08/02/01 09:03:37 poOToavM0
そんな、殺伐としたスレに救世主が!
「と言うわけで、時空管理局から派遣されて来た教導官の高町なのは二尉です(もぐもぐ)」
……羊羹マン喰ってる……
「ビシバシしごくので、死んだ気になってYOKEYAGARE!! なの。
さぁ、私の全力全壊!! スターライト・ブレイカー!!!」
662:Survivor's guilt 1/3
08/02/05 00:43:43 cooqvGx20
故郷を失い、新たな居場所を失い、愛する人々も失って。
それでも地球を護ろうとした兄さんは、亡くすことが怖くなかったんでしょうか?
自分と関わることで亡くしてしまうと、逃げ出したいと思ったことがなかったんでしょうか?
呟くようなアストラの声に、キングは髭をさすりながら顔を上げた。
目の前で岩に腰掛けて俯く獅子座の元王子の表情は、暗く淀んでいるようにも見える。
ふむ、と小さく唸り、キングはゆっくりと呟きを返した。
「失うことよりも、護ることを選んだ、といううのは理由にならんかの?ワシの推測だがな」
「…いえ、兄さんらしいです」
「暗い顔する事なかろうに。お前の考えとった理由とは違ったか?」
「そんなことないです。僕も、兄さんなら、辛くても護り通すことを選ぶと…思ってます」
言葉とは裏腹に暗いままの表情に、キングは息を一つ吐いて、アストラに向き直った。
「アストラよ、ワシが憎いか?」
思いがけぬその言葉に、弾かれるようにアストラは顔を上げ、目の前のキングの顔を覗きこむ。
息を呑み、驚いた表情のまま、否定の意で必死に首を振る。
「どうして、貴方は僕の命の恩人です。僕を助けてくれた人です…そんな貴方を、憎いなんて思うはずがありません!」
「しかし、ワシはお前の、そして兄の故郷を助けることは出来なかった。憎くはないか?何故助けなかったとは思わんか?」
663:Survivor's guilt 2/3
08/02/05 00:45:11 cooqvGx20
次々に語られる言葉に、必死に首を振り、アストラはただ否定を続ける。
膝の上、ぎゅっと握る手が微かに震え、所在無い様は、まるで心を映しているようであった。
助けられたことに感謝こそすれど、何故憎みなどするだろうか。
故郷の滅亡と命の恩人とはまた別の問題だ。そう伝えたいのに、上手く言葉にならない。
「…ちと意地悪が過ぎたかの」
済まんな、と柔らかい声で告げ、先程までの険が嘘のように、穏やかな口調でキングは語った。
「生き残った事を悔いることは容易い。だが、レオはそれよりも、地球を護り抜くことを選んだ
地球人にとって、ウルトラマンは神ではない。それは、光の国で伝説と呼ばれるワシが神ではないのと同じように。
…失ったからこそ、一欠けらの命でも取りこぼしたくないのじゃよ、きっと」
首を振ったまま俯いていたアストラの頭を、ぽん、と軽く撫でて、諭すように語る。
先程アストラが語った思いは、兄の話を借りてはいるが、彼自身の思いに他ならなかった。
ウルトラ兄弟の一員となった今も、M78星に定住することはなく、風来坊を続ける男。
再び故郷を持てば、またそれも失ってしまうのではないか、と。
その姿を利用され、兄とウルトラ兄弟が仲違いをした時に、
己と関わることは亡くすことに繋がるのではないかと、そう考えたのではなかろうか。
生存者の罪悪に苛まれ続けたアストラにとってもまた、兄の使命、そして兄の願いは、
レオが護り続けた地球の人々と同じように、大きな希望であったのだろう。
「アストラよ、お前は今どうしたい?お前が囚われの身になり、責め苦を受けても尚、死を選ばなかったのは何故だ?」
辛酸を舐めても、這い蹲ってでも、生きる事を選んだ理由。
664:Survivor's guilt 3/3
08/02/05 00:46:25 cooqvGx20
始めは、もう一度兄に会いたかった。ただそれだけだったのだろう。
だが、兄が護り抜こうとするものを目の当たりにしたとき、そこに新たな理由が加わったように思える。
もう二度と、自分たちと同じような悲劇を繰り返さぬ為に。
故郷を失い、愛する人々を失う悲しみを、少しでも失くす為に。
兄の勇気が、兄の優しさが、地球という星を救おうとしたように。
新たな定住の地を見つけることは未だできないが、それでも、己の手でできることがあるのなら。
「過去は誰にも変えられん。しかし、過去を受けてこれからの己の生き方を変えることは出来る」
キングの声に引っ張られるように、アストラはゆっくりと顔を上げる。
光に照らされたその顔には、先程までの暗い影やためらいは残っていなかった。
その表情に安堵したように、キングはゆっくりと頷いた。
「…すいません。ご迷惑をおかけしました」
「何、答えはとうに出てるのじゃろう?」
己の謝罪すら見通していたように軽く笑うキングの声に、アストラは少し罰の悪い顔で返す。
その顔も気にしないかのように笑って、キングはマントを翻すと、黒く陰る銀河系の太陽へと、その指を差した。
「行くが良い、お前の兄の元に。地球へ光を取り戻すために、ウルトラの戦士たちの元へと」
「はい!」
飛び上がった赤い姿は、見る見るうちに遠ざかり、黒点覆う太陽へと飛んでいった。
皇帝を名乗る星人の侵略により危機に瀕している地球を助ける為に。
せめてこの手の届くところには、自分達と同じ悲しみを降りかからせてなるものかと。
665:名無しより愛をこめて
08/02/05 08:56:34 FNIcOhRY0
久々に良い物を読んだ
666:名無しより愛をこめて
08/02/07 20:15:14 9BsS948a0
>>662->>664
GJ、ウルトラマンメビウスの最終回での、
アストラの登場の背景を掘り下げたものですね。
667:名無しより愛をこめて
08/02/19 00:49:17 ks2IrIoX0
自演しても駄目でした。
668:名無しより愛をこめて
08/02/20 05:43:59 EKjKAx42O
下がりすぎあげ
669:80の帰還1/2
08/02/27 21:34:58 0ynemABr0
北風が吹く中、半壊状態の家から出勤してきた80は、目の前に広がる光景に立ち尽くした。
80「・・・・・学校が、無い」
エンペラ星人やアークボガール騒動で地球を長い事空けなくてはならなかった80。
ずっと夜古学園や、超獣たち、そして大事な生徒達の事を気にし続け、遂に戻ってきたのだが
彼が見たのはだだっ広い荒地と、砂に半分埋もれた皇帝ロボの姿だった。
80「だれか、誰かいないのか!?」
超獣宿舎、オイルたちのアパート、バー「アングラモン」―
あちこち探し回ったが、超獣たちの姿はどこにもなかった。まさか、皆異次元に
帰ってしまったのだろうか。
途方にくれ、公園のベンチに座っていると懐かしい声が聞こえてきた。
「全く、教頭を置いてけぼりにするとは!」
「誰も気づかなかったんスか?」
「あの人、存在感無いからねぇ。自己主張は多いけど、空気だし」
「バリバリ、ボリボリ(この餃子、美味しいなぁ)」
80「ブー先生、オイル、改サボ、改ベロ!!」
ブー先生たちはギョッとした顔で80を見た。そして―
猛スピードで逃げ出した。途中でオイルはすっ転んだ。
670:80の帰還2/2
08/02/27 21:37:15 0ynemABr0
ジタバタもがくオイルを捕まえた80。
80「オイルドリンカー!学園はどこに行ったんだ!?」
オイル「アナタ誰デスカ、私オイル違ウネ、人違イネ!」
80「オイル!!」
オイル「お帰りなさい、矢的先生」
公園のベンチに戻った80は、オイルから事情を聞いた。オイルの呼びかけで、
一旦は逃げ去ったブー先生たちも戻ってきた。
オイル「いやね、またヤプール様が気まぐれ起こして。これからは宇宙時代だって」
80「う、宇宙時代!?」
ブー先生「別の星に学園を移転したんだ。通学には異次元列車を利用してる」
改サボ「地球も何かと居心地悪くなっていたし、丁度良かったよ」
80「別の惑星って・・・メイツ星とか?」
ブー先生「いや。惑星ボリスって星」
80「惑星ボリス・・・・・・・・?」
オイル「良い星だよ。ちょっと怪獣が多いけど。ドラゴリーなんか大喜びだし」
事情を飲み込めた80。だが、一言ぐらい教えてくれても良かったのでは?
ブー先生「・・・・・アストラ先生や料理長から、聞いてなかったのか?」
日が山の向こうに沈んでいく。ウルトラマン80こと矢的猛は、元夜古学園の
跡地に皇帝ロボ、そして連れ戻しに戻ったにも関わらず、また置いてけぼりにされた
コオクス教頭と一緒に膝を抱えて眺めていた―
671:名無しより愛をこめて
08/02/28 00:23:57 JA6fYiEH0
ふーん。
672:名無しより愛をこめて
08/02/28 07:06:24 D1KxxgDgO
拾い上げた桜の花びらを手に、へたり込む教頭先生…
673:名無しより愛をこめて
08/02/28 21:27:47 yO9PNUMQ0
終焉
674:名無しより愛をこめて
08/02/28 21:33:30 oNtSP5O80
兄弟たち80に冷たすぎwつかもうコオクスと同列の扱いなのかw
675:名無しより愛をこめて
08/03/02 12:11:00 dBmf1cpsO
>>671>>673
自演乙
こういうことして人生空しくならないの?
676:名無しより愛をこめて
08/03/05 23:12:55 vaoEvLcW0
作品スルーされたからって自演するなよ。
677:名無しより愛をこめて
08/03/09 14:13:03 mPzHuzF10
素直に面白かった。でも「完」って文字がみえたような。
678:ありがとう
08/03/09 22:01:07 UoKQQp8+0
ありがとう。
ありがとう、は大事な言葉。魔法のように人に幸せを運ぶ言葉。
地球に来て、はじめて僕が貰った言葉。
意味も分からず、初めて口にした地球の言葉。
死を覚悟した時、大切な人に告げた言葉。
あの1年で、何回もありがとうと僕は言葉を口にした。
僕も多くの、ありがとうと言葉をかけて貰った。
「ミライーッッ!!! ありがとうぅぅ!!!」
最後に交わした言葉も。
ありがとう。
いつかまた、ありがとう…と言葉を交わせる日まで。
3月9日ありがとうの日(サンキュー/3・9の語呂合わせ)
また、ありがとうと言い合っている姿が見られるといいです。
インスパイアした言葉↓
「ありがとうは…は魔法の言葉。唱えると幸せの神様がやってくる」by杉浦太陽
679:名無しより愛をこめて
08/03/11 22:09:32 egfRvZ/B0
孕ませウルトラマン。
680:名無しより愛をこめて
08/03/15 16:24:33 MevWh3yVO
680
681:名無しより愛をこめて
08/03/15 19:04:03 lpBpFnIQ0
>>680
神栗、乙