07/06/24 15:22:31 gzy+SxDS
>>708の続き
「これ、食べてーや。」
おにぎりを差し出してきた。
自分で握ったのだろうか。
近くにいる人間の、世話を焼かざるを得ない性分なのだろう。
ふと、４月最初の放送を思い出した。
関西弁ではきはきしゃべる様子は、異彩を放っていた。
そして、あの自己紹介の時。
「ぷにぷにのほっぺが、私の自慢です。」と言った時。
心臓が、どくんと大きな鼓動を、一つ打った。
何だろう。
この胸のときめき。
それにしても、最近、調子が良くないみたいだ。
みんなとうまくいっていないのか。
スタッフや団長に、厳しいことを言われたのだろうか。
気が付いたら、怪訝そうな顔をして、こちらを見ている。
知らない間に、かなり複雑な表情をしてしまったようだ。
何て優しいんだろう。
自分自身が不安と悲しみの真っ只中にいるというのに、他人への気遣いを忘れないとは。
そこまで考えた刹那、衝動にかられた。
両手を握り、頬にキスした。
おにぎりが転げ落ちた。
「！！」
「心配しなくてもいいんだよ。」
「ほっぺに・・・。」
「不安なことがあったら、話して。」
「ほ、ほっぺに・・・。」
「自分一人で、抱え込まないで。」
「ほ、ほっぺに、ほっぺに・・・キス・・・した・・・。」
顔が真っ赤だ。
木生でセリフを間違えた時でも、こんな風にはならなかったのに。
そういえば、つい先日まで、ランドセルを背負っていたんだっけ。
真っ赤な。
＜さらに続く＞