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妊娠を希望する18カ国の男女1万人を対象に、不妊治療の意思決定に関する
世界的な調査が行われたところ、日本では子どもが欲しいという欲求が低く、
不妊治療への理解・知識レベルが、最低水準にあることが分かった。不妊治療に対し、
恥ずかしいことと否定的に捉える傾向が強く、全ての要素で理解が高かったデンマーク、
スペインと比べて、対照的な結果が得られた。メルクセローノと英カーディフ大学が、
第26回欧州ヒト生殖医学会で発表した。
調査は、男女で不妊症を医師に相談する割合が56%、不妊治療を受ける割合が22%に
とどまる背景を調べるため、オーストラリア、デンマーク、ドイツ、フランス、インド、
ブラジル、カナダ、中国、ロシア、日本など世界18カ国で実施された。その結果、子どもが
欲しいという強い希望は、全ての国で共通していたが、日本、ロシア、中国、インドでは
低いことが分かった。また、充実した人生に子どもが重要な位置を占めるという意識も、
フランス、ロシア、インド、ブラジルで高いのに対し、日本、トルコ、メキシコ、オーストラリアでは低かった。
不妊治療への理解は、デンマークが最も高かったのに対し、日本は不妊症に対する認識、
不妊治療への姿勢、楽観的な人生観のレベルが、いずれの国よりも低いことが明らかになった。また、
不妊症に関する知識レベルは一般的に低く、国によって大きなバラツキが見られたが、日本、トルコ、中国は最も低かった。
これらの調査結果から、日本では不妊治療の選択肢に関する知識が際立って低く、
治療の成功や安全性への見解が、明らかに弱いことが浮き彫りになった。不妊治療に対する
否定的な姿勢を見ても、日本では「恥ずかしいこと」と答える傾向が強かった。妊娠を望まない
男女の多いことが、不妊治療への理解・認識不足につながっていることを示唆する結果といえそうだ。
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