06/11/18 20:37:53 eUFdgfhj
>>471
>少なくとも現場の人間は、それじゃダメと分かってはいたと思う…多分。
川北鉱一氏はジュピター以前に実験的なモーションコントロール装置を作っていたそうです。
普通の撮影用の移動車をステッピングモーターで走らせる程度のものだったらしいけど。
要はモーションコントロールされているのは台車だけで
その台車に三脚をロープか何かでガチガチに縛るという方式。
見てくれは禿しくトホホだし、前後に動くという簡単な動きしか出来なかったらしいが
カメラの方にアタッチメントを装着すればちゃんと微速度撮影にも対応出来て
モーションコントロールの基本である「動きの反復性」も高いものだったそうです。
ジュピターの話が来た時、川北氏は「ノウハウも無い事だし、最初から高望みはしないで
これを発展させたものを使ってはどうか」と提案したらしいが総監督の小松氏はアボットを強く推した。
で、結果的にはこちらの方を採用。小松氏の頭の中では「MC=クレーンがウイーンと動く」
というイメージが強かったんですかね。見てくれがトホホな簡易MCは受け入れ難かったのかも知れない。
こちらを採用していればモデルが溶けるほどの光量は必要なかったと思うだけどね。
工業用ロボットというのは「皿からネジを拾ってネジ穴に」という動きは完璧にこなすんだけど
皿からネジ穴へ移動する間の軌道の精密さは度外視されている場合が多い。
車の組み立てにその種の精密さは必要ないもんね。
「工業用ロボットをMCに」という発想は一見賢そうに見えるが、実はとんでもない袋小路だったのかも知れない。