07/05/29 23:06:12 I1usHLMT0
>>420
マジレスしますと、’70年代末に“子供向け”の一言で片づけられていた
アニメや特撮ヒーローものを“大人が見ても良い作品”として再評価する
動きが出版界を中心におこったとき、『ゴジラ』(第1作)や『セブン』の
実相寺作品、『帰マン』の“11月の傑作群”など、テーマや演出に純粋な
児童向け作品とは一線を引いた作品を取り上げ、「子供向けと思われている
怪獣ものにもこんな大人びた作品がありますよ」という論調で理論武装の
ようなものが行われました。
それはそれで効果はあったのですが、怪獣とヒーロー&防衛組織との戦いに
主眼を置いた直球のような作品の評価が後回しにされてしまったという副作用
も生じたのです。
『帰マン』5,6話は、上層部とMATとの対立という重い主題も含んでいますが、
全体的には強力怪獣に苦戦するウルトラマンとMATがどう戦うかに主眼を
置いた正統派の作品です。そのため、前述のような潮流の中で、傑作として
取り上げられる機会が少なかったのです。
郷とMATと坂田家との関係をフルに駆使しながら、二大怪獣による東京の
危機を劇場映画並のスケールで描いた力作であると同時に、基本設定を
生かした『帰ってきたウルトラマン』を代表する傑作と思うのですが。
追伸:上記の特撮ヒーロー再評価における傾向は、当時としては当然の
選択だったと思うので、当時の特撮ライターの皆さんを批判する意図は
ありません。