Candies キャンディーズ 8at KYON2
Candies キャンディーズ 8 - 暇つぶし2ch853:なんてったって名無しさん
07/10/12 08:09:51 ohifKVBI
著名な音楽評論家中村とうよう氏が1995年の著書で熱く語っています。

キャンディーズが大好きだった。彼女たちのように気持ちいい、さわやかな思い出を残してくれたアーティストは、日本にはほかにいない。
実を言うと、いまでもときどきLPなど引っぱり出して聞く。ちっとも古臭くなんかならないし、いつもぼくをいい気分にしてくれる。
(中略)
 3人組キャンディーズのデビューが73年。ふたり組ピンク・レディは3年遅れて76年に「ペッパー警部」で登場し、ハデハデのアクション
で売り出した。うたう歌も、あるときアラブの大富豪、とか、地球の男に飽きたところよ、とか、非日常ないし超現実の世界を無雑作に歌詞
に引っ張り込んだのばかり。それに対してキャンディーズは、
ボタンの取れてるポケット/汚れて丸めたハンカチ/あいつは可愛い年下の男の子、とか、ふたりっきりになったら/どうしたらいいかしら/
危い土曜日/見つめられてるの、といった、誰でも体験する思春期のロマンを素直に歌うのが身上だ。百恵は意識的にちょっと陰のあるヒネっ
歌もうたわされたが、キャンディーズにそういう
ことはなかった。どこにでもある平凡な日常、でも色気づき始めた中学生や高校生にとっては大切な人間の感情のゆらぎをサラリと自然に
歌ってくれるキャンディーズに、若者たちが自分を代弁してくれる存在を見出して共感するのは、とても健全なことであり、そんな彼女たちが
少しもウソっぽく感じさせなかったのは、やはり稀有な
キャラクターだったと率直に認めねばなるまい。そういう対象を友だちと共有できた若者たちは幸福だった。キャンディーズのいたころは、
学校にイジメもなく、上九一色村にオウムもなく、日本に青春らしい青春が存在し得た最後の時代だったんじやないか、とさえ思いたくなる。
だからぼくは百恵でなくキャンディーズに聖処女伝説を見る。
(中略)
しかし、山口百恵の引退と同じようにキャンディーズが借しまれて解散したのに対し、ピンク・レディは末路が哀れだったという印象が強い。
人気絶頂のうちから、ふたりのうち片方が体が丈夫でなくて、ハデな表面と裏腹に足もとの危うさを感じさせており、CMやキャラクター商品
やあれこれ思いつく限りの商売に結びつけた所属プロの
欲張りなやり方と相俟って、親方にアコギに絞り取られているむかしの大道芸人みたいなウラ寒い痛ましさがつきまとっていた。スターの仮面が
最後までウソっぽかったのは、キャンディーズでなくピンク・レディのほうだ。それだけにアッという間の凋落は案のじょうという感想を与えるものだった。
 だからなおさらキャンディーズのあと味のよさが忘れられない。(中略)女の子たちが可愛い声でコーラスしてるなんてのはポップ・ミュージックの王道
であり、しかもその歌がナイーヴな青春ソングだったらもう言うことない。可愛らしくて明るくさわやかなキャンディーズをもし持ち得なかったとしたら、日本
のポップ・ミュージックは不幸な
片輪だったと言われても仕方ないだろう。ザ・ピーナッツに関しても同じことが言える。しかしやはりピンク・レディは、まずキャンディーズがいて、そのアン
チテーゼとしてのみ存在し得たものなのではないだろうか。


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