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・久美さん(30歳・福祉)が彼と出会ったのは、短大卒業後に就職した福祉事業所で。
ただ、初めて会ったときの印象は全くと言っていいほど思い出せない。そんな彼と、その後10年に
わたって不倫関係を続けることになるなんて、当時は思いもしなかった-。
7歳年上の彼とは配属された部署が別で、当初は会話を交わすこともなかった。
30人ほどの小さな事業所だったから、若手スタッフの仲は良かった。終業後に飲みにいったり、
休みの日にはバーベキューをしたり、ボウリング大会をしたり。
そんな中、彼のほうから声をかけてきたのだ。「二人で一緒に遊びにいかないか?」-と。
「最初は…もちろん断りましたよ。“この人、何言ってるんだろう! ? ”って。結婚している人
だってことは知ってましたから」
彼は諦めず、何度も声をかけてきた。「1回ぐらいなら」と応じたのが二人の関係の始まりだった。
最初のデートでは、ドライブに行った。何か決定的なことがあったわけじゃない。彼は仕事のこと、
友達のこと、久美さんの話をただただよく聞いてくれた。「優しい人だな」。そんな印象を持った。
それから、月に一度ほど、二人きりで出かけることが続いた。居心地が良くて、安心できる、
楽しい時間だった。
「付き合おう」-そう言ってきたのは彼のほうからだ。自分がまさか不倫をするなんて、思っても
みなかった。「頭では、いけないことだって分かってたんですけど」
久美さんにとって、彼は人生で初めて付き合った人。それまで気になる男性がいても、傷つくのが
怖くて、自分からはなかなか行動できなかった。「好きだ」「付き合おう」-積極的にアプローチ
してきた彼の存在は純粋にうれしかった。
彼と二人きりで会うのは月に一、二度。夜遅くは無理だ。家庭を持つ彼も、実家で両親と暮らす
自分も、夜10時前には帰宅しないと家族に不審がられてしまう。
待ち合わせは終業後。人目につかないように、会社から離れた郊外で。連絡は主に携帯メールで
取り合った。電話は、自分からはほとんどかけなかった。彼を困らせるのが分かっていたから。
だから、ひたすら彼からかかってくるのを待った。(>>2-10につづく)
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