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【視点】人の死に「政治的演出」 千葉法相の死刑執行命令
28日に就任後初めて死刑執行に踏み切った千葉景子法相は、死刑制度反対論者として知られてきた。
27日にも「死刑は大変重い刑」と死刑に慎重姿勢を強調していたが、実は死刑執行の命令書に署名
したのは24日のことだった。法相の職責をようやく果たしたともいえるが、国民をたばかる不意打ち
だといわれても仕方ない。30日召集の臨時国会で野党側からの追及をかわす思惑も透けて見え、
死刑囚の命をもてあそぶ政治パフォーマンスのにおいすら漂っている。
千葉氏は28日、死刑執行の一方で、死刑廃止を検討する勉強会を法務省内で発足させることも表明し、
本心は異なることをアピールした。この日死刑となった2人は、まるで千葉氏の政治的都合のために
便宜的に命を奪われたかのようだ。
千葉氏は昨年9月発足の鳩山内閣で法相に就くまでは「死刑廃止を推進する議員連盟」に参加。死刑反対の
姿勢を貫き、平成元年には日本人拉致実行犯である北朝鮮の元工作員、辛(シン)光(ガン)洙(ス)
元死刑囚の釈放嘆願書にまで署名したほどだ。
鳩山由紀夫前首相は民主党幹事長時代、「法相は死刑執行をしなければ資格はない。死刑を多くの国民が
求めている時代だ」と指摘していた。千葉氏は鳩山内閣時代、「そういう(鳩山氏の)発言があったことは
覚えているが、適切に対応したい」と平然と無視してきたが、そうした信念も底の浅いものだったようだ。
千葉氏は死刑を執行しないと信じ、しばしの安(あん)堵(ど)を得てきた死刑囚たちは、心をなぶられた形だ。
また、千葉氏は今回の死刑執行にあたり、最後の死刑執行からちょうど1年の28日を選び、法相としては
異例の立ち会いもした。だが、そんな政治的演出めいたやり方は、厳粛であるべき人の死に際し、本当に
必要だったのか。
そもそも先の参院選での千葉氏の落選は、有権者が千葉氏の法務行政に「否」を突き付けたともいえる。
法的に問題はなくとも、民意の承認を得られなかった法相による死刑執行は、どこか腑(ふ)に落ちない。
(村上智博)
2010.7.28 21:59 産経新聞
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