驚いた。爆発した理由はわかる。マイザーボマーが爆発したためだろう。
 しかし、今までどんなことをしても満足なダメージを与えられなかったドラスの体が、なぜマイザーボマーで爆破を起こしたのだろうか?
(あの場所は……そうか、ヒビキ!)
 唯一、蓮のみが理由に気づいた。左肩は以前戦ったときに響鬼が音撃で破壊した場所。
 響鬼の清めを込めた攻撃がその左肩に残り、そこを弱点としているのだ。
(弱点はあそこか!)

―SURVIVE―

446:名無しより愛をこめて
07/07/06 00:45:45 IJn/8P920
    

447:パーフェクトミッション 代理投下
07/07/06 00:45:47 E7ruGNr50
 サバイブ『疾風』のカードを装填し、黒き騎士から、蒼き騎士へナイトは姿を変える。
 ナイトサバイブはドラスに向かって、一直線に突進していった。
「よくわからないけど、これぐらいの傷じゃ僕は怯まないよ」
 ドラスは左腕を負傷したまま、体勢を整えなおすと、怪魔稲妻剣でナイトサバイブを真っ二つに切り裂く。

―TRICK VENT―

 瞬間、一気に6体に分裂するナイト。
「同じ手を食うと思ってるの!?」
 ドラスは尻尾と怪魔稲妻剣をフルに使い、5体を瞬く間に切り裂く。
「本物見つけたよ!」
 だが、それも鏡となって消えた。
「何!」
「ふん!」
 ドラスの後ろから現れた本物のナイトサバイブは、手にしたダークソードを左肩の傷口を目掛けて突き刺した。
 そして、それを下ろすことで、傷口を大きく開く。胸の核まであと少し。
「くっ、させないよ」
 渾身の力を込めたストレートパンチがナイトサバイブの胸に当たり、ナイトサバイブを吹き飛ばす。
 元々防御力の高くないナイトはその一撃で変身が解かれた。
「こんな傷、すぐに再生してやる」
 ドラスは力を込める。すると、周りの金属がドラスの一部になろうと集まってきた。
 しかし、それらはドラスの体に吸着するより先に粉塵と化した。
 氷川と小沢。GX-05ケルベロスを氷川が構え、その体を小沢が支える。
 通常なら生身ではとても反動に耐え切れないケルベロスもそれなら撃てる。
 ふたりはありったけの弾丸で、金属を破壊していく。
「なら、その銃弾を吸収して……」
「おい!」
 ドラスへの追撃は止まらない。ドラスの前にファイズとカイザが立ち塞がる。
「さっきはよくもやってくれたな。草加!」
「君こそしくじるなよ」


448:名無しより愛をこめて
07/07/06 00:46:25 IJn/8P920
     

449:パーフェクトミッション 代理投下
07/07/06 00:46:28 E7ruGNr50
―Rady―

 ファイズはファイズポインターに、カイザはカイザポインターにミッションメモリーをセット。
 共に足に装着し、Enterキーを押す。

―Exceed Charge―

 二人の足から放たれる赤と黄の錐。それはドラスの核が存在するであろう場所を狙って放たれる。
「とりゃ!」
「ふん!」
 飛び上がったファイズとカイザは錐と一体となる。ドリルのように錐は回転し、傷口を削っていく。
「この、この僕が……神になるべき、この僕が……負けるか!!」
 ドラスは回るふたつの錐に尻尾を巻きつける。そして、削り取るために回る方向とは逆に回した。
 錐から弾き飛ばされる2人。だが、2人は役目を果たしたといえる。
 ドラスの左半身は半壊し、胸の中心部は露出していた。そこにはまるで人間の心臓のようにドクドクと鼓動する丸い物体があった。
 それは体の色とは違い、赤くはなくくすんだ鋼の色をしている。そして、それには首輪がしっかりと巻かれていた。


「ドラスくん!」
 今まで余裕で観戦していた冴子がついに悲鳴を上げる。
 無敵と思われたドラスの命はまさに風前の灯に見えたからだ。ドラスは強い。
 だが、どんなに強くても首輪が爆破されたら終わりなのだ。
「いくわよ、キングくん!」
 援軍に向かうため、オーガドライバーを握り締め、隣の仲間に声をかける。
「勝手に行けば」


次ページ
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch