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鳩山の進退を巡る攻防が一気に鳩山不利に傾いたのは6月1日夕、小沢らとの2度目の会談を終えた後。
「続投か」と質問する記者団に、左手の親指を立ててみせたことが、思いも寄らぬ波紋を広げたのだ。
「サムアップ」と呼ばれる「承認」「同意」など前向きな姿勢を示すしぐさに多くの人が「続投で乗り切った」と受け止めた。
鳩山は「自分の心を外には一切出さないように努めた」と説明、
辞意を隠し、あえて元気を見せるための動作だったことを示唆している。
だが、党内では「あの親指は何だ」「参院の危機的な状況が分かっていない」と反発も呼んだ。
所属国会議員の間では「サムアップ」への批判がメールや電話で飛び交った。
「『鳩山降ろし』は改選を迎える参院議員の一部に過ぎない」と強気だった鳩山周辺も、
「あれで衆院側にも火がつき、包囲網から逃げられなくなった」と頭を抱えた。
2日午後。鳩山はわずか8か月半の滞在となった首相官邸の執務室の片づけに着手した。
簡易投稿サイト「ツイッター」には「これからは総理の立場を離れ、人間としてつぶやきたい」と、
早くも心は辞任後に飛んでいる様子をつづった。
そんな吹っ切れた様子の鳩山も、幸夫人の“説得”には苦労したようだ。
この日、慰労に訪れた中井国家公安委員長が「奥さんもほっとされているだろう」と声をかけると、
鳩山は「理解してもらうのが大変だった」と答えた。(敬称略)
記事引用元:(2010年6月3日03時10分 読売新聞)
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