10/05/29 16:53:37 nZEr+hZY0
>>91
覚せい剤の正体は、脳内にある神経伝達物質だ。
覚せい剤を打つと、脳内の神経伝達物質が増え、一時的に神経伝達速度が向上する。
覚せい剤を使うと頭が良くなるように思えるのはそのせい。
ただし、脳は神経伝達物質の濃度を一定に保つ働きがあるので、覚せい剤で神経伝達
物質を増やすと、人間の脳細胞は神経伝達物質が多すぎると判断して、脳細胞による
神経伝達物質の生産を減らして調整しようとする。
この、神経伝達物質の生産が抑圧された状態が続くと、脳細胞の神経伝達物質の生産
能力自体が損なわれてしまい、覚せい剤を止めても脳内の神経伝達物質の濃度が正常
に戻らなくなる。
神経伝達物質が不足すると脳が正常に働かなくなるので、覚せい剤中毒者は覚せい剤
を打つことによって神経伝達物質を増やし脳を働かせようとする。
そうするとますます脳細胞自身の神経伝達物質生産能力が損なわれるという悪循環に
陥る。
これが覚せい剤中毒といわれるものだ。
中毒と言われているが、その実態は脳細胞の神経伝達物質生産能力が損なわれている
状態を指し、毒物の中毒とはまったく異なる。
覚せい剤自体は、化学的毒性はあまりない。
だから開発された当初は、覚せい剤中毒の恐ろしさが見逃されたのだ。
そして、脳細胞は新陳代謝を行わないので、いったん細胞の神経伝達物質生産能力が
損なわれたら、その能力を元通り回復させることはきわめて難しい。
脳細胞は胎児のときにしか増殖せず、生まれた後は減る一方で回復することはない。
覚せい剤を打つということは、その限られた脳細胞の能力を不可逆的に破壊することに
等しいのだ。