03/09/07 19:49 ut6Md7A5
「構想の死角」のつまらなさを具体的に検証してみよう。
ミステリとして楽しむには、犯行というか物語の構成が杜撰過ぎる。
1 乾物屋と別荘からかけた電話の発信記録が残存してしまうこと。
発信記録を調べることにより、犯人の電話は乾物屋からかけたものだと
わかるはずである。ガイシャが最初に別荘から電話局にかけた記録も
残っているはずであり、本来であればこの辺から謎解きしないとおかしい。
2 乾物屋のおばんにガイシャが目撃される可能性を考慮しないのは
迂闊過ぎること。
おばんは、犯人に色目を使っており、犯人はそのキャラを良く把握していた
はずなのにである。
3 犯人の自宅前への死体放棄、危険過ぎる。
自動車を調べられたら、ルミノール反応が出てお終いなのでは?
また、前に「ホリスター将軍のコレクション」の欠陥としても指摘されたのと
同様な点だが、ガイシャを射殺した別荘を家宅捜索されたら、
やはりルミノール反応が出てお終いである。
素人が短時間で射殺の犯跡を完全に隠蔽するのは不可能かと思われる。
4 ワインのコルク、サイン入りの著作を始末しておかず、コロンボに発見されて
しまうのは迂闊に過ぎる。
5 最大の欠陥は、犯行のネタになったメモが発見されただけであり、
具体的な犯罪の証明(物証等含む)がなされていないこと。
メモどおりに実際犯罪が行われたという厳格な証明が必要である。
この辺は、コロンボのトリッキーなひっかけが欲しかったところだ。
「今のは自供と判断していいね」は強引に過ぎる。
キャメラワークが良いとか、そういう面を見てる人もいるのだろうが、
ドラマとしては、こんなモノ見て喜んでいては駄目です。