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★向精神薬、生活保護1300人が不正入手?
大阪市西成区の生活保護受給者から不正入手した向精神薬を違法転売したとされる事件を
受けた厚生労働省の全国調査で、少なくとも1324人の生活保護受給者が80自治体で
1月、複数の医療機関から向精神薬を処方されていたことがわかった。
基準の4倍の量を4か所の医療機関から処方されたケースなど、不正入手が広く行われて
いる実態が浮かび上がった。
調査は、厚生労働省が4月、全国106の都道府県、政令市、中核市に指示。今年1月の
診療報酬明細書(レセプト)をサンプルとして点検し、公費負担で精神科などを受診した
生活保護受給者で、複数の医療機関を受診(重複診療)し、向精神薬を処方されたケース
について報告を求めた。
読売新聞の取材に、対象の106の自治体のうち、93自治体が回答。そのうち、37道府県、
16政令市、27中核市で、重複診療が見つかった。最多は大阪市の146人。次いで北九州市
112人、神戸市98人、高知市89人、山口県74人、奈良県38人、和歌山市36人、
横浜市35人など。
大阪市によると、146人のうち約80人が基準量を超える向精神薬を入手していた。処方せんを
コピーして複数の薬局から向精神薬を手に入れたり、約10か所の医療機関を受診したりした
ケースもあったという。
さいたま市では、浦和区の30歳代の男性が医療機関4か所で、大量に飲むと意識がもうろうと
する向精神薬のハルシオンを1か月の基準量(60錠)の4倍の計240錠処方されていた。
また、北九州市では、同市八幡西区の1人が3医療機関から、ハルシオンや精神安定剤のデパス
など計222錠を処方されていた。
高知市の40歳代の女性は、神経内科や内科など4か所で、大量に服用すると幻覚や妄想などの
禁断症状が出る精神安定剤ソラナックスなど7種の向精神薬計556錠を処方されていた。
薬害に詳しいNPO法人「医薬ビジランスセンター」の浜六郎代表は「これだけの量を1人で飲めば、
興奮状態になって異常行動を起こすこともある」と指摘する。
調査の総数は、集計中の自治体もあり、さらに膨らむ見通しで、同省は、7月中にも調査結果を
公表する方針。各自治体は、違法転売や薬物依存の有無など実態を調査する。
(2010年7月1日23時28分 読売新聞)
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