06/09/20 12:31:24
「葬儀場の手配をして欲しい」 「親族を集めて欲しい」そんな話が出るくらい、一時は危篤状態に陥ったのだが
優秀な医師と、周りの必死の看病の甲斐あってか一命をとり止めたのだ。いつだったか・・・。彼の意識が戻ったーというので
夫と一緒に見舞いに行った。東京から少しばかり離れた病院であったが肝臓のエキスパートがいる病院らしい。
意識が戻ったーとはいえ、彼の免疫力はまだまだ低く、私たちは入り口で消毒し、マスクをし特別個室を見舞ったのだ。
「僕のせいで、親には迷惑をかけました。この部屋だって、個室だから一日いくら・・・」
「こら!儲かった命なんだから、この後に及んでまだグズグズ言っちゃいけないよ。
お金の事は後からなんとかなることだしとにかく今は、命に感謝して治す事だけに専念しなさい。
仕事だって、なんとかなるさ。頑張らなきゃって悩むからこんなコトになってるんでしょ!」
三途の河原を彷徨うほどの貴重な経験をしたわけだし、その事を本にしたり、芸にいかしたりー貰ったラッキーな命を利用しなきゃ♪
などと励まして、笑顔で病院を後にしたのだ。その時、私は亡くなった祖母を思い出した。
急に容態が悪くなり、病院の個室に入った時に私にコッソリ言うのだ。「連れて帰って。退院したい。個室は高いんだろ」
「そんなの心配しないで。お金なら私たちがー」そういう問題ではないのだ。〈他人に迷惑をかけること〉