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★買わぬ若者 エコに関心 酒飲まず、車いらず、自転車好き
・お酒は飲まず、車も乗らず、健康重視で自転車にはお金をかける-。ここ十年間で、
二十代、三十代の若者世帯の「節約志向」が強まり、消費を縮小している実態が、
第一生命経済研究所の分析で明らかになった。お金に余裕があるシニア層が消費の
現場で存在感を増す一方、収入が増えず、将来に希望を持てない若年層の影は
薄くなりつつある。
総務省の家計調査(二人以上世帯)のうち二〇〇〇年から〇九年の間、二十代、
三十代が世帯主の家計支出が消費全体に占める割合の推移をまとめた。
調査品目は、酒類、外食、交通・通信、レジャー・教養など計三十八で、三十六品目の
比率が減少した。
消費全体では18・6%から15・5%へ微減だったが、個別品目では大幅な下落が
目立った。発泡酒は、29・6%から21・1%に8・5ポイント減少。自動車購入は32・5%
から19・0%に13・5ポイント、自動車関連用品は39・8%から22・1%に17・7ポイントも
減少した。
携帯電話通信料も、35・4%から24・3%に11・1ポイント減少。お金がかかる通信手段は
使わず、家族間通話の無料サービスなど、安い料金プランを上手に活用していることが
うかがえる。
一方、数少ない増加品目は自転車。健康と環境への配慮が背景にあるとみられ、22・7%
から26・2%に3・5ポイント上昇した。もう一つの上昇品目は、「すし」で13・4%から13・8%へ
わずかながら増えた。
分析した熊野英生主席エコノミストは、「若年層の割合が減った分、企業年金も手厚いシニア層が
増加している」と指摘。「若者を狙え、というキャッチフレーズは過去の神話。日本経済の将来を
考えると、衰退の兆候だ」と懸念する。
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