07/04/13 23:24:17 LQ13HaPU
夢の終わりにちょっとだけゆうなが登場した。
駅ビルを出ると雨が降っていた。昼間なのにやけに暗い。
おれは傘を持っていなかったので、
広いバスロータリーを最短で突っ切るべく、背中を丸めて早足で歩き出した。
そこに左のほうから透明なビニール傘を差したゆうなが歩いてきた。
お互いに声をかけたりはしなかったが、一緒に並んで歩いた。
ゆうなは時々傘を傾け、少し見上げるようにしながら楽しそうに何か言うのだが、
おれには何を言っているのか、ほとんど分からなかった。
ゆうなに合わせて歩調を緩めたせいで、半分も行かないうちにずぶ濡れになった。
気にならないのかわざとなのか、傘に入れてくれる気はないようだ。
すると雨降りだというのに、右方のバス停に傘が置き去りになっているのが見えた。
ゆうなは指をさしながら「あれを使えば?」みたいなことを言っている。
持ち主はバスに乗ってしまっただろうから、わざわざ取りに戻ってくる可能性は低い。
それでも何となく気がとがめて躊躇していると、
「雨が止んで要らなくなったら、そのへんに放って置けば、また雨の時誰か使うよ?」
最後に「循環型社会」などと言った。ちょっと違うような気がしたが、言いたいことは分かった。
結局傘は拾わずに目が覚めた。