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・経営破綻(はたん)した商工ローン大手のSFCG(旧商工ファンド、東京)が破綻前の
平成20年12月、親族会社に約400億円の資産を流出させた疑いが強まったとして、
警視庁捜査2課は16日、民事再生法違反(詐欺再生)の疑いで、同社元会長の
大島健伸容疑者(62)を逮捕した。
捜査関係者によると、大島容疑者は経営破綻直前の20年12月、親族会社に対し、
所有していた計約418億円分の不動産担保ローン債権について、売買を装って
簿価より格段に低い価格で譲渡し、資産を不正に流出させた疑いが持たれている。
破産管財人によると、一連の資産譲渡が行われたのは20年9月~21年2月ごろ。
同社が保有する不動産担保ローンや貸し出し債権など約2670億円の資産が、
無償で譲渡されたり格安で売却されるなどした。このうち約1238億円は破綻が
確実となった同1~2月に処理。譲渡・売却先は、大島容疑者の義弟や妻ら親族が
代表を務める企業など計7社だった。
捜査2課はこうした行為について、大島容疑者が差し押さえを逃れるために行った
疑いがあるとみて捜査。21年9月以降、SFCG元幹部から、資産譲渡の経緯について
事情聴取を重ねてきた。
その結果、複数の元幹部が「大島容疑者の指示を受け、部下らに手続きをさせた」
などと供述。さらに約418億円の資産譲渡については、譲渡先との間で行われた
ほかの金銭取引と関連がないことから、SFCGから資産を移すことで債権者に損害を
与えた疑いが強いと判断した。
破産管財人によると、今年3月時点で、SFCGへの債権額は約2900億円にのぼる一方、
資産は約61億円にとどまっている。
SFCGは「商工ファンド」として昭和53年に設立。平成14年に社名変更した。中小企業向け
担保ローンで急成長したが、貸金業法改正などの影響で業績が悪化。21年2月に
経営破綻した。平成11年には強引な取り立てが社会問題化し、大島容疑者が国会に
参考人招致されている。
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