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民主党の代表選は菅直人財務相が樽床伸二環境委員長を圧倒して、ついに念願の
総理大臣の椅子を手に入れた。とりあえず、新体制で再生を目指すことになる。
世論調査を見る限り、有権者の反応はまずまずだが、これで民主党は立ち直れるのか。
代表選という演出、新内閣の清新さで、有権者をひきつけられるのは短期間だ。
民主党の今後には、いくつものハードルが待ち受けている。
今度の代表選は、小沢寄りとみられていた菅が一気に小沢離れすることで、
非小沢派を味方につけた。代表選で獲得したのは291票。前原、野田グループなど
非小沢派がごっそり乗っかり、旧社会党系、鳩山グループも雪崩を打った。
ターニングポイントは3日の出馬会見である。ここで菅は「(小沢には)しばらく
静かにしてもらった方が本人にも、民主党にも日本の政治のためにもいいのではないか」
と小沢離れを鮮明にした。
「あれで岡田、前原、野田が菅支持でまとまった。ちょっとでも、小沢に軸足を残したら、
誰かが立候補したでしょう。あのタイミングであの発言をしたことが、菅さんの政治センスです」
(非小沢派の中堅議員) この間、菅は小沢に何度も面会を求めたが会えなかったことを明らかにした。
これも小沢が本気で菅に怒っている証差とみられた。
しかし、いざ、代表選が終わると、菅はシレッと「ノーサイド」「報復するつもりはない」と
言い出した。この辺が菅のしたたかなところだ。本当に剛腕・小沢と仲たがいすれば、
党内に大変な火種を残すことになる。しかし、そこまではしない。おそらく、人事でも配慮する。
これが菅の現実路線なのである。ある政界関係者は「菅さんの小沢離れは演出の可能性すらある」と言う。
小沢とは「アウンの呼吸だったのではないか」と言うのだ。(以下省略)
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日刊ゲンダイ 2010/06/05