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◆恭親王・(世界周遊中だった)前アメリカ大統領グラント会談
恭親王「ところで、是非とも閣下のご高見を仰ぎたい問題があるのでございますが。
天津の李鴻章氏がすでにその一件についてはご説明なされたもののごとくでございますが、
実はその我が国と日本国との間に横たわる懸案についてなのであります。」
グラント「琉球島に関する問題なのでございましょう。」
恭親王「その通りでございます。琉球島の主権ということ、すなわち、近時、
日本国が琉球国抹殺の動きに出ていることに関することなのでありますが。
閣下が日本国の天皇の招きにより、国賓として、かの国にもお立ち寄りになるとの報に接し、
我が国としましても、このような機会を見逃すべきでないという風に考えている次第です。
そして琉球問題に関する我が国の立場を閣下を通じて日本国へお伝え頂けることであれば、まことに幸いなことだと思っているところでございます。」
グラント「日本側は琉球王国に対し、どのような挙に出てきているのでありましょう。」
恭親王「琉球国王は日本国へ連れ去られ、その上、王位を剥奪されました。
琉球王国の主権が抹殺され、日本国直轄の機関が設置されるに至っております。
私共は、英米の人たちの手になる国際法を、その中国語訳に基づき検討いたしましたが、
貴国の人たちの認める国際法の概念によれば、琉球王国の抹殺ということは、
いかにもそのような国際法上の観念に反することであり、
他の国々によっても当然考慮されねばならぬ重大事件のように思われます。」
グラント「一国の支配者を捕らえ、しかも国外へと連れ去るとの挙に出ることは、
戦争状態ないし重大な敵対行為の存在する非常時以外には考えられぬ誠に高圧的なやり方の如く思われます。」
The New York Herald,1879年から