10/07/01 13:01:50 joIuGAmW0
超伝導の実用化の問題は実は温度ではない。
超伝導状態を壊して通常の状態に移行するのは温度以外にも、磁場の影響がある。
すなわち臨界温度と臨界磁場ってやつだ。
電子の移動を一定方向にそろえて行う場合、かならずその電子自身による磁場が周辺に発生する。
従ってこの磁場が臨界を超えると、とたんに超伝導状態が崩れてしまう。
多くの高温超伝導物質は半導体なので抵抗値が大きい。
よって一気に大電流が高抵抗値物質内部に発生するため、場合によっては発火、爆発する。
そのため超伝導ケーブルや超伝導コイルといわれるものは、その臨界をこえて通常状態になった際の電流を逃がす為に
その超伝導物質のまわりに導電性の極めて高い金属でコートしなければならず、結局普通に送電線を作ったほうがいいということになる。
この臨界磁場というのが思いのほか低いので、臨界温度以下でも自らの磁場で超伝導状態が破壊されてしまうのだ。
非常に小さい電気回路等ならショート程度で済むが、逐電や送電などにしようとした場合、その臨界状態が壊れた際に放たれる熱エネルギーはかなり大きなものになる。
従って超伝導状態の応用はこの手の利用には原理的にまったく向いていないのだよ。