06/12/31 14:04:59 Iq3knz64
撮影八日目 2003.2.14
「恒夫がジョゼの乳母車を押して走る」シーン撮影。
ハッピーなこのシーンのために、お天気を願っていたら、最高の快晴で嬉しい!
「川原の土手。乳母車につけたスケートボードを漕いで恒夫が走る。乳母車の中でジョゼが笑う。」
目の当たりにすると、それはびっくりするほどまぶしい光景だった。
恋と命がキラキラしている。まさにせつなの奇跡のような輝き。
土手の下から二人を眺めながら、スタッフ女子たちが、いきなり涙ぐんでいる。
その隣でプロデューサーが、「妻夫木がさあ、ほんと楽しそうに笑ってんのがいいよなあ。
なーんも考えてないって感じでさあ。」と、つぶやいている。
本当に、そこがいい。ホスピタリティでも優しさでもなく、恒夫は、ただジョゼに恋をしている。初めてのデートを楽しんでいる。
妻夫木くんの笑顔は、本当にそういう笑顔だった。最高に単純な笑顔だった。
しかし、そんな年寄りどもの感傷などおかまいなしに、撮影後、妻夫木くんは、「あー、すっげーキツいっすよ、これ。」と芝生の上にヘバっている。
スケボーを漕ぎながら乳母車を押すのは、見た目より全然大変らしい。
「みんなが泣いていたよ。」と、いうと「うっそだ、絶対うそだ。なんで???」とキョトンとしていた。
二十二歳の君には分かるまい。