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ゾル大佐は、つい数週間前、クラゲダールを改造した時のことを思い出していた。5万ボルトの電圧に耐える
電気クラゲ人間の改造素体としてショッカーのコンピュータに選ばれたのは、屈強な男ではなく、水泳の
インターハイ記録を持つ、17歳の女子高校生だったのだ。
プールの底に仕掛けた穴に吸い込まれ、競泳用水着を身につけたまま拉致されたその美少女・鮎川麻耶は、
何人もの男たちが黒コゲになった高電圧テストにみごと耐え、改造手術台の上に運ばれる栄誉に浴したのだ。
《・・・やだ!・・・そんなもの被せないで!・・・やだッ!・・・ボクを元の人間に戻してッ!・・・》
麻耶は発電装置を体内に埋め込まれて、真っ青な全身タイツをまとったかのようなボディに改造された。
そして改造人間拘束用の椅子に縛られたまま、特殊な培養によって巨大化した改造電気クラゲの体組織を、
白覆面の科学者たちによって頭部からすっぽりと被せられたのだった。
《ギャアアッ!・・・外してッ・・・このクラゲを外してッ!・・・ボクは、ボクは!・・・アアアッ!》
麻耶の美しい素顔は、奇怪な電気クラゲですっかり覆われた。やがて彼女は電気クラゲの発する電気パルスに
よって意識をコントロールされ、身も心もショッカーの改造人間、クラゲダールへと生まれ変わっていった。
《ヒィヒヒヒッ!・・・ボクは、いやオレ様は、ショッカーの改造人間クラゲダール!・・・ヒィヒヒヒッ!》
ゾル大佐はクラゲダールの、華奢なボディに似合わぬ戦闘能力を思い出して、ニヤリと微笑んだ。そして
椅子から立ち上がり、戦闘員たちに指令を下した。
「よし! ただちにこの娘を拉致して来い! 今度こそ、改造蟻人間を無事に誕生させるのだ。・・・いや待て、
万全を期すため、拉致は戦闘員ではなく、再生怪人を使え。それも二体だ!」
「イーッ!」
戦闘員が退出して2時間後、二体の再生怪人が無事、素体を捕獲したとの連絡がゾル大佐の元に届けられた。