07/11/01 15:54:12 yZrRrKSe0
「さてと。わたしは行くわ。早く本部に仙台基地の惨状を報告しなきゃ」
「ピュ…ピュー…。できる…ものですか」
「何よ?…どういうこと?」
肉体が溶解する苦痛をこらえながらホヤスズメバチは続けた。
「あなた…は、改造前のわたしと…同じ勘違いを…してるみたいね。
あなた…はもう生身の人間じゃない。脳改造まで…完了した完全な改造人間。
今の…ままではその体は停止し、改造細胞…が腐り始める。機械部分を
早く…完全起動しなければ、あと十数分…で…あなたは死ぬわ」
「でたらめ言わないで!脳改造なんて!わたしはわたしのままよ。体だって…」
「それ…はあなたの機械部分が完全には…起動していないから。
あなたは多分…お得意の馬鹿力で…むりやり人工骨格を…動かした。
筋肉の…生体電流が機械部品に逆流し…緊急用予備電源が…セーフモードで
動作し…一時的…に…ちょうど、人間の力程度の…動作が…できる程度に、
動けた…のね。…でも、そんなに…動いてしまっては…もうじき…停止する。
……そうね……。わたしの…命と…引き換えに…あなたを…正常起動…
…させて…あげる」
崩れかけたホヤスズメバチは、そう言いながら、乳首から少量の溶解液を
発射した。美弥子の腰の皮膚が溶け、内部にあった赤い、キノコの傘の襞を
思わせる、異形の開口部が姿を見せた。
「あなたの…充電口は…ここ。今…電流を通して…あげる」
美弥子が身をかわす間もなく、股間から長く伸びた触手が赤い開口部に
取り付き、強烈な電流が注ぎ込まれた。美弥子の体内のサイボーグ部品が
本来の動作態勢に入り、改造細胞が活性化を始めた。傷が見る間に治癒し、
脳内の装置は美弥子の脳に悪と服従のパルスを発信し始めた。美弥子は絶叫した。