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仕事での事故などで顔や首に目立つ傷あとが残った人の障害の重さを判断する国の基準が
男性と女性とで違うことについて京都地方裁判所は「性別による差別的な取り扱いだ」と
述べて憲法に違反しているという判断をしました。
京都府内に住む35歳の男性は15年前に勤務先の作業場で、溶けた金属が飛び散って重い
やけどを負い、顔や首など日常的に目立つ部分にやけどのあとが残ったことについて、
労働基準法に基づく災害補償を求めました。
その際、障害の重さを判断する国の基準が男性と女性で違い、同じ程度の傷あとでも女性で
重く見るのは、法の下の平等を定めた憲法に違反すると国を訴えていました。
判決で、京都地方裁判所の瀧華聡之裁判長は「女性のほうが一般的に外見に対する関心が高いと
いうことを考えても目立つ傷あとによって受ける精神的苦痛の大きさが、男女によって違うとまでは
言えない。判断基準が、性別によって違うのは差別的な扱いできわめて不合理だ」と述べて国の
基準は憲法違反だという判断を示し、男性の訴えを認めました。
男性の弁護団は記者会見で「画期的な判断が示されてうれしく思っている。差別的な扱いが
長年続いてきたということは驚くべきことであり、原告の男性と同じように苦しんでいながらも声を
上げられなかった男性のためにも法改正を強く求めたい」と話していました。
原告の男性は「貴重な20代のほぼ全てを治療に費やした上、大きな傷を負うことで人生にこうむった
被害はとても大きかった。男だからと差別されていたのはおかしいという主張が認められて大変うれしく
思っている」というコメントを出しました。
原告の男性の父親は「息子が苦しんでいるのをずっと見てきたので、判決が認められてうれしい。
やけどのことを人に聞かれるのがつらく、火傷のあとが、人目に触れるのを避けながら感じ続けてきた
精神的な苦しみに男女の違いはない」と話していました。
厚生労働省は「違憲判決が出たことは把握している。判決内容を確認して今後の対応については
関係省庁と協議をして決定する」とコメントしています。
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