07/06/13 19:24:06 EzH0W6zJ
誤解しないでいただきたい。この映画がつまらないことなど、ぼくは
見る前からわかっていた。だからかけらも怒ったりはしていない。
そして「こんなものは映画ではない」などと言うつもりもない。そんな
ことを言えば松本氏(あるいはその代弁者)から「年寄りの頭の固い
映画評論家には新しい笑いはわからんのよ。なんせ松本は天才や
からね」と言われるのはわかっている。だからそもそも見に行くのは
嫌だったのだ。何言ってもそれに対する反論は最初から用意されて
いるんだからね。しかし、それでもなお、ぼくは見に行ったよ。
そこにあったのは無だった。無。二時間の無。これはなんだろう?
コメディではない。だって、ギャグはひとつもないし、ひとっかけらも
笑えないんだから。でも人情ものでもない。松本氏がぶつぶつと呟
いているのを二時間見せられて、なんの人情を感じろというんだろ
うか?怪獣映画でもない。CGのキャラクターが人のいない町で何
も壊さないように暴れるもののどこに怪獣映画の快楽があるだろう?
まさか、社会批評?
そこには何もない。ただ、ひたすら空虚な時間が過ぎていく。見てい
るこっちはひたすら無感覚になっていく。なんせ怒りという唯一の反
応さえも最初から封じられているのだ。それがテレビというものなの
だろうか? でも、テレビならいつでも消すとかチャンネルを回すとい
う選択肢がある(ぼくはそもそもテレビなど見ないのだが)。映画館で
はただ、ひたすらこの麻痺に耐えることしかできない。
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