10/07/10 12:34:31 0 BE:218261232-PLT(12066)
先ゆき不透明ななか、識者の政治意識もいろいろだ。
「ローマ人の物語」などの著作で知られるイタリア在住の作家、塩野七生(ななみ)が月刊誌「文芸春秋」8月号の巻頭随筆で、
参院選を論じている。タイトルは、
<民主党の圧勝を望む>
だれもが圧勝はあるまい、と予感しているだけに、意外性がある。この2ページの短文、男女関係までからめてつづられ、
読みごたえがあるが、論旨には同意しかねる。
なぜ圧勝を望むのか。塩野は、
<政権安定のためである。それも、他の党との連立を組む必要のない、強力で安定した政府にするためなのだ。……
多くの日本人同様に私も、日本の政治家に希望をいだかなくなって久しい。だから、菅新首相に特別に期待しているわけではない。
ただ一つ、参院でも過半数を制して安定した政府をつくり、それで少なくとも三年はつづいてくれ、という想(おも)いだけなのだ>
と書いている。少なくとも3年は、という点は賛成だ。ひっきりなしの首相交代がいかに国の損失かは、当コラムも再三訴えてきた。
もういいかげんにしてほしい、と思う。菅直人首相も、
「この5年で4人も首相が代わった。これではだめだ。参院選で問われているのは、安定か混乱か」
と言う。安定とは政権の継続で、塩野の願望と同じである。
ただ、塩野は継続だけでなく、<強力で安定した政府>を望み、そのための圧勝、つまり民主党の単独過半数はもとより、絶対安定多数を期待している。
そこが、あす投開票の参院選最大のポイントだ。イタリアからの目は、単純化し割り切ることができる。しかし、民主党政権発足から10カ月、
日々新政権と付き合ってきた国民にとっては、そうすっきりとはいかない。
政権の継続はいいとして、強力・安定の議席を与えてしまっていいのか。民主党は政権党として、この国の将来を託すだけの資格を備えているか。
<普天間の鳩山>と<消費税の菅>を見つめながら、国民には迷いが生じている。塩野は、その点、(>>2-以降へ続く)
記事引用元:毎日jp(毎日新聞 2010年7月10日 東京朝刊
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