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★顔の障害等級で男女差は「違憲」…広がる波紋
・顔などに大きな傷跡が残った労働災害の補償で、男性は女性より低い障害等級とする国の
基準を「違憲」とした京都地裁判決が波紋を広げている。
男女差のある労災の障害等級が、交通事故の自賠責保険などのモデルになっているからだ。
様々な補償制度も「男女平等」の流れへと向かうのか。
厚生労働省の運用する労災の障害等級では、容姿に著しい傷跡が残った場合、女性の方が
精神的苦痛が大きいなどとして、男性は12級なのに対し、女性は5等級上の7級になる。
給付額の差も大きい。
裁判では、顔に大やけどをした男性(35)が「法の下の平等を定めた憲法に違反する」と主張。
5月27日の判決は、一般的に女性の方が自分の容姿に関心が高いことは認めつつ、「これほど
大きな差を設ける合理的根拠はない」とした。竹中恵美子・大阪市立大名誉教授(女性労働論)は
「今の障害等級は、女性の価値を容姿で決める古い社会通念に基づいている。男女同等に
向かってきた歴史の流れに沿った判決」と評価する。
この等級が作られたのは、労災保険法が施行された1947年。戦後、間もない頃だ。
障害例と、それに伴う給付額の差は全14級に分類され、55年施行の自動車損害賠償保障法の
後遺障害等級に引き継がれた。
51年施行の国家公務員災害補償法、67年の地方公務員災害補償法、さらには81年の
犯罪被害者等給付金支給法も同じ内容だ。
なぜ、男女差のある障害等級が引用されたのか。
自賠責を所管する国土交通省の担当者は「当時、国の基準は省庁間で統一されるべきだと考え、
そのまま労働省(現・厚労省)の制度を引用したのではないか。国交省独自の見直しは難しい」と言う。
厚労省など各省庁も「男女差が問題化したことも、見直しを議論したこともなかった」という。
(>>2-10につづく)
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