おにゃのこが改造されるシーン 素体7人目at SFX
おにゃのこが改造されるシーン 素体7人目 - 暇つぶし2ch397:maledict
07/10/10 01:00:15 8pnO0IX30
>>394です。一応固定を名乗っておきます。
名前は何となくまがまがしいだけで深い意味はありません
(多分「呪われた人」とかそんな意味です)

タイトルも適当なのですが
「情念の残り火―改造素体十万八号の記録」にしておきます

>>396
ちょっとだけ待ってもらって、
できれば詳しくおねがいします

398:改造素体十万八号・1
07/10/10 01:01:37 8pnO0IX30
 わたしがいるのは二畳ほどの清潔な部屋。寝心地のよいベッドの他には、
水飲み場、快適な洗浄機付きトイレ、シャワーしかない殺風景な部屋。
食料はない。栄養は睡眠中の点滴、あるいは水飲み場の液体から補給する。
 わたしはベッドの上に全裸で腰掛けている。服は一着もない。
しかもわたしの前に壁はなく、通路から部屋の中は丸見えである。
だが壁の代わりにそこには目に見えないエネルギーバリアがあり、
外に出ることは決して出来ない。
 ここは独房。わたしは一日中、機械と、巡回する看守に監視されている。
わたしは一ヶ月前謎の宇宙人に拉致され、しばらくしてこの独房に収容された。
そして自分の運命に怯えつつ、ある計画を胸に「あの人」の来訪を待っている。

 「あの人」との悲しい別れは半年前。そしてもっと悲しい再会は一ヶ月前のこと。
―「あの人」とはわたしの上司であり恋人である課長。
少し年は離れているがいわゆる不倫ではない。奥様に先立たれ子供もいない課長は、
周囲も公認の幸福な交際をわたしと続け、結婚も間近だった。
 「別れ」は二人でホテルを出て公園を歩いているときに訪れた。
 当時「宇宙人」による拉致事件は都市伝説の域を超え、マスコミや政府も
認める公的な「事件」になりつつあった。とはいえ、身近にさらわれた人も
いなかったわたしたちには、まだまだ絵空事のような事件だった筈だった。

399:改造素体十万八号・2
07/10/10 01:02:09 8pnO0IX30
 二人にムカデ型のロボットが襲いかかったのはその時だ。課長は、わたしに
触手を向けたロボットの前に立ちはだかり、わたしをかばって触手に絡め取られ、
ゲームセンターのおもちゃのように上空の円盤へ吸い上げられていった。
「僕のことは忘れるんだ!君が無事でよかった」
遠ざかる声を聞きながらわたしは泣くことも忘れ呆然と立ちすくんでいた。

 わたしは心に傷を負い、会社を辞めて日中帰宅できるパート勤めを始めた。
もう夜道は歩けなかった。しかし、およそ半年後、昼夜問わず人間を
襲うようになっていた拉致ロボットに、遂に捕らえられてしまった。

 「再会」の場所は独房に入る前の雑居房のような区画だった。
そこは男女問わず、手かせと足かせ以外全裸のまま収監されるという
非情に不快な空間だった。隣の下品な男は足かせの許す移動範囲一杯まで
わたしに近づき、卑猥なジョークと「宇宙人に何かされる前に一発!」という
品性のない口説きを仕掛けてきた。わたしは当然拒み、男から一番遠い位置に
いるようにしていたのだが、ある晩うっかり男の行動半径で転んでしまった。
男はわたしにしがみつき犯そうとし始めた。わたしは悲鳴を上げ、全力で
抵抗したが、男の力が弱まることはなかった。

400:改造素体十万八号・3
07/10/10 01:03:42 8pnO0IX30
 しかし次の瞬間、男は後頭部から黒い煙を出して倒れ、動かなくなった。
おそるおそる顔を上げたわたしの目に入ったのは、
変わり果てているがそれとわかる「あの人」が熱線銃を手にすくと立つ姿だった。
「反逆分子ハ銃殺スルと警告してあッタ筈ダ。他の捕虜諸君モ軽率ナ行動は
慎ムことダ。これハ看守長とシテの通告であル」
 懐かしい「あの人」は以前とは別の「何か」に変わってしまったようだった。
抑揚やアクセントのない無機的な話し方。ロクデナシとはいえ人ひとり射殺して
淡々と「通告」を発する冷酷さ。その非人間的なふるまいにふさわしく、
その外見もかつてとはまるで違う姿になっていた。
 ぬめぬめした、ほんの少し灰色がかった黒い皮膚。白目と黒目の区別のない、
全面が真っ赤な目、ブーツのような足、額から生えた太い触角。
アリと人間の合成生物という感じだ。そして股間からはカタツムリの
殻のような渦巻き状の器官が生えていて、わたしは複雑な思い出と共に
何度もそこに目を向けては目を背けた。
 変わり果てた彼との再会にわたしの思考は停止していた。しかし
「あの人」、あるいは「あの人だった何か」は、そのまま腰を落とすと
わたしを見て、ぎこちない笑顔とぎこちないしゃべり方でこう言った。
「怪我ハないカ?会イたかっタ!」

401:改造素体十万八号・4
07/10/10 01:04:30 8pnO0IX30
 宇宙人によって改造されていたのは課長だけではなかった。
徐々に分かってきたのだが、この巨大な円盤内の乗員は、
ロボットを除けばすべて拉致され改造された地球人らしい。
しかも日を追う内、部屋の通路を行き来する「乗員」の内に、
かつて雑居房で見かけた顔も多く混じるようになっていった。
ショックだったのは、わたしの反対隣の、わたしへの「セクハラ」に
真剣に怒ってくれた、あねご肌のすてきな女性が改造人間として
通路を通ったときだった。思わず声をかけると、わたしを覚えてはいたが、
他の改造人間たちと全く同じ、感情を一切欠いた口調でこう返事した。
「ソウイエバあの改造素体が無駄ニ銃殺サレタ原因ハオマエにモあっタ。
我々の貴重ナ資源ニ、惜しいことヲシタモノダ。余計ナ騒動を起こス捕虜ハ
反逆指数が上昇シ、抹殺処理の対象になルと覚えてオケ!」
 もう全く違う生き物になってしまったようだった。
 わたしは、いつ自分の番が回ってくるのかと、不安な日々を過ごしていた。

 しかし、不思議なことにわたしの順番はなかなか回って来なかった。
それと関係するのかどうか、独房に移されて以降、
看守長の義務のある筈の「あの人」はわたしの独房に足繁く通い、
エネルギーフィールドをするりと通過して中に入り、
わたしと様々な話をするようになっていった。

402:改造素体十万八号・5
07/10/10 01:05:07 8pnO0IX30
 課長は他の改造人間と異なり、人間の感情を少し残しているようだった。
だが課長の説明では、これはむしろ「修行不足」なのだそうだ。
改造人間は人間的感情を失ったわけではない。任務遂行のために
感情を表に出してはならないという鉄の誓いを守っているだけだと。
あの女性もわたしが反逆指数を向上させ処分されないように
それとなく注意したのだ、と言われた。
しかも、この鉄の規律は地球を地球人自身の手で再生する
手助けをする「地球救済計画」の一環をなすのだそうだ。
にわかには信じられないことだが、改造手術自体も強制的に
なされるものではなく、「地球救済計画」に賛同し、改造を
自発的に承諾しなければ施されないものであるとも課長は言った。
しかもどうしても同意できない場合、記憶を消された上で
「地球人保護区」へ送られ、そこで人間として生きる
道を選ぶこともできるのだそうだ。宇宙人の目的は滅亡の危機に
瀕している人類と地球生態系への「荒療治」以上のものではない、
というのが課長の言葉だった。
 課長はそれでも、わたしに、こんな姿になって地球のための捨て石に
なることはない。保護区で人間として幸せに生きて欲しい。
僕のことは忘れて欲しい、そういう意味のことを言ってきた。

403:改造素体十万八号・6
07/10/10 01:06:05 8pnO0IX30
 わたしは課長の強い説得に徐々に折れたふりをし、
「保護区」で課長を忘れて生きる決意を固めたかのように告げた。
 だが実は、わたしは違う計画を立てていた。
 課長は自分が規律によって感情を打ち消しているかのように語る。
だがわたしには「消されかけた感情を取り戻しつつ」あるようにしか
見えなかった。わたしと出会い、一度宇宙人に消されてしまった
感情が戻りつつある。課長はそれを何らかの理由で隠し、わたしと
離れようとしている。それはわたしを守るためなのかもしれないが、
しかしわたしはせっかく心を取り戻しつつある課長と別れるのが
どうしても厭だった。課長との日々を忘れてしまうのも厭だ。
むしろわたしは、たとえ自分が改造されても、あの人と再び
深い情愛に包まれた日々を送れるならば、その方がいいとすら思った。
課長の言葉に嘘がなければ、任務の合間に甘いプライベートの時間を
送ることも出来るだろう。課長の話が嘘で、本当に感情を消されて
いたとしても、今の課長はこんなに人間らしさを取り戻し、
しかもそのことで罰は受けず、責任ある職務すらこなしている。
わたしだって不可能ではないはずだ。
あの人があの人のままでいてくれる限り、たとえ宇宙人に何をされても
あの人を愛するこの甘美な思いが失われるはずはない。
わたしはそう確信し、一つの計画を立てた。
課長の心を取り戻すために…

404:改造素体十万八号・7
07/10/10 01:06:36 8pnO0IX30
 一ヶ月目の今日、わたしはいつものように部屋を訪れた課長に
いきなりしがみつき、こう言った。
「お願い!抱いて!わかってるわ。これ、形は変わってるけど、生殖器なんでしょ?」
わたしは「とぐろ」を巻いたような股間の器官に指で触れ、それを丸くなぞった。
明らかに反応があり、固く巻いていた「とぐろ」がかすかに緩んだ。
「こうすれば、やっぱり気持ちいい?」
わたしは今度は舌を這わせた。「とぐろ」はさらに緩み、ゆっくりと開いていった
「や、やメろ!お願いダ!じっとしていてくレ。もう少しなんダ。このままでは…」
「このままでは、なあに?」
わたしは、課長が大好きだったちょっと意地悪な表情を浮かべ、今度は先端を
口にくわえた。
「…このままでは…思い出してしまう…」
「うれしい!やっぱり思った通り。いいわ!もっともっと思い出させてあげる!!」
わたしの推測は当たったらしい。思いついた「荒療治」も正解だったようだ。
わたしは課長をベッドに押し倒した。案の定それほど抵抗なく課長は仰向けになった。
いまや「とぐろ」はほどけ、課長の生殖器は半円形を描いていた。
人間のように海綿体ではなく筋肉の力で勃起するメカニズムらしいが、
膣のような器官に挿入する仕組みであることに間違いはなかった。
わたしは課長が大好きだった各種の責めを立て続けに浴びせた。
生殖器はかなり垂直に近づいたが、まだ「準備完了」ではなさそうだった。

405:改造素体十万八号・8
07/10/10 01:07:28 8pnO0IX30
「ま、見切り発車でいいか」
わたしは課長に馬乗りになり、その細長い生殖器を自分の中に導いた。
…しかし…やはり構造が違うらしい…。
浸潤も十分で奥まで挿入できたが、やはり「人間同士」のようには
マッチしない。とがった先端はわたしの内部を傷つけ、血が出てきた。
それに穴の形も、うまく摩擦すべき部位にあたらず、うまく噛み合わない。
結局わたしは口での責めに切り替えたが、課長が達することはなく、
それはまた「とぐろ」形に巻き始めてしまった。

「…ごめんなさい。なんだか中途半端なことをしてしまって。
でも、色々思い出したんじゃない?」
わたしは問いかけた。結末はともかく決して悪い展開ではないと思えたのだ。
しかし課長は今までになく苦悩と困惑に満ちた表情でうつむいて言った、
「…思い出してしまっタ…。もう君ト離れることが出来なくなりそうダ」
「…いいのよ!そうやって色々な感情を取り戻していって!
わたし改造されてもいい。二人でまたあの日々を作っていきましょう」
「それは絶対に無理ダ。しかし…ソウカ…君がソウ言うナラ…」
課長はレシーバーのようなものにわたしには分からない言語で何かささやいた、
「君の改造ヲ申請しタ。五分後にハ準備ガ整ウ。それまでに、最後の別れと
君を騙しタことに詫ビを言わネばならなイ。

406:改造素体十万八号・9
07/10/10 01:08:35 8pnO0IX30
 まず、宇宙人―我々は『主』と呼んでいる―の目的は『地球救済』
などではナク、安価ナ奴隷労働力、奴隷兵力ノ確保にアル。
文明ガある段階以上に発展するト、複雑ナ電子機械の開発生産ヨリモ、
最小限の兵力デ知的生命の住む惑星ヲ侵略シ、
住人ヲ有機ろぼっと化する方がはるかに安価にナルのだ。
特ニ『主』の種族ハ近年ある星系ト交戦状態ニ入リ、
急遽大量ノ奴隷力と兵力ガ必要になっタ。そのための侵略ダ。
 『改造人間ハ感情を失っていナイ』といウ話も、
『改造は承諾を得なければ行われなイ』といウ話も、すべテ嘘だ。
そのような宣伝を『保護区』住民に行ウ計画はあるガ、
現実にはすべての改造手術は強制的にナサレ、そして素体にハ
人間的感情ノ徹底的な消去が施されル。
 …僕が君に見せていタ感情もどきは、この『れこーだ』によるものダ。
間もなく僕にハ無意味ナものになル。もう取っテしまってモ構わなイ」
 課長はそう言うと首の後ろから小さな装置を外した。
とたんに、課長の表情や態度から一切の人間らしさが失われ、
今まで見たどんな改造人間よりも無表情なロボットのような存在に変貌した。
「ツケテミロ。オマエノモツ人間ノ頭脳ハ、ワタシノ改造前ノ記憶と
感情ノ『残像』ヲ追体験スルダロウ」

407:改造素体十万八号・10
07/10/10 01:09:06 8pnO0IX30
 わたしは課長が「れこーだ」と呼んだそれを恐る恐る装着した。
わたしの脳裏に、課長の感覚経験と感情の弱々しい「残像」が再生され始めた。
 疑似体験は、課長が改造手術台に縛られている場面から始まった。
 ベッドの足下には、もう見慣れた姿の女の改造人間が立っている。
青いぬめぬめした皮膚。全裸で、足はブーツのような形に変形し、
乳房には黄色い同心円状の模様、股間には蛸や烏賊の口のようなまん丸の
小さな「穴」がついている。
―あれに挿入するように作られているんだ…―。
わたしは奇妙な敗北感を覚えた。
 改造人間は課長同様人間の面立ちを残している。課長とは異なり
豊かな紫色の頭髪も生えている。やはり白目がない真っ赤な目。
額からは同じく太い触角。ハイヒール状の足。
男性は蟻、女性は蜂に似ている。
それが地球の昆虫をモデルにしているのか、
異星人の形態を真似ているのかまではわからない。
そういえば、顔が番組放映中に誘拐されたらしいと噂になった
有名な若いアナウンサーによく似ている。多分本人なんだろう。
縛られた課長は改造人間の顔と乳房と股間を何遍も順繰りに確認し、
わたしはまた少し敗北感と軽い嫉妬を覚えた。

408:改造素体十万八号・11
07/10/10 01:58:12 8pnO0IX30
 やがて改造人間は口を開いた。
「間もなク、お前の改造手術ガ始まる。
人間ガ発達させた無用デ複雑ナ感情はすべて消去スル。
オマエに残されるのハ我々同様、生物トしての基本的ナ感情や欲求、
例エバ、肉体的苦痛の回避ヤ、動物的本能ノ充足のようナ、
爬虫類か昆虫程度ノ単純で機械的な感情と欲求だけニナル。
その後ニ、やはり我々同様、我らが『主』ヘノの服従の喜ビ、反逆への恐怖、
トイウ強力な『感情』ないし『どらいば』ヲいんすとーるスル。
それニより、オマエハ我々と同じようニ、「主」カラ与えられた命令ヲ
知性的計算に基づいテ実行スル優秀な奴隷生物として完成スル」

 課長は激しく抵抗し、ベッドの上で無駄なあがきを始めた。
 課長の脳裏には、わたしとの楽しく甘い思い出、そして
それにまつわる様々な感情が浮かび、わたしの脳裏に、
それらの「残像」が再生された。同時にまたそれを奪われる悲しみ、
怒り、やるせなさという感情の「残像」も浮かんでは消えた。

409:改造素体十万八号・12
07/10/10 01:59:21 8pnO0IX30
「―ナオ、オマエはある実験ノ被験体の一体に選ばれタ。
我らガ「主」ハ、人類の感情ニ関スル詳しい知識の必要を結論シ、
様々ナ実験を立案した。その「感情れこーだ」モもその一つダ。
コノ装置はマズ改造直前のお前ノの感情でーたヲ記録すル。
ヤガテ改造後、感情でーたノ適切ナ用途が発見され次第、再装着されル。
ソシテ装着後一ヶ月間、改造によって退化しタお前の感情中枢ヲ
一時的に活性化さセ、人間だったときのオマエの感情の「残像」ヲ、
不十分ながら再生すル。
但シ、活性化されタ感情がお前の行動ヲ支配力すルことはナイ。
それガ活性化する感情はあまりに弱ク、奴隷生物としてノ
正常ナ動作ニ抵抗するだけの力はナイ。だがそれでもソノ機械ハ
オマエに、我々ニハ不可能な仕方で人間ノ行動を予測シ、意思疎通ヲ
行う能力を与えル。サラニ、オマエの行動ぱたーんヤ思考ぱたーんヲ
アル程度「人間らしい」方向ニ軌道修正することすらあるだろウ。

410:改造素体十万八号・13
07/10/10 02:00:40 8pnO0IX30
 コノ機械を改造体に装着する目的は二つアル。
一ツは装着者を地球人に接触させ、より徹底シタ地球人ノ
支配・洗脳ノ為ノでーたを引き出シ、収集するコト。
もう一ツは装着者の「感情ノ残り滓」ヲ完全に燃え尽きさせ、
装着者ヲより完璧ナ奴隷生物ニ作り替えることダ。
装着カラ一ヶ月後、オマエは一切ノ人間的感情を完全に払拭した、
我々以上ニ合理的デ従順ナ奴隷生物に生まレ変わることだろウ。

―以上、改造素体ヘノ必要ナがいだんすヲ終了スル。
続イテ改造手術ヲ開始スル」

411:改造素体十万八号・14
07/10/10 02:01:32 8pnO0IX30
 指令の声と共に改造が始まった。
 課長の体には上から自動的に降りてきた何本もの注射針が突き刺さり、
股間には生温かい粘着質のカバーがあてられた。
激しい苦痛と不快感、そして快感の残像がわたしにも浴びせられた。
同時に、突然背中と上部からまばゆく熱い緑色の光線が発射され、
注射針からは大量の「何か」が注入され始めた。
股間の粘着部は淫猥な動きを始め、課長の意識は繰り返される苦痛と
オーガズムにより何度も空白になり、そしてそのたびに「感情」が
消されていった。最後に、とてもおぼろげなわたしへの愛情の「残像」が消え、
場面は途絶えた。
 人間としての課長がいなくなった、ということを多分それは意味していた。
そして今の「ガイダンス」によれば、その「人」はもうじき永久に、
そして完全にこの世からいなくなってしまうのだった。

412:改造素体十万八号・15
07/10/10 02:02:42 8pnO0IX30
 長いようで一瞬の擬似体験が終わり、わたしは怯えながら、
かつて課長だったモノに目を向けた。
「それ」は何の感情も持たない目で私を見て、
抑揚やアクセントの一切ない不気味な口調で語り始めた。
「ワタシニ装着サレタ感情れこーだハ、オマエヘノ
不可解ナ執着ニ基ヅキ、『主』ヘノ服従ニ矛盾シナイ限度内デ、
オマエノ安全ヲ確保スベキダ、トイウぷろぐらむヲ
設定シタ。ワタシハ、ぷろぐらむノ実行ノタメノ選択肢ヲ算出シタ。
 最初ノ選択肢ハ、オマエヲ即時改造手術室ニ移送シ、
『主』ノ庇護下ニ置クコトデ、安全ヲ確保スル道ダッタ。
ダガ感情れこーだハ、オマエガ人間ノママデイルベキダ、トイウ、
ヤハリ不可解ナ条件ヲ課シ、コノ選択肢ヲ拒否シタ。
ワタシハ第二ノ、ヨリ不確実性ノ大キイ選択肢ヲ考案セネバ
ナラナカッタ。スナワチ、オマエニ馴致洗脳ヲ施シ、
オマエノ反逆指数ヲ安全れべるニマデ低下サセ、
オマエヲ「人間保護区」ヘ移送サセルトイウ方法ダ。
改造素体ニ選バレナイ人間ハ、抹殺処理ノ対象ニナル
可能性モアリウル。第二ノ選択肢ハ安全性ガ低イ。シカシ…」

413:改造素体十万八号・16
07/10/10 02:03:50 8pnO0IX30
 わたしは、最後の望みをかけ感情レコーダを課長の首に当ててみた。
課長だったモノはほんの少しだけ人間らしさを取り戻し、
とても苦しそうな、弱々しい声で語り始めた。
「…しかし、君ヲ救いたかっタ。君に人間デいてほしかっタ。
反逆指数が低ケレバ、多少ノ不自由ハあってモ、
人間保護区デ人間として生き続けルことが出来ル。
そのためニ、君には誤った情報ヲ意図的に与エタ。
僕ノ計画ハ順調に進ミ、君の反逆指数ハ順調ニ
安全れべるまで低下シ、安定シタように見えタ。
…だが、君ハ思い出させテしまっタ…。あの甘美な快楽ヲ。
僕ハそれヲ再び手に入れたいトいう本能に支配されてしまっタ。
改造サレタ君と、完璧ナせっくすヲシタイ、という欲望二…。
もう5分が経ツ。間もなク君ノ改造室ヘノ移送ガ始まルだろウ。
…スマナイ。ソシテ、サヨナラ…」
 課長の目の光が失われた。同時にわたしの手足は目に見えない
鎖でベッドに縛り付けられ、床全体が下に移動し始めた。
「いや!いや!改造手術なんていや!奴隷生物なんていや!助けて!お願い!!」

414:改造素体十万八号・17(了)
07/10/10 02:05:48 8pnO0IX30
 永久に「課長だったモノ」になってしまった「それ」は、無機的な声で答えた、
「不合理ダ。君ハコノ状況ニ本来ナラ『喜ビ』ヲ感ジルベキ筈ナノダ。
現状ノ予測デハ、君ハワタシト『ツガイ』ヲ形成シ、奴隷生物再生産本能ノ
命ジルママ、恒常的ナ交尾行動ヲ行ウヨウニナル蓋然性ガ大キイ。
先程ノヨウナ不十分ナ性行動デハナク、相互ニ完全ニ適合スル性器ト、
純粋デ崇高ナ本能ニ導カレタ、完璧ナ性行動ガ可能ニナルノダ…」
 ふと見ると「それ」の股間は「とぐろ」が完全にほどけ、固く、
そして鋭くそそり立っていた。わたしが改造されると「これ」を
完璧に受け入れられる肉体が得られる…。あのアナウンサーの股間が頭をよぎった。
わたしの頭は恐怖と奇妙な欲望がないまぜとなり、痺れてきた。
そしてわたしはぼんやり、そそり立つ「それ」と、トンネルの先に見えてきた改造手術室とを、
交互に見比べ始めるのだった。
<了>

415:maledict
07/10/10 02:11:21 8pnO0IX30
バイバイさるさんが出て焦りましたが寝る前に書き込めてほっとしました。

よく考えると「おにゃのこが改造されるシーン」が出てこないことに
気づきました(「おっさんが改造されるシーン」しか…)
お口に合わなかったら申し訳ありません…
(「課長」は「女性同士の恋人」の方が華があったかもしれませんね)

あと、十万八号さんというのは課長ではなくて主役の女性のつもりです。

以上、お粗末様でした。

416:名無しより愛をこめて
07/10/10 02:20:04 onmsn3Ha0
>>415
超GJ!!
文章は粗削りだが、心理描写を巧みに織りなした上質のSSだ
特に素体嬢の抱くアンビヴァレントな感情の描写がいい

だがMaledict氏も気付いておられるように、素体嬢の改造シーン無しに終わってしまったのは残念だ
可能なら番外編的扱いでいいから、素体嬢が恐怖と絶望と、そして欲望と快楽の坩堝の中で
蜂女に改造されてゆくシーンを書いてはくれないだとうか
改造されながら、どういう心理変化が起こってゆくのか読んでみたい

あと改造された後の、蟻男とのはじめての交尾シーンもぜひ!

417:名無しより愛をこめて
07/10/10 02:21:19 uHDdj8Sr0
>>397
あらすじは、「ゴシキダブラー」とかで検索かけて見て下さい。
ゆか姉ちゃんの当時の女の子にしては、スタイルがよく、たわわなバスト。
水中花の妖しい囁き。水島コーチへの変身シーン。正体を現わすシーン。
少女達を獣性帝国に送ろうとして、小瓶を配り回る水島コーチ。
5スレ・6スレ目ではSSの投下がない際たまに話題に上がってました。

418:maledict
07/10/10 02:30:14 8pnO0IX30
>>416
お褒め頂きありがとうございます
「宿題」にさせて頂きますね

>>417
ありがとうございます。定番ネタだったのですね
3スレ目あたりからしばらく離れていた時期があり、
見ていないレスが結構あったみたいです。失礼しました

419:名無しより愛をこめて
07/10/10 03:02:19 AKXUMoe/0
maledict氏GJ。
改造された女性アナウンサーの、肉体の描写にいちばんハァハァ(*'Д`*)したぞ。

で思ったんだが、脳改造とかせずにおにゃのこの肉体だけを改造し、同じ改造人間の♂としかセックル
できないような構造に性器を改造して、しかも性欲を極限まで高めてしまうというシチュを想像すると、
非常に萌えるということに気がついた。

420:名無しより愛をこめて
07/10/11 00:09:20 6+ZvjR4p0
>>358
ご紹介ありがとうございます。
マリア・ドルドラ・シーマ・アハメス等の女幹部が、
洗脳・憑依・寄生によって喘ぎ苦しみ、一怪人に改造されるシーンはyou tube
にありますか?

421:名無しより愛をこめて
07/10/11 15:05:38 P4gk9ULM0
>>419
萌えるな~
でも、何かが違うという気も激しくする

422:376
07/10/11 20:34:50 2m87BiKG0
>>396

ギャバン第25話「妖しくゆらめく水中花 わかばが危ない」ですね。
好きですよ。
オレのお気に入りである第23話の続編で、「女性の心を奪い、
獣星帝国に送り込んで花嫁にする」という作戦は完璧。
あやしいガスを吸わせて女性の心を奪うのもナイス。
ゆか姉ちゃん、水島コーチ、バレエ教室の生徒もいい。

ただ、23話ではマクーのターゲットが大人のお姉さんだったのに、
この25話では、急に女の子になってしまったのが、オレとしては
ちょっとイマイチかな。
23話と同じ年代くらいの女性をマクーがねらっていたら、もっと
よかったのに、と思っちゃうな。


423:381
07/10/11 22:16:23 GyrvSMhT0
>>393
>シャイダーの第24話「美しきポーの仮面」の回について

この回の主役は神官ポーだと言っていいでしょう。
神官ポーは500年に一度、美しさを保つために美女から命を吸い取る禊(みそぎ)を行わなければならない。

そのために不思議獣ラブラブと占い師に変装した神官ポーは少女達を次々に拉致し始める。
そして最後はアニーまでも拉致する神官ポー。

見所としては以下の通りです、ちなみにこの回もクモダブラーと同じく小林義明監督のホラー調が漂っています。

1.セーラー服姿の女子中学生が神官ポーの妖術(?)に掛かって
  ジェットコースターに乗っている幻想を描写する場面。

2.巨大なシャボン玉の様な球体に閉じ込められて生気を吸い取られて苦しむ
  セーラー服や白装束姿の少女達。

3.アニーと神官ポーの様々なやりとり、そして火あぶりの場面。

424:381
07/10/11 22:17:28 GyrvSMhT0
連投を御許し下さい。
シャイダーは洗脳が多いとのことですが漏れ自身全部は未見なんですよ。
宇宙刑事大全を呼んだ限りでは

26話「魔界ゾーン大当たり」、38話「魔少女シンデレラ」、41話「直撃じゃじゃ馬娘」

辺りが気になってます。

>ゴシキダブラーについて

このスレの住人の方々にとっては宇宙刑事全ての回を含めて屈指の名作ですよねぇ。
悪役である水島コーチの大人の美貌と被害者となる少女役の方々の初々しさがたまりません ハアハア。

由加姉ちゃん役と水島コーチ役の方は「バトルフィーバーJ」に出ているのを最近知りました。

それでは最後に

ドン・ホラー様
「この前のクモダブラーは花嫁作戦に失敗した!
 今度は失敗するな、水中花作戦、必ずやり遂げろ!」

425:名無しより愛をこめて
07/10/12 00:16:15 13MFg9sU0
>>424
>38話「魔少女シンデレラ」、41話「直撃じゃじゃ馬娘」
これは今ひとつだったな。


426:376
07/10/12 03:47:37 /6EbgAUk0
>>423

ストーリーとみどころの紹介ありがとうございます。
シャイダーはしばらく再見していないので、いただいた
情報を参考に、また見返してみます。


>>425

41話「直撃じゃじゃ馬娘」、オレは結構好きです。
フーマの基地にまちがってまぎれこんでしまう、この回の
ゲストキャラクターの娘がかわいい。
フーマの基地内なのに、こわがらずにはしゃぐ姿が魅力的。
そんな彼女がフーマの作戦に利用されることになり、まず、
シャイダーを好きになるように暗示をかけられ、そのあと、
耳にコントロール装置?を取り付けられ、神官ポーの命令通り
動くようにされてしまう。
そしてシャイダーのもとに送り込まれ、フーマの手先と
なって暗躍する。
暗示の効果でシャイダーのことを好きだと思い込んでしまい、
彼にまとわりつく姿や、コントロール装置を通じてフーマの
指令を送られると突然無表情になり、命令通り動くロボットの
ようになってしまうところに興奮。

427:maledict
07/10/12 19:17:49 Qa4bWj1m0
>>419様、恐縮です

勢いで、>>416様の「宿題」、半分(?)やってみました
ちょっと時間が早くてマナー違反かもしれませんが
次いつ繋げるかわからないので投下してみます。
16レス分あります。途中で規制になり再開が明日という可能性も
なくはないのでその点ご了承下さい。

タイトルは「侵略者の仮面―奴隷生物九万九千八百八号」です
今回副題の方が長いのでメインタイトルの方を掲げます。不統一すみません。

428:侵略者の仮面・1
07/10/12 19:18:39 Qa4bWj1m0
 あたしは全裸でベッドに縛り付けられ、とても明るい部屋の中にいた。
首の後ろには、脳に直接接続されているという複雑な機械。天井からは無数の太い注射針。
ベッドの周囲にも怪しげな器具がいっぱい並んでいる。
 足下には芸人だかアナウンサーだかの「なれの果て」がいて、あたしにこれから施される
「改造」についてご親切にも解説をたれている。だがこんな女にいちいち説明されなくとも、
あたしが何をされるか、おおよその見当はとっくについている。
 そう、あのゴミ溜めのような雑居房に十日もいれば、それはいやでもわかることだった…

 宇宙人に誘拐され、あの不愉快な「雑居房」に押し込められて三日目、収容された人間が
部屋の端から順々に姿を消し始めた。たしかにその前も、あたしの隣の上品なお嬢さんや、
その隣の下品なクソ野郎などが突発的に姿を消すことはあった。だが今回のは違っていた。

 …あのお嬢さんは気の毒だった。あのお嬢さんの前にも、襲われて悲鳴を上げた女性が
襲った男性ごと射殺されたのを二度は見ていた。彼女も見ていたと思っていたのだが、
眠っていたのか、知らなかったようだ。結果、彼女も大きな悲鳴をあげて抵抗した。
あの場で射殺はされなかったものの、今頃はあの男の死体と共に分解処理か何かに
回されてしまっているに違いない。人間の心をもたない看守たちは、
異常な動きをする人間全てを一律に「危険分子」と見なし、抹殺するのだ。
辛く腹立たしいことだが、死にたくなければ、襲われてもじっと堪えなくてはならない。
あの子もそれを分かっているものと思い「ひどいよね」という話をしたが、何か勘違い
させてしまったのかもしれない。ならば間接的にあたしにも責任はある。胸が痛んだ。

429:侵略者の仮面・2
07/10/12 19:19:21 Qa4bWj1m0
 あたしの反対隣はまだ十代のウブな少年で、明らかにあたしの肉体に関心をもち
もじもじしていた。この坊やならそんなに厭でもなかったし、我慢しきれず暴発したあげく
射殺、なんていう展開は絶対に厭だったから、あたしは身体を許してあげた。
 それは三日目頃にはもう雑居房の普通の光景で、「突発事故」は急速に減っていった。

 ―だが、三日目から始まった「退所」はこれまでの「突発事故」とははっきり違っていた。
むしろ予め決められた正常なスケジュールのように、規則正しく進んでいったのだ。
 「退所後」の運命に気づかされるようになったのもそう遅いことではない。姿を消した人が
あの、身も心も昆虫のような気味の悪い生き物に「改造」されて姿を現し、「順番待ち」の
人間を監視したり、機械の操作やらなにやらの「業務」を開始したからである。
 いずれ自分の順番が来る、ということに気づかない方がおかしいのだ。

 それでも、実際に自分の順番が近づくにつれ、いやでも恐怖と絶望は増していった。
あたしの前の列がとうとう空っぽになり、自分の番が片手で数えられるようになってからは、
安らかに眠ることもできなかった。浅い眠りの後「突発事故」で一人いなくなっていたのに
気づいたときは、誰を恨んでいいかわからない、わけのわからない怒りが湧いた。

430:侵略者の仮面・2
07/10/12 19:19:59 Qa4bWj1m0
 そして十日目、あの愛しい内気な少年がベッドの上に見えないロープで縛られて
「退所」してから2時間のあいだ、あたしは多分人生の中で一番長く辛い時間を過ごした。
気の狂いそうな恐怖だった。…いつ?今?まだ?いつ?今?まだ?いつ?今?まだ?
いつ?今?まだ?いつ?今?まだ?いつ?今?まだ?いつ?今?まだ?いつ?今?まだ?
いつ?今?まだ?いつ?今?まだ?いつ?今?まだ?いつ?今?まだ?いつ?今?まだ?
いつ?今?まだ?いつ?今?まだ?いつ?今?まだ?いつ?今?まだ?いつ?今?まだ?
いつ?今?まだ?い…何の前触れもなくあたしは見えない力でベッドに押し倒され、
床ごと地下に吸い込まれて、暗く長いトンネルを「改造室」へと運ばれた。

「―以上、改造素体ヘノ必要ナがいだんすヲ終了スル…」
 意外にも、不必要に長い前口上を聞かされている内、あたしは段々肝が据わってきた。
偉そうなことを言っているが結局あんただって宇宙人に調教されて喜んでる馬鹿なロボット。
あたしがあたしでいる内に…そう「あたしの目が黒いうちに」、一言言ってやらなきゃ
気が済まない。そんな気分がむらむらと湧いてきた。
「ふん!この虫けら!おしりかじり虫!せいぜい飼い慣らされて蜜でも集めてな。
あたしはあんたとは違うよ!この心は誰にだって渡しゃしない!あたしだけのものだ!
あたしを改造なんかしたことを後悔させてやるからね。覚悟しときな!」
 反逆分子として「処分」されてもいいと思った。今までこう出来なかった意気地のなさが
逆に情けないとすら思えた。

431:侵略者の仮面・4(430は3に訂正)
07/10/12 19:20:43 Qa4bWj1m0
「不合理ダ。だガすぐにソノ愚かナ思考回路カラ解放しテやろウ。『感謝』するがイイ」
どうやら、反逆分子として処理されることなく改造されてしまうようだった。
実際、あんなハッタリが実現するとはあたし自身思ってはいない。もうじきあたしは
いなくなり、その代わりの別の生き物が「製造」される。だがそれはずっと前から
分かり切っていたこと。その前にせめてもの反抗が出来たんだ。それでいいか。
「…改造手術ヲ開始スル」
 注射針がいっせいに突き刺さり、股にはなまぬるい粘着質のものが押し当てられた。
続いてまぶしくて熱い光線の照射。同時に注射針から大量の薬剤が注入され始めた。
 股の物体はしばらく「前戯」を加え、あたしが十分に濡れると、棒状に変化し
うねうねのたくりながら奥に侵入してきた。同時にクリやびらびらにも入念な、
多分地球のどんな男もかなわない巧妙なテクで責めが続いた。しかも機械は、
あたしのあえぎ声や身のくねりをちゃんと学習し、微妙に「指使い」を変えてきた。
 注射と光線の効果もすぐ現れた。大量に注入される薬剤がまるで溢れ出たかのように、
皮膚の数カ所にぬめぬめした粘液がしみ出始めた。そしてしみ出た箇所は
青く変色し、人間の皮膚とは全然違う物質のように変わっていった。やがて
体中の至る所に青い斑点が浮かび、もとのままの皮膚はほとんどなくなった。
それでも粘液の流出は収まらず、なおも容赦なく皮膚の変色と変質を進めていった。

432:侵略者の仮面・5
07/10/12 19:22:08 Qa4bWj1m0
 皮膚のなかで乳房だけは丸く線でも引いたように元の色と質感を残していたのだが、
やがて縁から黒、黄色、黒、と同心円が形成され始め、人間の皮膚とも他の部分とも
また違う、柔らかく弾力のある材質に変わっていった。同心円が乳首まで達すると
乳首だけはマニュキアでも塗ったように真っ赤な色に変わった。そしてこの部分だけは
なぜか、少なくとも表面上は、人間の皮膚と変わらない質感のままだった。
 額にはむずむずした感覚が発生し、頭蓋骨の両面に触覚が伸び始めたのが分かった。
そして伸びた触角が脳の内部にアンテナとして接続されたことを本能的に知らされた。
 目はひどい痛みと共に破裂し、何も見えなくなった。その後、目の奥で
「何か」が蠢き、育っていくのが感じられた。やがてテレビのチャンネルを
変えたように、急に視界が回復した。四番目の見慣れない色と、それと他の色の混色の、
信じられないくらい多くの色が増え、ものの細部もずっとはっきり見えるようになった。
 股間の装置もただの高性能バイブではなさそうだった。今やそれがあたしの大事な部分と
一体化し、それに置き換わり始めているのがわかった。このまま置換され、最後には、
あの何の変哲もないのに妙にいやらしい、イカの口のような、ウオノメのような、
変な形に変えられてしまうのだろうと思った。

433:侵略者の仮面・6
07/10/12 19:23:29 Qa4bWj1m0
「続いテ、どらいばノいんすとーるに移ル」
 たしか、宇宙人への「服従の喜び」と「反逆への恐怖」を植え付けるとか言っていた。
それが始まるのだろう。いよいよ年貢の納め時。あたしも一匹の虫けらに成り下がるか。
 だが、半ば意外、半ば予期したことだったが、あたしは自分の「改造手術」とやらが
あの女が言ったとおりには進んではいないことに、すでにはっきりと気づいていた。
 ―つまり、あたしの感情は無傷のままで、消されたりしてはいないのである。
 やがて「インストール」が始まったが、それは強烈な服従心とか恐怖心とかとは
ほど遠いものだった。宇宙人の命令が聞こえるようになり、「実行しろしろ、
しないとひどいぞ」という催促やら脅しやらの気持ちもたしかに伝わるのだが、
洗脳というほど強力なものだとはとても思えなかった。

 どうやら、あたしの洗脳は失敗したままで終わったらしい。各種装置が外され、
宇宙人からの「命令」が届くにいたって、あたしはそう確信した。
「改造素体九万八千七百五号ハ、ただ今ヲもっテ奴隷生物九万八千五百六号としテ
完成しタ。起立シ、ただ今届いタ『主』からの命令ヲ復唱せヨ」
 けっこう殺された素体がいるものだと呆れつつ、あたしは起立し「復唱」してやった。
「『主』カラノ命令ニ従イ、ココニ私ハ宣誓スル。ワタシハ主ナル種族ノ生存ト
繁栄ノタメニ、奴隷生物トシテノ全能力ヲ駆使シ永遠ニコノ身ヲ捧ゲルコトヲ誓ウ」
 …大暴れしてやろうかとも思ったのだが、危険が大きすぎると思い、やめにした。
むしろこのまま洗脳されたふりを続け、逃亡、そしてその後で反撃のチャンスを伺おう。
あたしはそう考え、極端すぎるほど抑揚のない声を装い、クソ宇宙人の「命令」に従った。

434:侵略者の仮面・7
07/10/12 19:24:28 Qa4bWj1m0
 洗脳失敗の原因には心当たりがある。あたしは筋金入りの不感症なのだ。
この十年近く、仕事で何百人という男を相手にして、一度も「感じた」ことがない。
「演技」がひたすら上手になっていっただけだ。そしてどうも宇宙人の「感情消去」と
それを前提に進められる「服従心と恐怖心のインストール」は人間の性的快楽を
鍵に発動するシステムらしいのだ。まさか宇宙人の機械を「演技」で騙せるなどとは
自分でも思っていなかったのだが、あれはそういう仕組みの機械だったらしい。
こちらをイかせようとしているのは明らかだったから、サービスで最高級のよがり声をあげ、
何度も「イった」あげくに「失神」までしてやった。それが効いたようなのだ。
 それ以外にも、わざと痛い刺し方をする注射他の「苦痛」も洗脳の条件をつくる効果が
あったらしい。だが、「M奴隷」の仕事も多かったせいか、乗り切ってしまえたようだ。
まあ、そんな商売があるなど、合理性一点張りのあいつらの想定外だったのだろう。

 でもあたしだって、生まれてから一度も「感じ」たことがないわけではないのだ。
十代前半の秘められた一人遊び。あのわずかな時期、あたしは初々しい快楽に浸った。
…だがそれがクソ親父に見つかり、クソ親父のいやらしい指と舌のせいで、
あたしの快楽は多分永久に封印されてしまった。クソ親父が事故で死んで、
上京後ほとんど詐欺同様の仕方で風俗の仕事を始めてからも、技術は上がったが
嫌悪感は消えなかった。やめようやめようと思いつつ十年近く続けてしまった。
「これも天職かも」と吹っ切れたのはごく最近だ。
 …辛気くさいことを思い出してしまった。過去を振り返るのはやめよう。

435:侵略者の仮面・8
07/10/12 19:25:30 Qa4bWj1m0
 その日から、あたしの命がけの「演技」の日々が始まった。
今までは「感じていないのに感じているふり」だったが、いまや
「感じているのに感じていないふり」をせねばならない。
 意外だったのは、改造人間たちがあたしの異状にほとんど気づいていない
らしいことだ。なんどかへまをして感情を表に出したことがあったが、
何の反応もなかった。感情を読み取る能力がなくなってしまった連中には、
ただのノイズとしてしか認識されないらしいのだ。
 むしろ、警戒すべきは捕虜の人間である。人間なら、ちょっとした仕草からでも
ほとんど直観的に、あたしが感情を失っていないことを読み取ってしまう可能性がある。
もちろん、読み取った人間にただちに何かをされることはない。むしろ励ましてすら
くれるかもしれない。だが、その人間は明日には冷酷な奴隷生物になっている
かもしれないのだ。そして、感情を読み取る力は奪われても、あたしの心が人間のまま、
という「知識」はちゃんと携えていて、それを宇宙人にを告げ口するに違いない。
 だから、あの上品なお嬢さんを特殊素体観察室、通称「独房」で見つけたときには、
動揺を隠すのに本当に必死だった。どうも殺されたのではなく、何か特殊な実験を
されるため隔離されているらしかった。それが射殺されるより幸福なことかどうかは
分からないが、この子には生きていて欲しいと強く思った。だから冷酷な昆虫を装い、
忠告まがいのことまでしてしまった。気づかれていないことを祈るしかない。

436:侵略者の仮面・9
07/10/12 20:01:46 Qa4bWj1m0
 演技の日々の中、あたしは人間としてしてはならないこともいっぱいしてしまった。
拉致ロボットの発射作業、改造手術の実施、それに「反逆分子」の射殺…。
初めて人を殺したときは吐き気をこらえ「有機廃棄物集約カプセル」つまり個室トイレに
駆け込んだ。―全裸で暮らし、あちこちで開けっぴろげにやりまくっているくせに、
トイレだけは密閉度が高いのだ。排泄物の臭気が触角のセンサーを鈍らせるかららしい。

 トイレでの一人の時間、あたしは自分に戻り、脱走の計画やその他 の作業を行った。
 一番の大仕事は「自己手術」だった。
 改造後まもなく、あたしは重大な異変に気づき始めていた。どうも、不感症が
治ってしまったような「感じ」がし始めたのだ。もちろん「試す」のは危険すぎる。
未完了の洗脳プログラムが再開してしまう可能性があるからだ。もともと心因性だから
大丈夫かもと思っていたが、神経のつなぎ方も色々といじくられてしまったのだろう。
そして状況は切迫していた。あたしの改造人間としての「貞操」は風前の灯だったのだ。
雑居房の男ども以上に性欲旺盛な蟻男どもがあたしへの求愛行動を繰り返しており、
これ以上断るのは「不合理」だった。しかもその前に、あたし自身が「試して」しまう
誘惑に抗しきれなくなる危険だって、正直、ないとはいえなかった。
…今の内に、何とかしなくてはならない。

437:侵略者の仮面・10
07/10/12 20:02:29 Qa4bWj1m0
 あたしは意を決して、鋭利な爪とインストールされた解剖学の知識を駆使し、
トイレで「手術」を敢行した。外形はそのまま、内部の肉をえぐり取り、
同時に感覚の鈍いお尻の肉を切りとり、移植する。余った肉は食べてしまった。
―驚異的な再生力で傷はすぐに癒えたが、感覚は鈍いまま。手術成功だ。
あたしは何も感じないその部分に色々なワザをかけて試してみた。それから早速、
前から誘いをかけてきていた蟻男数人にOKを出した。はじめは恐る恐る、
やがて自信をつけ、豪勢な演技で何人もの蟻男から遺伝子を吸い取ってやった。
一番強引でしつこい蟻男が、かつての内気だった坊やだと気づいたときは少し悲しかった。
 交尾の後はほとんど強制的に産卵ブースに移送され卵を産まされた。保存された
無数の卵。これがいっせいに孵化する日…。嫌な想像がいつも浮かんだ。

 格納庫の中の小型円盤の奪取が、あたしの脱走計画だった。
格納庫の位置も円盤の場所も、インストールされた知識に組み込まれていた。
しかし、それら正規のルート以外の道を見つけ、侵入する計画を立てる必要があった。
そんなルートの情報は与えられていないから、頭の中の地図と、迷路のような
現実の艦内を照合し、自分自身で見つけ出さねばならない。任務の合間に観察を重ね、
トイレの中でパズルを解くようにそのデータをつなぎ合わせ、あたしは可能なルートを
絞り込んでいった。

438:侵略者の仮面・11
07/10/12 20:03:30 Qa4bWj1m0
 その日、あたしはついにこれというルートを見つけた。
格納庫を見下ろす廊下の窓から、円盤の手前まで伸びる「経路」を発見したのだ。
文字通りの道ではない。改造人間の握力、脚力等を駆使して配水管や壁の継目を
伝って円盤まで行けそうな経路である。インストールされた知識によれば、
円盤は亜空間移動で簡単に母船の外に出られるらしい。操縦用ドライバも脳内にある。
あれに乗れさえすれば勝ちなのだ。今からは無理だが、明日ちょうどあの辺を巡回する。
明日!現実味を帯びた「決行」を前に、あたしは興奮し様々な思いを止められなかった。
 地球に帰ったらどうしよう。こんな姿で人前に出ることはできない。それに、
侵略者に手を貸した裏切り者にそんな資格もない。でも地球のために出来ることはある。
人知れず、一体でも拉致ロボットや改造人間を倒す。そうして人間を一人でも多く救う。
改造された身体はライダースーツか何かで覆い、顔はメットか仮面で隠す。
…ライダースーツじゃなくて、レオタードとメイクとサングラスでもいいかな。
何にしても出来ることはあるはず。頑張らなきゃ!我知らずガッツポーズをとっていた。
捕虜のいる区画から遠く離れているから、滅多なことはないはずだった…。

439:侵略者の仮面・12
07/10/12 20:04:11 Qa4bWj1m0
「人間のまねがお上手ね」
そのとき、まるで人間のような口調で一匹の蜂女の声が耳元に響いた。
蜂女は手に熱線銃を持ち、あたしのすぐ後ろに立ちはだかっていた。
ここまで近づいて気づかなかったということは、意図的に個体識別信号を
オフにしていたに違いない。ただごとではない。まずは「演技」するしかない。
「ナ、何ヲ不合理ナコトヲ言ウ。理解不能ダ…」
「うふふ。ばればれよ。そこらへんの奴隷生物は騙せても、わたしは騙せないわ」
 よく見るとあたしの隣にいたあの上品なお嬢さんだ。「独房」が空になったから
抹殺されたか、「保護区」へ行ったか、それとも改造されたか、どれかだろうとは
思っていた。結局改造されたらしいが、それにしてもどうもおかしい。
改造人間にしては感情が豊かすぎるのだ。だからといって「味方」だとも
思えない。逃げるか?しかし熱線銃で撃たれるのがオチだし、どのみち捕まる。
一撃で殺す?…できるかもしれない。悲しいがそれしかなさそうだ。
 あたしが脳内シミュレータを起動し戦闘態勢に入ろうとしたとき、
あの優しく素直なお嬢さんだったはずの蜂女が、憎々しげに口を開いた、
「ふん。風俗嬢が、やりすぎで不感症になって、それで洗脳が未完了、
どうせそんなとこでしょ。品のない茶番ね!あはははは」

440:侵略者の仮面・13
07/10/12 20:05:01 Qa4bWj1m0
 典型的な偏見とキメツケ。人の痛みも悲しみも想像できない幸福なお嬢様。
それがあの女の正体だったのかもしれない。あたしは頭に血が上り、
シミュレータは動作不能に陥った。こみ上げる怒りをこらえきれずに、
あたしは感情むき出しで罵声を発した、
「こ!この世間知らず!あ、あんたなんかに何がわかるの!」
「ふふふ。不合理ね。あんな感情操作で自ら正体を現すなんて、人間てホントに不可解!
―九万八千五百六号における起動異常の事実を確認。確保する」
 言葉が終わる前に女は乳房から粘液状のネットを発射し、あたしは壁に貼り付けられた。
「あんたも人間の心が残ってるんじゃないの!?なんで宇宙人の味方なんかするのよ!」
「あなたみたいな出来損ないと一緒にしないで。あなたのみたいな不合理なシステムは
インストールされていないし、理解もできない。わたしはね、最新型なの。
感情擬態システムを実装されているのよ。人間の感情的反応を検知し、
適切な応答を表情筋、汗腺、涙腺、脈拍等の調整により形成、
さらには日本語辞書への介入も行う。それにより、人間やあなたみたいな不良品に対し、
わたしがまるで感情をもっているような錯覚を引き起こす。優れたシステムよ。
『主』の技術力は、ある素体の一カ月の観察データだけから、
こんな精巧なエミュレータを完成させたの。外形擬態システムと組み合わせれば
人間社会への潜入工作も可能。作戦の幅が広がるわ。
…そうそう!あなたを確保したんだから、もうこんな煩わしいもの要らないんだった」

441:侵略者の仮面・14
07/10/12 20:06:29 Qa4bWj1m0
 女は首のうしろのスイッチのようなものに手を伸ばした。
とたんに、それまでの感情豊かな態度は姿を消し、女は普通の蜂女に戻った。
「オマエノ場合、再いんすとーるは不要ダ。起動装置ノ修理ノミデしすてむ再起動ガ可能。
ヨッテ、コノ場デノ修理作業ノ実施ガ最適ト判断スル。―修理班!」
 すぐに修理班が到着し、機械そのものの手つきであの移植用性細胞を性器に装着し始めた。
「…や、やだ…やめろ!…やめて!!」
修理班は立ち去り、細胞が活動を始め、あたしの損傷部位は急速に修復され始めた。
 それを見て、蜂女は何か思い出したように再び首のスイッチに手を伸ばした。
「やだ、忘れてた!こいつのせいで不合理な動作が増えて困るわ。
貴重なサンプルなんだから、今のうちにレコードしとかなきゃね」
そう言うなり女はあたしの首の後ろに爪をねじ込んだ。
「…そう…十代のころに父親に…。ごめんなさい。ひどいことを言ってしまったわ。許して」
蜂女は涙まで流してみせた。これは擬態だ。虫けらが何も理解せず自動反応しているだけ。
…それが分かっていながら、あたしの心は揺らぎ、彼女を許そうという気持ちすら湧いた。
たしかに、人間の感情とは不合理なシステムなのかもしれない。ちょっとだけそう思った。
「…するとあなたの場合、蟻男による再起動失敗の危険が0.00002くらいはあるわけね…」

442:侵略者の仮面・15
07/10/12 20:06:59 Qa4bWj1m0
 …もう何もかも終わりだ。あたしは今度こそ完全な奴隷生物にされてしまう。
あの2時間の気の狂いそうな感情がよみがえった。今度はハッタリの希望もない完全な絶望。
もはやタンカを切る気力もなく、あたしはあの坊やのようにただ泣きわめいていた、
「いやだ!いやだ!再起動なんて厭!あたしは地球に行くの!i行って地球を救うの!」
「うふふ。…いいわ。あなたにも擬態機能を実装してもらいましょう。開発中の、
簡易対人洗脳改造装置もね。一緒に、「地球救済作戦」を進めましょ!」
知っていた。その名は「地球侵略作戦」の暗号。地球人類と地球環境の破滅的搾取の計画。
地球を守る戦士でなく、お客を襲い洗脳改造する淫らな蜂女…絶望的な未来が浮かんだ。

「…そろそろ修理完了ね。蟻男じゃ不安だから、再起動はわたしが実行してあげる。
各種ドライバは完全に書き込まれているから、一回のオーガズムですべてが終わるわ。
恍惚の瞬間、あらゆる人間的感情は無意味なバグとして完全にデリートされ、あなたにはもう、
あの不合理なシステムを解読することも、形成することも、永久に不可能になる。
その必要もなくなる。同時に『主』への服従のためのシステムが正常起動するから。
その停止もアンイストールも永久に不可能。―以上、ガイダンス終了!」
 蜂女は「いたずらっぽい笑み」を浮かべた。あたしから恐怖と絶望を引き出す感情擬態だ。

443:侵略者の仮面・16(了)
07/10/12 20:09:33 Qa4bWj1m0
「いやいやいやいや!宇宙人の奴隷なんて絶対に厭!」
「うふふ。不合理ね。でもすぐにその愚かな思考回路から解放してあげるわ。感謝して」
「…いや!いや!……それがいやなの!…それが…いやなの!……わかって…お願い…わかって…」
涙も声も枯れ果てたあたしは、無意味と分かっている嘆願をうわごとのように繰り返した。

 彼女はカバーを外した。ぷるんとしたピンク色の、傷一つない改造性器が再生していた。
 あたしの絶望は増した。もう駄目。もちろん理屈では、今度もまた達しさえしなければいい。
でも絶対に無理だ。一目で分かるが、この女は下手なプロよりも好色で貪欲な快楽追求者。
それに比べて今のあたしは、異常に「耳年増」なだけの、うぶで未開発な十代の生娘と同じ体。
多分ひとたまりもない。そしてあたしは、感じてはならない、達してはならないと思えば思うほど
ますます急速に快楽の坂を登り詰め、あっと言う間に果ててしまうに違いない。
そんな女の生理と心理は誰よりも知っている。…無理だ。絶対に無理だ。
 蜂女は「穏和な笑み」を浮かべ、耳元に口を寄せ、「甘い声」でささやき始めた。
「ねえ、想像してみて!あのころのあの甘美な快楽。それがもうじき、
『主』への崇高な崇拝心と一体になり、浄化され、あなたの胸に永久に刻まれるの…」
 抵抗する気力も尽き果て、ぼんやりとしてきたあたしの頭に、彼女の声は甘く響いた。
そして十数年ぶりにうずき始めたそれに彼女の指がのびる瞬間を、いつのまにか、
今か今かと待ち始めている自分に気づいていた…
<了>

444:maledict
07/10/12 21:01:55 Qa4bWj1m0
…以上、お粗末でした。なんかストロンガーの第一話みたいな流れですみません。
前回の直後の話もいつか投下させて頂きます。

蛇足ながらタイトルは
「侵略者の仮面をかぶっている」九万八千五百六号さん」と
「仮面をかぶった侵略者九万九千八百八号さん」の両方を指したつもりです

445:名無しより愛をこめて
07/10/12 21:28:22 L92aHeBa0
>>444
超乙! なんか前回よりも文章がこなれている感じだ
故意か天然か、あまりメリハリをつけずに神経症的に長文を重ねてゆく、そのさじ加減が
じわじわと不安が沁み出してくるような“腫れ物っぽい脆さ”をかもし出していて
救いのない作品内容によくマッチしていたと思う
なにげに比喩表現の使い方もうまいしな

次回はいよいよ、蜂女に改造された素体嬢と課長さんのセックルか。超期待だ

446:名無しより愛をこめて
07/10/12 21:58:04 g+FYP9050
>>424
水島コーチがもっとバストが大きかったら、被検体の女の子達がもっと大人だったら、
ゴシキダブラーのデザインが女性らしい曲線を有してたらと欲とは際限がないとつくづく感じますが、
当スレの洗脳ファン、垂涎のストーリーだと思います。
烈に踏み込まれた時に水島コーチが着てた、紫のベロア地のカーディガンがなんともいえず、エロい!!

447:376
07/10/12 22:50:48 EwWHG87F0
>>446

あと、ドンホラーの前で実験成功を報告した後、ゴシキダブラー
怪人態から人間態に姿を変えたときに見せた水島コーチの笑顔や、
わかばが家出をする直前にガスを吸って目が光るところなんかも、
この回の見所だよね。

それにしても、このスレでギャバン25話ってすごく人気あるね。
オレみたいにギャバン23話やシャリバン44話が好きって人は、
あまりいないのかな?


448:381
07/10/12 23:52:34 7bcdmQJd0
>>426
>シャイダーの41話「直撃じゃじゃ馬娘」
レス、ありがとうございました、今後の参考にさせて頂きますね。

>>446, >>447
前スレでも指摘されてましたが水島コーチは髪飾りを含む
衣装全てを「紫色」で統一されているんですよねぇ、水中花もですが・・・それに加えて

・スイミングクラブの少女達は帽子付きの旧型スクール水着(由加姉ちゃんは除外)
・コーラスグループの少女達は白色プリーツスコート
・バレエ教室の少女達はローレグレオタード(漏れは緑色レオタの娘が好き)

なのですからねー、ハアハアするのは無理もないですよ、こりゃ。

前スレでは仮面ライダーBLACKの8話「悪魔のトリル」も評判良かったと思いました。

URLリンク(www.catv-mic.ne.jp)

あと前スレでデンジマンの12話「危険な子供スパイ」を
挙げた方が居られましたので同じデンジマンの

6話「悪魔分身の少女」、39話「女王怒りの妖魔術」、42話「少年を喰う悪い夢」

を書いときますね。
宇宙刑事と初期のスーパー戦隊がレンタル出来る日が楽しみです。

449:名無しより愛をこめて
07/10/13 01:49:35 8rTe325K0
>maledictさん

GJ! 続編を期待します。すごく感動しました。

ご迷惑じゃなければ、私のほうでも、この世界観を生かした
外伝的なSS作ってもよろしいですか?



450:名無しより愛をこめて
07/10/13 15:02:04 iDMH7LV20
>>448
由加の表情の変化が実にいい!!
①プールにウキウキで入ってくる手の動き
②プールの異変に「えっ!?何?」って気づく表情
③水中花の出現で狼狽する表情
④妖しく囁きの誘惑のままにプールに飛び込もうとするうつろな目の表情
⑤浮かんできた血の気の引いた表情
⑥眼光鋭い「気をつけろ!バカ野郎!」の表情
⑦水中花の香りに酔いしれる恍惚の表情
⑧鏡に問い掛ける表情
⑨「由加が一番美しい」にご満悦の表情
⑩ゴシキダブラーの出現に気づく表情
水島コーチの色気もいいけど、美乳で演技力もある由加姉ちゃんもいい!!
当時の彼女でも、今の彼女でもいいから誰か改造してダブルモンスターにして!!

451:maledict
07/10/13 17:22:36 IPmfM0tT0
>>445
恐れ入ります。文章が長いのは多分こなれていないだけです(w
>>449
外伝、是非どうぞ!かえって緊張します

シャイダーはたしか22話ですが「女は人魚、男は半魚人に改造」
と言われて水着のお姉さんが改造装置に入ったあたりで
家を出る用事ができてその先を見ていなかったため、
勝手に妄想でその先を埋めてながらくおかずに使った思い出があります。
書いたものを読むとなんかトラウマが残っている気がします。
ゴシキダブラーのはなしはいずれぜひチェックします。

ところで、「宿題」の前に上の話の続編を書いてしまいました。
正直、あのあとは普通のエロ描写にしかならず、普通のエロは
あまり萌えないし技術もないしなあ、と思っていたのですが、
ちょっと思いつくところがあって先に進められました。
一応上の話は上の話で終わっていて、これはまた別の話だとご理解下さい。

タイトルは、「続・侵略者の仮面―奴隷生物九万八千五百六号の報告」です。
ちょっと混んでいる時間だからよくないかなと思うのですが、家人の
目を盗んで投稿したりしているので、次はいつになるかわからないのです。
これと「宿題」が終わったらとりあえず連投はやめますので
もうしばらくおつきあい下さい。

452:続・侵略者の仮面・1/8
07/10/13 17:25:30 IPmfM0tT0
 ―案の定、小娘は弟子入りさせてもらいたいほど上手だった。しかも改造人間のツボを
知り尽くしていた。さらに意地の悪いことに、簡単にはイかせてくれず、じらしながらコトを進めた。
「や、やめて…もうやめて…」
「うふふ、いいわよ。やめましょうか?そしてあなたを分解消去する。それでいい?」
「…」
「…いやあね、ウソよ。大事なあなたにそんなことするわけがないじゃない」
あたしにはもう、一瞬でも「やめないで」と言いそうになった自分に腹を立てる気力すら奪われていた。
「さて、ここまで快楽が浸透したら、もう色々変わってきているはずよ。ちょっと実験してみましょうか」
蜂女は責める手は休めずに、妙な話をふってきた、
「ねえ。お得意の『クソ宇宙人』って言ってみて。言うだけでいいわ」
あたしは漠然とした不安に駆られ、女の言うせりふを復唱してみた…
「………いやああああああ。やだ!お母さん!助けて!気づいてるんでしょ!見捨てないで!!」
あたしは絶叫した。封印していたトラウマが一気に解き放たれた。
「あらあら、まだだいぶ人間の感情が残ってたのね。誤認識が生じたみたいね。でもよかったわ。
本当に『反逆の恐怖』が発動したらそれどころじゃなかったわよ。…意地悪してゴメンネ」
「…あああ、お願い。わかって。いやなの。心を失いたくないの…奴隷なんていやなの…わかって…」
あたしは何度目かの嘆願をした。無駄とは分かっている。だが人間として最後まで抵抗したかった。
最後の瞬間まで人間らしくいたい。そんな気持ちだけで言葉をしぼり出した。
「ねえ。何がそんなにいやなの?教えて」
「…だってそれは…」

453:続・侵略者の仮面・2/8
07/10/13 17:27:12 IPmfM0tT0
 ―恐ろしいことに気がついた。いつのまにか「言葉」に「気持ち」がついてきていない。
人間らしい思い、人間ならば当然の願い、そういう「言葉」は出てくるのに、その言葉が
どんな「気持ち」の表れだったのか、急激にわからなくなりかけている。
「わからないの?そうよね。多分そろそろわからなくなってる頃。快楽による感情の置換は
もうだいぶ進んでいるのよ。今のあなたの人間としての意識は、感情という養分を断たれて
かさかさに干からびた、蛹の殻みたいなもの。その下に本物のあなたが育っているわ。
『主への崇拝』を核にした新しい優れたシステムが準備を完了しているの」
 蜂女はいつの間にか、あたしのとは別の移植用性細胞を装着していた。そしてカバーを外した、
「見て!こんなこともできるのよ」
蜂女の股間には鋭くとがったオスの生殖器が屹立していた。
「さあ、蛹の中の本物のあなたに、いま養分をあげるわ。生まれなさい!」
鋭い針があたしの体と心を貫いた。
そしてあたしのかさかさになった外皮にひびが入り、粉々に砕け散った。

454:続・侵略者の仮面・3/8
07/10/13 17:28:51 IPmfM0tT0
 ぼくはたまらなくうれしかった。いよいよ「決行」の日が来たからだ。
それはまた、あのお姉さんと再び過ごせる日々の始まりの筈だった。

 ぼくは一ヶ月ほど前、宇宙人に拉致され、円盤の中で「奴隷生物」として蟻のような醜い姿に
改造されてしまった。だが、誤動作なのか、僕の方の特異体質なのかはわからないが、僕は
人間の心を完全には消去されないまま「完成」されたとみなされた。そして、その事実を
隠し通しながら、洗脳されたふりをして生きてきた。不用意な行動を起こせば即抹殺か再洗脳。
そのくらいはすぐに分かった。
 実はこんな仮○ライダーとかデ○ルマンみたいな境遇の奴隷生物は、決して多くはないが
一定数生まれているらしい、ということが徐々に分かってきた。
といっても大半は、改造直後にほんの少し心を残していても、その後の行動の中で
あっという間に再洗脳されてしまう。奴隷生物の服従システムは性的快楽を引き金にしており、
そして奴隷生物はオスもメスも性欲―奴隷生物再生産本能―の旺盛な生き物なのだ。
 この仕組みに早い時期に気づいた僕は、インストールされた解剖学の知識をもとに、
トイレで「自己手術」を行った。性器の外的反応はそのまま、意識に繋がる感覚神経だけを
慎重に切断する。性器が反応しないと再改造に回されてしまうし、感覚が残っていれば
再洗脳が始まる、困難な手術。ドールの塗装やら何やらで鍛えられた指先が役に立った。

455:続・侵略者の仮面・4/8
07/10/13 17:30:01 IPmfM0tT0
 ぼくたちの「仲間」は互いに孤立せざるを得ない。表だった行動を起こすことはできず、
誰もが洗脳されているかのようにふるまわねばならない。つまり誰が人間の心をもち、
誰が心を失っているか、「仲間」にすら簡単に明かしてはならない。
 なぜなら、昨日の「仲間」は明日には再洗脳されているかもしれないからだ。
感情を読み取る力を失っていない人間や「仲間」にこそ正体を明かしてはならないのだ。
逆に完成され感情を失った改造人間の方が、警戒する必要はずっと少ないのである。
 「仲間」がいるかもしれない、という可能性を考え、僕は誰に対しても慎重に感情を隠した。
一方、中には捕虜の前では感情を隠しても、改造人間の前では無防備な洗脳未遂者もいた。
「仲間」がいるかもしれない、という可能性にまでは思い至らなかったのだろう。
そんな無防備な「仲間」にはこちらから正体を明かすことはできず、いつも辛い思いをした。
 それでも、ぼくと同じくらい慎重な「仲間」はやはりいた。用心して、用心して、互いの秘密を明かす。
相手に自分の正体をさらすことは、自分の正体を危険にさらすだけではなく、相手の正体を
隠し通す決死の責任を負うことになる。そんな決意を共有できる仲間が少しずつ集まり、
再洗脳の危機が迫ったら直ちに自爆する、という鉄の誓いのもと、「同盟」を形成した。
そして敵の目をかいくぐって脱走と反乱の計画を少しずつ練り始めた。
 敵も「不良品」の可能性は考慮し、色々な予防策を張っていた。例えば、目立つところに
改造人間ならば接近できる小型円盤への「経路」を用意する。円盤に乗り込もうとすると
たちまち熱線で消去される仕組みだ。ぼくらはそんな敵の工作の裏の裏をかく綿密な計画を準備した。
 そしていよいよ今日、「決行」の日が来たのだ。もう鉄の規律も必要ない。無防備な
洗脳未遂者にも蜂起を呼びかけ、一斉に行動に移る。地球人類の反攻が始まるのだ。

456:続・侵略者の仮面・5/8
07/10/13 17:31:29 IPmfM0tT0
 ぼくはあの無防備で愛らしいお姉さんの元に急いでいた。もちろん、再洗脳されてしまった
可能性はある。だがあの人は、僕の前では無邪気に人間の感情を出す。それは「完成品」には
絶対に出来ないことだ。それを確認できれば間違いはない。そうして、同盟の存在を話し
蜂起への協力を呼びかける。あのきっぷのいい声で喜んで協力してくれるだろう。
「まかしときな!あたしが入れば百人力さ!」
そんな姿がありありと浮かんだ。

 いつも通り、求愛行動にかこつけて接触する。内気な童貞だったぼくが皮肉なことだ。お互いに
性感は失われているはずだし、地球に行けばお互い完全な性器切除をしなければならないだろう。
あの10日足らずのめくるめく官能の日々、あの日は二度と戻らない。それはとても悲しいけれど、
でも、ぼくはあの人からそれ以上に大事なことをいっぱい教わった。そういう心のつながりの方が
ずっと価値があると、今では心から実感している。あのひとは何よりも人生の師だ。
 お姉さんはいつも通り無防備に感情をさらした。まだ大丈夫だ。とてもうれしかった。
「うふふふ、坊や、ホントに好きね。いらっしゃい!」
 ぼくは再生産本能がオンになったふりをして、機械的に、しかし卑猥に、お姉さんの中に入った。

457:続・侵略者の仮面・6/9(8は間違いorz)
07/10/13 17:33:38 IPmfM0tT0
 いつもと違う、と感じたのは挿入後すぐだった。内部の様子が全然違う。鈍った触覚でも
それははっきり分かった。この感じはむしろ、改造時に装着される、移植用性細胞にそっくり…
違和感に気づく前に、お姉さんは捕獲ネットを発射し、二人は繭にくるまれた蛹のような姿になった。
「ねえ坊や、もう演技なんてしなくていいのよ。また色々おしえてあげるわね」
以前と全く同じ、艶めかしい情感に満ちた言葉。しかし明らかにおかしい。
詳しくは分からないが、お姉さんはもう「味方」ではない。それは間違いない。
だが捕獲ネットはぼくの身体を完全に拘束し、しかもすべての武装をロックしている。
攻撃はもちろん、自爆すらできない。
 ぼくとしたことが、あれほど理性的で冷徹に行動していたつもりなのに、お姉さんにだけは
無防備にも気を許してしまった。…これが人間の限界か…。あの「不合理ダ」が頭をよぎる。
「まだイっちゃ駄目よ。色々レコードさせてもらわなきゃね」
 お姉さんは僕の首の後ろに鋭い爪を突き刺した。
「…やだ。すごい大物捕まえちゃった。坊やって偉い人だったのね。お姉さん、惚れ直したぞ!」
ぼくの記憶を読んでいるらしい。当然、「仲間」たちの情報もすべて知られたことになる。それにしても、
本当に前のままのお姉さんだ。つまり敵は…
「さてと。レコードも終わったし、こんなめんどくさいもの停止するわよ」
 お姉さんは自分の首の後ろのスイッチのようなものに手を伸ばした。とたんに、「お姉さん」は
どこにもいなくなり、他の改造人間よりもはるかに無機質な蜂女が現れた。
「ワレワレノ研究ト技術ハ急速ニ進歩シテイル。オマエノ推測通リ、ワレワレハ感情えみゅれーたヲ
開発シタノダ。コレガアレバオマエノヨウナ不良品ノ検出モ容易ダ。『同盟』モ間モナク壊滅スル」
 この人はもう、侵略者を「ワレワレ」と呼ぶ別の生き物になってしまったのだ。そしてもうじきぼくも…

458:続・侵略者の仮面・7/9
07/10/13 17:34:40 IPmfM0tT0
 感覚神経の修復は急速に進み、あの懐かしく危険な感覚がよみがえり始めた。…いやそれ以上だ。
ぼくは改造人間の性感を未体験だ。それが人間よりもはるかに強烈らしいという知識しかもっていない。
 間もなく性感は完全に回復し、お姉さんの以前よりも磨きのかかったワザに、ぼくは快感の山を
急激に登った。しかも、人間の頃ならばとっくに果てていた限界をやすやすと超え、未体験の領域に
突入していた。―コレが爆発したら、ぼくには何も残らない。ぼくはまったく違う生き物に
されてしまう―。その考えは単なる知識以上の生々しい予感として迫ってきた。
 ―なんとかしなきゃ。「萎え」か…萎えアイテムを浮かべよう。…全裸のチーフ、全裸のモモタロス、
それに元祖、全裸の神崎史郎…―ぼくはありったけの「萎え」イメージを結集して
なんとか「爆発」を食い止めようとし始めた。
「…予測外ノ持続力ダナ。人間トハ本当ニ不可解ダ。おーがずむ不完全ノ危険性10ノ-19乗。
安全優先ノタメ、支援機能ヲ発動スル」
 お姉さんだったモノは再び首のスイッチを操作した。蜂女は再び優しくて勇気のあるお姉さんに戻った。
「強情ね。そこが好きよ!」
 お姉さんの動きは単なる高性能快楽機械のそれから、情感溢れる繊細なものへと変わった。
「このやり方はね、あるすてきな女性に教わったの。あたしの第二の産みの親。あたしの反対隣に
いたきれいなお嬢さんよ。知ってるわよね。あなた、あたしを差し置いて、あの人で抜いてたでしょ!」
いやそれは、お姉さんを知る前のことで…ぼくは一瞬、虫けらの感情擬態相手に真剣に弁解しそうになった。
「うふふ。いいのよ。今のあなたはあたしのもの。ねえ、思い出して、あのとき、あの瞬間…」

459:続・侵略者の仮面・8/9
07/10/13 17:35:19 IPmfM0tT0
 宇宙人に拉致された、先の全く見えない不安な日々、お姉さんは力強くぼくを励ましてくれた。
そしてあの日、高まる情欲を必死で抑えるぼくを見て、お姉さんは言った。
「ねえ。あなたが好きになっちゃったの。濡れてるのよ。ほんとよ。火照りを冷まして…」
ぼくの「暴発」を未然に防ぐための不本意な誘惑だ。すぐに分かった。でも…ぼくは誘惑に負けた。
「見て。こうなってるの。そしてここを…そうそう、あふ…上手…初めてとは思えない…」
やがてお姉さんはぼくの、自分でも信じられないくらい固くなったものに手を伸ばし、そっと導いた。
まったく知らなかった感触。熱い肉の圧迫。忘れない。忘れようがない。
「いい?これは人類の使命だと思いなさい。あたしたちはどうなるかわからない。でも、
おなかに赤ちゃんがいれば、その赤ちゃんは生き残るかもしれない。人類が生き残るための、
聖なる使命。そう思って!」
 お姉さんは、簡単には果てないように巧みに緩急を加え、ぼくを信じられない高みへと運んだ。
「まだよ。もうちょっとこらえて。ああ…ああ…あたしもイきそう!一緒にね。一緒に、
一緒に人類を救いましょ!…いいわ、さあ!」
お姉さんは激しく腰を動かし、ぼくの頭は真っ白になった。そしてその瞬間は永久にぼくの心に
刻みつけられた。神経切断後も、その甘い名残りは消えなかった。ああいつか、もう一度。
…それが、決してかなわぬ望みでも…。
 そう、それは決してかなってはならない望み。その筈だったのに…。

460:続・侵略者の仮面・9/9
07/10/13 17:36:54 IPmfM0tT0
 ―お姉さんはあのときと全く同じ動き、全く同じ言葉で、ぼくを快楽の高みへ優しくいざなった。
「…まだよ。もうちょっとこらえて。ああ、ああ、あたしもイきそう!一緒にね。一緒に、
一緒に人類を侵略しましょ!…いいわ、さあ!」
…何か、何か違ったような…ほとんど停止した思考力をふり絞り、ぼくはその違和感を突き止めようとした。
だがその答えは見つからず、お姉さんは激しく腰を動かし、そして、

―ぼくの頭は真っ白になった。―

<了>

461:maledict
07/10/13 18:12:24 IPmfM0tT0
…お粗末でした。
ちょうど前レスで「バイバイさるさん」が出てました。

…ところで、ひょっとしてですが、みなさん、男性が改造されるシーンは
あんまり萌えませんか?自分は、上記のように、改造担当者が
女性だったり、去勢されてしまったりするシチュはけっこういけるのですが…

462:名無しより愛をこめて
07/10/13 19:18:24 gZRL/n2t0
>>461
GJ! ちょっと自分のストライクゾーンからは外れていたが、とても面白かった
maledict氏は心理の綾の描写が巧みだな。その分、状況描写が足りないきらいがある
次回はもっと、場所や小道具の描写などに凝ってみてはいかがだろうか

> …ところで、ひょっとしてですが、みなさん、男性が改造されるシーンは
> あんまり萌えませんか?自分は、上記のように、改造担当者が
> 女性だったり、去勢されてしまったりするシチュはけっこういけるのですが…

たぶんmaledict氏には、自分が改造されたいという無意識の願望があるんだろうな
一言で改造フェチといっても洗脳が好きなやつとか拘束厨とか解剖厨とか性転換厨とか
いろんな香具師がいるので、Maledict氏のような嗜好の者もきっといると思う
漏れ的には百合はOKなので、改造担当者が女性というのは萌えるが、男の改造はNGだな

463:名無しより愛をこめて
07/10/13 19:51:26 BrZ3xLmR0
>全裸のチーフ、全裸のモモタロス、
>それに元祖、全裸の神崎史郎
おいおいおいおい!?

464:名無しより愛をこめて
07/10/13 19:58:10 lZY1Gk0D0
>>450

由加姉ちゃんへの熱い想いが伝わってくるね!


465:名無しより愛をこめて
07/10/13 23:50:12 8FaSTsrL0
菅野美穂が主演のドラマ「働きマン」ってなんか特撮ヒーローのにおいを感じるんだよな。あれ見ていたら菅野美穂を特撮ヒロインにしてみたくなった。
悪の組織に改造される菅野美穂。しかし、脳改造寸前に脱出して悪の組織と戦うってな女仮面ライダーっぽいヒロインものをやって欲しいよ。

466:381
07/10/14 00:14:19 Zcq35/+X0
>>451
>シャイダーの22話について

SS御疲れ様です、それは22話「人魚が呼ぶ海の怪」ですね。
過去スレで採り上げた方がいたと思いました。

フーマの楽園を造ってクビライ様に献上しよう、
そのために人間を捕獲して男性は水棲人間、女性は人魚にする計画です。

水死した男性・安男兄さんが改造され水棲人間の第一号となる。
水棲人間はかつての妹・恵美を拉致しようとするがシャイダーに妨害されてしまいます。

その後、フーマの不思議獣ウミウミは
水着姿の女性(美人)、それに小次郎さんと陽子さんを拉致。

水着姿の女性と陽子さんは手術台に載せられ神官ポーに催眠を掛けられ
いよいよ執刀!となった所でシャイダーに踏み込まれ計画失敗。

最初と最後は悲しい流れだったと思いました。

妹・恵美
「天国に行ったのよ、お兄ちゃん・・・」

といった台詞だったかな?

467:名無しより愛をこめて
07/10/14 01:20:02 JVBWvyYh0
>男性が改造されるシーン
ZOの改造シーンとか好き

468:名無しより愛をこめて
07/10/14 01:30:15 9HD+6l5z0
>>467
>ZOの改造シーンとか好き

どんなの?

469:名無しより愛をこめて
07/10/14 01:55:04 gtYjnX310
シャイダーと言えばギャル1も改造されてなかったっけ?

470:名無しより愛をこめて
07/10/14 01:58:01 Vjvmgwj5O
>>468
うぉぉぉ、やめろぉぉぉ、望月教授ぅぅぅ
ぶっとばすぞーぉ


全裸で

471:376
07/10/14 02:32:55 /KgjEYdT0
>>466

シャイダー22話は、切ない雰囲気の話でしたよね。
不思議獣にさらわれる青い水着の女性には、神官ポーも
満足してました。
あと、妹の恵美さんもけっこう美人でしたね。

>>469

最終回の近くで、自分から志願して改造されていたように
記憶してます。

472:名無しより愛をこめて
07/10/14 12:33:16 ue03epo90
な。もっと少女強制改造ものが見たいよな。
だが脳改造までされてしまって悲しみ苦しむ姿が見たい(*´д`)ハァハァ

473:maledict
07/10/14 14:06:29 yht0byT/0
>>462
小道具の件、参考になります。
あと、もちろん「無意識」ではなくてバリバリ自覚的です。
別に正義のヒーローになりたいということではなく、
もう肉体も精神もぐっちゃぐちゃに・・・ヘンタイですみません
あと、ビジュアル的に美少女の類の改造シーンにちゃんと萌える点では
ノーマル(?)なつもりです。おっさんだと美しくはないですよね

>>463
萎えませんか?(w

474:名無しより愛をこめて
07/10/14 15:46:03 Kf4wsKuS0
473を改造したくはないなw

475:474
07/10/14 15:46:40 Kf4wsKuS0
やべえ!おれのID糞だ orz

476:名無しより愛をこめて
07/10/14 18:34:04 2uCV8lWTO
>>465
菅野美穂は『催眠』とかに出てた頃はジャンル女優まっしぐらな感じだったが
最近はめっきり出なくなったな。

そのころは悪の女神官役が似合いそうなイメージだったのに
今は正義側の方が合うのか・・・

477:名無しより愛をこめて
07/10/14 19:31:55 pB5Tb/1f0
>>474
473が実は♀だったら?

478:名無しより愛をこめて
07/10/14 19:49:10 lK/qXiPF0
>>473
モモは萌えるww

479:376
07/10/14 20:20:53 O3vBqlfrO
450さんを見習って、シャリバン44話に登場する女子大生、
山崎さよこの表情の変化を。
①テニスの練習中にコーチの指導を受ける真剣な表情
②自室でラケットの素振りをする懸命な表情
③アンコウビーストの噴射した麻酔ガスを吸って悶える表情
④続けて幻覚光線を浴びせられ、お姫さまになった夢を見て
うっとりする、高揚した陶酔の表情
⑤マドーのアジトに運ばれ手術台に乗せられて、口にパイプを
くわえさせられビーストビールスを吸入させられるときの、
小さく首を振って抵抗しようとするけなげな表情
⑥テニスの試合で、何事もなかったかのようにコートに立つ
平然とした表情
⑦異変に気づいた伊賀電を睨みつける、眼光鋭い表情

なかなかの美人がこんな表情の変化を見せてくれる。

480:maledict
07/10/14 21:59:17 yht0byT/0
>>477
申し訳ありませんが正真正銘の♂でございます
♀ですということにしようかと一瞬思ったのですが
自分で気持ち悪いのでやめました。

>>449
申し訳ないのですが、次の話でちょっと世界観に踏み込む
可能性がありそうなので、念のため次回投下の後までもう少しだけ
お待ちいただけるでしょうか。勝手言ってすみません。
これまでの設定を壊したり覆したりするわけではないので
滅多なことはないとは思うのですが。本当にすみません。

481:449
07/10/14 22:27:26 HjXtZeU40
>maledict氏
了解です!こちらも煮詰まっていますのでw

どんどん「地球救済計画」をすすめてくださいw






482:381
07/10/14 23:02:39 T7bq5uaS0
>>479
>山崎佐世子さんの変貌ぶりの件

詳細な報告をありがとうございます、DVDレンタルリリース次第チェックしたいですね。
漏れ自身はシャリバンにおいてこのスレ的には30話「捨てられる子供たち 変身するママ」か
この44話が一番なのかなぁ、と思ってましたが、
実験対象が女子大生の分こちらに分がありそうですねw

しかしどちらも男子禁制区域が舞台(美容センターと女子寮)なのと
手術台にて実施される洗脳(改造)作業場面、
そして術後の女性の冷酷な変貌ぶりとかなり的を射ております。

最後に>>387でも書きましたが個人的にアンコウビーストの回には存在して
他の物語にはそうそう存在しないもの、それは

「アンコウビーストに幻覚光線を浴びせられ、
 お姫さまになった夢を見てうっとりする、高揚した陶酔の表情」

ですね、王子様との舞踏会の幻想だったと思いますが・・・。

>>373
>12月から宇宙刑事シリーズのDVDレンタル開始こそスレ的にハァハァする作品が見る事が出来るな。

これは気付かずに失礼しました。
それにしても宇宙刑事のDVDレンタル遅過ぎですよね。

483:376
07/10/14 23:52:13 +8Aqsv0T0
>>482

レスありがとうございます。
このスレではシャリバン44話はあまり人気がないのかな、と
思っていたので、うれしいですよ。
DVDレンタルはじまったら、チェックしてみてください。
ご期待をうらぎらない内容であればよいのですが。

>他の物語にはそうそう存在しないもの、それは
>「アンコウビーストに幻覚光線を浴びせられ、
>お姫さまになった夢を見てうっとりする、高揚した陶酔の表情」
>ですね、王子様との舞踏会の幻想だったと思いますが・・・。

そうです、王子様との舞踏の夢です。
山崎さよこのお姫さま姿が、とても似合っていてかわいい。
でもその夢は、続いて行われるビーストビールスによる獣性化の効果を
高めるために、あくまで下準備として見させられている、というのが、
オレにとってはたまらなく良いです。

あと、山崎さよこのルームメイトの女子大生(名前わからん)も、
同様にアンコウビーストの幻覚光線を浴びて夢を見てウットリしますが、
こちらは黒い皮ツナギでビシッと決めた、ロックミュージシャン姿です。
この娘は、背が高く気の強そうな美人で、黒い皮ツナギがよく似合って
います。
本エピソードには、ほかにも数人の女子大生が登場しますが、中でも
この2名がいちばん美人です。
そんな2人が幻覚を見させられてウットリしている姿と、その後に
ビーストビールスによるマドーの獣性化手術を受ける姿(といっても、
手術台に乗せられて、あやしい液体を吸入させられるだけですが)を
見ることができたのは、とても良かった。

484:450
07/10/15 03:07:59 to7vRc7N0
>>479
>>482
>>483
女子寮・テニスウェア・洗脳・手術台と萌えるキーワードが揃ってて気になってただけに、
これだけ詳しくレポして頂きありがたいです。(自分の形式まで模して頂いて・・・)
レンタルされたら即チェックします。

洗脳被害者が美人の作品はいつの時代でもいいです!!!
インヴェード美女瞳・クモダブラーの最初の犠牲者・オーレンジャーのバラプリンターで
コピー機を愛するように洗脳される女子高生なんかが好きです。

逆に、ビシュヌはせっかくの花を使っての洗脳なのに、主婦にも、女子高生にも目立った美人がいなかった
ように思えます・・・。残念です。


485:376
07/10/15 21:32:08 aFh/0XyH0
>>450

レスありがとうございます。
「表情の変化」ネタを勝手にマネさせてもらいました。

>これだけ詳しくレポして頂きありがたいです。(自分の形式まで模して頂いて・・・)
>レンタルされたら即チェックします。

チェックしてみてくさだい。
450さんにとってハズレでないといいですが。
ご期待にそえることを願います。

>洗脳被害者が美人の作品はいつの時代でもいいです!!!
>インヴェード美女瞳・クモダブラーの最初の犠牲者・オーレンジャーのバラプリンターで
>コピー機を愛するように洗脳される女子高生なんかが好きです。

オレもギャバン23話(クモダブラー)の話大好きです!!
最初にさらわれる女性、まさに「美人OL」って感じで、
すごくいいですよね。
改造は未遂でしたが、あのOLのおかげで、オレとしてはとても
ポイントの高い話です。

>逆に、ビシュヌはせっかくの花を使っての洗脳なのに、主婦にも、女子高生にも目立った美人がいなかった
>ように思えます・・・。残念です。

せっかくシナリオが良くても、演出や出演者がイマイチのときって、
ありますよね。

また情報ありましたら教えてください。

486:名無しより愛をこめて
07/10/15 22:09:47 HKLSkb6P0
>>476
うんと若いとき、最初のエコエコアザラクのラストあたり、
MCや改造ではないものの、豹変ぶりと無惨な最期がなかなかよかった覚えが…

487:maledict
07/10/15 22:13:13 HKLSkb6P0
>>449=>>481
次回はちょっと遅れるかもしれません。
あんまり遅れそうなときは二回に分けるとか
するかもしれません。恐れ入ります。

488:maledict
07/10/15 22:19:28 HKLSkb6P0
普通の書き込みは名無しで書こうかと思ったのですが
IDがあるとあんまり意味のない話でした。
固定って疲れますね。投稿終わったら当分名無しに戻ります。
アンカーに「様」を付けたり付けなかったりちぐはぐですみません。

489:名無しより愛をこめて
07/10/16 00:01:30 4J/v4mxB0
バトルフィーバー サンバルカン ゴーグルファイブ
この辺は改造モノは無かった様な気がする。

洗脳して悪の手先に...ってのは有ったかな?

490:名無しより愛をこめて
07/10/16 01:30:20 CV0d4Gu60
バトルフィーバーのエゴス怪人は人間を改造して造ってるふしがあるから
(少なくともハイド怪人はバトルコサックの親友が改造された姿。ヘッダー指揮官も改造されたし)
怪人バラリンカとかの女性怪人も、人間の美女を怪人製造機に入れて改造したものと勝手に妄想してる

491:名無しより愛をこめて
07/10/16 01:41:24 JZGKWnBD0
>>489-490
URLリンク(www.geocities.co.jp)
#04 ネンリキ怪人 ♂
#37 ゲンソウ怪人 ♀
#39 ハイド怪人 ♂


492:名無しより愛をこめて
07/10/16 02:17:50 olVPw3iE0
ゲンソウ怪人って改造シーンってあったの?あったとしたらどんなかんじ?

493:名無しより愛をこめて
07/10/16 08:37:48 tNhndJ4l0
>>492
あるよ。冒頭で月影一族のモンシロお蝶という女盗賊が怪人製造機に入れられて
激しくもだえながらゲンソウ怪人に生まれ変わるシーンがある
URLリンク(www.geocities.co.jp)

494:名無しより愛をこめて
07/10/16 11:08:22 afUI6IXD0
 くのいちっぽいテーストに、改造・花吹雪・バイオリン美女。
萌えワード満載です。見たいです!!

495:名無しより愛をこめて
07/10/16 17:07:23 XqQJvyZi0
私はSSは書かないけど、改造されたい女の子です。
可愛くはないかもしれないけど・・・

496:名無しより愛をこめて
07/10/16 18:37:19 YRgfkajH0
>>495
どんな姿に改造されたいのかな?
改造されて何をやりたいのかな?

497:名無しより愛をこめて
07/10/16 20:12:43 XqQJvyZi0
改造されたいのは蜂女とかかな?基本的にはなんでもOKです。

改造されてしたいことは人を洗脳したり、同じ改造人間にしたりしてみたいかも?

498:名無しより愛をこめて
07/10/16 21:09:47 XqQJvyZi0
あ、497は>>496さん宛です

499:381
07/10/16 22:14:18 yoqxSowK0
>>484
>逆に、ビシュヌはせっかくの花を使っての洗脳なのに、
>主婦にも、女子高生にも目立った美人がいなかったように思えます・・・。残念です。

仮面ライダーBLACKの45話「妖花ビシュムの死」ですね。

あの回は料理教室にて和服姿でほくそ笑む人間体ビシュムと
被害者となる朝霧女子高等學校の女子高生軍団が印象深いです。
地下の花園でズラッと一列に並んだ彼女達にはドキッとしました。

しかし凄いお嬢様女子校と言う設定なのに生徒達の容姿までは・・・残念です。
ビシュムが主役の回なので仕方無いかもしれませんが。

あと、この作品で美人だと思ったのはは8話「悪魔のトリル」のバイオリニスト百合ちゃんと
24話「女子大生の悪夢」の改造マシン内の娘ですかねぇ。

500:名無しより愛をこめて
07/10/16 22:16:53 +xgFRT/n0
500get!

501:名無しより愛をこめて
07/10/17 01:15:13 46wz8sZR0
>>450
>>479
この形式で、「死を呼ぶくちづけ」を表現しようとしたら、10や20じゃきかない・・・。
究極に美しいのは、上目遣いで強くなるためなら私は何を失ってもいいとラディゲに懇願する顔。
東京ドームシティでサラリーマンに微笑みかける顔のアップ。竜に今の姿を披露するシーンで、直前のポーズ前とポーズ後
でアングルが違うと、こうも表情が違うか!?とカンジさせる顔のアップ。

キリがない・・・。

502:376
07/10/17 06:57:08 C2VQhNRe0
>>499

>あと、この作品で美人だと思ったのはは8話「悪魔のトリル」のバイオリニスト百合ちゃんと
>24話「女子大生の悪夢」の改造マシン内の娘ですかねぇ。

「悪魔のトリル」は見たことないので、今度チェックしてみます。
「女子大生の悪夢」は、美人の女子大生をさらってゴルゴムの女戦士に
改造する、という作戦は良いのですが、なぜかあまり興奮するシーンが
ありませんでした。
オレにとっては惜しい、もったいない話。

>>501

ジェットマンの敵の女幹部の話ですよね。
彼女が好きな人にはたまらないエピソードですよね。

あと、今までこのスレでまったく話題に出てない、ひょっとしたら
微妙にスレ違いなのかもしれないが、オレが他に大好きなのは、
この前もファミリー劇場でやっていたけど、スケバン刑事Ⅱの
33話「変身!邪悪の少女サキ」です。この話本当に好き。
南野陽子演じるスケバン刑事麻宮サキが、青狼会(悪の組織)の
送り込んだ「ナメラ」というバケネコ怪人に首筋をかみつかれて
毒液を注入される。
その上でナメラの吹く笛の音でリモートコントールされ、
青狼会の悪の刺客として操られる。
笛の音が聞こえると、毒液の効果?でそれまで弱々しくふるえていた
サキの顔が突然変貌して濃いメイクになり、完全な悪の手先として
操られるところに興奮。
濃いメイクのサキの顔が美しい。
このスレ的な評価は微妙かもしれないが、女性操りモノとしては、
施術される女性の容姿や、施術後の変貌ぶり、操られぶりは、
このエピソードが特にすばらしいと思う。

503:名無しより愛をこめて
07/10/17 17:06:30 lVxsR4dY0
えと・・・SS職人の皆さんにお願いなんですが、吸血系の改造SS書いてもらえませんか?
自分、国語2なんで・・・

504:名無しより愛をこめて
07/10/17 19:45:16 3o6EHO5d0
>>503
「吸血系の改造SS」って具体的にどんなの?
蝙蝠男に血を吸われた美女が蝙蝠女になって別の女性を襲うとか?
でもそれじゃ、普通の吸血鬼ものとシチュ的に変わらないよね

505:名無しより愛をこめて
07/10/17 19:51:08 lVxsR4dY0
なんだろう・・・

いたって普通の女の子が突然拉致されて「お前は今から蝙蝠女(?)になるんだ。」
って言われるやつ?

これじゃ普通か・・・文章の才能無いから・・・

蝙蝠女の見た目、能力はSS職人の皆さんにお願いします・・・
書きたい蝙蝠女を書いてください!

506:名無しより愛をこめて
07/10/18 00:37:20 7HbsNYgf0
蝙蝠女はビザール風の衣装を着た悪魔っ娘みたいなのしか想像できんわ
ショッカーの蝙蝠男の女性版だと毛深すぎてあまりにも萎える
ズ・ゴオマ・グの女性版はありかも知れないが、女性吸血鬼の耽美さは無くなるな

507:maledict
07/10/18 00:47:22 G/NADIba0
なんかいつも流れを中断する感じですみませんが
課長さんと主人公のせっくるシーン、投下します。
あまり長いと読む方が大変と思い短めを心がけていたのですが
今回は最後と思い色々詰め込んだら原稿用紙50枚、40スレぐらいの
長いものになってしまいました。まともに連投すると「バイバイさるさん」が
何度も出るでしょうから一挙投下は多分無理です。
それ以前にそろそろスレが終わってしまうかもしれません。
(SSが多いと1000行く前に終わることがあるんですよね)
書き込み時間も未確定です。でもとりあえずいきます

タイトルは「追憶の改造手術室―奴隷生物九万九千八百八号の誕生」です

>>506
部分的な思いつきですが、
コウモリの羽根の部分の皮膚で全身を覆ってるのはどうでしょう?

508:追憶の改造手術室・1
07/10/18 00:52:23 G/NADIba0
 改造室への長いチューブは間もなく終点を迎える。
もう何も考えたくなかった。考える気力もなかった。
この人と同じモノになる。そして「つがい」を形成する。
このモノに抱かれるモノとして生きる。それが私の運命。
それに逆らう力も意欲もない。受け入れるしかない。
 …でも、このモノは何なんだろう?あの人なの?
あの人と同じ顔。あの人だったはずの別のモノ…
 わたしは何の表情もなくこちらを見ているモノに、
声をかけずにはいられなくなった。
「ねえ。洗脳されるってどういうこと?どんな気持ち?
わたしにはわからないの。あなたは地球で生まれ育った
地球人。それを忘れているの?あんなに抵抗したことも
忘れるの?覚えているなら、なんで今は平気なの?
どうやって納得しているの?」
「ワタシガオマエノ言ウ地球人デアルコトハ、モチロン
記憶シテイル。改造時ノ記憶モ保持シテイル。ダガ、
ワタシノ見ルトコロ、改造時ノワタシノ反応ニ
不可解ナ点ハ何モナイ。99ぱーせんと以上ノ地球人ガ
同様ノ反応ヲ示スト報告サレテイル。ワタシノ反応ガ
ゴク標準的ナモノデアルコトハ確認済ミダ」
「そんなこと聞いてるんじゃない!あなたの気持ちが
聞きたいの!地球人のあなたが、地球人であることも、
むりやり改造されたことも覚えていて、なのにどうして
喜んで宇宙人の奴隷なんてできるの?疑問はもたないの?」

509:追憶の改造手術室・2
07/10/18 00:53:21 G/NADIba0
「質問ノ意味自体ホトンド理解デキナイ。ワタシハ
地球人ダ。未改造ノ地球人ハ改造ニ対シ激シイ抵抗ヲ示ス。
ダカラ強制ガ必要ダ。強制ハ合理的ナ処理ダ。マタワタシガ
地球人デアルトイウ事実ト、ワタシガ他ノ地球人類ヲ
『主』ノタメノ資源トシテ搾取スルコトトノ間ニハ、
イカナル論理的矛盾モナイ。他方、『主』ノ道具トシテ
ぷろぐらむサレタワタシガ『主』ノ意向ニ背クコトハ、明白ナ矛盾デアル」
 同じ日本語を話しているはずなのに、まるで話が通じない。
わたしはもう一つ気になって仕方がないことを聞いた。
「じゃあ、わたしのことは?
わたしのことはどれぐらい覚えているの?」
「オマエトノ接触ノ記憶情報ハスベテ保持シテイル。
ソノ大部分ハ不合理マタハ理解不能ナ動作ト言動ノ羅列ダ。
特ニ、交尾行動、シカモ繁殖ト無関係ナ交尾行動ヲ
目指シテナサレル繁雑ナ交渉行為ハ、不合理ノ度合イガ大キイ」

510:追憶の改造手術室・3
07/10/18 00:54:31 G/NADIba0
 まわりくどい言葉の意味を理解できたとき、
わたしの中に猛烈な怒りがこみあげてきた。
―汚された。大事な思い出を。二人だけの、甘く、
謎めいた、かけがえのない時間。それがこの虫けらには
「交尾行動ヲ目指シテナサレル繁雑ナ交渉行為」
にしか映らないのだ。こいつはもうあの人ではない。
あの人があの思い出をそんな風に見ているわけがない。
 こんなモノとの「交尾」を想像して濡れかけた
自分が恥ずかしくなった。痺れていた頭が急激に
はっきりしてきた。そして、宇宙人全体への怒りと
闘争心が沸き上がった。―あの人を永久に奪った
憎い奴ら。わたしは負けない。仇はとるわ。どんなに
肉体をいじり回されようと、心だけは渡すものか。
何としても洗脳に抵抗しおまえらを壊滅させてやる。
「ありがとう。あの人にお別れを言う決心がついたわ」
「不可解ナコトヲ。オマエノ『アノ人』ハココニイル。
肉体ヲ強化シ、不合理ナばぐヲでりーとシ、
優レタ制御しすてむヲ導入シタ以外ハ、オマエガ
交尾シタガッテイタワタシノママダ。ソシテワタシハ、
ツガイトシテオマエノモトニイツヅケル」
 虫けらのたわごとはもう耳に入らなかった。
わたしは戦う。なんとしてもこいつらをたたきつぶす。
今はもういないあの人のために。

511:追憶の改造手術室・4
07/10/18 00:55:35 G/NADIba0
 改造室に着くと、あの虫けらは部屋の奥に姿を消した。
それから何十分たっても改造手術は始まらなかった。
改造室の様子も、感情レコーダを通して見たときとは
少し様子が違っていた。ガイダンスはあの虫けらから
散々受けたから、ガイダンス役がいないのは当然かも
しれない。だが、例えば脳に接続されるコードを
繋ぎに来る気配がない。天井の注射器もセットされて
いない。周囲の補助装置の類も準備されていない。
 ―何これ?「準備完了」とか言ってたのに。
これこそ「不合理」じゃないのかしら。
 だがこれは格好の機会だった。わたしには他の
捕虜にはない利点がある。ガイダンスは素体に
「これから何をするか」は教えても「どうやって」
については何も教えない。だがわたしはそれを
知っている。つまりレコーダの疑似経験によれば、
あの人の感情は、強烈な性的快感と激しい苦痛、
それによって意識が空白になった瞬間、少しずつ
消されていった。可哀相なあの人は何も
わからないうちにあっというまに虫けらに
されてしまった…いや、虫けらに乗っ取られ、
この世からいなくなってしまった。だが、
その仕組みを知ってさえいれば、もしかすれば
何か抵抗できるかもしれない。心の準備くらいは
できるだろう。―ひょっとしてレコーダの装着を
勧めたのは、あの人の最後の意志だったのかも
しれない―。そんな想像もわいた。

512:追憶の改造手術室・5
07/10/18 00:56:31 G/NADIba0
 苦痛の方に大した対応はできない。だが
苦痛による感情消去は補助的なものだった気がする。
注射は平気な方だし、ともかく気を失わないことだ。
 問題は性的快楽だ。オーガズムに達しない、
あるいは、肉体は達したような反応を示しても
精神が平静、という、可能なのか不可能なのか
よくわからない状態になれれば、ひょっとすると
感情の消去をやりすごせるかもしれない。少なくとも
男性のように単純明快な仕組みになはっていないから、
何とかできる余地は大きいような気もする。
 そして今のわたしは性的快楽なんかとは正反対の
心境にある。これは大きな強みだ。
 実はわたしはあの種のぬめぬめした虫っぽいモノが
生理的に大嫌いなのだ。さっきは中身があの人だから、
「愛の力」で克服できた。あの人だと思えたうちは
欲情さえ覚えてしまった。だがアレが本物の虫けら
だとわかったとたん、あんなモノと交わってしまった
ときの感触が気持ち悪くてたまらなくなってきた。
 いいだろう。さっきまでのように興奮している
ふりをしてやろう。そのまま「演技」を続ける。
そして心の中ではあの気持ちの悪い感触を
思いっきり再生して、全身に虫酸が走るような、
心理状態に自分自身を追い込む。足りなくなったら
ナメクジとかカエルとか蓮乳とか、気味の悪いものを
総動員して、快楽とは程遠い精神を維持し続けてやる。
 宇宙人の機械にそんなものが通じるとも思えないが、
今思いつく手立てはそれぐらいだった。

513:追憶の改造手術室・6
07/10/18 00:58:48 G/NADIba0
 結局二時間ほども、わたしは空っぽの手術室で
ただ寝かされていた。その間に、わたしの心は
色々と準備を完了していた。
 だが、奥の扉から出てきた「人」を見たとき、
それらの準備は一瞬で吹き飛び、わたしの心は
激しい動揺、その他あらゆる感情で満たされ、
混乱状態に陥った。
「…あなた…どうして」
 そこには、改造される前と同じ体、そして
改造される前とまるで同じ表情を浮かべた
あの人が立っていたのだ。いや、一点だけ、
あの人ではないという確かな証拠があった。その人は
あの巻き貝のような男性器を生やしていたのだ。
「準備に手間取ってしまってごめん。
ぼくも知らなかったんだが、君の改造には色々と
新しい試みがなされるらしいんだ。ひとつはこれさ」
子供っぽい笑顔でにっと笑い、親指で自分を指さした。
あの人だ。全くあの人のしぐさだ。

514:追憶の改造手術室・7
07/10/18 00:59:44 G/NADIba0
「よくできてるだろ?外形擬態の方は、まあ
地球人が思うほど難しくはないんだ。すごいのは
この感情擬態さ。『主』はぼくの付けてた
感情レコーダと君とのやり取りを徹底的に解析して、
自動的に人間の感情反応そっくりの外的反応を生成する
エミュレータを作ったんだ。感情レコーダのときには
ブラックボックス扱いされていたアナログ情報が
完全にデータ化された。音声レコーダから楽譜を
作り出したようなものだ。そして、感情レコーダの
場合には少し生じてしまった「逆流」もなくなった。
擬態感情は装着者の精神に一切影響しない。実際、
何も感じないまま自動反応が起きているだけなんだ。
完成版では、装着者には必要に応じていつでも
停止する権限が与えられる。ただし僕の場合は
試用段階なので、権限は与えられていない。
―さて。ガイダンス終了だ。これで君はぼくの中身が
『全くの虫けら』であるという知識を得たわけだ。
さあ、どの程度の「錯覚」が起きるのかな。データを
とらせてもらうよ。楽しみだな」
 そう言うと、あの人のだった・もうあの人のではない・しかし
あの人にそっくりな人は、わたしに感情レコーダをセットした。

515:追憶の改造手術室・8
07/10/18 01:01:42 G/NADIba0
「もう一つの実験はこれ」
そう言うとその人は天井からたれているノズルを
引き寄せ、その先端を自分の背中に突き刺した。
「偉大なる『主』は携帯洗脳改造装置を開発中だ。
これはそのためのデータ集めというわけだ」
そう言ってわたしに近づくと、背中のノズル付近から
束になったケーブルを取り出し、その先端を
わたしの首の後ろにそっと固定した。何かが刺さり
侵入してきたが、大した痛みはなかった。それから、
その人はとても柔らかにわたしに覆いかぶさった。
「いくよ」
やさしく官能的な声。いつもの「始まり」の合図の言葉。
今日のそれはわたしの人間としての人生に幕を引く合図。
…ああ、なんてこと。理性ではそれがわかるのに、肉体が
ついていかない。やめて。その目で見ないで。その声で
話しかけないで。…忘れちゃだめだ。このしなやかで
すべすべした肌の下には、ぬめぬめした虫けらの皮膚…
…でも…まったくあの人のままだ。ホクロの位置まで同じ。
汗も出てきた。かすかな体臭も。とてもなつかしい香り…
 その人はわたしに唇を重ね、それから首筋、そして
耳たぶに舌を這わせた。…ぬめぬめした蟻男がわたしを
襲いにきた…そう思い込もうと努力する。感じては
いけない。感じてはいけない。感じてはいけない。
―この言葉は呪文だった。唱えれば唱えるほど
感じてしまう。いけない。いけ…ない…

516:追憶の改造手術室・9
07/10/18 01:03:13 G/NADIba0
 男の舌はわたしの乳首に伸び、同時に指が、すでに
じっとりと湿りかけてきた下腹部の部分に触れた。
いつもと同じ、なつかしい手続きが順々に進み、
わたしの視覚と聴覚と嗅覚と触覚、さらには味覚は、
意地悪な官能の誘いに必死に抵抗した。
 それははかない抵抗。わたしの意志とは無関係に、
わたしの肉体は快楽の山を登り始めてしまった…。

 …次の瞬間、わたしは絶叫していた。一瞬、意識が
空白になった。胸から下の全体に激痛が走ったのだ。
 男の前半身全体から太い注射針が何本も伸び、
それがわたしの身体に突き刺さっているのである。
「ふふ、びっくりしただろ?ちょっと意表をついて
やらないと君は意識を飛ばしてくれなそうだったからね」
間もなく注射針から大量の薬剤が射出され、同時に
男の全身がまばゆいグリーンの光に包まれた。
猛烈な熱が私の身体を襲う。わたしはまたも絶叫し
苦痛にもがき苦しんだ。
「これだと背中の方が不十分だからね。『主』は
苦肉の策で出力を危険値ギリギリまで上げたらしいよ。
まあ、多少のやけどは改造が終われば治るからね。
あとで、ちゃんと後ろからもやってあげるよ」

517:追憶の改造手術室・10
07/10/18 01:04:59 G/NADIba0
 言い終わる前に男はいつの間にか固く鋭く勃起した
生殖器を、まだ完全には準備の済んでいない女性器に
強引にねじ込んだ。普通の痛みだけではなく、子宮の
奥に、傷ついたようないやな痛みが生じた。多分血が
出ていた。鋭い先端が突き刺さったのだ。
「ぼくの装備は試作品なんだ。これから性細胞移植を
しなきゃいけないんだけど、よく使われている
カプセルタイプよりできが悪い。こうやって、移植前に
組織をある程度損傷させないと定着しにくいんだ」
そう言うと男性器を抜いては膣のあちこちに突き刺し、
切り裂く、という作業を繰り返した。わたしは何度も
絶叫し、そのたびに頭が真っ白になった。
「さて、移植用性細胞をつけて、と」
男はやはり背中から薄いゴムのようなものを取り出し、
それを生殖器にクルクルとかぶせた。
「しばらくすると僕の生殖器が移植用に活性化する。
それを挿入すれば君の女性器も憧れのアレに生まれ変わる。
楽しみだなあ」

518:追憶の改造手術室・11
07/10/18 01:07:40 G/NADIba0
 男はわたしの顔を覗き込んだ。あくまでも優しい笑顔。
プレイの最中のちょっと下卑た言葉遣いまでそのまま。
でももうコレをあの人だと思うことは決してできない。
わたしは恐怖に引きつった顔でソレを見つめた。
「お次はこれだ。こんな粗悪品、早く捨てちゃえよ」
そう言うと、擬態した指を突き破って伸びてきた鋭い爪を
左目にずぶりと突き刺し、こね回した。自分でも
信じられない声を上げてわたしの意識は一瞬遠ざかった。
世界の左半分が真っ暗になり、どろりと粘液が出てきた。
「すぐに最高級品が生えてくるよ。紫外線も認識できるし
解像度も比べ物にならない。きっと満足するよ」
 ふと残った目で体を見回すと、すでにもう体が
人間の体ではなくなりかけている。皮膚の至る所から
粘液がしみ出し、染み出た部分を中心にぬめぬめした
青黒い皮膚になっている。いやだ。自分の皮膚が
最高に気持ちの悪い生き物の皮膚に近づいている。
いやだいやだいやいや。わたしは我を忘れて絶叫した。
「さあ、もう一方も、いくよいくよいくよ」
ギュッとつぶったまぶたごと、男は右目をえぐった。
「ふふふ、こうやって緊張しても痛みは増すんだよね」
たしかに、わたしの意識はまた一瞬失われた。
「触角細胞も刺激してあげなきゃ」
男は指の第二関節からねじのようなものを突出させると、
それを眉間の上のあたりに押し当て、骨に食い込むまで
ぐりぐりとねじ込んだ。作業は左右計二回、ゆっくりと
容赦なく続けられた。じわじわと続く苦痛に、わたしの
思考は麻痺した。

519:追憶の改造手術室・12
07/10/18 01:10:21 G/NADIba0
「お疲れさま。『苦痛』のメニューはこの辺で打ち止めだ。
さて、どうかな。もう半分くらい、いったんじゃないかな。
裏側を焼かなきゃいけないからちょっと体位を変えよう」
 擬態した蟻男はわたしを逃がさないように注意しながら
エネルギーバリアをゆるめ、わたしをうつ伏せでひざを折った、
要するに後背位の姿勢に固定し直そうとし始めた。

 少し間の抜けた作業の間、わたしには自分を見つめ直す
わずかな時間ができた。
 ―「もう半分くらい」とはつまり感情消去の話だろう。
虐待のあいだ、わたしはほとんどなすがままにされ
何度も気を失いかけた。多くの感情を奪われてしまったに
違いない。正直、自分で自分の心を見つめるのが怖い。
…そうか。恐怖感は残ってるわね…うれしくないけど。
 課長の心を覗き見ているときと異なり、今のわたしは
実際に何と何の感情を奪われたのか、はっきりとした
自覚がなかった。こちら側に感情があるときは、課長の心と
自分の心を比較して、何が消えてしまったのかを
確認することができた。今はその比較ができないのだ。
漠然と、心の全体が液状化し始めたような不気味な感覚。
人間の発達させた複雑で精妙な感覚が、ただの原始的で
不定形な本能的衝動に置き換えられていく感覚。まるで
精巧に発達した手足や目が、アメーバの偽足や
原始的な光受容器に置き換えられていくような…。

520:追憶の改造手術室・13
07/10/18 01:13:42 G/NADIba0
 バリアの操作が複雑なのか、擬態蟻男の作業は
もたもたと進まない。わたしはこの時間を利用して、
敵と「戦う」道がまだあるかどうか、なるべく冷静に
検討しようとしはじめた。
 人間の心を丸ごと残す、という道はもう閉ざされて
しまった。「人間らしい心」という言葉から連想される
感情、例えば「こまやかな気遣い」「温かな共感」、
そんな言葉はコトバとしては思い出せても、もう
かさかさの記号としか理解できない。今のわたしが
人間社会に戻されて、たとえ外見が元通りになっても、
もうまともな社会生活は送れない気がした。
信じられないほど空気が読めない女、とんでもなく厚顔な
偽善者―そんな社会不適格者になっているに違いない。
 それでも、たぎるような侵略者への憎しみ、そして
あの人への強い愛情、この感情だけは、まだ十分に
残っているのを感じた。レコーダの疑似体験でも、
強い思いほどなかなか消えなかった。
強い思いは心の中のあらゆる思考に浸透している。
だからこそレコーダによって、あちこちに潜む
感情の名残りを活性化させ、つきとめては消去する、
そんな作業が必要なのかもしれない。そう思った。


次ページ
最新レス表示
レスジャンプ
類似スレ一覧
スレッドの検索
話題のニュース
おまかせリスト
オプション
しおりを挟む
スレッドに書込
スレッドの一覧
暇つぶし2ch