おにゃのこが改造されるシーン 素体7人目at SFX
おにゃのこが改造されるシーン 素体7人目 - 暇つぶし2ch2:名無しより愛をこめて
07/05/19 23:20:11 NpYp9tHo0
本スレのお約束
・SSを投稿するときは、全部書き終えてから一気に投稿する。
・投稿するときは、名前欄は固定ハンドルネーム&トリップ付きで。
・SEX描写がメインのSSはエロパロ板で。
「おにゃのこ改造 BYアダルト7」
スレリンク(eroparo板)

《関連サイト》
みーんな、なかーま
URLリンク(nakaama.web.infoseek.co.jp)
舞方雅人の趣味の世界
URLリンク(masatomaikata.blog55.fc2.com)
沙弥香の脳内妄想
URLリンク(blog.livedoor.jp)
Kiss in the dark
URLリンク(blog.livedoor.jp)
蜂娘祭跡地
URLリンク(janubis.hp.infoseek.co.jp)
E=MC^2
URLリンク(rose.zero.ad.jp)

3:名無しより愛をこめて
07/05/20 00:08:32 N/9OXkokO
2げと

4:名無しより愛をこめて
07/05/20 01:29:48 rW5xgWM90
>1 乙

5:過去スレに投下されたSSのご紹介
07/05/20 02:17:46 LThBk1PT0
■□■「蜂女の館」で読めるもの(1,2スレ目に投下されたSS) ■□■

◆PRIME (319)氏
☆「母親改造」 怪人に改造された母親が我が子をかばって死亡し、ヒーローの怒りが爆発する。
 URLリンク(artofspirit.hp.infoseek.co.jp)
☆「悪の女科学者009」 悪の組織サイバーの邪悪な女科学者009こと石川怜は、作戦の失敗を償うため
 ヘビサソリ女に改造される。325氏「アイヴィーサイバー」とのコラボレート作品。
 URLリンク(artofspirit.hp.infoseek.co.jp)
☆「ローズジャマー」 不良女子高生・石川ひなのが悪の組織ジャマーによってバラの怪人に改造される。
 URLリンク(artofspirit.hp.infoseek.co.jp)

◆325氏
☆「アイヴィーサイバー」 悪の組織サイバーによって若い母親が改造され悲運の最期を遂げる。
 URLリンク(artofspirit.hp.infoseek.co.jp)
☆「マグナサイバー」 改造実験都市ディストピアから逃亡してきた女・香織はスパイサイボーグだった。
 URLリンク(artofspirit.hp.infoseek.co.jp)

◆SM氏
☆「香織ちゃん改造」 工学研究所に勤める女性・香織はグロンに拉致されゴキブリ女に改造される。
 URLリンク(artofspirit.hp.infoseek.co.jp)
☆「朱美ちゃん改造」 グロンのゴキブリ女を目撃した女子高生・朱美はハエ女に改造される。
 URLリンク(artofspirit.hp.infoseek.co.jp)
☆「真理ちゃん改造」 家出した小学生・真理はグロンの毒毛虫女に改造され、両親を襲う。
 URLリンク(artofspirit.hp.infoseek.co.jp)
☆「真佐子さん改造」 毒毛虫女に改造された真理の母親・真佐子もまた、女戦闘員に改造される。
 URLリンク(artofspirit.hp.infoseek.co.jp)

6:過去スレに投下されたSSのご紹介
07/05/20 02:19:01 LThBk1PT0
■□■「蜂女の館」で読めるもの(1,2スレ目に投下されたSS) ■□■

◆BeeF (508)氏
☆「改造淫魔 ハニービー計画」 女子高生・涼子は拉致されて改造ノズルを膣に挿入され、烈しい快楽の中で
 蜂女に生まれ変わる。涼子の姉・翔子と母・さゆりもまた、改造された涼子の手によって蜂女に改造される。
☆「悪魔のドール・ファクトリー」 双子の女子高生、紗耶と紗希が姉妹愛を利用されて蜂女に改造される。
☆「美しき復讐者」 悪の組織に騙された亜矢は自分を助けたヒーローと闘うために自ら蜂女に改造される。
☆「父がわたしに遺したもの」 マッドサイエンティストの父の願いに応えて、女子高生・栞は蜂女となる。
☆「蜃気楼の街」 悪の組織に封鎖された街を脱出しようとする少年の姉・美咲とGFの茜が蜂女に改造される。
☆「叫喚の弾倉」 美女を次々と蜂女に改造する謎の組織に挑んだ女刑事・由季も罠にかかり蜂女に変貌。
☆「The Survivor」 悪の組織に拉致され蜂女に改造された奈月は、組織が滅びたあと独りぼっちに。
☆「真・蜂女物語」 ショッカー蜂女の素性にまつわるSS。本郷猛の恋人・里沙は改造されライダーの敵に。
☆「復讐の針撃」 蜂女に改造され正義のヒーローに挑んで散っていった妹の仇を取るため、蜂女となる少女。
☆「人蟲の館」 謎の館に迷いこんだ8人の大学生が次々に、男は蟻人間、女は蜂女へと改造されてゆく。
☆「ハ・チ・カ・ヒ・フ -蜂化皮膚-」 3人の美少女アイドルが改造全身タイツを着せられて蜂女に変えられる。
☆「そして、扉が開く時」 転校生の謎の美少女に魅せられた美紗は、巧妙な罠にかけられて蜂女に改造される。
☆「出口、ナシ」 上記SSの続編。悪の組織の支配下にある未来の地球で抵抗活動をする少女・晶もまた・・・。
☆「ミッション:ディスポッシブル」 女性を拉致改造する組織のアジトに侵入した3人の工作員が次々と改造。
☆「蜘蛛身変容」 《仮面ライダーZO》のクモ女の改造を妄想したSS。小学校の女教師がドラスに捕まって・・・。
☆「紅の復讐者」 《スカイライダー》のサソランジン改造SS。捕らえられた女流登山家・美也とその後輩たちは・・・。

 URLリンク(artofspirit.hp.infoseek.co.jp)(←上記のSSはすべて、このページから飛べる)

7:過去スレに投下されたSSのご紹介
07/05/20 02:20:43 LThBk1PT0
■□■ 現在、読むことができなくなっているもの(3、4,5スレ目に投下されたSS) ■□■
(注:BeeF氏のうpろだからファイルが流れてしまっているため、現在は読むことができません。
   ただし過去スレのURLを表記しましたので、●持ちの人なら読むことができるはずです。)

◆SM氏
☆「瑞穂さん改造」 遺伝子研究者の瑞穂はグロンに洗脳されてムカデ女となり、女性を次々と改造してゆく。
 スレリンク(sfx板:154-170番)
☆「夏実ちゃん改造」 毒毛虫女に拉致された女子小学生の夏実はボウフラ女に改造される。
 スレリンク(sfx板:543番) (←この1レスは別人の書き込み)
 スレリンク(sfx板:544-546番)
 スレリンク(sfx板:550-551番)
 スレリンク(sfx板:562-564番)
 スレリンク(sfx板:566番)
 スレリンク(sfx板:568番)

◆5スレ目583氏
☆「夏実ちゃん改造」 SM氏のSSの続きを執筆。2体の幼女改造人間の暗躍と、ヒーローの登場。
 スレリンク(sfx板:583番)
 スレリンク(sfx板:590-591番)
 スレリンク(sfx板:593-594番)
 スレリンク(sfx板:611番)
 スレリンク(sfx板:643-644番)

◆bWq6CgvhhE 氏
☆「The Cat」 物質転送装置の実験で黒猫と融合されたTVリポーターの卯月美夜子は徐々に猫女に変貌してゆく。
 スレリンク(sfx板:209-227番)

8:過去スレに投下されたSSのご紹介
07/05/20 02:21:44 LThBk1PT0
■□■ 現在、読むことができなくなっているもの(3、4,5スレ目に投下されたSS) ■□■
(注:BeeF氏のうpろだからファイルが流れてしまっているため、現在は読むことができません。
   ただし過去スレのURLを表記しましたので、●持ちの人なら読むことができるはずです。)

◆九条蘭子 (3スレ目407)氏
☆「チツゲルゲ1」 電信電気会社のOL浅川蘭子はドルゲにレイプされ、悪のエージェント・チツゲルゲとなる。
 スレリンク(sfx板:426-442番)
☆「チツゲルゲ2」 チツゲルゲに生まれ変わった蘭子は交わった男たちを次々とアントマンに変えてゆく。
 スレリンク(sfx板:446-449番)
 スレリンク(sfx板:452番)
 スレリンク(sfx板:483-489番)
☆「ショッカー復活!?蘇る怪人が貴女を狙う!」 年老いた毒蝶女ギリーラの新しい肉体として選ばれ拉致
 された美少女・磯田さやかは、肉体融合装置の故障により新たなギリーラとして生まれ変わる。
 スレリンク(sfx板:581-603番)

◆姫宮翼氏
☆「蟻女」 保育園の保母・高峰志穂はグロンによって女王蟻女に改造される。
 スレリンク(sfx板:765-768番)
☆「白蟻女」 女王蟻女に改造された志穂の妹・真菜は、姉が分泌する蜜を飲んで白蟻女に生まれ変わる。
 スレリンク(sfx板:859-863番)

◆3スレ目878氏
☆「変化、そして覚醒」 いじめられっ娘の水口なぎさは悪の組織BIOに改造され、クラスメートたちの前で
 L3ソルジャー・レディーピラニーアに変身。彼らを次々と惨殺し、また下僕のL1ソルジャーに改造してゆく。
 スレリンク(sfx板:879-883番)
 スレリンク(sfx板:887-893番)
☆「My brand new sisters」 レディーピラニーアとなったなぎさは義妹・ほたるを改造し、なぎさを迫害し
 続けてきた養父母に復讐を遂げる。
 スレリンク(sfx板:913-924番)

9:過去スレに投下されたSSのご紹介
07/05/20 02:22:34 LThBk1PT0
■□■ 現在、読むことができなくなっているもの(3、4,5スレ目に投下されたSS) ■□■
(注:BeeF氏のうpろだからファイルが流れてしまっているため、現在は読むことができません。
   ただし過去スレのURLを表記しましたので、●持ちの人なら読むことができるはずです。)

◆ショッカー代理人氏
☆「ドクダリアン改造」 ショッカーに拉致された少女は死神博士の手によってドクダリアンに生まれ変わる。
 スレリンク(sfx板:978-983番)
☆「クラゲダール改造」 シンクロ選手の女子大生・希望と美夏はショッカーに拉致されクラゲダールとなる。
 スレリンク(sfx板:10-16番)
☆「サラセニアナ」 ショッカーのサラセニアンに拉致された宮下雪江は食虫植物の改造人間にされてしまう。
 スレリンク(sfx板:46-56番)

◆302氏
☆「蠍女」 女子大生・長谷川沙希はショッカーの蠍女に改造され、日常生活を送りながらその使命を果たす。
 スレリンク(sfx板:302-308番)
 スレリンク(sfx板:312-315番)
 スレリンク(sfx板:323-328番)
 スレリンク(sfx板:350-352番)
 スレリンク(sfx板:384-385番)

◆334氏
☆「チョウダブラー」 宇宙犯罪組織マクーが2001年の未来から拉致したグラビアアイドル・熊田曜子が、
 水島コーチ(ゴシキダブラー)によってダブルガールに改造され、若い娘たちを洗脳してゆく。
 スレリンク(sfx板:334-335番)
 スレリンク(sfx板:339-341番)
 スレリンク(sfx板:343-346番)
 スレリンク(sfx板:348番)
 スレリンク(sfx板:358番)
 スレリンク(sfx板:360-361番)

10:過去スレに投下されたSSのご紹介
07/05/20 02:23:27 LThBk1PT0
■□■ 現在、読むことができなくなっているもの(3、4,5スレ目に投下されたSS) ■□■
(注:BeeF氏のうpろだからファイルが流れてしまっているため、現在は読むことができません。
   ただし過去スレのURLを表記しましたので、●持ちの人なら読むことができるはずです。)

◆ブーツ人間氏
☆「グロン地獄軍団サソコウモリ編 ACT.1《メタモルフォーゼ》」
 女子大生・神谷メグミはグロンのサソコウモリに襲われてサソリ人間に変貌し、レイプ魔たちを襲う。
 スレリンク(sfx板:452-457番)
 スレリンク(sfx板:459-463番)
 スレリンク(sfx板:465-474番)
 スレリンク(sfx板:478番)
 スレリンク(sfx板:480-481番)
 スレリンク(sfx板:483-487番)
 スレリンク(sfx板:489-486番)
☆「グロン地獄軍団サソコウモリ編 ACT.2《増殖》」
 サソリ人間となったメグミはルームメイトのミチルを襲い、自分と同じサソリ人間に変えてしまう。
 スレリンク(sfx板:515-519番)
 スレリンク(sfx板:523-527番)
 スレリンク(sfx板:531-537番)

◆The oneway ticket氏
☆「The oneway ticket 改造編」 悪の組織に改造された初恋の少年に憧れる余り自ら改造手術を志願した
 女子高生・松田薫は、実験用改造人間として永遠に改造され続ける。
 スレリンク(sfx板:475-477番)
☆「The oneway ticket」 実験用改造人間として2年間改造され続け、ハイパーサイボーグとしての能力を
 身につけた薫は、元同級生の吉岡夏美を自分の代わりの実験用改造人間の素体として拉致する。
 スレリンク(sfx板:499-502番)

11:過去スレに投下されたSSのご紹介
07/05/20 02:24:39 LThBk1PT0
■□■ 現在、読むことができなくなっているもの(3、4,5スレ目に投下されたSS) ■□■
(注:BeeF氏のうpろだからファイルが流れてしまっているため、現在は読むことができません。
   ただし過去スレのURLを表記しましたので、●持ちの人なら読むことができるはずです。)

◆5スレ目367氏
☆「未来から来た美乳、妖しく揺らめく水中花」「ピンクの水着」  轟轟戦隊ボウケンジャー関連SS。未完。
 スレリンク(sfx板:696番)
 スレリンク(sfx板:699-700番)
 スレリンク(sfx板:706番)
 スレリンク(sfx板:708番)
 スレリンク(sfx板:749番)

◆名無しIN東京ドーム氏
☆「蜂女&蝉女」 性交と溶解性の尿によって悪人を殺害する2体の幼女改造人間、秋山真魚と鏑木沙羅。
 スレリンク(sfx板:763番)
 スレリンク(sfx板:812番)
 スレリンク(sfx板:818番)
 スレリンク(sfx板:821-823番)
 スレリンク(sfx板:835番)
 スレリンク(sfx板:838番)
 スレリンク(sfx板:844番)
 スレリンク(sfx板:848番)
 スレリンク(sfx板:851番)
 スレリンク(sfx板:853番)
 スレリンク(sfx板:856番)
 スレリンク(sfx板:860番)
 スレリンク(sfx板:864番) (←本人の作品?)
 スレリンク(sfx板:865番) (←本人の作品?)

12:過去スレに投下されたSSのご紹介
07/05/20 02:25:19 LThBk1PT0
■□■ 現在、読むことができなくなっているもの(3、4,5スレ目に投下されたSS) ■□■
(注:BeeF氏のうpろだからファイルが流れてしまっているため、現在は読むことができません。
   ただし過去スレのURLを表記しましたので、●持ちの人なら読むことができるはずです。)

◆舞方雅人 (あるSS書き)氏
☆「蜘蛛女改造」 美しい人妻・桜居仁美は、彼女に横恋慕し、ショッカーの蜘蛛男に改造された猪坂広志の
 パートナーとして蜘蛛女に改造され、家族を襲う。
 スレリンク(sfx板:773-788番)
【なおこのSSには沙弥香氏によって加筆修正された18禁バージョンが存在する】
 URLリンク(blog.livedoor.jp)

◆886氏
☆「蜘蛛怪人」 女子小学生の篠田奏はイレギュラーに拉致されて蜘蛛怪人に改造され、仮面ライダーと闘う。
 スレリンク(sfx板:886-889番)
 スレリンク(sfx板:894-896番)

13:過去スレに投下されたSSのご紹介
07/05/20 02:28:24 LThBk1PT0
■□■「おにゃのこ改造@ウィキ」で読めるもの(6スレ目に投下されたSS) ■□■

◆名無しIN東京ドーム氏
URLリンク(www30.atwiki.jp)
☆「神崎晴美改造」 保険金目当ての殺人を犯した神崎晴美は「シャドー」によって蜂女に改造される。
 スレリンク(sfx板:72番)
 スレリンク(sfx板:133番)

◆PRIME氏
URLリンク(www30.atwiki.jp)
☆「軍神、忠義の遺産」  ジャシンカ帝国の帝位を狙う女将軍ゼノビアがカー将軍の遺産によってゼノビアシンカに。
 スレリンク(sfx板:195-199番)
 スレリンク(sfx板:210-217番)

◆6スレ目304氏
URLリンク(www30.atwiki.jp)
☆「赤い靴』  町にやってきた赤い靴の女が頭痛に襲われるたびに、町で赤い靴をはいた女性の殺人事件が起こる。
 スレリンク(sfx板:304-306番)
 スレリンク(sfx板:309-311番)

◆The oneway ticket氏
URLリンク(www30.atwiki.jp)
☆「The oneway ticket 第3章』  拉致されて実験用改造人間にされた松田薫と吉岡夏美の二人が素体として
 推薦した白鳥晶子は、復讐のために自ら戦闘用サイボーグになる恐怖の手術を受ける。そして松田薫もまた。
 スレリンク(sfx板:251-260番)
 スレリンク(sfx板:267-275番)
 スレリンク(sfx板:279-287番)
☆「intermezzo』  戦闘用サイボーグへの改造を施されている松田薫に宛てた、吉岡夏美の手記。
 スレリンク(sfx板:295-299番)
☆「吉岡夏美の受難』  女体改造オタクの執刀医に身体をもてあそばれる、吉岡夏美の最悪の一日。
 スレリンク(sfx板:338-347番)

14:過去スレに投下されたSSのご紹介
07/05/20 02:29:05 LThBk1PT0
■□■「おにゃのこ改造@ウィキ」で読めるもの(6スレ目に投下されたSS) ■□■

◆ショッカー代理人氏
URLリンク(www30.atwiki.jp)
☆「キノコモルグ』  毒性植物研究家の素襖実咲は誤ってショッカーの毒キノコエキスの中に落ち、キノコモルグに。
 スレリンク(sfx板:405-410番)

◆殺戮王=雷電玉三郎氏
URLリンク(www30.atwiki.jp)
☆「イルデ・ミッテンマイヤー改造』  ハンブルグの亡霊城で新体操界の天才少女がシヨッカーに改造される。
 スレリンク(sfx板:431番)
 スレリンク(sfx板:469番)

◆ちゃんぷるう氏
URLリンク(www30.atwiki.jp)
☆「バラランガ』  森の奥の洋館に幽閉された車椅子の孤独な少女・黒森愛華は、復讐のためにバラランガとなる。
 スレリンク(sfx板:447-463番)
☆「女王蟻女』  ショッカーに拉致された女子大生・有澤琉歌は、アラビア錬金術の遺産によって女王蟻女に改造。
 スレリンク(sfx板:598-629番)
☆「クラゲ女』  競泳用水着のままショッカーに拉致されたボーイッシュな少女・鮎川麻耶はクラゲ女に改造される。
 スレリンク(sfx板:670-736番)

◆SMの友人氏
URLリンク(www30.atwiki.jp)
☆「サソリヒメ』  グロンに改造された小学生怪人・毒毛虫女と、査察官サソリヒメの初めての出会い。
 スレリンク(sfx板:492-502番)

15:名無しより愛をこめて
07/05/20 08:48:50 ejnlBySX0
>>1さん、スレたて乙だね
ごほうびにあたしを抱っこしてもいいよ
毒針が刺さると身体が溶けちゃうけど
\   _ _   /
     ) )
   (ノハヽヽ
   (゜ー゜*)从
  ⊂ _⊂:)ミ
  彡(__:)ミ
  彡(__:)ミ
    U U

16:ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU
07/05/20 17:50:30 Cyqqij8/0
皆さんこんにちはです。
ショッカー代理人です。
このたび新作がようやく出来上がりました。

そこで皆さんにお聞きしたいのですが、一気に投下がよろしいのでしょうか?
それとも二回ぐらいに分けて日付をまたいだ方がよろしいのでしょうか?
ご意見をお聞かせ下さいませ。

17:名無しより愛をこめて
07/05/20 17:51:48 ap/GBlfd0
いっき!いっき!

18:名無しより愛をこめて
07/05/20 18:39:17 T+MDtIGk0
>>16
>>2
> 本スレのお約束
> ・SSを投稿するときは、全部書き終えてから一気に投稿する。

19:ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU
07/05/20 20:39:14 Cyqqij8/0
>>18
うわ、大変失礼いたしました。m(__)m
それでは一気に投下しますね。

20:ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU
07/05/20 20:40:37 Cyqqij8/0
「グギャァァァァ」
突然頭を抱えて苦しみ始める異形の怪物。
茶色と紫の混じった節だらけの体。
両肩や両脇に生える幾つもの歩肢。
ガッと口を開いた異形の顔からは触覚と牙が生えている。
まさにムカデが巨大化し、人間のような手足を備えたと言っていいような怪物。
それが今頭を抱えてもがき苦しんでいる。

「ウアァァァァ」
「キャァァァァ」
その異形な怪物の周りには、一様に黒い全身タイツや黒いレオタードを纏った少年少女がおり、彼らもまた頭を抱えて苦しんでいた。
「あぐうぅぅぅ」
「げぇぇぇ」
次々と倒れて行く少年少女たち。
口からは泡を吹き、白目を剥いている。
生命活動が停止してしまったのは身動きをしなくなってしまったことからも明らかだ。


21:ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU
07/05/20 20:41:21 Cyqqij8/0
「こ、これはどういうことだ?」
眼帯に覆われていない方の目を見開き、ムチを持った軍服姿の男が傍らにいた白衣に白いマスクを被った男を問い詰める。
白いマスクの額にはワシが地球をがっちりと掴み取っているマークがついており、彼が秘密結社“ショッカー”の一員であることを示していた。
「わ、わかりません。催眠音波と洗脳波を組み合わせた発信機は問題ないはず」
必死に首を振って自分のせいではないことを訴える白マスクの男。
「では、なぜこんなことになっているのだ!」
軍服をスマートに着こなした男、ゾル大佐のムチが白マスクの男をしたたかに打ちつける。
「お、お許しを、ゾル大佐」
その言葉が終わるか終わらぬかのうちに、異形の怪物と少年少女たちを映し出していたモニターに光が走り、爆発音とともに映像が切れた。
「ムカデラスが爆発しました」
全身を黒い全身タイツに包み、額にショッカーマークの入った黒いマスクを被った男、ショッカーの戦闘員がコンソールから顔を上げ報告する。
「何! ヌウ・・・実験は失敗だ!」
ゾル大佐が忌々しげに歯噛みする。
彼は中近東で華々しい成果を挙げ、ショッカーの首領より日本支部のてこ入れのために派遣されてきたのだ。
だが、彼の自負とかみ合わない最近の日本支部の成果が彼をいらつかせる。
一端は無論裏切り者仮面ライダーの存在であろう。
しかし、それと同様に日本支部構成員の不甲斐無さも感じている。
早々に何とかしなくてはならないだろう。

『ゾル大佐よ』
壁の高い位置に掲げられたショッカーのワシのマークの中心にグリーンのランプが輝き、重厚な声がアジト内に流れてくる。
「は、ははぁ」
雷に打たれたかのように背筋を伸ばし、ゾル大佐はレリーフに向かって一礼した。
『無様だぞ。早々に原因を究明して作戦を進めるのだ!』
「ハハッ」
頬にたれる一筋の汗を感じながら、ゾル大佐は頭を下げるしかなかった。


22:ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU
07/05/20 20:42:48 Cyqqij8/0
******

「それで原因はわかったのか?」
数人の白衣に白マスクの男たちを前に、ゾル大佐は腕組みをして立っていた。
その手に持つムチが小刻みに震えている。
すでに彼はこの連中が原因を突き止めていないことはわかりきっていた。
立て続けに三体のムカデラスが同じように洗脳波発信時の不具合で死んでいたのだ。
それなりに素体選びには時間を掛け、肉体的には優秀なものを選んだにもかかわらずである。
「申し訳ございません。もう少し時間を・・・」
うなだれて肩を震わせながら一縷の望みにすがる男たち。
「わからんというのか!」
ゾル大佐の一喝に男たちは震え上がる。
ショッカーに無能な男、役に立たない人間は不要なのだ。
処分という二文字が彼らの脳裏をよぎる。
「お、お許しを・・・もう少し時間をいただければ必ず原因は・・・」
「時間は充分にやったではないか!」
ゾル大佐がムチを振るう。
彼としてはこの三人の無能者どもを処分することは一向に構わないのだが、かといって三人を始末してしまうとせっかくここまで進めた“ムカデラス怪人教室”計画が一からやり直しになってしまう。
どうしたものか・・・
ゾル大佐も思案に暮れた。


23:ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU
07/05/20 20:43:55 Cyqqij8/0
「ゾル大佐」
低くしわがれた声が彼の名を呼んだ。
「む? 何者!」
ゾル大佐はアジトの入り口に現れた人影に身構える。
そこにはいつの間に入ってきたのか、高い襟の着いたマントを羽織った背の高い老人がいたのだ。
「ククク・・・久し振りだな」
「タワノビッチ・・・」
ゾル大佐は現れた老人をそう呼んだ。
この老人こそナチスの技術を用いて人間を改造することに長けた人物であり、一般的には死神博士というあだ名のほうが通りがよい。
「貴様がなぜここに?」
不快感もあらわにゾル大佐はムチを握り締める。
「私の意志ではない。首領のご命令なのだ」
かつかつと足音を響かせてイワン・タワノビッチこと死神博士がゾル大佐のそばに来る。
浮かべた笑みがより一層不気味さを際立たせていた。
「首領がだと?」
『そうだ。わしが呼んだのだ』
ウインウインと明滅するランプ。
重厚な声が周囲を圧する。
『ゾル大佐よ。今のままではムカデラス怪人教室作戦は行なえない。よって作戦のためにも死神博士と協力して問題点を修整するのだ』
「は、はあ・・・」
ゾル大佐は面白くない。
しかし、首領の命令とあれば従わざるを得ない。
これというのも・・・
問題点改良の暁には三人の処分を心に決めるゾル大佐。


24:ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU
07/05/20 20:45:32 Cyqqij8/0
「それで、どこが問題だというのだ」
「ククク・・・どうやら君の部下は人間をただ改造すればいいと思っているようだ」
ワイングラスとワインを用意させ、一応の歓迎の挨拶を交わした後、ゾル大佐の放った質問に死神博士はそう答えた。
「どういうことだ?」
「適性を欠いた人間を改造しても結果はついてこない。そういうことだ」
ワイングラスを傾け、中の液体をのどに流し込む死神博士。
「適性?」
「その通り。子供をコントロールしようとする改造人間が子供を知らぬ者を改造したのでは上手く行かぬのが当たり前」
「むう・・・」
なるほど一理ある。
今までのムカデラスに改造した連中は協力な肉体をもってはいたが、独身の男性ばかりで子供に対する扱い方を知らないのは当然だろう。
「だが、では誰を改造するのだ? 肉体の盛りを過ぎた既婚男性か」
「既婚である必要はない。子供というものをよく知る者であればいいのだ。それに、こういった任務には肉体的強靭さよりも精神的強靭さを持つ女性の方が向いている」
死神博士がにやりと笑う。
どうやらすでに改造する素体の目星はつけてあるらしい。
面白くもないことだが、ここは任せるのがよいだろう。
何かあっても責任を取るのは死神博士となるのだから。
ゾル大佐はそう結論付け、自分もワイングラスを傾けた。

******



25:ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU
07/05/20 20:46:47 Cyqqij8/0
「先生さよーならー」
元気に手を振って校門を出て行く少年少女たち。
一日が無事に終わった喜びを感じるとともに、また明日の子供たちの笑顔を見る楽しみを思いやる。
もっとも、これからの放課後がまた結構仕事があって大変なのだが、そんな憂鬱も子供たちのにこやかな顔を見れば吹き飛んでしまうのだ。
「気を付けて帰るのよ」
多少大げさに大きく手を振って子供たちを送り出す。
その方が子供たちも彼女が自分たちのことをしっかり見てくれていると思うに違いない。
「やれやれ、今日も無事に帰ってくれたか。一段落ですな」
肩の荷を下ろしたと言わんばかりに、自分の肩を揉みほぐす初老の男性教師。
彼にとっては騒がしい子供たちがいなくなったので多少ホッとしているのかもしれない。
「緒川先生、子供たちがまだ見ていますよ。肩をほぐすのは職員室に戻ってからにしてください」
彼女にそう言われた男性教師は、肩をすくめると無言で玄関を後にする。
年とともに初期の情熱を失ったのだろうが、やはり教師としては子供たちに疲れた顔やいやな顔は見せて欲しくない。
彼女はそれだけはしないように自分を戒め、子供たちときちんと向き合う教師でありたいと常に思っていた。
「匂坂(さきさか)先生、そろそろ職員室へ戻りませんか?」
「先に戻っていてください。私はもう少し生徒を見送りますわ」
彼女は振り向きもせずにそう言うと、校門を出て行く子供たちを目で追って、大きく手を振っていた。


26:ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU
07/05/20 20:47:33 Cyqqij8/0
モニターに映し出される一人の女性。
まだ若い。
髪を短く刈り揃えて化粧も薄くしかされてはいないが、やはりその若さは彼女をみずみずしく見せている。
「匂坂礼子。年齢24歳。独身。教師歴2年だが、子供の心を掴むことにかけては天性のものを持っている」
「この女をか? どうもみたところパッとしないようだが」
モニターに映し出される礼子の姿に胡散臭そうなまなざしを向けるゾル大佐。
「まあ、そう言うな。これを見ればわかる」
死神博士が手渡した資料にゾル大佐は目を通す。
その表情がすぐに変わった。
「これは本当か?」
「うむ、私も驚いた。まさかこれほど適性が高いとはな」
死神博士がにやりと笑う。
「確かにこれならば改造人間としても問題あるまい・・・いるものなのだな、自分の能力を眠らせたままの人間というものは」
「うむ。手配はすでに終えた。手術の準備も整っている。後はこの女を拉致するだけだ」
ゾル大佐はうなずいた。
拉致ぐらいはやって見せねばな。
彼は指を鳴らして、拉致作戦の開始を告げた。


27:ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU
07/05/20 20:48:19 Cyqqij8/0
「今日も遅くなっちゃったな」
校門を出て近くの駅に向かう匂坂礼子。
小学校教師は何かと雑用も多い。
帰りが遅くなるのも日常茶飯事のことだ。
電車通勤である彼女にとって、あまり遅くなるのは好ましいことではない。
最近は少しお金を節約して安い中古車でも買おうかと考えている礼子だった。

住宅街の人通りの少ない道。
駅前に出ればそれなりにはにぎやかなのだが、このあたりは夜ともなると人気がない。
何となく薄気味悪さを感じ、少し足を速める。
いつもはそうではなかったのだが、今日は何となくそう感じたのだった。
「匂坂礼子だな」
前方の暗がりから声をかけられたとき、礼子の心臓は飛び上がった。
その声が全身を真っ黒な全身タイツで覆った男のものであるということに気が付いた時、今度は別の恐怖が礼子の全身を包み込む。
礼子は無言で立ち止まった。
冷や汗が流れる。
何かされるかもしれないという恐怖が、彼女の口を閉ざしていた。
叫び声をあげれば、その瞬間に殺されてしまうようなそんな気がしたのだ。
礼子は一歩二歩あとずさる。
だが、背後にも気配を感じた時、礼子は逃げ場を失ったことを知った。
「一緒に来てもらおう」
「い、いやぁ・・・むぐっ」
初めて叫び声をあげたときには遅かった。
礼子の口はすぐにふさがれ、続いて腹部に受けた衝撃のため、礼子の意識は闇に飲まれていったのだった。

******



28:ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU
07/05/20 20:49:05 Cyqqij8/0
礼子が目覚めたのは肌寒さからだった。
ひんやりとした空気が彼女の肌を撫でて行く。
その冷たさに彼女は気が付いたのだった。
「えっ?」
目を開けた礼子は、すぐに起き上がろうとした。
だが、まったく体を動かせないことに気がつく。
どうやら首と両手両足首が固定されてしまっているらしい。
かろうじて左右に動かせた頭で見える視界から、彼女は自分があろうことか裸で何か円形のベッドのようなものに載せられていることを理解した。
「ど、どういうこと? だ、誰か~! 助けて~!」
必死に叫ぶ礼子。
しかし、周囲で明滅する機械類以外に彼女に答えるものはない。
「誰か~! 誰もいないの~?」
ガチャガチャと両手両足首の戒めを解こうと動かしてみるが、もとより彼女の力ごときでどうにかなるものではなかった。


29:ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU
07/05/20 20:50:29 Cyqqij8/0
「目が、覚めたようだな」
突然声がしたことに礼子は驚いた。
薄暗がりで気が付かなかっただけなのか、それともいつの間にか部屋に入ってきていたのだろうか。
すらっとした長身の初老の男が礼子のそばにやってくる。
襟の高いマントを纏い、白のスーツを着こなしている。
見た目には素敵なおじ様といった感じだが、その表情は不気味さを浮かべており、礼子は背筋に冷たいものを感じた。
「あなたは誰? ここはどこなの?」
「私は死神博士と呼ばれておる。そしてここは全世界を支配するショッカーのアジトだ」
そう自己紹介した男性が不気味に笑う。
「ショッカー?」
聞いた事のない組織だ。
今の日本にそんな組織があるというのだろうか?
「これよりお前はこの死神博士の手によって改造手術を受けるのだ。そして、わがショッカーの世界征服の尖兵として生まれ変わることになる」
礼子の視界ににもう一人の男が入ってくる。
いかつい軍服姿の片目の男だ。
口ひげを生やして鋭い目をしている。
まさに百戦錬磨の軍人というのは彼のような男なのかもしれない。


30:ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU
07/05/20 20:51:20 Cyqqij8/0
「改造手術? 尖兵?」
いったい何のことなのか礼子にはさっぱりわからない。
軍人にでもさせられるのか?
それよりも今の礼子には切実な問題があった。
彼女が裸であるということ。
胸も性器も丸見えだということだ。
男たちが好色そうな表情を浮かべていないのがせめてもの救いだったが、それでも恥ずかしいのは変わりがない。
「あの・・・どうか上にかけるものを・・・」
礼子はやむを得ずそう言ってみる。
おそらく彼女を捕らえた彼らが彼女を裸にしたのだろうが、今の彼女には選択の余地がないのだ。
「必要ない。五分後にお前に対する改造手術を開始する」
「そ、そんな・・・」
「先ほどお前には改造手術に耐えられるように予備注射を打っておいた。そろそろ効果がでているはずだ」
死神博士がにやっと笑う。
そう言われると、何となく礼子は体が火照るような感じを感じていた。
「始めろ」
ゾル大佐のムチが振り下ろされ、白衣を着た白マスクの男たちが機器に取り付いて操作を始める。
さまざまな色の光線が礼子の体に照射され始め、手術が始まった。


31:ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU
07/05/20 20:52:08 Cyqqij8/0
ショッカーの改造手術は基本的には遺伝子変化による動植物との融合と各種薬剤による組織や骨格の強化、それに付随しての機械埋め込みというものである。
つまり、あくまでも生命体としての融合強化が主であり、機械埋め込みはあくまでも補助強化に過ぎないのだ。
一般的に言う機械埋め込みのサイボーグとはここが違うと言っていいだろう。
礼子は遺伝子を変化融合させるための予備注射を受け、体中の細胞が新たなる遺伝子の取り込みを行なえるようになっている。
そこに変異を人為的に進行させるために浴びせかけられる複数の光線の照射。
これによって遺伝子はまったく別のものとなることが可能になるのだ。
「あああ・・・」
体中を走るむずがゆいような心地よさ。
細胞が新しい生命となるために全力で活動を開始する。
それがある種の快感となって礼子の体を駆け巡るのだ。
「ククク・・・」
死神博士が含み笑いを漏らしながら、特殊ケースに入れられたオオムカデを持ってくる。
いつものことだが、この改造手術を行なう時が彼にとっては一番楽しい時なのだ。
「これは、ある原子力発電所が事故を起こした場所で手に入れたオオムカデだ。見たまえ、美しいだろう?」
礼子はぞっとした。
ゲジゲジもムカデも、とにかく足が多いものと足の無いものは大嫌いなのだ。
「いやぁっ!」
「これをお前に移植するのだ。楽しみだろう」
クククと笑いながら、死神博士は特殊ケースにチューブをつなぐ。
液体がケースに流れ始め、オオムカデはその液体に浸される。
するとすぐにオオムカデは苦しみ始め、やがてどろどろに溶けて液体に混じり合っていった。

32:ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU
07/05/20 20:52:54 Cyqqij8/0
「うっ」
礼子の顔が苦痛に歪む。
右腕にチューブが突き立てられたのだ。
「い、いやぁっ」
チューブを流れてくる液体。
それはあのオオムカデを溶かした液体が入っているケースからつながれていた。
毒々しい緑色をした液体は、礼子の恐怖をよそに流れ込んでくる。
右腕に軽い痺れを感じそれが徐々に広がって行く。
「いやぁ~~!」
礼子は悲鳴を上げる。
この恐怖の表情こそ死神博士が好むものであることをゾル大佐は知っていた。
であるからこそ、予備注射の効果がでるまで待たざるを得ないとはいえ、わざわざ礼子が意識を回復するのを待ったのだ。
「ふん・・・」
面白くも無さそうに鼻を鳴らすゾル大佐。
改造さえすめばいいのだ。
ゾル大佐は黙って死神博士の後ろ姿を見つめていた。


33:ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU
07/05/20 20:53:40 Cyqqij8/0
「あああ・・・」
礼子の体に変化が訪れる。
体中が心地よい火照りに包まれ、じわじわと快楽が高まってくるのだ。
まるで体中を優しく愛撫されているような感じが包み、気持ちがよい。
「な、何で・・・」
「ククク・・・気持ちいいだろう。お前の体は今新たなる生命体への変化を行なっているのだ」
死神博士の言うとおりだった。
礼子の体は徐々に茶褐色を帯び始め、硬い外骨格へと皮膚が変化して行っている。
「あああ・・・うそ・・・うそでしょ・・・」
気持ちよくて体に力が入らない。
まるで宙に浮いているような心地よさだ。
礼子はただただこの快楽に包まれていたかった。
何も考えずに水の中にたゆたう感じ。
それは彼女を再び子宮の中に呼び戻しているのだった。


34:ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU
07/05/20 20:54:26 Cyqqij8/0
礼子の体はやがて劇的に変化を始めた。
体表が硬くなり、体節が形作られ、体の両脇に歩肢がにょきにょきと生えて行く。
虚ろな目をした礼子はもはや何も考えられず、黙って体の変化を受け入れて行くしかない。
やがて首から下は完全にムカデと人間が融合したような姿と化した。
茶褐色の体表は硬い外骨格に覆われ、幾つもの節が作られた。
肩から両脇、そして太ももに至るまでの体の横側には、小さなムカデの歩肢がいくつも生えてワサワサと動いている。
両手の先は鉤型の爪が生え、鋭い武器になっている。
両脚はつま先から指が消え、踵は少しとがって伸びてハイヒール状に変化する。
礼子の頭部にも変化が起こる。
額にはくの字型の触角が生え、肩まであったつややかな髪は一つにまとまって背中に伸び、そこで節々が形作られてムカデの体のようになる。
つまり、礼子の頭からはもう一匹のムカデが背中にへばりついたように見えるのだ。
だが、それなりに美しかった礼子の顔はほとんど変化が無かった。
切れ長の目も整った鼻も笑みを浮かべると美しい口元も、ほとんど以前と変わりない。
これは彼女の体がムカデと融合したにもかかわらず、そのシルエット的には女性のラインを維持しており、腰のくびれも胸の膨らみも柔らかい女性のままだったことと合わせて、彼女を異形でありながらも美しく見せていた。


35:ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU
07/05/20 20:55:12 Cyqqij8/0
「よし、遺伝子変化と融合は上出来だ。これより補助器官の埋め込みを始める」
死神博士が重々しく宣言し、助手たちに補助心臓や洗脳波発生器などの機械部品を用意させる。
ムカデの改造人間となった礼子の腕からチューブを抜き、代わりに麻酔を注射して礼子の痛覚を遮断する。
死神博士の手にしたメスが光り、ムカデと融合してしまった礼子の腹部を切り裂いた。
毒々しい緑色になった礼子の血が流れ落ちる。
それをものともせずに手早く機械を埋め込んで行く死神博士。
その手腕はやはり神業だ。
わずか数分で補助器官は全て礼子に埋め込まれ、メスで切り裂いた箇所も接着されて細胞同士を結合させる。
傷跡もまったく残らず、手術をしたことすらわからないだろう。
「肉体は終了だ。これより脳改造に取り掛かる」
汗を拭いメスを置く死神博士。
円形の手術台に横たわった礼子はショッカーによってムカデと人間の改造人間になってしまったのだった。


36:ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU
07/05/20 20:56:24 Cyqqij8/0
ショッカーの脳改造は洗脳と機械的コントロールチップ埋め込みの混合である。
死神博士は白マスクの男に命じ、埋め込み用のチップを持ってこさせ、その間にリング状の装置をムカデ女となった礼子の頭部に取り付ける。
ぼんやりと虚ろに宙を見ていた礼子は、まったく反応することなくなすがままになっていた。
やがて手渡されたチップを死神博士は礼子の頭部に埋め込むと、洗脳装置のスイッチを入れる。
「んあ・・・」
ピクッと体を震わせる礼子。
その脳裏にショッカーの思考が刷り込まれていく。
「あ・・・ああ・・・」
礼子の意識が書き換えられていく。
人間匂坂礼子ではなく、ショッカーの改造人間としての思考に書き換えられるのだ。
一時的な脳の処理能力の過負荷により、礼子は意識を失ってしまう。
それでも構わずに思考の書き換えは進められ、やがて全てが終了した。


37:ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU
07/05/20 20:57:16 Cyqqij8/0
ゆっくりと目覚めるムカデの改造人間。
オリジナルのシルエットをそのままとどめた女性らしい改造人間だ。
茶褐色の体節に覆われたとはいえ、胸の膨らみもお尻の丸さも柔らかいラインをとどめている。
「アフアフアフー」
ムカデの改造人間は一声うなると手術台上で上半身を起こし、しばらく自分の腕や体を眺めていたが、やがてゆっくりと手術台から下りて立ち上がった。
「目覚めたようだなムカデラスよ。いや、お前は女だからムカデリアと言ったところか」
死神博士が不気味な笑みを浮かべ、新たなる自己の芸術品の前に立つ。
「アフアフー・・・ムカ・・・デリア・・・それが私の名前?」
目の前にいる男たちに確認するようにつぶやく礼子、いやムカデリア。
「そうだ。お前はわがショッカーの改造人間ムカデリアなのだ」
ゾル大佐も満足そうにうなずいた。
なるほど死神博士の腕前は一級品だ。
これほど美しい改造人間も例を見ないだろう。
「アフアフー・・・私はムカデリア・・・うふふ・・・私はムカデリア・・・」
ムカデリアの顔に妖しい笑みが浮かぶ。
「ムカデリアよ。ショッカーに忠誠を誓え。そしてムカデリア怪人教室を開くのだ」
「アフアフアフー・・・はい、ゾル大佐。私はショッカーの改造人間ムカデリア。これよりは私の全てをショッカーに捧げ、ショッカーに尽くすことを誓います」
ムカデリアは恭しくワシのレリーフに向かって一礼する。
『うむ、ムカデリアよ、作戦に取り掛かるがよい』
「アフアフー、かしこまりました。ムカデリア怪人教室をこれより開催いたします。うふふふ・・・」
ムカデリアの浮かべた笑みは、かつての慈愛に満ちた女性教師のものとはまったく違うものだった。

******


38:ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU
07/05/20 20:58:04 Cyqqij8/0
「さようならー」
「またねー」
「また明日ー」
それぞれの自宅に向かって歩き始める少女たち。
その中の一人天城美奈子も自宅への帰途に着く。
学校が終わった開放感に包まれるとともに、友人と別れる一抹の寂しさも感じてしまう放課後。
でも、そんな思いはすぐに消え去り、おやつと母親の待つ自宅への道に思わずスキップしてしまう。
今日のおやつは何かなぁ・・・
昨日はドーナツだった。
今日はプリンがいいなぁ・・・
そんなことを考えながら歩いていると、自然と足取りも軽くなったのだ。
そういえば今日も匂坂先生はお休みだった・・・
優しい匂坂先生がいないのはとても寂しい。
風邪でも引いたのだろうか?
代わりの大橋先生は口やかましいから嫌い。
早く匂坂先生が戻ってきて欲しいなぁ。
美奈子はそう思う。


39:ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU
07/05/20 20:59:26 Cyqqij8/0
やがて道は雑木林に続く小道となる。
このあたりは新興住宅地であり、まだまだ空き地や雑木林も多い。
大きな通りもあるのだが、自宅への近道となるこの林の中の小道を美奈子はいつも使っていた。
『アフアフアフー』
突然奇妙な声が聞こえてくる。
「な、何?」
美奈子は驚いた。
静かな林でこんな声が聞こえたのは初めてだったのだ。
「アフアフー、うふふ・・・こんにちは天城さん」
林の木陰から姿を現す人影。
「えっ?」
それは茶褐色の節々に覆われた体をして、両脇に小さなムカデの足をたくさん生やしたムカデのお化けだったのだ。
しかし、そのムカデのお化けは匂坂先生の顔をしてにこやかに笑いかけている。
美奈子は戸惑った。
「さ、匂坂先生?」
「アフアフー、ええ、あなたたちの担任よ」
林の中に立っているムカデのお化けが優しい声で答える。
「先生? どうしてそんな格好をしているの?」
美奈子はそれが一番気になったのだ。
どうしてそんな姿なのかがわかれば、怖がったりしなくていいかもしれないのだ。
「アフアフー、私はショッカーによって生まれ変わったのよ。今の私は匂坂礼子ではなくショッカーの改造人間ムカデリア。そして天城美奈子、あなたは私のムカデリア怪人教室の新入生になるのよ」


40:ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU
07/05/20 21:00:30 Cyqqij8/0
「ええっ?」
美奈子は驚いた。
あの匂坂先生がどうなってしまったのだろう?
あまりのことに美奈子はとにかくこの場を離れようとする。
だが、振り向いた美奈子の前には全身を黒いタイツのような衣装に包んだ男たちが現れて、その行く手をふさいでしまった。
「キャーッ!」
美奈子は思わず大声で叫び、逃げ出そうと走り出した。
しかし、男たちの手であっという間につかまってしまい、ムカデのお化けの前に連れてこられてしまう。
「アフアフー、心配は要らないわ。すぐにあなたはジュニアショッカーの一員になるのよ」
黒尽くめの男に抱きかかえられた美奈子の目の前で、ムカデのお化けの両脇に生えたムカデの足が小刻みに震え始める。
キーンという耳鳴りがして、美奈子は顔をしかめた。

しかし、耳鳴りはだんだん気にならなくなってくる。
それどころか美奈子はだんだん気持ちよくなって、何も考えられなくなっていく。
「あれ・・・私・・・」
「アフアフー、うふふ・・・さあいらっしゃい。あなたは今日からムカデリア怪人教室の一員よ」
「はい・・・」
ムカデリアの言葉に虚ろにうなずく美奈子。
下ろされた美奈子はもはや逃げようともせずにムカデリアに向かい合う。
「アフアフー、さあ、教室へ行ったらこれに着替えなさい」
美奈子は手渡された衣装を見る。
それは体操の選手が着るような黒いレオタードだった。
「アフアフー、それはジュニアショッカー女子の制服よ。それを着て私の授業を受けるの。そうすればあなたは偉大なるショッカーの女戦闘員となれるわ」
「はい、ムカデリア様」
美奈子は嬉しそうにレオタードを握り締めると、ムカデリアの後について林の中に姿を消した。
未来の女戦闘員となるために・・・

41:ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU
07/05/20 21:04:07 Cyqqij8/0
以上です。
お目汚し失礼いたしました。
感想などいただけると嬉しいです。

なお、前スレ58様の提案1はまったく考えておりませんでした。
ジュニアショッカーの少女たちをムカデラスに改造というのもよかったですね。

ではでは失礼いたします。

42:名無しより愛をこめて
07/05/20 21:19:20 IX8N/uQ/0
>>19-41
禿しくGJ! まさに正当派。直球ど真ん中の改造SSですね

ゾル大佐やショッカー組織内の描写、拉致方法、改造方法などが、ちゃんぷるう氏の描写とかぶる
部分があって、その対比がかえって、ショッカー代理人氏の個性を浮き立たせてたように思います
個人的にはショッカー代理人氏の描写の方が、重厚で簡潔で、よりTV番組におけるそれに
近いような気がして好きですね

希望を言うならばラストに拉致されたおにゃのこ、単にレオタードを着せるだけでなく
二度と元の生活に戻れなくなるような鬼畜な描写(改造、寄生など)があればよかったのですが

43:名無しより愛をこめて
07/05/21 00:19:00 ZNG9mGgQ0
ショッカー代理人さん乙です。
どうせなら後日談として黒レオタード姿の美奈子ちゃんが女戦闘員に改造されるところも見たいです。

さて>>2にSSは一気に投下とありますが、そう決め付けるのはどうでしょうか。
書く人によってペースは様々ですし。現に初代スレの325氏やPRIME氏は何日もかけて投稿していましたし。
何よりも一気に投下となると「この続きは次回で」「次回はどうなるのかな」ってな風なワクワク感がなくなってしまいます。
もちろん一気に投下を否定する気はありませんが「出来るだけ一気に投下を希望」ってな風にしたほうがいいように思いますけどね…。

44:トキメキちゃんぷるう
07/05/21 01:59:01 UzV7llae0
>>41 ショッカー代理人 さま
前回カキコは控えると申し上げましたが、こういう時にはやはり感想を述べるのが礼儀だと思い、カキコいたします。
今回はとても素晴らしい作品を投下して下さり、ありがとうございましたo(。'▽'。)o
以前「わたしの文章力に嫉妬する」などとおっしゃっておられましたが、なんのなんの。ショッカー代理人さまの
文章力こそ目が冴えるような素晴らしいものだと思います。じっくりと細部描写を連ねてゆく重厚な文体、
情景描写の中にモノローグをうまく組み入れて説得力ある表現を生み出してゆく力量、本当に敬服いたしました。
特に今回わたしは美奈子ちゃんの
「今日のおやつは何かなぁ・・・ 昨日はドーナツだった。 今日はプリンがいいなぁ・・・」
このモノローグに何よりも萌えさせていただきました(≧▽≦)。ツボでした(*´∀`*)。

あと>>42さまもおっしゃっておられますが、ショッカー組織の描写にかけてはショッカー代理人さまの方がずっと
クールで的確なものになっていると思います。特に改造手術に対する、軍人然としたゾル大佐のストイシズムと、
死神博士のマッドサイエンティスト的なこだわりの差の描写とかを見ると、さすがショッカー組織の「代理人」を
名乗ってらっしゃるだけのことはあると思います。
次回も、今回に劣らず素晴らしい作品の投下を期待いたしております。

>>前スレ778さま
「別人だけどインスパイアされた」が正解です。確かに女イソギンジャガーちゃんの元ネタはそのレスに
あるのですが、本来は豹あゆ(「Surreal」PVで豹柄全身タイツを履いた浜崎あゆみ)みたいな可愛い(*∂v∂*)
女怪人を妄想していて、それをSSにして出せる千載一遇のチャンスに感じられてパクらせていただいたのです。

>>前スレ773さま
・・・((( ;゚д゚))・・・(>д<)・・・( ̄□ ̄;)・・・お願いですから萌えないで下さい(;^▽^)。

45:名無しより愛をこめて
07/05/21 09:24:43 3QTbPzwtO
じゃあ、俺が萌えとく

46:名無しより愛をこめて
07/05/21 12:06:39 bmpZM9i80
ショッカー代理人氏乙です!
次回はぜひ毒蝶女ギリーラの改造をお願いしたい
なぜなら、ちゃんぷるう氏が現在ギリーラで執筆中らしいので
夢の競作を見てみたいと思うから

47:名無しより愛をこめて
07/05/21 18:05:28 Lqus1ol5O
ちゃんぷるうさんが自分が改造されたい願望の人なんだったら、
いっそ自分をモデルに、メルダンフェルに拉致されて改造ノズルに犯されて、
徐々に蜂女に改造されていくさまを一人称でSSに書いてもらいたいな。
ちゃんぷるうさんの文章力だったらすごく萌えるものになると思う。ぜひ読みたい。
お願いします。

48:ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU
07/05/21 21:59:58 OywPR6od0
今晩はです。
ショッカー代理人です。
皆様に楽しんでいただけたようで、私としても本当に嬉しいです。
ありがとうございました。

>>42
コメントありがとうございます。
ちゃんぷるう様とはまた違う面をお見せできればなとは思いました。
楽しんでいただけてよかったです。
美奈子ちゃん改造はまた機会がありましたらということで。

>>43
どうもありがとうございます。
投下に関しては約束事に気が付かなかった私のミスですー。

>>44
ちゃんぷるう様
どうもありがとうございました。
美奈子ちゃんに萌えていただけるなんて感激です。
また大変なお褒めの言葉をいただき、嬉しいとともに恐縮してしまいます。
これからもお互いに頑張りましょう。

>>46
ありがとうございます。
ギリーラですか?
うーん、どうもあの九条みわのイメージがよくなくて、書く気になれなかったんですよ。
ですので、ギリーラに関してはちゃんぷるう様にお任せいたしたいと思っているんですよ。

49:名無しより愛をこめて
07/05/22 00:39:20 2LKdGLG+0
ショッカー代理人さんは悪女改造は好まず、清楚な一般人が悪堕ちするのが萌えの人だったよな
それだとリクエストによくある、綾小路律子やマヤの改造SSとかは望めないんだろうか
九条みわですらNGなんだったらたぶん難しいだろうな

でもそれだと「ショッカー」代理人を名乗っている以上、ネタが早々に尽きそうな気がする
いっそのこと、ルリ子さんの改造とかに思い切ってチャレンジしていただけないものか
たとえば、蝙蝠男に「お前の父親を殺した本郷猛に復讐する力は欲しくないか?」と騙されて
改造手術台の上に運ばれ、蜂女に生まれ変わるとか

え? 山本リンダ? そんなのどうでもいいやw

50:SMの友人
07/05/22 02:41:01 gOGWDW330
ショッカー代理人さま、今回も楽しませて頂きました。ありがとうございます。
ところで、語られざるムカデラスの失敗→ムカデリア選抜のくだりをついつい妄想してしまいましたので
勝手に投下させて頂きます。
あえて、書いておられない部分を汚してしまうのは、と思いましたが、スレ死亡回避のためとお許しください。

51:SMの友人
07/05/22 02:42:23 gOGWDW330
ショッカー極東支部の司令室
先ほど遠来の客を迎えたゾル大佐は、いかにしてこの事態の主導権を再び握るべきかと思案しつつ
先日来の失敗の原因を再調査させていた

「洗脳派発信システムは非常にうまく機能していた模様なのです」
「なら問題は無いではないか?」
「いえ、それが…」口ごもる白タイツの科学戦闘員

「なんだ、何か問題があるというのか?」
「はっ、実はそこに問題が合った模様で」

「言ってみるがいい」ゾル大佐は苛立ちを隠さない

「はっ、今回の作戦は、子供たちの柔軟な脳に機械的でない洗脳処置を施し、将来のショッカー幹部候補生を養成する、そういう計画でありました」
「そうだな、それがどうした」

「はっ、そのために、洗脳波の発信と共に
 子供たちの頭脳から跳ね返る子供たちの思考波の一部を受信し、さらにそれをムカデリアンの頭脳から再発信する、しかも、その再発信時に、ムカデラスが変調をかけた思考波、すなわち子供たち自身の思考にそった洗脳波を繰り返し送り込む

すなわち洗脳波フィードバックシステムと仮に名づけましたが
これを採用する事によって強力で、柔軟かつ、容易には洗脳解除等が出来ない
あるいは、一旦子供たちを社会生活に復帰させても、容易に再洗脳あるいは洗脳の深化ができる
こういうシステムであったはずなのです」


52:SMの友人
07/05/22 02:43:27 gOGWDW330
「ああ、そういうことだったな」
ゾル大佐の目には凶悪な光が宿る、いつこの長広舌を永遠に止めさせてやろうか、それはそういう光だ

「も、もう少しだけ、お許しを」
科学班員はゾル大佐の様子に気付いたが、ショッカーに対する忠誠心が、いや、ショッカー科学班としての義務感がそれを続けさせたようだった

「ふん、続けるがいい」
大佐はすっと手にした鞭を下す、一見攻撃を手控えるかのようなこのポーズがいかに危険なものかは、大佐に仕えるものならば皆が知っているものだった

「ははっ、と、ところがこのフィードバックシステムのほうに、問題が、はい今回の失敗の原因が合ったのです」

「…」大佐は無言で先を促す

「…はっ、その理由は、子供たちの雑多な
いや、さまざまな個性というべきでしょうか
これを一度に抱え込み、未分類のまま全員の子供たちに送信してしまう、こういうことだったからなのです
結果、ムカデラスはおろか、その場にいた子供たちも、全員脳に過負荷がかかり、このようなことに…」


「しかし、それではっ」ゾル大佐の鞭が一閃する

「結局、解決には繋がっていないでは無いかっ!!」

ショッカーに対する忠誠心から身動きもならず
ゾル大佐の鞭を受けようと微動だにしない科学班員

53:SMの友人
07/05/22 02:44:38 gOGWDW330
がその瞬間、大佐の振り下ろす黒い乗馬鞭に呼応して、白いものが空を切ると大佐の鞭を中空に繋ぎとめた

その白い鞭がどこから来たのかを察したゾル大佐が手の力を緩めると
触手めいたそれは、そろりそろりと絡みを緩め、その場にかかっていた暗幕の向こうに消えて行き
「そこらにしておきたまえ、ゾル大佐、いやぁさすが、君の部下は優秀では無いか」
「なんですと、死神博士」
そう、暗幕の影から現われたのは死神博士

「いやいや、実は、このわしも首領にはああ申し上げたものの、原因の特定が出来ていなくてな」
一見好々爺のごとき微笑を博士は覗かせて見せたが
先ほどの触手といい、この古参大幹部が、油断のならないものだということぐらい、ゾル大佐も熟知していることだった

「と、そこまでわかればだ、どうかな、大佐 わたしに君の部下を貸してはくれんかな?
 今の話から、多少ひらめいたものが、な」
博士の微笑がますます深まる

「と、おっしゃると、博士良い解決法が?」
「左様、ゾル大佐、先ほどの話では、子供という、雑多な動物をそもそも扱う経験のない
 しかも持久力に欠ける男性ベースで実験した、それが原因なのだろう?」
「ま、そのようですな」
「ならば、だ、どうかね、子供を扱う事に長けた、健康で若い、しかも、できれば、熱意、創意に溢れた女性
そういう素体を探してみては、なに、探してくれれば、あとの改造処置は任せたまえ
極力、肉体に負担を掛けず、強化処置はさせてもらうぞ」
「博士、しかし、そのあとの作戦指揮は」
「はっは、ゾル大佐、指揮官は君だろう?私は首領の指示で助力をする、ただの使いだ
全ては、首領の御意志、違うかね?」
大幹部たる死神博士にそこまで言われてはゾル大佐に否やのあろう筈は無かった


54:SMの友人
07/05/22 02:45:27 gOGWDW330
「しかし死神博士、博士ともあろう御方が、現在の日本司令官とはいえ、ゾル大佐ごときにあそこまで下でに出られるとは」
死神博士に随行してきた直属科学班員マサトノフが、死神博士に尋ねる
「なぁに、マサトノフ、目的が達せられれば安いプライドに用は無い、なにしろ、奴の設備、奴の資金と人員で
思うさま、若い健康な肉体を改造できるわけだから、な、くはははっはは
いぬころは、せいぜいおだてて、番犬を勤めさせて置けばよいのさ」
「ははっ、死神博士、ご深慮、恐れ入りました」
「ふふん、おだてても、何もでん、さ、では、こちらは」
「はい、番犬ならぬ猟犬が追い立てて来る、雌鹿を」
「ふむ、料理する準備をととのえておこうか、な」

かくして、だれも知らぬ場所で、密かに一人の女性の運命が理不尽に決められたのであった。


55:SMの友人
07/05/22 02:57:24 gOGWDW330
以上です、勝手に「改造」しちまいまして、どうか、お許しを。
あ、それと蛇足ながら、最後に出てきた科学班員の名前がどこかで聞いたよう名前なのは、
勿論、このスレの多分今でも住人であるで、あろう某毎日更新SS作家さんへの
自分なりのリスペクトです。某作家さんもどうかお見逃しくださいますように。

56:ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU
07/05/22 20:46:38 bi9h88uW0
>>55
SMの友人様
なるほど、よく考えられていますねー。
私はそのあたりをあまり考慮していなかったので、この考えには目から鱗でした。
TVの「仮面ライダー」でも、深く原因究明をしたりはせずに素体が不適格だったというだけで済ますことが多かったので、
私も何となくそんな考えでムカデラスを不適格にしちゃいました。
でも、こうして考えるとすっきりとしますね。
ありがとうございました。

57:名無しより愛をこめて
07/05/23 00:46:05 2RmlkDIh0
実写版「くりいむレモン・魔人形」の中で長澤つぐみ演じる主人公が、全裸に電極とコードで繋がれて、脳にバイオチップを埋め込まれるシーンがあるぞ。
全身機械化だとか怪人化とは違うかもしれないが、なかなか萌えるシーンでした。

58:名無しより愛をこめて
07/05/23 22:33:52 fBhaNu9i0
エロパロ板で、ちゃんぷるう氏=九条蘭子氏説が出ているね

59:名無しより愛をこめて
07/05/24 00:39:59 n6SgpNjV0
ここは日本人皆殺しを企む「死ね死ね団」のアジト。
ボスのミスターKが、サイボーグ研究の第一人者、ドクターボーグの研究室を訪ねた。
日本軍に妻を殺されて復讐に燃えるドクターボーグは、全日本人の抹殺とレインボーマン打倒の
ために、死ね死ね団の女幹部たちを次々とサイボーグに改造し、戦場に送り込んできた。
だが改造された女幹部たちは、レインボーマンの前に次々と敗れ、改造する人材が底をついた。
そこでドクターボーグは、一般人を瞬間的にサイボーグ強化戦士に変えてしまう、特殊ナノマシン
の研究に着手したのだった。
「これが、人間を一瞬でサイボーグに変えてしまうという秘密兵器か。」
「はい。ボーグαと名付けました。このボーグαを仕込んだ銃弾に撃たれた者は、ナノマシン
によって細胞組織が強化され、同時に理性による抑圧が解除されて狂暴な戦士となります。
また脳に侵入したナノマシンをこのリモコンで遠隔操作し、自由に操ることも可能です。」
「面白そうだ。ぜひテストしてみよう。」
ボーグαを仕込んだ銃弾を拳銃に装填すると、ミスターKはドクターボーグを助手席に乗せ、
車で町に繰り出した。

「よし。あの男で試してみよう。」
ミスターKが、バイクを追い越しざまに、運転していた男の首筋に向けて銃弾を放った。
「うっ!」
バイクを運転していた男の首筋に、星形のアザが現われた。
男は一瞬ビクッと身体を震わせ、それから急に狂ったように猛スピードでバイクを走らせ、
通行人を次々とはね殺していった。それまで温厚そうだった男の表情は、恐ろしい悪鬼へと
豹変していた。
「いいぞ。もっと人通りの多いところを走れ!もっと、もっと日本人を殺すのだ!」
リモコンのマイクに向かって指令を発しながら、ミスターKは満足げな表情を浮かべた。

ミスターKはその後も、走る車の窓から無差別にボーグαを撃ち続けた。銃弾を受けた者
は例外なく狂暴になり、ミスターKの指令のままに暴力、殺人、破壊を行った。
「うむいいぞ。この調子でいずれは全日本人を奴隷サイボーグに変えてやるのだ。」

60:名無しより愛をこめて
07/05/24 00:40:55 n6SgpNjV0
「じゃあね。バイバイ。」
友人と別れて帰宅する最中のセーラー服の美少女。大通りを歩いていると、突然街路樹の
陰から現われた蜂が少女にまとわりついた。
「やだ!何よこの蜂!」
その時。ミスターKの構えた銃口が少女に狙いを定めた。
バスン!
「キャッ!」
ボーグαを撃ち込まれて、少女は街路樹のそばに倒れた。
だがどうしたことだろう。これまでとは異なり、少女はなかなか起き上がらない。
「む?様子がおかしい。」
ミスターKは急いで車を停め、状態を確認しようとドクターボーグと共に、倒れた少女の
方に駆け寄った。
セーラー服とスカートの間からのぞく、ボーグαを撃ち込まれた傷あとに、なんとさっきの
蜂の死体がこびりついているではないか。どうやら銃弾は偶然、蜂と少女を一緒に射貫いて
しまったらしい。そして蜂の死体は、みるみるうちに少女の傷口に吸収されてゆく。
「うっ!ああっ!あああっ!」
少女は身体を折り曲げて苦しみ始めた。そしてみるみるうちに、その身体に変化が現われた。
紺色のセーラー服が分解され、少女の身体に青い全身タイツとなってまとわりつく。
背中にしょったカバンが、ビニールの羽根となって少女の背中にぶらさがるように貼りつく。
そして少女の顔に、真っ赤な触角がついた、昆虫の複眼のようなマスクが現われる。
「これは一体どういうことだ!?」
「おそらく、蜂を取り込んだかたちで全身の細胞のサイボーグ化が起こっているのです。
蜂の遺伝子を組み込まれた細胞が、周囲の物体を利用して自らのまわりに、強化外骨格の
ようなものを組み上げているのでしょう。」

61:名無しより愛をこめて
07/05/24 00:42:03 n6SgpNjV0
少女は立ち上がった。セーラー服の代わりに青い全身タイツをまとい、黄色い腰布を巻き、
昆虫のようなマスクをかぶった奇妙な姿になって。足には白いブーツ。手は白い手袋。
そして全身タイツの胸には、蜂のような黄色と黒の渦巻き模様がふたつプリントされている。
「なぜ、全身タイツなのだ?」
「ボーグαは、理性に抑圧されていたものを解放する効果があります。おそらくこの娘が
抑圧してきた恥ずかしい性の衝動が、恥ずかしい衣裳のかたちを取って具現化したのでは
ないかと思われます。」
「ハチハチハチハチハチッ!」
さっきまで少女だったそいつは、奇妙な鳴き声を上げながらミスターKの方に近づいてきた。
「うむ。素晴らしい!実に素晴らしいサイボーグだ!」
蜂のような姿になった少女の姿をほれぼれと見つめながら、ミスターKは満足げに叫んだ。
「ドクターボーグ。こいつと同じようなサイボーグを量産できないか?」
「蜂のエキスを最初から銃弾に仕込んでおけば、容易なことです。」
「よし。いったん基地に戻って改良型の銃弾を完成させ、それを持って今度は女子校を
襲撃する。若い娘たちが相手では、さすがのレインボーマンも手が出せまい。」
ミスターKはドクターボーグと共に、急いで車に戻った。
「ハチ女、ついて来い!」
「ハチハチチチッ!」
ハチ女に生まれ変わった少女は、ミスターKの乗った車の後を走って追いかけた。
ビニールの羽根と黄色い腰布が風になびき、渦巻き模様がプリントされた全身タイツの胸が
ゆっさゆっさと大きく揺れた。

62:名無しより愛をこめて
07/05/24 11:46:05 33b4FjPN0
終わりなの?続くの?

63:名無しより愛をこめて
07/05/24 14:29:41 LlIKlgxj0
>>61
「車に乗せないの?」と言うのは置いて置いても
「どうして飛ばないの?」

64:名無しより愛をこめて
07/05/24 14:40:50 VKVbyjZX0
>>63
>>59-61の元ネタの「カマキリ男」を知ってたら理由はすぐにわかる
カマキリ男は緑色の全身タイツを着てお面をかぶり、画用紙で作った羽根を
背中につけて手にU字形の鎌を持ったただのオサーンなのだ
飛べるどころか特殊能力は何もない

65:名無しより愛をこめて
07/05/24 14:59:12 lgKFEdVC0
蜂女に元々飛行能力は無い

66:名無しより愛をこめて
07/05/24 23:22:06 dTn3i6ep0
「オーメン」のダミアンの娘みたいな、人間の姿をした悪魔を悪の組織が捕らえて改造するってシチュエーションに時々萌えることがある。
ただそうなると話の収拾がつかなくなさそうだが…。

67:名無しより愛をこめて
07/05/25 02:29:56 FsvXSr8h0
URLリンク(blog31.fc2.com)

68:名無しより愛をこめて
07/05/27 01:52:04 bgSyEHGm0
>>59-61氏
GJです。 是非続編をお願いします。

ところで、>>1 の3~5スレが読めなかったので手元のdatをhtml変換してみたです。
2、3スレが途中までしかなかったよ…
URLリンク(www.geocities.co.jp)

69:名無しより愛をこめて
07/05/29 06:00:33 KaeXtoum0
前スレDAT落ち。

それにしても、SSの投下がないとマジで過疎るのな、このスレw

70:てふてふちゃんぷるう
07/05/29 21:03:31 BKkKH7f50
皆さまお久しぶりです。
前スレの769で予告してあった、毒蝶女ギリーラのSSが仕上がりましたので、投下いたします。
とは言っても、自分の独自設定で押し通しましたので、もはやTVとはまったくの別物。
インスピレーションの元になった香山滋さんの「妖蝶記」とも、また違った印象の作品になってしまいました。
しかも今回は今までにない激エロエロ(*ノ∀ノ)。まあ、ストーリー上・設定上の必然性はあるんですけどね。
時代背景の設定とかは例によってできていません(">ω<")。2007年の話だと思って読んで下さい。
それでは、お楽しみいただければ幸いです。

(なお香山滋さんの「妖蝶記」は、子孫を残すために日本にやって来た中央アジアの幻の蝶が、人間の
美少女の姿となってある昆虫学者の温室にもぐり込み、学者を誘惑して夜な夜な交わるという話です。)

71:てふてふちゃんぷるう
07/05/29 21:03:54 BKkKH7f50
丈の高い異国の植物がうっそうと生い茂る中を、草を踏み分けて一人の男がゆっくりと歩んでいる。
淡く輝く春のおぼろ月が、頭上に格子模様のシルエットを浮かび上がらせる。どうやら広い温室の中らしい。
時折り、バサバサバサ、と何かの翼が羽ばたく音が沈黙を破る。だが男は気にもかけずに歩を進め、巨大な
葉むらをかき分けて開けた場所に出て、そこで立ち止まった。
男の年齢は40前後。やせ型で、彫りの深い端正な顔立ちは外国の某映画スターを思わせるが、インテリめいた
神経質そうなそぶりが、どこか近寄りがたい雰囲気を漂わせている。
男はふと優しげなまなざしになって、自分の前方にある、あるものをじっと見つめた。それは、熱帯性の巨大な
樹のあいだに立つ、玉虫色に輝く美しい蝶の羽根を広げた、等身大の女の彫刻であった。
前かがみになって、羽根を大きく広げたその女は、両腕で自分の肩を抱きかかえ、身体をよじって苦悶の表情を
少し浮かべている。身体は人間ばなれした、金属光沢を持った美しい緑色で彩られ、淡い赤紫色の縞が肌の上を
左右対称のケルト文様のように走っている。頭部だけは人間と同じ肌色だ。そして下半身は、無数の白い糸の
ようなものにすっかりからめ取られており、脚は見えない。
滝のように流れ落ちる美しい金髪。ギリシア彫刻のように整った絶世の美貌の、息を飲むほどに見事な女体像。
だがよく見ると、それはただの彫刻ではなかった。
同心円模様で昆虫の腹部のように彩られた女の乳房は、脈打つようにゆっくりと、蛇腹状に動いていた。
女の脇の下から太股にかけて一列に並んだ、昆虫の気門のような小さな穴も、乳房の動きに合わせてパクパクと
開いたり閉じたりを繰り返していた。
「・・クロエ!・・とうとう見つかったよ!・・・きみを、きみをついに、生き返らせる時がやってきたんだ!」
男はそう呼びかけながら、奇妙な女の彫刻に近寄った。そして、両の手のひらで女の顔をはさむようにして、
彼女の真っ赤な唇に、自分の口をそっと重ねた。

72:てふてふちゃんぷるう
07/05/29 21:04:11 BKkKH7f50
「はいッ、みわ! 兄貴の研究室でもらってきた、今日の内覧会の招待状よ。恩にきるんだな。」
「やたッ!! あーんもうッ嬉しいッ!! なっちんったら愛してるッ♪♪」
「こら抱きつくんじゃねえ、人前で。暑苦しいじゃないの。」
学園通りのファーストフードショップ。この春、城南大学に入学したばかりの女子大生が二人、一枚の招待券を
囲んで楽しく騒いでいる。
券を持って来たのはファッションサングラスをかけた、バギーパンツのスポーティーな少女。70年代テイストの
装いが、目のパッチリしたコケティッシュな顔立ちによく似合っている。身長は158cmとやや小柄だが、
スラリと伸びた脚、抜群のスタイルのせいで、実際よりもかなり長身に見える。
もう一人は、ブラウスにシフォンスカートのお嬢様風のいでたち。ロングスカーフからタイツ、靴にいたるまで
淡い緑系でセンスよくコーディネートしている。前髪を一直線に切り揃えた、ボブカット風のストレートロング
ヘアーが古風なお嬢様然とした印象を与えるが、コロコロとよく変わる表情、すぐに手を顔の前に持ってゆく
子供っぽいしぐさが、少女めいた愛らしい印象を強めている。身長164cmとやや長身のやせ型だが、あどけない
顔に似合わぬ豊満な胸は、大人の魅力をじゅうぶんに備えている。
タイプは違えど、二人とも街行く人の目を引く美貌の持ち主であった。
「じゃ、あたしはこれからバイトに行くから。明日また会おうね。 それにしても変わってるよねぇ、あんた。
明日になれば一般公開されるっていうのに、わざわざ内覧会に行きたがるなんてさ。」
「うん。どうしても今日行きたいんだ。ありがとね、なっちん。」
「いいっていいって。はあぁん。さては男が目当てだな?」
親友の言葉に、ストレートヘアーの少女は思わず顔を赤らめた。
「やっぱ図星か。ま、頑張んなさいね。ここはあんたのおごりだよ。」
バギーパンツの少女、桧山奈月(ひやま・なつき)はそう言い捨てて、店から駆け出すように出て行った。
「もぉう、なっちんめ余計なことを言うから、意識しちゃったじゃない!」
残された少女はふくれっ面で、シェイクのストローをパクリとくわえ込み、ブクブクと息を吹き入れた。

73:てふてふちゃんぷるう
07/05/29 21:04:45 BKkKH7f50
城南大学は、城北大、城西大、東都義塾大と並ぶ、東都4大学の一角をなす名門私立大である。文学部から
医学部まで11の学部を持つマンモス大学で、機械による生体制御の画期的研究でノーベル賞候補にも挙げられた
緑川弘教授が、理学部の生体工学研究室に在籍していたことでも名高い。
昨年9月、教養部の新たな施設として「城南大学ミュージアム」が創設された。文学部の博物館過程の実習施設
としてだけでなく、創立100年近いこの名門大が所有するさまざまな標本、史料、文献、実験成果物などを一般に
広く公開することを目的として建てられた施設であり、オープン以来、美術・歴史・自然科学・工学分野などの
さまざまな展覧会が催されて、多くの入場者を集めている。
そして、この4月からは新たに、農学部昆虫学研究室の九条鱗太郎教授が個人的に所有する、貴重な「蝶の標本」
の展覧会が開かれることになったのだ。
九条教授は39歳という若さながら、チョウやガなどの鱗翅目昆虫の研究では世界トップレベルの俊英である。
九条家は旧華族に連なる名門の資産家であり、代々名医を輩出した医者の家系でもある。九条教授の曽祖父に
あたる九条究太郎は、皇室の主治医を永きに渡って務めた傑物として知られている。
九条教授の蝶のコレクションは、教授自身が世界各地を回って直に蒐集したもので、中には標本が世界に数頭
しか存在しない、国宝級の貴重なものも数多く含まれている。中でも南米アマゾンで蒐集した特殊な生態を持つ
蝶の数々は、日本では唯一無二のコレクションとして全国の蝶愛好家の垂涎の的となっていた。
展覧会の一般公開は明日からであるが、それに先立つかたちで今日の午後、プレスや同業の蝶研究者など
関係者を対象とした、「内覧会」が開かれることになっていた。先ほどのファーストフードショップで少女が
手に入れたのは、この内覧会の招待状であった。

74:てふてふちゃんぷるう
07/05/29 21:05:14 BKkKH7f50
城南大学ミュージアムの入り口ロビー。着飾った男女が次々と門をくぐり、芳名録に記帳しては関係者どうしの
談笑に花を咲かせている。テープカットの儀式も終わって展示室は既に開場されており、ガラスケース内に
うやうやしうく展示された貴重な標本の数々に、食い入るように見入っている研究者も多い。
ここの大学院に在籍する友人の兄を介して招待状を手に入れた先程の少女もまた、やはり目を皿のようにして
華麗な標本の数々を、うっとりとした表情で眺めていた。
博物館の中は空調が行き届き、標本にダメージを与えないように温湿度はコンピュータで適正に管理されている。
だが空調ダクトを通して、微細な金色の粉末が博物館の中をくまなく漂っていたことに気がついた者は、ただの
一人もいなかった。
金色の粉のひとつが、重力に引かれてゆっくりと落下し、先程の少女の頬の上に止まった。すると金色の粉は、
人間の目では捉えきれないような微妙な周波数の光を、ゆっくりと放ち始めた。
「・・・いたか。」
全館に仕掛けられた防犯カメラを集中管理している監視室の中、奇妙なゴーグルを着けた壮年の男が、突然
弾かれたように椅子から立ち上がって、ゴーグルを外し、展示室の方に急いで駆けて行った。
第三展示室の中では、先程の少女が西アジアのシロチョウの標本に熱心に見入っていた。展示室につかつかと
入ってきた男は、足音を忍ばせて少女の後ろに立ち、それから一呼吸おいて、そっと彼女に声をかけた。
「チョウがお好きなんですね。若いのに関心なことだ。」
「えッ!?」少女は驚いて後ろを振り返った。そして自分のすぐ後ろにいた男の顔を見るなりビクッ!と飛び上がり、
あわてたそぶりで周囲を見渡し、手をあたふたと動かしながら、しどろもどろに声をあげた。
「・・・あ・・・あ・・・あたし・・・あの・・・その!・・・あのォ!」

75:てふてふちゃんぷるう
07/05/29 21:05:40 BKkKH7f50
そのようすに男は一瞬驚いた表情を浮かべたが、すぐにニッコリと微笑んだ。欧米人のような彫りの深い顔立ち。
かなりの美形である。スーツの袖口に覗くカフスボタンや、ネクタイピンにさりげなく使われている宝石を見ても、
相当な資産家らしいことがわかる。
「驚かして申し訳ない。ただ、あなたがあまりに熱心に標本を見ておられたもので。見たところ、あなたは
研究者ではありませんね。どなたのお身内の方ですか?」
少女は真っ赤になって、手のひらで胸をポンポンポンと叩き、やっとのことで言葉を胸から絞り出した。
「・・・え?・・・え?・・・違います! 違います!・・・わたしは、ここの学生です!」
少女はトートバッグの中から学生証を取り出し、両手で男にハイ、と差し出した。
「ほう、学生さんですか。・・・ヒラカワ・・・ミウ、さんでいいのかな?」
「い、いえ、《みわ》と読みます。文学部1回生、平河美羽(ひらかわ・みわ)です! ・・・あ、あなたは、
九条鱗太郎・・・先生でいらっしゃいますよね!?」
「いかにも。私が九条鱗太郎です。」
少女は思わず、目を細めてヤッタッ!というポーズを取った。
「せんせいッ! お会いできて光栄です! わたし、中学の時からずうぅぅっと、先生の本のファンでした!!
『6000キロを旅する蝶』や『砂漠に眠る古代蝶』、『アマゾンの黄金蝶』。みんなみんな、わたしの宝物です!
ま、まさか、本当にお会いできるなんて・・・ああッ、夢のようです! 思い切って、内覧会に来て良かったァ!」
少女のハイテンションな身振りに、九条鱗太郎はあっけに取られたが、すぐに笑顔に戻り、みわに優しく答えた。
「それは光栄ですね。こんな美しいお嬢さんのファンがいるなんて、フッ、今まで考えたこともなかったな。」

76:てふてふちゃんぷるう
07/05/29 21:06:00 BKkKH7f50
それから鱗太郎は、みわの学生証を何度も眺めながら、歌うようにこうつぶやいた。
「・・・みわ・・・美しい羽根か。うむ、いい名前だ。まるでクジャクチョウの羽根のような可憐な響きだ。
それに名字も。・・・ひらかわ・・・かわひらこ・・・蝶の古い呼び名そのままだ。そう、きみは本当は
ぼくのためにやって来た、蝶の妖精なのかも知れない。ほら。きみのブローチも、蝶の形をしている。」
その言葉に、みわの顔はカーッと真っ赤になった。
「・・・そ、そんな・・・言い過ぎです先生。わたしは、ただの先生の一ファンに過ぎません。確かにわたし、
子どもの頃から蝶が大好きで、いつも蝶のアクセサリーをしたり、蝶の柄の服を買ったりしてますけどぉ。
・・・あ、でも、『かわひらこ』って、蝶の古い名前なんですか? わたしの名字が、蝶につながってたなんて
ちょっと意外です。わたしは今までずっと、シルクロードの平原を流れる河みたいなのを想像してました。」
「・・・シルクロード。そう、中央アジアにも蝶はいるよ。花の咲く短い季節を求めて旅をする可憐な蝶や
生きた化石と呼ばれるガラス細工のような羽根のウスバシロチョウ。そして、恐竜化石の谷として知られる
ネメゲトウの妖艶な蝶、メソパノルパ! ぼくも昔、モンゴルの平原で蝶を追ったことがある。遊牧民のパオに
お世話になり、何千キロも旅をしながら・・・」
夢見るような表情で滔々と語り続ける鱗太郎の顔を、みわは目を細めて、優しい表情で見つめ続けた。
「知ってるかい。ヨーロッパでは毎年同じ時期になると現われる蝶を、永遠の命のシンボルと見なしていた。
また古代エジプトではサナギから蝶への変態を、死から生への再生と考えて、やはり永遠の命の象徴として
捉えていたんだ。そう。蝶は不死のシンボルなんだ。人が蝶に魅せられるのは、そのせいかも知れない。
・・・おや?」
鱗太郎が、みわの薄緑色のスカーフに気がついた。淡い黄緑色をした光沢のある薄い生地だ。
「そういえば、きみのこのスカーフ、天蚕(てんさん)だね?」

77:てふてふちゃんぷるう
07/05/29 21:06:27 BKkKH7f50
「え? あ、これですか。そうです。野生のカイコの糸で編んだものです。」
「ああ、きみは知っているかな? カイコの仲間だけじゃなく、蝶の中にも糸を吐くものがいるよ。いや、
アゲハチョウやモンシロチョウの幼虫も、糸を吐いてサナギを木の枝に固定するわけだから、ほとんどの蝶が
糸を吐くと言っても間違いはないんだ。そう、カイコに負けないくらい美しく、丈夫な糸を。」
スカーフを手にした鱗太郎の手は、そのまま自然にみわの華奢な手を取り、両手で固く握り締めた。
「平河くん。きみのように心から蝶を愛してくれているファンに出会えて、ぼくはとても嬉しい。もしも
きみさえよければ、今度はぼくの研究室を訪ねて来てくれたまえ。ここにはない、もっと素晴らしい標本を
きみだけに見せてあげるよ。」
「え? え? ・・・本当ですか!? ・・・そ、そんなァ・・・夢みたいな・・・」
「ぼくの研究室は農学部A棟の3階にある。まずはここに電話をくれたまえ。」
鱗太郎はみわの手に自分の名刺を握らせ、深々と会釈をして、呆然とした表情で立ち尽くす彼女の元を離れた。
展示室の廊下をツカツカと歩く鱗太郎の顔に、やがて冷たい笑いが浮かんだ。
「・・・クロエ。とうとう見つけたよ。ぼくは幸運だ。展覧会という餌を撒いてはみたが、まさか初日から
見つかるなんて思ってもいなかった。これで“人間蝶”の、残された最後の実験ができる。・・・もうすぐだ。
もうすぐきみを、生き返らせてみせるよ!」

   ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

「ヨッ! どうだったみわ、昨日の首尾の方は?」
「なっちィ~。ふええええ~ん!」
「な、何よいったい!? どうだったの!? こ、こら! 涙でシミが付くじゃない! いったいどうなったのよ!?」

   ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

78:てふてふちゃんぷるう
07/05/29 21:07:19 BKkKH7f50
そして数日後。農学部の九条研究室の扉の前で、平河みわは手鏡を片手に身だしなみをチェックしていた。
今日の装いはモノトーンのシルクの巻きスカート。そこにも、蝶のシルエットが無数にプリントされている。
コンコン。はやる心を抑えつつ、扉をノックする。
「入りたまえ。」
「失礼します。」みわは肩をすくめ、目をキョロキョロさせながら研究室の中を見渡した。
センスのよい鱗太郎にふさわしく、小奇麗にまとまった室内であった。資料はすべて整然と並べられ、机の上
には訪れた各国で集めたものらしい、小粋な置物が幾つも置かれている。
「やあ。待っていたよ。ふむ。今日は蝶のスカートなんだね。とても似合っているよ。」
みわは顔を赤らめながら、鱗太郎にバスケットをおずおずと差し出した。
「先生。今日はサンドイッチを作ってきました。美味しくないかも知れないけど、ぜひ召し上がって下さい!」
「ありがとう。気が利くね。後で一緒に食べよう。」
鱗太郎の笑顔に、みわは天にも昇らんばかりの気分であった。
「さて、せっかく訪ねて来てくれたんだ。きみに、とっておきの標本を見せることにしよう。」
鱗太郎は立ち上がり、木製の標本箱を次々と取り出しては、みわに熱弁をふるった。鱗太郎はふだんは物静かな
研究者だが、人に蝶の話をする時だけは子どものように目を輝かせ、嬉々として話を続けるのだった。
「これは、モルフォチョウですね?」
金属光沢のある青緑色の羽根を持った、美しい蝶を指差してみわが尋ねる。
「そう。南米の宝石だよ。だがね、一般にはまだほとんど知られていないが、この仲間にはもっと驚くべきものが
存在するんだ。モルフォチョウ科のギリラ属と呼ばれる一群の蝶は、実に驚くべき生態を持っているんだよ。」
鱗太郎はそう言って、ひときわ厳重に梱包された標本を取り出してきた。
「まず、見た目に驚かされると思う。いいかい、開けるよ。」

79:てふてふちゃんぷるう
07/05/29 21:08:02 BKkKH7f50
標本箱のふたを、そっと鱗太郎が持ち上げる。そこに現われた蝶の翅を見て、みわは息を飲んだ。
「・・・すごい・・・人間の目みたい・・・」
標本箱にとめられていた、翅の差し渡し10cmほどの蝶は、モルフォチョウ特有の金属光沢を持った美しい
青緑色の翅を持っていた。それは今までに見たどのモルフォチョウよりも鮮やかな、孔雀石(マラカイト)にも似た、
目のさめるような色であった。しかも通常のモルフォチョウとは異なり、この蝶の翅にはアゲハチョウのような
長い尾状突起がある。およそ蝶が持つ美しい翅をすべて組み合わせて生まれたかのような、華やかな翅であった。
だがそれよりもみわが驚かされたのは、この蝶の後翅に浮かび上がった、ジャノメチョウのような眼状紋であった。
それもただの同心円状の模様ではない。その蝶の眼状紋は、奇怪なまでに人間の女の眼に酷似していた。
まつ毛や二重まぶた、アイシャドウまで備わった、驚くほどに精緻で、蠱惑的な眼。
その文様をひと目見るなり、みわはもう、標本から目を離すことができなくなっていた。
「あまり長時間見つめない方がいい。人間にも効果を及ぼすと言われているからね。これは死んだ標本だから
特に問題はないだろうが、生体の蝶だと危険なこともある。」
鱗太郎の不穏な言葉に、あわてて標本にふたをしたみわが、一息ついて尋ねた。
「・・・あの先生? どうして、この蝶にはこんな眼のような模様があるんですか?」
「モルフォチョウ科はジャノメチョウ科やフクロウチョウ科に近縁だから、眼状紋を持つ種類があることは
実はそれほど不思議なことじゃない。だがこの眼状紋は、天敵である鳥を脅かすのではなく、まったく別の目的を
持つものなんだ。それがあまりに特異なので、学者の中にはこの蝶の一群をモルフォチョウ科から分離して、
ギリラチョウ科を創設すべきだと主張する者も多い。ぼくも同じ意見だ。」
「どう、特異なんですか?」
「この蝶はね、脊椎動物に寄生する、寄生蝶なんだよ。」
「・・・まあ!」
“寄生”という不穏な言葉に、みわはさすがにショックを受けたようだった。今日はこれ以上驚かさない方がいい。
そう判断した鱗太郎は標本の披露を切り上げ、ポットを持ち出してハーブティーの用意を整えた。もちろん、
みわが持ってきたサンドイッチを一緒に食べるためである。

80:てふてふちゃんぷるう
07/05/29 21:08:24 BKkKH7f50
鱗太郎がサンドイッチを持つ手に目をとめて、みわが言いにくそうに、おずおずと疑問を発した。
「あのぅ、先生? ちょっと失礼なことをお聞きしてもいいですか?」
「うん? 何かね。」
「あの・・・そのぅ・・・左手の薬指の・・・ゆ、指輪は?」
「ああ、習慣みたいになっていてね。妻が死んでもうずいぶん経つんだが、これが無いと落ち付かないんだ。」
「奥様、亡くなられてもう2年になるんですよね。」
「ああ。でもぼくには、まだクロエが死んだという実感が無いんだよ。いつか、ひょっこりぼくの前に元気な
姿で現われるんじゃないかって、今もそう思えてならない。」
「・・・そう、そうなんですか・・・。」
みわは明らかに意気消沈した様子になり、サンドイッチをパクついていた手をおろした。食欲を無くしたようだ。
「・・・奥様、美しい方でしたものね。」
「きみが気に病んでくれることはないよ。ぼくはいたって平静だ。むしろ、きみを悲しませてしまったことの
方が残念だよ。何とか埋め合わせをしたい。・・・そうだ! きみをうちの晩餐に招待しよう。悲しませて
しまった、せめてものお詫びだ。ぜひ来て欲しい。・・・来てくれるよね?」
思ってもみなかった突然の誘いに、みわは仰天してサンドイッチを落としそうになった。
「・・・え? ・・・え? ・・・晩餐ですか!? ・・・そんな・・・そんな・・・嬉しいです!」
真っ赤な顔でそれだけ言うのが精一杯だった。
「じゃあ決まりだ。明日の夜は空いているかな? うん。じゃあ来てくれたまえ。うちの場所はこちらだ。」
みわはもう、天にも昇る気持ちであった。鱗太郎がその後で何を言ったかも、はっきり覚えていない。九条邱の
住所を書いたメモを片手に、みわはスキップしながら九条研究室を後にした。だから、鱗太郎がみわの飲み残した
カップの縁から彼女の唾液をこっそり採取していたことなど、知るよしもなかった。
「・・・よし。これで免疫細胞が培養できる。融合細胞核をあらかじめ作っておかないとね。フフフ。」

81:てふてふちゃんぷるう
07/05/29 21:09:13 BKkKH7f50
旧子爵家である九条邱は、白金台の閑静な高級住宅地から少し離れた、小高い丘の上にあった。こんもりした森に
つつまれたその場所は、そこが個人の邸宅であるとは思えないほどの、厳粛な静寂に包まれていた。
みわは手鏡を取り出して、いつもにも増して入念に身だしなみをチェックした。それから胸をポンポンと叩き、
呼吸を整えてから、正門のインターホンを押した。
みわの今日のいでたちは、薄紫のワンピースドレスに黄緑色の春物のショール。大学1年の彼女としては
これが精一杯のおめかしである。スカートにはいつものように艶やかな蝶の模様が大きくプリントされ、
ショールも蝶の形の大きなブローチでとめられている。
インターホンに出た執事らしい男に用件を告げると、巨大な門が電動でゆっくりと開いた。
短い春の日はもう暮れかかっている。薄暗くなった庭の中を、みわはちょっぴり不安な気持ちで歩んだ。
なんだか鱗太郎の住んでいる世界が自分とは違い過ぎて、周囲のすべてに現実感が伴わないのだ。
目の前には、2階建ての巨大な洋館がそびえ立っている。昭和初期の建築らしい重厚な作りだ。その左手前に
見えているガラス張りの大きな建物は、どうやら温室であろうか?
黒塗りのがっしりした扉のドアノブを叩くと、ギィーッ、という耳ざわりな音を立てて、扉が開いた。
「ようこそいらっしゃいませ。平河みわさんですね?」
「はじめまして。お待ちいたしておりました。」
みわの目の前に現われたのは執事ではなく、なんと、双子らしい二人の外人の美少女だった。
「・・・あ、はい。・・・は、は、はじめまして!」
身長はみわよりも少し低い、155cmくらい。年の頃は12、3歳だろうか。一人は白いフリルがいっぱいついた
クラシックな黒のドレスに、夜を連想させるストレートのつややかな銀髪と青い瞳。そしてもう一人は、やはり
フリルのついた白のドレスに、柔らかな日差しのような軽いウェーブのかかった金髪。そして緑の瞳。
対照的な容姿でありながら、いや対照的であるがゆえに、人工的な創造物めいたムードを漂わせる双子だった。
彼女たちの頭には、蝶の模様のサークレットがおそろいで輝いている。

82:てふてふちゃんぷるう
07/05/29 21:09:30 BKkKH7f50
予想もしていなかった歓迎にみわは驚いたが、この二人こそ鱗太郎と、2年前に自殺した前妻・クロエの間に
生まれた子供であるに違いないと確信した。子供がいることは知っていたけど、でも、こんなに大きい、
しかも双子の女の子だったなんて! 鱗太郎とクロエが結婚したのは15年前だから、確かに計算は合うけど・・・。
九条鱗太郎の父、九条穣太郎はフランス人の妻をめとったため、鱗太郎はハーフである。そして鱗太郎の妻
クロエはルーマニアの生まれなので、この双子は日本国籍を持ってはいても、3/4は西欧人ということになる。
表情に乏しい整った美貌に、色つやのよいピンクの唇が、年に似合わぬ色っぽさをかもし出している。みわは
この双子を、どことなく「恋月姫」という人形作家が作る、色っぽい少女人形のようだと感じた。
双子は手袋に覆われた手をつないだまま、前をスタスタと歩んでゆく。遅れないよう急いで後を追ったみわが
ダイニングルームに入ると、執事らしい40代の男がようやく現われて、みわのショールとポーチを受け取った。
「パパ。みわさんを連れて来たわ。」双子が同時に同じセリフを喋った。
九条鱗太郎は既にダイニングテーブルについていたが、みわを見ると立ち上がり、両手をあげて彼女を歓迎した。
「やあ、みわさん。よく来てくれたね。この二人はぼくの娘たち。こちらが“たては”で、こちらが“あげは”。
もう挨拶は済ませたのかな?」
双子があらためて、みわに無言で深く会釈した。銀髪が長女の九条たては、金髪が次女の九条あげは、という
名前らしい。挨拶が終わると、そのまま双子はどこかに立ち去った。
「蓼沢(たでさわ)。料理はすぐにできますか。」
「申し訳ございません旦那さま。今日に限って食材の配達が遅れておりまして、あと30分ほどお待ちを。」
執事が申し訳なさそうに鱗太郎に告げた。みわはあわてて手を横に振った。
「わ、わたしならまだお腹すいてません。まだまだ大丈夫です。」
「そうか。なら、準備ができるまでの間、ぼくのとっておきをお見せすることにしよう。さあ!」
鱗太郎はみわの手を取って、再び玄関の方へと促した。

83:てふてふちゃんぷるう
07/05/29 21:10:21 BKkKH7f50
温室の中は、ムッとするような熱気と強烈な草いきれで充満していた。
「すごいですね。こんな広い温室・・・植物園にあるのだって、こんなに立派じゃないわ。」
背の高い熱帯性植物の間を歩みながら、みわは驚きの叫びを上げた。九条鱗太郎が屋敷のそばに建てた温室は
幅20m、奥行き80m。屋根の高さ8.5mという、鉄骨造りの本格的なものであったからだ。
「趣味と実益を兼ねたものだ。最近は“熱帯蝶の生態”をライフワークにしていてね。」
「まあ、じゃあここは、蝶を飼うための温室なんですか?・・・・・あ痛ッ!」
支柱に何気なく手を当てたみわは、鋭い痛みを指に感じて手を引っ込めた。
「どうしました!? ・・・あッ。こんなところに有刺鋲がまだ! すまない。すっかり取り払ったつもりだったん
だが。工事作業員が忘れていったようだな。」
鱗太郎はあわててハンカチを取り出して、指先から出血したみわの右手を包んだ。
「確か除菌ティッシュがまだあるはずだ。これで消毒しておこう。」
「・・・い、いえ。たいしたことはありません。お構いなく・・・ああッ!?」
鱗太郎がみわの血を止めようと、指先に唇を当ててそっと血を吸った。みわは思わずドギマギして、反射的に
あたりを見渡した。誰かにこの姿を見られてはいないかと気にするように。
温室の中には水銀灯がたくさん灯っているが、春の黄昏が迫って外がすっかり暗くなっているため、背の高い
植物が夕焼けの名残りの空に黒いシルエットのように浮かび上がって、幻想的なムードを漂わせている。
時折、バサササッ!という奇妙な音が響くほかは、ヒーターが発するジーーーンという音しか聞こえない。
自分の指を吸う鱗太郎の呼吸を間近に感じて、みわは、鼓動がいたたまれないほどに狂おしく高まるのを感じた。
「さあ、これでいいだろう。」
除菌ティッシュを器用にみわの指に巻き、軽く縛ると、鱗太郎は彼女のそばを離れた。みわの手が無意識に、
鱗太郎の背中を残念そうに追う。鱗太郎は振り替えると、まだ熱に浮かされたように呆然となっているみわを
促して、目の細かい金網で仕切られた一角へと導いた。2m角ほどの間隔を空けて、金網で区切られた立方体の
スペースが幾つも並んでいる。
「ほら、みわさん。ここが、あなたにぜひともお見せしたかった、ぼくの宝物のコーナーだ。」

84:てふてふちゃんぷるう
07/05/29 21:10:59 BKkKH7f50
子供のような悪戯っぽい笑みを浮かべて、鱗太郎はみわの視線を金網の向こうに誘導した。
「ほら、あのシダの葉の陰に。」
「・・・まあ!!」
みわは思わず息を飲んだ。昨日、鱗太郎の研究室で標本を見せてもらった、眼状紋を持ったモルフォチョウの
生きた現物が、そこにいたからだ。
「照明を落としてあるから大丈夫だろうが、極力、翅をじっと見つめないようになさい。人間ですら、油断すると
幻惑されてしまうことがあるからね。」
巨大なシダの向こう側、熱帯性の木の幹にとまったその艶やかな蝶は、じっと動かないため最初はただの標本で
あるかのように思えたが、よく見ると時折、翅を動かすのが確認できる。明らかに生きている標本なのだ。
その後翅には、まぶたやまつ毛を備えた、人間の女性の眼に酷似した眼状紋がはっきりと見てとれる。
しかも驚いたことにその眼状紋は、本物の人間の眼のように、時折“まばたき”をしているではないか。
そのまばたきを見ているうちに、みわは、フッと魂が抜かれていくかのような奇妙な感覚を覚えた。自分が
今いる場所を忘れて、いずことも知れぬ場所にいざなわれてゆくような、甘美な恐怖感と陶酔感を。
鱗太郎が、手のひらでみわの視線をさえぎった。
「大丈夫かね?気分がすぐれないようなら、また今度にしようか?」
「・・・いえ大丈夫です。これからは気をつけます!」
みわはハッと正気を取り戻し、あわてて鱗太郎を制止した。
「この蝶の仲間は、脊椎動物に寄生するという特異な生態を持っている。この眼状紋は、そのために進化した
特殊な器官なんだ。」
「・・・寄生、ですか?」

85:てふてふちゃんぷるう
07/05/29 21:12:03 BKkKH7f50
「君は寄生バチというのを知っているかね。麻酔針で芋虫やセミを麻痺させて巣の中に引きずり込み、卵を
産みつける蜂の仲間だ。卵から孵った幼虫は麻痺した獲物を殺さないように、少しずつ食べて成長するんだ。
昆虫の中で最も進化したグループである、蜂や蟻などの膜翅目と、蝶や蛾などの鱗翅目には、このように
他の昆虫に寄生するものがいる。例えば蛾の仲間には、セミに寄生するヤドリガという種類があるね。
だがこの蝶は、それらとは少し違う。昆虫ではなく、ネズミのような小型の脊椎動物に寄生するんだ。
この眼状紋で獲物を幻惑し、麻痺効果のある鱗粉で獲物の神経を麻痺させて、その体内に卵を産みつけるんだ。
卵を産みつけられたネズミは麻痺が解けると、そのまま何もなかったかのように生活を続けるが、その体内では
幼虫が宿主の体液を吸って少しずつ育っている。そしてある日突然、宿主の身体を食い破って羽化するのさ。」
「・・・怖い。」みわは、少し寒気を感じて肩をすくめた。
「この蝶のいちばん驚くべき点は、寄生中の幼虫が宿主を弱らせるどころか、その身体を守るために宿主の体を
強化するという事実にある。寄生されることで、宿主は寄生されていない個体に比べて、格段に強靱な体を得る
ことになるんだ。その方が、寄生体が生き残るのに都合がいいからだろうね。」
鱗太郎は、話をしながらみわの顔をチラリ、チラリと覗き見る。
「もちろん、寄生体が宿主を守るために様々な化学物質を分泌するというケースは一般にもよく知られている。
寄生虫が体内にいる人は、花粉症やアトピーなどのアレルギー症状を起こさないと言われるのもそのひとつだ。
だがこの蝶の幼虫はね、そのレベルが一段違うのさ。例えばほら、こちらの蝶を見てごらん?」
鱗太郎がみわを導いたスペースの中には、やはり眼状紋を持つ別種のモルフォ蝶がいた。

86:てふてふちゃんぷるう
07/05/29 21:12:32 BKkKH7f50
「これはギリラ・ムタティアギガンタムと呼ばれる種類だ。学名は“巨人に変えてしまう”という意味で、
この蝶の幼虫に寄生された個体は、通常の個体の数十倍の体重に巨大化することが知られている。寄生体が、
宿主の脳下垂体ホルモンの分泌異常を引き起こしているのさ。記録によれば、体重20グラムのマウスに
この蝶の幼虫を寄生させたところ、800グラムにまで巨大化したとの報告がある。もはやバケモノさ。
もちろん人間には寄生しないが、もしもこいつが人間を襲うようなことがあったら、身長十数mの巨人にでも
なってしまうかも知れないね。」
鱗太郎は、顔面蒼白になったみわの顔を、悪戯小僧のような笑みを浮かべて覗き込んだ。明らかに、みわの
反応を見て楽しんでいるのだ。
「そしてみわくん! これがぼくが先日アマゾンから持ち帰った、ぼくの最大の宝物だ。いいかい。絶対、直接に
目を合わせちゃいけないよ。指のすき間から、そっと見るだけにした方がいい。さあ、こちらのスペースだ!」
鱗太郎がみわを導いたそのスペースには、今までの蝶よりもふた回りほど大きい、翅の差し渡し20cmほどの
巨大なモルフォ蝶がいた。水銀灯の冷たい光に照らされて、玉虫色に輝くその翅は、もはや青や緑などといった
人間の言葉では形容できないほどの、幻想的でこの世のものならぬ輝きを放っている。そして蠱惑的な秋波を
周囲に向かって投げかけている後翅の眼状紋も、それまでの蝶に比べてひときわ大きく、目立つものであった。
それはまさに、人間の美女のまなざしそのものであった。
「この蝶は、ギリラ・ハルキオゲネスプテラ。ギリラ属の最大種だ。幻覚を引き起こす翅、という意味で、
その死骸の翅だけでも人間に対して強烈な幻覚作用を引き起こし、また鱗粉が一種の麻酔作用を持つために、
現地のシャーマンたちが宗教的な儀式に使用しているという特異な蝶さ。だがこいつの生きた標本はこれまでに、
まだ一例も報告が無い。きみの目の前のこの一頭が、世界でたったひとつの貴重な生態標本なんだ。」
鱗太郎はそう自慢しながら晴れやかに笑った。

87:てふてふちゃんぷるう
07/05/29 21:13:15 BKkKH7f50
「この蝶の幼虫に寄生されると、驚くべきことに宿主は“不死身”になる。不死身というのはちょっと大げさだが、
驚異的な体力と運動能力、そして肉体の再生能力を獲得するんだ。ぼくは現地で、この幼虫に寄生されている
ノネズミを捕らえ、メスで手足を八つ裂きに切り裂いても、元通りに再生するのを実際に見た。そのネズミは結局、
特殊合金製の檻を食い破って脱走したよ。宇宙船の材料にも使われる、チタン合金製の檻だったんだがね。
現地の人々は、この蝶の幼虫である寄生体を“バオー”と呼んで、不老不死の霊薬、死者をも蘇らせる力を
持った究極の霊薬として崇めている。彼らの神話には、寄生虫バオーを宿した人間が悪魔を打ち倒し、人間の
世界に光をもたらしたという物語がある。彼らが言うようにもしも人間に寄生するようなことがあれば、確かに
スーパーマンが生まれるだろう。だが本当に人間に寄生するようなことがあるのかどうかは、まだわからない。
何しろ文明世界の人間で、この蝶を見たことのある者はまだ一握りしかいない。日本人ではまだ、ぼくと、
きみの二人だけだ。さあ、怖がらずに見てごらん。」
みわは、鱗太郎の言葉におののきながらも、指のすき間からこわごわと蝶を見つめた。そして息が止まった。
「・・・・!」
その巨大な蝶の後翅の蠱惑的なまなざしと、目が合ってしまったのだ。

88:てふてふちゃんぷるう
07/05/29 21:13:30 BKkKH7f50
蝶の眼は、みわの視線を捉え、動けなくした。そして無数の眼の幻影が、いたるところからみわを目がけて
集まってきた。やがて眼の模様は溶けるように解体し、今度は赤や黄色の幾何学模様となってみわを中心に
渦巻き状にグルグルと回り始めた。みわの意識は、その渦巻きの底に向かってどんどん吸い込まれていった。
足元の床が崩れ、みわは突然何もない中空に投げ出された。今自分がどこにいるのか、何をしているのか、
何もわからなくなってきた。
やがて目の前の巨大なまなざしが、みわの意識に向かって静かに、だが威圧的に語りかけてきた。
《・・・アナタ・・・アナタハ・・・ウマレカワルワ・・・チョウニ・・・チョウニ ナルノヨ!》
一瞬。みわの脳裏に、目の前の蝶の翅を持った全裸の自分のイメージが、フラッシュのように激しく閃いた。
「危ない!」
膝が崩れて倒れそうになったみわを、思わず鱗太郎が支え起こした。意識を取り戻したみわが、荒く呼吸をする。
「大丈夫かい? 意識はなんともないかね? 何か変わったことはなかったかい?」
「・・・わたし・・・何かの声を聞きました。それに、不思議なイメージも。でも、もう、思い出せない。」
「・・・それは、未来のイメージかも知れない。現地のシャーマンたちはこの蝶の翅を使って未来予知をする
というからね。でも、未来のことなど知らないほうがいい。忘れてしまったのなら、その方がきっと幸せだ。」
みわは、鱗太郎に支えられてフラフラと立ち上がった。まだ足元がおぼつかない。
「もうそろそろ屋敷に戻ろう。食事の用意もできているはずだ。」

89:てふてふちゃんぷるう
07/05/29 21:13:50 BKkKH7f50
鱗太郎は顔面蒼白のみわの身体を支えながら、熱気のこもった温室を離れ、入り口前のベンチにみわを座らせて
ゆっくりとひと息つかせた。熱気に包まれた温室を出たこともあって、春のひんやりとした空気が、みわの
乱れた意識を徐々に落ち着かせていった。
「・・・すみません、先生。」
「こちらこそ悪かった。初めての人には、ちょっと刺激が強すぎたようだね。」
呼吸を整えながらも、みわはさっき見た蝶の翅の眼状紋のイメージが、脳裏にはっきりとこびり付いているのを
自覚していた。一度あれを見てしまった以上、もう後戻りはできないのだということも。


九条家のディナーは、舌平目をメインにした豪華なフランス料理であった。みわと鱗太郎は、ダイニングルームの
大きなテーブルの両端に座って、ボーイが給仕する料理を無言のままに食べた。料理は素晴らしい味だったが、
二人とも、話すべき言葉がなかなか見つからなかったのだ。それに夕食だというのに、なぜか双子が姿を見せない。
「・・・あのぉ、先生? たてはさんと、あげはさんは、一緒に食事をされないんですか?」
「ああ。あの二人はぼくのことが嫌いでね。食事はいつも別々にとるんだ。」
「嫌い・・なんですか? ・・・親子なのに?」
「嫌いと言うより、憎んでいると言うべきかな。二人は妻の自殺を、ぼくのせいだと思っているんだ。ぼくが、
研究に没頭するあまり妻のことをかまってやらなかったせいで、淋しさのあまり自殺したんだと。」
みわはまずいことを聞いてしまったと思い、食事の手を止めた。鱗太郎がそれに気付いて優しい口調で諭す。
「きみは気にしなくてもいいんだよ。妻はぼくのことを愛していたし、ぼくも妻のことを今も愛している。
あの子たちも、いつかはそれをわかってくれるはずだ。それまでは、気長に待つしかない。」
その言葉に、みわはさらに意気消沈してしまった。みわは無言のまま、ナイフとフォークを皿の上に置いた。

90:てふてふちゃんぷるう
07/05/29 21:14:19 BKkKH7f50
   ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

「はいもしもし。桧山です。」
「・・・なっちん! なっちんッ!」
「なんなの、みわ? 何? 何があったの?」
「わたし・・・わたし・・・わたし・・・ウッウッ・・・ウワァアアーーッ!!」
「なによ、泣いてばかりじゃわからないわ。落ち着いて、ねえ。落ち着いて、最初からちゃんと話して。
いったい何があったの? こらあ、泣いてたらわからないでしょ? いいから落ち着きなさい。ほら!」

「・・・ふうん。そんなことを言ったんだ、教授。」
「・・・わたしね。わたしね。亡くなった奥様の代わりになれるかもだなんて、そんなこと考えもしなかったよ。
ただね。わたしにできることで、先生を少しでも慰めてあげることができたらなって、ただそれだけだったの。」
「それで、そんな隙き間すら教授の心には無いとわかって、落ち込んでるわけか。」
「ごめんね。ごめんね、なっちん。」
「でもね、みわ。教授はあんたがやって来て、喜んでたんでしょ? あんたに、とっておきのコレクションを
見せてくれるほど、歓迎してたんでしょ? なら、今はそれで充分じゃない。今のあんたの存在は、教授に
とって決してマイナスじゃあない。むしろプラスなのよ。そこから少しずつ、教授の中にあなたの居場所を
作ってゆけるよう、努力していけばいいのよ。」
「うん。そうだね。その通りだよ。ありがとう、なっちん。いつも相談に乗ってくれて、ありがと。」
「よしてよ、水くさい。・・・でもあんたがオジサマ趣味だったなんて、兄貴が聞いたらショックだろうなぁ。
あいつ、ホントはあんたのこと狙ってたのよ。ま、こちらはからかうネタが増えて面白いんだけどさ。」


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