08/04/08 23:39:29 4lBJZgFC
>>934
ちょっと違うと思いますよ。
この主人公の恒夫は良くも悪くも「優しい人」なんですよ。
体の不自由な娘のために廃盤の本を探し、乳母車を直し、家の改築を手伝い、
老婆の死を知ると駆けつけて、望まれるまんま関係をもつ。困ってる人をほっとけない。
だから昔の女が泣いてると真剣に慰めてしまう。望まれるままによりをもどす。
優しい人。けど残酷な優しさでもある。それは最初ジョゼも傷つけるし。
覚悟はないんですよね、恒夫には。ジョゼを愛する覚悟ももてなかった。
でもジョゼは違ってた。愛する人と一番怖いモノを見る覚悟もあったし。
一人で海の底を転がる覚悟もあった。多分、恒夫の妻になる覚悟もあったし、
カーナビを切る覚悟もあった。
最後まで恒夫はジョゼと違って愛する覚悟も別れる覚悟もなかったと思う。
だからラストに恒夫はガードレールにしがみついて泣き崩れるしかなく、
ジョゼは一人でガードレール沿いの道を疾走した・・・なんだか象徴的