仮面ライダーバトルロワイアル Part3at SFX
仮面ライダーバトルロワイアル Part3 - 暇つぶし2ch2:名無しより愛をこめて
07/03/16 02:29:16 801nsaR30
――不幸にして幸運なる参加者達をここに記す。

【555】4/5
○乾巧/○草加雅人/●園田真理/○影山冴子/○北崎
【カブト】5/5
○天道総司/○加賀美新/○日下部ひより/○矢車想/○神代剣
【ブレイド】3/5
●剣崎一真/○橘朔也/○上条睦月/○キング/●伊坂
【龍騎】4/5
○城戸真司/○秋山蓮/○北岡秀一/○浅倉威/●佐野満
【アギト】5/5
○津上翔一/○氷川誠/○小沢澄子○/木野薫○/水のエル
【RX】5/5
○南光太郎/○霞のジョー/○シャドームーン/○グランザイラス/○ジャーク将軍
【響鬼】3/5
○日高仁志/●佐伯栄/●財津原蔵王丸/○安達明日夢/○天美あきら
【ZO&J】5/5
○麻生勝/○瀬川耕司/○望月博士/○ガライ/○ドラス
【ストロンガー】2/5
○城茂/●岬ユリ子/●立花藤兵衛/○ジェネラルシャドウ/●マシーン大元帥
【V3】4/5
○風見志郎/○結城丈二/●珠純子/○ドクトルG/○ヨロイ元帥
【ジョーカー】
○相川始/○リュウガ

残り――42名


3:名無しより愛をこめて
07/03/16 02:30:29 801nsaR30
ルールは唯一にして絶対――自分以外は全て敵である。皆殺しにしろ。

【能力の制限について】
超人的なプレイヤーは能力を制限される。 また、超技術の武器についても同様である。
※体術や技術、身体的な能力について:原作でどんなに強くても、現実のスペシャリストレベルまで能力を落とす。
※魔法や超能力等の超常的な能力と超技術の武器について:効果や破壊力を対個人兵器のレベルまで落とす。
不死身もしくはそれに類する能力について:不死身→致命傷を受けにくい、超回復→高い治癒能力
変身制限時間は10分。解除後2時間変身不可。(オルフェノク・上級アンデッドを含む)
トレーラー以外の乗り物は全て使用不可。一般の車などは可。
リモートによる復活は10分のみ。その後カードに戻る。
ディスクアニマルの活動範囲は半径100mまで。
契約モンスターの活動時間は1分。その後2時間は使用不可。
神崎の目的は優勝者の命を捧げての妹の復活(描写あると良いかも)
首輪により能力が制限(別記参照)されている。
変身アイテムの支給は本人以外不可。物理的に可能ならば、一般人が既存の変身アイテムを使うことは可能
(例/明日夢がカイザ等)

【首輪と禁止エリア】
参加者は全員、神崎によって首輪を取り付けられている。
首輪の爆弾が発動すると、その参加者は死ぬ。
この首輪は参加者の生死を常に判断し、神崎に参加者の生死と現在位置のデータを送っている。
また、参加者には説明されないが、実は盗聴機能があり音声・会話は全て筒抜けである。
首輪が爆発するのは、以下の条件の時である。
・定期放送で指定した禁止エリア内に、参加者が入ったとき。(首輪が自動で爆発)
・首輪を無理やり取り外そうとしたとき。(〃)
・一週間で、一人も死者が出なかったとき。(全員の首輪が一斉に自動で爆発)
・参加者が、神崎に不利益な行動をとろうとしたとき(神崎本人がスイッチを押すことで、手動の爆発が可能)

【放送】
放送は6時間ごとに行われる。
放送内容は「禁止エリアの場所と指定される時間」「過去6時間に死んだキャラ名」「残りの人数」 禁止エリアは一度の放送で3区画ずつ(2時間ごとに1区画ずつ)増えていく。


4:名無しより愛をこめて
07/03/16 02:33:45 801nsaR30
――これは、物語を記す者の為のルールである。

・予約(仮)
 キャラ被りを防ぐため、自分の書きたいキャラクターを予約することができます。
期間:予約当日から1週間。予約期間後は、他の人が投下してもOKです。
途中報告:2~3日目に1回と、5~6日目にもう1回、進行を報告してください。
予約しなくても投下することはできますが、その際は他に予約している人がいないか十分に確認してから投下しましょう。
また、ひとりリレーを防ぐため、投下した書き手は投下終了から二十四時間一切予約禁止、
投下作品に出たキャラは更に百二十時間禁止
・トリップ
 投下後、作品に対しての議論や修正要求等が起こる場合があります。
 書き手は必ずトリップをつけてください。
・投下宣言
 投稿段階で被るのを防ぐため、投稿する前には必ず議論スレで 「投下します」 と宣言をして下さい。
  いったんリロードし、誰かと被っていないか確認することも忘れずに。
・キャラクターの参加時間軸
 このロワでは登場キャラクターがいつの時点から召集されたかは「そのキャラクターを最初に書いた人」にゆだねられます。
 最初に書く人は必ず時間軸をステータスにて明言してください。ステータスについては下記。
・ステータス
 投下の最後にその話しに登場したキャラクターの状態・持ち物・行動指針などを表すステータスを書いてください。
 テンプレは↓

【キャラクター名】
【○○日目 現時刻】
【現在地】
[時間軸]:ここはキャラの登場時間軸。できるだけわかりやすく
[状態]:(ダメージの具合・動揺、激怒等精神的なこともここ)
[装備]:(武器・あるいは防具として扱えるものはここ)
[道具]:(ランタンやパソコン、治療道具・食料といった武器ではないが便利なものはここ)
[思考・状況](ゲームを脱出・ゲームに乗る・○○を殺す・○○を探す・○○と合流など。
 複数可、書くときは優先順位の高い順に)

5:名無しより愛をこめて
07/03/16 02:36:06 801nsaR30
最後に、このスレについての基本的なルールを告げる。

第1条/キャラの死、扱いは皆平等
第2条/リアルタイムで書きながら投下しない
第3条/これまでの流れをしっかり頭に叩き込んでから続きを書く
第4条/日本語は正しく使う。文法や用法がひどすぎる場合NG。
第5条/前後と矛盾した話をかかない
第6条/他人の名を騙らない
第7条/レッテル貼り、決め付けはほどほどに(問題作の擁護=作者)など
第8条/総ツッコミには耳をかたむける。
第9条/上記を持ち出し大暴れしない。ネタスレではこれを参考にしない。
第10条/ガイドラインを悪用しないこと。
(第1条を盾に空気の読めない無意味な殺しをしたり、第7条を盾に自作自演をしないこと)

――以上だ。さあ、語るべき言葉を持つ者は書き連ね、持たぬ者は読み進めるがいい。
――それのみが、この冷酷な世界を動かす力なのだから。


6: ◆E1yyNEjdEc
07/03/16 02:42:48 801nsaR30
投下します。

7:壊れたもの、生まれたもの ◆E1yyNEjdEc
07/03/16 02:44:03 801nsaR30
 ピ~ン♪ポ~ン♪パ~ン♪ポ~ン♪
 突如、静寂を切り裂き、緊張感のない音が地を駆ける。
 メモに書いてあった提示放送というやつか。ガライは瞬時に理解し、眼を閉じ、耳を澄ます。
 死亡者、禁止エリア、優勝者の権利、放送された内容の全てを脳に刻み込む。やがて放送の全てが終わり、場に静寂が戻ると、ガライは眼を見開いた。
「ヨロイ元帥の名がない。壊れなかったということか」
 ガライは開始早々、拳を交えた生き物を思い出す。この星でいう甲殻類のような姿に身を変える生き物を。そして、自分に手傷を負わせた生き物を。
「下等な生き物の分際で」
 傷が疼く。常に静かな水面のようなガライの心に、僅かだが波紋が生じる。その波紋は怒り。
 ガライは踵を返すと、来た道を戻っていった。

 一方、件のヨロイ元帥はというと……
「ぐがー、ぐごー」
 大いびきをかいて、寝ていた。
「ああっ、うるさい。なんなのこの男、痛そうな顔して苦しんでたと思ったらこれなんて」
「仕方ないでしょ、小沢さん。小沢さんがその……股間なんて蹴るから、また気絶しちゃって。やっと落ち着いたんですから、我慢しましょうよ」
 数分までは痛みに顔を歪め、苦しんでいたヨロイ元帥だったが、痛みが治まると同時に今度は大いびきをかきはじめたのだった。
 正直、真司もこの大音量は勘弁して欲しかったが、ひとつだけ利点があった。
「でも、もう6人も死んじゃったんですね」
「そうね……」
 先程の放送を聞き、たった6時間で6人もの死者が出たショック。それが多少紛れることだった。
 真司は歯痒かった。市街地に行くことは自殺行為という小沢の言いたいことはわかる。
 だが、それでも、それでも誰かを救える可能性があるのなら行くべきではないだろうか。
「城戸くん、また市街地に行こうって考えてるでしょ。駄目よ、今はまだ戦力を集めるのが先決よ」
 城戸の考えを見抜いたのか、小沢は叱責する。その言葉に城戸の心は大きく揺れた。


8:壊れたもの、生まれたもの ◆E1yyNEjdEc
07/03/16 02:45:14 801nsaR30
「でも、だからといって、このままじゃ犠牲者が増える一方じゃないですか!」
 思わず感情的になり、大声を出してしまう。小沢の言っていることは理屈では正しい。正しいが、納得することができない。
「今のあなたが行ってもその犠牲者のひとりになるだけ。次の放送で自分の名前が流れることになるのよ!」
「………」
「………」
 沈黙。お互いにお互いの言い分はわかる。だが、だからこそ自分の考えを譲ることはできない。
「………」
「………」
 更に沈黙が続く。だが、沈黙を破るその声が状況を一転させた。
『みんなぁ! 殺し合いなんてもうやめてー!!』
「なんだこの声」
 最初は放送かと思った。だが、その声が語る内容を聞く内にそれが異なるものだと気付く。
 誰かが呼びかけてるんだ。戦いを止めようとする誰かが。
『私たちは力を合わせて、ここから脱出しなくちゃいけないんだよ!殺し合ったって帰れるわけが無いよ!
 そして何も力が無くて脅えている人!私もそうだった!でも、危ないとき何度も助けてくれた救世主がいる!
 私の夢を守ってくれた巧、ファイズがいる!私を助けてくれた麻生さん、仮面ライダーがいる!』

 仮面ライダー

 そうだ、俺は……

『仮面ライダーは……闇を切り裂いて、光をもたらす!こんな殺し合い、ぶっ壊してくれるから、脅えないで自分と戦って!』

 俺は……

『私たちにあるのは闇だけじゃない! 希望だっていっぱいある!だから、強く!正しく生きて!諦めないで!みんなぁーーー!!』

 誰かを守るために仮面ライダーになったんだ!


9:壊れたもの、生まれたもの ◆E1yyNEjdEc
07/03/16 02:46:35 801nsaR30

「小沢さん、やっぱり俺いきます」
「駄目よ、城戸くん。今行ったら……」
 
 パン!

 続いていた放送から、突然、女の子の声が途切れたかと思うと銃声のような音がする。
 もはや一刻の猶予もない。
「すいません、小沢さん」
 真司はそう言うと、女の子の声が聞こえる方向へと駆け出していった。
「待ちなさい!」
 小沢の制止の声はもう届いていなかった。
 あの子、馬鹿だわ。
 たぶん、ここからではいくら急いでも間に合わない。それにあの声を聞いて、集まるのが善人ばかりとは限らないのだ。むしろ集まってくるのは殺人者の方が多い。

 だけど……きっと……あの子の方が正しい。

 こんな状況だというのに、自分の身の危険より、他人の身を心配する。そうそうできることではない。
「仕方ないわね」
 小沢は荷物をまとめ始める。
「あの子のようなブレーキがない子には誰かが付いていないと」
 真司を追おう。そして、彼と一緒に生き残る。
 自分と真司が忘れていったふたつのディパックを携え、右腕にはマシンガンブレードを装着する。
 それにしても真司のディパックは重い。一体何が入っているのか、小沢は中身を確認する。
「これは」
 それは小沢には見覚えのあるものだった。これを利用すれば……
「ぐがー」
 相変わらず続くヨロイ元帥の大いびきに小沢の思考が中断される。
「いつまで寝てるのよ」
「ぐげっ」
 ヨロイ元帥の股間に、本日二度目となる蹴りが突き刺さった。


10:壊れたもの、生まれたもの ◆E1yyNEjdEc
07/03/16 02:49:39 801nsaR30

「おざ……わ、き、さま~!」
「はいはい、いつまでも痛がってないで行くわよ。それぐらい根性でなんとかしなさい」
 本当は放置しても良かったのだが、さすがにそれは目覚めが悪い。仕方なく連れていくことにする。
 小沢とヨロイ元帥は連れ立って廃屋を出た。だが、それと同時に突如、紐のようなものが小沢の足元へと絡みついた。
「なっ」
 凄まじい力でひっぱられ、小沢の身体が宙を舞う。そして、悲鳴を上げる間もなく、地面へと叩き付けられた。
「がっ!」
 全身に広がる鈍い痛み。一体何がと小沢は痛みを堪え、顔を上げる。そこには白の体色をしたコブラの怪人が立っていた。
「ア、アンノウン?」
「ふん、違ったか」
 コブラ怪人―ガライは小沢を一瞥すると、ヨロイ元帥へと視線を向ける。
「貴様は!」
「生きていたとは、この星の生き物にしては丈夫だな。だが、すぐに壊してやる。今度は粉々にしてな」
「ぬぅぅぅ」
 ヨロイ元帥は焦っていた。ガライには一度負けている。復讐して、雪辱を遂げたいところではあるが、傷も回復しておらず、盾となる城戸も小沢も手元にはいない。
 逃げるしかあるまい。だが、この状況で逃げられるか?
「壊れろ」
 ガライは剣を構え、こちらへと向かってくる。
「ウーラー!」
 気合一閃、赤い甲羅を持つザリガニの怪人へと姿を変え、その甲羅で剣を防ぐ。
「ヌッ」
 そして、そのまま剣を弾くと振り向きざまに右手の鋏を振るった。
「ウーラー!」
 だが、ガライはいつの間に装備したのか、左手に握った装甲声刃でその鋏を防ぐと、続けて、右手の剣でザリガーナの腹を切り裂く。
「ガァァ!」
 やはり強い。近接戦闘では勝ち目はない。だが、遠距離戦ではあの三叉の爪が。ええい、已むを得ん。
 ザリガーナはバックジャンプで間合いを取ると、背負っていた甲羅を外した。
「こうなったら奥の手だ。必殺、甲羅崩し!」
 掛け声と共にザリガーナは外した甲羅を足で割ると、それをガライへと投げつける。ガライはその行動に戸惑いながらも剣でひとつひとつを弾いていく。
「はっはっはっ、どうだ!どうだ!」


11:壊れたもの、生まれたもの ◆E1yyNEjdEc
07/03/16 02:51:18 801nsaR30
 一見、自棄になったようだが、ヨロイ元帥には考えがあった。痺れを切らし、ガライが三叉の爪を使った時を狙って、撤退する。
 三叉の爪を使うには一時的な溜めがあった。恐らく連発はできない。三叉の爪さえ避ければ、逃げ切れる。
 やがて甲羅が尽きる。ガライは両手に持った剣を投げ捨てると、右手の掌を掲げた。
 さあ、来い!

 ザシュ!

 今まで何度も聞いた刃が肉に突き刺さる独特の音がする。いつ聞いても心地よい音だ。
 だが、どこから聞こえてきたのだろうか?どこから??俺の身体から???
「あべべべっ!」
 ザリガーナの左胸には刃が深々と突き刺さっていた。それはヨロイ元帥が不要のものと捨てたマシンガンブレードのブレード部だった。
「ふぇ、ふぇいんとぉだとぉ」
 ガライは右手の掌をヨロイ元帥へと向けたと同時に、左手で回収したブレード部を投げたのだ。
 ふたつの剣を投げ捨てたのもブラフ。ヨロイ元帥の考えを読み取ったわけではない。だが、ガライは本能的にその壊し方を取ったのだ。
「馬鹿な、俺が!俺が!」
 既にザリガーナへの変身は解け、ヨロイ元帥の姿へと戻っていた。
 ガライは再びふたつの剣を拾うと止めを刺すべく、ヨロイ元帥へと迫る。
「首領!しゅりょう!たすけてくでぇ!」

 バラララッ!

 剣を振り上げたガライに無数の銃弾が降り注いだ。
「……女か」
 ガライが振り向くとそこにはガライとの距離を充分にとり、マシンガンブレードを構えた小沢がいた。
「やめなさい。例えそんな奴でも命乞いをしている奴を殺そうとするなんていい趣味とはいえないわ」
「ふん。ならばお前から壊すだけだ」


12:壊れたもの、生まれたもの ◆E1yyNEjdEc
07/03/16 02:52:29 801nsaR30
 弾を次々と放つ小沢だったが、ガライは攻撃を読みきっており、まったく当たらない。一度、受けた武器だ。その能力はもう把握している。
 ガライはじわじわと小沢との間合いを詰めていく。やがて、カチッ、カチッという音と共に弾が尽きた。
「くぅ、根性ないわね」 
 機械に根性もないと思うが、最後のあがきと言わんばかりにマシンガンブレードそのものを投げた。
 避けるまでもないということか、ガライは正面からそれを受ける。だが、それは小沢の狙い通りの行動だった。
「吹っ飛びなさい」
 小沢は力を振り絞り、思いっきりその場から飛んだ。

ドガン!

 途端、爆音と共に炎が舞い上がる。舞い上がった炎は辺り一面を焼き払い、廃屋は瓦礫と化した。
「はぁ、はぁ、やったわ。やっぱり気合と根性よね」
 真司の支給品は自分が開発したGX-05ケルベロス。一応当たりの部類に入る支給品だろうが、これを使ったときに受ける反動はとても普通の人間が耐えられるものではない。
 だが、それが小沢の手に渡ったのは幸運だった。その構造を知り尽くした小沢には、本来の使い方は出来なくても、別の使い方はできる。
 GX-05に内臓されているGXランチャー用の弾、GX弾。これに導火線となるものを付け、発火させることができれば、立派な爆弾となりうる。
 小沢はマシンガンブレードの駆動部を利用し、発火させたのだった。
「本当は氷川くんのために残しておきたかったけど、まあ、しょうがないか。ヨロイ元帥は……」
 小沢は辺りを見回すが、ヨロイ元帥の姿はない。一応、爆心地から離そうと、ガライをおびき寄せたが、それでも爆発の被害にはあってしまったのだろう。
「短い付き合いだったわね。もし生きてたら……」
 いや、あの手の奴にろくな奴はいない。甲羅崩しという技もセンスが最悪だった。
「生きてても、もう会いたくないわね。さてと、城戸くんを追いますか!」
 小沢は支給品を回収し、全身に痛みを感じながらも、気合と根性でそれをカバーし、歩み始めた。


13:壊れたもの、生まれたもの ◆E1yyNEjdEc
07/03/16 02:53:31 801nsaR30
「ぐっ」
 小沢がそこを離れてしばらく経った頃、ガライは意識を取り戻す。ガライの身体は爆炎に焼かれ、爛れながらもその原型を留めていた。
 なぜか人間の姿に戻っており、満足に動けないが、それでも致命傷にはなっていなかった。恐るべきはフォッグの生命力である。
「ふはっ、ふはっ、いい様だな」
 その声にガライが顔を上げると、同じくボロボロになりながらもヨロイ元帥が立っていた。右手には先程ガライが突き刺したブレードが握られている。そして、その胸からは血がドクドクと流れ出ていた。
「よ、ヨロイ軍団の名はだだだ伊達ではないわ」
 確かに爆発のダメージはヨロイ元帥にもあるもののガライほどではなく、胸の傷も致命傷にはなっていないようであった。しかし、その精神は……
 壊れたか。やはりこの星の生き物は脆い。だが、俺もここで壊れる。
 ヨロイ元帥は笑いながらゆっくりとブレードを振り上げる。
 所詮、俺もこいつらと同じ、脆弱な生き物だったというわけか。ガライは自分の死を受け入れ、眼を閉じた。

 違う。

 心のどこかで声が聞こえる。

 俺はこいつらとは違う。

 心に大きなうねりを感じる。

 俺はマザーの息子であり、すべての生き物の絶対的な支配者。

 ガライの心に生まれようとしているもの。ガライの心に今までなかったもの。それは生き物ならば、本来必ずもっているもの。
 
 他者を犠牲にしても、他者の心を貪っても、生きようとする心。純粋なる生存本能。

 俺は壊れない!!!!!!!!!!!!!!

 ガライは眼をかっと見開くと、左手でそれを受け止めた。


14:壊れたもの、生まれたもの ◆E1yyNEjdEc
07/03/16 02:54:40 801nsaR30
「ぬぅぅぅぅ、死ね死ね死ねぇぇぇ」
 泡を吹き、血を噴き出させながらも右手に力を込めるヨロイ元帥。
「うぉぉぉぉぉぉ!」
 同じく、血を滲ませながら左手に力を込めるガライ。
 互いが互いの生存を賭け、残り全ての力を刃へと注いだ。
 ヨロイ元帥はガライを殺すことに集中し、ガライはヨロイ元帥を殺すことに集中した。
 だからだろうか、ガライはその瞬間、ヨロイ元帥の頭が突然なくなったように見えた。

 ズバッ

 そんな音と共にヨロイ元帥の首は切断され、地面へと転がる。
「お、お、お、おれのくびぃとからだがぁ」
 ガライは呆気にとられる。ヨロイ元帥の後ろにはいつの間にか大刀を持った金色の戦士が立っていた。
 ヨロイ元帥の首を切断したその大刀の主は、転がったヨロイ元帥の首へと脚を掛ける。
「や、やめぇ」
「ふん」
 命乞いの言葉を聞くまでもなく、足元にあったヨロイ元帥の頭は粉々に粉砕された。飛び散った血と脳はまるでトマトの果肉のように見えた。
 頭という主を失い、ヨロイ元帥の身体もゆっくりと大地へと崩れ去る。
「ふふっ、手酷くやられたものだな」
「お前は何者だ」
 ガライの問いに金色の戦士は厳かに答えた。
「余の名は……ジャーク」
 ジャーク。一目で只者ではないとわかる。この地球上に存在する脆弱な生き物とはまるで違う。
 ただ立っているだけで漂うその気品とオーラ。気圧されているのかこの俺が。
 今までガライは恐怖など感じたことはなかった。だが、先程生まれた純粋な生存本能はそれと同時に自分の身を脅かす危険への恐怖も生んでいた。
「そちの名はなんという」
「ガライ」
 言われるがままにガライは自分の名を名乗る。素直に名乗ったころが嬉しかったのか、ジャーク将軍はにやりと笑うと言葉を続けた。
「ふむ。ガライよ、余と組まぬか?」
 その言葉にガライは疑問を抱く。一体なんのつもりだ。この儀式では生き残れるのはたったひとり。
 自分以外は全て壊さなければいけないのがこの儀式の決まりごとのはず。今、自分は重症を負い、止めをさす絶好の好機のはず。


15:壊れたもの、生まれたもの ◆E1yyNEjdEc
07/03/16 02:56:11 801nsaR30
「何のつもりだ?」
 当然、その疑問を口に出す。
「そちはこの殺し合いになんの意味があると思っておる。最初は余も自分こそが最強と信じ、この殺し合いに乗ろうとした。
 しかし、ちょこざいなことにこの首輪は余の力を制限しておる。全力を出せる時間はわずか10分、しかも、その後2時間は本来の力が発揮できん。
 確かにこれを利用すればどんな相手でも倒すことが可能だ。ひとりが戦って時間を消費させ、もうひとりが止めをさせばいいわけだからな。
 だが、そのことは同時に神崎士郎が絶対的な強者を求めているわけではないことがわかる。
 奴にとってはどういう方法で生き残ろうとも関係ない、ただ生き残ったという事実のみが大切なのだ」
 生き残ったという事実を求めている。その推測は荒唐無稽のように思えた。だが、ガライには理解できた。
 一見意味のないことでもそのもの事態に意味があるのではなく、その行為に意味があるもの。つまり……
「贄を選ぶための儀式というわけか」
「ふっ、その通りだ。この戦いで生き残るためにはあやつを倒すしかないというわけよ」
 ガライは考える。ジャーク将軍の考えに証拠があるわけではないが、そんなもの神崎士郎に直接問いたださなければわかるはずもない。
 重要なのは今、自分の命がジャーク将軍の判断に委ねられているということだ。本来ならば誇り高きフォッグの王子たる自分がどうな状況であろうとも話に乗ることなどない。
 だが、生への執念がガライの考えを変える。なんとしてでも生き残る。
「いいだろう、ジャーク。お前と組もう」
「理解が早くて助かる」
 そう言うと同時にジャーク将軍はジャークミドラーへの変身を解く。ジャークなりの信頼の証ということだろうか。
「それでこれからどうする」
「考えておる」
 ジャーク将軍はディパックから地図を出すと地面へと広げる。

16:壊れたもの、生まれたもの ◆E1yyNEjdEc
07/03/16 02:57:30 801nsaR30
「余たちはあと2時間、戦うことができない。だが、丁度いいタイミングで囮が出来てくれた。
 先程の女の断末魔、あれはこの戦いを止めようとする甘ちょろい考えの持ち主と相手を殺すことしか頭にない脳なし連中を呼び寄せる。
 その二組が出会えばおのずと戦闘になり、何人かが死ぬ。死にたい奴らは放っておけばよい。
 そこで余たちはそいつらとの遭遇を避けるため、Jエリアから回り、途中H10エリアでお宝とやらを回収した後、D10エリアへと向かう。
 今はまだ戦う必要はない。そこで1日、時が過ぎるのを待つ」
 あの放送はかなり北の方から聞こえた。確かに最南端を通っていけば、遭遇する確率は格段に低くなるだろう。
 それに知恵が回り、この放送に乗らなかった参加者なら、交渉の余地も充分にある。
 グランザイラスが市街地にいることを知り、なおかつ、乾、天道といった"仮面ライダー"と拳を交えたジャーク将軍が導き出した戦略であった。
 そして、D10エリアに向かうと判断したわけ。それはジャーク将軍の支給品にあった。
 ジャーク将軍の支給品は地図。だが、ただの地図ではない。その地図には各種のトラップの位置、発動時間、発動条件をはじめ、小屋や廃屋のなど地図に記載されていない家奥の位置。Gトレーラーなどランダムに放置されているものの位置が記載されていた。
 Gトレーラーがどのようなものか知らんがわざわざ記載されているものだ、損なものではあるまい。それにある場所は洞窟、身を隠すにはもってこいだ。
「おっと、これを忘れてはいかんな」
 ジャーク将軍は杖でヨロイ元帥から外れた首輪を取る。
「ふむ、丈夫に出来ておる。かなりの衝撃を与えても、無理やり外そうとしなければ爆発しないと見えるな。さて、行くとするか」
 ジャーク将軍はガライを従え、歩きだす。クライシス帝国の最高司令官の名に相応しく悠々と。
 だが、ジャーク将軍は知らない。首輪には盗聴機能があり、今の会話の全てが神崎に聞かれていることを。
 首輪を解除する鍵を手に入れたとき、ジャーク将軍の命は終わる。
 
【ヨロイ元帥 死亡】
残り41人


17:壊れたもの、生まれたもの ◆E1yyNEjdEc
07/03/16 02:58:31 801nsaR30
【ガライ@仮面ライダーJ】
【1日目 現時刻:午前】
【現在地:海岸J-3】
[時間軸]:本編開始前
[状態]:大火傷。だが、歩くことは可能。
[装備]:剣、装甲声刃@響鬼
[道具]:ラウズカード(スペードのJとQ、ダイヤの3とQ、クラブの3と4)
[思考・状況]
1:どんな手を使っても生き残る。
2:ジャーク将軍と協力して、首輪を解除する。

【城戸真司@仮面ライダー龍騎】
【1日目 現時刻:午前】
【現在地:海岸H-3】
[時間軸]:47,8話前後。優衣が消えたことは知っています。
[状態]:健康。真理の放送にかなり感傷的に。冷静な思考力を失っています。
[装備]:カードデッキ(龍騎)
[道具]:なし
[思考・状況]
1:ひとりでも多くの人を助けるため、市街地に向かう。
2:戦いを絶対に止める。
3:蓮たちを探す。


18:壊れたもの、生まれたもの ◆E1yyNEjdEc
07/03/16 02:59:36 801nsaR30
【小沢澄子@仮面ライダーアギト】
【1日目 現時刻:午前】
【現在地:海岸I-3】
[時間軸]:G3-X完成辺り。
[状態]:多少の打撲と火傷。相変わらず沈着冷静。
[装備]:精巧に出来たモデルガン。
[道具]:カイザポインター、GX-05ケルベロス(但し、GX弾は消費)
[思考・状況]
1:城戸を追い、もう一度、行動を共にする。
2:脱出の方法を考える、首輪の解析(道具と仕組みさえ分かれば分解出来ると考えています)
3:氷川誠、津上翔一と合流する。

【ジャーク将軍@仮面ライダーBLACK RX】
【1日目 現時刻:午前】
【現在地:海岸J-3】
【時間軸】ジャークミドラに改造後
【状態】若干の負傷。
【装備】杖、変身後は大刀
【道具】不明(グランザイラスにもらったもの)。ネタばれ地図。
【思考・状況】
1:首輪の解析と勝ち残るための仲間探し。とりあえず無駄な戦いは避け、アイテム回収後、Gトレーラーへ。
2:神崎士郎を殺し、脱出する。
3:RXを殺す。


19:名無しより愛をこめて
07/03/16 02:59:41 /rsAmYKe0
z

20: ◆E1yyNEjdEc
07/03/16 03:02:16 801nsaR30
投下終了。
誤字、脱字、指摘事項があればお願いします。

色々な都合により、まとめサイトの更新は3月17日の夜に。。。
では、おやすみなさい。

21:名無しより愛をこめて
07/03/16 03:05:15 vFoDP8JI0
投下&スレ立て乙。
そしてGJ!
ヨ、ヨロイ元帥ぃぃぃぃ!!
まあ、奴らしい死に方でした。奥の手も使うのに吹いた。
真司の暴走、小沢さんの追跡は二人に何をもたらすのか気になりました。ブラボー!

22: ◆naAqV94LaU
07/03/16 03:17:24 yq2d0bbkO
投下お疲れ様でした。そして超GJ!
味が有って面白い奴でしたね…ヨロイ元帥は。真司、小沢さんもこれからが気になる展開で素晴らしいです。
今後も期待!

私の方も書き上がったのですが、投下は明日にした方が良いかもしれませんね。

23:名無しより愛をこめて
07/03/16 05:06:26 JlNuYu+30
投下乙
まさか、このロワで「甲羅崩し」が見られるとはwww
ジャーク将軍の、名に恥じない悠然とした態度がいい感じです
逆に、超然としていたガライが徐々に生々しくなってきたのも面白いですね
GJ!

24: ◆naAqV94LaU
07/03/16 20:32:44 yq2d0bbkO
こちらにも報告。
避難所に投下終了致しました。
指摘等ありましたら宜しくお願いします。

相変わらずの駄文、失礼致しました。

25:名無しより愛をこめて
07/03/16 20:44:52 js8lvAw80
GJ!
加賀美。。
ハイパーフォームになって、明日夢を守ったけど・・・。
ステータスの後に話を続けたのもよかったです。
ガタックゼクター・・・・・。
もう一度GJ!


26:名無しより愛をこめて
07/03/16 21:06:42 SZ6+7Pa80
二つとも熱い熱い熱すぎるゼッ!GJッ!

ただ、パーゼクを運ばせるのはちょっと……
どの道明日夢か剣が回収すると思いますし、丸一日もガタックゼクターが拘束されるのは……

……そしてケタック登場に期待。


27: ◆naAqV94LaU
07/03/16 21:11:27 yq2d0bbkO
剣→立ち去る。
明日夢→思考停止。
によって、ガタックゼクターはハイパーゼクターを運ぶ事に成功したという風に書きました。

問題がありそうとは思っていたので、修正もやむなしですが…。

28:名無しより愛をこめて
07/03/16 21:28:24 VF+qLfiuO
そういやベルトは同じだからゼクターさえあれば天道でもガタックになれるんだな。
ゼクターは意志があるんだし、この燃える展開は通して欲しいとこだが…(どのみちカブトかガタックしかハイパーゼクター使えないし)
そんでガタックゼクターはそう簡単には資格者を選ばないだろうし。

とにかくGJですよ

29:名無しより愛をこめて
07/03/16 21:44:29 SZ6+7Pa80
個人的には、早々天道がハイパー化しても良いと思います。
数少ない対主催チームですし。

一~数時間で到着、ぐらいに出来ないでしょうか?
このペースからすると、一日はおよそ百話以上にもなりますし……

……今思い出しましたが、仮面ライダー全般のジンクス、
『主人公側についた怪人は死ぬ』

|葬式会場| λ...ヨロイ元帥……

30: ◆naAqV94LaU
07/03/16 21:53:31 yq2d0bbkO
では大まかに、
「大分時間が掛かる」という事で。

程度はお任せします。

それと皆さん、感想有難うございました。
質問に答えて下さった方、復帰に当たって温かく迎えて下さった皆さん。本当に感謝しています。

内容が内容なので相当なバッシングを覚悟していましたが、案外と好評なようで安心しました。


31:名無しより愛をこめて
07/03/16 22:00:04 SZ6+7Pa80
ありがとうございます。

>内容が内容なので
主役死亡の事ならロワの華です。美しく散れれば尚良し。

32:名無しより愛をこめて
07/03/16 22:08:57 vFoDP8JI0
>>30
好きなキャラが死んで暴れるような住人はロワスレにとって毒なんで気にしない。

>>29
|葬式会場| λ...λ...カ・ガーミンじゃないのが意外だが俺も行くぜ。今日は俺とお前でダブル葬式だ。ヨロイ元帥ぃぃ!



33:名無しより愛をこめて
07/03/16 22:09:58 zXH4u2a/O
しかしぼっちゃまは剣崎といい、加賀美といい青ライダーキラーだなw
加賀美も死んじゃったのは残念だけど、燃える展開だったので良し!
早くぼっちゃまにはブレイドメンバーに会って欲しいな。

34:名無しより愛をこめて
07/03/16 22:16:55 js8lvAw80
>>29
つスネークオルフェノク

35:名無しより愛をこめて
07/03/16 22:20:11 VF+qLfiuO
ところでそろそろ死者も増えてきたし、死者スレとか作ってみたらどうだろうか

36: ◆ozOtJW9BFA
07/03/16 22:21:46 Yj38RMR50
◆E1yyNEjdEc氏スレ立て&投下GJ!!
ヨロイ元帥は最後までいいキャラしてました。
◆naAqV94LaU 投下GJ!!
加賀美と剣の戦いは最後まで熱く緊張感がありました。

南光太郎を予約します。



37:名無しより愛をこめて
07/03/16 22:24:59 SZ6+7Pa80
>>35
むしろ専用したらばが欲しいな。


38:名無しより愛をこめて
07/03/16 22:27:10 Fp/ouzQS0
>>35
避難所に立てられるんちゃうの?

39: ◆TJ9qoWuqvA
07/03/16 23:58:25 vFoDP8JI0
URLリンク(kasamatusan.sakura.ne.jp)

マップ更新&進行表更新です。

40:名無しより愛をこめて
07/03/17 00:18:42 bRswEkwL0
投下乙
すごいですね、このロワの作品は読むだけで目の前に映像が迫ってくるようなのばかり
俺に絵を描く能力があったらっ…!

あとマップ&進行表更新乙です

41:名無しより愛をこめて
07/03/17 03:11:31 Fdft3Ia8O
面白かったんだが、ただハイパーガタックの能力が全然わからなかったことだけが残念だ…

ハイパーカブトだってパーゼクなきゃハイパーキックしか技ないが、それでもせめて一回くらいは必殺技を使って欲しかったな…

42: ◆naAqV94LaU
07/03/17 03:34:27 tRbhJjDxO
私もそれだけが心残りでした。
ハイパーキックを使わせて更に熱い展開に持って行きたかったのですが、どうしても説得力が無くなってしまう。
ハイパーキックを食らって助かるサソードと、ライダースラッシュを食らって死ぬガタック。
これでは余りにも話が矛盾してしまいます。

本当は手加減してハイパーキックを放つ予定だったのですが、書いていて加賀美の死がどうにも嘘臭くなってしまいました…。
それに、加賀美は手加減出来るほど器用ではないなぁ…と。

というような経緯が有ってカットする方向になりました。
長文失礼。


43: ◆E1yyNEjdEc
07/03/17 08:42:50 WYVWiBvU0
>>39
マップ乙です。
小さいながらもパーゼクとGトレーラーがあるのが素敵。。。
矢車想、グランザイラスを予約します。

44:名無しより愛をこめて
07/03/17 10:57:26 75pPOdw70
ふと思ったのだが、インペラーデッキって最初の場所に放置?
セリフすらなく逝ってしまったから、デッキぐらい活躍させてやれんものか

45:名無しより愛をこめて
07/03/17 13:34:41 p5k5QhTc0
ファイズブラスターってまだ所在地不明?

46:名無しより愛をこめて
07/03/17 16:22:17 oZaGUAFV0
昔の話題蒸し返すようですまないが、
・龍騎、ナイト以外のサバイブ
・ブレイド以外のキングフォーム、及びレンゲルのジャックフォーム
・カブト、ガタック以外のハイパー化及びHCU

コレは結局どうなったんだ?
・・・書いてる途中で村上社長もライオトルーパーでファイズブラスターを使ったって話を思い出したよ・・・。

47:名無しより愛をこめて
07/03/17 16:26:37 O917v4qm0
フォームチェンジ系は反対だな。
まあ、正直ゾルダサバイブとか、ギャレンキングフォームとか見たいから絶対反対って訳じゃないんだが。


48: ◆naAqV94LaU
07/03/17 16:35:05 tRbhJjDxO
無し希望。
要所要所で荒れる素になるし、能力が書き手に依存される形になる。
明確な能力設定が無い以上、出さない方が無難でしょう。

49:名無しより愛をこめて
07/03/17 16:37:44 rvwRWQB30
他はまだしもギャレン、レンゲルKとサバイブはな……


50:名無しより愛をこめて
07/03/17 16:41:29 tRbhJjDxO
トリ付けてしまった。
お気になさらず。

51:名無しより愛をこめて
07/03/17 17:39:34 Fdft3Ia8O
リュウガサバイブはいけそうな気はする…龍騎サバイブ黒くするだけだし。
まあただでさえ強いのにこれ以上は、とも思うけど。

52: ◆E1yyNEjdEc
07/03/17 22:31:41 wejNwmGS0
まとめサイト更新しました。

>>44
私も気になってはいましたが、最初の場所というのが、このマップ内にあるのかどうなのか。。。


53:名無しより愛をこめて
07/03/17 22:50:16 O917v4qm0
まとめ更新乙!
コメントが全員分そろって感無量。

インペラーのカードデッキの扱いか。
変身アイテムが増えるのは反対だから放置でいい。
ラストバトルで誰か拾ってオーディーンに挑む? 無謀な気がするがw

54:名無しより愛をこめて
07/03/17 22:54:03 75pPOdw70
>>52
扉から出たらワープしたり、神崎が普通に存在してたりするから
マップ上の場所ではないと思う

出すとすればスマートレディあたりが
「これどうします~?」とか言いながら見つけて
神崎が適当な場所に放置・精神的に不安定な奴に渡す、辺りだと思う

55:名無しより愛をこめて
07/03/17 23:41:07 oZaGUAFV0
・・・・・・リュウガが海岸からドーム上の建物を歩いて見つけているんだけどな。

56:名無しより愛をこめて
07/03/17 23:47:08 O917v4qm0
リュウガ→海岸のドームは確かにあったな。
けど、ドーム→リュウガは描写がないんで、最初の海岸と今の海岸は別世界ということでいいんでは?

くるしいな。難易度を上げるためハイパーゼクター以外に脱出手段は欲しくないだけどな。

57:名無しより愛をこめて
07/03/18 12:28:24 I/8X5tVC0
>>45
その通り
まあ場所は書き手に任せればいいよ

58:名無しより愛をこめて
07/03/18 14:09:39 g4FfCr4Z0
海岸から歩いて辿り着くってことから、海岸かそれに隣接したエリアでまだ使われて無い所にあったことにすれば?
誰かの回想で、

あの忌々しいドームを遠目に睨み付ける。
ありったけの憎悪と殺意を込めて。
だが、それは数秒で終わった。
ドーム全体が微かに揺らめいたかと思うと、突如消え去ったのだ。
まるで、半球の全てが実体無き蜃気楼だったかのように。

とか。

フォームは有志が案出して投票で決めるのはどうだろ?
レンゲルJやらギャレンKやらは剣スレで散々妄想されてたし。


59:名無しより愛をこめて
07/03/18 15:40:36 HcGB9RXIO
取り敢えずオリジナルライダーを出すか出さないかの投票で良いと思う。
ちなみに俺は反対 ノ

そんな誰かの妄想で作られたライダーを出すのは嫌だな。
絶対荒れる。
レンゲルやギャレン達含め、現フォームで戦い抜いたってのが一つの味だろ?

60:名無しより愛をこめて
07/03/18 16:34:03 I/8X5tVC0
俺も反対 ノ

ギャレンやらレンゲルとかの強化はいらんが
バーニング&シャイニングアギト、龍騎サバイブ、ファイズアクセル&ブラスターフォーム
ブレイドJ&Kフォーム、装甲響鬼、ハイパーカブトとかの
存在してる強化フォームはしっかり出して欲しいな

61:名無しより愛をこめて
07/03/18 16:40:58 5shnf6RX0
当然反対 ノ

スペック差なんて(原作で)氷川さんが一度跳ね返しているんだ。
他のライダーも気合と根性で乗り越えろ。

62:名無しより愛をこめて
07/03/18 17:59:30 hx1cdXii0
一応、賛成。
自ずと評価は厳しくなるだろうが、とりあえず書いてみてそれからでも遅くないんではなかろうか。
あと強化フォームじゃなきゃ、素で勝ち目なさそうな相手を上げておくのがいいかも。
もしそいつらにノーマルフォームでそれなりの戦いをされてしまっては強化フォームのありがたみがなくなる。





63:名無しより愛をこめて
07/03/18 22:58:03 Z2cfXpzH0
賛成派。
普通に見たいし、土壇場のパワーアップって展開を見てみたい。

64:名無しより愛をこめて
07/03/18 23:46:34 lYdVDbdgO
自分も賛成派。
絵に描くんならともかく文章だけだし、
それにぶっちゃけれは同人作品な訳だから、なんでもアリな方がおもしろいと思うよ。

65: ◆TJ9qoWuqvA
07/03/19 00:07:10 hVcvsOfq0
風見志郎、北崎、浅倉威予約します。

66:名無しより愛をこめて
07/03/19 01:49:56 xhOPQMmWO
支e…あれ?それって自己リr(ry
いや、歓迎なんですがね

67: ◆TJ9qoWuqvA
07/03/19 01:52:00 hVcvsOfq0
申し訳ありません。
120時間たてばいいとルールにあったのですが、一言断りを入れるべきでした。


68:名無しより愛をこめて
07/03/19 02:20:34 xhOPQMmWO
>>67
ありゃ、そうでしたか。
こちらこそ確認してないですいませんorz

69:名無しより愛をこめて
07/03/19 09:57:47 ukVaihCr0
残念ながら反対。
データ考察、スペック考察、整合性チェックに時間がかかりすぎる。
見たいけど、バトロワでやるべきではないと思う。

もし次回があれば、バトロワ用強化フォームのスペックを詰めて
やってみたいと思うが…

書き手の混乱を招くのでは?

70:名無しより愛をこめて
07/03/19 10:30:04 VdIaTlZi0
作っても書き手が書けなきゃ意味無し
ROMよりも書き手の人々に決めてもらえば?

71: ◆E1yyNEjdEc
07/03/19 12:24:01 jTBNOAdD0
議論中、申し訳ありませんが、投下いたします。

72:ザビー死す! ◆E1yyNEjdEc
07/03/19 12:25:32 jTBNOAdD0
「……う、あっ」
 苦悶の声を上げ、矢車は眼を開ける。
 どれぐらい眠っていたのだろうか、黒塗りだった空はいつの間にやら青く晴れ上がっていた。
「俺は一体……痛ぅ」
 起き上がろうとした矢車の身体に激痛が走る。その激痛が矢車の意識を急激に覚醒させた。
 そうだ、俺は仲間を募ろうとして、紫色の蛇のライダーに。
 思い出すにつれて本能的に体が震えた。それは純粋な恐怖。
 初めてワームと対峙した時にもここまでの恐怖はなかった。あれはまさに悪魔。
 倒せるのか俺に、あいつらが?剣崎となのるワームと蛇の悪魔、ここにきて矢車の心は大きく揺れた。
 だが、矢車は首を振り、自分に芽生えた恐怖を振り払う。
 大丈夫だ。俺にはパーフェクトハーモニーがある。このザビーゼクターがある。この二つが合わされば例え相手が悪魔だろうとも恐れることはない。
 そうだ冷静さを取り戻せ。
 矢車は大きく空気を吸い、そして、吐く。空気を取り入れることにより、脳がようやく正常に回り始める。
「よし、まずは現状の確認だ」
 まず矢車は自分の体の確認からはじめた。紫のライダーより受けた傷は決して浅くない。だが、幸いなことに打撲ばかり。
 バランスのより食事のせいか骨も折れている気配はない。多少の障害はあるが大丈夫だ。戦える。
 次は今の時間だ。矢車はディパックから時計を取り出す。だが、その時計が指し示す時間に愕然とする。
「8時03分……」
 矢車はスマートレディの放送は愚か、真理の命を掛けた放送すら聞き逃していた。矢車は急ぎ、ディパックに入っていたメモを確認する。
 この場合、死亡したのは誰かとか、誰がどのような状況に陥ったとかは関係ない。今、矢車にとってもっとも重要なのは。
「やはりだ。放送後、禁止エリアが設定されるとある」
 思わず矢車はメモが書いた紙を握りつぶす。だが、矢車の動揺も当然といえよう。メモには禁止エリアに入ったら、即首輪が爆発するとあった。
 エリアは全部で100。その中の3つが矢車にとっては一撃必殺の地雷と化す。


73:ザビー死す! ◆E1yyNEjdEc
07/03/19 12:27:22 jTBNOAdD0
「はやく仲間を見つけなければ」
 この際、天道でも誰でもいい。どこが禁止エリアなのか把握しない限り、いつ首輪が爆発するとも限らない。しかも、3つの内の1つは既に作動しているのだから。
 矢車は市街地に向けて走り出した。

 誰か、誰かいないのか?
 矢車は仲間を探して、疾走する。だが、誰ひとりとして、存在を確認できない。
 馬鹿な、誰も市街地を目指さなかったとでもいうのか。それとも禁止エリアになる時間が差し迫っている?
 言い知れない不安と戦いながらも、2つのエリアを過ぎ、G5エリアに着いたとき、矢車は異変を感じた。
「なんだこれは」
 恐らく多くの建物があったのであろうそこは全てが粉々に崩され、廃墟と化していた。
 初めからこうだったのか?いや、違う。確認した地図ではここには町があったはず、誰かに壊されたのだ。
 だとするとここにいるのはまずい。まだ、これをやった奴は近くにいるかも知れない。とてもこんな奴と交渉できるとは思えない。
 だが、矢車の判断は遅かった。
「何!?」
 突如、頭上に現れた大きな火の玉は矢車を目指して、一直線に落ちてくる。
「くっ、ザビーゼクター!」
『ブーーーーン』
 羽音を響かせ、ザビーゼクターは火の玉よりも早く矢車の右手へと到達する。
「変身」
 ザビーゼクターを左手のライダーブレスへと装着する。
『HENSHIN』
 電子音と共に矢車の身体を蜂を模した鉄壁なる装甲が包んでいく。
 集団を統一する頂に相応しき蜂のライダー、仮面ライダーザビー。
 ザビーが変身を完了したとほぼ同時に火の玉がザビーの元へと辿り着く。
 キャストオフしている時間はない。ザビーはマスクドフォームのまま、急ぎ両腕で防御を固めつつ、火の玉を避けようとする。
 紙一重。直撃は避けられたものの火の玉はザビーの装甲を掠め、火花を散らす。
「くっ、なんて威力だ」

74:ザビー死す! ◆E1yyNEjdEc
07/03/19 12:28:34 jTBNOAdD0
 掠められた装甲は飴のように溶け、ぐにゃりと変質した。掠めただけでもこれならのだ。直撃を受ければ、マスクドフォームの装甲といえどひとたまりもあるまい。
 避けた火の玉は空中で方向転換すると再度、ザビーへと向かう。
「だが、いくら威力のある大砲といえども当たらなければ意味がない」
 ザビーゼクターの羽を上げる。その動きに反応し、マスクドフォームの装甲が機械音を上げ、開いていく。
「キャストオフ」
 羽の中央に位置するリングに指を掛け、回転させる。回転したザビーゼクターは悪を貫く、針となり、同時にザビーの身体をより蜂に相応しい戦闘フォームへと変える。
『CASTOFF』
 吹き飛ばされる装甲。『Change Wasp』の声が響くと共にザビーはマスクドフォームからの脱皮を終え、ライダーフォームへと姿を変えた。
 向かってくる火の玉。だが、先程と違い、慌てる必要などない。ぎりぎりまでひきつける。命中まであと数cm。そこでザビーはベルトの脇を叩いた。
『CLOCKUP』
 ザビーの周り、全ての時間が遅くなる。本来の加速より数段劣るが、それでも避けるには充分。ザビーはその場から瞬時に逃げ出した。
 刹那、今までザビーがいたところに火の玉が落下する。

 ズガーン!

 盛大な音と共に火の玉が爆発した。もし命中していたら、ザビーとてひとたまりもない。命中していればだがな。
「しかし、一体誰が?」
 ザビーは慎重に辺りを見回す。この火の玉を放った相手がいるはずだ。
 だが、その声は思わぬ場所から発せられた。
「やっと見つけたぞ」

75:ザビー死す! ◆E1yyNEjdEc
07/03/19 12:30:46 jTBNOAdD0
 ザビーが振り向く。声が聞こえた場所は火の玉が落下した場所。
「ふふっ、市街地を襲えば、大勢の悲鳴が聞こえるかと思えば、猫の子一匹見当たらん。
 正直、飽き飽きしてたところだが、ようやく少しは楽しめそうな奴に会えたな」
 そこから現れたのは紫色の硬質的な体と爬虫類的な容貌をもつ怪物。なるほど火の玉自身が怪物だったというわけか。
「何者だ、貴様」
「我はクライシス皇帝の使者、RXを抹殺し、この世界の全てを破壊尽くすために仕わされし者。グランザイラス!
 貴様、RXではないようだが、仮面ライダーという輩のひとりか?」
「仮面ライダー?」
 なるほど、マスクドライダーシステムだから仮面ライダーか。怪物のわりにはネーミングセンスがある。
「そうだ、俺は仮面ライダーザビーだ」
「くくっ、肩慣らしには丁度いい。皇帝陛下の名の下にお前を処刑する」
 言うが早いや、グランザイラスはザビーに突進していった。グランザイラスはザビーを倒そうと、右腕に内臓された電磁ハンマーを何度も打ち込む。
 だが、ザビーはそれを的確に避けるとグランザイラスの身体に拳を打ち込んでいく。
 当たればひとたまりもないだろうが、グランザイラスの攻撃は直線的、避けれない攻撃はひとつもない。
「おのれ」
「ふっ!」
 振り下ろされた右腕を避け、それを軸にして、裏拳を打ち込む。しかし、その一撃もグランザイラスはよろめきさえしない。
「かゆいわ」
 すかさずザビーは右手をザビーゼクターに添え、ライダースティングの準備をする。
 タフな奴だ。だが、例えどんなにタフだろうとも、蜂の一突きには一溜まりもあるまい。
「最後にひとつだけ聞いておく。今回設定された禁止エリアはどこだ?」
「禁止エリア?先程女が何か言っていたやつか。そんなもの知らん。いちいち聞いていられるか」
「馬鹿が」

76:ザビー死す! ◆E1yyNEjdEc
07/03/19 12:32:08 jTBNOAdD0

 ザビーはザビーゼクターのスイッチを押した。
『RiderSting』
 ザビーゼクターから発せられる声と共にライダーシステムが反応し、左手に全ての力が集まる。
「くらえ!」
 大地を蹴り、グランザイラスに向かってザビーは飛んだ。そして、左手のザビーニードルを胸へと力の限り打ち込む。

 ピシュゥゥン!

 炸裂音が鳴り響いた。だが、グランザイラスは倒れない。
「なっ!?」
「これがお前の必殺技か?そんなもので俺を倒そうとは舐められたものだ」
 グランザイラスは両腕でがっちりとザビーの左腕をホールドする。そして、持ち上げると地面に叩きつけた。
 ガシン!
「ぐぁっ!」
 ガシン!
「がっ!」
 ガシン!
「ぎぐぁ!」
 グランザイラスは何度も何度もザビーを地面へと叩きつける。最初は叩きつけられる音と共に苦悶の声を上げていたザビーも何度も叩きつけられていく内にやがて声を発しなくなる。
「止めだ」
 グランザイラスはザビーを投げると、ザビーに向かって火炎弾を放った。
 ザビーが地面に叩きつけられると同時に爆炎が巻き起こる。ザビーの体を炎が焼く。
「ラ、ライダースティングが効かないとは」
 いくら避けられても決め手がなければ相手を倒すことはできない。つまりザビーでは奴に勝つことはできない。
 どうする逃げるか?……いや、まだ方法はある。


77:ザビー死す! ◆E1yyNEjdEc
07/03/19 12:33:15 jTBNOAdD0
 変身することができる時間は10分程度。それなら、奴のように元から怪人の場合はどうなる。
 そのままか?そんなはずはない。必ず奴らにも同様の制限時間を設けているはずだ。
 そして、こいつは禁止エリアの重要性も考えない馬鹿だ、この制限に気づいているとは考えづらい。
 ならば制限が掛かった瞬間を狙って、ライダースティングを打ち込めば、あいつは倒せるはずだ。
 あの火の玉での攻撃から俺の変身までの間はわずか数秒。だが、クロックアップを使えば、その数秒を狙うのも不可能ではない。
 これが俺のパーフェクトプラン。そうと決まれば。
 ザビーは立ち上がり、再びファイティングポーズをとる。
「それでこそ殺し甲斐がある。ふん」
 グランザイラスは再び右腕より火炎弾を発射する。ザビーはグランザイラスとの間合いを一定に保ったまま、それを次々と避けていく。
 奴の火炎弾が止まる時がきっとくる。狙うのはその一瞬。
 無数の火炎弾が放たれながらもザビーには当たることがない。
「またもチョコマカと」
 グランザイラスに苛立ちが募る。だが、イライラが溜まるにつれ、逆にグランザイラスの頭は妙に冴えていった。
 こいつの狙いは……

 まだか。そろそろ10分経つぞ。
 時計を見れるほど余裕があるわけではない。グランザイラスの眼には楽々避けているように見えるだろうが、これでも必死なのだ。
 浅倉に受けた打撲によるダメージとグランザイラスから受けた火傷によるダメージ。クロックアップはその瞬間まで使うわけにはいかず、今、ザビーは気合で戦っていた。
 まだか、まだか。
 ザビーに焦りの色が滲みはじめる。
 その時、火炎弾による攻撃が止んだ。見るとグランザイラスは、火炎弾が出なくなったころに驚き、動揺しているように見えた。
「今だ!」
『CLOCKUP』

78:ザビー死す! ◆E1yyNEjdEc
07/03/19 12:34:57 jTBNOAdD0
 自分以外の時の流れが変わる。グランザイラスの動きはゆっくりとなり、その驚愕の色がはっきりと確認できた。
「ライダースティング!」
『RiderSting』
「うぉぉぉぉぉっ!」
 ザビーはグランザイラスに一直線に向かう。体に残っている全ての力を振り絞り、この一撃に込める。
「はぁぁっ!」
 放たれた蜂の一撃はプラズマを絡ませ、グランザイラスの心臓へと……決まらなかった。
 グランザイラスの左手は心臓を貫こうとするザビーの左手をしっかりと握っていた。
「なっ!?」
 先程とまったく同じ言葉を吐く、ザビー。プランはパーフェクトだったはず。それなのに何故。
 だが、次のグランザイラスの攻撃で、それが間違いだと気付く。
「くらえ」
 グランザイラスの右腕から尽きたはずの火炎弾が零距離で放たれる。
「ぐわぁぁぁぁぁぁっ!」
 直撃。あまりの威力にザビーへの変身は解け、ザビーは矢車想の姿へと戻った。
「10分経っていなかったのか……」
 矢車のプランは全てが狂っていた。
 第1に、10分を正確に刻めなかったこと。普段は正確な体内時計も極度の疲労と焦りにより、気が急い、10分を短くカウントしていた。
 第2に、グランザイラスの実力を正確に計れなかったこと。グランザイラスは制限には気づいていなかった。
 だが、火炎弾の隙を狙っていることぐらいは察知していた。そのため、あえて隙を作ったのだ。あたかも火炎弾が放てなくなったかのように。
 第3に、自分の能力への過信。制限が加わったクロックアップはグランザイラスに見切られないものでもなかった。真正面ならなおさらだ。
 何より、集団戦闘でこそ能力を発揮する矢車がひとりで挑もうとしたこの戦いそのものが自殺行為。
 ひとつひとつはわずかな狂い。だが、そのわずかな狂いがひとつの大きな狂いを生み出したのだ。


79:ザビー死す! ◆E1yyNEjdEc
07/03/19 12:36:26 jTBNOAdD0
「ふむ、なんだこれは」
 倒れ伏した矢車はグランザイラスの言葉に反応し、顔を上げてそれを見た。
「ザビーゼクター!」
 グランザイラスの手にはしっかりとザビーゼクターが握られていた。変身解除の瞬間、放たれたザビーゼクターを捉えたらしい。
 ブーンと羽音を響かせ、ザビーゼクターは必死にグランザイラスの手から脱出しようとするが、しっかりと握られており、動くことができない。
「それを……返せ」
 息も切れ気味に、矢車はグランザイラスへザビーゼクターの返却を要求する。
 その必死の要求にグランザイラスはにやりと笑った。
「どうやらこれはお前の大切なものらしいな。それならば……こうだ」
 ピシッ!
 ザビーゼクターにひびが入る。グランザイラスがそれを握りつぶそうと力を入れているのだと理解したとき、矢車の心は絶望に包まれた。
「やめろぉぉぉっ!」
 だが、それを聞く、グランザイラスではない。よりいっそうの笑みを浮かべると更に力を込めた。
 ブーンブーンブーーーー……バキンッ!
「ああっ」

 ザビーゼクターは粉々に砕け散った……

「ふん。ほら返してやる」
 ザビーゼクターの欠片を矢車に振り掛ける。矢車の体を伝って、ザビーゼクターの破片がひとつ、またひとつと地面へと滑り落ちていった。
「さて、お前も同じ目にあわせてやろう」
 グランザイラスは矢車を無理やり起き上がらせると頭を叩きわろうと腕に力を込めた。
「うっ、どうしたことだ。腕に力が入らん」
「今頃、制限がきたのか」 

80:ザビー死す! ◆E1yyNEjdEc
07/03/19 12:37:50 jTBNOAdD0
 矢車の言うとおり、グランザイラスの力は首輪による制限により、大幅に落ち込んでいた。
 本来ならスイカを割るようにやすやすと頭を粉砕できるはずができない。
 その事実はどうしようもなくグランザイラスをイラつかせる。
「ははっ、ははっ」
 矢車が笑う。その態度にグランザイラスの苛立ちは頂点に達した。
「笑うな人間ごときが。ウォォォォォッ!」
 雄叫びを上げ、電磁ハンマーで矢車の身体を思いっきり、幾度も打ち据える。そして、止めとばかりに電磁ハンマーの先端で矢車の身体を貫いた。
「思い知ったか」
 グランザイラスの右腕には血が伝わり、ポタッ、ポタッと地面へと雫が垂れる。
 グランザイラスは動きを止めゴミとなった矢車をポイと捨てると更なる殺戮のため、その場を後にした。
 身体を貫かれ、捨てられた矢車はピクリとも動かず、声も満足に発することも出来なかったが、
(っ……はっ……ははっ)
 なぜか自虐的な笑みだけは浮かべていた。


81:ザビー死す! ◆E1yyNEjdEc
07/03/19 12:39:09 jTBNOAdD0
【矢車想@仮面ライダーカブト】
【1日目 現時刻:午前】
【現在地:市街地G5エリア】
【時間軸:8話 ザビー資格者】
【状態:重症。全身打撲&火傷&刺傷】
【装備:ライダーブレス(ザビーゼクター破壊)】
【道具:アドベントカード(サバイブ)】
【思考・状況】
1:???
※矢車はBOARDという名前に嫌疑(ワームの組織では?)


【グランザイラス@仮面ライダーBLACK RX】
【1日目 現時刻:午前】
【現在地:市街地G5エリア】
【時間軸:地球到着直後】
【状態:健康】
【装備:なし】
【道具:なし】
【思考・状況】
1.力が回復するまで休憩。その後、また破壊と殺戮を始める。
2.RXを殺す。
3.ジャーク将軍は後回しにする。


82:ザビー死す! ◆E1yyNEjdEc
07/03/19 12:41:21 jTBNOAdD0
投下終了。
誤字、脱字、指摘事項があればお願いします。

矢車の思考・状況は次の書き手さんに任せようと思い、???で。
このままやさぐれるもよし、まだまだパーフェクトハーモニーを追い求めるもよし。
どっちでも転べるよう書いたつもりです。

83:名無しより愛をこめて
07/03/19 13:30:26 USKNXXRK0
投下乙
ザビーゼクター…。・゚・(ノД`)・゚・。
グランザイラスの暴れっぷりがいかにも「怪人!」って感じで似合っていました

84: ◆naAqV94LaU
07/03/19 16:37:55 2YFlB8MGO
ザビーゼクター…矢車さん…。
初の変身アイテム破壊がザビーになってしまいましたね。

死んでしまうと思ったので意外。手に汗握る展開でドキドキでした。GJ!


因みに原作に無いパワーアップは反対です。
誰かが考えたパワーアップを、自分が続けて書ける自信ありません。大分議論する必要もあり、相当荒れるでしょう。
かなり切実に止めて欲しいです…。

85: ◆A.IptJ40P.
07/03/19 16:53:36 VLc8gtCu0
乙―!
グランザイラス、悪役してるなあ……
|葬式会場| λ...λ...ザビーゼクター……

ブレスが無事なのは伏線になるのかな?
>指摘事項

視点が混ざってる箇所があった。
自分も三人称一元視点とかそーゆーのはさっぱりなんだが、
>先程とまったく同じ言葉を吐く、ザビー。プランはパーフェクトだったはず。それなのに何故。
>直撃。あまりの威力にザビーへの変身は解け、ザビーは矢車想の姿へと戻った。
この二つはそれぞれ一人称視点と三人称視点だと思う。
ーーーじゃなくて――の方が良いかと。
あとは、アルファベットが全角なのと、カタカナ擬音が少し気になった(後者は好みの問題だが)。

>フォームチェンジ
……自分も妄想で語ってたクチです。はい。
出したいのは山々なんだが……
じっくり議論すれば、まあ不可能では無いと思うが荒れる種なのは間違い無い。それで過疎ったら本末転倒。
だから総合的には反対かな。スレの流れが賛成で固まれば嬉々として案を出すが。

むしろ問題なのは、矢車が所持しているサバイブ。
あの二人以外のライダーが使った際にどうなるのか、全く描写されていない。
これは早急に修正するなり(今の内なら状態表書き換えで間に合うと思う)何なりしないと……

長文失礼しました。

そして城戸真司、矢車想予約で。

86:名無しより愛をこめて
07/03/19 17:12:57 qt4nv7u3O
>>85
ちょ、また矢車かWWW
とりあえず皆ヤサ車が見たいのな

87:名無しより愛をこめて
07/03/19 17:42:42 xhOPQMmWO
ブレスはザビーだけだからもう意味ないキガス。
てかこれでもうパーゼクのハイパーマキシマムタイフーン(だっけ?)は見れないんだな…
あれは全作品通しても最強クラスの威力があっただろうから残念だ

88:ひより
07/03/19 18:00:46 ugCqZZyPO
大丈夫ボクがいる

89:名無しより愛をこめて
07/03/19 18:03:53 0ptQ0VSl0
もう変身アイテムは飽和しているが、カブティックゼクターがあればなんとか。
矢車ヘラクスとか、見てみたい俺がいる。

90:名無しより愛をこめて
07/03/19 19:02:49 hVcvsOfq0
ザ、ザビーゼクターっぁぁぁぁぁ!!
密かに誰が弟になるか楽しみだったり。

|葬式会場| λλ..λ....水臭いぜ

91:名無しより愛をこめて
07/03/19 19:31:43 xhOPQMmWO
ひよりはゼクターまで直せるかな?天道のときはベルトだったし。
ザビーゼクターが自分だけ逃げ出すのはどうだろうかw
そしてブレス破壊、結果的に変身不可と

92:名無しより愛をこめて
07/03/19 19:35:20 2YFlB8MGO
能力制限もあるしなぁ。
ひより、ザビーゼクター修復

奮起した矢車さん、善戦の後に散る

天道、矢車さんの意志を継いでハイパータイフーン

なんて燃え展開も見てみたいけど。

93:名無しより愛をこめて
07/03/19 19:38:29 M6Iycr1sO
ザビーゼクター破壊に本気で泣いた(ノД`)
このロワで一番……
|葬式会場| λ...λ...ザビーゼクター……


94:名無しより愛をこめて
07/03/19 19:43:18 hVcvsOfq0
いっそのこと結城さんか小沢さんに修理してもらうとか。
橘さん? 彼はその横でなんか食っていますよw

95:名無しより愛をこめて
07/03/19 19:57:53 GPOCd9gb0
>>94
「あれ、部品が足りn…」
( 0M0)「部品は俺が飲み込んだ」
しか浮かばないw

96:名無しより愛をこめて
07/03/19 20:04:38 hVcvsOfq0
               . -―- .      やったッ!! さすが橘さん!
             /       ヽ
          //         ',      おれたちにできない悪食を
            | { _____  |        平然とやってのけるッ!
        (⌒ヽ7´        ``ヒニ¨ヽ
        ヽ、..二二二二二二二. -r‐''′     そこにシビれる!
        /´ 〉'">、、,,.ィ二¨' {.  ヽ     _ _      あこがれるゥ!
         `r、| ゙._(9,)Y´_(9_l′ )  (  , -'′ `¨¨´ ̄`ヽ、
         {(,| `'''7、,. 、 ⌒  |/ニY {               \
           ヾ|   ^'^ ′-、 ,ノr')リ  ,ゝ、ー`―-'- ∠,_  ノ
           |   「匸匸匚| '"|ィ'( (,ノ,r'゙へ. ̄ ̄,二ニ、゙}了
    , ヘー‐- 、 l  | /^''⌒|  | | ,ゝ )、,>(_9,`!i!}i!ィ_9,) |人
  -‐ノ .ヘー‐-ィ ヽ  !‐}__,..ノ  || /-‐ヽ|   -イ,__,.>‐  ハ }
 ''"//ヽー、  ノヽ∧ `ー一'´ / |′ 丿!  , -===- 、  }くー- ..._
  //^\  ヾ-、 :| ハ   ̄ / ノ |.  { {ハ.  V'二'二ソ  ノ| |    `ヽ
,ノ   ヽ,_ ヽノヽ_)ノ:l 'ーー<.  /  |.  ヽヽヽ._ `二¨´ /ノ ノ
/    <^_,.イ `r‐'゙ :::ヽ  \ `丶、  |、   \\'ー--‐''"//
\___,/|  !  ::::::l、  \  \| \   \ヽ   / ノ


97: ◆ozOtJW9BFA
07/03/19 20:10:08 WIQiShmt0
投下します。

98:希望と絶望の朝 ◆ozOtJW9BFA
07/03/19 20:11:59 WIQiShmt0
クライシス帝国の尖兵である神崎士郎により、別の時空の殺し合いの場に放り出された南光太郎。
南光太郎はクライシス帝国の野望を打ち砕く為、カラオケマイクを使い同士を募った。
だが神崎士郎の賛同者の急襲を受け、ビルの屋上から転落してしまった。
神崎士郎の仕掛けた殺し合いに巻き込まれた人達が、君の助けを待っている!
立ち上がれ、南光太郎!変身せよ、仮面ライダーBLACK RX!!
 
『希望と絶望の朝』
 
カシャ、カシャ、カシャ、カシャ
光太郎に迫る銀色の影。
「止めろ信彦!俺はお前とは戦いたくない!!」
悲痛に訴えるも銀色の影は構わず光太郎に詰め寄り、サタンサーベルを振り上げる。
「止めろ信彦……止めてくれ………はっ!!」
光太郎が目を覚ますと、そこはビルの近くにある植え込みの中だった。
「今のは夢か……そうか俺はビルから落とされて、気を失っていたんだ。
 しかし今頃になって死んだ信彦の……シャドームーンの夢を見るなんて……」
ピ~ン♪ポ~ン♪パ~ン♪ポ~ン♪
物思いに耽る間も無く、定時放送が天から仰ぐ。
 

99:希望と絶望の朝 ◆ozOtJW9BFA
07/03/19 20:13:57 WIQiShmt0
 
「もう六人も死んだというのか!そしてそれだけクライシス帝国の企みに乗った人が居るという事だ……
 くっ、こんな時に変身する事も出来ないなんて……」
光太郎はビルの屋上で襲われた際、何故か変身が出来なかった。
「もはや一刻の猶予も無い!もう一度このマイクを使って、仲間を集めなくては!」
自分の手にカラオケマイクの存在を確かめる。だがそのマイクは、声を向けても手で叩いても何の反応も示さない。
「馬鹿な?一体どうしたっていうんだ!?……さてはクライシス帝国の仕業か!
 このマイクを使って仲間を集めるのをおもしろく思わない奴等が、俺が気を失っている隙にマイクを壊したのか!!
 おのれクライシス帝国!姑息な真似を!!」
電源を入れっ放しにしていたせいで、電池の切れたカラオケマイクを握り締め光太郎は憤る。
「……仕方ない、こうなったら自分の足で仲間を捜しに行こう。
 そういえば放送でH10エリアに何かあると言っていたな、そこに行ってみよう!」
 
市街地を歩いていた光太郎の前に、奇妙な機械を持った青いクワガタムシが飛び出した。
「なんだあれは!?」
光太郎はそのクワガタを捕まえ、挟み持っていた機械を無理矢理取り上げる。
「このクワガタもよく見れば機械じゃないか……うわっ!?」
突如クワガタが暴れだし、光太郎の手中から飛び出した。
そしてそのまま旋回して、光太郎目掛け突っ込んで来る。
上体を捻って回避しながら、走って逃げ出す。
「冗談じゃないぜ!なんだあのクワガタは!?」
後頭部を狙うクワガタを、頭を下げてかわす。
「なんて凶暴なクワガタなんだ!そうか、こいつはクライシス帝国の仕掛けた罠だな!
 クワガタのふりをして油断を誘い、近付く人間達を襲う為の物か!クライシスの陰謀は俺が打ち砕いてやる!!」
クワガタの攻撃が上体を捻る、光太郎の服を切り裂く。
「くっ、駄目だ!……せめて………せめて変身さえ出来れば!!」

100:希望と絶望の朝 ◆ozOtJW9BFA
07/03/19 20:15:23 WIQiShmt0
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
ガタックゼクターは自身に課せられた使命、天道総司にハイパーゼクター渡す為市街地を飛んでいた。
だがそのハイパーゼクターは、突然現れた男に奪われてしまった。
ガタックゼクターはハイパーゼクターを取り戻すべく、男に戦いを挑む。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
光太郎はクワガタの攻撃をかわすのが、精一杯だった。
「このままではやられる!だが変身も出来ない今、反撃のしようも無い!」
クワガタに足をかられ、光太郎は倒される。
その光太郎の顔に民家の谷間から、太陽の光が差し込む。
「そうだ!俺は全ての命に光を降り注ぐ太陽の子!!こんな所で諦めちゃいけないんだ!!」
光太郎は再び立ち上がった。
「全ての命を守る太陽よ!クライシス帝国の野望から人々を守る為、俺にもう一度変身する力を与えてくれ!!!」
クワガタに向き、右手を天高く振り上げる。
「変身!」
そのまま右手を切り下ろし、両手を左右に払い左拳を握る。
光太郎の目の奥で火花が散る。それと共に腰にベルトが現れ、やがて全身が変態を遂げた。
黒いボディ、真っ赤な目、その者の名は、
「この世に光がある限り、俺は何度でも蘇る!!
 俺は太陽の子!! 仮面ライダーBLACK RX!!!」
突っ込んで来るクワガタを、今度は余裕を持って回避する。
旋回してきたクワガタを掴もうと手を伸ばしたが、急加速したクワガタに掌を切り裂かれる。
「駄目だ!素手ではこいつに対処しきれない!」
再び旋回し、RXに迫るクワガタ。
その時、奇跡が起こった。
「リボルケイン!!」
ベルトから出現した光の剣を左手に持ち、それを横薙ぎに払う。
クワガタはその一撃を受け、彼方へ飛んでいった。
「危機一髪、まさに一打逆転サヨナラホームランって感じだな!」
 

101:希望と絶望の朝 ◆ozOtJW9BFA
07/03/19 20:16:48 WIQiShmt0
 
変身状態のまま、RXは周囲への警戒を緩めない。
「どうやら、さっきのクワガタはもう襲っては来ないようだ……
 倒したか、それとも単に諦めただけか……」
その内に変身が、勝手に解けた。
「これはどういう事だ?」
光太郎は考察する。
先刻屋上で変身出来ず、先程再び変身出来るようになった。
おそらく変身時間に制限がかけられ、一定時間経たないと再度変身と。
「RXへの変身に制限を掛けるとは、クライシス帝国め何処まで姑息な真似をするんだ!!
 ……奴等のやる事を一々気にするだけ無駄か。奴らは俺達の常識では計れないような馬鹿げた事をするからな」
気を取り直し、H10エリアに向け出発する。
 
クライシス帝国の尖兵は、新たな力リボルケインで退けた。
だがクライシス帝国との戦いは、始まったばかりだ!
戦え、南光太郎!変身せよ、仮面ライダーBLACK、RX!! 
 
【南光太郎@仮面ライダーBLACK RX】
【1日目 現時刻:朝】
【現在地:市街地F-5】
【時間軸:第1話、RXへのパワーアップ直後】
【状態:健康】
【装備:リボルケイン】
【道具:カラオケマイク(電池切れ)、ハイパーゼクター】
【思考・状況】
1.H10エリアに行く。
2.対主催の仲間を捜す。
3.打倒主催。その後、元の世界に戻ってクライシス帝国を倒す 。
【備考】
黒幕はクライシス帝国、神崎はその手の者であると勝手に確信しています。
参加者名簿は未確認。
ガタックゼクターをクライシス帝国の罠だと勝手に確信しています。

102: ◆ozOtJW9BFA
07/03/19 20:18:51 WIQiShmt0
投下終了しました。
ガタックゼクターの位置、状態については次の書き手さんに任せます。

103:名無しより愛をこめて
07/03/19 20:25:03 hVcvsOfq0
投下乙。
ちょww光太郎www
加賀美に流した涙を返せw

こいつがシリアスになる日は来るんだろうか。

104:名無しより愛をこめて
07/03/19 20:28:37 M6Iycr1sO
ザビーゼクターに続いてガタックゼクターも死ぬんじゃないかとハラハラしたw

105:名無しより愛をこめて
07/03/19 20:29:10 GPOCd9gb0
リアルタイム投下遭遇は初。乙でした。
ガタックゼクターカワイソス…
対主催の仲間を探すうちに天道パーティと遭遇、に期待できそう

光太郎…ww

106:名無しより愛をこめて
07/03/19 20:32:13 dz3qbbydO
早めに光太郎が天道に接触したら結果オーライ

107:名無しより愛をこめて
07/03/19 20:33:05 2YFlB8MGO
ミルクティー吹いたw
シリアス展開なガタックゼクターが酷い目に…。前途多難だ。
全てゴルゴムの仕業になる光太郎…ロワなのに笑えるって貴重な存在だw
面白かったです!GJ!!

あとアンケート。
みんなの好きな話はなに?
他にも「ライダーロワの中で」好きなキャラとか。
良かったら総合雑談所の方に答えてくれ。
せっかくだし雑談所を活性化させようかと思った訳。

108:名無しより愛をこめて
07/03/19 20:57:44 hVcvsOfq0
URLリンク(yy47.60.kg)
こっちで書いてOK?

したらばが本気で欲しい今日この頃。

109:名無しより愛をこめて
07/03/19 20:59:13 VryOlZH40
わいわいじゃダメなん?

110:名無しより愛をこめて
07/03/19 21:01:09 2YFlB8MGO
>>108
お願いします。
したらば俺も欲しいな。
キャラ追悼、死んだキャラでネタ、あと詳しいキャラ紹介なんかが欲しい。

111: ◆ozOtJW9BFA
07/03/19 21:15:45 WIQiShmt0
脱字発見しました、すいません。
>おそらく変身時間に制限がかけられ、一定時間経たないと再度変身と。

>おそらく変身時間に制限がかけられ、一定時間経たないと再度変身出来ないと。
に差し替えてください。

112:名無しより愛をこめて
07/03/19 21:23:17 dz3qbbydO
その内これも必要になるかな?

【ガタックゼクター@仮面ライダーカブト】
【1日目 現時刻:午前】
【現在地:不明】
【時間軸:ハイパーゼクター登場辺り】
【状態:不明】
【装備:無し】
【道具:無し】
【思考・状況】

113:名無しより愛をこめて
07/03/19 21:25:46 2YFlB8MGO
ガタックゼクター独立…イイ(・∀・)!
あと道具のハイパーゼクターが抜けとるww

114:名無しより愛をこめて
07/03/19 21:28:03 2YFlB8MGO
連レスすまん。
ガタックゼクターが死んだら本当に泣いてしまいそうだ…(´;ω;`)

115:名無しより愛をこめて
07/03/19 21:28:41 hVcvsOfq0
>>109
いや、死者スレ欲しいなって思っただけ。
死者スレ=したらばってイメージがある。それだけ。

116:名無しより愛をこめて
07/03/19 21:46:14 xhOPQMmWO
ライダー墓場みたいなのがあるとしたら、加賀美はモニターの前で
(゚Д゚;≡;゚д゚)こんな顔してそうだな
ガタックゼクター頑張れ超頑張れ。

つーか貴重な変身時間を勘違いで野良ゼクターに…光太郎www

117: ◆E1yyNEjdEc
07/03/19 23:52:50 jTBNOAdD0
>>102
GJ!投下乙です。RXの迷走っぷりが相変わらず面白いです。
あと、カッとなってやってしまった次回予告を全て反映していただいてありがとうございます。。。

まとめサイト更新しました。
前スレで議論されていましたが、以下の項目を提案することで決定したみたいなので記載いたします。
問題ないようでしたら、明日にでもアップしたいと思います。
・超電子ダイナモは内蔵でOK。扱いは書き手に任せる。
・既存のパワーアップ以外のパワーアップは無し
・直前まで使われていたアイテムで、他の奴が二時間以内に変身する事は可能。だが、これをやると変身アイテムが過重に耐えられなくなり爆発する。
二時間経てば問題なし。
・ライダー(制限時間切れ)→即座に怪人に変身、も可能。

118:名無しより愛をこめて
07/03/19 23:59:42 hVcvsOfq0
まとめ更新乙!

自分はそのルール追加で大丈夫です。
まあ、議論に参加していた一人ですから当然ですが。

119:名無しより愛をこめて
07/03/20 00:35:22 kSb8rYgo0
乙!

ところで……
V3の逆ダブルタイフーンの設定はどうなるんだろう
二時間か三時間か忘れたがしばらく変身不能になるけど
普通にしてても変身後二時間変身不可の現状、あまりデメリットにならんよーな

まあそれも次の話で死んだら終わりなんだがなー

120: ◆E1yyNEjdEc
07/03/20 12:46:01 bFzI5YU70
逆ダブルタイフーンは3時間ですね。
その絡みで結局気付かぬまま進むのも面白いですが。
麻生勝、影山冴子、ドラス、日高仁志を予約します。


121:名無しより愛をこめて
07/03/20 13:58:47 8EcyzQtK0
南光太郎の位置、F-5って、飛びすぎじゃないか?

122:名無しより愛をこめて
07/03/20 19:08:26 Hyvvi0Kt0
変身アイテム爆破かぁ。

123:名無しより愛をこめて
07/03/20 21:54:19 KD50FaUT0
質問。
ユナイトベントは支給品扱い?

124:名無しより愛をこめて
07/03/20 22:21:00 /KKZ+4SU0
>>117
更新乙。
>既存のパワーアップ以外のパワーアップは無し
サバイブの処理は?
>直前まで使われていたアイテムで、他の奴が二時間以内に変身する事は可能。だが、これをやると変身アイテムが過重に耐えられなくなり爆発する。
これには反対。
ルールが複雑化するのは好ましくない(キャラに気付かせる方法が……)。
変身アイテム引継ぎは既存のルールで出来るんだし、これはデメリットの方が大きいと思う。


125: ◆ozOtJW9BFA
07/03/20 22:35:25 pZTSO18m0
>>121
以前の議論でマップ一辺の広さは、2~3km位とあったので
無理のある移動距離ではないと判断しました。
>>123
それも以前の議論で書き手さんに任せるという結論が出ていたと思います。

上城睦月、北岡秀一、木野薫、キング、橘朔也、津上翔一を予約します。

126:名無しより愛をこめて
07/03/20 22:48:22 KD50FaUT0
>>125
答えてくれてありがとうございます。
距離に関しては自分も無理ではないと思いますよ。
大パーティの話楽しみにしています。

>>124
サバイブは書き手がゾルダ、王蛇、リュウガが使わないように配慮した方がいいです。
既存のフォーム以外が問題なのは、「自分の考えていたフォームと違う!」と、荒れるだろうからとの事ですし。

パーティ内で変身アイテムが使いまわされるのが問題となり、変身アイテムに制限が加えた方がいいという流れになっています。
上記の問題がなければそのままでいいと思うんですが。

127:名無しより愛をこめて
07/03/20 22:56:22 ILmDXGzWO
変身制限は、ツールごとにかけるんじゃなかったっけ?


128:名無しより愛をこめて
07/03/20 23:32:45 OPWhvynyO
俺は上記の案で問題無いと思うけど。
あと変身アイテムは引き継げるけど、その場で使い回せたらヤバくない?って話。
あれこれコロコロ変身出来ちゃったら意味ないし。その為の制限ってことじゃないの?

129: ◆A.IptJ40P.
07/03/21 00:27:01 53Lfcg5p0
自分の意見を述べておきます。

・変身制限
自分は単純に、一度使用した変身(ツール、手段)は二時間使用不可、と解釈していました。
以前問題になったので、話にそれが絡まないようにしていたのですが……
新しい案が出た理由は、
・死んだ仲間の変身アイテムで志を受け継ぐって展開が出来る
これに尽きると思います。
なら、爆発させるのではなく過負荷で完全停止(例:携帯は画面さえ点かない。デッキはベルトが出ない)で二時間で回復、はどうでしょう?
ぱかぱか変身アイテムが減っていくのは望ましくないですし……
ルールの複雑化にも反対です。キャラがそれに気付くのに、最低一個はアイテムが犠牲になりますし。
それに、今でもこの展開は出来ないわけではありません。(例:リベンジの際の切り札)

・サバイブ
>>85です。
キャラ三人と会わないように配慮、は難しい……展開を縛ることになるので。

長文失礼しました。

130:名無しより愛をこめて
07/03/21 00:38:13 uFKB5v1H0
・変身制限
爆破には抵抗があるんで、一度だけなら他の人が使った変身アイテムが二時間以内に使える
と言うのはなかなかいい案だと思う。
使いまわすというのが問題なわけだし。

・サバイブ
王蛇、リュウガ、ゾルダの三人が所持してもいいと思うけど、使うのは無しにしたい。
理由は>>124。心理描写が問われるな……。

制限は首輪で一括と言うことになった。
首輪が変身アイテムにも制限を加えているとしたら、死んだ仲間の変身アイテムを使うってのは裏技的見たいのに分類されるのかな?
神崎なら知っててやりそうだけね。殺し合いを進めると言う意味で。


131:名無しより愛をこめて
07/03/21 01:10:31 jZSB8otKO
機能停止でも良いんじゃない?要は使い回せないようにすればいいんだし。

あとサバイブはやっぱり無しだろう。上手く展開していくしか無い。
浅倉はサバイブ所持してる矢車さんと接触したが、問題無く展開出来た。

132:名無しより愛をこめて
07/03/21 15:40:28 BBr1HSuj0
まとめサイトの更新乙であります。
それでは現時点での書き手さんの進行状況はどうなんでしょうか?

133:名無しより愛をこめて
07/03/21 15:41:33 KtGWmDNZO
爆発、機能停止双方に反対
ツールごとに制限でもアイテムを受け継ぐ展開は出来るし、ルールは単純な方が良い

・二段変身+二対一で負けない
・普通のライダー二人
この二つが互角っておかしくないか?


134: ◆4wyf44BgsE
07/03/21 15:53:05 1//ElWI70
>>132
もうすぐ完了です。
今日か明日には、投下の予定です。


135: ◆4wyf44BgsE
07/03/21 17:57:13 1//ElWI70
思ったより早く完成しました。
投下します。

136:名無しより愛をこめて
07/03/21 17:58:37 jZSB8otKO
今の変身システムってどんなんだっけ?

137:2人のライダー、2枚のジョーカー ◆4wyf44BgsE
07/03/21 17:58:48 1//ElWI70
ACT:1 リュウガ
1回目の放送、死亡者は6名か。
その内、自分が手に掛けたのはたった1人、見逃した奴の数の方が多い。
後の死亡者5名は自分以外のジョーカーが殺したか、他にも戦いに乗った奴が存在するという証拠だ。
―あんまり甘いと、すぐ死ぬぞ。
自分自身に言い聞かせた方がいい台詞だな。
迷いを振り切るように全速力で斜面を駆ける。
小丘を下りきると、景色は一転した。
敷き詰められたアスファルト、並び立つ住宅や構築物、空が段々と白んで行き、街は輪郭を現す。
地図を取り出し位置を確認する。D-5エリア辺りか。
自分への焦燥に苛まれた夜が長かった所為なのか、雲ひとつ無い晴天へ上っていく太陽の光がやけに眩しく眼に突き刺さる。
その時だった。

―みんな!殺し合いなんてもうやめてー

数分ほど前、自分が下り降りて来た丘の上。黒髪を靡かせ少女が必死に訴えかけている。
何やってんだ……殺してくれって言ってんのか!
丘に向かって駆け出した瞬間、我に返る。
何をしているんだ?俺は。 助けに行こうとでもしてるのか?
迷いに拍車を掛けるように少女の声が耳を貫く。


138:2人のライダー、2枚のジョーカー ◆4wyf44BgsE
07/03/21 18:00:15 1//ElWI70

「殺し合えって言われたからって、人を殺すなんておかしいよ!」

やめろ!デイパックから拳銃を取り出す。
その冷たい銃身、人を殺すだけの為に作られた存在。
俺と同じだ。これで女を殺せれば、もう迷うことなんかなくなる。

―仮面ライダーは、闇を切り裂き光をもたらす!

訴え続ける女に向かい引き金を引く、反動が一気に肩まで駆け上がる。
そうだ、それだけ、それだけでいい。
だが、意思とは裏腹に懸命な叫びは、心に突き刺さって……

―麻生さぁん!ごめんなさい!
声を掻き消す銃声。
撃たれた?!拳銃をバックに突っ込み、気が付けば丘へ向かって走り出していた。
拡声器から聞こえてくるのは戦闘の様子だけ、声は途絶えたまま。

「俺は闇を切り裂き光をもたらす、仮面ライダー! キック! ホッパァー!!」

一際大きく叫ばれた正義の声に、一瞬足が止まる。


139:2人のライダー、2枚のジョーカー ◆4wyf44BgsE
07/03/21 18:01:24 1//ElWI70
行ってどうする? 殺そうとしてたんだ。
―敵討ちは……仮面ライダーの役目だ……
正面のショーウィンドウ、映る自分の姿。
俺はジョーカーだ……
鏡の中のライダーに2度と戻らない。存在するのは俺だ。
躊躇うことなく撃鉄に手を掛ける。
派手な音を立て、砕け散るガラス。硝煙の匂いが乱された気持ちを落ち着けてくれた。
冷静になれば、鼠の様に隠れ怯えている男を見つけ出すのは簡単だった。

博士の称号を持つ男は、饒舌な命乞いを始める。
「仮面ライダーを作り出しただと?」
確かに銃口を向けられ、白衣姿で怯えている様子はとてもライダーとは思えない。
「そうだ。拡声器から聞こえた声。麻生くんも私が、」
「操る側が、操られる側になったということか。」
博士の体を力任せに叩き付け、肩、右脚、左脚へ銃撃を撃ち込む。
「グッ、ウオォ。何をするのだ!」
こいつは、すぐには殺さない。
「この騒ぎに、すぐ誰か駆け付けて来るだろう。お前の味方の麻生君か、それとも殺人者か……
せいぜい不安と恐怖って奴を楽しむんだな。」
最も、失血死する方が早いかも知れないがな。
放り出され、散乱した博士の荷物に気付く。
支給品は、コンファインベントカード。
「これは貰っておく。」
そう言い捨て、市街地の中心部へ向かう。
二度と振り返ることはなかった。



140:2人のライダー、2枚のジョーカー ◆4wyf44BgsE
07/03/21 18:03:14 1//ElWI70
ACT:2 霞のジョー
「うぅっ……」
起き上がった瞬間、眼にしたのは……
自分の手にしたベルト、血だまりに横たわる2人の男。
1人の男は見覚えがある。あいつに声を掛けられて……
!?思い出せない。一体何があったんだ?
まさか、俺が?全身に感じる痛み、それは確かに自分が参戦したことを物語っている。
―ヒュンッ
「!!!」
自分に向かい放たれる光の矢。
まずい!縺れる足を必死に動かし、人目に付かない路地へ逃げ込む。
でも、あの惨状を見れば俺が殺ったと思うだろう。
記憶を失っている自分は何をしていた?
考えれば考えるほど、混乱する。
―俺は霞のジョー!  死ぬも生きるも兄貴と一緒だ~
兄貴と一緒に戦った時の、あれは本心なのか?
本当の俺は残酷な殺人者だったのか?
どっちが本当の俺なんだ!
自分探しの旅の結末がこんな事だなんて。
兄貴、俺はどうしたらいいんだ?兄貴……
涙が止まらない。
日の当たらない路地。行く当ても無く、ただ無我夢中に走り続けた。



141:2人のライダー、2枚のジョーカー ◆4wyf44BgsE
07/03/21 18:03:15 1//ElWI70
ACT:2 霞のジョー
「うぅっ……」
起き上がった瞬間、眼にしたのは……
自分の手にしたベルト、血だまりに横たわる2人の男。
1人の男は見覚えがある。あいつに声を掛けられて……
!?思い出せない。一体何があったんだ?
まさか、俺が?全身に感じる痛み、それは確かに自分が参戦したことを物語っている。
―ヒュンッ
「!!!」
自分に向かい放たれる光の矢。
まずい!縺れる足を必死に動かし、人目に付かない路地へ逃げ込む。
でも、あの惨状を見れば俺が殺ったと思うだろう。
記憶を失っている自分は何をしていた?
考えれば考えるほど、混乱する。
―俺は霞のジョー!  死ぬも生きるも兄貴と一緒だ~
兄貴と一緒に戦った時の、あれは本心なのか?
本当の俺は残酷な殺人者だったのか?
どっちが本当の俺なんだ!
自分探しの旅の結末がこんな事だなんて。
兄貴、俺はどうしたらいいんだ?兄貴……
涙が止まらない。
日の当たらない路地。行く当ても無く、ただ無我夢中に走り続けた。



142:2人のライダー、2枚のジョーカー ◆4wyf44BgsE
07/03/21 18:03:16 1//ElWI70
ACT:2 霞のジョー
「うぅっ……」
起き上がった瞬間、眼にしたのは……
自分の手にしたベルト、血だまりに横たわる2人の男。
1人の男は見覚えがある。あいつに声を掛けられて……
!?思い出せない。一体何があったんだ?
まさか、俺が?全身に感じる痛み、それは確かに自分が参戦したことを物語っている。
―ヒュンッ
「!!!」
自分に向かい放たれる光の矢。
まずい!縺れる足を必死に動かし、人目に付かない路地へ逃げ込む。
でも、あの惨状を見れば俺が殺ったと思うだろう。
記憶を失っている自分は何をしていた?
考えれば考えるほど、混乱する。
―俺は霞のジョー!  死ぬも生きるも兄貴と一緒だ~
兄貴と一緒に戦った時の、あれは本心なのか?
本当の俺は残酷な殺人者だったのか?
どっちが本当の俺なんだ!
自分探しの旅の結末がこんな事だなんて。
兄貴、俺はどうしたらいいんだ?兄貴……
涙が止まらない。
日の当たらない路地。行く当ても無く、ただ無我夢中に走り続けた。



143:2人のライダー、2枚のジョーカー ◆4wyf44BgsE
07/03/21 18:05:15 1//ElWI70
連投すみません。
以後気をつけます。
続き投下します。

144:2人のライダー、2枚のジョーカー ◆4wyf44BgsE
07/03/21 18:07:03 1//ElWI70
ACT:3 2人のライダー、2枚のジョーカー
―変身 A Change Mantis
剣崎が死んだ今、戦いをためらう必要など一つも無い。
路地へと逃げ去る男の姿。逃がさない!
次の矢を放った瞬間― 
拡声器から叫ばれる願い。
殺さないで、人間なら当然の感情だ。
だが、剣崎と天音ちゃん、2人をこのままにして置く訳には行かない。
―瀬川さん……その名前に呼応する、微かな気配を察知した。

誰かが呼んでいる。
俺に助けを求めている。沈み掛けていた意識と、ほぼ感覚の無い身体を気力で叩き起こす。
かすむ眼に捕えた1人のライダー。
「その体で、行こうと言うのか?」
「俺は、仮面ライダーJ!どんな、傷を、負うとも……助けを求める声を、無視出来ない。君も、ライダーなら、そうだろう?」
「……」
「早く、行かなければ。グッ、グハァッ」
夥しい吐血。そして拡声器から聞こえた惨たらしい銃撃音。
気力と身体は、糸が切れた様に崩れ落ちた。
「少女よ、大地の精霊たちよ。すまない……」
視界が暗くなり、意識は混濁する。
「俺は、もう、だめなのか?」
頬を照らす暖かな朝日に、悔しさに満ち希望を失った心が少し救われた。
ただ……
「アスファルトは冷たすぎる。せめて土の上で……」


145:2人のライダー、2枚のジョーカー ◆4wyf44BgsE
07/03/21 18:08:04 1//ElWI70
フッと、持ち上げられ軽くなる体。街路樹の傍ら、乾いた芝生の上まで。
「……」
無言のまま立ち去る後姿。
最後の力をふり絞る。
「待ってくれ。俺の、バックの中に、首輪探知器が入っている。 持って、行ってくれ……」
素顔も、名も知らぬライダー。
だが、彼に託そう。
―大地の感触が心地良い。風は優しく、太陽の暖かな光が体を包む。
あぁ、これで少し眠れる……

変身を解かず、走り続ける。
探知機の示す反応まで、あと2ブロック。
射程距離まではまだ遠いが、感傷に浸っている暇も無い。
市街地を全速力で駆け抜ける。
丘へ続く直道へ出た瞬間、眼に飛び込んだのは晴天を切り取ったような青いジャケット。

―変身

その声と共に、折り重なる虚像……青は漆黒へ変貌する。

人間、いやライダーにも2種類有るのだろう。
剣崎や瀬川、彼等は光を求め、日の当たる場所にいる。
そして、俺やこのライダーの様に殺戮さえも手段とする日陰に棲まう者。
光に憧れ、戦い、そしてすべてが終わった時、俺はそこへ行けるのだろうか?
たとえ、辿り着くことが出来ないとしても、俺は勝ち残らなければならない!
願いを込め放つカリスアロー。
―剣崎、天音ちゃん、もう少し待っていてくれ。

瀬川耕司 死亡  残り39人


146:2人のライダー、2枚のジョーカー ◆4wyf44BgsE
07/03/21 18:09:23 1//ElWI70
【リュウガ@仮面ライダー龍騎】
【1日目 現時刻:朝】
【現在地:市街地D-5エリア】
【時間軸: 劇場版登場時期。 龍騎との一騎打ちで敗れた後。】
【状態:肉体、精神的ダメージも回復しつつある】
【装備:ファイズショット@555 】
【道具:拳銃(元は明日夢の物)】
【思考・状況 】
1:もう一人の自分と融合し、最強のライダーになる。
2:眼前のライダーを殺す。
3:ジョーカーの役目を果たす

【相川 始@仮面ライダー剣】
【1日目 現時刻:朝】
【現在地:市街地D-5】
【時間軸:本編後】
【状態:腹部切傷】
【装備:ラウズカード(ハートのA、2、5、6)】
【道具:未確認】
【思考・状況】
1.ジェネラルシャドウを含め、このバトルファイトに参加している全員を殺す。
2.この戦いに勝ち残り、剣崎一真を蘇らせる。



147:2人のライダー、2枚のジョーカー ◆4wyf44BgsE
07/03/21 18:10:14 1//ElWI70
【霞のジョー@仮面ライダーBLACKRX】
【1日目 現時刻:朝】
【現在地:移動中】
【時間軸:クライシス壊滅後。】
【状態:軽度のダメージ。】
【装備:サイ、スマートバックル(アクセレイガン付属】)
【道具:なし】
【思考・状況 】
1:混乱している。
2:精神支配は伊坂が死亡したため、解けた状態。
3:兄貴、どうすればいい?

【望月博士@仮面ライダーZO】
【1日目 現時刻:朝】
【現在地:市街地D-5】
【時間軸]:ドラス創造後。ドラスに恐怖する前。】
【状態:銃弾による重症】
【装備:毒薬】
【道具:コンファインベント⇒リュウガへ】
【思考・状況】
1:ドラスなら助けてくれるはず。
2:このまま死んでしまうのか?


148:2人のライダー、2枚のジョーカー ◆4wyf44BgsE
07/03/21 18:11:55 1//ElWI70
以上です。
誤字脱字、矛盾点など指摘よろしくお願いします。
途中、連投してしまい申し訳ありませんでした。

149: ◆TJ9qoWuqvA
07/03/21 18:18:24 uFKB5v1H0
乙&GJ!
リュウガの心理描写が面白かったです。さすが元が真司なだけあって揺れまくりです。
首輪探知機が始の手に渡ったのは面白い。

自分の進行状況は六割です。
早ければ金曜日、遅くても土曜日までには投下できそうです。

|葬式会場| λ...逝っちまったな。仮面ライダーJ……

150:名無しより愛をこめて
07/03/21 18:21:36 jZSB8otKO
GJ!
美しい死に様だ…。「コンクリートの上は冷たすぎる」…表現が素晴らしい。
そしてジョーカー同士の対決か。始は死亡フラグを跳ね返せるのか期待!
乙でした!

151:名無しより愛をこめて
07/03/21 18:25:39 v/N4WbbyO
感想ありがとうございました。
真理の命懸けの放送あってこそのSSでした。
投下楽しみにしてます。

152: ◆ozOtJW9BFA
07/03/21 18:45:48 LIDu0rVz0
投下乙&GJ!
各々の心理描写の表現が素晴らしく、かつ大きく展開が動いて面白かったです。

進行状況は1割程です。

153:名無しより愛をこめて
07/03/21 18:54:20 LIDu0rVz0
連投になってすいません。
誰の道具欄にも首輪探知機が無いのですが、始が持っているという事でいいんですか?

154: ◆4wyf44BgsE
07/03/21 19:04:51 v/N4WbbyO
失礼しました。
記入漏れです。
相川始の道具に、首輪探知器を追加お願い致します。


155: ◆4wyf44BgsE
07/03/21 19:25:34 v/N4WbbyO
何度もすみません。
リュウガの道具か、装備の方がいいのかな?コンファインベントも追加でお願いします。

156: ◆E1yyNEjdEc
07/03/21 19:40:31 oa9cWd/I0
◆4wyf44BgsEさん、投下乙です。
ACT式に分ける手法良かったです。
瀬川耕司が己が命よりも人を助けようと動いたのは仮面ライダーらしく熱かったです。
これでカリスがどうなるかどうもならないのか。

まとめサイト更新しました。
指摘事項も修正しております。
また、私の進行状況ですが、7割ぐらい。ちょっと設定の解釈に問題あるかもしれないので、2案書くつもりです。
たぶん投下は明日になるかと思います。



157: ◆4wyf44BgsE
07/03/21 20:23:41 1//ElWI70
まとめサイト更新乙です。
修正ありがとうございました。


158: ◆TJ9qoWuqvA
07/03/21 22:00:29 uFKB5v1H0
一気に書き上げてしまったので、勢いに乗って投下します。

159:Climax Typhoon ◆TJ9qoWuqvA
07/03/21 22:01:33 uFKB5v1H0
「かかってこい! 悪党ども!」
 赤い影が疾風を巻き起こし、黒と紫、二人の悪へと突進する。
「フフ……」
 デルタが手をゆっくり叩きながら悠然と佇む。
「トォッ!」
 拳を振り上げ、デルタに放つが防がれ、逆に殴りつけられる。
 しかし、拳を冷静に見つめ、右腕を取り、背中に乗せながら投げ飛ばす。
 腰をしたたかに打ちつけたデルタは、自身のダメージに構わず、即座に体勢を立て直し再びV3に殴りかかる。
 一、二撃を捌くと、王蛇がベノザイバーにカードをセットする姿が目に入る。
 ―SWORD VENT―
 大理石の壁から飛び出した、ガラガラヘビの尾を彷彿させる剣を手に、デルタを蹴りつける。
「こいつは俺の獲物だ。邪魔をするなっ!」
 雄たけびがあげられ、力任せに剣が振り回される。洗練されたとはいえない剣術だが、強引にチャンスごと斬られる。
(焦るな。隙は必ずある)
 強く耐え、ひたすら剣をかわす。振り下ろされた剣が壁に深く刺さり、攻めるチャンスが巡ってきたことを確信し、勢いよく踏み込み、腰に構えていた拳を腹に打ち込まんとする。
 だが王蛇はあっさりと剣を手放し、身体を独楽のように回して蹴りを放つ。
 V3の拳が王蛇の頬をを打ち抜くが、王蛇の蹴りはV3の脇腹に突き刺さっていた。
 お互い間合いをあけ、地面を踏みしめる。
「ハアァァ、戦いはいい。ゾクゾクする!」
 戦いに陶酔する笑い声が黒い壁を叩き、V3は赤い仮面の下で顔を歪ませた。
「何が可笑しい!?」
 V3には王蛇が理解できなかった。この戦いのために拉致され、無理矢理殺し合わされ、いつ自分の命を失うか分からないのである。
 V3とて正義に身を捧げたゆえ、死を恐れることはないが、目の前の男は戦って何かを得ようという気配がない。
 ただ、戦いを……いや、殺し合いを楽しんでいるようにしか見えなかった。
「こういうもんなんだろ? 仮面ライダーってのは!」

160:Climax Typhoon ◆TJ9qoWuqvA
07/03/21 22:02:39 uFKB5v1H0
 叫び、剣を引き抜いていく姿を見て、V3は拳を震わせた。

 ―仮面ライダー、お願いだ。俺を……俺を改造人間にしてくれ!!

 父と母、そして妹の復讐の為に改造人間の力を求めた。だがそれも僅かの間。
 すぐに風見志郎は仮面ライダーとして正義の為に戦う決意をした。
 技と、力を受け継いで。
 それを、目の前の王蛇は怪人でしかないと笑った。
「お前だけは許さん!!」
 怒りに燃える両瞳を向け、憤怒の叫びが木霊する
 怪人でさえ圧倒する怒りを向けられながらも、王蛇は萎縮するどころか、ますます歓喜に満ちた声を上げる。
「いいぞ! もっと俺を楽しませろォォォ!!」
 狂気と怒りが爆発し、お互いを砕こうと衝突する。その瞬間、白閃が走り、二人の身体が爆ぜた。

「ねえ、二人だけで遊んでないで、僕も仲間に入れてよ」
 クルクルとデルタフォンを回し、V3との距離を詰める。
 蹴りと拳を捌かれ、手刀で突き飛ばされる。
「遊びだと? 殺し合いが遊びだと、お前は言うのかっ!?」
 V3が叫ぶが、デルタは理解が出来なかった。
「だってそういうルールでしょ? それに……」
 呟き、力を誇示する為壁を殴る。
「僕は世界一強いんだ。今まで負けたことはないし、これかも負けない」
 デルタに……北崎にとって、たった一つの真実を謳う。自分に勝てる奴などいない。
 立ち向かうものは全て灰にしてきた。戦う力を持つものは自分の玩具。力の無いものも自分の玩具。
 浅倉も目の前のV3も、ラッキークローバーもスマートブレインも、ゴムで飛ぶ飛行機の玩具と何も変わらない。

161:Climax Typhoon ◆TJ9qoWuqvA
07/03/21 22:03:51 uFKB5v1H0
 自分の快楽を満たす道具。
「だから簡単に壊れないでね。僕が楽しくないからさぁ」
 闇を内包した笑い声を上げる。並ぶものを持たなかった龍は、虚無感を快楽で満たす事しか出来なくなっていた。

 デルタの拳が無防備のV3に当たる。だが、V3は微動だにしない。
「どういうつもり?」
「貴様、自分が世界一強いと言ったな。訂正しろ! お前は世界一弱い!!」
 その一言をきっかけに、V3は疾風から暴風へと変わった。拳の嵐をデルタの身体に叩き込み、ミドルキックで腹を蹴り飛ばし、ひび割れた壁に叩きつける。
 壁が崩れ、デルタが瓦礫に埋もれたとき、再度王蛇が突進してくる。
「うおおおお!」
 振り下ろされた剣を、紙一重で避ける。
「V3ッ! 電熱チョォップ!!」
 熱を帯びた手刀が剣を砕き、空中へと王蛇を躍らせる。
「Fire」
 ―BUST MODE―
 デルタの銃が火を吹き、V3の身を焼こうと放たれた。
「ダブルタイフーン!!」
 ベルトの力が、特殊強化筋肉を一時的に硬化させ、銃撃を跳ね返し一気にデルタへと近寄る。
「ハァッ!」
 苛立ちを混ぜたデルタの拳を捌いて肩に担ぎ上げる。
「V3!! ダブルアタック!! むぅん!!!」
 空中に放り投げ、背中を蹴らんと跳躍する。
「今だ!! V3キィィィック!!!」
 悪の背を蹴り踏み、デルタは隕石のように地面に叩きつけられた。
 ―FINAL VENT―

162:Climax Typhoon ◆TJ9qoWuqvA
07/03/21 22:04:52 uFKB5v1H0
 電子音に視線を向けると、大理石より現れたエイ型怪人に乗る王蛇が眼に入る。
 エビルダイバーを乗り回し、旋回しながら速度を増していく。
 負けじと地面を蹴り、空中で前方向に三回転をする。
「おおおおおおおおおお!!」
「V3回転フルキィィィック!! 」
 両足を揃えた蹴りと、ハイドベノンが拮抗し、行き場のないエネルギーが二人を後方へと吹き飛ばす。
「チッ!」
 再び王蛇がカードを取り出し、空中で装填する。
 ―FINAL VENT―
 サイ型怪人が現れ、肩に王蛇を乗せる。
 メタルゲラスは地上を疾走し、殺意を乗せてV3を貫こうとする。
 V3は今度こそ王蛇を倒さんと、三度跳躍し、得意技を放つ。
「V3!! 反転キィィィック!!!」
 一度目の蹴りが、王蛇のヘビープレッシャーの威力を殺し、背面ジャンプの勢いを生む。
 反転し、悪を砕くと決意の蹴りを放つ。その決意は、銃弾によって阻まれた。
「ぐわぁっ!」
 白い閃光がV3を貫き、地上へと引き摺り下ろす。デルタが銃を構えているのが眼に入る。
「フフ……形勢逆転」
 ベルトの中央部からミッションメモリーを取り出し、デルタムーバーに装着する。
 ―READY―
「Check」
 ―EXCEED CHARGE―
 白いエネルギーが右腕を伝わり、銃に溜まる。
「どけ! 俺が先に殺る!!」
 ―FINAL VENT―

163:Climax Typhoon ◆TJ9qoWuqvA
07/03/21 22:05:59 uFKB5v1H0
 蛇の相棒、ベノスネーカーが蠢きながら王蛇の背後に立つ。
「駄目だよ。独り占めなんてずるいじゃないか」
 デルタの銃から白い光弾が発射され、V3の眼前で三角錐を展開させ身体を縫い付ける。
「知るかっ!」
 王蛇は背面ジャンプをし、ベノスネーカーに近づき両脚に力を溜めている。
 デルタは三角錐のエネルギーへ向かう為、天に昇っていた。
(くっ! このまま負けるわけにはいかない!)
 震える腕を交差させ、敵の攻撃に備える。
「おおおおおおおおおおおお!」
「ハァッ!」
 王蛇とデルタの掛け声が響く。
 デルタが白いエネルギーに迫り、王蛇はベノスネーカーに弾き飛ばさせる。
 白い三角錐にまとわれたデルタがドリルのようにV3を貫こうとし、王蛇の毒を纏った蹴りの連撃が装甲を削る。
 ニトログリセリンが炸裂したような轟音が、黒い壁を揺るがした。
 しかし、二人の蹴りはV3の身体を貫くことも、吹き飛ばすこともなかった。
 直前で発動させた細胞強化装置が、V3に悪のダブルライダーキックに耐える力を与えたのだ。
「なかなかのダブルキックだ。だがな、その蹴りは日本じゃ二番目以下だ!!」
 二人の脚を掴み、力の限り振り回す。
 手を離すと、二人の身体は弾丸のように発射され、柱を音を立てて崩した。
「グフッ!」
 V3は血を吐き、膝をつく。ダメージを抑えたとはいえ、二人の蹴りはV3の身体を蝕んでいた。

「ハハハハハハッ!」
 瓦礫を払いのけ、デルタよりも早く立ち上がる。
 王蛇、浅倉の心は歓喜に満ちていた。

164:Climax Typhoon ◆TJ9qoWuqvA
07/03/21 22:07:10 uFKB5v1H0
 北崎も手ごたえは充分にあったが、V3はその北崎と自分をもってしても一歩も譲らない。
 V3の拳は自分のイライラを砕いた。そして自らの拳はV3をイライラごと吹き飛ばす。
 自分の全身には傷が走っている。その痛みを喜びに変え、カードデッキから一枚のカードを取り出す。
「ねえ、何をするの?」
「うるさい。黙っていろ」
 上半身を起こしたデルタにぞんざいに答え、ユナイトのカードをベノバイザーにセットする。
(さあ、お前はくたばるのか!? それとも北岡のように俺に歯向かうのか!?)
 仮面の下には、狂笑が刻まれ、背筋に痺れるような電気を走らせた。
 今の王蛇、浅倉は苛立ちを無くしていた。

 ―UNITEVENT―
 王蛇の杖から電子音が発せられ、V3の背後に三匹の怪人が現れる。
 サイとエイと蛇を模した三つの影は、一つに融合し、獣の皇帝を形作った。
 その名を獣帝ジェノサイダー、破壊をもたらす存在である。
 ―FINAL VENT―
 ジェノサイダーの腹にブラックホールが生み出され、V3を吸い寄せる。
(あれに吸い込まれたら終わりだ!)
 直感が脚に力を入れさせ、踏ん張らせる。
 王蛇が目の前に立ち、こちらに駆け寄ってくる。
「ハッハッハ!」
 笑い声と共にきりもみキックが放たれた。V3には、その蹴りを避ける余裕を失っていた。
「ぐわぁぁぁぁっ!」
 胸板に王蛇の蹴りが当てられ、V3をジェノサイダーの腹へと運び、姿を消させる。
「さすがに終わりか……」
「あーあ、今回は君の勝ちか」

165:Climax Typhoon ◆TJ9qoWuqvA
07/03/21 22:08:22 uFKB5v1H0
 満足そうに言葉を発する王蛇の後ろに立ち、残念そうな声が上がる。
 その場には、悪が二人居るのみだった。

(ここは……怪人の体内か)
 とっさにV3バリアーを発動させた為、押しつぶそうと迫る闇に対抗している。
 だが、それも長くは持たない。
(このまま終わってしまうのか?)
 ボロボロの身体を抱え、V3に似合わぬ考えがよぎる。
 闇を見つめていると、先程の力なき少女の訴えを思い出した。
 ―仮面ライダーは……闇を切り裂いて、光をもたらす!
(そうだ。先輩や俺、茂やキックホッパーは常に悪と戦ってきたんだ。この程度の闇を切り裂けず、何が仮面ライダーだ!)
「ダブルタイフーン!!」
 拳を固め、ベルトの中央の赤いランプを瞬かせた。レッドランプパワーにより、V3の力が二倍となる。
「V3! 脱出パァンチ!! 」
 左右に二つの拳を放った。

 獣の咆哮が響き、ジェノサイダーが暴れる。
「ああ……?」
 その様子に眉を顰める。
「トゥォォォォッ!」
 ジェノサイダーを二つに裂き、V3が姿を現せる。
 そして王蛇の身体が色を失い、力が抜ける。
「何だ……これ?」
「V3!! きりもみキィィィック!!!」
 戸惑う王蛇の腹を蹴り砕き、デルタと共に宙へ身を躍らさせる。

166:Climax Typhoon ◆TJ9qoWuqvA
07/03/21 22:09:32 uFKB5v1H0
 二人が壁に叩きつけられ、瓦礫が飛び散り、白煙がもうもうとたちこめた。
 V3は再び膝をつき、大きく息を吐く。
(恐ろしい敵だった。ここまで追い詰められるとは……)
 死闘と呼べる七分間を潜り抜けたV3を、盛大な疲労が襲った。
 変身を解こうと準備するV3に、光弾が迫り火花を生んだ。
 光弾が放たれた方向を見つめると、デルタの変身が解けた北崎が右腕をV3に向けていた。

「まだ終わっていないよ」
 冷たい音が走り、北崎の顔に龍の影が走る。肉が這いずり回るような音と共に灰色の鱗が北崎を包んだ。
 両腕に龍の頭を持つ、ドラゴンオルフェノクがV3に姿を顕在させた。
「フンッ! ハァッ!」
 ドラゴンオルフェノクが掛け声と共に、圧倒的な力をV3に打ち込む。
 V3はただ嵐に翻弄される小船のように、身を躍らされた。
「ねえ、僕は強いでしょう? 日本一どころか、世界一に……」
 纏わり付くような口調でV3に言葉を暴力で強制する。
 先程のことを根に持っていたらしい。
 行動で答えるため、迫る右拳を掴む。
「トゥゥ! タァァァ!」
 続けて拳のラッシュをドラゴンオルフェノクに放ち、顔を蹴り上げる。
「クッ……この!」
 ストレートを身を屈んでかわし、脚を掴んで背中に乗せて投げる。
 ドラゴンオルフェノクが立ち上がる前にボディーブローを当てた。
「V3!! パァァンチ!!!」
 振り上げた拳がドラゴンオルフェノクを捉え、身体を砕き灰と化す。
 舞い上がる灰の中から、外殻を脱ぎ捨て、身軽になったドラゴンオルフェノクが高速で背中を抉り抜いた。

167:Climax Typhoon ◆TJ9qoWuqvA
07/03/21 22:10:43 uFKB5v1H0
「ガハッ!」
 血を吐くV3に容赦なく傷を生み続けさせる。ついに力尽き、地面に伏せたところで再び魔人態へと姿を変える。
「そろそろ止めを刺してあげるよ」
 悠然と近づくドラゴンオルフェノク。V3は身を起こそうと両腕に力を込めるが、上手くいかない。
「そしてみんな殺してあげる。そうすれば君も僕が一番だと認めるしかないでしょう?」
 その一言が、V3の気力を刺激した。
(おやっさん、純子さん、放送の少女……他にも何人もの犠牲を出してしまった。これ以上犠牲者を出してたまるか!!)
「The……End……」
 全てを砕かんと右腕が振りぬかれた。
 V3は身体を跳ね上げ、自分の倒れていた場所を貫いた右腕を脇腹に抱え込む。
「捕まえた。これであの高速形態は意味を無くしたぞ!」
「ハハ……馬鹿だなぁ。今の君を殺すのに左腕だけで充分じゃないか」
 刺すような激痛が身体に走った。二度目の激痛を生むべき左腕を見つめ、ベルトに力を込める。
(キックホッパー。少しお前に追いつくのが遅れる。だが待っていろ。こいつを倒し、必ず駆けつける!)
 ゆっくりと、技の風車と、力の風車を回す。目的はただ一つ。
(お前が正義の為マシーン大元帥を倒したように、俺も目の前の悪を砕く!)
 ベルトが輝きを増し、生命を吐き出さんと回転を加速させる。
(だからおやっさん、純子さん、放送の少女、俺に……正義を貫く力を貸してくれ!!)
「V3! エネルギー全開ッッ!! 逆ダブルタイフーン!!!」
 風が吹き荒れ、壁と床を砕き、遺跡を揺るがす。
 人一人のサイズが生むにしては大きすぎる、竜巻という自然現象を、機械と自然の使者が生み出し唸らせた。
「グ……アアアアアアッ!!」
 竜巻の中から龍が左腕を突き出し、V3のベルトに直撃した。
「くっ!」
 風の勢いを増し、右腕を捕まえながら龍を宙に翻弄させる。

168:Climax Typhoon ◆TJ9qoWuqvA
07/03/21 22:11:46 uFKB5v1H0
 だが、先程のベルトへのダメージが響き、キシキシと崩壊の音をたてる。
「いい加減に……して……もらえるかな? 君も……限界じゃ……ないか……」
 ドラゴンオルフェノクの声が耳に入り、笑い飛ばす。
「舐めるんじゃない。仮面ライダーに……限界という言葉は存在しない!!」
 さらに風車の回転を加速させる。竜巻の幅が一回り膨れ上がり、ベルトに火花が散る。
 それでも、V3は加速をやめなかった。
「ただの……やせ我慢じゃないか……」
「違う! これは、俺の力と技と……」
 思うのは、死んでいった人々。
 立花のおやっさん、珠純子、放送の少女、彼ら彼女らはこの戦いで命を落としていった。
 抱えている腕に力を込め、竜巻の勢いを増させ、さらに膨れ上がらせる。
「人々の願いの! タイフーンだぁぁ!!!」
 ベルトより盛大な爆発を生みながら、竜巻は激しさを増していった。
 天井が崩壊し、瓦礫を次々と生む。
 ドラゴンオルフェノクは身体を削られていき、残るのは上半身と右腕のみとなった。
「そんな! 僕が……俺が……やられる……だと……!?」
 無邪気な声が、低い悪の声へと変わっていき、風に巻き込まれ灰となり飛び散った。
 抱えていたドラゴンオルフェノクの右腕をドサッと落とし、ベルトの爆発音と共に、V3は風見志郎へと姿を戻した。

「ハア、ハア、ハア、ハア……」
 喘ぎ、地面に倒れ伏す。機械が剥き出しになったベルトを見つめ、憑き物が落ちたような笑顔を浮かべる。
(俺はもうV3に変身できない。結城と再会したとしても、改造手術が行えるような場所はないだろう)
 だが不思議と悔いはなかった。もう巨悪二人の犠牲者が生まれることがないからだ。
(キックホッパーの元へ行かねば)
 壁に手をつけ、身体を無理矢理立ち上がらせる。


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