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・31日に行われた鳩山首相と温家宝中国首相の首脳会談は友好ムード演出に腐心し、
東シナ海のガス田共同開発問題で中国が条約交渉入りに同意するなど成果が並んだ。
だが、中国が早期開発を目指す「白樺」ガス田などで日本側が事前交渉で大幅な譲歩案を示し、
これに中国側が飛びついたにすぎない。両政府は局長級協議を近く開始する方針だが、日本の
出資比率は最大で3分の1以下に抑えられる可能性が高い。
温首相「総理から『日本は今が一番いい季節だ』と聞いた」
鳩山首相「新緑の日本を味わっていただければと思います」
首脳会談は、和やかなやりとりから始まり、ガス田問題も温首相が「できるだけ早急に交渉を
開始したい」と切り出した。「東シナ海を平和、協力、友好の海にするための合意を実施に
移したい」とわざわざ鳩山首相の言葉を引用してみせるなど、“気配り”も忘れなかった。
これまでの交渉で、中国側は、先行開発したガス田「白樺」について、5対5の対等条件での
開発とした他のガス田と異なり、共同開発の対象外と明確にするように強硬に要求してきた。
白樺は東シナ海のガス田で最大の埋蔵量が見込まれており、中国側はすでに商業都市の
上海につなぐパイプラインの敷設を進めているからだ。出資比率などの条件面が有利に
進めば、中国側のメリットは大きい。
結局、日本政府は3月に過去の交渉経緯などを精査した上で、白樺と他の共同開発を切り
分ける対処方針を決定。これを受け、中国政府は5月上旬に非公式の局長級協議、5月中旬に
外相会談に応じるなどじわじわと態度を軟化した。温首相のにこやかな対応は、日本政府の
譲歩に対する謝意だと言えなくもない。
外務省幹部は「白樺の出資比率について中国側と合意はない」と説明するが、他の共同開発と
「出資」との線引きを明確にしたことにより、交渉は中国側に有利に進む見通しだ。日中関係筋は
中国企業2社がすでに開発を手がけていることを挙げ、「日本の出資比率は単独で2社を
超えない3分の1以下となるはずだ」との見方を示している。(一部略)
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