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~昭和20年夏、終戦前~
飼育員「ほら、花子、じゃがいもだよ。たんとお食べ。」
そのじゃがいもは、くぅちゃんの臭いがたっぷりついたじゃがいもでした。 食糧難の当時、動物園の動物達は、ほとんどがくぅちゃんの臭いつきのじゃがいもを食べさせられ、殺されていきました。
しかし、賢いゾウは、そのくぅちゃん臭に気付き、じゃがいもを食べようとしません。 飼育員達はとうとう、クソじゃがいもを食べさせるのを止め、えさを与えないで死を待つことにしました。
数日で、みるみるとゾウは痩せていきました。 痩せたゾウは、最後の力をふりしぼり、必死で芸をしようとしていました。
いつも子供達の前で見せていた「羊水が腐るなどとたわ言をいう馬鹿を踏み潰すパントマイム」です。 芸をすれば、エサがもらえる。ゾウは、そう信じていました。
必死で芸をするゾウを見て、たまらなくなった飼育員達は、くぅちゃんの臭いのついていないじゃがいもを持ち出し、ゾウの前に置きました。 「もう我慢しなくてもいいんだよ、好きなだけお食べ。」
しかし、ゾウには、もうエサを食べる力は残っていませんでした。 それから数時間のうちに、ゾウは死にました。
死後、ゾウの亡骸を解剖したところ、胃には水の一滴すら残っておらず、カラカラでした。
「くぅちゃんをやめろ!!!!!、早くくぅちゃんをやめてくれ!!!!!」 飼育員達の悲痛な叫びが、青い空にこだましました。
戦争が終わったのは、それからすぐのことでした。
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