07/03/20 22:35:25 pZTSO18m0
>>121
以前の議論でマップ一辺の広さは、2~3km位とあったので
無理のある移動距離ではないと判断しました。
>>123
それも以前の議論で書き手さんに任せるという結論が出ていたと思います。
上城睦月、北岡秀一、木野薫、キング、橘朔也、津上翔一を予約します。
126:名無しより愛をこめて
07/03/20 22:48:22 KD50FaUT0
>>125
答えてくれてありがとうございます。
距離に関しては自分も無理ではないと思いますよ。
大パーティの話楽しみにしています。
>>124
サバイブは書き手がゾルダ、王蛇、リュウガが使わないように配慮した方がいいです。
既存のフォーム以外が問題なのは、「自分の考えていたフォームと違う!」と、荒れるだろうからとの事ですし。
パーティ内で変身アイテムが使いまわされるのが問題となり、変身アイテムに制限が加えた方がいいという流れになっています。
上記の問題がなければそのままでいいと思うんですが。
127:名無しより愛をこめて
07/03/20 22:56:22 ILmDXGzWO
変身制限は、ツールごとにかけるんじゃなかったっけ?
128:名無しより愛をこめて
07/03/20 23:32:45 OPWhvynyO
俺は上記の案で問題無いと思うけど。
あと変身アイテムは引き継げるけど、その場で使い回せたらヤバくない?って話。
あれこれコロコロ変身出来ちゃったら意味ないし。その為の制限ってことじゃないの?
129: ◆A.IptJ40P.
07/03/21 00:27:01 53Lfcg5p0
自分の意見を述べておきます。
・変身制限
自分は単純に、一度使用した変身(ツール、手段)は二時間使用不可、と解釈していました。
以前問題になったので、話にそれが絡まないようにしていたのですが……
新しい案が出た理由は、
・死んだ仲間の変身アイテムで志を受け継ぐって展開が出来る
これに尽きると思います。
なら、爆発させるのではなく過負荷で完全停止(例:携帯は画面さえ点かない。デッキはベルトが出ない)で二時間で回復、はどうでしょう?
ぱかぱか変身アイテムが減っていくのは望ましくないですし……
ルールの複雑化にも反対です。キャラがそれに気付くのに、最低一個はアイテムが犠牲になりますし。
それに、今でもこの展開は出来ないわけではありません。(例:リベンジの際の切り札)
・サバイブ
>>85です。
キャラ三人と会わないように配慮、は難しい……展開を縛ることになるので。
長文失礼しました。
130:名無しより愛をこめて
07/03/21 00:38:13 uFKB5v1H0
・変身制限
爆破には抵抗があるんで、一度だけなら他の人が使った変身アイテムが二時間以内に使える
と言うのはなかなかいい案だと思う。
使いまわすというのが問題なわけだし。
・サバイブ
王蛇、リュウガ、ゾルダの三人が所持してもいいと思うけど、使うのは無しにしたい。
理由は>>124。心理描写が問われるな……。
制限は首輪で一括と言うことになった。
首輪が変身アイテムにも制限を加えているとしたら、死んだ仲間の変身アイテムを使うってのは裏技的見たいのに分類されるのかな?
神崎なら知っててやりそうだけね。殺し合いを進めると言う意味で。
131:名無しより愛をこめて
07/03/21 01:10:31 jZSB8otKO
機能停止でも良いんじゃない?要は使い回せないようにすればいいんだし。
あとサバイブはやっぱり無しだろう。上手く展開していくしか無い。
浅倉はサバイブ所持してる矢車さんと接触したが、問題無く展開出来た。
132:名無しより愛をこめて
07/03/21 15:40:28 BBr1HSuj0
まとめサイトの更新乙であります。
それでは現時点での書き手さんの進行状況はどうなんでしょうか?
133:名無しより愛をこめて
07/03/21 15:41:33 KtGWmDNZO
爆発、機能停止双方に反対
ツールごとに制限でもアイテムを受け継ぐ展開は出来るし、ルールは単純な方が良い
・二段変身+二対一で負けない
・普通のライダー二人
この二つが互角っておかしくないか?
134: ◆4wyf44BgsE
07/03/21 15:53:05 1//ElWI70
>>132
もうすぐ完了です。
今日か明日には、投下の予定です。
135: ◆4wyf44BgsE
07/03/21 17:57:13 1//ElWI70
思ったより早く完成しました。
投下します。
136:名無しより愛をこめて
07/03/21 17:58:37 jZSB8otKO
今の変身システムってどんなんだっけ?
137:2人のライダー、2枚のジョーカー ◆4wyf44BgsE
07/03/21 17:58:48 1//ElWI70
ACT:1 リュウガ
1回目の放送、死亡者は6名か。
その内、自分が手に掛けたのはたった1人、見逃した奴の数の方が多い。
後の死亡者5名は自分以外のジョーカーが殺したか、他にも戦いに乗った奴が存在するという証拠だ。
―あんまり甘いと、すぐ死ぬぞ。
自分自身に言い聞かせた方がいい台詞だな。
迷いを振り切るように全速力で斜面を駆ける。
小丘を下りきると、景色は一転した。
敷き詰められたアスファルト、並び立つ住宅や構築物、空が段々と白んで行き、街は輪郭を現す。
地図を取り出し位置を確認する。D-5エリア辺りか。
自分への焦燥に苛まれた夜が長かった所為なのか、雲ひとつ無い晴天へ上っていく太陽の光がやけに眩しく眼に突き刺さる。
その時だった。
―みんな!殺し合いなんてもうやめてー
数分ほど前、自分が下り降りて来た丘の上。黒髪を靡かせ少女が必死に訴えかけている。
何やってんだ……殺してくれって言ってんのか!
丘に向かって駆け出した瞬間、我に返る。
何をしているんだ?俺は。 助けに行こうとでもしてるのか?
迷いに拍車を掛けるように少女の声が耳を貫く。
138:2人のライダー、2枚のジョーカー ◆4wyf44BgsE
07/03/21 18:00:15 1//ElWI70
「殺し合えって言われたからって、人を殺すなんておかしいよ!」
やめろ!デイパックから拳銃を取り出す。
その冷たい銃身、人を殺すだけの為に作られた存在。
俺と同じだ。これで女を殺せれば、もう迷うことなんかなくなる。
―仮面ライダーは、闇を切り裂き光をもたらす!
訴え続ける女に向かい引き金を引く、反動が一気に肩まで駆け上がる。
そうだ、それだけ、それだけでいい。
だが、意思とは裏腹に懸命な叫びは、心に突き刺さって……
―麻生さぁん!ごめんなさい!
声を掻き消す銃声。
撃たれた?!拳銃をバックに突っ込み、気が付けば丘へ向かって走り出していた。
拡声器から聞こえてくるのは戦闘の様子だけ、声は途絶えたまま。
「俺は闇を切り裂き光をもたらす、仮面ライダー! キック! ホッパァー!!」
一際大きく叫ばれた正義の声に、一瞬足が止まる。
139:2人のライダー、2枚のジョーカー ◆4wyf44BgsE
07/03/21 18:01:24 1//ElWI70
行ってどうする? 殺そうとしてたんだ。
―敵討ちは……仮面ライダーの役目だ……
正面のショーウィンドウ、映る自分の姿。
俺はジョーカーだ……
鏡の中のライダーに2度と戻らない。存在するのは俺だ。
躊躇うことなく撃鉄に手を掛ける。
派手な音を立て、砕け散るガラス。硝煙の匂いが乱された気持ちを落ち着けてくれた。
冷静になれば、鼠の様に隠れ怯えている男を見つけ出すのは簡単だった。
博士の称号を持つ男は、饒舌な命乞いを始める。
「仮面ライダーを作り出しただと?」
確かに銃口を向けられ、白衣姿で怯えている様子はとてもライダーとは思えない。
「そうだ。拡声器から聞こえた声。麻生くんも私が、」
「操る側が、操られる側になったということか。」
博士の体を力任せに叩き付け、肩、右脚、左脚へ銃撃を撃ち込む。
「グッ、ウオォ。何をするのだ!」
こいつは、すぐには殺さない。
「この騒ぎに、すぐ誰か駆け付けて来るだろう。お前の味方の麻生君か、それとも殺人者か……
せいぜい不安と恐怖って奴を楽しむんだな。」
最も、失血死する方が早いかも知れないがな。
放り出され、散乱した博士の荷物に気付く。
支給品は、コンファインベントカード。
「これは貰っておく。」
そう言い捨て、市街地の中心部へ向かう。
二度と振り返ることはなかった。
140:2人のライダー、2枚のジョーカー ◆4wyf44BgsE
07/03/21 18:03:14 1//ElWI70
ACT:2 霞のジョー
「うぅっ……」
起き上がった瞬間、眼にしたのは……
自分の手にしたベルト、血だまりに横たわる2人の男。
1人の男は見覚えがある。あいつに声を掛けられて……
!?思い出せない。一体何があったんだ?
まさか、俺が?全身に感じる痛み、それは確かに自分が参戦したことを物語っている。
―ヒュンッ
「!!!」
自分に向かい放たれる光の矢。
まずい!縺れる足を必死に動かし、人目に付かない路地へ逃げ込む。
でも、あの惨状を見れば俺が殺ったと思うだろう。
記憶を失っている自分は何をしていた?
考えれば考えるほど、混乱する。
―俺は霞のジョー! 死ぬも生きるも兄貴と一緒だ~
兄貴と一緒に戦った時の、あれは本心なのか?
本当の俺は残酷な殺人者だったのか?
どっちが本当の俺なんだ!
自分探しの旅の結末がこんな事だなんて。
兄貴、俺はどうしたらいいんだ?兄貴……
涙が止まらない。
日の当たらない路地。行く当ても無く、ただ無我夢中に走り続けた。
141:2人のライダー、2枚のジョーカー ◆4wyf44BgsE
07/03/21 18:03:15 1//ElWI70
ACT:2 霞のジョー
「うぅっ……」
起き上がった瞬間、眼にしたのは……
自分の手にしたベルト、血だまりに横たわる2人の男。
1人の男は見覚えがある。あいつに声を掛けられて……
!?思い出せない。一体何があったんだ?
まさか、俺が?全身に感じる痛み、それは確かに自分が参戦したことを物語っている。
―ヒュンッ
「!!!」
自分に向かい放たれる光の矢。
まずい!縺れる足を必死に動かし、人目に付かない路地へ逃げ込む。
でも、あの惨状を見れば俺が殺ったと思うだろう。
記憶を失っている自分は何をしていた?
考えれば考えるほど、混乱する。
―俺は霞のジョー! 死ぬも生きるも兄貴と一緒だ~
兄貴と一緒に戦った時の、あれは本心なのか?
本当の俺は残酷な殺人者だったのか?
どっちが本当の俺なんだ!
自分探しの旅の結末がこんな事だなんて。
兄貴、俺はどうしたらいいんだ?兄貴……
涙が止まらない。
日の当たらない路地。行く当ても無く、ただ無我夢中に走り続けた。
142:2人のライダー、2枚のジョーカー ◆4wyf44BgsE
07/03/21 18:03:16 1//ElWI70
ACT:2 霞のジョー
「うぅっ……」
起き上がった瞬間、眼にしたのは……
自分の手にしたベルト、血だまりに横たわる2人の男。
1人の男は見覚えがある。あいつに声を掛けられて……
!?思い出せない。一体何があったんだ?
まさか、俺が?全身に感じる痛み、それは確かに自分が参戦したことを物語っている。
―ヒュンッ
「!!!」
自分に向かい放たれる光の矢。
まずい!縺れる足を必死に動かし、人目に付かない路地へ逃げ込む。
でも、あの惨状を見れば俺が殺ったと思うだろう。
記憶を失っている自分は何をしていた?
考えれば考えるほど、混乱する。
―俺は霞のジョー! 死ぬも生きるも兄貴と一緒だ~
兄貴と一緒に戦った時の、あれは本心なのか?
本当の俺は残酷な殺人者だったのか?
どっちが本当の俺なんだ!
自分探しの旅の結末がこんな事だなんて。
兄貴、俺はどうしたらいいんだ?兄貴……
涙が止まらない。
日の当たらない路地。行く当ても無く、ただ無我夢中に走り続けた。
143:2人のライダー、2枚のジョーカー ◆4wyf44BgsE
07/03/21 18:05:15 1//ElWI70
連投すみません。
以後気をつけます。
続き投下します。
144:2人のライダー、2枚のジョーカー ◆4wyf44BgsE
07/03/21 18:07:03 1//ElWI70
ACT:3 2人のライダー、2枚のジョーカー
―変身 A Change Mantis
剣崎が死んだ今、戦いをためらう必要など一つも無い。
路地へと逃げ去る男の姿。逃がさない!
次の矢を放った瞬間―
拡声器から叫ばれる願い。
殺さないで、人間なら当然の感情だ。
だが、剣崎と天音ちゃん、2人をこのままにして置く訳には行かない。
―瀬川さん……その名前に呼応する、微かな気配を察知した。
誰かが呼んでいる。
俺に助けを求めている。沈み掛けていた意識と、ほぼ感覚の無い身体を気力で叩き起こす。
かすむ眼に捕えた1人のライダー。
「その体で、行こうと言うのか?」
「俺は、仮面ライダーJ!どんな、傷を、負うとも……助けを求める声を、無視出来ない。君も、ライダーなら、そうだろう?」
「……」
「早く、行かなければ。グッ、グハァッ」
夥しい吐血。そして拡声器から聞こえた惨たらしい銃撃音。
気力と身体は、糸が切れた様に崩れ落ちた。
「少女よ、大地の精霊たちよ。すまない……」
視界が暗くなり、意識は混濁する。
「俺は、もう、だめなのか?」
頬を照らす暖かな朝日に、悔しさに満ち希望を失った心が少し救われた。
ただ……
「アスファルトは冷たすぎる。せめて土の上で……」
145:2人のライダー、2枚のジョーカー ◆4wyf44BgsE
07/03/21 18:08:04 1//ElWI70
フッと、持ち上げられ軽くなる体。街路樹の傍ら、乾いた芝生の上まで。
「……」
無言のまま立ち去る後姿。
最後の力をふり絞る。
「待ってくれ。俺の、バックの中に、首輪探知器が入っている。 持って、行ってくれ……」
素顔も、名も知らぬライダー。
だが、彼に託そう。
―大地の感触が心地良い。風は優しく、太陽の暖かな光が体を包む。
あぁ、これで少し眠れる……
変身を解かず、走り続ける。
探知機の示す反応まで、あと2ブロック。
射程距離まではまだ遠いが、感傷に浸っている暇も無い。
市街地を全速力で駆け抜ける。
丘へ続く直道へ出た瞬間、眼に飛び込んだのは晴天を切り取ったような青いジャケット。
―変身
その声と共に、折り重なる虚像……青は漆黒へ変貌する。
人間、いやライダーにも2種類有るのだろう。
剣崎や瀬川、彼等は光を求め、日の当たる場所にいる。
そして、俺やこのライダーの様に殺戮さえも手段とする日陰に棲まう者。
光に憧れ、戦い、そしてすべてが終わった時、俺はそこへ行けるのだろうか?
たとえ、辿り着くことが出来ないとしても、俺は勝ち残らなければならない!
願いを込め放つカリスアロー。
―剣崎、天音ちゃん、もう少し待っていてくれ。
瀬川耕司 死亡 残り39人
146:2人のライダー、2枚のジョーカー ◆4wyf44BgsE
07/03/21 18:09:23 1//ElWI70
【リュウガ@仮面ライダー龍騎】
【1日目 現時刻:朝】
【現在地:市街地D-5エリア】
【時間軸: 劇場版登場時期。 龍騎との一騎打ちで敗れた後。】
【状態:肉体、精神的ダメージも回復しつつある】
【装備:ファイズショット@555 】
【道具:拳銃(元は明日夢の物)】
【思考・状況 】
1:もう一人の自分と融合し、最強のライダーになる。
2:眼前のライダーを殺す。
3:ジョーカーの役目を果たす
【相川 始@仮面ライダー剣】
【1日目 現時刻:朝】
【現在地:市街地D-5】
【時間軸:本編後】
【状態:腹部切傷】
【装備:ラウズカード(ハートのA、2、5、6)】
【道具:未確認】
【思考・状況】
1.ジェネラルシャドウを含め、このバトルファイトに参加している全員を殺す。
2.この戦いに勝ち残り、剣崎一真を蘇らせる。
147:2人のライダー、2枚のジョーカー ◆4wyf44BgsE
07/03/21 18:10:14 1//ElWI70
【霞のジョー@仮面ライダーBLACKRX】
【1日目 現時刻:朝】
【現在地:移動中】
【時間軸:クライシス壊滅後。】
【状態:軽度のダメージ。】
【装備:サイ、スマートバックル(アクセレイガン付属】)
【道具:なし】
【思考・状況 】
1:混乱している。
2:精神支配は伊坂が死亡したため、解けた状態。
3:兄貴、どうすればいい?
【望月博士@仮面ライダーZO】
【1日目 現時刻:朝】
【現在地:市街地D-5】
【時間軸]:ドラス創造後。ドラスに恐怖する前。】
【状態:銃弾による重症】
【装備:毒薬】
【道具:コンファインベント⇒リュウガへ】
【思考・状況】
1:ドラスなら助けてくれるはず。
2:このまま死んでしまうのか?
148:2人のライダー、2枚のジョーカー ◆4wyf44BgsE
07/03/21 18:11:55 1//ElWI70
以上です。
誤字脱字、矛盾点など指摘よろしくお願いします。
途中、連投してしまい申し訳ありませんでした。
149: ◆TJ9qoWuqvA
07/03/21 18:18:24 uFKB5v1H0
乙&GJ!
リュウガの心理描写が面白かったです。さすが元が真司なだけあって揺れまくりです。
首輪探知機が始の手に渡ったのは面白い。
自分の進行状況は六割です。
早ければ金曜日、遅くても土曜日までには投下できそうです。
|葬式会場| λ...逝っちまったな。仮面ライダーJ……
150:名無しより愛をこめて
07/03/21 18:21:36 jZSB8otKO
GJ!
美しい死に様だ…。「コンクリートの上は冷たすぎる」…表現が素晴らしい。
そしてジョーカー同士の対決か。始は死亡フラグを跳ね返せるのか期待!
乙でした!
151:名無しより愛をこめて
07/03/21 18:25:39 v/N4WbbyO
感想ありがとうございました。
真理の命懸けの放送あってこそのSSでした。
投下楽しみにしてます。
152: ◆ozOtJW9BFA
07/03/21 18:45:48 LIDu0rVz0
投下乙&GJ!
各々の心理描写の表現が素晴らしく、かつ大きく展開が動いて面白かったです。
進行状況は1割程です。
153:名無しより愛をこめて
07/03/21 18:54:20 LIDu0rVz0
連投になってすいません。
誰の道具欄にも首輪探知機が無いのですが、始が持っているという事でいいんですか?
154: ◆4wyf44BgsE
07/03/21 19:04:51 v/N4WbbyO
失礼しました。
記入漏れです。
相川始の道具に、首輪探知器を追加お願い致します。
155: ◆4wyf44BgsE
07/03/21 19:25:34 v/N4WbbyO
何度もすみません。
リュウガの道具か、装備の方がいいのかな?コンファインベントも追加でお願いします。
156: ◆E1yyNEjdEc
07/03/21 19:40:31 oa9cWd/I0
◆4wyf44BgsEさん、投下乙です。
ACT式に分ける手法良かったです。
瀬川耕司が己が命よりも人を助けようと動いたのは仮面ライダーらしく熱かったです。
これでカリスがどうなるかどうもならないのか。
まとめサイト更新しました。
指摘事項も修正しております。
また、私の進行状況ですが、7割ぐらい。ちょっと設定の解釈に問題あるかもしれないので、2案書くつもりです。
たぶん投下は明日になるかと思います。
157: ◆4wyf44BgsE
07/03/21 20:23:41 1//ElWI70
まとめサイト更新乙です。
修正ありがとうございました。
158: ◆TJ9qoWuqvA
07/03/21 22:00:29 uFKB5v1H0
一気に書き上げてしまったので、勢いに乗って投下します。
159:Climax Typhoon ◆TJ9qoWuqvA
07/03/21 22:01:33 uFKB5v1H0
「かかってこい! 悪党ども!」
赤い影が疾風を巻き起こし、黒と紫、二人の悪へと突進する。
「フフ……」
デルタが手をゆっくり叩きながら悠然と佇む。
「トォッ!」
拳を振り上げ、デルタに放つが防がれ、逆に殴りつけられる。
しかし、拳を冷静に見つめ、右腕を取り、背中に乗せながら投げ飛ばす。
腰をしたたかに打ちつけたデルタは、自身のダメージに構わず、即座に体勢を立て直し再びV3に殴りかかる。
一、二撃を捌くと、王蛇がベノザイバーにカードをセットする姿が目に入る。
―SWORD VENT―
大理石の壁から飛び出した、ガラガラヘビの尾を彷彿させる剣を手に、デルタを蹴りつける。
「こいつは俺の獲物だ。邪魔をするなっ!」
雄たけびがあげられ、力任せに剣が振り回される。洗練されたとはいえない剣術だが、強引にチャンスごと斬られる。
(焦るな。隙は必ずある)
強く耐え、ひたすら剣をかわす。振り下ろされた剣が壁に深く刺さり、攻めるチャンスが巡ってきたことを確信し、勢いよく踏み込み、腰に構えていた拳を腹に打ち込まんとする。
だが王蛇はあっさりと剣を手放し、身体を独楽のように回して蹴りを放つ。
V3の拳が王蛇の頬をを打ち抜くが、王蛇の蹴りはV3の脇腹に突き刺さっていた。
お互い間合いをあけ、地面を踏みしめる。
「ハアァァ、戦いはいい。ゾクゾクする!」
戦いに陶酔する笑い声が黒い壁を叩き、V3は赤い仮面の下で顔を歪ませた。
「何が可笑しい!?」
V3には王蛇が理解できなかった。この戦いのために拉致され、無理矢理殺し合わされ、いつ自分の命を失うか分からないのである。
V3とて正義に身を捧げたゆえ、死を恐れることはないが、目の前の男は戦って何かを得ようという気配がない。
ただ、戦いを……いや、殺し合いを楽しんでいるようにしか見えなかった。
「こういうもんなんだろ? 仮面ライダーってのは!」
160:Climax Typhoon ◆TJ9qoWuqvA
07/03/21 22:02:39 uFKB5v1H0
叫び、剣を引き抜いていく姿を見て、V3は拳を震わせた。
―仮面ライダー、お願いだ。俺を……俺を改造人間にしてくれ!!
父と母、そして妹の復讐の為に改造人間の力を求めた。だがそれも僅かの間。
すぐに風見志郎は仮面ライダーとして正義の為に戦う決意をした。
技と、力を受け継いで。
それを、目の前の王蛇は怪人でしかないと笑った。
「お前だけは許さん!!」
怒りに燃える両瞳を向け、憤怒の叫びが木霊する
怪人でさえ圧倒する怒りを向けられながらも、王蛇は萎縮するどころか、ますます歓喜に満ちた声を上げる。
「いいぞ! もっと俺を楽しませろォォォ!!」
狂気と怒りが爆発し、お互いを砕こうと衝突する。その瞬間、白閃が走り、二人の身体が爆ぜた。
「ねえ、二人だけで遊んでないで、僕も仲間に入れてよ」
クルクルとデルタフォンを回し、V3との距離を詰める。
蹴りと拳を捌かれ、手刀で突き飛ばされる。
「遊びだと? 殺し合いが遊びだと、お前は言うのかっ!?」
V3が叫ぶが、デルタは理解が出来なかった。
「だってそういうルールでしょ? それに……」
呟き、力を誇示する為壁を殴る。
「僕は世界一強いんだ。今まで負けたことはないし、これかも負けない」
デルタに……北崎にとって、たった一つの真実を謳う。自分に勝てる奴などいない。
立ち向かうものは全て灰にしてきた。戦う力を持つものは自分の玩具。力の無いものも自分の玩具。
浅倉も目の前のV3も、ラッキークローバーもスマートブレインも、ゴムで飛ぶ飛行機の玩具と何も変わらない。
161:Climax Typhoon ◆TJ9qoWuqvA
07/03/21 22:03:51 uFKB5v1H0
自分の快楽を満たす道具。
「だから簡単に壊れないでね。僕が楽しくないからさぁ」
闇を内包した笑い声を上げる。並ぶものを持たなかった龍は、虚無感を快楽で満たす事しか出来なくなっていた。
デルタの拳が無防備のV3に当たる。だが、V3は微動だにしない。
「どういうつもり?」
「貴様、自分が世界一強いと言ったな。訂正しろ! お前は世界一弱い!!」
その一言をきっかけに、V3は疾風から暴風へと変わった。拳の嵐をデルタの身体に叩き込み、ミドルキックで腹を蹴り飛ばし、ひび割れた壁に叩きつける。
壁が崩れ、デルタが瓦礫に埋もれたとき、再度王蛇が突進してくる。
「うおおおお!」
振り下ろされた剣を、紙一重で避ける。
「V3ッ! 電熱チョォップ!!」
熱を帯びた手刀が剣を砕き、空中へと王蛇を躍らせる。
「Fire」
―BUST MODE―
デルタの銃が火を吹き、V3の身を焼こうと放たれた。
「ダブルタイフーン!!」
ベルトの力が、特殊強化筋肉を一時的に硬化させ、銃撃を跳ね返し一気にデルタへと近寄る。
「ハァッ!」
苛立ちを混ぜたデルタの拳を捌いて肩に担ぎ上げる。
「V3!! ダブルアタック!! むぅん!!!」
空中に放り投げ、背中を蹴らんと跳躍する。
「今だ!! V3キィィィック!!!」
悪の背を蹴り踏み、デルタは隕石のように地面に叩きつけられた。
―FINAL VENT―
162:Climax Typhoon ◆TJ9qoWuqvA
07/03/21 22:04:52 uFKB5v1H0
電子音に視線を向けると、大理石より現れたエイ型怪人に乗る王蛇が眼に入る。
エビルダイバーを乗り回し、旋回しながら速度を増していく。
負けじと地面を蹴り、空中で前方向に三回転をする。
「おおおおおおおおおお!!」
「V3回転フルキィィィック!! 」
両足を揃えた蹴りと、ハイドベノンが拮抗し、行き場のないエネルギーが二人を後方へと吹き飛ばす。
「チッ!」
再び王蛇がカードを取り出し、空中で装填する。
―FINAL VENT―
サイ型怪人が現れ、肩に王蛇を乗せる。
メタルゲラスは地上を疾走し、殺意を乗せてV3を貫こうとする。
V3は今度こそ王蛇を倒さんと、三度跳躍し、得意技を放つ。
「V3!! 反転キィィィック!!!」
一度目の蹴りが、王蛇のヘビープレッシャーの威力を殺し、背面ジャンプの勢いを生む。
反転し、悪を砕くと決意の蹴りを放つ。その決意は、銃弾によって阻まれた。
「ぐわぁっ!」
白い閃光がV3を貫き、地上へと引き摺り下ろす。デルタが銃を構えているのが眼に入る。
「フフ……形勢逆転」
ベルトの中央部からミッションメモリーを取り出し、デルタムーバーに装着する。
―READY―
「Check」
―EXCEED CHARGE―
白いエネルギーが右腕を伝わり、銃に溜まる。
「どけ! 俺が先に殺る!!」
―FINAL VENT―
163:Climax Typhoon ◆TJ9qoWuqvA
07/03/21 22:05:59 uFKB5v1H0
蛇の相棒、ベノスネーカーが蠢きながら王蛇の背後に立つ。
「駄目だよ。独り占めなんてずるいじゃないか」
デルタの銃から白い光弾が発射され、V3の眼前で三角錐を展開させ身体を縫い付ける。
「知るかっ!」
王蛇は背面ジャンプをし、ベノスネーカーに近づき両脚に力を溜めている。
デルタは三角錐のエネルギーへ向かう為、天に昇っていた。
(くっ! このまま負けるわけにはいかない!)
震える腕を交差させ、敵の攻撃に備える。
「おおおおおおおおおおおお!」
「ハァッ!」
王蛇とデルタの掛け声が響く。
デルタが白いエネルギーに迫り、王蛇はベノスネーカーに弾き飛ばさせる。
白い三角錐にまとわれたデルタがドリルのようにV3を貫こうとし、王蛇の毒を纏った蹴りの連撃が装甲を削る。
ニトログリセリンが炸裂したような轟音が、黒い壁を揺るがした。
しかし、二人の蹴りはV3の身体を貫くことも、吹き飛ばすこともなかった。
直前で発動させた細胞強化装置が、V3に悪のダブルライダーキックに耐える力を与えたのだ。
「なかなかのダブルキックだ。だがな、その蹴りは日本じゃ二番目以下だ!!」
二人の脚を掴み、力の限り振り回す。
手を離すと、二人の身体は弾丸のように発射され、柱を音を立てて崩した。
「グフッ!」
V3は血を吐き、膝をつく。ダメージを抑えたとはいえ、二人の蹴りはV3の身体を蝕んでいた。
「ハハハハハハッ!」
瓦礫を払いのけ、デルタよりも早く立ち上がる。
王蛇、浅倉の心は歓喜に満ちていた。
164:Climax Typhoon ◆TJ9qoWuqvA
07/03/21 22:07:10 uFKB5v1H0
北崎も手ごたえは充分にあったが、V3はその北崎と自分をもってしても一歩も譲らない。
V3の拳は自分のイライラを砕いた。そして自らの拳はV3をイライラごと吹き飛ばす。
自分の全身には傷が走っている。その痛みを喜びに変え、カードデッキから一枚のカードを取り出す。
「ねえ、何をするの?」
「うるさい。黙っていろ」
上半身を起こしたデルタにぞんざいに答え、ユナイトのカードをベノバイザーにセットする。
(さあ、お前はくたばるのか!? それとも北岡のように俺に歯向かうのか!?)
仮面の下には、狂笑が刻まれ、背筋に痺れるような電気を走らせた。
今の王蛇、浅倉は苛立ちを無くしていた。
―UNITEVENT―
王蛇の杖から電子音が発せられ、V3の背後に三匹の怪人が現れる。
サイとエイと蛇を模した三つの影は、一つに融合し、獣の皇帝を形作った。
その名を獣帝ジェノサイダー、破壊をもたらす存在である。
―FINAL VENT―
ジェノサイダーの腹にブラックホールが生み出され、V3を吸い寄せる。
(あれに吸い込まれたら終わりだ!)
直感が脚に力を入れさせ、踏ん張らせる。
王蛇が目の前に立ち、こちらに駆け寄ってくる。
「ハッハッハ!」
笑い声と共にきりもみキックが放たれた。V3には、その蹴りを避ける余裕を失っていた。
「ぐわぁぁぁぁっ!」
胸板に王蛇の蹴りが当てられ、V3をジェノサイダーの腹へと運び、姿を消させる。
「さすがに終わりか……」
「あーあ、今回は君の勝ちか」
165:Climax Typhoon ◆TJ9qoWuqvA
07/03/21 22:08:22 uFKB5v1H0
満足そうに言葉を発する王蛇の後ろに立ち、残念そうな声が上がる。
その場には、悪が二人居るのみだった。
(ここは……怪人の体内か)
とっさにV3バリアーを発動させた為、押しつぶそうと迫る闇に対抗している。
だが、それも長くは持たない。
(このまま終わってしまうのか?)
ボロボロの身体を抱え、V3に似合わぬ考えがよぎる。
闇を見つめていると、先程の力なき少女の訴えを思い出した。
―仮面ライダーは……闇を切り裂いて、光をもたらす!
(そうだ。先輩や俺、茂やキックホッパーは常に悪と戦ってきたんだ。この程度の闇を切り裂けず、何が仮面ライダーだ!)
「ダブルタイフーン!!」
拳を固め、ベルトの中央の赤いランプを瞬かせた。レッドランプパワーにより、V3の力が二倍となる。
「V3! 脱出パァンチ!! 」
左右に二つの拳を放った。
獣の咆哮が響き、ジェノサイダーが暴れる。
「ああ……?」
その様子に眉を顰める。
「トゥォォォォッ!」
ジェノサイダーを二つに裂き、V3が姿を現せる。
そして王蛇の身体が色を失い、力が抜ける。
「何だ……これ?」
「V3!! きりもみキィィィック!!!」
戸惑う王蛇の腹を蹴り砕き、デルタと共に宙へ身を躍らさせる。
166:Climax Typhoon ◆TJ9qoWuqvA
07/03/21 22:09:32 uFKB5v1H0
二人が壁に叩きつけられ、瓦礫が飛び散り、白煙がもうもうとたちこめた。
V3は再び膝をつき、大きく息を吐く。
(恐ろしい敵だった。ここまで追い詰められるとは……)
死闘と呼べる七分間を潜り抜けたV3を、盛大な疲労が襲った。
変身を解こうと準備するV3に、光弾が迫り火花を生んだ。
光弾が放たれた方向を見つめると、デルタの変身が解けた北崎が右腕をV3に向けていた。
「まだ終わっていないよ」
冷たい音が走り、北崎の顔に龍の影が走る。肉が這いずり回るような音と共に灰色の鱗が北崎を包んだ。
両腕に龍の頭を持つ、ドラゴンオルフェノクがV3に姿を顕在させた。
「フンッ! ハァッ!」
ドラゴンオルフェノクが掛け声と共に、圧倒的な力をV3に打ち込む。
V3はただ嵐に翻弄される小船のように、身を躍らされた。
「ねえ、僕は強いでしょう? 日本一どころか、世界一に……」
纏わり付くような口調でV3に言葉を暴力で強制する。
先程のことを根に持っていたらしい。
行動で答えるため、迫る右拳を掴む。
「トゥゥ! タァァァ!」
続けて拳のラッシュをドラゴンオルフェノクに放ち、顔を蹴り上げる。
「クッ……この!」
ストレートを身を屈んでかわし、脚を掴んで背中に乗せて投げる。
ドラゴンオルフェノクが立ち上がる前にボディーブローを当てた。
「V3!! パァァンチ!!!」
振り上げた拳がドラゴンオルフェノクを捉え、身体を砕き灰と化す。
舞い上がる灰の中から、外殻を脱ぎ捨て、身軽になったドラゴンオルフェノクが高速で背中を抉り抜いた。
167:Climax Typhoon ◆TJ9qoWuqvA
07/03/21 22:10:43 uFKB5v1H0
「ガハッ!」
血を吐くV3に容赦なく傷を生み続けさせる。ついに力尽き、地面に伏せたところで再び魔人態へと姿を変える。
「そろそろ止めを刺してあげるよ」
悠然と近づくドラゴンオルフェノク。V3は身を起こそうと両腕に力を込めるが、上手くいかない。
「そしてみんな殺してあげる。そうすれば君も僕が一番だと認めるしかないでしょう?」
その一言が、V3の気力を刺激した。
(おやっさん、純子さん、放送の少女……他にも何人もの犠牲を出してしまった。これ以上犠牲者を出してたまるか!!)
「The……End……」
全てを砕かんと右腕が振りぬかれた。
V3は身体を跳ね上げ、自分の倒れていた場所を貫いた右腕を脇腹に抱え込む。
「捕まえた。これであの高速形態は意味を無くしたぞ!」
「ハハ……馬鹿だなぁ。今の君を殺すのに左腕だけで充分じゃないか」
刺すような激痛が身体に走った。二度目の激痛を生むべき左腕を見つめ、ベルトに力を込める。
(キックホッパー。少しお前に追いつくのが遅れる。だが待っていろ。こいつを倒し、必ず駆けつける!)
ゆっくりと、技の風車と、力の風車を回す。目的はただ一つ。
(お前が正義の為マシーン大元帥を倒したように、俺も目の前の悪を砕く!)
ベルトが輝きを増し、生命を吐き出さんと回転を加速させる。
(だからおやっさん、純子さん、放送の少女、俺に……正義を貫く力を貸してくれ!!)
「V3! エネルギー全開ッッ!! 逆ダブルタイフーン!!!」
風が吹き荒れ、壁と床を砕き、遺跡を揺るがす。
人一人のサイズが生むにしては大きすぎる、竜巻という自然現象を、機械と自然の使者が生み出し唸らせた。
「グ……アアアアアアッ!!」
竜巻の中から龍が左腕を突き出し、V3のベルトに直撃した。
「くっ!」
風の勢いを増し、右腕を捕まえながら龍を宙に翻弄させる。
168:Climax Typhoon ◆TJ9qoWuqvA
07/03/21 22:11:46 uFKB5v1H0
だが、先程のベルトへのダメージが響き、キシキシと崩壊の音をたてる。
「いい加減に……して……もらえるかな? 君も……限界じゃ……ないか……」
ドラゴンオルフェノクの声が耳に入り、笑い飛ばす。
「舐めるんじゃない。仮面ライダーに……限界という言葉は存在しない!!」
さらに風車の回転を加速させる。竜巻の幅が一回り膨れ上がり、ベルトに火花が散る。
それでも、V3は加速をやめなかった。
「ただの……やせ我慢じゃないか……」
「違う! これは、俺の力と技と……」
思うのは、死んでいった人々。
立花のおやっさん、珠純子、放送の少女、彼ら彼女らはこの戦いで命を落としていった。
抱えている腕に力を込め、竜巻の勢いを増させ、さらに膨れ上がらせる。
「人々の願いの! タイフーンだぁぁ!!!」
ベルトより盛大な爆発を生みながら、竜巻は激しさを増していった。
天井が崩壊し、瓦礫を次々と生む。
ドラゴンオルフェノクは身体を削られていき、残るのは上半身と右腕のみとなった。
「そんな! 僕が……俺が……やられる……だと……!?」
無邪気な声が、低い悪の声へと変わっていき、風に巻き込まれ灰となり飛び散った。
抱えていたドラゴンオルフェノクの右腕をドサッと落とし、ベルトの爆発音と共に、V3は風見志郎へと姿を戻した。
「ハア、ハア、ハア、ハア……」
喘ぎ、地面に倒れ伏す。機械が剥き出しになったベルトを見つめ、憑き物が落ちたような笑顔を浮かべる。
(俺はもうV3に変身できない。結城と再会したとしても、改造手術が行えるような場所はないだろう)
だが不思議と悔いはなかった。もう巨悪二人の犠牲者が生まれることがないからだ。
(キックホッパーの元へ行かねば)
壁に手をつけ、身体を無理矢理立ち上がらせる。
169:Climax Typhoon ◆TJ9qoWuqvA
07/03/21 22:12:57 uFKB5v1H0
昔、先輩である本郷と共に戦った滝和也の話を思い出した。
(例え変身できなくても、俺は戦う。俺がこの身体である限り!)
決意を新たに、ずるずると足を引きずり遺跡を歩く。
床には静かに青い炎に包まれる、ドラゴンオルフェノクの腕があった。
目指していた出口は逆ダブルタイフーンによって瓦礫に埋もれている。
D3エリアから樹海を目指そうと歩みを進める。
「おい」
聞こえてはいけないはずの声に振り返る。
浅倉がドラゴンオルフェノクの右腕を踏み砕き、風見を狂った笑みで迎えた。
「まだ終わってないぜぇ……」
腰には、北崎がつけていたベルトが巻かれていた。
デルタフォンを口元へ運ぶ。
「変身……」
―Standing by―
首輪のパルスが、デルタの使用者が浅倉でない為変身許可を与える。
準備のできたデルタフォンを、デルタムーバーへと接続させる。
ベルトより白いラインが走り、浅倉の身体を包む。
―Complete―
黒い強化スーツが浅倉を包み、龍から蛇へと中身を替えた悪魔のライダーが現れた。
「ハァァァッ……」
首を回し、風見が見据えられた。
蛇に狙いを定められた事を悟るも、負けじとデルタを睨み返す。
「いいぜぇ、その眼は。ゾクゾクする」
北崎がしたように、ミッションメモリーをデルタムーバーに装着させ、ポイントシリンダーが迫り出した。
170:Climax Typhoon ◆TJ9qoWuqvA
07/03/21 22:14:13 uFKB5v1H0
―READY―
「チェック」
―EXCEED CHARGE―
ダルそうに下げた銃にエネルギーが走る。
ゆっくりと銃を向けられ、引き金に指がかかったのを確認する。
風見には、放たれた光弾を避ける力は残されていなかった。
白い三角錐が、生身の風見志郎を縫い付ける。
「ハッハッハッハッハ!」
狂気に満ちた笑い声を上げ、僅かに上下に開いた蹴りで三角錐のエネルギーを纏いながら、仮面ライダーを貫いた。
(お、俺は……茂……)
右手が虚しく空を掴み、風見志郎は仮面ライダーとしての生を終えた。
「ハァ~、こいつはいい。イライラがすっかり消えた」
風見の死体を見下ろし、変身を解いた浅倉の顔には笑みが浮かんでいた。
オルフェノクの身体ではない浅倉がデルタになったゆえ、デモンズスレートという名の毒が回った。
しかし、浅倉は変わらない。人の闘争本能を刺激するだけの毒では、闘いに飢えている浅倉には影響を与えられるはずがなかった。
デルタの毒は、毒を内包する蛇に影響を与えれず、ただ巨大な力を提供するだけだった。
「ふん? こいつ、静かになりやがった」
手に持っているベルトが沈黙したのに気づく。
浅倉は知らないが、連続使用により過負荷がかかり二時間の間完全に沈黙したのだ。
神崎の、生への確率を減らす制限の一つだった。
「まあいい。どうせしばらくすればまた使える」
北崎との戦闘、続けてV3との死闘を通して浅倉はある程度時間が来れば再度変身できることに気づいた。
頭の回る浅倉は、戦いの余韻もあってかその場で休憩を取る事を決めた。
(キックホッパーを殺しに行って拡声器を奪うのも面白いな。北岡やあきらを呼びつければもっと面白くなる)
低く笑い、荷物へと向かう。風見志郎の荷物を手にしたとき、中身が零れ落ちた。
「ん?」
手に取ったそれは、デルタのベルトと似た構造をしていた。
四角に折り畳まれた物、その名をファイズブラスターと言った。
171:Climax Typhoon ◆TJ9qoWuqvA
07/03/21 22:15:45 uFKB5v1H0
【北崎 死亡】
【風見志郎 死亡】
残り37人
【浅倉 威@仮面ライダー龍騎】
【1日目 現時刻:午前】
【現在地:遺跡D-3】
[時間軸]:本編終盤辺り。
[状態]:左目負傷、全身に負傷、疲労極大。
イライラが晴れて気分爽快。
[装備]:デルタフォン、デルタドライバー。
[道具]:未確認(北崎のデイバック)。ファイズブラスター。
[思考・状況]
1:変身できる時間になったら、キックホッパーと戦うためC6の丘へ。
2:その後北岡、あきらを探して殺す。
[備考]:デルタドライバーは二時間の間完全に起動しません。
二時間経てば再使用できます。
*D2エリアの出入り口が逆ダブルタイフーンで崩れました。瓦礫をどかさないかぎり、C2へ移動できません。
172: ◆TJ9qoWuqvA
07/03/21 22:16:49 uFKB5v1H0
投下終了。誤字矛盾があれば指摘お願いします。
また、今議論している変身ルールに抵触している為、こちらの方も意見をお願いします。
問題がある場合はもう一つのパターンに差し替えます。
173:名無しより愛をこめて
07/03/21 22:21:05 jZSB8otKO
いやぁ面白かった!幾度にも繰り返される熱い展開に、思わず拳に力が入ってしまいました!
そして初の二人同時退場…。
超GJ!!
|葬式会場| λ...北崎…風見…
賑わってきたし、そろそろ死者スレが本格的に欲しい。
変身については違和感無く読めたのでOKかと思います。
174:名無しより愛をこめて
07/03/21 22:37:11 KtGWmDNZO
GJ!
昭和のライダーも熱い!
ただ、変身制限は……
どの道浅倉デルタは出せるし、再使用不可のルールに準じたものの方が良いと思う
175:名無しより愛をこめて
07/03/21 22:38:42 9efyrsOQ0
>>170
GJ!
ちと気になったんだが、一応装備にブランクデッキがあるのでは?
たいして重要でもないけど
コンファインベントの設定決めておいたほうがいいと思う
入手したのがリュウガだから使い方はいいとしても
他作品のキャラに効果があるのかどうか
176: ◆TJ9qoWuqvA
07/03/21 22:41:51 uFKB5v1H0
>>175
蹴り砕いたことになっています。
分かりにくくて申し訳ない。
後誤字発見。
> 首輪のパルスが、デルタの使用者が浅倉でない為変身許可を与える。
を
> 首輪のパルスが、デルタの前回使用者が浅倉でない為変身許可を与える。
別のパターンに変えたら意味ない修正ですが、一応。
177:名無しより愛をこめて
07/03/21 22:59:22 vnkBWmAJ0
いや~、あのヤバい状態から風見がここまで善戦するとは思ってなかった!
熱い戦いをありがとう、GJ!
>>156
まとめ更新乙です。
ただ、時系列順エピソードの並びが「希望と絶望の朝」の後「FULL FORCE」になってるのが
個人的に気になってしまうのですが…
178: ◆TJ9qoWuqvA
07/03/21 23:29:56 uFKB5v1H0
スペル間違えたァァ!
> ―BUST MODE―
を
> ―BURST MODE―
に差し替えてください。
179:名無しより愛をこめて
07/03/21 23:31:03 rbTpJHe70
GJ!
正直、ここまでイイ戦いをするとは思っていなかった。
|葬式会場| λ...λ...自分も葬式に向かおう……
あと、日本じゃ二番目以下噴いたww
180: ◆TJ9qoWuqvA
07/03/22 00:42:19 QQApUFLp0
>>179
気づいてくれてありがとうございます。
風見志郎を書くなら、一度使いたかったネタです。
あと変身制限はどうしましょうか?
問題なら差し替えますし、決着つけたい問題でもありますので。
181: ◆A.IptJ40P.
07/03/22 00:59:47 Iwg652t00
変身制限改変には、自分は反対の意思を表明しますですよ?
・何とか制限に気付けた登場人物を混乱させたくない
・集団の戦闘力が倍増(一回なら使い回し可能なので)。単独(特にマーダー)の戦力が相対的に低下。
・アイテム継承イベントは今のルールでも出来る
この三つが理由です。
SS進行率はかなり贔屓目に見て二割ですね。真司の口調が書き辛い……
ところで矢車さんがザビーになった(というかゼクトに入った)理由って本編でありましたっけ?
あと、カブティックが島に存在する伏線を張っても良いでしょうか?
深夜なのでテンション高いですねすいません。
182:名無しより愛をこめて
07/03/22 01:30:30 LyUJxyQ7O
理由は多分明らかになってない。
最初からゼクトのエリートだった。
今の変身システムってどんなか詳しく教えて欲しい。
183:名無しより愛をこめて
07/03/22 01:58:57 /ECzpkGUO
アイテム側に制限が掛かる
だから坊ちゃま他数人が多段変身出来て有利
184:名無しより愛をこめて
07/03/22 02:35:33 QQApUFLp0
今のところ、
決まったことが、
・制限は首輪で一括(変身制限、身体制限、etc)。
・変身時間はアイテムごとにということで設定。多段変身可能。多分首輪が変身アイテムごとに反応。
で、微妙なのが
・他人が使った変身アイテムを二時間以内に一度だけ使用可能。
正直坊ちゃまが多段変身しているの読んで、マーダーが変身アイテムを次々奪っていって敵を屠るって展開がありだなと思っている。
マーダーの弱体化が心配されているが、展開しだいでどうとでもなると思う。
185:名無しより愛をこめて
07/03/22 09:54:25 l+eszNSM0
改めてFULL FORCE読んだんだが、―がやたらと付いているので読みづらかった。
特に―…が引っ付いていると読みにくいのだが、これってどういう意図があるの?
別に…があるんだったら―はいらないと思うのだが、教えてエロい人
>>181
今まで変身してたツールを別の誰かが使うのはNGだろうって解釈でOK
・何とか制限に気付けた登場人物を混乱させたくない>
混乱するか?そういう制限なんだろうで終わりだと思うが。
つーか何の制限もなく使いまわしが出来るベルトって、デルタギアとスマートバックルしかないんだが。
・集団の戦闘力が倍増(一回なら使い回し可能なので)。単独(特にマーダー)の戦力が相対的に低下。
気づければな。それにそれができるチームの組み合わせって、どれくらいいるよ?
前にサバイブの話にもあったけど、それはしないように書き手の暗黙の了解にしとけばいいんじゃない。
実際、よっぽど上手くやらないと萎えるし。
あとコンファインベントは龍騎勢にしか効かないんでいいじゃないか
186:名無しより愛をこめて
07/03/22 12:37:42 LyUJxyQ7O
いわゆるタメってやつだろ。改めて読み直したが、他にも心理描写の部分にも「─…」が使われてるっぽい。
面白かったから全然気にならんかったがなぁ…。
187:名無しより愛をこめて
07/03/22 12:57:58 l+eszNSM0
俺は逆だった。
面白いのになんかテンポを阻害してるみたいで邪魔くさかった。
188:名無しより愛をこめて
07/03/22 17:52:36 Iwg652t00
>>184
・制限は首輪で一括(変身制限、身体制限、etc)。
前スレ見たんですが、軽く議論されてたものの未定だったかと。
別にした方が良い、という案も見られましたが。
>>185
>暗黙の了解
他の書き手の方々がそれで良いのなら自分は構いません。
>何の制限もなく使いまわしが出来るベルトって、デルタギアとスマートバックルしかない
カードデッキもですが……大して変わりませんね。
コンファインベントですが、効果対象は龍騎ライダー限定で良いと思います。
あと、カードは一回使ったら消える気が……
デッキに差し込んでおく(登録する)ような描写が必要かもしれません。
189:名無しより愛をこめて
07/03/22 19:19:56 n26FN/EQO
>>185
―…はあの人独特の溜め、感情が良く出ていて良いんじゃないかと思う。
これに関しては、確か最初に書き手さんからコメントがあったと思うよ。
190: ◆TJ9qoWuqvA
07/03/22 20:46:38 QQApUFLp0
>>188
別の案(空間による制限)は自分が出しましたが、首輪の方が面倒がなくていいなと思い直しましたw
あと議論されていたとき首輪で一括がいいという意見が多数だったので、そっちで構わないのでは?
>コンファイン
各カードは、いくつかの例外を除いて一度の変身で一枚使うって感じだったはずです。
コンファインのカードを使っても、次に変身したときに使えるでいいと思いますよ。
まあ、ゾルダのカードを使った龍騎が、効果がゾルダのほうにいってずっこけるという場面もありましたがw
>カブティック
誰かに支給されているという感じでしたら問題ではないかと。
変身アイテムが出すぎという意見がありましたが、後一、二個くらいは許容できないでしょうか?
自分が書くときは、変身アイテムを支給しませんので。
>暗黙の了解
基本的に、劇中にでていない強化フォームは反対なので構いません。
個人的に◆iB2FV3/DGQ氏の進行状況が知りたいです。
単純に期限が近づいていますので、延長するのかどうか意思表示をお願いします。
それでは議論の結末しだいで改訂版を避難所に投下します。
191:名無しより愛をこめて
07/03/22 21:10:33 Iwg652t00
>制限
とりあえず不明で、キャラが確定的な考察を行う度にそれが追加、が個人的には理想なんですが……
>暗黙の了解
いえ、新フォームじゃなくて>>185で語られてる方の……
>カブティック
どこかにある、というだけの情報を。
てか、不明支給品は誰のがありましたっけ?
改訂版、投下お願いします。
192: ◆TJ9qoWuqvA
07/03/22 21:29:51 QQApUFLp0
ああ、間違えました。了解。
気づく余裕があるパーティが皆無な気がします。
むしろ気づきそうなのが、人のアイテムを変身中に奪いそうな連中な気が……
ついでにパターン2投下完了。
場合によっては
URLリンク(yy47.60.kg)
を>>169-171に差し替えてください。
アイテムが未確認なのは、
・相川始
・影月
・グランザイラス
・斬鬼
ですね。初期の話なのでいろんな連中に流れていますが。
193:名無しより愛をこめて
07/03/22 23:58:29 LyUJxyQ7O
巧組を予約してる人の期限が危うげ。
194:名無しより愛をこめて
07/03/23 00:14:11 c3H/rhfYO
期限切れちゃったね。
195:名無しより愛をこめて
07/03/23 00:50:52 ZtkIUNF80
巧、天道、あきら、草加はフリーになったって解釈でいいのかな?
それとも一日待つ?
あと変身関係は、使用例もあるしどっちにするか投票したい。
196:名無しより愛をこめて
07/03/23 02:58:02 rlXHPXXcO
もし氏から連絡が無く、予約破棄扱いになるならば
草加、光太郎を予約させて下さい。
連絡が有るようならスルーで。
197: ◆naAqV94LaU
07/03/23 03:00:09 rlXHPXXcO
トリ忘れました。
198:名無しより愛をこめて
07/03/23 09:16:06 a6FnvQQ00
別ロワのことはよくわからないんだが、首輪の解除方法って、どうやって決めてるんだ?
場所が異次元ということを考えると首輪が解除されてもカブトでもない限り、そう簡単に脱出できそうにないが。
199:名無しより愛をこめて
07/03/23 15:39:59 rSGxrtaF0
誘導。
スレリンク(entrance2板)
200:名無しより愛をこめて
07/03/23 15:59:15 w09Ah03C0
>>192
睦月、北岡、おやっさん、北崎のもまだ不明支給品。
後八つ。そういえば、参加しているキング、伊坂、始が入るラウズカードは
未だ誰も持ってないよね?
201:名無しより愛をこめて
07/03/23 18:40:02 MG24IKZ90
>>200
普通にラヴザーに納められてると思ってた…
202:名無しより愛をこめて
07/03/24 08:37:37 GavvK/4V0
age
203:名無しより愛をこめて
07/03/24 08:56:57 ARKKGAQu0
RXが戦闘中、悲しみや怒りの感情でロボやバイオに覚醒する展開ってあるの?
204:名無しより愛をこめて
07/03/24 09:56:00 GavvK/4V0
>>203
作者さん次第だが、別に問題ないって話だったぞ
205:名無しより愛をこめて
07/03/24 14:59:19 wufJO+1iO
そういえば、光太郎はRXになった直後なら、ジョーのことは知らないんだよね?
206:名無しより愛をこめて
07/03/24 15:04:54 O0wh3GAS0
知らないだろ。
むしろ霞のジョーと互いに認識あるのが結城丈二のみ。
>>200
遅レスだがブレイドライダーがコモンブランク(だっけ?)を持っているでいいんじゃね。
>>197
こっちも亀だけどお願いします。
207: ◆A.IptJ40P.
07/03/24 16:52:07 z+xVm1aY0
申し訳ありませんが、少し(一日二日か或いはもっと……)遅れるかもしれません。
大まかな流れは出来たのですが、真理の放送の時刻とか真司の口調、移動速度とかが……
208:名無しより愛をこめて
07/03/24 17:26:43 O0wh3GAS0
ガンバレー
209:名無しより愛をこめて
07/03/24 17:48:46 wufJO+1iO
楽しみに待ってます!
210: ◆TJ9qoWuqvA
07/03/24 20:53:14 O0wh3GAS0
神代剣、相川始、リュウガ、望月博士予約します。
211: ◆naAqV94LaU
07/03/24 22:21:58 CAX/1XoKO
お二方頑張って下さい!
…それと、私はどうしたら…
212:名無しより愛をこめて
07/03/24 22:26:08 8tLyuFkG0
>>211
全裸でモニターの前に正座するといいお^^
213:名無しより愛をこめて
07/03/24 22:26:28 O0wh3GAS0
>>206で自分がいったように光太郎と草加は◆naAqV94LaU氏が予約していると思っていました。
ぜひお願いします。
214:名無しより愛をこめて
07/03/24 22:54:05 qYdORkoJO
ついにぼっちゃまと始の遭遇クルー!
超wktk
215: ◆E1yyNEjdEc
07/03/25 03:03:26 fUhlEypG0
まとめサイト更新しました。
また、規制がかかってましたので避難所に投下しました。
216:名無しより愛をこめて
07/03/25 08:59:19 O61ZJTdDO
剣崎に続いて始まで坊ちゃまの
餌食なんてことにはならんよな?
坊ちゃまってだけで死亡フラグorz
217:名無しより愛をこめて
07/03/25 11:00:52 kkDEM3BL0
E1yyNEjdEc氏、GJ!!
麻生とヒビキさん…安心して読めるメンバーだと思ったら…
真理の灰化は彼女もオルフェノクの因子を埋め込まれている以上
充分ありえると思う。
一度生き返りながらすぐに灰になって崩れるのは
オルフェノク化攻撃(なんだっけ?使途再生?)の不適合による現象と同じだから
そこに疑問を持つ人も出てくるような気もするので
死んだあと、そのまま遺体が灰化するだけの方がいいかも。
218:名無しより愛をこめて
07/03/25 17:31:27 kd2B3L390
やっと見れたーー!!
◆E1yyNEjdEc氏、投下&まとめ更新乙。
冴子さんが何かしでかしてくれると期待していただけあって嬉しい展開だ!
真理が崩れるところなんてホラーのノリだ。好きだ!
>>217
このままでいいと思う。
ここに突っ込むのはファイズ見てない人くらいじゃないかな?
219: ◆4wyf44BgsE
07/03/25 18:00:44 AVk6CeYM0
◆E1yyNEjdEc 投下乙でした。
冴子お姉ちゃんとドラス君コンビの今後が楽しみです!
そしてまとめサイト更新乙です。
コメント欄に末期の言葉も追加してあって、こちらも超GJ!
巧、あきら、天道、予約してもいいですか?
220:名無しより愛をこめて
07/03/25 18:03:20 kd2B3L390
あったりまえじゃないか! ジョニー!!
楽しみにしているぜ!!
221:名無しより愛をこめて
07/03/25 18:09:17 f4lmNQlv0
更新乙!
予約しても良いと思う。連絡無いし。
しかし末期の台詞、異常に格好良いのと異常に噛ませ臭いのの二通りがあるなあ……
222: ◆4wyf44BgsE
07/03/25 18:50:49 AVk6CeYM0
では、改めて
乾 巧、天美あきら、天道総司、予約します。
223: ◆E1yyNEjdEc
07/03/26 05:05:19 sPqHH7Kz0
まとめサイト更新。以前、記載されたキャラ紹介テンプレをアップしました。
今後も書く参考になればと思いますので、テンプレを記載する暇がありましたら、記載をお願いします。。。
>>217-218
ご意見ありがとうございました。
とりあえずそのままでいこうと思いますが、もし反論があればまた考慮したいと思います。
では、城茂、ジェネラルシャドウを予約いたします。
224:名無しより愛をこめて
07/03/26 19:25:40 L9QgdteVO
更新乙です!
そして投下も期待してます。
225:名無しより愛をこめて
07/03/26 19:43:44 ee5VZUzv0
更新乙。
そしてライバル対決楽しみにしています。
226: ◆A.IptJ40P.
07/03/26 22:56:45 B5PEvD6a0
むう、投下が無いとここまで過疎るか……
電撃の新刊が面白過ぎて筆が進まなかったのですが、ようやく山場に漕ぎ着けました。
遅くても後二日、速ければ今晩に投下出来るかと。
……それはそうと、『世にも奇妙な物語』見ながら書くとテンション上がるなあ。斜め上四五度方向に。
勢い余って真司君を*してしまいそうになる。
227:名無しより愛をこめて
07/03/26 23:00:27 ee5VZUzv0
まいど『世にも奇妙な物語』を見ると佐野の最期を思い出すから困る。
朝八時の子供番組なのにw
過疎っているのはしょうがないな。
ルールも固まってきたし、爆弾になりそうなものはないし、良作は次々と投下されているし。
個人的には書き手の評価が聞きたい。
つーか、俺の評価w
228: ◆ozOtJW9BFA
07/03/26 23:20:30 m3+/x/hG0
遅くなりましたが経過報告します。
7割位まで書きました。明日の晩までには投下出来ると思います。
俺も正直忌憚無く評価されたい。ぼろくそに貶されても怒らないからw
229:名無しより愛をこめて
07/03/26 23:24:46 B5PEvD6a0
場所によっては毒吐きがそういう役目も持ってるんだけどな。
重箱の隅を突くようなものもそれはそれで参考になる。
7ホメ3ケナシ位の割合が一番嬉しいなあ。
……批評スレが過疎ってるのが実に惜しい。
230: ◆naAqV94LaU
07/03/27 00:47:01 nqpsofcgO
交流雑談所にて評価して貰いました。嬉しかったし参考にも。
>戦闘が淡白
自分のSSにおいて際立って駄目だったところが漸く明らかにw
本当に感謝してます。
良い機会だし、書き手の評価を住人の皆さんにして貰いたいですね。
燃料投下の意味も込めて、雑談所でどうでしょう?
231: ◆4wyf44BgsE
07/03/27 01:15:13 iFRXabgJO
すみません。
自分も評価して貰いたいです。
多分、ヘコむだろうけど……
でも、レベルアップしたいし。
232: ◆TJ9qoWuqvA
07/03/27 01:20:53 actZW0xB0
私も! 望んでいるぞ!
評価をなぁぁぁぁぁ!!
でなきゃ批評スレ行かないわけで……もし暇でしたらお願いします。
233: ◆A.IptJ40P.
07/03/27 01:42:02 VnORZznW0
俺も俺も
交流所での評価はすげえ嬉しかったんだが……こう、何かが足りない……!!
234: ◆naAqV94LaU
07/03/27 01:47:30 nqpsofcgO
是非私も…w
ついででもいいんでお願いします。
235: ◆ooH1rChbak
07/03/27 12:36:51 /ph9qdA90
僕も評価してもらいたいと思います。
以前の事も含め・・・改めて評価おねがいします。
236:名無しより愛をこめて
07/03/27 18:17:43 L78WAjCX0
ほぼ全員ですか。
書き手とはMな生き物だ。
それじゃあ評価するよ、俺視点、反論は受け付けん。
◆ozOtJW9BFA氏の評価(5段階)
URLリンク(home.att.ne.jp) 縛られぬもの 4
URLリンク(home.att.ne.jp) 交錯する運命 3
URLリンク(home.att.ne.jp) しばしクライシスの栄光より遠ざかり 3
URLリンク(home.att.ne.jp) 贄の誇り 2
URLリンク(home.att.ne.jp) 反撃 5
URLリンク(home.att.ne.jp) 希望と絶望の朝 5
ストーリーは素直に面白い。戦闘描写にも不満はなし。
カリスとジェネラルシャドウ、ジャークとグランザイラス、ナイトとシャドームーンなどの会話とその攻防はテンポよく読めたし、見事だった。
ただその反面、独白、特に声に出さない独白はテンポが悪い。会話のテンポがいいだけに余計に悪く感じる。
特に独白のみで進む、贄の誇りはガライというキャラクターを活かしきれていない。
冷静だったのに急に激昂して、急に落ち着いて、一応文章内で動揺があったとなっているが、ひとつのSSにしようとするあまり、流れが急すぎる。
あと、交錯する運命では南光太郎以外に、屋上に他に誰かいるというのが、台詞のみで伏線はったにしては非常に弱かった。
237:名無しより愛をこめて
07/03/27 18:18:51 L78WAjCX0
◆4wyf44BgsE氏の評価(5段階)
URLリンク(home.att.ne.jp) 片眼の蛇 3
URLリンク(home.att.ne.jp) 樹海に咲く花 2
URLリンク(home.att.ne.jp) GAME 5
URLリンク(home.att.ne.jp) 2人のライダー、2枚のジョーカー 4
文章の表現と流れが美しい。
会話がなくとも場面描写だけで読み進めていけるのは素直に凄い能力だと。
ただGAMEを除いて、話の繋ぎに過ぎないのが難点。もう少しそれぞれのキャラクターに自己主張させてもよいと思う。
また、それが裏目に出たのは樹海に咲く花。まだ手付かずのキャラクターを一番最初に書く場合は今後の指針とするためにキャラ固めをするべきだと思うのだが、
ただ会って戦っただけになっていて、パロロワでどうしたいのかが、よくわからなかった。
あと、現在地移動中はSS読めばわかるので、きちんと場所をいれた方がよい。
◆TJ9qoWuqvA氏の評価(5段階)
URLリンク(home.att.ne.jp) 二人の騎士のEGO 4
URLリンク(home.att.ne.jp) 歩みの行方 5
URLリンク(home.att.ne.jp) Stranger in the dark? 4
URLリンク(home.att.ne.jp) はるかなる罪にかけて 5
URLリンク(home.att.ne.jp) 終わりの君へ、始まりの君へ 3
URLリンク(home.att.ne.jp) 第一回放送
URLリンク(home.att.ne.jp) 夢の欠片 5
URLリンク(home.att.ne.jp) 男の名は仮面ライダー 5
URLリンク(home.att.ne.jp) Climax Typhoon 5
特になし。ほぼパーフェクト。
V3必殺技連発しすぎ、制限はどうしたとか無理やり探せばあるが、重箱隅つつきでしかなく、燃えたんで不問。
あえて不満点を上げるとすれば響鬼が騙されやすい奴=人間を見れない奴というフラグを立ててしまったことぐらい。
しかし、動かせすキャラが固定して、何気に自己リレーも多い(自己リレーは否定していない)んで、もしかしたら書けるキャラクターの範囲が狭いのかもしれない。
238:名無しより愛をこめて
07/03/27 18:19:51 L78WAjCX0
◆A.IptJ40P.氏の評価(5段階)
URLリンク(home.att.ne.jp) 双剣邂逅 4
URLリンク(home.att.ne.jp) 律法の護り手 5
URLリンク(home.att.ne.jp) 砕ける剣 4
URLリンク(home.att.ne.jp) 弱さを彩る為の刃 3
URLリンク(home.att.ne.jp) 心に刃、輝く毒杯 4
文章力は文句なし。話の面白さも文句なし。
唯一の不満点は視点変更が多く、途中でわかりづらくなること。
登場人物の数だけ、一人称視点を使い、場合によっては同じ瞬間の話を書こうとするので、同じシーンが繰り返すことになり、更にわかりづらい。
燃え話の最中に多様されてしまうと、どうなるかドキドキワクワクしている感情が、イライラに変わってしまうことも多々。
律法の護り手のように一人の視点を継続して書くか、心に刃、輝く毒杯のように二人に絞って書くかするとわかりやすいかも。
◆naAqV94LaU氏の評価(5段階)
URLリンク(home.att.ne.jp) 果てなき希望 4
URLリンク(home.att.ne.jp) 少年は闇に踊る 4
URLリンク(home.att.ne.jp) 魂は此処に。 4
URLリンク(home.att.ne.jp) 龍蛇激突 4
URLリンク(home.att.ne.jp) FULL FORCE 5
アクションよりもドラマで魅せる話がよい。
ただドラマ部分が強い反面、アクションに必要な燃え分が弱い気がする。話としては面白い分、非常に残念。
個人的にはバトルしながらも誰も死なずに話しが一段落する話を書いてもらいたい。
239:名無しより愛をこめて
07/03/27 18:20:53 L78WAjCX0
◆ooH1rChbak氏の評価(5段階)
URLリンク(home.att.ne.jp) ―漆黒の龍と鋼の猛牛と紫苑の蜘蛛と― 4
URLリンク(home.att.ne.jp) ―地を走り、Riderは何を想う― 4
URLリンク(home.att.ne.jp) ―疾風の如く― 3
ストーリーは起が若干弱い気がするが、起承転結が出来ており、面白い。
登場人物の小粋なトークが持ち味だと思うが、そのため、逆にジャーク将軍の違和感がかなりあった。
ジャーク将軍はあんなに小物じゃないやいと昭和厨の俺はいう。
総じて
ドクトルG、ジャーク将軍、グランザイラス、ガライ、日高仁志は書きにくい人が多いんだなと思う今日この頃。
恐らく霞のジョーや望月博士や瀬川耕司や水のエルも書きにくいんだろうなと思ったり。
240: ◆4wyf44BgsE
07/03/27 18:45:44 iFRXabgJO
おぉ!評価ありがとうございます!
凄くうれしいです。
実は自分の予約した中で、一番書きたかった話がGAMEだったんです。
これからは指摘点に気をつけて頑張ります!
またよろしくお願い致します!
241: ◆TJ9qoWuqvA
07/03/27 19:13:17 actZW0xB0
あなたが神か……
その高貴な振る舞いにGJを送らせてもらおう!
評価マジ助かる。
やっぱヒビキさんに苦労したのがばれたか。
何度書いてもしっくりしないし、印象に残っているのはトドロキとの絡みだし……小説版は一巻しか出てないし……
まあいい。やったことはしょうがない。いずれカッコイイヒビキさんを書いてみせる!!
242: ◆ooH1rChbak
07/03/27 19:30:55 /ph9qdA90
評価有難うございます。
ジャーク将軍・・・やはり散り際しか見てないのに書くのは無謀だったか(w
近くにいい悪役がいなかったもので・・・丁度つべでRXもあがってたし。
そういや、皆さん結構書いてるんですね。自分なんか未だ三つ・・・
243:名無しより愛をこめて
07/03/27 20:21:03 VnORZznW0
GJ!
視点変更か……三人称さえ使えればっ……!
244:名無しより愛をこめて
07/03/27 20:33:25 WuZF09QB0
批評GJ!!
書き手の皆さんもがんばってくれ!!
自分、いつもテンプレキャラ紹介書いて投下してる者なんだが
書きにくいのではと言われてるヒビキと水のエル、作ったほうがいい?
平成は全部見てるし最近見直したばかりなのできちんと書けると思うが
昭和が記憶あやふやで自信ない…
245:名無しより愛をこめて
07/03/27 20:41:39 iFRXabgJO
お願いします!
246: ◆A.IptJ40P.
07/03/27 21:00:55 VnORZznW0
一応弁解すると、砕ける剣の視点変更は、
・戦闘のスピード感とテンポ
・心理描写の密度
この二つを両立させる為の苦肉の策だったんだ……
あと、ラストシーンのミスリード狙い。こっちはもっと上手くやれた気もするけど。
>>244
むしろ躊躇わずじゃんじゃん書いてくれ。キャラ把握にとても役立つ。読んでて中々楽しいし。
……ロワ企画にとって、作品が占める割合ってのは精々六割だと思うんだ。
残りの四割以上は感想とか、読み専の人だからこそ出来る忌憚の無い評価とかから生まれる何かだと思う。
偉そうに語って何が言いたいのかと言うと、欲張りだけど感想もっと下さいお願いしますorz
247: ◆4wyf44BgsE
07/03/27 21:40:13 iFRXabgJO
感想はいい……
ゾクゾクする。
>>244、忌憚の無い評価……面白い。
バトロワスレってのはこう言うもんだろォ!@浅倉威
すみません。
今日はちょっと壊れてます。
248: ◆E1yyNEjdEc
07/03/28 00:21:24 TPLvET/p0
流れをぶった切り、投下します。
249:宿敵 ◆E1yyNEjdEc
07/03/28 00:25:00 TPLvET/p0
壁に刺さった一振りの剣。カブトムシを模したパーフェクトゼクターと呼ばれるその剣は自分の前で対峙する二人の男を見ていた。
赤いプロテクターを身に纏い、自分と同じくカブトムシを模した電気の戦士、仮面ライダーストロンガー。
白いマントを羽織った、トランプを武器とする魔人、ジェネラルシャドウ。
お互いがお互いを宿敵とする二人は、決着をつけるべく、相手の隙を窺っていた。
「エレクトロファイヤー!」
先に動いたのはストロンガーだった。必殺の叫びと共に、常に電気を帯びたストロンガーの手が地面へと触れる。
それと同時に大量の電気が火花をまとい地面を走っていく。
「甘いわ」
(エレクトロファイヤーは地面に電気を走らせる技。それを知っていれば避けるのはたやすい)
ジェネラルシャドウは地面を蹴り、軽々と避けると、そのままシャドウ剣を構え、ストロンガーへと向かっていく。
だが、ストロンガーもそれを予期しており、左手でそれを払うとカウンター気味に拳を打ち込んだ。
「うぬっ」
ジェネラルシャドウの右胸へと命中する拳。ストロンガーは攻撃の手を緩めず2発目、3発目と立て続けに拳を繰り出していく。
(やるなストロンガー。だが……)
「はっ!」
ストロンガーの5発目の拳、それがジェネラルシャドウに命中する直前、ジェネラルシャドウの身体はトランプとなって霧散した。
すると、ストロンガーを囲むようにして、5枚の巨大なトランプが出現する。
「フフフフッ、どれが本物かな?」
それぞれのトランプの影にはひとりずつ、ジェネラルシャドウの姿があった。
(トランプとシャドウ分身の合わせ技。どのシャドウが本物か?この技を眼にした相手は混乱し、最後は自分の勘を頼りに攻撃するしかなくなる。
しかし、それが落とし穴。どれを攻撃しても結果は一緒、トランプから吹き出る炎に身を焼かれ、最後は爆発するトランプと共に吹き飛ぶしかないのだ!)
だが、そんなジェネラルシャドウの思惑を余所に、ストロンガーは至って冷静だった。
「シャドウ!同じ手は食わぬぞ。この中に本物はいない……トォ!」
トランプから炎が噴き出す直前、一度、その技を受けた経験があるストロンガーはジャンプし、トランプ包囲網の外へと飛び出す。
250:宿敵 ◆E1yyNEjdEc
07/03/28 00:26:30 TPLvET/p0
「次はこれだ。カブトキャッチャー!」
電気を利用して、相手の居場所を見つけ出す技、カブトキャッチャー。
ストロンガーが発した電気の波は隠れるジェネラルシャドウの場所を知らせる。
「そこだシャドウ、トォ!」
再びストロンガーは空中高く飛び上がる。そして、前方へ回転することにより、体内の電気エネルギーを全身に行き渡らせた。
限界まで高められた電気エネルギーに灼熱した身体は赤く輝く!
「くらえっ!ストロンガー電キッーーーク!」
虚をつかれたジェネラルシャドウにまともにストロンガーのキックが炸裂する。
「ウォォォォッ!」
あまりの威力にジェネラルシャドウの身体は地面を抉り、壁へと叩きつけられる
「ヌ……ヌゥ、やるなストロンガー」
(身体が震える。これがストロンガー電キックか)
蹴りこまれた瞬間に身体に流れこむ10万ワットにもなる電気エネルギーはジェネラルシャドウの身体にセットされた様々な機械を焼き、生身の部分を痺れさせる効果を与えていた。
(奇械人程度ではひとたまりもあるまい。さすがはストロンガーよ。だが、解せぬ。あの技は初めて使ったはずだ)
トランプとシャドウ分身の合わせ技。ジェネラルシャドウにとっては切り札のひとつ。
(にも関わらずストロンガーは『同じ手は食わぬ』と言った。一体どういうことだ)
自分の切り札があっさり破られたことにジェネラルシャドウは疑問を抱く。
「どうしたシャドウ、これで終わりか」
(今は考える時間ではないな)
悠然とこちらに迫るストロンガーに対して、再度構えをとるジェネラルシャドウ。
だが、考え事をしていたジェネラルシャドウからかなりのダメージを受けたと判断したのか、ストロンガーは構えを取りつつ言葉を紡ぐ。
「……シャドウ、もし、潔く負けを認め、今後悪事を働かないと誓うなら、命は助けよう」
251:宿敵 ◆E1yyNEjdEc
07/03/28 00:27:34 TPLvET/p0
「次はこれだ。カブトキャッチャー!」
電気を利用して、相手の居場所を見つけ出す技、カブトキャッチャー。
ストロンガーが発した電気の波は隠れるジェネラルシャドウの場所を知らせる。
「そこだシャドウ、トォ!」
再びストロンガーは空中高く飛び上がる。そして、前方へ回転することにより、体内の電気エネルギーを全身に行き渡らせた。
限界まで高められた電気エネルギーに灼熱した身体は赤く輝く!
「くらえっ!ストロンガー電キッーーーク!」
虚をつかれたジェネラルシャドウにまともにストロンガーのキックが炸裂する。
「ウォォォォッ!」
あまりの威力にジェネラルシャドウの身体は地面を抉り、壁へと叩きつけられる
「ヌ……ヌゥ、やるなストロンガー」
(身体が震える。これがストロンガー電キックか)
蹴りこまれた瞬間に身体に流れこむ10万ワットにもなる電気エネルギーはジェネラルシャドウの身体にセットされた様々な機械を焼き、生身の部分を痺れさせる効果を与えていた。
(奇械人程度ではひとたまりもあるまい。さすがはストロンガーよ。だが、解せぬ。あの技は初めて使ったはずだ)
トランプとシャドウ分身の合わせ技。ジェネラルシャドウにとっては切り札のひとつ。
(にも関わらずストロンガーは『同じ手は食わぬ』と言った。一体どういうことだ)
自分の切り札があっさり破られたことにジェネラルシャドウは疑問を抱く。
「どうしたシャドウ、これで終わりか」
(今は考える時間ではないな)
悠然とこちらに迫るストロンガーに対して、再度構えをとるジェネラルシャドウ。
だが、考え事をしていたジェネラルシャドウからかなりのダメージを受けたと判断したのか、ストロンガーは構えを取りつつ言葉を紡ぐ。
「……シャドウ、もし、潔く負けを認め、今後悪事を働かないと誓うなら、命は助けよう」
252:宿敵 ◆E1yyNEjdEc
07/03/28 00:29:10 TPLvET/p0
その言葉はストロンガーにとって、自分の名を思い出させてくれた宿敵へのせめてもの感謝の気持ちであった。それが……
「馬鹿な。貴様を殺すことが俺の生きがいだ。お前が死ぬか、俺が死ぬか、選択肢はふたつしかない!」
それが絶対に否定されるとわかっていても。
その時、遺跡が轟音と共に揺らぎはじめる。
その轟音は風の音、そして、聞こえてくる方角は自分が辿って来た道から。
ストロンガーの脳裏にひとつの答えが浮かぶ。
――逆ダブルタイフーン
V3の最強の技にして、使えば3時間の変身不能という最大のリスクを背負う技。
その技が使用されている事実は即ち、V3の危機を告げていた。
「……一気に決着をつけるぞ、シャドウ!」
「来い、ストロンガー!」
「チャーージアップ!」
ストロンガーの声に呼応して、胸のSのマークが回転する。その回転が内臓された超電子ダイナモを発動させ、ストロンガーの身体に超電子の力を漲らせていく。
だが、ストロンガーの角が銀色に煌くことはなかった。
チャージアップストロンガーへその姿が変わろうとする直前、胸のSマークが今度は逆回転を始める。
すると身体に漲っていた超電子の力は瞬く間に消滅し、それどころか電気エネルギーまでもが失われていく。
「うぉぉぉぉぉっ!」
爆発。ストロンガーの身体から火花が飛び散り、粉塵を巻き上げる。
「ストロンガー!」
遺跡に響き渡るジェネラルシャドウの声。
しばらくして粉塵がおさまると、中心にいたのは、ストロンガーではなく、倒れ伏した城茂だった。
「ば、馬鹿な、チャージアップが出来ないとは……はっ」
茂の瞳に白いブーツが映る。見上げるとそこには宿敵の姿。
「首輪は超電子ダイナモにまで影響を与えたか。ふん、余計な真似を」
茂の首にシャドウ剣が突きつけられる。
253:宿敵 ◆E1yyNEjdEc
07/03/28 00:32:41 TPLvET/p0
ジェネラルシャドウの言葉で、茂は理解する。単に自分たちに言うことを聞かせるために付けられていたと思っていた首輪が自分たちの能力まで制限していたのだ。
だが、その事実に気づくのは遅すぎた。今、茂の命は眼の前の男の一撃で終わろうとしている。
(先輩、済まない。俺が未熟なばっかりに)
自分の行動を悔い、茂は死を覚悟する。
(これで終わりか。なんともあっ気ない幕切れだ)
ジェネラルシャドウは思案する。
(殺し合いに正々堂々という言葉はない。例え今回のように首輪という制限をかけられていたとしても、それに気付かなかった馬鹿が悪い)
このゲームが始まって八時間あまり、気付く時間は充分あった。それに気付かなかったのは怠惰という他ない。
(だが、なんだ。この虚しさは。普段の俺なら笑って止めを刺すはずだ。それが何故?)
「……どうした、止めをささないのか」
「っ!」
ジェネラルシャドウの蹴りが茂のあごを捉える。
(俺はこんな決着など望んでいない。俺が望むのは……)
「城茂。貴様の命、一旦は預けよう」
ジェネラルシャドウはシャドウ剣を鞘へと納め、踵を返す。
(この世に生を受けて、初めて出会った至高の強敵。全てを失った俺の生きがいとなる男。そんな男をこんな形で葬るのは俺の誇りが許さない)
「明日の午前9時。午前11時に禁止エリアになる場所で決着をつける。それまでに己の力をしかと確かめておけ」
ジェネラルシャドウはトランプを弄びながら、その場を去っていった。
「ちっ、いてぇなぁ。思いっきり、蹴りやがって」
そう言いながらも、茂に恨みの心はない。むしろその一撃が「喝」になり、茂に立ち上がる力を与えた。
茂はディパックを担ぎ、風見の元へと走る。
「情けねえぜ。今日はあいつに感謝することばっかりだ。だが、だからこそ……決着は俺の手でつける」
V3はもういない。城茂の行く先には今以上の絶望と悲しみが待っている。
だが、宿敵との邂逅は彼に揺るぎ無い信念を与えた。
彼は正義の戦士、仮面ライダーストロンガー
254:宿敵 ◆E1yyNEjdEc
07/03/28 00:35:09 TPLvET/p0
【城茂@仮面ライダーストロンガー】
【1日目 現時刻:午前】
【現在地:遺跡E-3】
[時間軸]:デルザー軍団壊滅後
[状態]:胸の辺りに火傷。2時間変身不能。
[装備]:なし
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
1:明日、ジェネラルシャドウと決着をつける。
2:風見と再会し、謝罪する。
3:仲間を探す(仮面ライダーキックホッパー優先)。
4:殺し合いを阻止し、主催者を倒す。
5:自分に掛けられた制限を理解する。
※首輪の制限により、24時間はチャージアップすると強制的に変身が解除されます。
※城茂の支給品、パーフェクトゼクターは遺跡E-3の壁に刺さっています。
制限により、パーフェクトゼクターは自分で動くことが出来ません。
パーフェクトゼクターはザビー、ドレイク、サソードが変身中には、各ゼクターを呼び出せません。
また、ゼクターの優先順位が変身アイテム>パーフェクトゼクターになっています。
255:宿敵 ◆E1yyNEjdEc
07/03/28 00:38:36 TPLvET/p0
【ジェネラルシャドウ@仮面ライダーストロンガー】
【1日目 現時刻:午前】
【現在地:遺跡F-3】
[時間軸]:37話前後
[状態]:多少の打撲。痺れ少々。2時間戦闘不能。
[装備]:シャドウ剣、トランプ内蔵ベルト
[道具]:ラウズカード(ハートの10、J、Q、K)
[思考・状況]
1:明日、ストロンガーと決着をつける。
2:ストロンガーの言葉(同じ手は食わない)に疑問。首輪の制限も含めて考えてみる。
3:スペードのA、クラブの8が暗示するものを探す。
4:ジョーカーを倒す。
5:他の参加者は手段を選ばず殺す。
256: ◆E1yyNEjdEc
07/03/28 00:42:36 TPLvET/p0
投下終了。
誤字、脱字、指摘事項、感想があればお願いします。
>>244
指針があると思い出すのも楽なので是非お願いします。
昭和は……頑張ってみます。。。
>>246
書き手もまた読み手なり。。。
257:名無しより愛をこめて
07/03/28 01:40:23 5WLqBEvJ0
投下乙&GJ!
熱い戦いだ。ライバル対決は本当に燃える。
最初パフェゼク視点なのに吹いた。意外と存在感をアピールしているのね。
今後出番があるか分からないがw
時間軸の違いによる戦闘展開は唸った。その発想力に嫉妬。
面白い話をありがとう!
258: ◆ozOtJW9BFA
07/03/28 07:56:09 d4AVGtoo0
>>236
評価ありがとうございます。
ご指摘、参考になります。
ガライのキャラは確かに活かせてませんでした。
>>244
お願いします、水のエルは特にキャラ把握が難しくて……。
>>256
GJ!
二人のライバル同士という関係が活かされていて、面白かったです。
予約期間を超過してすいません。投下します。
259:不死者の奏でる狂想曲 ◆ozOtJW9BFA
07/03/28 07:58:03 d4AVGtoo0
「俺が朝ご飯を作ってきますから、皆で食べましょう」
そう津上が言い出したのは、俺達六人が上城君が眠る部屋に集まって
とりあえず全員が名前だけの自己紹介を終えた後、俺が情報交換を切り出そうと思った時だった。
てか、今がどういう状況か分かってんの?一応殺し合いの真っ最中よ。
「……先に情報交換を済ませた方が、良いんじゃない?」
「話ならご飯を食べながらの方が、はずむじゃないですか。
それに皆さん夜からずっと動き詰めで、お腹が減ってるでしょう?そんなんじゃ、いざという時動けませんよ」
いや、話がはずむ必要ってある訳?今の状況で情報より、空腹に気がいく人も居ないだろ。
「確かに、腹は減ってるな」
居たよ。この橘って奴も何考えてんだか。
「私は遠慮しておきます」
木野の方は、やんわりとだが断った。当然の判断だけど。
木野はさっきから俺達の誰かが動く度に、サングラスの奥から警戒の目を向けているのが分かる。
雰囲気から見ても一筋縄じゃいかない人物みたいだ。ま、俺も人の事は言えないか。
「あ、俺もここに来る前に朝食は済ませてきたんだよね。だから遠慮しておくよ」
俺も断りを入れる。本当はゲーム開始から何も食べてないけど、そこは角を立てない為の口実って事で。
「甘いですね~、朝食は一日の活力の源ですから、ちゃんと取らないとその日一日まともに戦えませんよ」
甘いって何が?朝食に対する認識がって事?お宅の殺し合いに対する認識よりましなんじゃない?
「へぇ~、じゃあ俺の分も頼むよ」
こいつアンデッドの癖に、大事な食料を消費する気?
「それじゃ早速作ってきますね」
仕方ない、津上には二人きりで聞きたい事があったし都合がいいかもしれないな。
「俺も手伝おう。えーと津上君って呼んでも良いかな?」
「はい、ありがとうございます」
260:不死者の奏でる狂想曲 ◆ozOtJW9BFA
07/03/28 07:59:55 d4AVGtoo0
「俺はこの山小屋の周りを、見張っておこう」
橘が見張りに名乗りを上げる。
「あ、俺も見張りするよ」
キングも見張りに名乗りを……ってどういうつもりよ?
まあ橘は上城君同様キングがアンデッドだと知ってる訳だし、流石に子供騙しの策略しか出来ないキングに騙される事も無いか。
木野も油断の無い人間だから、この場で変にキングに対する警戒を促してあいつの機嫌を損ねない方がいい。
あういう手合いは気分次第で、極端な行動に走りかねない。
「じゃあ橘さん達はご飯が出来るまで、山小屋の周りを見張ってて下さい。
出来たらご飯を食べながら、皆で情報交換と今後の方針について話し合いましょう」
それだけ言うと津上君は、食糧庫と台所のある方に向かったので俺も後を追った。
いつの間にかあいつが仕切る形になったのは予想外だったが、何故かあいつに悪印象は無かった。
この山小屋は本当に大きくて、小さい食糧庫や台所も含めて複数の部屋がある。
津上君はその食糧庫の中をあさっている。
「まさかここにある食料を使う気?」
「ええ、この山小屋にはたくさん食料が有りましたから」
「毒が入ってるかもしれないだろ」
「でもどこにも毒入りとは書いてないですし、神崎さんなら黙って毒を入れたりしないでしょ?」
「俺達より先に来ていた奴が、毒を盛っているかもしれないだろ」
「袋や瓶に入っている食料しか使わないし、大丈夫ですよ」
俺はそれ以上何も言わないことにした。どうせ俺が食べる訳じゃないし、津上君も満更考え無しという訳じゃ無さそうだ。
「それじゃ北岡さんはこれを、キッチンまで運んで下さい」
そう言って津上君は、野菜の入った袋を渡してきた。
確かに俺はライダーよ、でも俺力仕事には慣れてないんだよな。
結局、俺は荷物持ちをさせられた。手伝うって言ったのは失言だったかな、どうもこいつといると調子が狂う。
261:不死者の奏でる狂想曲 ◆ozOtJW9BFA
07/03/28 08:01:37 d4AVGtoo0
津上君は吾郎ちゃん顔負けの手際で、料理に専念している。
「手伝うって言っといて何も出来なくて悪いね。実は君と二人で話したくてね」
「大丈夫ですよ、僕は料理は慣れてますから。それで話って何ですか?」
「君は木野と知り合いなんだよね、なら君も木野と同様に変身出来るのかな?」
わざと言葉の中に仕込んだ針を見せる。出方によって相手の人なりや木野との関係が分かる。
「ええ、俺もアギトに変身出来るんですよ」
間髪入れず屈託の無い返事が返ってくる、やはり調子が狂う。
「へえ、どんなモンスターと契約したの?」
「契約?さあ……いつの間にか変身出来る様になったんですよ」
「木野って人も同じ感じなのかな?」
俺は津上君の腹を探る事を止め、情報収集に専心する事とした。
その後の津上君の説明で分かった事がある。
アギトという人類の言わば変異種が多数存在し、津上君や木野がそうである事。
またそれらを狙うアンノウンと呼ばれる、生命体が存在する事。
そしてこれではっきりした事もある。
それはこのゲームの参加者が、異なる複数の世界から集められたという事。
自他共に認めるスーパー弁護士である俺は、社会的に大きな事件や警察内部の情報にも詳しい。
そんな俺が自分の世界にあるアギトの存在や、アンノウンによる不可能犯罪を知らないでいる筈が無い。
上城君の説明と合わせて考えてみても、パラレルワールドの様に微妙な相違がある異世界から集められたとみて間違い無いだろう。
………ますますハードルが高くなった訳か。
どんな未知の敵が居るか分からない上、アンデッドになれたとしても元の世界に帰れないんじゃ仕方ない。
それに津上君の話の分には、木野はやはり油断のならない相手みたいだ。
味方に付けるにしても、少し腹を探った方がいい。
262:不死者の奏でる狂想曲 ◆ozOtJW9BFA
07/03/28 08:06:01 d4AVGtoo0
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
俺はいつか見た闇の中に閉じ込められている。俺が闇の奥を覗くと、闇も俺に話し掛けてくる。
――俺を受け入れろ。
嫌だ!
――生き残りたいなら、俺の力が必要だ
俺はもう、お前には頼らない!
――俺を拒絶すれば、お前は死ぬしかない。
黙れ!俺は……俺は二度とお前に取り込まれたりしない!
――死にたくないだろう……ブレイドのように。
何だと!?どういう意味だ!?答えろ!剣崎さんがどうしたって言うんだ!!?
「!?……あれ………ここは?」
「気が付きましたか」
目を覚ますと、うつ伏せになってベットの上に居た。
「あなたは気絶したまま、私達が居たこの山小屋に連れて来られたんですよ。
私は医者でして、ずっとあなたの治療をしていたんです」
俺が状況が掴めなくて呆けている内に、隣に居た男が説明してくれた。
「治療といっても火傷に障らないよう、楽な姿勢で寝かせて消毒と他に外傷が無いか調べただけですが。
心配しないで下さい火傷の他には特に外傷は診られませんでしたし、火傷もいずれ治まるものです」
男は落ち着いた態度で怪我の具合を説明し、俺の不安は幾分和らいだ。
「……そうですか、ありがとうございます」
俺は礼を言ったきり男が居るのとは反対を向いて、ベットに潜り込む。
多少不安は和らいだと言っても、とても誰かと話がしたい気分じゃない。
殺し合いの最中に気絶していたという事は、もし隣に居た男がその気になっていたら……
改めて思い返したら、ぞっとする。
アンデッドとの戦いも命懸けだったけど、それとは異質な殺し合いの恐怖。
263:不死者の奏でる狂想曲 ◆ozOtJW9BFA
07/03/28 08:07:19 d4AVGtoo0
それに、夢の中に出てきた闇とその声……
俺は克服した筈だ。幼い日の闇も……そしてあいつも………
「……放送はもうされたんですか?」
「ええ、一度だけですが」
「誰が死んだか教えて貰えますか?」
闇の奥からの言葉を思い出し、問いかける。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
俺は山小屋の周囲を見回りながら、睦月の事を考える。
自分が睦月と会った最後の記憶は、あいつはカテゴリーAに乗っ取られていた。
カテゴリーキングである嶋さんを封印したが、その後姿を消した。
最初は頼りに出来ると考えたが今になって思い返せば、おそらく睦月はカテゴリーAに乗っ取られたままだろう。
だがその確証は無い、なんとか睦月の状態を確かめないと……
「……どう、異常無い?」
キングに声を掛けられ、思考を中断する。
「ああ………そう言えば君には睦月が世話になったな、礼を言うよ」
「睦月?……ああ、レンゲルの事ね。実はその睦月の事で相談があってさ」
キングは携帯の写真を、俺に見せる。
睦月の事をレンゲルと言い直したのが引っ掛かったが、写真を見たらそれどころでは無くなった。
「これは!?」
「……これ睦月が持ってた携帯なんだけどさ。この子に銃を向けてるライダーが、橘だって言うのは本当?」
明らかに年下の者に呼び捨てにされたのがさっきより引っ掛かったが、それより解決すべき問題が出来た。
「確かにこのライダーは俺だ。だがこれはこの少年が人を殺したからだ!」
「……ふ~ん、でも睦月は橘が危険人物で、ゲームに乗ってるって言ってたけど……」
「睦月がそう言ったのか!?」
「でも橘は危険人物に見えないし、睦月も様子がおかしかったから、確認の為に聞いてみたんだけど……」
間違い無い!これで睦月がカテゴリーAに乗っ取られている事がはっきりした!
「……あっ、ちょ、ちょっと待ってよ!! 」
俺はキングの制止も聞かず、山小屋の中に戻っていった。
264:不死者の奏でる狂想曲 ◆ozOtJW9BFA
07/03/28 08:10:44 d4AVGtoo0
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
やっと引っ掛かる人間が出てきたよ。
でもギャレンとレンゲルを戦わせる為には、もう一押ししないとね。
ただレンゲルは俺の顔を知ってるんだよな、どうしょっかな……そうだなあのカーテンの端を切って
大きさはこれ位でいいか、これをバンダナの要領で頭に巻いて……っと。
ずっと付けてるつもりも無いし、窓ガラスに写して見たら印象も変わってるし、まあこんなもんで良いだろ。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「嘘だ!!あの剣崎さんが……剣崎さんが死ぬ筈が無い!」
ベットの上で、立ち上がる。
「落ち着いて下さい。傷に障ります」
「剣崎さんが死ぬ筈が無いんだ!だって……だってあの人は!」
「………」
「俺や橘さんがどれ程惑っても、あの人だけは何時も目の前で苦しめられている人を助ける為に、
揺らぐ事無く戦い抜いてきたんだ!……それに………あの人はもう人間じゃ……」
「成る程、嘘や間違いの可能性も否定出来ませんね」
男の言葉に、俺の気勢は止まる。
「私はちゃんとあなたに死亡者を教えました。それは他の人に確認を取ってもらえば分かります。
しかし主催者が我々を操作する為虚偽の情報を流したり、参加者が自分が死んだと偽装した可能性も有ります。
いずれにしても……」
男は椅子に座り直す。
「ここであなたが騒いで、確認出来る事ですか?」
俺もベットに座り直す。
「……すいません……あなたにこんな事を言っても、仕方ないですよね……」
俺は我ながら不安げに、手元のレンゲルバックルを見つめる。
大丈夫だ、俺はあいつに打ち勝った。
265:不死者の奏でる狂想曲 ◆ozOtJW9BFA
07/03/28 08:12:17 d4AVGtoo0
確かに今はカテゴリーキングもクイーンも無い。
だが今はもう嶋さん達の力を借りる必要も無い、あいつはもう居ないのだから。
――ではお前は誰の声を聞いているのだろうな?
己の内から、何時か聞いた闇の声がする。
――お前はいずれ俺を受け入れる、生き残る為にな。
黙れ、黙れ、黙れ!!
「睦月から離れろ!!」
耳障りなドアを乱暴に開ける音をたてながら、部屋に入るや否や橘さんはそう言い放った。
「……橘さん?」
「睦月、お前を拘束する」
俺は思わず身構える。
「な、なんなんですか!?いきなり?」
「安心しろ、殺しはしない。だが今はお前を指導している暇は無い。だから拘束する」
「そんな事言われて、安心出来る訳無いじゃないですか!訳を言って下さい」
「お前と化かし合いをするつもりは無い。睦月……いや、カテゴリーA!」
カテゴリーA――その名で呼ばれた時、己の内であいつが笑った気がした。
「橘さん、さっきから何を言ってるんですか!?俺はもうカテゴリーAじゃないと知ってるでしょう?」
不安を隠しきれない俺は、レンゲルバックルを握り締める。
「睦月、バックルを俺に渡せ」
「嫌です!」
「何故だ?」
「今の様子のおかしい橘さんには渡せませんよ!」
「それを渡さないのなら、お前は自分が睦月じゃなくカテゴリーAだと認めることになるぞ」
「だから違うって言ってるだろ!!さっきからなんなんだあんたは!」
俺は不安と恐怖で増幅された苛立ちを、そのまま橘さんにぶつける。
266:不死者の奏でる狂想曲 ◆ozOtJW9BFA
07/03/28 08:13:34 d4AVGtoo0
「やっぱり橘は普段と違ってるんだ」
いつの間にかドアの前に立っていた、バンダナを巻いた少年が話に入ってきた。そして俺に携帯を投げ渡す。
その画面に写っていたのは、ギャレンが子供に銃を向ける写真。
「そのライダーが、子供を殺す所の撮ったんだけどね」
「違う!俺は殺して等…」
「何が違うんだよ!今もレンゲル……睦月から武器を奪おうとしてただろ」
橘さんの声に被せる様に、少年が話を続ける。
「そのライダーは変身が解けた後、橘の姿に戻ったんだけどさ……」
「お前、一体何…」
「その橘の姿から化け物に変化していったんだよな」
橘さんの声を遮り、更に話を続ける。
「大方この橘も、そいつが化けた偽者って所だろ」
そうか、こいつは橘さんじゃ無かったのか。
そうだ、俺は間違っていない。間違っているのはこいつだ!
「お前はカテゴリーAと組んでいたんだな……」
偽者が訳の分からない事を少年に言っている。
何時までも橘さんの声で喋りやがって、黙らせてやる。
「変身」
『OpenUp』
アンデットとの融合によるライダーへの変身が、妙に心地好い。
「睦月、お前を救う為には戦うしか無いようだな……変身!」
『TurnUp』
光壁を通り抜け、偽者はギャレンに変身する。
「変身出来たか……」
偽者がまた橘さんの声で訳の分からない事を言って、俺を苛立たせる。
――ギャレンを殺せ。
言われなくても、やってやるよ。
267:不死者の奏でる狂想曲 ◆ozOtJW9BFA
07/03/28 08:15:09 d4AVGtoo0
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
上城君が眠る部屋がどうも騒がしいと思って戻ってきたら、何よこれ?
二人のライダーが睨みあってる。
片方はレンゲルで、もう片方は確かギャレンか。
木野は状況が掴めないといった様子で二人から離れているし、これはキングの仕業と見て間違い無い。
その証拠に似合わないバンダナをしたキングが、俺にこんな事を耳打ちしてきた。
「余計な口出ししたら、殺すよ」
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
ライダーもそうでない者も、不死にあらざる者は皆
その部屋に入る限り異様な緊迫の中、膠着を余儀無くされた。
「出っ来ました!さあ皆さん、朝ご飯にしましょう!……どうしたんですか?」
否、一人だけ違っていた。
【上城睦月@仮面ライダー剣】
【1日目 現時刻:朝】
【現在地:樹海A6エリア】
[時間軸]:本編後。
[状態]:背中に大火傷。精神不安定。
[装備]:レンゲルバックル、ディスカリバー@カブト、携帯電話
[道具]:不明。
[思考・状況]
1:橘への対処。
※睦月は橘を偽者だと思っています。
268:不死者の奏でる狂想曲 ◆ozOtJW9BFA
07/03/28 08:16:25 d4AVGtoo0
【北岡秀一@仮面ライダー龍騎】
【1日目 現時刻:朝】
【現在地:樹海A6エリア】
[時間軸]:本編終盤辺り。
[状態]:手負い。でも軽傷。
[装備]:不明。(袖口に隠し持てる)
[道具]:不明。
[思考・状況]
1:橘と上城君を何とかして止めよう。
2:ついでにキングにどう対処するか(こいつもう変身出来たっけ)
3:木野薫に警戒する。
4:……城戸たちとでも合流してみるか。リュウガについて何か分かるかもしれない。
5:橘を利用する。人数がある程度減るまでは優勝するかアンデッドになるかは保留。
【木野 薫@仮面ライダーアギト】
【1日目 現時刻:朝】
【現在地:樹海A6エリア】
[時間軸]:本編38話あたり
[状態]:肩、腕に加え、脇腹にサーベルの刺傷
[道具]:精密ドライバー、救急箱(元は岬ユリ子の道具)。
[思考・状況]
1:とりあえず状況を把握
2:自分の無力さを痛感している
3:力を得るために最強のライダーになる
※木野は時間軸のずれにより、津上のことを葦原の友人としか認識していません。
269: ◆ozOtJW9BFA
07/03/28 08:26:51 d4AVGtoo0
投下終了しました。
規制の為、状態表の続きは避難所に投下しました。
誤字、脱字、矛盾点等あればお願いします。
270:名無しより愛をこめて
07/03/28 09:44:14 VfNj2nMj0
二人ともGJ!!
>宿敵
何でだろう。昭和見たこと無いのにジェネラルシャドウと茂の声が脳内再生された……
そういやスペードのAはともかく、クラブの8……ポイズン?ジョーカーを毒殺すると申したか。
そしてパーゼク放置……浅倉とかに拾われそうでやだなあ。生身でも鬼のように強い浅倉が目に浮かぶ。
>不死者の奏でる狂想曲
睦月黒化?やーな時間軸から来ちゃったなあ橘さん。
>「今の様子のおかしい橘さんには渡せませんよ!」
尤もな意見だ。だが睦月よ、橘さんの様子がおかしいのは今に始まったことじゃない。
271:名無しより愛をこめて
07/03/28 12:46:18 fa/rdDpk0
投下乙
全員が自分なりにちゃんと合理的な行動をとっているのに、微妙にかみ合っていない様が
面白くもあり恐ろしくもあり…いい展開のしかたですね
橘さんもこうしてみると、別に頭が悪いわけでもなく、しかも正義感の強い人なのに…なんでこうなっちゃうんだろうなあw
272: ◆4wyf44BgsE
07/03/28 12:52:44 vzfKmUhIO
お二人ともGJ!
◆E1yyNEjdEc
誇り高きジェネラルシャドウ格好良かったです!
◆ozOtJW9BFA
大人数にもかかわらずすっきりとまとめてあり、キャラ1人1人の個性が生きていて素晴らしい!
ついでに経過報告します。
進捗状況は7割程度です。
多分、金曜の夜に投下します。
273:名無しより愛をこめて
07/03/28 14:09:24 1ayj3bGvO
投下乙。
俺はブレイドは見たことないが、橘さんの噂はよく目にする。だからこう言わせてもらうぜ。
さすがだぜ、橘さん!
俺達にはできない勘違いを平然とやってのけるッ!
そこに痺れr(ry
274:名無しより愛をこめて
07/03/28 15:16:00 nDh6HLdAO
>>256
いつもまとめ更新乙!
それと何気に原作ライバル対決って初じゃないか?熱い!熱すぎるぜ…!
頼れる先輩の風見を失った茂の先行きが不安だったが、今回のSSで大丈夫かもしれんと思い直したよ。超GJ!
>>269
俺が巻いたキングのフラグが活かされて凄く嬉しい。このまま何も無く終わると思ったから…
うっかり橘さんと黒睦月の誕生でブレイド勢がカオスに。
剣崎→死亡
橘さん→うっかり八兵衛
睦月→黒
キング→不協和音
伊坂→空気
始→ジョーカー
原作のバトロワ宜しく、灯台組のような波乱が起きるかもしれんな…。何はともあれ超GJ!
275: ◆TJ9qoWuqvA
07/03/28 18:30:21 5WLqBEvJ0
>>269
投下乙&GJ!
橘さんはほんとにもう~
でもそれでこそ俺たちの橘さんだ! 大パーティの崩壊はロワのお約束だから面白かった。
それでは投下行きます。
276:Round ZERO ~ Clown RESOLUTION ~ ◆TJ9qoWuqvA
07/03/28 18:31:40 5WLqBEvJ0
神代剣は、サングラスをかけた、男の死体を見下ろしていた。
彼はその男を知っていた。いや、知識として持っていた。
カテゴリーJ、上級アンデッドと呼ばれ、剣崎の先輩である橘を翻弄した強敵、伊坂ことピーコックアンデッドである。
何故不死である彼が人の姿のままでベルトのバックルを開き、倒れているかは知らない。
だがチャンスであると悟った彼は、コモンブランクをベルトに落とした。
カードが身体の上に落ち、光を放ちながら吸い込まれていく。
死体が消え、ダイヤのJが神代の手に収まる。
(これで目的の一つは果たした。禁止エリアになる前に去るとするか)
禁止エリアと呼ばれた場所に足を踏み入れた理由はただ一つ、残されたアイテムの回収である。
加賀美との戦闘を終え、時間の猶予があるうちに、禁止エリアの放置されたアイテムを回収しようと思ったのである。
頂点に立ち、全てを無かったことにする為。誰もが笑って暮らせる世界を創る為。
そのためなら手どころか心を汚すことさえ躊躇わなかった。親友を殺したように。
(俺はカ・ガーミンを殺している。後戻りは出来ん。……だからこそ、俺以外を幸せにする!)
決意を胸にその場を後にしようとしたとき、天よりそれは響いた。
『みんなぁ! 殺し合いなんてもうやめてー!!』
驚き、声が聞こえたほうを向く。
(放送? ……いや、拡声器か何かか?)
『殺し合えって言われたからって、人を殺すなんておかしいよ!』
少女の訴えが胸を突く。
(そうだ、おかしいな。だがな、ショ・ミーンの少女よ……)
『帰りたいから殺すの? 守りたい人がいるから殺すの? ただ殺したいから殺すの? 怖いから殺すの?』
(俺は償いの為に殺す道を選んだんだ。引き返す気はないんだ……)
『そして何も力が無くて脅えている人! 私もそうだった!』
その言葉に驚愕する。こんな目立つ前をすれば狙われるのは誰だって分かるはずだ。
277:Round ZERO ~ Clown RESOLUTION ~ ◆TJ9qoWuqvA
07/03/28 18:32:45 5WLqBEvJ0
なのに、放送の少女は何の力も持たないと言う。命を懸け、少女と同じ不安な人々を勇気付ける為に訴えを続けている。
『ファイズは、仮面ライダーは……闇を切り裂いて、光をもたらす!』
その高貴な行いに、彼は、神代剣は目眩を起こした。加賀美に負けないほどの高貴な振る舞いを、何の力を持たないショ・ミーンの少女が行っているのだ。
無関心を抱けるはずがなかった。しかし、神代の心地よい陶酔を無粋な銃弾が引き裂く。
一瞬の間をおき、少女の高貴な振る舞いが汚されたことに気づいた。
憤怒の表情が浮かび、怒りの歩みを丘へ向ける。高貴な振る舞いは、誰にも汚させてはならない。
どうせ数を減らさなければならないなら、少女を殺すような殺戮者を手にかけてもいいはずだ。
どんな道を歩もうと、神代剣の本質は仮面ライダーだった。
そんな彼の足を止めたのは、一筋の光だった。
『俺は闇を切り裂き光をもたらす、仮面ライダー! キック! ホッパァー!!』
その言葉に耳を疑うが、ザビーとなった矢車を見た事を思い出した。
声からして、別の誰かを資格者として認めたのだろう。
認めた相手が闇を切り裂くといっているのは意外だが、すぐに思い直す。
もとより資格条件なんて曖昧だ。ただゼクターが気に入るか否か。
ドレイクやサソードなど、ワームすらも主として選ぶ。それだけのことだ。
だからこそ、少女を守ろうとするものに力を与えたホッパーゼクターを称えてやりたかった。
踵を返し、市街地へと戻る。あの場に自分の出番がないのは充分分かった。
少女の高貴な振る舞いに応えるのは、親友の血で汚れた自分ではなく、闇を切り裂き、光をもたらす仮面ライダーであるべきだからだ。
(新しいキックホッパーよ。もし逢うことがあるのなら、決闘を挑もう。正々堂々と、一対一で!)
今は道は交わらないが、いずれ決着をつけるのは分かっている。
自分とキックホッパーの資格者では戦うしか道はない。
(ショ・ミーンの少女よ。君の高貴なる振る舞いは受け取った。俺が頂点に立ち、君が夢を追いかけられるような世界を創って見せる!
それまではキックホッパーの胸に抱かれていてくれ。俺は……)
地面を強く踏みしめ、前を向く。剣の柄を強く握り、地面を抉り火花を散らせる。
278:Round ZERO ~ Clown RESOLUTION ~ ◆TJ9qoWuqvA
07/03/28 18:34:00 5WLqBEvJ0
(神に代わって剣を振るう男、神代剣だ! 神に代わって、全てを救う!)
少女の放送を糧に、決意を強める。彼に迷いなど芽生えるはずがなかった。
―SWORD VENT―
ビルの窓より剣が回転し、龍を模した黒衣のライダーが掴む。
上段より振り下ろされる刃を、カリスは自分の刃で受け止めた。
甲高い金属が交わる音が静かな市街地に十数度響く。
カリスはこのままでは埒があかないと判断し、カードをラウズする時間を稼ぐ為、後方に飛び退きながらカリスアローの矢を放つ。
―GUARD VENT―
黒龍のライダー、リュウガは盾でカリスの攻撃を防ぎながら突進する。
距離が一、二メートルまで近づき、盾を投げつけてきた。
盾が視界を遮り、焦る。
盾が甲高い金属音を立て、吹き飛ばされながら胸に一文字の傷が刻まれ、緑の血が噴出す。
―STRIKE VENT―
続けて龍の頭を模した拳がカリスを吹き飛ばす。
そして、漆黒の龍がリュウガの後ろに舞いながら現れる。
充分距離があるはずなのに、まるでカリスを殴るように拳を突き出す動作を起こす。
動作の終わりと同時に、黒い炎がカリスに迫った。
―Tornado―
カードの絵柄が光となりカリスの身体に吸収される。カリスアローより風が巻き起こり、炎の軌道を僅かに逸らす。
地面に直撃して爆発が起こり、衝撃で壁に身体を叩きつけられる。
技を放とうと、カードを手に取ろうとするが、腕が振るえ地に膝をつく。
目の前には剣を構えこちらに近付く黒衣のライダーがいた。
ジョーカーに姿に変え、迎え撃とうとするが痛みに身体が反応しない。
279:Round ZERO ~ Clown RESOLUTION ~ ◆TJ9qoWuqvA
07/03/28 18:35:05 5WLqBEvJ0
(俺は終わるのか?)
まだ剣崎と天音ちゃんを救うことが出来ていない。終わるわけにはいかない。
なのに、身体は動かなかった。
(剣崎……)
「ウェェェェェイ!!」
聞こえるはずのない声に、天を仰ぐ。
「大丈夫か!? 始!!」
青い装甲、銀の角、赤の瞳、自分を守らんと剣を振るうその姿、それは彼の知る剣崎一真そのものだった。
「キサマ……」
リュウガが呟き、剣を払う。
しかしブレイドは受け止め、刃を滑らせ当て身をくらわせる。
バランスを崩したリュウガの腰にミドルキックをかまし、二枚のカードをブレイラウザーにラウズする。
―Slash・Thunder―
―Lightning Slash―
「ハァァァ……ウェェェ―――ィッ!!」
雷を纏いし刃が、下段から上段にかけ、リュウガを払い身を躍らせる。
「ぐぅぅ……」
帯電し、動きが止まる。そのときを狙っていたようにカードをラウズする。
―Mach―
電子音が響き、ブレイドに抱えられる。
朦朧とする意識に、懐かしい感触に身を委ね、カリスから始へと姿を変え、意識を闇に落とした。
「逃がしたか」
淡々と呟くと、ガラスが砕け散るように黒龍の鎧が弾ける。
280:Round ZERO ~ Clown RESOLUTION ~ ◆TJ9qoWuqvA
07/03/28 18:37:34 5WLqBEvJ0
禁止エリアから逃れるように踵を返し、市街地を進もうとする。
「ま、待ってくれ……。私も連れて行ってくれ……」
自分に縋る望月の姿に軽蔑の視線を送る。
失血により視界がきかないのだろう。誰でもいいから助けて欲しいと無様な姿を晒しているのだ。
「今楽にしてやる」
拳銃、デザートイーグルを向け、引き金に指をかける。
静かな住宅街に雷鳴のような音が轟か――なかった。
(何故だ! 何故撃てない!!)
フラッシュバックするのは銃を撃たれ無残な姿を晒していた女性の死体。その光景が、リュウガを躊躇わせていた。
舌打ちし、望月の腹を蹴る。蛙が踏み潰されたような声を上げるのを見下す。
「まあいい。あと一時間もすれば禁止エリアになる。それまで残りの短い生を噛み締めるんだな」
心とは裏腹に冷徹な声で吐き捨て、その場を後にする。
漆黒の龍が去った後には、死を待つのみの男が取り残されたのみだった。
(私は死にたくない!)
生への執着心を持って、片手で這いずり回る。地面を掴む指は爪が剥がれ血が滲む。
(ドラスに会えれば助けてもらえる。ドラスと合流さえすれば……)
地面を掴もうと腕を動かすと、固い感触に当たる。
ゴミ捨て場より、腕に当たった壊れたオルゴールの箱が落ち、静かな音を奏でる。
旋律が、望月博士の心を刺激した。
―宏、音楽を聴くと優しい気持ちになれる。
自分が、愛する息子に教えた言葉が浮かぶ。